ESの提出が締め切り直前になってしまい焦った経験や、間に合わずに提出するのを諦めてしまった経験がある人は多いのではないでしょうか。特に多くの企業にESを提出する人は、各締め切り日を把握し、しっかりとスケジュール管理することが重要です。
締め切りギリギリでも間に合えば問題ないと思われがちですが、実は直前の提出には多くのデメリットがあります。
この記事ではESを締め切りギリギリに提出するデメリットを解説しています。ギリギリにしないための対処法や対策についても焦点を当てているので、参考にしてください。
目次
ESは締め切りギリギリに提出すると不利になる可能性がある
ESの提出が締め切りギリギリだったからといって落ちる理由にはなりません。ただし、企業に好印象を与えるには早めの提出をおすすめします。
具体的には、提出開始日から1週間以内に提出することがポイントです。企業のなかには一次募集だけではなく、二次・三次募集があることがあります。しかし、志望度が高い企業にはなるべく一次募集で提出することで、志望度の高さをアピールすることができます。
また、ギリギリに提出する場合はさまざまなデメリットがあるので注意しなければいけません。応募企業が決まったらESの提出日を確認し、余裕を持って作成するようにしましょう。
ESを締め切りギリギリに提出するデメリット
応募意欲を感じてもらえない
提出期限の終了間際にESが届くと、「第一志望じゃない」「熱意のある応募じゃない」と採用担当者に捉えられる可能性があります。
採用側は「応募意欲があるなら早めに提出するだろう」と考えるため、たとえ第一志望だったとしても提出がギリギリだと熱意が伝わりにくいのです。
精度の高いESにするために提出が遅れたとしても、企業にとってはESの提出が遅い事実しか伝わりません。また、二次や三次募集と比べると、一次募集で提出した応募者のほうが熱意を感じてもらいやすいでしょう。
スケジュール管理力がないと判断される
提出期限ギリギリに提出すると、スケジュール管理力がないと判断されることがあります。スケジュール管理力は社会人において重要なスキルであり、時間の見積もりや段取りなどを考えて期限に間に合うように行動するスキルです。
ESに期限を設けているのは、基本的なルールが守れるのか判断するためと考える企業もあります。そのため、期限ギリギリに提出すると、スケジュール管理をする能力に欠けると判断され、不採用になってしまうリスクもあります。
期限に間に合っているとしても、ギリギリだと基本的なスキルがあるのか不安視される恐れがあることを覚えておきましょう。
提出順に選考が始まる可能性がある
自分が納得できるESを提出したいとギリギリまで粘ってしまう応募者もいますが、ESの提出順に選考を始める企業もあります。そのため、期限ギリギリに提出した場合、最後のほうまで確認してもらえません。
応募数が多い場合、締切期限に間に合ったとしても選考を締め切ることがあります。作りこんだレベルの高いESでも、採用担当者に見てもらわなければ意味がありません。早めにESを提出することで、そのような心配はなくなります。
早めに提出すると有利なルートを案内される場合がある
企業によっては、ESの先着順でリクルーター面談や特別イベントに招待することがあります。ギリギリに提出した場合は招待してもらえないため、大きなデメリットといえます。
リクルーター面談とは応募企業の「リクルーター」と呼ばれる社員が、通常よりもアットホームな雰囲気で学生と面談を行うものです。リクルーター面談は選考の一環になるため、内定獲得の重要な第一歩となります。
また、企業のイベントなどに招待してもらえると、入社前にさまざまな情報を得られるメリットがあります。このようなチャンスを逃さないためにも、ESは早めに提出するべきです。
選考に迷ったときに落とされやすくなる
採用側としては、ESをギリギリに提出する応募者に熱意を感じられないため、採用に対してネガティブな判断をしやすくなります。同じレベルのESがあった場合、期限に余裕を持って提出した応募者と比較すると、ギリギリに提出した応募者を落としてしまう企業がほとんどでしょう。
ESの提出が早い応募者は、それほど企業に対して入社意欲が高いと判断してもらえます。また、入社後の活躍や早期離職の懸念について考えても、早くESを提出した応募者を選びたいと考えるものです。
トラブルが起こると間に合わなくなる
ESが締め切り前に完成した場合でも、スムーズに発送まで完了できる保証はありません。締め切りに余裕があるならトラブルが起きても対応する時間がありますが、締め切りギリギリの提出となると何かあったときに締め切りが過ぎてしまうことが考えられます。
郵送で発送するケースだと、封筒や切手の購入忘れや発送ミスが予想されます。また、悪天候などによって配達遅延になることもあるでしょう。メールやインターネットなどのWebで提出するケースでも、通信エラーや機械トラブルで送れない可能性があります。
そのようなリスクを回避するためにも、早めに提出することが求められます。
ESの精度が低くなる可能性がある
ESの提出が期限ギリギリになる場合、応募者は期限に間に合わせるために焦った状態でESを作成することがあります。書き終えてすぐに提出をした場合、ESの精度が低い可能性があるため注意が必要です。
焦って作成すると、ESを入念に見直しする余裕がなく、質問への回答が矛盾している・文脈が不自然で読みにくいなどといったミスが発生する恐れがあります。大丈夫だと思っていても、冷静な目で確認しないとミスをしてしまうものです。
質の高いESを作成するためには、誤字がないか複数回読み直して確認する・一晩明けて文章をチェックするなどの時間に余裕を持った姿勢が大切です。
Webテストの締め切りに影響する
新卒の採用では、オンラインで適性検査を行う「Webテスト」を実施する企業があります。Webテストにも締め切りがあり、企業によってはESの提出締切日と同じ日にしているところがあります。
そのため、ESの提出がギリギリになるとWebテストの受験に影響が及ぶことになります。ESが期日内に間に合ったとしても、Webテストの受検ができていなければ選考に進むことができません。先にWebテストを受けたくても、ESの提出後にしか受けられない企業もあるので注意しましょう。
ESの締め切りがギリギリになる場合はどうする?
