エントリーシート(以下、ES)の趣味・特技欄に書く内容には、それぞれの違いや就活に適した趣味・特技、書き方など、気を付けなければならないポイントが複数あります。
ESの趣味・特技欄の字数には明確な基準がなく、企業によって「30字」「50字」「100字」「200字」など、文字数を指定される場合があります。その際、文字数に応じた書き方をすることで、人柄を効果的に伝えることができます。
本記事では、ESの趣味・特技欄の正しい書き方と効果的に伝えるポイント、趣味・特技の見つけ方や例文まで解説します。ライバルとの差別化を図り、ES全体の魅力を高めていきましょう。
目次
ESの趣味・特技欄で「合う企業」を引き寄せる
ESに無駄な項目はなく、どの質問項目にも企業の意図があります。趣味・特技欄は人柄の判断材料であり、人柄からは仕事の適性や社風への適合が判断できます。つまり、企業は「会社に合う人材」を探すために、趣味・特技欄を設けています。
どんなに好きな仕事でも、合わない会社に勤めるのは苦痛です。適性のある仕事を長く続けるには、あなたにぴったりの会社と巡り合う必要があります。社風への適合が判断できる「趣味・特技」は、就活生にとってマッチングの役割を果たします。内容を充実させることで、「合う企業」を引き寄せられます。
ESの趣味・特技欄で企業が確認する4つのこと
仕事への適性があるか
企業は趣味・特技から人柄を読み取ります。人柄からは仕事の適性を判断できます。例えば明るく他人を気遣えるなら、顧客や取引先とも関係を円滑に構築できるでしょう。独創的でアグレッシブなら、「若きアイデアマン」としてプロジェクトを引っ張れます。
あなたの人柄と仕事に求められる人物像を比較することで、適性を判断できるのです。
人柄が社風に適合するか
趣味・特技には人柄や性格が強く現れます。企業にとっては、社風との適合を見極める良い材料です。社風に合わない人は力を発揮できないだけでなく、社員と協調して仕事ができません。
そのため、社風に合わない人柄の場合は早期離職に繋がり、採用コストが無駄になる恐れがあります。企業は「自社に合う人材」を採用するために、趣味・特技欄を最大限利用しています。
継続力を持ち仕事にあたれるか
長く続けた趣味・特技は継続力の証拠になります。どのような仕事にも継続力は不可欠です。途中でやめてしまっては、知識やスキルが身につきません。趣味・特技はガクチカよりも長いスパンで記述できます。趣味・特技を極めた経験(実績)があれば、企業は安心して採用することができます。
同じ姿勢で仕事ができるか
趣味や特技には価値観が強く現れます。一つのことに熱中して極める、浅く広く知識を広げるなど、意識せずとも自分の価値観に基づくアプローチで趣味・特技に取り組んでいるはずです。
企業はあなたの趣味・特技への取り組み方を、仕事の姿勢に重ねて見ます。社員と同じ姿勢で仕事ができることを確認しているのです。
ESにおける趣味・特技の違いとは?
