リース業界は学生には馴染みが薄い業界かもしれません。企業に向けたビジネスのため、個人が利用することはないからです。しかし業界内部に目を向ければ、オリックスや三井住友ファイナンス&リースなど、誰もが知る有名企業も多数あります。就活でリース業界に興味を持つ人も多いのではないでしょうか。

馴染みが薄い業界だからこそ、志望するには徹底した業界研究が必須です。仕事の魅力を知らずにエントリーしても、志望動機で行き詰まってしまいます。採用倍率が高い企業が多く、中途半端な記述では選考に通りません。

この記事では、リース業界を志望する人が円滑に志望動機を書けるよう、事業内容や業界の現状を説明します。仕事の魅力を確認し、「なぜリース業界を選ぶのか」あなたなりに整理しましょう。

志望動機の具体的な書き方は、例文つきで解説します。論理的な文章の作成方法を理解し、効果的な志望動機を作成していきましょう。

個人には聞き慣れない「リース業界」とは?

企業に必要なものを貸し出す事業

リース業とは企業に必要なものを長期的に貸し出す事業です。産業機械や工作機械、飛行機など大型のものから、事務機器やコンピューターまで、取り扱う商品は多岐にわたります。

最近では不動産や再生可能エネルギーの発電設備をリースする会社も出てきました。リースはまとまった初期投資が不要のため、事業を気軽に始めやすいのが特徴です。

2020年の公益社団法人リース事業協会の調査データ(※参照1)によると、リースを利用している会社は統計総数の87.6%にも及びます。2015年までは90%を超える数字を記録していました。企業にとって、リースはそれほど身近な存在なのです。

違いを理解したい2つのリース形式

リース会社に所有権がある商品を貸し出すオペレーティング・リース

オペレーティング・リースは、リース会社に所有権がある商品を、ユーザーに貸し出すリース形態です。自動車や航空機、機械類などで主に利用されます。

ユーザーは事業に必要なリース商品を申し込みます。契約期間はユーザーの都合に合わせ、柔軟に設定可能です。リース会社は契約期間から商品の残存価格(一定期間を経た後に商品がいくらになるか)を割り出し、毎月の請求額を決定します。使用期間分だけが請求されるため、ユーザーにとっては購入するよりも安価で済むメリットがあります。

契約期間中の商品は、リース会社に所有権があります。トラブル対応もリース会社が行うのが原則です。

契約期間が終了すると、ユーザーはリース会社に商品を返却しなければなりません。リース会社はユーザーの使用状況と商品の状態を見極め、再リースを促したり、中古市場に売却したりと、最適な対処法を決定します。

希望するものを購入して貸し出すファイナンス・リース

ファイナンス・リースは、ユーザーが希望する商品をリース会社が代理購入し、利益分を上乗せして貸し出すリース形態です。さまざまな商品に利用されます。

ユーザーにとっては、ローンを組んで購入するのと感覚的に変わりません。契約期間に応じて分割で料金を支払うため、初期費用を抑え設備や備品を導入できるメリットがあります。特に起業や新規事業に取り組む会社にとっては、大きな助けになるでしょう。

ただし、ユーザーはいくつかのデメリットも受け入れなければなりません。第一に、最終的な支払金額は、商品代金よりも高額になります。一括で費用を用意できるなら、購入を検討した方が良いでしょう。

また途中解約ができない特徴もあります。リース会社が代理購入するシステム上、最後まで代金を支払わないわけにはいかないのです。さらに、リース期間中のトラブル対応もユーザー側で行わなければなりません。サプライヤー(商品の製造メーカーなど)と保守契約を結ぶのが一般的です。

トラブル対応をユーザーが行う点と矛盾するようですが、契約期間中の所有権はリース会社にあります。契約期間終了後は、所有権を移す選択もできます。

ファイナンス・リースの割合が多いが、オペレーティングリースも伸びている

公益社団法人リース事業協会の調査(※参照2)によると、リース形態の構成比は2021年時点で、オペレーティング・リースが35%、ファイナンス・リースは65%です。ファイナンス・リースの優勢が続いているものの、ここ10年はオペレーティングリースの割合が増え続けています。

