ESでの自己PRで「性格」をアピールする際には、押さえておくべきポイントがいくつもあります。この記事では、性格をアピールする自己PRの書き方や、段階ごとのポイント、言い換え表現の例を解説しています。

また、強み別の例文もあわせて紹介していますので、性格をどのようにアピールしたらいいか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

ESの自己PRで「性格のアピール」が求められる理由

企業がESの自己PRにおいて性格のアピールを求める理由は、大きく分けて2つあります。

  1. 就活生の自己理解への深さを知りたいため
  2. 自社とのマッチング度の高さを見極めたいため

人事担当は就活生からもらった性格に関する自己PRを通じて、就活生自身の「自己分析能力」を知ることができます。

自分自身がどんな性格なのかを解釈し、文字としてアウトプットする力は、仕事においても必要となる「自ら考え、表現するスキル」に通ずるものがあります。いわば、企業はESという選考における最初の関門で、就活生の「自己分析能力」を判断したいのです。

また、人事担当は就活生の自己PRをふまえて、自社が求める人物像と就活生の性格がマッチしているかどうかも見極めています。

ESの自己PRで性格をアピールするメリット

人柄を企業へダイレクトにアピールできる

ESで性格をアピールすれば、あなた自身の人柄をダイレクトに表現できます。

たとえば取得資格、勉強の成績、アルバイトの実績、部活動の成果などは個人のスキル・能力を知る手がかりにはなりますが、その人の性格が分かる要素ではありません。

本記事の冒頭でもお伝えしたように、企業は「就活生の性格は自社が求める人物像にマッチしているか?」を慎重に見極めます。そのため、書類選考の段階から、あなたのパーソナリティを分かりやすくアピールすることが重要です。

あなたの性格をアピールする際は、まず「自分はどんな人間なのか?」を自問自答し、十分な自己分析を行うことが重要です。その上で、企業へもっともアピールしたい性格をピックアップしましょう。

エピソードを交えて具体的にアピールできる

実際のエピソードを交えた性格のアピールは、具体性のある自己PRとして高評価を得やすい傾向にあります。

たとえば「責任感があります」という長所のアピールで終えてしまった場合、どのようなシチュエーションで責任感の強さが発揮されたのかがイメージできません。

ES提出の段階では、人事担当は書類でしかあなたという人間を知ることができないため、「いかに相手が具体的にイメージしやすい内容なのか」を意識して自己PRを書くだけで、あなたのアピール力は大きくアップします。

具体的なエピソードの例として、アルバイト、ゼミ研究、部活動などの大学生活における取り組みが挙げられます。高校生以前の実体験などは年数をさかのぼりすぎてしまうため、大学生活のエピソードをピックアップしましょう。

入社後の活躍像を人事にイメージしてもらえる

自己PRを通じて人事担当へ性格をアピールすれば、あなたの入社後の活躍像をイメージしてもらえます。

具体的なエピソードも交えて自己PRを行えば、「あなたの性格はどんな状況で発揮されたのか」という点も想像しやすく、実際の仕事におけるシチュエーションに落とし込んで考えてもらえるでしょう。

そのために、自己PRの文末を締めくくる一文として、あなたが目標とする入社後の活躍像を書くのをおすすめします。人事担当は明確にあなたの入社後の活躍像をイメージできますし、あなた自身にとって入社後目指すべき「抱負」を得られるはずです。

自己PRで性格をアピールする構成

最初に結論を述べる

自己PRは結論から始めるのが基本です。最初に「〇〇が強み」だということを明記しておくことで、自己PRが何についての内容なのか、どのような点がアピールポイントなのかが伝わりやすくなります。

基本的には率直かつ簡潔に書くのが好印象を与えやすいですが、「私の強みは継続力です」など、単純すぎるものはインパクトに欠けるおそれがあります。そのため、強みの内容に少し具体性を持たせた表現でオリジナリティを出しましょう。

理由や根拠となるエピソード

次に、結論に至った理由や根拠となるエピソードを書きましょう。ここではなるべく具体性を持たせる必要があります。

具体的なエピソードがないと、採用担当者はその強みが実際にどのように働くのかをイメージできません。そのため、「どんな場で、どんな事があった」かを明記し、自身の強みに説得力を持たせることで、好印象を残せるでしょう。

