エンタメ業界の志望動機の書き方に悩んでいませんか?エンタメ業界といっても幅広く、大きく9つの事業に分かれています。まずは、自分が目指していることを明確にすることが大切です。
またエンタメ業界は例年、就活生に人気の業界です。そのため、周囲と差別化し、自分らしさが伝わる志望動機を作ることがポイントです。
自己分析と業界研究をしっかりと行うことが、エンタメ業界の内定を勝ち取るためのも一番の対策になります。
今回はエンタメ業界の志望動機の書き方を例文と併せて徹底解説していきます。
目次
エンタメ業界とは?
エンタメ業界は、映画・放送・音楽・ゲーム・テーマパークなどの娯楽コンテンツの作成・配布・販売を扱う業界です。
エンタメ業界の事業を大きく分けると、映画事業・放送事業・音楽事業・アニメ事業・ゲーム事業・イベント&舞台事業・出版事業・動画配信事業・レジャー・アミューズメント事業の9種類に分けられます。
一概にエンタメ業界といっても多くの事業があります。エンタメ業界の中でも、どの事業でどんな仕事がしたいのか、自分が何を目指すのかをきちんと考える必要があります。志望会社の事業内容までしっかりと把握し、企業研究してから、志望動機の制作に取り掛かりましょう。
エンタメ業界の主な事業について
映画事業
映画を制作し、お客様に届けるまでの一連の業務を担っている事業です。企画・製作・配給・興行・販売から構成されています。
主に「製作」「配給」「興行」の3つに大きく分けられ、それぞれに独立した企業があります。これらの行程をすべて自社でおこなう場合もあれば、別の配給会社や興行会社と連携する場合もあります。正しく理解するためにも、細かく企業研究をすることが大切です。
近年の映画事業の動向は、動画配信サービスが台頭し、映画の視聴方法は多様化しています。映画館では、3DやVRなどの技術革新が進み、映画の表現方法や視聴体験は進化している最中です。
映画事業は、動画配信サービスや映画館での技術革新などの変化に対応しながら、市場を拡大していくでしょう。
放送事業
テレビやラジオを通じて、映像や音声情報を広く一般に送信する事業です。受信料によって運営される公共放送「NHK(日本放送協会)」と広告収入や番組販売収入によって運営される放送「民間放送」の2つに分かれています。
近年、インターネットの普及により、視聴時間や広告収入の減少が課題です。放送事業は、デジタル化やインターネットの普及などの変化に対応しながら、新たなビジネスモデルを構築することが求められています。
音楽事業
音楽の制作・録音・販売・演奏・著作権管理など、音楽に関わる業務を行っています。
近年の動向では、音楽配信サービスが普及し、音楽の聴き方が大きく変化しました。なかでも、ストリーミングサービスが主流になっています。
ただし、音楽配信サービスの普及により、CDなどの音楽販売が減少しており、音楽業界全体の収益が減少しているのが課題です。
アニメ事業
アニメ作品の企画、制作、販売、配信など、アニメに関わる事業です。近年は、動画配信サービスの普及により、海外市場が大きく成長しています。
しかし、アニメ制作には多くの時間と労力が必要であり、人手不足が課題となっています。また、違法ダウンロードも問題となっており、アニメ業界にとって非常に深刻な問題です。
アニメ事業は、動画配信サービスの普及や海外市場の拡大などの変化に対応しながら、新たなビジネスモデルを模索していくでしょう。また、技術革新を活用した新しいアニメ体験の提供も期待されている事業です。
ゲーム事業
ゲーム事業は、ゲームソフトの企画、開発、販売、配信などを行います。近年はスマートフォンの普及により、気軽にゲームができる「モバイルゲーム市場」が大きく成長しており、世界全体で大きな市場規模を誇っています。
モバイルゲーム市場の他にも、eスポーツの競技人口や観戦者数が世界的に増加しており、ゲーム事業の新たな収益源となっています。
ゲーム事業は、スマートフォンの普及やeスポーツの成長などの変化に対応しながら、新たなビジネスモデルを模索していく必要があるでしょう。また、クラウドゲーミングやVRなどの技術を活用した新しいゲーム体験の提供も期待されています。