趣味は熱中し継続的に行ってきたこと
趣味はあなたがこれまでの人生で、夢中になり長く続けたことです。嫌々続けたことや、短期間でやめてしまったことは趣味とは言えません。中でも「好きでたまらないもの」や「強く情熱を傾けたもの」には、価値観が強く現れるため、人柄を伝えるために活用することができます。
特技は実績や能力を誇れるもの
特技は他人と比較して秀でた能力です。「人生の誇りにできるもの」「他人に堂々と提示できるもの」を挙げると良いでしょう。コンテストの入賞や資格の取得経験など、成功体験を伴うと説得力が増します。趣味以上に努力を表現しやすいため、ES向きと言えるかもしれません。
ESでは学びが多い項目を選ぶと強い
ESの「趣味・特技欄」には、趣味・特技のどちらを書いても構いません。大切なのは「学び」があることです。学びが多いほど人柄を把握しやすく、仕事の姿勢に繋げた判断が容易になります。
例えば旅行とゲームで迷った場合、学びの量を比較します。旅行からは「価値観の多様性」と「コミュニケーションの大切さ」を、ゲームからは「限られたフィールドで創育工夫する楽しさ」を学んだとしたら、学びが多い旅行を選択するのが妥当です。
自分の強みや人柄が表れ、仕事に関連する学びがあるものや、仕事のイメージに結びつけられるものを選びましょう。
ESでアピールできる趣味・特技を見つける方法
【趣味】日常生活から掘り起こす
際立って趣味と言えるものがない人も、物事に真剣に取り組んだ経験はあるはずです。これまでの取り組みを紙に書き出し、趣味と呼べるものはないか検討してみましょう。日常生活を見渡すことで、見過ごしているものの中にも、趣味に挙げられるものがあるかもしれません。
例えば日々料理に精を出している場合、「人のためになる喜び」「おいしさのため創意工夫する楽しさ」などの学びがあるでしょう。継続する中で得られた学びは、十分なアピールポイントになります。
【趣味】苦にせず継続できた経験を考える
日々自然に続けていることの中にも、趣味にできるものが隠れているかもしれません。苦にせず続けられるのは、自分に合っているためです。誰もが続けられるわけではないと考えれば、趣味に挙げても不自然ではありません。
例えば朝の散歩を年単位で続けている場合、目的が「体力づくり」「健康のため」でも、継続力のアピールになります。「同じ景色の中にも変化を見つける大切さ」や「リフレッシュの効能」を実感しているのであれば、学びの内容にも不足はありません。
【特技】学業やアルバイトでの成功体験を挙げる
特技は、自身の秀でている部分に自覚的になることで見つかります。特に学業やアルバイトでの成功体験は、特技に繋げやすいでしょう。
アルバイト先で商品POPを自作し、客からの評判も上々ならば、「販促物作成」や「商品に応じたデザイン」を特技に導けます。技術レベルが高くなくても問題ありません。「人のためになった」成功体験があり、学びが得られたことが重要です。
【特技】長所と結びつける
長所から特技を導くこともできます。長所はあなたが得意とする能力や魅力的な人柄です。「長所を存分に発揮できるスキルは何か」を考えることで、書くべき内容が見つかります。
「リーダーシップ」を長所としてアピールした人は、仲間を引っ張り頑張った経験から特技を考えましょう。部活でチーム編成に試行錯誤し、見事勝利を勝ち取ったなら、「戦略づくり・実行」が特技に挙げられます。
長所と特技が結びつくことで、一貫した魅力を伝えられます。ES全体がまとまりを持ち、より強い説得力が生まれます。
【特技】企業が求める人物像から逆算する
企業が求める人物像を把握していれば、逆算して考えるのも一つの手です。例えば新入社員に「フレッシュな感性でアイデアを出すこと」を期待する会社なら、独創的な特技が評価されるでしょう。イラストや文章執筆、作曲など芸術系の特技が最適です。創作要素が強いパソコン系の内容を挙げても良いかもしれません。
