人材業界は就活生に人気の業界です。志望する学生が多い分、他の就活生との差別化を意識した志望動機作りが必要です。
人材業界にはさまざまな事業や業種があり、求められるスキルも異なります。まずは業界についてを理解し、自分の強みや思いを効果的にアピールしていきましょう。
本記事では、志望動機の例文とともに、人材業界の概要、魅力、求められるスキル、抱える課題など、業界研究としても使える内容を解説しています。
目次
人材業界とは?
人材業界とは、働き手を雇いたい企業と仕事をしたい求職者をつなぐ仕事です。人材業界のサービスを利用することで、企業は人材採用のための費用や手間を抑えられ、求職者はやみくもに就職活動をすることなく速やかに仕事を得られます。
人材業界は、働き方が多様化している現代において、企業と求職者の両方にとって重要な役割を担っています。少子高齢化による人手不足の解消や、外国人労働者の積極的な紹介・派遣などが注目されているため、人材業界は今後ますます求められるでしょう。
人材業界の事業
人材業界の事業は大きく分けて4つの事業に分かれています。主に仕事の対象が「企業」か「求職者」かで事業内容が異なります。
また、それぞれの事業で重視されるスキルも異なってくるため、それぞれの事業内容を正しく理解することが大切です。
人材紹介
人材紹介業は、企業に求職者を紹介する事業です。自社が紹介した人材が企業に採用されたときに紹介手数料を得るビジネスモデルが一般的です。
企業からは事業の展望や求める人物像を、求職者からはキャリアプランやスキルなどをヒアリングして、両者をマッチングさせます。主に新卒採用向けのサービスと中途採用向けサービスに分けられます。
企業と求職者両方の要望に沿うように適切にマッチングすることが求められるので、情報を収集するだけでなく、企業と求職者の両者に親身に寄り添って、仕事をつなげるという姿勢が求められてきます。
- エン転職
- ビズリーチ
- doda
人材派遣
人材派遣業は人材紹介業とは異なり、派遣会社に所属している人材を企業に派遣する事業です。そして、派遣先から支払われる人材派遣手数料を利益として運営します。
人材派遣で大切なことは、人材紹介と同様に、企業が求める人物像との要望やスキルを十分にヒアリングして、派遣する人材を適切にマッチさせることです。
そして、人材派遣の事業では、マッチング業務という顧客のニーズに合った人材を選出するという、営業職でスタートすることが多いです。そのため、不足なく情報を引き出すことだけでなく、時にはよりプラスになれるような情報を与えるという提案力も大切となるので、コミュニケーション能力が高い人に向いています。
- テンプスタッフ
- リクルートスタッフィング
- パーソルテンプスタッフ
求人広告
求人広告の事業は、企業の求人広告を自社のWebサイトや刊行誌に掲載し、求職者を集めることが求人広告事業の内容です。そのため、求人広告を依頼する企業の費用で利益を得ています。
求人広告を載せたい企業から、その会社の魅力や展望をヒアリングして広告に反映します。求人広告事業には主に、正社員向け、契約社員・派遣社員向け、アルバイト向けなどがあります。
求人広告の企業に就職すると、業界研究や多くの企業の動向調査を常にしなければなりません。新しい情報に常にアンテナを貼ることが得意な人に向いているでしょう。
- パーソルキャリア
- マイナビ転職
- type
人事コンサルティング
人事コンサルティングの事業とは、企業から人事戦略、人事評価制度などの相談を受け、診断、助言、指導などを行います。人事コンサルティング企業は主に、課題解決を手助けするコンサルティング費用で利益を得ています。
前述した人材紹介・人材派遣・求人広告の3つの事業と人事コンサルティングの異なる点としては前者は「採用」を目的としています。一方、後者である人事コンサルティングは「人事業務における課題解決」が目的であるため、課題を分析し戦略的に物事を考え、課題解決につながるアイデアを作ることが主な仕事内容となってきます。
