「チャレンジ精神をアピールしたいけど、上手く伝わらない」「チャレンジ精神は差別化するのが難しいのか」など、チャレンジ精神をアピールする上で、これらの悩みを抱えている就活生は多いのではないでしょうか。
本記事では、チャレンジ精神を改めて見直し、差別化できる自己PRを書くためのポイントを解説。記事後半では、自己PRの例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
企業が重視するチャレンジ精神とは?
企業が重視するチャレンジ精神とは、新しいアイディアや手法を積極的に取り入れ、困難に果敢に立ち向かう姿勢のことです。企業組織が変化に柔軟かつ前向きに対応し、持続的な成長を達成するために求められる価値観の一つとなる場合が多いです。
企業文化や風土によって求められるチャレンジ精神の種類が異なるため、企業研究を重ねた上でチャレンジ精神を自己PRに落とし込んでいく必要があります。
チャレンジ精神の種類
チャレンジ精神を企業に伝えるには、どんなチャレンジをしたのか明確にする必要があります。
チャレンジ精神の種類をいくつか紹介しますので、自己PRを考える際のきっかけとしてみてください。
苦手や困難にチャレンジする
まず、「苦手なことや困難を乗り越えるチャレンジ」が挙げられます。社会人になると、自分で仕事を選べず、時に自分の苦手なことや困難な局面で業務を遂行する必要があります。特に、ベンチャー・スタートアップ企業を希望している場合は、幅広い業務を任される可能性もあります。
苦手や困難と向き合い、どのようにチャレンジしたかを自己PRで伝えることができれば、企業側に「どんな仕事を任せても乗り越えてくれるのではないか?」という印象を残すことができるでしょう。
新しいことにチャレンジする
「新しいことにチャレンジする」ことも魅力的なポイントです。変化の激しい時代で新しいことに臆せずチャレンジできるメンタリティを持つ人材は企業において重宝されます。新しいことにチャレンジした自己PRを考える際は、周囲をどのように巻き込んだのかも重視して見られる要素となります。
チャレンジの中には、一人でコツコツと取り組んだ挑戦もあれば、周囲を巻き込み成果を出した経験もあるでしょう。企業によって求められる能力が異なるので、自分が志望している企業で活かせるエピソードを見つけていきましょう。
自己PRでチャレンジ精神を差別化するポイント
- きっかけとエピソードの文脈に繋がりを持たせる
- 言い換えやキャッチフレーズを使う
- 企業が求めるチャレンジ精神に沿う結論を考える
きっかけとエピソードの文脈に繋がりを持たせる
他の人と差別化するためには、チャレンジしたエピソードとそのきっかけに繋がりがあるかが重要です。例えば、アルバイト経験を例にすると、店の売上を上げるキャンペーンの企画から実行まで一貫して挑戦したエピソードに対して、「なぜそれを行ったのか」という背景を入れることで、説得力のある内容になります。
この場合、「店の売上が半年間停滞している現状があった」「材料費がかさみ商品の原価が上がったことで、さらに利益を出さなければならない状況であることに危機感を持ったため」など、きっかけも合わせて伝えることで、印象に残る自己PRになるでしょう。
言い換えやキャッチフレーズを使う
- 企画は必ず実行する
- 苦手なことにも挑戦する
- 結果に必ずコミットする
チャレンジ精神とは具体的にどんなことなのか、表現を言い換えたり、自分のキャッチフレーズを考えることで、自己PRの独自性が高まります。
上記はあくまで例ですが、自分のエピソードに応じて、チャレンジ精神を言い換えることで、より強みが伝わりやすく、アピールにつながる傾向があります。企業に自分の強みを理解してもらうことが重要です。
企業が求めるチャレンジ精神に沿う結論を考える
<仕事でどう活かすのか>
- 苦難や困難にも前向きに立ち向かう
⇨(仕事では)高い売上目標にも屈さずやるべきことを実行する
- 積極的に新しいことにチャレンジする
⇨(仕事では)新規事業を提案し、企業に新たな発想をもたらしたい
チャレンジ精神は、仕事でどのように活かすかを伝えることで、企業に評価されます。応募職種における再現性をアピールし、企業に採用メリットを感じ取ってもらうことが重要です。