企業の求める人物像に合わせれば、評価が低くなることはまずありません。ただし嘘や誇張は面接で露見する可能性が高いため、経験がない内容は書かないようにしましょう。
ESに書ける趣味・特技の具体例
スポーツなどの体を動かすアクティビティ
- スポーツ経験全般
- スポーツ観戦全般
- ジム通い
- 筋トレ
- ウォーキング(散歩)
- サイクリング
- ジョギング
- マラソン
- 乗馬
スポーツや身体を動かすアクティビティは、結果を示しやすい点でES向きです。試合や大会での実績はもちろん、身体やメンタルの変化を記述しても説得力があるでしょう。自身の変化に気づきやすいため、学びの内容も多く書けます。
音楽や美術など芸術系の趣味・特技
- 楽器の演奏
- 音楽鑑賞
- 絵画・イラストの制作
- デザイン全般
- 美術鑑賞
- 映画鑑賞
- 映画作品評論
- 写真撮影
- 動画撮影
- 舞踊全般
- ファッションコーディネート
- ヘアメイク
- メイク
- ネイル
芸術系の趣味・特技は高い独創性やみずみずしい感性を伝えられます。仕事で武器になりやすいため、企業も高く評価するでしょう。ただし、専門的になりすぎないよう、知識がゼロの人にも伝わるよう記述しましょう。
語学や資格
- 外国語習得
- 外国語会話
- 異文化研究
- 外国人との交流
- 簿記
- 漢字
- 不動産の専門知識(宅建士)
- 保険の専門知識(ファイナンシャプランナー)
- 危険物の取り扱い(危険物取扱者)
- 色のコーディネート(カラーコーディネーター)
語学や資格には実務に繋がりやすいメリットがあります。内容によっては即戦力としての期待を得られる反面、中途半端だと面接で深掘りされる可能性があります。内容の説明よりも、知識習得を通した「学び」にフォーカスするのが賢明です。
なお、資格そのものは資格欄でもアピールすることができます。資格を特技に挙げるのではなく、「不動産の専門知識」「危険物の取り扱い」など、技能を前面に出しましょう。
プログラミングや動画編集などパソコン系
- プログラミング
- ロボットプログラミング
- 動画編集
- アプリ制作
- CG制作
- Webサイト作成
- サイト運営・Webマーケティング
- DTP
- DTM
- エクセル関数
- エクセルマクロ・VBA
- パワーポイントでの資料作成
パソコン系の趣味・特技も実務に結びつきやすく、評価されやすい内容です。日々上達を感じられるため、学びや成果を得やすいメリットがあります。
ただし、高い専門性をひけらかして書く必要はありません。困難に挑戦する姿勢や、習得過程での学びが大切です。内容の自慢にならないよう注意して記述します。
登山やキャンプなどのアウトドア系
- 登山
- ハイキング
- キャンプ
- ドライブ
- 釣り
- バードウォッチング
- カヌー
- ダイビング
アウトドアの趣味・特技からは快活さがイメージできます。仕事に活き活き取り組む姿勢が想像できるため、悪い印象は与えません。
ただし、具体的な内容がないとライバルとの差別化が図れない可能性もあります。活動を通した独自の学びを、いかに明確に打ち出せるかが鍵です。
旅行や施設巡りなど外出先で楽しむレジャー系
- 旅行
- ドライブ
- 遊園地・テーマパーク巡り
- 水族館・動物園巡り
- 史跡・旧跡訪問
- お祭りやイベントへの参加
- ライブやフェス観戦
さまざまな場所へ出かけ、興味を広げるレジャーは、ESにおすすめの趣味です。得られる学びが多く、仕事に結びつけやすい特色があります。例えば知らない景色や人に出会う旅行は、新たな価値観や多様性への気づきを与えてくれるでしょう。多角的に物事を見られるようになり、仕事で困難に直面したときに役立ちます。
レジャーで得られる学びは、その人の持つ感性に大きく左右されます。感動するポイントが異なるように、学びの内容も人それぞれです。記述する学びの幅が大きいため、ライバルとの重複を気にせず、あなたらしいアピールができるでしょう。
ESで強くアピールできる趣味・特技の条件