ただし、強みをアピールしたいからといって、過度な誇張はNGです。採用担当者は多くの就活生を見てきているため、明らかに誇張していたり、内容を偽っていたりするものには必ず気付きます。派手でなくとも、自分の強みがよく表れているエピソードを書けば問題ありません。

入社後に強みをどう活かすか

最後は、入社後にその強みを活かしてどう活躍・貢献するかという意気込みで締めましょう。新卒の場合は特に、企業が就活生に求めているものは将来的な成長です。将来的なビジョンがない人は、成長した姿も想像しにくく、採用に後ろ向きになる可能性があります。

また、意気込みを述べる上では、企業研究も欠かさないようにしましょう。実際にどんな場で役立てると考えているのかは、その企業の事業内容を詳しく知っていなければ書くことはできません。

将来の成長と同時に、企業への理解も示すことができれば、選考を有利に進めることができるでしょう。

ESで性格をアピールするポイント

好印象を与えられるような性格を選ぶ

人事担当へ好印象を与えられそうな性格をチョイスすることがポイントです。

具体的には、「継続力が高い」や「リーダーシップをとれる」「責任感が強い」などの性格は、仕事においてもプラスに働くイメージが浮かびやすいため、人事担当へ刺さりやすいと言えます。

自己PRへ性格を盛り込む前に、あなたの性格傾向をザッと箇条書きでまとめてみましょう。その上で、「どの性格が一番好印象を与えやすいのか」を考えてみることがおすすめです。

その際のコツは、「仕事の場で活かせそうな性格はどれなのか」を判断すること。さらに、具体的なエピソードを交えたアピールができそうな性格をピックアップするとより良いでしょう。

求める人物像にマッチする性格をアピールする

自己PRとは、あなたの人柄をダイレクトに伝えられる項目です。

自己PRでアピールした性格が企業の求める人物像にマッチしない場合、選考に進むことはできません。しかし、求める人物像にマッチしていれば、選考通過の可能性を一気に開くことができます。

多くの場合、企業の求める人物像は、就活サイト・採用ホームページなどに詳しく明記されています。そこから逆算して、求める人物像にマッチしそうなあなたの性格を自己PRでアピールしましょう。

長所を言い換えて伝える

性格自己PRの書き方(例)
真面目真摯な姿勢で仕事に取り組める
几帳面仕事の細部まで丁寧に取り組める
優しい思いやりをもって仕事に取り組める
聞き上手相手の話に耳を傾けることができる
好奇心旺盛新たな仕事にも積極的にチャレンジする
感受性豊か相手の気持ちを考えて接することができる
責任感が強い自分の仕事を最後まで諦めずに取り組める
協調性があるチームプレーを意識して仕事に取り組める
継続力がある結果が出るまでコツコツと仕事に打ち込める
計画性がある段取りをしっかり立てて仕事に取り組める

このように、「長所」を実際の仕事に置き換えて表現すれば、より具体性のある性格のアピールが可能です。

ただし、具体性を持たせすぎるあまり、本来アピールしたい性格が伝わりにくくなってしまうのはNGです。あくまで簡潔に表現することが望ましいということを前提に、こうした言い換えの表現を探してみましょう。

短所でも言い換え方次第で強みにできる

短所自己PRの書き方(例)
心配性仕事の課題発見力を行える
気が短い物事をスピーディに進められる
気が強い自分の軸をぶらさずに仕事に取り組める
おせっかい困っている方がいたら手を差し伸べられる
理想が高い向上心をもって目標達成のために取り組める
考えすぎる慎重な姿勢で、仕事一つひとつに取り組める
面倒くさがり日々の仕事を振り返りながら効率化を目指せる
周りに流される周りの意見を聞き入れながら柔軟に取り組める
ネガティブ思考マイナス要素を想定して十分な対策を準備できる
人の目を気にする規律性を重視し、決まり・ルールを守って働ける

上記のように、見方を変えれば「短所」も「長所」へ変わります。

「自分の長所がなかなか思いつかない」という方は、あえて短所を振り返ることで自己PRをつくる際のヒントが見つかる可能性があります。自分自身で導き出せない場合は、長所と同様に周囲の方々からヒントをもらうのもOKです。