事前に必ず、企業研究を行い、応募職種で活躍するイメージを具体化したのちに、自己PRの結論に結びつけることがポイントです。
自己PRの基本構成
結論:自分のPRポイント
結論ファーストで話すことによって、「これから何を話すのか」「あなたのアピールポイントは何なのか」が相手にとっても明確になります。そのため、「私は、チャレンジ精神があります」と最初に書きましょう。
就活では結論ファーストで簡潔に話すことが基本です。どんなところが自己PRなのかわからなくなってしまうことがないよう、出来事・自己PRに繋がるエピソード結論は最初に持ってくることを意識します。
出来事:自己PRに繋がるエピソード
結論を述べた後は、自分がチャレンジ精神のある人だということが伝わるようなエピソードを話します。ここでも簡潔に伝えることを意識し、抽象的な表現はなるべく避けましょう。
簡潔にとは行っても、例えば「高校時代に部活動を頑張りました」だけでは、具体性に欠けます。その出来事に挑戦しようと思った理由やきっかけを伝えるようにしましょう。
課題:挑戦する中で発生した課題や問題
エピソードの中で、直面した課題を明確にします。何かに挑戦する中で、課題や問題はつきものです。
どのような課題や問題が発生したのか、どんなことが原因だったのかなどを明確にしましょう。
取り組み:課題に対する取り組み
最も重要になるのが、課題に対してどのような取り組みを行ったかです。挑戦する中で見えてきた課題に対してどのように向き合い、解決していったかが自己PRでは最も重要になります。
取り組みは具体的に書くことを意識します。課題や問題に対して、立ち向かった出来事はチャレンジ精神があることにも繋がるため、存分にアピールしましょう。
成果:どんな経験やスキルを得たか
最後は、課題に対する取り組みからどんな経験やスキルを身につけることができたか、目標は達成できたかなど得られた成果でまとめます。達成できたことが数字にできる場合は、なるべく数字を出すようにしましょう。
取り組みの成果を明らかにすることで課題解決力に繋げることができます。良い結果ではなかったとしても、課題に対する熱心な取り組みを伝え、その上で何が足りなかったかなどの反省も付け加えることができれば、向上心や分析力などのアピールにも繋がるはずです。
チャレンジ精神をテーマとする自己PR例文
アルバイト
私は塾講師のアルバイト経験を通じて、チャレンジ精神を身につけることの重要性を強く感じました。塾講師としての仕事は、学生たちに知識を伝えるだけでなく、彼らの成長をサポートし、新しい課題に果敢に取り組む姿勢を養う場でもありました。
当初は、未経験の塾講師として臨むことは一大チャレンジでした。しかし、その経験を通じて、新たな環境や異なる学習スタイルに柔軟に対応する能力を身につけることができました。例えば、生徒たちが異なる学年やバックグラウンドを持っていたため、個々のニーズに沿った指導を模索し、効果的なカリキュラムの構築に取り組みました。
その結果、苦手科目を克服し成績を向上させた生徒たちを増やすことができました。結果的に受験勉強を成功させ志望校に合格を果たす生徒を前年比120%という成果につながりました。
挑戦の中で学び、成長する経験は、私にとってチャレンジ精神を深め、新しい課題に積極的に取り組む意欲を高めました。今後も、この積極的な姿勢を持ち続け、新たな挑戦に果敢に立ち向かっていきます。塾講師の経験から得た多くのことをもとに、未知の領域に飛び込んで新たな成果を生み出していきたいと考えています。(500字以内)
未経験である塾講師にどのようにチャレンジしたのかが、細かく具体的なエピソードを交えて展開されている自己PRとなっています。取り組んだカリキュラムの作成が生徒たちの学習能力の向上につながり、志望校合格を果たす成果として身を結んだという一貫性も評価できます。
自己PRを通じて、自分にとっての「やりがい」まで垣間見えるリアリティの溢れる内容となっています。自己分析を徹底することで自分にとってのチャレンジ精神を見つけることが大切です。
留学・ボランティア