人材採用や人事制度がうまくいかず、人材に関する組織運営に頭を抱える企業は多くあります。そのため、そんな会社内の人材に関する不安や悩みを抱えている企業の問題を解決する重要な業務を担っています。
採用活動そのもの、採用制度、人事制度に関するコンサルティング以外に、研修制度のコンサルティングをするケースもあります。求められる仕事の幅が広いため、各会社の人事制度の仕組みや法律などを身につけることが大切です。
- デロイト トーマツ コンサルティング
- アクセンチュア
- ボストン コンサルティンググループ
人材業界の職種
営業
人材業界の営業は、主に企業が対象であり、人材に関する悩みをヒアリングして解決方法を提案します。求める人材が集まらない、求人広告を出しても人材が集まらないといったさまざまな問題に取り組みます。事業によっては、企業が求める人材の紹介以外にも、求人手法や人事制度の改善を提案することもあります。
紹介する人材が不足している場合は、営業担当者が求職者を直接スカウトするケースもあります。求人広告業に関する営業職に就いた場合、Webマーケティングの知識も必要になるかもしれません。
多くの人から、抱えているさまざまな課題を十分にヒアリングしなければならないため、高いコミュニケーション能力が求められます。
キャリアアドバイザー・キャリアコンサルタント
キャリアアドバイザー・キャリアコンサルタントの仕事は、主に求職者が対象で、求職者の就職・転職活動をサポートする仕事です。特にキャリアコンサルタントは、2016年4月に国家資格が設けられました。
仕事の内容としては、求職者のスキル、キャリアプラン、要望、悩みなどをヒアリングして、求職者にふさわしい仕事を提案します。履歴書・職務経歴書の添削、面接試験の指導、面接日程の調整などもキャリアアドバイザー・キャリアコンサルタントの仕事です。求職者に代わり、労働条件に関して企業と交渉することもあります。
求職者が就きたい仕事と、求職者に向いている仕事が異なるケースがあります。求職者の希望を叶えることも重要ですが、希望と異なっていたとしても、求職者が活躍できる仕事を紹介することが同時に求められてきます。
キャリアアドバイザーは主に企業と求職者のマッチングをする一方で、キャリアコンサルタントは求職者に限らず在職者や学生のキャリア形成サポートをします。キャリアコンサルタントの活躍の場は、人材紹介・派遣企業だけでなくハローワーク、大学、職業能力開発促進センターなど、多岐に渡ります。
企画・マーケティング
人材業界における企画・マーケティング職は、自社のWebサイトや書籍などの新たなコンテンツを検討したり、人材市場の調査、分析をしたりする仕事です。主に人材を募集している企業向けの仕事(BtoB)と、求職者向けの仕事(BtoC)に大別できます。
学んだマーケティング知識を活かしたい人、新たにマーケティングの知識を身に付けたい人にぴったりの仕事でしょう。
人材業界の動向と課題
人材業界は、人を扱うのがメインであるため、人々の働き方が変われば、当然人材業界の仕事内容にも大きな変化が生まれます。また、他の企業と同様に、社会の経済状況によって影響を受ける面もあるため、常に社会の最新の動きを把握しておく必要があります。
人材業界の市場規模
出典:人材関連ビジネス主要3業界市場規模推移|矢野経済研究所
矢野経済研究所によると、2022年度の人材関連ビジネス主要3業界市場は前年度比7.8%増の9兆2,355億円であると発表しました。様々な業界・業種において人材需要の高まりが継続しているため、人材派遣市場は、安定して市場規模が大きくなっている状態です。
またこの約9兆円という数字は、約7兆円の広告業界を上回っている点で、経済市場の規模がいかに大きいかが伝わってきます。
コロナの影響により、リモートワークの移行など、働き方の形が変化している現状を考慮に入れると、人材業界は今後もますます需要が増えていくと考えられます。