強い情熱や愛を表現でき存分に語ることができる
複数の趣味・特技がある場合は、強い情熱をかけられるものを選びます。思い入れがあるほど学びも多く、人柄を強く示せるからです。面接に進んだときに、存分に魅力を語れる利点もあります。大好きなものならば、深く追及されても答えられるでしょう。
証明できる実績がある
特技を挙げる場合、証明できる実績があると良いでしょう。「〇〇入賞」「〇〇点を獲得」など、受賞歴や具体的な数値を挙げます。
趣味・特技欄は書ける文字数が少ないことから、アピール不足になりがちです。客観的な事実があれば、特技に挙げる根拠を長々説明する必要がありません。学びや仕事への決意など、必要なアピールに文字数を割くことができます。
長所や自己PRと結びつけられる
趣味・特技欄の内容をESの他の項目と結びつけられれば、ES全体の魅力が高まります。価値観や行動にブレがなく、就活にも信念があることが伝わります。強い信念を持つ人は仕事でも大きな力を発揮するため、企業も高い評価を下すでしょう。
ESに統一感を出すには、始めから構成を考えて記述しなければなりません。例えば自己PRにリーダーシップを挙げ、ガクチカに運動部で全国大会を目指した話を出せば、両者が結びつきます。さらに長所で「信念を持ち人を引っ張る力」を挙げると、自身の価値観をより強く示せるでしょう。
趣味・特技では、他の項目で示した価値観を曲げない内容を選びます。仲間と共に楽しむアウトドアなら、他の項目から窺える人物像から外れません。「仲間を思いやる強い情」も感じられ、新たな魅力も加えられます。
意外性があり異なる一面を伝えられる
自己PRや長所から感じられる人物像と、意図的にずらす手法もあります。他の項目とは異なる一面をアピールでき、多角的に魅力が伝わります。
自己PRや長所で職人気質な印象を与えた人が、趣味・特技で自由奔放な姿勢を示したら、採用担当者は意外に感じるでしょう。実直に仕事にあたりながらも、ときには自由な感性で柔軟に対応する姿が想像でき、一面的な見方を改めるかもしれません。
ポイントは、内容が「魅力の付け加え」になることです。他項目と真逆の内容を書いてしまうと、アピールを打ち消し合ってしまうので、注意しましょう。
ESで趣味・特技を効果的に伝えるポイント
エピソードには具体的な数値を示す
趣味・特技がただの紹介だけで終わらないよう、説明は具体的に書きます。特にエピソードを書く場合は、趣味・特技の裏付けになることを確認しましょう。
ポイントは受賞歴や数値などで客観性を持たせることです。例えば英語力を特技に挙げる場合、「留学経験があります」と書くより、資格試験の点数を書いた方が強い裏付けになります。根拠となる数字がある場合は積極的に用いましょう。
経験から得た学びや成長した内容を書く
記述文字数が100字以上の場合、趣味・特技を通して得られた学びや、成長した内容も記述します。企業が知りたいのは、趣味・特技の内容そのものではありません。そこから読み取れる人柄です。趣味・特技から学んだ内容を説明すれば、性格や価値観が伝わります。人柄を判断しやすくなるでしょう。
今後の仕事にどう活かすかまとめる
200字以上書ける場合は、「趣味・特技で得た学びを、今後の仕事にどう活かすか」まで記述します。仕事への姿勢を示すことで、適性や社風との適合を判断しやすくなります。
ただし、他の項目との内容の重複には注意が必要です。「仕事にどう活かすか」は長所やガクチカにも記述します。同じ内容では良い印象を与えられません。学んだ内容の違いをしっかり反映させることで、差別化を図りましょう。
ESで趣味・特技をアピールする2つの書き方
内容を一つに絞りアピール力を強める
趣味・特技は、内容を一つに絞って書くのが効果的です。数ある中から、最も学びが多いものを選びましょう。趣味と特技を両方書く必要はありません。2つ以上の話題を出すと、一つひとつのアピール力が弱まります。人柄が伝わらない、曲解されるなどの恐れもあるでしょう。堂々と一つの趣味を語る方が、人柄を端的に伝えられます。