私が留学中に経験したボランティア活動は、自分自身のチャレンジ精神を培う機会でした。新しい国、新しい文化、そして言語の壁に直面する中、私は地域社会への貢献と自己成長を目指してボランティア活動に参加することを選びました。
この活動を通じて、私は異文化間コミュニケーションの重要性を学び、言語能力だけでなく、異なるバックグラウンドを持つ人々と協力する能力を養いました。例えば、私たちは地域の清掃活動を行い、環境保護の意識を高めるキャンペーンを実施しました。これらの活動は地域社会に肯定的な影響を与えると同時に、私自身の自信とリーダーシップスキルを育む機会となったと考えています。
この経験は、未知の環境に自らを置き、新しい挑戦を受け入れることの大切さを教えてくれました。チームワーク、コミュニケーション、そして問題解決スキルを磨き、さらには多文化理解を深めることができたのです。私はこのチャレンジ精神を今後のキャリアにも活かしていく所存です。
(450文字以内)
留学中のボランティア活動を通じてチャレンジ精神をどのように育んだかを強調しています。自己PR文として、具体的な経験や学びを挙げることで、その人物の性格や能力がより明確に伝わります。
結論部分でもう少し、企業や応募職種に沿った仕事の活かし方をイメージできると、採用担当者の印象に残りやすいでしょう。留学をテーマにした自己PRは、外資系企業やグローバルな風土を持つ企業の選考の際には、評価されやすいトピックです。
部活動
大学時代、テニス部の部長を務めた経験は、私のチャレンジ精神とリーダーシップ能力を育む貴重な機会でした。
部長に就任した当初、私たちの部は人数不足とモチベーションの低下に直面していました。これらの課題を克服するため、私は部員の勧誘とチームモラルの向上に取り組む計画を立てました。新しい部員を勧誘するために、学内イベントへの参加やオープン練習会の実施など、積極的な活動を展開しました。
この取り組みにより、新たに複数の部員が加わり、チームの結束力が高まりました。練習の質も向上し、それまで出場できなかった大会において好成績を収めることができました。この経験から、私は目標達成のために計画を立て、実行に移す力や、目標に向かって導くリーダーシップを身につけました。
大学でのテニス部部長としての経験は、私に新たな挑戦を恐れずに受け入れ、目標に向かって果敢に進む力を与えてくれました。これらの経験と学びは、貴社の業務においても役立てていきたいと考えます。(450文字以内)
テニス部の部長として、部員集めや、部のモチベーションに関する課題の改善に向けて、積極的に様々な活動を展開したエピソードが記載されています。行動を起こす段階できちんと計画や目標を立てていることもポイントです。
最終的には、大会で好成績を収めた成果に結びついており、社会人における一連の業務フローと自己PRがうまくマッチングしている内容となっています。
最後に得た学びを企業でどのように活かすかをもう少し具体的に書くことでより企業にアピールできる内容になるでしょう。
インターンシップ
大学在学中に経験した営業職のインターンシップは、私のチャレンジ精神と適応力を大きく伸ばすきっかけとなりました。
インターンとして配属された当初、私は営業の経験がまったくありませんでした。そのため、商品知識の習得、顧客とのコミュニケーションスキル、営業戦略の理解など、多くのことを一から学ぶ必要がありました。私は先輩営業担当者から学び、さらには自ら積極的に関連書籍を読み、知識を深めました。実際の顧客との交渉においても、初めは戸惑いや失敗を経験しましたが、それらを学びの機会と捉え、フィードバックを活かして次回に活かすPDCAを回すことで、顧客のニーズを的確に把握し、解決策を提案するスキルが身につきました。
インターン期間の終わりには、新しい顧客を獲得することに成功し、チームの売上に貢献することができました。
今後のキャリアにおいても、新たな挑戦を恐れず、迅速に学び、実践していく実行力を貴社の業務において活かしていきたいと考えています。(450文字以内)