人材業界の課題
景気に左右されやすい
社会全体が不景気のときに、人材業界も業績が悪くなる傾向があります。不景気の際には、企業が従業員や新規採用者を減らそうとするからです。
新型コロナウイルスが発生したときは、取引している企業が倒産したり、紹介した人材が解雇されたりすることが多く発生し、人材業界も打撃を受けました。
しかし、新型コロナウイルスの流行が落ち着いた現在では、有効求人倍率が新型コロナウイルス流行前の水準まで回復しつつあります。需要に合わせて速やかに人材を集めることが人材業界に求められます。
これらのことから、人材業界は、社会全体の景気の良し悪しに合わせて、柔軟に対応を変えなければなりません。
グローバル化
企業のグローバル化に伴い、グローバルに活躍できる人材が求められています。語学力だけでなく、コミュニケーション能力、異文化理解に富んだ人材が企業から必要とされます。
人材業界は、海外で活躍したい求職者を集める工夫をしなければなりません。海外で活躍できる人材の採用・育成支援サービスを企業に提供する機会も増えるでしょう。
また、少子高齢化の影響で、国内の労働力が減少しています。人手不足を補う手段のひとつに、外国人労働者の雇用が挙げられます。人材業界は今後、外国人労働者を集め、定着させることを求められるでしょう。
人材業界で働く場合、企業や職種によっては、グローバル企業への営業や外国人労働者との面談などのために、語学力を向上したり異文化理解を深めたりする必要があるかもしれません。
IT化・DX化の推進
新型コロナウイルスの影響により、オンライン面接の導入が急増しました。オンライン面接が苦手な求職者や、オンライン面接を円滑に運用できていない企業も多くあります。人材業界は、求職者と企業の両方に、オンライン面接に関する適切なサポートやアドバイスをする必要があります。
また、同じく新型コロナウイルスの影響により、リモートワークという働き方が身近になりました。リモートワークをしたい求職者の希望を叶えることも人材業界に求められています。そのため、企業にリモートワーク運用のサポートやアドバイスをすることも必要になるでしょう。
ほかにも、給与計算や勤怠管理といった事務作業がIT・DX化に置き換えられつつあります。事務作業をする人材の需要減少が予想される一方で、ITの知識を持つ人材の需要が増えています。同時に人材業界は、ITに詳しい人材を集めたり育成したりする取り組みが求められるでしょう。
人材業界そのものにも、より精度の高いマッチングや効率の良い情報収集のために、IT化・DX化の推進が必要かもしれません。
雇用構造の変化
人材業界は、雇用構造の変化に常に対応していくことが求められます。
現在の日本では、今後の終身雇用制度を不安に思い、転職してキャリアアップしたい人が増えている一方で、人材流出を防ぎたい企業も多くあります。そのため、お互いの要望に沿うように適切にマッチングすることが今後重要となってきます。
また、女性活躍の推進が日本社会全体の課題です。人手不足解消のために女性を積極的に採用している企業も増えています。しかし、働き続けることに不安を抱える女性求職者も少なくありません。人材業界は、女性が働きやすい環境・制度の確立に向けて企業をサポートしつつ、女性求職者を企業に適切にマッチングすることが必要です。
参考:終身雇用と年功序列はもはや時代遅れ|YAHOO!JAPANニュース
人材業界の魅力
人の人生に関われる
人材業界で働くと、多くの人の人生に関わることができます。多くの求職者にとって企業で働くことは人生を左右する一大イベントです。多くの人は働くことに期待と不安を抱えています。
特に新卒者にとっては、初めて働く企業を選ぶことは大きな決断です。求職者の就職活動のサポートをすることには責任が伴いますが、やりがいを感じられるでしょう。
人の人生の転機に関わってサポートしたい人は、人材業界が向いているでしょう。
多くの企業や人と出会える