イベント&舞台事業
音楽ライブ、演劇、スポーツイベントなどの開催・運営にあたり、イベントに関わる一連の業務を行います。コロナウイルスの影響により「オンラインイベント」や実際に体験できる「体験型イベント」など、新たな形態のイベント・舞台が人気です。
イベント・舞台事業は、新たな形態のイベントを取り入れながら、顧客満足度を高めていくでしょう。また、AIやVRなどの技術を活用した新しい形のイベント・舞台体験なども期待されています。
出版事業
出版物を企画、編集、制作、販売する事業です。書籍・雑誌・新聞の3種類に分類されます。
出版事業の市場規模は、日本国内だけで約1兆円規模と推定されています。近年は、電子書籍の普及により、紙の出版物の市場規模は縮小傾向にあります。
出版事業は、電子書籍の普及やセルフ出版の増加などの変化に対応しながら、新たなビジネスモデルを模索していく必要があります。
動画配信事業
動画配信事業は、インターネットを通じて、映画やドラマなどの動画コンテンツを視聴できるサービスを提供しています。
主に動画1本ごとに料金を支払い視聴する「トランザクション型動画配信サービス」と、月額料金を支払うことで定額の動画コンテンツを視聴できる「サブスクリプション型動画配信サービス」の2種類が主流となっています。
さらに、芸能人やインフルエンサーがライブ配信をして、閲覧者がお金を支払う「投げ銭システム」で利益を上げている会社もあります。
スマートフォンの普及により、近年急速に成長している市場です。今後も成長し続けることが予測されています。
レジャー・アミューズメント事業
レジャー・アミューズメント事業は、テーマパーク・遊園地・映画館・博物館・スポーツ施設などの娯楽施設を運営しています。
近年は、インバウンドの増加や体験型施設の人気により、首都圏を中心にレジャー施設が開園・リニューアルをしています。また、2025年には沖縄でも大規模なレジャー施設が開園予定です。ますます市場規模は拡大していくでしょう。
エンタメ業界の志望動機を書く前の準備
自己分析をしっかり行う
自己分析は、自分の強みや弱み、価値観、興味関心などを理解するために重要なプロセスです。就職活動において、入社後に後悔しないためにも、自己分析は必須のステップと言えます。
自分自身のエピソードを掘り下げることが重要です。自分自身のエピソードを掘り下げることで、今まで気づかなかった自分を知れます。
自分らしい志望動機を書くことで、他の就活生と差別化ができ、自己分析もしっかりと行いましょう。
競合他社も含めてしっかりと業界研究する
志望企業の事業内容や強み・弱み、業界の動向などを理解することで、より効果的な就職活動を行えます。
競合他社も含めてしっかりと業界研究をすることで、以下のメリットを得られます。
1.志望企業への理解が深まる
2.業界の動向を把握できる
3.自分の強みや弱みを理解できる
4.効果的な就職活動が行える
競合他社も含めてしっかりと業界研究を行うことは、就職活動において非常に重要です。また、業界研究は、一度で終わらせるのではなく、継続的に行うことが大切です。最新情報を常に把握するようにしましょう。
効果的に伝えるエンタメ業界の志望動機の書き方
1. 結論を最初に書く
2. 具体的なエピソードを入れる
3. 入社後にやりたいこと
エンタメの会社で働きたい理由を最初に書く
まずはじめに「エンタメ業界に入社したい理由」を端的に伝えます。志望理由を最初に書くことで、採用担当者にわかりやすく伝えられます。
例えばスポーツ新聞事業がある会社を志望している場合は「私はスポーツ記者として、選手や監督のインタビューや試合の結果を正しい情報でスポーツのファンに届けたいと考え、貴社を志望しました」と最初に書くことで、説得力を高められます。
志望理由がわかりやすくまとめられているのか心配な人は、就活経験がある先輩や大学のキャリアコンサルタントに相談してみましょう。第三者が理解できる内容を書くことが大切です。