同協会によると、オペレーティング・リースの比率が低い要因は、残価損失リスクにあります。契約終了後の商品状態が悪い場合、予定した残存価格をつけられなくなります。そのリスクを避けるため、リース会社は積極的にオペレーティング・リースを行わなかったのです。

しかし国が損失額の一部を負担することにより、オペレーティング・リースを業界全体で促進できるようになりました。ユーザーにとってメリットが多いリース形態だけに、今後も継続的な成長が予想されます。

レンタル業とは異なる4つのポイント

ものを貸し出す事業では、レンタル業がより身近です。リース業とレンタル業には、大きく4つの異なる点があります。

①リースの取引先は企業

主に個人を顧客とするレンタル業に対し、リース業は法人や個人事業主が対象です。ただし、車に関しては個人向けにリースを行う会社もあります。

企業であれば、規模は問いません。実際、顧客の50%は中小企業が占めています。(※参照2)「ひとり会社」や個人事業主でも、審査に通れば契約可能です。

②リースは長期利用が原則

リースは長期利用が前提です。契約期間は最短で半年、長ければ10年にも及びます。レンタルは最短で一日、長くても一ヶ月に満たないことがほとんどです。

顧客が長期間利用する前提があるからこそ、リース会社は顧客の希望する商品を個別に調達できます。短い期間しか使われないなら、契約ごとに商品を揃えるのは不可能です。

③リースは新品を受け取れる

リースでは新品を受け取れます。顧客が希望する商品を用意するのが原則だからです。他の会社が使った中古品を回されることはありません。

一方、レンタルでは新品を受け取れることはほとんどないでしょう。貸出期間が短いこともあり、さまざまな人の手に渡った商品を利用することになります。

④リースは途中解約できないことが多い

リースは途中解約が難しい特徴があります。ファイナンス・リースの場合、いかなる契約も解約不能です。オペレーティング・リースはファイナンス・リースほど厳しくないものの、一定期間は解約不能にしている事例が多く見受けられます。レンタルの多くは解約が可能です。

企業は大きく3つの業態に分類される

リース業界に属する企業は、大きく3つの業態に分類されます。

一つは、リースをメインの事業に据える企業です。オリックス芙蓉総合リースなどが該当します。オリックスは日本には馴染みがなかったリースシステムに目をつけ、新たな金融手法として導入した先鋒です。芙蓉総合リースは航空機や建物など、社会の基盤となる大きなリース品目を得意としています。

特定分野のメーカーが、専門商品をリースするパターンもあります。リコーリースNECキャピタルソリューションなどです。前者はコピー機、後者は情報通信機器や事務用機器が専門です。母体となる企業の強みを活かし、リース業界でも専門商品に優位性を示しています。

金融系のメガバンクや総合商社が出資し、業界に進出した事例もあります。三菱HCキャピタル三井住友ファイナンス&リース東京センチュリーなどです。資金力や顧客の多さを活かし、不動産や再生可能エネルギー設備など、規模の大きな事業を手掛けています。

いずれも名だたる有名企業ばかりです。就活生には魅力的に感じられるでしょう。

リース業界の主な職種

リース品を顧客に提案する「営業職」

営業職は、顧客の要望を聞き出し、リース商品を提案する仕事です。リース会社は特定の商品のみを取り扱っているわけではありません。顧客の要望に応じて、幅広い提案を行います。多くのリース会社は、商品領域ごとに専門の営業チームを設け、円滑に対応できる仕組みを構築しています。

営業職は、リース事業のおもしろさを最も強く感じられる職種かもしれません。さまざまな業界人と接するため、見識が広がります。応対するのは経営の決定権を持つ幹部クラスが多く、豊富な知識や成功談を聞けるかもしれません。顧客の希望に応じた商品を提案することで、幅広い商品知識も身につきます。