箇条書きで複数の魅力を挙げ内容を強める
一つひとつのアピールポイントが関連し合う場合のみ、複数の項目を挙げる手法も考えられます。例えば趣味と特技それぞれに異なる内容を挙げ、合わせて説明することで強い魅力が伝わる場合です。
例えば趣味に海外旅行を挙げ、特技に英会話を挙げると、両者が関連し合います。趣味の海外旅行を続けた結果、英会話が特技になり得たと判断できるからです。相乗効果で魅力が高まるなら、積極的に複数項目を挙げるのも良いでしょう。
なお、記述の際は「箇条書き」をおすすめします。特に3つ以上の項目を挙げる場合は、箇条書きにしないと読みづらくなるため、注意しましょう。
ESに趣味・特技を書く際の構成
30字・50字指定は「結論+説明」
結論+説明
趣味・特技欄で30字・50字が指定された場合は、さまざまなことを伝える余地はありません。結論をしっかりと書いた上で、内容を説明しましょう。説明は簡潔に書かないと文字数が超過します。「どのようなものか」「何が魅力か」に絞ると短くまとまります。
100字・120字指定は「結論+説明+学び」
結論+説明+学んだ内容
100字以上になると、書ける範囲が広がります。結論と説明に加え、趣味・特技を通して学んだ内容を書きましょう。学びの内容こそが、企業が知りたい部分です。仕事に直接繋がらなくても、成長を感じられれば高い評価を得られます。後ろ向きな学びや反省ばかりの内容は避け、人柄の良さを感じてもらえるよう留意します。
200字以上の指定なら4STEPで仕上げる
- 選んだ趣味・特技を一つ簡潔に書く
- 趣味・特技を分かりやすく説明する
- 趣味・特技を通して学んだこと、成長したことをまとめる
- 今後の仕事にどう活かすか、決意を示す
上記のステップを踏むと、趣味・特技を仕事に結びつけて記述できます。他の項目と共に、入社の意欲や仕事への熱意を示すことができ、熱量のあるESに仕上がるでしょう。強く自己を押し出すことで、企業も仕事への適性や社風との適合を的確に判断できます。
記述の際は、特に「学んだこと、成長したこと」の内容に力を入れます。この部分が曖昧だと、最後の結論に繋げて書くことができません。150字程度を使って、学んだ内容を分かりやすく説明するよう心がけましょう。
箇条書きは「結論+説明」が基本
- 項目が2つ:結論+説明+学び
- 項目が3つ以上:結論+説明
箇条書きは、項目をいくつ挙げるかによって書き方が変わります。項目が2つなら、「学び」までしっかりと書き、各100字程度で記述すると良いでしょう。項目が3つ以上に及ぶ場合、文章が長いと読みづらさを感じます。50字程度の短文を連ねるのが適切です。「結論」と「説明」で魅力を出せるよう尽力しましょう。
ESで趣味・特技を効果的に伝える例文【文字数別】
50文字指定|趣味・特技の例文
【趣味】登山
私の趣味は登山です。季節ごとに変わる景色を眺めながら、自然と一体になり無心で歩く感覚が大好きです。
「結論+説明」の構成です。登山の説明は不要のため、「どこに魅力を感じるか」に焦点を当てています。心情を入れることで、短いながらも感性の高さや独特の価値観が伝わります。
【特技】ロボットプログラミング
私の特技はロボットプログラミングです。昨年開発した高所作業ロボットは、〇〇大会金賞を受賞しました。
50字の文章でも、受賞歴を示すことで企業が一目置く内容に変化します。特技には裏付けがないと、「なぜ得意と言えるのか」と根拠を問われる恐れがあります。客観的な事実を示せば、採用担当者を納得させられる内容に仕上がります。あなたに興味を持ち、「もっと詳しく知りたい」と感じてもらえるでしょう。
100文字指定|趣味・特技の例文
【趣味】翻訳
私の趣味は英語の翻訳です。英書を購入し、一冊ずつ地道に日本語に訳しています。文化が異なると、同じ気持ちを表現するのが大変です。相互理解には、言葉よりも気持ちに着目することが大切だと実感しました。