また短所を長所に変換すれば、「短所だと思っていたけど、長所でもあるんだ」という気づきにもつながり、あなたが自信をもてるきっかけになるかもしれません。

ESの自己PRで性格をアピールする例文5選

慎重さ

例文

私の長所は慎重に物事へ取り組めることです。慎重に行動することで、ミスを事前に発見して改善する能力を持っています。
その強みを発揮できた具体的なエピソードは、大学生活における居酒屋でのアルバイト経験です。週末・土日は非常に混み合い、オーダーミスなどが多発する店舗だったため、忙しい状況でもチェックを怠らず、お客様に完璧な料理を提供することを心がけました。
その結果、料理へのトッピングミスや髪の毛の混入を事前に発見し、クレーム発生を回避することができました。 店長からも、私の慎重な姿勢に対して感謝の言葉をいただくことができました。
貴社に入社できた際は、何事にも慎重に取り組み、ミスやトラブルを事前に回避し、周りから信頼される存在となるべく頑張りたいと思います。(350字以内)

この自己のポイントは、自らの慎重さを活かしてクレームを防止できたという点です。

お店が抱える課題を分析し、改善策を講じて実践したという実行力の高さも伝わる自己PRといえます。

このような自己PRが刺さりやすい職種は、事務職・経理財務職などのオフィスワークです。仕事のミスが大きな損失につながりやすい分野にこそ、慎重さはプラスに働くと判断されやすいでしょう。

前向きさ

例文

私の長所は、太陽のように明るくて前向きなことです。
私は、大学ではテニスサークルのマネージャーを務めています。昨年の試合では、過去の成績が下がっていたため、チーム全体の士気が低下していました。
そこで、練習への参加率が低いメンバーに積極的に声をかけ、参加率を改善しました。 また、練習中は各メンバーに対して「良かった点」を直接伝え、大きな声で応援し、チーム全体を盛り上げました。
徐々にメンバー同士がお互いに指摘しあうようになり、チーム全体が優勝にむけて真剣に練習へ取り組むようになりました。最終的に、大会では優勝を収めることができました。
困難にぶつかっても周囲を明るくさせ、前向きに乗り越えて成果を上げたいです。(350字以内)

この自己PRのポイントは、テニスサークル全体の士気を上げるために明るい声がけを自発的に行った点です。

さらに相手の良かった点を褒めるなど、相手のモチベーションを上げられるような気配りができる点も人柄の良さが分かるポイントです。

このような自己PRは、どのような職種においても魅力的に映る傾向です。しかし、企業規模や社風にもよりますが、個人のスキルが重視されやすい営業職・コンサル職などにはややマッチング度が低い可能性があります。

前向きに取り組む

例文

私の長所は、物事に対して前向きに取り組めることです。
私は大学1年生から、飲食店のホースタッフとしてアルバイトをしています。ある日、ホールスタッフが急遽辞めてしまったため、私の役割がホールスタッフに変わることになりました。私は「接客スキルを培うチャンスだ」というプラス思考を働かせ、他のホールスタッフへ積極的に相談しながら、配膳スキル、お客様とのコミュニケーション能力を身に着けました。
お客様から「素敵な接客だね」という声をいただく機会も増え、その成果が評価されてアルバイトリーダーに昇格しました。この経験から、どのような物事でも前向きに取り組むことの大切さを学びました。
私は前向きな姿勢で仕事に取り組み、仕事の幅を積極的に広げて誰よりも成長していきます。(350字以内)

この自己のポイントは、一人前のホールスタッフになるために積極的にスキル習得を行った点です。

新しい領域でもマイナス思考にならず、プラス思考で取り組むことで自己成長や評価のチャンスを得られたという前向きな性格がうかがえます。

このような自己PRが刺さりやすい職種は、営業職などが挙げられます。営業成績のプレッシャーがかかる仕事でも、プラス思考を働かせることで多くの成長機会を得られるでしょう。

リーダーシップ

例文

私の長所は、リーダーシップをもって周囲を牽引できることです。
私は大学生活において、映画研究会の部長を務めました。私の代で2年目の研究会ということもあり、映画制作の実績も1作品しかなく、チーム内の制作スキルも高くありませんでした。
しかし、「映画コンテストに入賞する」という目標をチーム内で掲げた日を機に、映画制作の勉強会や制作作品のディスカッションなどを積極的に行いました。徐々にメンバー内のモチベーションも高まり、全員一丸となってコンテストへの入賞を目指し始めました。
その結果、映画コンテストでは第3位にランクインすることができ、文化祭でも入賞作品を上映する機会をいただくことができました。
私のリーダーシップを活かして、目標達成にむけて周囲を牽引する人材として成長したいと思います。(350字以内)