エンタメの会社に働きたい具体的なエピソードを書く
なぜその企業を志望するのかを、具体的なエピソードを交えて説明することで、熱意や説得力が増します。
また、下記の例のように、自分の経験やスキルが、どのように企業で活かせるのかをアピールするのが大切です。
<例>
- 制作進行管理
→マネージャーとして選手の練習スケジュールを調整した経験
- 開発
→授業でプログラミングでゲームのアプリを制作した経験
- 動画編集
→趣味で動画制作をした経験
- テーマパークやカラオケ店などでの接客業
→ホテルや飲食店などでのアルバイトの経験
- タレントやインフルエンサーなどの人材育成
→部活の後輩を指導した経験
大学時代の部活・サークル・アルバイト・勉強などで経験した内容を深掘りすることで、エンタメの会社で働きたい具体的なエピソードが出てくるでしょう。もし、出てこなかったら、自己分析不足の可能性があるため、再度自己分析をしてみることが大切です。
最後に志望企業の入社後にやりたいことを書く
志望会社の事業・仕事内容をきちんと調べて、入社後に携わりたい仕事や将来の目標などの入社後にやりたいことを書きましょう。書くことで、採用担当者から高評価を得られます。
書く前に、企業のホームページやパンフレットなどをよく読んで、企業理念や事業内容などを理解することが大切です。
エンタメ業界は「キラキラしていて楽しそう」と考えている就活生は多いですが、公開日(放送日・発売日)に間に合うように、一部の会社では終電近くまで勤務しています。
ハードな部分も含めて、入社後のギャップを無くすためにも、しっかりと入社後のことを記載するようにしましょう。
エンタメ業界の志望動機例文
マスコミ事業
私は記者として、現場の声に耳を傾け、真実を追求し、〇〇地域の人々の心に響く記事を届けたいと考え、貴社を志望しました。特に貴社は、長年にわたり〇〇地域の生活に深く根付いており、培ってきた取材力と編集力で、信頼性の高い報道姿勢を貫いている点に魅力を感じました。
大学時代は、新聞部に所属し、〇〇地域イベントの取材や記事作成に携わりました。限られた時間の中で、情報を的確に伝えることの難しさを学びましたが、同時に、多くの人に情報を届けられた喜びも実感しました。
貴社に入社後は、私の強みである行動力と情報収集力を活かし、政治・エンタメ・経済などの幅広い分野を取材し、〇〇地域に住んでいる読者の生活に役立つ情報を発信したいです。(350字以内)
地方にある新聞社の志望動機です。新聞を通して、地域で正しい情報を伝える報道をしたいのが伝わります。
学生時代の新聞部での学びやエピソードを志望動機に含めていることが良い点です。さらに、テレビやラジオではなくてなぜ新聞が良いのかを書くことで、さらに意欲の高さをアピールすることができるでしょう。
新聞社や出版会社は多くの文章を扱う仕事のため、志望動機の文章表現も重視しています。そのため、適切な文章なのかを慎重に確認してから提出しましょう。
音楽事業
私は、人々の心を動かし、人生を豊かにするエンターテインメントの力で社会に貢献したいという強い想いがあり、貴社を志望します。
貴社では、デジタル技術を活用した革新的なビジネスモデルを展開し、音楽の楽しみ方を大きく広げていることに強く惹かれました。学生時代、音楽サークルでライブイベントの企画運営や広報活動に携わりました。
そこで、音楽が人々に感動を与え、心を一つにする力を持っていることを実感しました。貴社に入社後は、様々な音楽コンテンツの企画・制作・販売に携わり、人々の心を動かすような作品を生み出したいと考えております。
常に変化するエンターテインメント業界の最前線で活躍できる人材になるために、日々努力していく所存です。(350字以内)
上記の志望動機は、企業研究をしっかりしているため、企業独自の取り組みに興味があることをしっかりと伝わります。
入社後にやりたいことがたくさんあるのは良いのですが、営業やマーケティングなどの具体的な業種を書くことでさらに説得力が増すでしょう。
志望動機は、競合他社を含めて、企業研究を行ってから取り組むことが大切です。