営業職には高いコミュニケーション能力はもちろん、顧客の要望を適切に読み取る課題発見能力、トラブルに柔軟に対応する課題解決能力などさまざまな力が問われます。

大手企業では、総合職で採用され営業を最初に担当することが多いようです。営業職を経ることで、リース業界で要される能力が身につきます。

顧客の審査を行う「審査・法務職」

審査・法務職は顧客の支払い能力を審査し、適切な契約内容を策定する重要な職種です。支払い能力がない場合や、将来的に不払いのリスクがある場合、リース契約を謝絶しなければなりません。

審査・法務職が判断を誤ると、会社は多大な損害を被ります。特に産業機械や航空機、発電設備など額が大きな商品は、少しのミスが致命傷になりかねません。

業務を円滑にこなすには、企業の財務状況を事細かに分析する力と、分析をもとに合理的な判断を下す力が必要です。営業職を経験し、さまざまな業界や企業に明るくなっていると、業務を進めやすいでしょう。

資産をモニタリングする「資産管理職」

資産管理職は、リース品を適切に管理・運用する職種です。リース業では会社の保有する資産(リース品)が多いため、経理とは独立しているのが特徴です。

リース契約中の商品は、リース会社に所有権があります。商品はリース会社が運用しなければなりません。中古市場に流すにも、再リースや買い取りを提案するにも、普段からの適切な管理が欠かせません。商品の状態を把握し市場価値を見極めていないと、正しい判断ができないでしょう。使える商品を廃棄してしまうと、会社にとって大きな損失になります。

資産管理職には、契約状況を細かく把握する管理能力と、的確な判断を下す分析力が求められます。業務への慣れも重要です。先輩社員に習いながら、「プロの目」を養っていく必要があります。

リース契約ごとに税務処理を行う「経理職」

リース業界の経理職は、通常の会計処理だけでなく、リース契約ごとに適切な税務処理を行わなければなりません。処理方法を柔軟に選択する必要があり、深い知識スキルが求められます。他業界と比べ覚えることが多く、就職後も学生時代以上に学ぶことが多いでしょう。

業務の遂行には正確さも欠かせません。リース業では扱う金額が大きくなりがちです。会計上のミスにはとりわけ注意しなければなりません。細かな部分まで気を配り、注意深く仕事を進める必要があります。

仕事がなくなる心配は?リース業界の現況と展望

景気や社会情勢の影響を受けやすい

リース業界は景気や社会情勢の影響を受けやすい業界です。業績が悪化すると、企業は設備投資を控える傾向があるからです。設備投資は金額が大きいため、借り控えが起こればリース会社のダメージも大きくなります。

公益社団法人リース事業協会の調査(※参照2)によれば、リース業界はバブル期に8.8兆円もの市場規模を誇っていました。バブルの崩壊で7兆円台となり、リーマンショックで取扱高はさらに減少します。2021年時点では、4兆2,186億円の市場規模になっています。

日本では、90%近い企業がリースを利用しています。だからこそ、景気や社会情勢に直接的に左右されやすいのです。

長い目で見ると業績は横ばい

近年のリース業界は取扱高が減少傾向にありました。コロナ禍と半導体の不足が原因です。

リース事業協会によれば(※参照1)、現在リースの利用が最も多い品目は情報通信機器です。半導体の不足は、業界全体に大きなダメージを与えました。

2024年現在、業績は徐々に回復しています。株式会社矢野経済研究所の予測(※参照3)によると、2025年度には4兆8,000億円程度の市場規模に落ち着く見通しです。これは2017年頃と同等の数字で、長い目で見れば業績に大きな変化はありません。浮き沈みはあるものの、悪化の一途を辿っているわけではないのです。