営業職のインターンシップにて、未経験からどのように業務をキャッチアップし、成果に結びつけたかが具体的に書かれています。書籍や先輩から学ぶ姿勢に積極性を感じることや、失敗・フィードバックを活かしながらPDCAを回していくことにチャレンジ精神が垣間見えるエピソードとなっています。
営業職のインターンをテーマにする場合は、定量的なKPI・KGIに対して、どのようなアプローチをしていったのかを表現できると、インパクトのある自己PRとなるでしょう。
趣味(旅行)
私は、大学卒業前に日本一周の旅に挑戦しました。この旅は、私の計画力、柔軟性、そして自己解決能力を大いに養った経験でした。
私は予算の管理、宿泊先の手配、移動ルートの選定など、細部にわたる計画を自分一人で立てることで、計画性と責任感を培われたと感じています。旅の中で、予期せぬ事態にも直面しました。交通機関の遅延や突然の悪天候などで当初の移動予定日から遅延してしまいましたが、1日単位での計画の修正や短縮できる移動ルートを再度見直すことで柔軟に対応し、結果的に当初の予定通りに旅を終了させることができました。
この経験によって、新しい環境に対する適応力や、逆境下での粘り強く対応するバイタリティを養うことができたと考えています。
この旅を通じて、自分自身の限界を超え、新しい可能性に挑戦したことは、私の人生の転換点となりました。この経験を活かし、貴社の営業職においても、未知の領域に果敢に挑戦し、困難に直面した際には柔軟に対応していく所存です。(450文字以内)
日本一周の旅を通じて培われたチャレンジ精神と、それに伴う様々なスキルや学びをエピソードを通じて表現できています。特に「新しい環境に対する適応力」や、「逆境下での粘り強く対応するバイタリティ」は営業職に求められる能力である可能性が高いため、一貫性のある自己PRといえるでしょう。
旅をテーマにする際は、計画性を評価される可能性もあるため、旅を始める前のエピソードも含めるとより良い自己PRになるでしょう。
チャレンジ精神をテーマに自己PRを考える際の注意点
「計画性がない」と思われないようにする
新しいことに取り組むチャレンジ精神は評価されますが、「計画性がない」、「飽き性である」印象を企業に与えてしまう可能性もあります。自己PRの作成においては、複数のエピソードを羅列するのではなく、1つのエピソードを深掘りする形で、計画性も合わせて訴求しましょう。
またチャレンジして取り組んだことの成果に対して、自己分析を行い、どのような点が良かったのか、どのような点を改善する必要があるのかを明確にすることも内省していることを企業に訴求することにつながり、計画性を上手く伝えることができるでしょう。
能力や業務への再現性を盛り込む
チャレンジ精神を持って行動したことが、どのような能力や業務への適正につながるのかを結論に盛り込むことも重要です。チャレンジ精神をアピールして、自分は何ができるのか、社会人になった時に活かせる業務への再現性を自己PRに落とし込むことで、採用担当者から信頼感を得られるでしょう。
また、再現性の書き方のコツとして、5W1Hを意識し、客観的に述べることが大切です。自分が企業でどのように活躍できるかを文章にすることは時間がかかりますが、自分と向き合いながら取り組んでみてください。
自慢にならないようにする
チャレンジ精神をテーマに自己PRを作成する際は、自慢にならないように気をつけましょう。ここまでの内容をきちんと網羅できていれば問題ないですが、自己PRの目的が定まっていないと、自分のやってきた経験を自慢しているだけの自己PRとなってしまいます。
チャレンジを達成する過程での他者の支援や協力があったことを表現し、成果だけではなく、学びから成長したことも伝えることが大切です。
また、自己PRのゴールや結論を考えたのちに、逆算しながら中身を組み立てていくとよいでしょう。
企業が求めるチャレンジ精神をアピールしよう!
自分にとってのチャレンジ精神とは何なのか、チャレンジ精神を活かして企業でどのように活躍するのかを簡潔に表現できれば、書類選考通過への道は開けます。
「チャレンジ精神」は自己PRで強みとしてあげる就活生も多いため、自分らしさが伝わる内容になっているかを意識して書くことが大切です。ポイントを押さえ、採用担当者の印象に残る自己PRに仕上げていきましょう。