締め切りの種類を確認する
締め切りには「必着」か「消印有効」の2種類があり、郵送のタイミングが異なるため注意が必要です。締め切りに間に合わない恐れがある場合、まずは企業が示している締め切りの種類を確認しましょう。
指定日までに郵便物が届いている必要がある。遅くとも指定日の3日前には郵送手続きを行わなければいけない。
郵便物を出した日が提出日でも問題ない。しかし、ポストに投函した場合は集荷時間を過ぎていると翌日の消印になるため注意が必要。
上記の通り、必着と消印で締め切りの捉え方は異なります。注意して確認しましょう。
誤字脱字を確認する
締め切りギリギリになると、期限内に提出することだけに意識が向き、ESの内容や誤字脱字を見落とす可能性が高くなります。特に誤字脱字があると、推敲していないことが明白になります。提出間際に急いで書いたESという印象を与え、志望度が低いと判断されるため注意します。
また、あまりにも誤字脱字が多いESを提出すると、書類選考で落とされる可能性もあります。入社後も細かいミスを見落とす印象を与えるからです。何度も読み返せる余裕を持った提出を心がけましょう。
速達を利用する
郵便局のサービスをうまく活用すると、締め切り前にESを提出できる可能性があります。
「速達」は追加料金を支払うことで、郵便物をスピーディーに届けてもらうサービスです。速達を利用すると翌日に届けることもできるため、間に合いそうにない場合は利用を検討しましょう。
追加料金は以下を参考にしてください。追加料金は基本料金に加算します。
重量 | 追加料金 |
250gまで | +260円 |
1kgまで | +350円 |
4kgまで | +600円 |
ESを締め切りギリギリに提出するときの注意点
遅くとも締め切り2日前までに提出完了する
ESの提出は早いに越したことはありません。しかし、「できるだけ良いESに仕上げて提出したい」などの理由で提出間際になってしまうことがあるかもしれません。その場合、遅くとも締め切り2日前までには提出を完了するようにします。
郵送での提出を指定されている場合、締め切り2日前に指定先の住所にESが届くように手配します。オンラインでの提出の場合、締め切り間際は通信トラブルが起きやすいとともに、自分のPCが故障したりする場合も考慮し、2日前までに提出を完了させましょう。
また、スケジュール管理が不安な方は、一目見てわかるように就活のスケジュール表を作ってみましょう。また、スマホのリマインド機能を併用するなど、忘れないための工夫が大切です。
郵送するときの注意点
郵送でESを発送する場合、締め切りに間に合うこと以外にも注意点が2点あります。
①必ずコピーを取る
②白色の封筒を使う
①選考通過した場合、その後の面接はESの内容から質問されることがあります。そのため、どれだけ急いでいても提出するESのコピーは必ず取るようにしましょう。
②ESの提出では、A4サイズ・白色の封筒で郵送することが一般的なマナーです。茶色も一般的ですが、白色だとより一層フォーマルな印象を与えます。そのため、郵送時はA4のクリアファイルにESをまとめて、白い封筒に入れて発送しましょう。
メールで送るときの注意点
メールで送るときの注意点は以下の2点です。
①指定がない限りPDFで送る
②パスワードを付けて送信をする
①メールでESを送信する場合、WordやExcelで作成したESはPDFに変換して送りましょう。企業側に指定があれば、指定のファイルで送信します。
②ESには個人情報が多く含まれているため、メールで提出する場合はパスワードを付けます。パスワードを送る際は1通目のメールでESを送信し、2通目にパスワードを送りましょう。
分けて送るのは情報セキュリティの観点から、誤って他人に届いて見られてしまうリスクを避けるためです。2通送ることで、マナーを心得ていると良い印象を与えることができるでしょう。
ESを余裕を持って提出するためのスケジュール
6日前 | ESで回答を求められている設問を把握する |
4日前 | ESの大枠を固める |
3日前 | 実際にESの設問を埋め始める |
2日前 | 一旦ESを完成させる |
1日前 | ESを再度読み返し、修正があれば書き直す |
当日 | ES提出 |
ES提出は早いに越したことはないですが、就職活動中はいくつものESを同時並行で進め、効率よく提出する必要があります。そこで、自分の予定などを確認したうえでESを提出したい日を決め、計画的に進めることも大切です。