「結論+説明+学び」の構成です。苦労して学んだ内容を入れることで、困難に対応する姿勢や、物事を学び取る能力、ものの感じ方などを読み取ることができ、短いながらも端的に人柄を把握できます。
【特技】画像編集
私は画像編集が得意です。アルバイト先の飲食店で、店内POPやお品書きに使う画像作成を任されています。少しの工夫でも集客に大きく影響することが分かり、技術を人のために活かす楽しさを実感しています。
アルバイトでの成功体験を持ち出した例です。業務で実力を認められていることが、説得力を高めています。さらに、そこから「社会の役に立つ喜び」に繋げることで、仕事に対する姿勢も想像できます。企業も高い評価を下しやすいでしょう。
200文字指定|趣味・特技の例文
【趣味】読書
私の趣味は読書です。特に青春や恋愛、家族をテーマにした小説を愛読しています。主人公の人生を疑似体験でき、知らない世界に触れる楽しさが魅力です。自分とは異なる世界を知ることで、ものの見方が広がる実感を持ちました。実生活でも、できるだけさまざまな場所に出かけ、新しい世界を体感するよう努力しています。仕事でも挑戦する姿勢を忘れず、新たな課題に積極的に取り組みたいです。
「結論+説明+学び+仕事への決意」の構成です。学びで終わらせないことで、仕事への適性も読み取りやすくなります。注意したいのは、「学び」の内容と「仕事への決意の」結びつきです。結びつきが弱いと、仕事の話が取ってつけたように感じられます。
【特技】勉強を教えること
私は勉強を教えるのが得意です。アルバイトで小学生向けの寺子屋塾に携わり、日々子どもの学力を高めています。良い授業の秘訣は、子どもに寄り添い話を聞くことです。講師に信頼がなければ、子どもは机に向かいません。人を指導するには、まず自分から動き、信頼を得ることが先決だと感じています。入社後の仕事でも、自分から積極的に動くことを怠らず、信頼関係を築いていきたいです。
アルバイトも仕事であり、日々の業務にはさまざまな学びがあります。「学び」を前提に特技を導けば、企業に伝わりやすい文章をつくれます。「自分から動く大切さ」は、全ての仕事に共通して言えることですので、企業からの共感を得やすいでしょう。
箇条書き|趣味・特技の例文
- 私の趣味は鉄道写真です。美しい風景の中で電車を撮るため、日々撮影スポットを探し歩いています。知られざるスポットを見つける中で、どんな町にも固有の魅力があることに気づきました。
- 特技は日本地理です。全都道府県を回ったことで、地域ごとの風景の魅力、おすすめスポットを紹介できます。地域の魅力は地理的特徴だけでなく、歴史や人々の営みからも影響を受けていると実感しています。
箇条書きでは、趣味と特技を一つずつ書く構成がおすすめです。両者とも100字を目安に「結論+説明+学び」で書きましょう。
趣味と特技で同一の人柄を感じてもらえるよう、内容は近いものに揃えます。趣味だけでは伝わりきらない人柄も、特技で補完すれば伝わりやすくなります。
ESに趣味・特技を書く際に注意すべきこと
志望動機やガクチカと矛盾はないか
趣味・特技欄で書いた内容は、志望動機やガクチカなど他の項目と矛盾がないように注意します。各項目から読み取れる価値観がバラバラだと、魅力が伝わりません。
場合によっては全てが嘘だと疑われかねないでしょう。特に人柄がブレてしまうのは避けなければなりません。採否の判断ができず、内定が遠のく原因になります。
ただの自慢話になっていないか
特技を書く場合、継続的な努力から学んだ内容に重点を置きます。学びが記述されていないと、ただの自慢話になってしまいます。企業が知りたいのはあなたの人柄です。人柄は学びの内容に強く反映されます。紹介だけで終わってしまうと、有益な情報を掴み取れません。
指定文字数が短く学びを書けない場合は、できる限り心情を込めた説明を書くことで人柄を想像しやすくなるでしょう。文章だけで把握しきれない部分は面接で質問されるので、ESでは人柄に重きをおいて記入しましょう。