ゲーム事業
幼少期から貴社が開発したゲームに魅了されたことをきっかけに、独創的なゲームを作る側になりたいと考え志望しました。
貴社は、技術力の高さはもちろんのこと、社員同士が協力し合い、自由にアイデアを交換できる環境が整っていることに魅力を感じました。そのような環境だからこそ、老若男女に愛される楽しさがたくさん詰まったゲームが作成できるのだと感じています。
私も世界中の人々に笑顔と感動を与えられるようなゲーム開発に携わりたいという強い想いがあります。
大学時代の授業でプログラミングを学び、簡単なゲームプログラムを作ることに成功しました。
入社後は、大学時代の経験を活かして、人々の想像力を超えるような、新しい体験を提供するゲームを作りたいです。そのためには、常に新しい技術を学び、良いアイデアを生み出せるよう努めます。(400字以内)
プログラマーを志望している理系就活生の志望動機です。単純に「ゲームが好き」と書いているのではなく「世界中の人々に笑顔と感動を与えられるようなゲーム開発に携わりたい」と記しているのが良い点です。
「社員同士が協力し合い、自由にアイデアを交換できる環境が整っているという点にも魅力を感じています」と会社のホームページで詳細を確認したり、説明会に参加しないとわからない情報をしっかりと記載しているため、志望度が高いことが伝わります。
レジャー・アミューズメント事業
私は感動を多くの人に届けたいと考え志望しました。
貴社のゲスト一人ひとりに寄り添い、最高のサービスを提供する「おもてなし」の精神に強く惹かれました。
私は学生時代、ホテルでアルバイトをしており、様々な国籍のゲストと接する中で、コミュニケーション能力や臨機応変な対応力を培いました。
貴社に入社後は、キャストとして、ゲストの笑顔のために、心を込めたサービスを提供したいと考えています。また、常に新しいアイデアを考え、より良い「おもてなし」を実現するために努力していきます。
キャストを経験した後は、人材開発部のメンバーとして後輩の人材育成に力を入れて、キャスト一人ひとりが成長できる環境を作りたいです。
キャスト全体の接客スキルを向上させ、ゲストに最高の思い出を提供できる人材になれるよう努めます。(350字以内)
レジャー・アミューズメント事業の中でも、さまざまなジャンルがありますが、今回はテーマパークの志望動機です。
入社後はキャストとして良いおもてなしをしたいことはもちろん、「人材開発部のメンバーとして後輩の人材育成に力を入れて、キャスト一人ひとりが成長できる環境を作りたい」と具体的に記載されているため、長期的な目標をしっかりと記載しています。
入社後の目標を書くときは、数年後の目標を書くことで「長期的に会社に貢献してくれそう」と採用担当者に良い印象を与えるでしょう。
エンタメ業界の志望動機を書く上での注意点
エンタメ業界は「エンタメが好きだから志望しました」と書く就活生が多いです。もちろん、エンタメが好きな気持ちを持つことは大切です。
しかし、エンタメ業界全体への熱意だけでなく、志望企業への具体的な興味を示すことが重要です。アルバイトやボランティア経験など、エンタメ業界に関わる経験があれば積極的にアピールしましょう。
関連するスキルがあれば、どのように活かせるのかを具体的に説明することが大切です。他の応募者との差別化を図るために、独自性のあるエピソードを入れることが重要です。
エンタメ業界の志望動機は、熱意と誠意、そして独自性が伝わるような効果的な志望動機を書きましょう。
エンタメ業界を正しく理解して志望動機を作成しよう
エンタメ業界は就活生に人気の業界のため、多くの優秀な就活生が志望します。内定を得るためには、徹底的に自己分析・企業研究をし、志望動機に落とし込むことが大切です。
書類選考を通過させるには、ありきたりな内容を書かないように注意しましょう。自分の強みと入社後の目標を明確に記載することがポイントです。
今回の記事を参考にして、競争率が高いエンタメ業界から内定を手に入れるように、自分らしい志望動機を作成していきましょう。