この自己のポイントは、目標達成にむけて全員を牽引したリーダーシップの高さです。

チームの士気が低い中でも、全員共通の目標設定を図り、行動に移したエピソードが周囲に影響をもたらすリーダーシップの高さを強調しています。

思いやりがある

このような自己PRが刺さりやすい職種は、営業職・コンサル職になります。目標達成にむけて粘り強く行動できる印象をもたれやすく、かつチームを引っ張るマネージャー職としての成長も期待できそうな自己PRです。

例文

私の強みは、相手に対して思いやりのある行動が取れることです。
私は大学生活で、バスケットボール部のマネージャーを務めました。ある日、主力メンバーがケガによって試合へ出場できなくなったのを機に、選手の体調に気を配るのはマネージャーである私の仕事だと強く後悔しました。
そこで、選手達の特徴・日々の変化をノートに細かく書き、毎日のチームMTGで共有しました。また、個人のコンディションに合ったストレッチ方法を調べ、一人ひとりへレクチャーしました。
その結果、全員がベストコンディションを意識するようになり、試合の成績も大きく伸ばせました。部長からは、「選手第一の気持ちで動いてくれてありがとう」という言葉を受け、マネージャーの卒業日には全員から感謝状をもらいました。
私は、思いやりのある行動ができるビジネスパーソンとして成長したいと思います。(400字以内)

この自己のポイントは、人に対して思いやることで相手から感謝の言葉をもらえた点です。

思いやりのある対人コミュニケーションを意識することで、周りから信頼され、感謝される人間になれたという人柄の良さがとても伝わりやすいエピソードです。

このような自己PRが刺さりやすい職種は、介護・福祉・販売などのサービス業です。営業職などの成果を追求する職種の場合、ホスピタリティが強すぎるためミスマッチと捉えられる可能性があります。

自己PRで性格をアピールする時の注意点

複数の強みを挙げない

自己PRでアピールする性格は1つに絞りましょう。複数の強みを挙げていると、根拠や説得力も分散してしまい、結果としてアピールポイントがよくわからない自己PRになってしまいます。

もし、複数の強みをアピールしたい場合には、それらを含む1つの性格としてアピールするのがいいでしょう。例えば「分析力」と「コミュニケーション能力」をアピールしたい場合には、「リーダーシップ」としてまとめて表現するなど、内容をわかりやすくすることが重要です。

志望企業に合わせた表現にする

伝え方次第で、同じ性格でも与える印象が異なります。そのため、志望企業の社風に合わせて、言い回しや表現を変えることが効果的です。

特に、企業が提示している「求める人物像」などがあれば、それを参考にするとより良い自己PRに仕上がるでしょう。

ただし、あくまで表現方法を変えるまでに留め、本来の性格とは異なる性格は書かないようにしましょう。

短所も理解しておく

あらゆる性格には長所だけでなく、短所もあります。そういった面に目を向けずに長所だけをアピールしていると、自分を客観視できていないような印象を与えます。

そのため、強みだけでなく、性格ゆえの失敗や苦労の経験も内容に取り込めると、印象的な自己PRになります。

指定の文字数が少ない場合は省略しても構いませんが、面接で短所を尋ねられる可能性もありますので、一度は考えておくことをおすすめします。

自己PRで性格をアピールして、あなたにしかないオンリーワンの魅力を表現しよう!

ESの自己PRで性格をアピールすることは、あなただけの魅力を企業へ全面的に表現できる方法です。

本記事において、長所・短所別に自己PRに活かしやすい性格を紹介しましたが、どの性格をチョイスするのかは、選考を受ける企業が掲げる「求める人物像」から逆算して考えましょう。

採用のミスマッチを防ぐと同時に、自分の性格が企業のカルチャーにマッチしているのか、あなた自身が分析できる側面もあるためです。

ESは企業の選考を受けるスタートラインではありますが、ここでいかにあなた自身をアピールできるかが「内定」を勝ち取るための鍵となります。

満足のいくかたちで就職活動をフィニッシュさせるために、ぜひ自己PRを通じてあなたにしかないオンリーワンの魅力を表現しましょう。

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