海外市場が成長のポイント

リース事業協会の調査(※参照2)によると、2021年時点の海外でのリース設備投資額は1兆9,000万円です。2010年代から海外で航空機のオペレーティング・リースに参入する企業が増え、市場を大きく開拓しました。

現在、コロナ禍に加え、ロシアのウクライナ侵攻や米中の対立など、海外での事業展開は盤石とは言えません。しかし世界的なSDGsへの取り組みで、太陽光発電設備のリース需要が増えるなど、社会的課題の解決にリース業界が一役買うのではないかと期待されています。国内市場と並行し、海外需要をいかに伸ばしていくかが成長のポイントになりそうです。

志望動機作成の参考にしたいリース業界の魅力

リース業界の概要を理解したら、志望動機の作成に取りかかりましょう。あらかじめ認識しておきたいのが、リース業界ならではの魅力です。魅力への気づきを志望動機につなげれば、説得力のある文章を作成できます。

さまざまな業界とつながりを持てる

リース業界の最大の魅力は、さまざまな業界とつながりを持てることです。リース会社が取り扱う商品は幅広く、取引先も限定されません。未知の事業に触れ、取引先の数だけあなたの見識も広がるでしょう。

特に直接顧客と接する営業職は、リース業界のメリットを感じやすい職種です。新規顧客に出会うたびに、新鮮な気持ちで仕事ができます。顧客と円滑につき合うには、該当する事業に明るくなければなりません。業界や企業について知識を深めていくうち、自分の成長を身をもって感じられるはずです。

長期にわたり顧客と深くつき合える

顧客と深くつき合えるのもリース業界の魅力です。顧客の話に真剣に耳を傾けなければ、最適なリース商品を提案できません。一過性の営業ではなく、顧客とじっくり向き合う営業ができます。徐々に信頼関係が生まれ、関係を深める喜びを感じられるでしょう。

また、長期にわたり関係を維持できるのも魅力です。契約中はしっかり商品を管理しながら、顧客との関係を続けます。日頃からつき合いを大切にすることで、契約終了後に再リースや買い取りを提案しやすくなるでしょう。

一人ひとりの顧客と長期間つき合うため、さまざまな業界に太い人脈を築けます。

グローバルに働ける会社が多い

リース業界は海外取引も拡大しています。現在は航空機のリースがメインですが、今後は太陽光発電設備など、SDGsに関わる需要が増えると予想されます。

SDGsの取り組みは世界的なものです。アメリカやヨーロッパだけでなく、アジア諸国でも活躍できる可能性があります。特に東南アジアは気象変動に対する意識が高く、国をあげた取り組みも珍しくありません。太陽光や風力への設備需要で、海外での活躍の場が増えるでしょう。

異国の文化や商習慣を学びグローバルに働きたい人には、ますます魅力あふれる業界になりそうです。

リース業界に向いている人

さまざまな事業を探求できる

リース業界に向いている人は、さまざまな事業を探求できる人です。幅広い業界と取引をするリース業では、取引先に応じた知識が必要になります。特定の分野だけを勉強しても、業務に対応できません。ジャンルを問わずいろいろなことを勉強し、自分の知識にしていく必要があります。

勉強する内容を絞り込み特定分野の知識を深めたい、余計な勉強はしたくない、という人には向いていません。リース事業者としての専門的知識だけでなく、貪欲に知識を吸収する人が向いています。

人間関係を大切にし深められる

リース業界では、顧客との人間関係を大切にし、深める姿勢も求められます。人が好きで、深いつき合いを構築したい人に向いている仕事です。「受注を取れればそれでいい」「営業成績のためにできるだけ早くクロージングしたい」などと考えていては、仕事にならないでしょう。

取引先企業には些細なことでも相談してもらえるよう、関係を深めなければなりません。他人の立場に立ってものを考えられ、困難に寄り添える人であれば、人間関係を深められるでしょう。