嘘や誇張はないか
理想の自分を演出したい場合や、企業が欲する人物像から逆算して趣味・特技を書く場合、嘘や誇張を書いてしまいがちです。
しかし、採用担当者は人事のプロです。小さな矛盾でも違和感を抱き、不審に感じるでしょう。自分を飾るのではなく、「自身の魅力を最大限に引き出す」つもりで記述にあたりましょう。
箇条書きが列挙だけになっていないか
箇条書きを選択する場合、内容の説明が必須です。結論だけを列挙しても、人柄が伝わることはありません。最低限、趣味・特技への情熱や愛情を説明するべきです。「結論+説明」で、各項目とも50字程度に収まるよう記述しましょう。
ESには書かない方が良い趣味・特技
ギャンブルなど世間的にイメージが悪いもの
競馬やパチンコなどのギャンブルは、ESには不適切です。世間的に良いイメージを持たれていないにもかかわらず趣味に挙げることで、「のめりこんでいる」「仕事に影響はないのか」といったマイナスな印象に繋がりかねません。
宗教や政治活動など思想に偏りがあるもの
顕著な思想の偏りは、協調性を欠く原因になります。仕事はプロジェクトで動きます。極端な思想があると、同じ方向を向けない可能性が高く、企業活動の妨げになるとみなされるでしょう。
思想は就活において伝える必要はありません。同様に宗教も政治活動も、自身の内に秘めておきましょう。
受け身になりがちな推し活
推し活は、就活でのアピールとしては弱い趣味です。相手の人生を追いかけることが目的で、主体性がないと判断されます。あなたがどう考え動くのかが分からなければ、企業へのアピールになりません。人柄も伝わらないため、控えましょう。
企業によってはアニメやゲームも
アニメやゲームは「単なる娯楽」とみなされることが多いです。「学びがない」と先入観を持たれると、学びの内容を主張しても伝わりません。せっかく記述しても読んでもらえない可能性があります。
人によっては、引きこもりや依存症の原因として、ネガティブなイメージを抱いていることもあります。採用担当者の主観によるため、社風や業界からは判断できません。
こうしたリスクを考えると、アニメやゲームと親和性の高い会社を受ける人以外は、避けた方が無難です。
ESの趣味・特技に関するQ&A
多趣味で項目を絞りきれないときの対処法は?
項目を絞りきれない場合は、「得られた学び」に焦点を当てます。学びの内容を書き出し、一番多いもの、人生に影響を与えたものを選ぶのが適切です。
企業は趣味・特技から何を学び、どう仕事に活かすかに着目します。趣味・特技を列挙すれば良いわけではありません。
特技にしたいことに際立った実績がない場合は?
実績がないものを特技に挙げることは可能です。大切なのは努力の過程や、成功体験からの学びです。無我夢中で努力した過去や、人を喜ばせた経験があれば、恐れず特技に挙げると良いでしょう。記述の際には、学びの内容に重点をあてるようにすることがポイントです。
ありきたりな内容の趣味しか思いつかなかったら?
趣味の内容はありきたりでも問題ありません。変わった趣味、ずば抜けた特技が高く評価されるわけではありません。何を学び、どう仕事に活かすかが明確なら人柄が伝わります。趣味そのものではなく、学びの内容で差別化することを考えましょう。
趣味・特技でES全体の魅力を高め強くアピールしよう
趣味・特技は人柄の判断材料のため、模範解答がありません。しかし、書き手の個性が現れやすく、ライバルと差別化を図りやすい項目でもあります。
一方で記述に工夫をしなければ、人柄が明確に伝わらない恐れがあります。紹介だけで終わらないよう、工夫しなければなりません。正確に人柄が伝われば、企業は仕事への適性や、社風との適合を的確に判断できます。「合う会社」を引き寄せるきっかけになるのです。
趣味・特技欄の記述内容は、今後の長い社会生活に大きく影響します。あなたにとって「本当に良い会社」に巡り合うチャンスです。記述の努力を怠らないようにしましょう。