普段出会うことがない企業や人と出会えることも人材業界の魅力です。多くの企業や人々は、異なる課題や悩みを抱えています。そのため、色々な企業の担当者とコミュニケーションをとる過程で、その人の仕事に対する想いを知れるでしょう。
また、前述したように多くの求職者は働くことに期待と不安を抱えています。今後の人生をかけて就職活動に挑む人もいるでしょう。そのため、求職者一人ひとりに向き合ってサポートをしていく姿勢が求められます。
多くの人と出会って喜びを共有したい人、業務を通じて多様な業界に関わりたい人には、人材業界をおすすめします。
人に感謝される機会が多い
直接求職者と接することの多いキャリアアドバイザー・キャリアコンサルタントの仕事に就けば、人に感謝される機会も多くあります。
求職者とのコミュニケーションを通じて、求職者の要望に沿うことができた仕事をうまく提案することができれば、その結果に対する感謝の気持ちを伝えられることがあります。また、当初の求職者の希望とは異なっていたとしても、最終的に求職者本人にとって満足のいく仕事を紹介できたとすれば、求職者に感謝されるでしょう。
また、これは企業からの場合にも当てはまり、優れた人材を紹介できれば、取引先の企業からも直接感謝の言葉を得られるかもしれません。自分の仕事が、直接感謝に繋がる可能性が高いという意味で、人材業界はやりがいがある業界ということができます。
人材業界に求められるスキル
コミュニケーション能力が高い
人材業界で働き始めると、企業からは事業の目標や課題などを、求職者からは要望やスキルなどを十分に聞き出すことが必要になります。そのため、高いコミュニケーション能力が求められるでしょう。
話を盛り上げる能力ではなく、相手の本音を引き出す能力が重要視されます。なぜなら。新規顧客を獲得するために粘り強い交渉が必要なケースも求められるからです。営業職、キャリアアドバイザー・キャリアコンサルタントを目指す人は、コミュニケーション能力をアピールしましょう。
人と関わることが好き
人材業界で働く場合、多くの企業や求職者と関わらなければなりません。相手に興味を持って、仕事への想いや抱えている課題をヒアリングする必要があります。十分にヒアリングをしたうえで、相手の気持ちに寄り添った提案をすることが求められます。
そのため、人と関わることが好きな人ならば、多くの人とコミュニケーションをとらなければならない人材業界でも、いきいきと働けるでしょう。人との交流を通じて得た経験やエピソードがある場合は、アピールの材料として活用できるため、積極的に活かしていきましょう。
成長意欲が高い
人材業界で長く活躍するためには、業界研究や企業ごとの動向調査を常に行う必要があります。日々変化する社会情勢に関する情報を収集することに、終わりはありません。
また、営業職の場合は特に、ノルマが課される可能性があります。目標を達成するために、あきらめずに向上心を持って働き続ける粘り強さが求められるでしょう。
仕事を通して、求職者の成長をサポートしたいという強い想いがあり、勉強を継続できる人ならば、人材業界がぴったりでしょう。
人材業界の志望動機の構成
①人材業界を志望する理由
②応募先を志望する理由
③志望する職種
④達成したい目標
人材業界を志望する理由を述べる
なぜ人材業界を志望するのかを結論として、最初に述べます。人材業界でしかできないことをしたいという想いや考えを伝えましょう。
志望理由には、可能な限り人材業界に関わるエピソードを盛り込んでください。自分が経験したこと、自分が感じたことを基に志望理由を述べることで、人材業界への強い想いが伝わるでしょう。人の人生の転機に関わった経験、関わりたい気持ちは、人材業界の志望理由にぴったりです。
特に人の意見をヒアリングして課題解決に導いた経験があれば、人材業界につながる自身の強みとして採用担当者にアピールできます。
応募先を志望する理由を述べる