課題発見能力が高い

課題を発見する能力が高い人も、リース業界に向いています。特に審査・法務職や資産管理職では、能力を活かし業務にあたれるでしょう。

審査・法務職は、顧客の経営状況を細かく分析し、適切な判断を下さなければなりません。資産管理職は、商品を的確に管理し、契約終了時に最適な処理を行います。いずれの職種でも、致命的な問題が潜んでいないか目を光らせ、問題があればすぐに掬い上げる必要があります。

学業で日常的に分析や調査を行っている人は、少しの問題でも見逃さない姿勢が既に身についているかもしれません。リース業界には有利でしょう。

固定観念にとらわれない柔軟性がある

固定観念にとらわれない柔軟性がある人も、リース業界に向いています。特に経理職や資産管理職を目指す人に有利です。

経理職には、契約に応じた処理を判断し実行する柔軟性が必要です。画一的な処理では業務を進められません。

資産管理職も、型にはまった作業では対処できないでしょう。管理する商品ごとの特性を理解し、資産価値を見極める力が要されます。同じ商品だからといって、同じ処理で良いとは限らないのです。

柔軟性を発揮するためには、幅広い知識やスキルが必要なことも忘れてはなりません。勉強熱心で努力を怠らないことが、前提条件になるでしょう。

志望動機を論理的に仕上げる4ステップ

リース業界の志望動機の書き方
  1. 志望動機を端的に表現する
  2. 志望理由を詳しく書く
  3. 受験する会社に志望先を絞り込んだ理由を挙げる
  4. 入社への意気込みや、仕事で実現したいことを伝える

採用担当者に伝わる志望動機を書くには、論理的な構成になるよう工夫する必要があります。①〜④の順に書くことで、志望理由に納得でき、想いが伝わる志望動機を仕上げられるでしょう。

文章は結論ファーストを心がけます。採用担当者が最も知りたいことを端的に伝えるためです。一文で志望動機を伝えられるとよいでしょう。

②からは「納得させること」を念頭に丁寧に記述します。リース業界は学生には馴染みが薄い業界だけに、採用担当者も志望理由に興味を持つでしょう。「なるほど」と思ってもらえる理由を書かなければなりません。

さらに難しいのが③です。あらかじめ企業研究を念入りに行ってください。その会社のどこに惹かれたか他の会社と比べ何が良いかを分かりやすく記述します。

最後に入社後の意気込みや、仕事で実現したいことを具体的に書きましょう。資格や仕事に活かせる経験など、強みになることを提示すると説得力が増します。

リース業界の志望動機を書くポイント

馴染みが薄いからこそ業界の志望理由を明確に

リース業界は、学生にとって馴染みの薄い業界です。だからこそ、志望理由は明確にしなければなりません。「大手企業が多いから」「安定しそうだから」といった漠然とした理由では、選考を通過できません。数ある業界の中から、なぜリース業界を選ぶのか、納得できるように記述します。

多くの人は、就職活動を始めるにあたって業界研究を行ったはずです。その際、他業界にはない魅力や強みを感じたからこそ、リース業界を選んだのではないでしょうか。業界研究で感じたことを思い出し、今一度書き出してみましょう。

受験する会社を限定する理由を持つ

数あるリース会社の中から、受験する会社を選んだ理由も明確にします。企業研究をしっかりと行い、他社にはない強みを見つけ出しましょう。

メーカー系の会社の場合、取り扱っている商品が大きな特徴になるでしょう。海外進出をしている企業なら、海外での業務実績やリース品目に独自性を見出せそうです。

ホームページやパンフレットはもちろん、企業インタビューやニュース記事、プレスリリースなども参考にすると良いでしょう。

強みにできる「就活の軸」を持つ

仕事への意気込みや入社後の決意を伝えるとき、あなたの強みも一緒に伝えられると説得力が増します。業務につながる資格やアルバイト経験があれば、積極的に記述しましょう。

直接業務につながらなくても、精神的な成長を就職後に活かせると強みになります。

仕事につながる精神的な成長の例
  • 課題発見能力
  • 課題解決能力
  • 論理的思考力
  • 忍耐力
  • 決断力
  • 柔軟性
  • リーダーシップ
  • 協調性 など