ここでは、自身が設定した提出日の6日前から1日ずつやるべきことの目安を紹介しています。ESを読み返して推敲する余裕を持ったスケジュールで動くことを心がけましょう。
6日前:ESで回答を求められている設問を把握する
まずは志望企業のESで回答すべき設問を確認します。就職活動のESで聞かれやすい設問はある程度決まっていますが、企業ごとにオリジナリティのある設問を設けている場合も多いです。
設問によっては、企業分析を深く行ったうえで新規企画を立案したり、就活生1人1人の人柄を知るためにエッセイを求めることもあり、執筆にかなり時間がかかるものもあります。文字数と一緒に事前に確認しておくことで、焦ることがないようにしましょう。
4日前:ESの大枠を固める
2日間でESの大枠を固め、何を書くかの目星をつけましょう。
余裕を持ってESを提出するには、ES作成にかかる時間を短縮することがカギとなります。書き直すことがないように、実際に書き始める前にES全体を見て、エピソードやアピールできる強みの被りが無いことを確認します。
3日前:実際にESの設問を埋め始める
1日前に決めた記載内容を参考に、実際に設問を埋め始めます。文字数にも注意し、構成を練ってから書き始めるのがおすすめです。
また、最初に書く文章の文字数は、指定文字数よりも多くなるように心がけます。必要ない部分を削っていくことで、情報の詰まった文章になります。少ない文字数の中でもできるだけ具体的に状況を伝えることができるでしょう。
2日前:一旦ESを完成させる
1日前から書き始めたESの設問を全て埋め終わりましょう。
全体のバランスを考慮し、書類選考を通過した後の面接も視野に入れて自分のアピールポイントが全て含まれているかを確認します。また、志望動機やその根拠となるエピソード・強みに一貫性があるかどうかも大切です。ES全体で見て矛盾の無い内容になっているかがカギとなります。
1日前:ESを再度読み返し、修正があれば書き直す
1日前に一旦完成させたESを読み返し、より良く仕上げるために修正できる点が無いかを探します。少し時間を空けてもう一度読むと、最初の記載時に気づかなかったことも目につくかもしれません。
また、新規企画立案を行う設問など斬新なヒラメキが必要な場合は、いつ良いアイディアを思いつくか分かりません。余裕を持ったスケジュールを組むことで、思いついたアイディアを組み合わせてより良いESに仕上げることができます。
当日:ES提出
完成したESを提出します。提出前に今一度読み返し、誤字脱字が無いか、提出方法は指示に沿っているか、回答の仕方が間違っていないかなどを再確認します。
オンラインでの提出の場合、提出完了メールが送られてくることも多いです。通信トラブルで上手く提出できていなかった場合でも、締め切りを過ぎると企業が受理してくれる可能性は低く、最後までしっかりと確認し、確実に提出しましょう。
ESの締め切りを過ぎてしまった場合はどうする?
次の選考があるか確認する
一次締め切りに間に合わなかった場合は、次の選考があるのか確認してみましょう。二次募集の締め切りに間に合うのなら、ESに目を通してもらえるため、選考に通過できる可能性が残っています。
二次募集に応募する際は、期限や提出方法が一次募集と同じなのか確認しましょう。企業によっては変更するところもあるので、間違えた方法で行わないように注意が必要です。
また、二次募集の締め切りまで時間に余裕があるなら、ESに不備や誤りがないのか再度チェックすることをおすすめします。
採用担当者に連絡をする
ESの作成はできている状態で、配達遅延や通信トラブルで締め切りに間に合わない場合は採用担当者に連絡してみましょう。事情を伝えることで、締め切りが過ぎても提出を受け入れてもらえる可能性があります。
連絡をする際は、遅れてしまったことを謝罪し、マナーのある対応を心がけてください。締め切りが過ぎて提出フォームを締め切られた場合は、企業の電話番号やメールアドレスにて連絡をします。受け入れてもらえるなら、添え状を一緒に郵送して誠意を伝えましょう。
ESは締め切りよりも早く準備しよう!
ESは提出期限ギリギリよりも、早めに提出したほうが企業に良い印象を与えることができます。締め切り間近では企業にマイナスな印象を与えるだけでなく、トラブルに対応できない・ESの質が落ちるなどのデメリットがあるので注意が必要です。
多くの企業に提出する際は、就活のスケジュール表を作成して締め切り忘れを防ぐことが重要です。あらかじめESで質問される解答を考えておくことで、効率的にESの作成が可能です。提出開始日から1週間以内には提出できるように、余裕を持った行動を心がけていきましょう。