数ある人材業界の企業の中でも、なぜその応募先を選んだのかを述べます。応募先の強みや企業理念はそれぞれ異なるため、各企業が求める人物像に沿った志望理由を述べましょう。志望理由が曖昧になってしまうと、他の企業や業界でも構わないのでは?という印象を、人事担当に与えてしまうかもしれません。
企業理念を知るには、応募先の企業の特徴や企業が求める人材像を、応募先のWebサイト、募集要項を読み、把握しておきましょう。人材業界の研究、競合他社の情報収集も大切です。各企業の特徴を広く分析した上で、自身の適正と照らし合わせし、もし可能であればOB訪問をすることをおすすめします。
志望する職種を述べる
応募先の職種の中でも、どの職種を志望するのかを述べます。前述したように、応募先のWebサイト、募集要項を確認して職種や求められる人物像を把握しましょう。
営業職やキャリアアドバイザー・キャリアコンサルタントを志望する場合、特に人の考えや想いを引き出すコミュニケーション能力、企業と求職者の両方の要望をまとめ上げる提案力や交渉力などが重要視されます。粘り強く相手を説得する前向きな姿勢も求められるかもしれません。
人材業界といっても、職種によって重視されるスキルは変わってきます。職種にマッチする自身のスキルを述べることで、より魅力的に自分をアピールすることに繋げることができます。
達成したい目標を述べる
最後に、応募先に入社した場合にどんなことを達成したいのかを述べます。入社前から入社後のキャリアプランを考えることは難しいかもしれません。しかし、キャリアプランを述べることで、情報を収集する能力や応募先への熱意が伝わります。
可能であれば、人材業界で実際に働く先輩の話を聞いて、達成したい目標やビジョンを明らかにしておくことで、他の志願者達との差別化にもなります。
人材業界の志望動機の例文
例文1:人材紹介
私は、大企業から中小企業、ベンチャー企業にまで幅広く人材紹介をしている貴社で、一人ひとりがいきいきと働ける環境づくりに貢献したいと考えております。
私はスーパーで2年間アルバイトをしていました。最初の1年間はレジ打ちを担当していましたが、とっさのトラブル対応が上手くいかないことが多く、お客様や同僚に迷惑をかけていました。そこで私は、細かな作業が得意であるため、検品作業や在庫管理の仕事への配置転換を希望しました。配置転換してもらったところ、作業の正確さと素早さを同僚に褒めていただいたり、感謝されたりする機会が多くありました。この経験から、適材適所によって企業と働き手両方にメリットが生まれることを学びました。
私は人材紹介に力を入れている貴社で働き、企業の展望や求める人物像だけでなく、求職者一人ひとりの特性を引き合わせ、それぞれにとって良い働き場所を作っていきたいと考えております。(400字以内)
アルバイト先で自分が実際に経験したことを基に志望理由が述べられているため、高い説得力があります。
人材紹介では、正確で素早い情報収集も必要ですが、求職者の要望を十分にヒアリングするコミュニケーション能力も必要です。可能であれば、人の考えや想いを引き出すコミュニケーション能力があること、傾聴を心掛けていることなどをエントリーシートで述べましょう。
例文2:人材紹介
私は貴社で、海外人材の雇用促進に貢献したいと考えています。
私が所属するゼミには、多くの海外留学生がいます。中にはそのまま日本で就職したいと考えている学生がおり、一緒に日本企業について調べたり話し合ったりしました。しかし、その留学生は語学力に自信がないことや、そのまま日本で就職する前例が少ないことから、母国で就職することを選びました。グローバルで活躍できる人材を求めている日本企業が多いにもかかわらず、海外の留学生が日本企業への就職をあきらめてしまうのは非常に残念なことだと感じました。
この経験から、私は海外人材の紹介に注力している貴社で、熱意のある海外人材をサポートをしていきたいと考えています。日本で働く夢を持つ人材のサポートをしつつ、グローバル化を目指す企業に繋ぎ合わせ、熱意があれば海外人材でも活躍できる社会の実現を目指していきたいです。(400字以内)