これらは、リース業界で働く上で大きなアドバンテージになります。たとえば課題解決能力は、顧客のニーズを割り出し、最適なリース商品を提案するときに必要です。忍耐力は、営業がうまくいかないときや顧客との折衝で役立つでしょう。

精神的な成長は、仕事の頑張りに結びつけて書きやすい特徴があります。これまであなたが培った力をに据えることで、志望動機はもちろん、ES全体が書きやすくなります。

リース業界の志望動機を明確に伝える職種別の例文

営業職

例文

マレーシアで太陽光発電のリースを促進するため、貴社を志望しました。私は昨年研修旅行でマレーシアを訪れました。同国は洪水のリスクが高く、被害にあえば大きな打撃を被ります。二酸化炭素を少しでも減らし、気象変動を防がなければなりません。政府は太陽光発電に力を入れているものの、中小企業では導入が遅れているのが現状です。初期投資の少ないリースは、太陽光発電の促進に大きく役立ちます。現地の課題を知る人間として、私自身が設備のリースを提案したいと思うようになりました。

貴社はシンガポールでの事業実績があります。今後マレーシアにも進出を予定していることを知り、入社を強く希望します。私は現地の文化を理解しており、課題の発見には自信があります。この力を活かし、貴社のマレーシア進出に加わりたいです。発電設備を売り込むのは簡単ではないと理解しています。まずはリースの知識や、営業のノウハウをしっかりと学びたいです。(400字以内)

志望動機を一文で伝え、具体的なエピソードに入ります。自分の強みを示した上で仕事への決意を述べており、想いが伝わりやすい文章です。

何より評価できるのは、夢が具体的なことです。リース業界を選んだ理由も、当該企業を志望する理由も納得させられます。業界研究をしっかりと行い、企業の事業展開を把握していることも評価のポイントです。

気をつけたいのは、自分本位にならないことです。やりたいことが明確な人ほど、それだけに集中した記述をしがちです。ここでは「マレーシアで太陽光発電設備を売ることにしか興味がない」と思われないよう、注意しなければなりません。

基礎をしっかりと学び、仕事のノウハウを貪欲に吸収する意欲を示すだけで、印象が変わります。

審査・法務職

例文

私は企業の未来を的確に予測し、リース審査で起業する人を応援したいと思い貴社を志望しました。

私は大学で経営情報を専攻しており、企業の利益予測が専門です。上場企業の財務データを分析し、成功の特徴を視覚化しています。培った能力を活かせる仕事を探す中で、リース業界の審査・法務職を知り、就職を希望しました。特に起業する人の審査に興味があります。起業者には決算データがないため、予測には高度な分析力が必要です。難しい仕事だからこそ、大きなやりがいがあると考えます。貴社は起業の後押しをする姿勢を明確に示しています。貴社でなら、私が携わりたい業務ができると考えました。

入社後はリースの基礎知識をつけると共に、さまざまな業界を探求します。知識がなければ、正しい審査はできないからです。さらに先輩方に教わりながら、今ある知識を業務で使える形に変えていきたいと思います。(400字以内)

大学での研究内容を仕事につなげるパターンです。論理構成がよくできており、志望理由にも納得できます。

大学で専門的な研究をしてきた人は、「学業を仕事に直接的に活かせる」と考えるかもしれません。しかし業務の実情は、机上の学問とはかけ離れていることがほとんどです。学んだことは武器になるものの、すぐに業務で使えるわけではありません。「即戦力として採用されたい」という意図が透けて見えないよう、注意する必要があります。

この文章の良いところは、自分の能力を示しつつも、学びの姿勢を強く表明していることです。特に「今ある知識を業務で使用できる形に変える」姿勢は重要です。この一文で、採用担当者からの評価が変わります。「会社でも意欲的に頑張るだろう」と好意的に捉えてもらえるのです。