日本で働きたい海外留学生とのエピソードを基に志望動機が述べられており、アピール力があります。具体的な経験が述べられているので他の志望者との差別化ができるでしょう。
人材紹介事業で海外人材とグローバル化を目指す企業を繋ぐためには、語学力や異文化理解が必要不可欠です。海外留学生と十分なコミュニケーションをとったこともアピールすることをおすすめします。
例文3:人材派遣
私は人材業界で、派遣社員の待遇改善に取り組みたいです。
私はコールセンターでアルバイトをしています。アルバイト先には、知識が豊富でトラブル対応の機転が利く派遣社員の方が多くいました。しかし給与が低かったり、雇用が保証されなかったりと、正社員と比べて待遇が悪かったため、離職する派遣社員が後を絶ちませんでした。その結果、経験の浅いアルバイトばかりになり、コールセンターへのクレームが増加してしまいました。この経験から、派遣社員の方々の待遇改善は、企業の利益向上にとっても重要だと感じました。
私は、企業に派遣社員の正社員登用を積極的に働きかけている貴社で、営業職を通し、派遣社員が長く働き続けられる環境を整えられるよう、法律や賃金制度の観点から企業にアドバイスをしていきたいです。企業と派遣社員双方が満足できる場を設けることで社会貢献をしたいと考えています。(400字以内)
アルバイト先での経験から、派遣社員の待遇改善の想いが伝わります。派遣社員の待遇改善が企業の利益にもつながることを述べている点が魅力です。
人材派遣の仕事では高いコミュニケーション能力や交渉力が求められるため、コールセンターでの経験は高い評価につながるでしょう。コールセンターでどのような対応を心掛けていたかを述べれば、さらに自分を魅力的にアピールできます。
例文4:人材派遣
私は適材適所を重視した人材派遣業に携わりたいです。
学生時代、私はイベント設営バイトをしており、その中には多くの派遣社員がいました。しかし、仕事内容や自身のスキルに合わないために、離職者が日々絶えない状況でした。そこから、私は派遣社員をただ送るだけでなく、派遣社員の特性と、派遣先の相性を考慮した上で両者を引き合わせることが重要だと学び、人材業界を志望しました。
貴社を志望した理由は、業界の中でも規模が大きいため、高い情報発信力を備える状況下で働きたいと感じたからです。そして、海外とのやり取りも行う業務も存在するため、留学で培った英語力を活かしながら、キャリアの幅も広げていきたいと考えています。
人材派遣のみならず英語力を仕事で発揮できる総合職を希望し、多岐の仕事の場面で仕事にコミットし貴社の利益につながる人材を目指します。(400字以内)
ここでも、アルバイトの経験をきっかけに人材業界を志望したのが、具体的で明確に伝わる例文となっています。
実際の現場から学んだことと、自分の考えだけでなく、会社に入った後の働き方も計画しているという点が非常に魅力的です。ここでは、総合職に焦点を当て、その後の自身のキャリアについても言及している点が明確な差別ポイントとなっています。会社への志望動機のみならず、自身の将来像も踏まえると、より熱意のある文章ができるでしょう。
例文5:求人広告
私は、仕事の機会を多くの人に届けたいと考えております。
私がテニスサークルに所属してた際、成員の減少という問題に直面し、ビラ配りのみでは情報が十分に行き渡っていないのではと疑いを持ち、SNSを活用し始めました。その結果、ビラよりも情報を多く行き渡らせ、例年以上の1.5倍の成員の確保に成功しました。
私はこの事から、情報を多くの人に行き渡らせることの大切さを学びました。そして、これは仕事にも当てはまると考え、就職難と言われる現代で多くの人に仕事の機会を提供したいと思い、人材業界を志望しました。貴社を志望した理由としては、私が志望する求人広告の事業に注力していた点に加え、新規事業の立案も行なっている事から、分析し行動する力を活かし、キャリアの幅を同時に広げられると考えたからです。
自身の経験を直接活かせる営業職を通して、自身のみならず貴社の成長を担う人材となるよう精進します。(400字以内)
大学時代の活動の経験から求人広告の志望動機に繋げているのが、具体的でわかりやすい文章となっております。そして、実際に課題に向き合い、どのように解決をしていったのかのプロセスや結果が、数字を用いて書かれているため、非常に客観的な文章となっている点も良いです。
求人広告の分野では、ただ求人情報を掲載するのではなく、それぞれの会社の求人内容や、狙う顧客に応じた、広告戦略が求められてきます。自身の経験を活かす際、両者を合わせた内容について書くとアピール力を高められることができます。
人材業界の志望動機を書くときの注意点
他の項目との一貫性を持たせる
志望動機の内容と、自己PRなど他の項目の内容に矛盾や差異があると、採用担当者に不信感を与える可能性があります。
例えば、自己PRで「分析力」をアピールしながら、志望動機に「コミュニケーション能力を活かして貢献したい」と書かれていた場合、採用担当者はその就活生の一番の強みがなんなのかを理解しにくくなってしまいます。
就活ではわかりやすさと信頼感が重要です。一貫性のない志望動機はこれらを損ないかねないため、十分注意して作成しましょう。
給与や福利厚生を志望動機にしない
人材業界の人気の背景には、給料の高さや福利厚生の高さなどの条件面が良いということが挙げられます。しかし、それだけを理由に志望動機を書いてもアピールには繋がりません。
なぜなら、それより良い条件の会社があれば、すぐに退職してしまうのではないかと思われてしまったり、そもそも仕事内容に興味がないのではないかと捉えられてしまう可能性が出てくるからです。
人と人を繋ぐ仕事がメインである人材業界とは、言い換えれば人の人生を扱う仕事とも言えるため、仕事に対する責任は当然大きくなってきます。したがって、企業も仕事に対して責任感を持って取り組む人を重視するため、給与や待遇といった条件面ではなく、仕事の内容に焦点を当てた志望動機を書きましょう。
志望する会社のポジションに必ず触れる
前述したように志望動機を書く際は、自身の特徴を生かしたオリジナル性を持たせることが大切です。
人材業界と言っても、企業によって力を入れている事業は大きく異なっています。そのため、自身が志望する企業の事業情報や職種のポジションをしっかり抑えた上で、自身の強みと志望する企業との適性を把握することが大切です。
それぞれの企業の特徴を踏まえず、希望する職種では達成できない内容や異なる話をしてしまうと、他社と異なる自社独自の特徴をちゃんと理解しているのかという印象を与えてしまう可能性があり、当然人事の評価も低くなってしまいます。ですので志望動機を書く際は、志望する会社の特徴を調べ、理解した上でその会社へのアピールを強めることを意識しましょう。
修飾語は多用しない
「とても」「かなり」といった修飾語は、エピソードに具体性を持たせるのに一定の効果がありますが、多用すると内容が幼稚で密度の薄いものに見られやすくなるというデメリットもあります。
そのため、基本的に使用は控え、エピソードの中で特に強調したい箇所にだけ使うという形にとどめるべきでしょう。
また、使用する場合にも「めっちゃ」や「すごく」のようなカジュアルな表現は避けるべきです。
人材業界の志望動機のポイントを活用し内定を勝ち取ろう!
人材業界を志望する際は、人材業界の各会社が持つオリジナルな特徴について触れながら自身の志望動機を作ることが大切です。
仕事の責任が大きい反面、やりがいも大きく人気な仕事であるため、多くの志望者の中で際立つ志望動機を作ることが非常に重要であるといえます。
ありきたりのエピソードでは選考突破は難しく、魅力的なオリジナル性溢れる志望動機を書くことが、選考を大きく左右するポイントとなります。
なぜ人材業界を志望し、なぜその企業を志望するのかを、一つ一つ自分の中で言語化していき、自分らしい志望動機を作成し、内定を勝ち取りましょう!