資産管理職

例文

資産管理に携わり、自分の目で商品価値を見極めたいと思い貴社を志望しました。

私にはリサイクルショップでのアルバイト経験があります。ショップでは査定と値付けを行ってきました。基準がマニュアル化されており、商品をじっくり見る機会はなく、「自分の力で商品を査定したい」と強く思うようになりました。

リース業を選んだのは、幅の広い商品を扱うことができ、査定後の判断も柔軟に行えるからです。リサイクルショップ以上に業務が難しい分、やりがいがあると考えました。

貴社は大型の機材を多く扱っています。私には未知の商材で、強い興味があります。管理は難しいと思いますが、高い専門性と観察力を伸ばせると考えます。

入社後はさまざまな商品特性を勉強し、これまで以上に商品とじっくりと向き合います。同時に商品価値の見極め方を学び、円滑な資産管理をできるよう努力します。(400字以内)

アルバイト経験を活かした志望動機です。論理構成、志望理由共に問題ありません。

この文章の場合、ポイントはアルバイトと仕事のつながりです。きちんと理由を説明しないと、「この先もリサイクル業界で良いのでは?」と思われます。リース業界の強みに惹かれ、それが自分の目指す方向に適合することを説明しなければなりません。

わざわざ大変な仕事を選ぶのは一見おかしく感じられるかもしれません。しかし能力を伸ばすことができ、結果としてやりがいを強く感じられるなら、飛び込むことに不自然さはありません。業務への気概が感じられ、採用担当者も高く評価するでしょう。

経理職

例文

会計を通しお客様に寄り添える、専門性の高い経理職員になるため貴社を志望しました。

私は企業会計を専門に勉強しています。勉強を進める中で、リース取引を会計処理する難しさを知り、この業界に興味を持ちました。調べるほどに、覚えることの多さや処理の複雑さに驚かされます。仕事にすれば大きなやりがいを感じられると思い、リース業界を志望するようになりました。

貴社はホームページでお客様向けの会計サポートを行っています。高い専門性と顧客第一主義の姿勢に感銘を受けました。貴社でなら、会計の知識をお客様のために活かせると考えます。

会計の知識は一通り身につけましたが、業務での使用経験はありません。就職後は、知識を業務で活かせるよう、一つひとつの仕事に真摯に向き合いたいです。また、今後適用される新リース会計基準に向け、新たな知識を身に着けるつもりです。努力を怠らず、経理職としての専門性を高めたいと思います。(400字以内)

経理職はどのような業界にも存在します。だからこそ、なぜリース業界を選ぶのかを明確にしなければなりません。さらに、当該企業を選んだ理由も記述します。この文章は、業界の絞り込み、企業の絞り込みを自然に行えた好例です。

リース業界では、総合職に配属され、営業職からスタートすることが多いようです。カスタマーファーストでものを考える姿勢は、営業でも必須です。総合職での採用を前提に見られても、目に留まりやすい内容だと言えるでしょう。

また、文章の端々から勉強熱心な一面が窺えます。就職後も継続的な努力を怠らない決意が伝わり、企業も安心して採用できるでしょう。

リース業界の理解を深めオリジナルの志望動機を作ろう!

リースは大多数の企業が利用する便利なシステムです。特に新規事業の立ち上げや起業をする人には、初期投資を減らす重要な役割を果たします。社会的意義が大きな仕事です。

リース会社の社員には、顧客に寄り添い、最適な商品を提案する能力が求められます。顧客の属する業種はさまざまです。円滑に業務を進めるには、幅広い知識探究心が欠かせません。知識を広げ日々成長できるのは、他業界にはない魅力と言えます。

興味を持った人は、業界研究を深め、しっかりとした志望理由を持ちましょう。曖昧な記述では選考に通りません。内定を手繰り寄せられるよう、目標をしっかりと持ち、採用担当者に伝わる志望動機をつくり上げてください。

<参照>

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