就活で必ず考えておかなければならない自己PR。中でも「積極性」を上手く企業に伝えることで、魅力的な自己PRに1歩近づきます。本記事では、積極性をテーマとした自己PRの書き方を解説します。

企業が求める積極性や、自己PRの例文も合わせて紹介します。これから就活を始める大学生の方はぜひ参考にしてみてください。

そもそも積極性とは?

積極性とは、物事に対して自ら進んで取り組む姿勢のことを言います。社会人になると、言われなくても考えて動く主体性や積極性が重要となります。そのため、積極性は業界や職種を問わず、自己アピールとして効果的です。

積極性と一言で言っても、様々な種類があり、上手にアピールするためのコツや注意点も存在しています。また、積極性はエピソードも見つけやすく、自己PRでもよく書かれています。他の学生と差別化するためにも、企業研究を重ね、求める人材に合わせた積極性のアピールができるようにしましょう。

企業が求める積極性を知ろう!

周囲を巻き込んで業務を遂行する力

企業が求める積極性とは、単に自分の業務だけでなく、チームや組織全体を巻き込みながら目標達成に向けて積極的に行動する力のことです。

積極性は抽象的な言葉ではありますが、コミュニケーション、リーダーシップ、協調性、柔軟性など、さまざまなスキルの土台となるものであり、積極的な姿勢で業務を進め、チームや組織全体を成功に導ける人材には価値があるといえます。

不確実性に耐える力

不確実性に耐える力は、変化の激しい環境や不確実な状況に対して、柔軟かつ前向きな態度で業務を推進できる力のことです。不確実性が高まると、情報が不足していたり、矛盾したりする状況に直面します。逆境下においても冷静に状況を分析し、適切な意思決定を行う能力が求められます。

また、リスクを取れることも重要です。失敗の中に成功があるように、新たなアイデアやアプローチを積極的に実行し、可能性を追求する人材こそVUCAと呼ばれる時代の中で重宝されるのです。

目標にコミットできる力

目標にコミットできる力は社会人に求められる基礎的な能力です。目標にコミットできる人材は、明確で具体的な目標を設定する能力があります。模糊な目標ではなく、具体的かつ実現可能な目標を設定することで、達成に向けての計画や行動がより明確になるのです。

また、困難や障害にも負けない強い意志を含みます。途中で挫折や困難が生じた場合でも、めげずに立ち上がり、目標達成に向けて継続的に努力することが求められます。

自己PRで積極性を伝えるコツ

積極性を上手く伝えるコツ
  1. 客観性を意識する
  2. 成果に具体性を持たせる
  3. エピソードの行動や動機をシンプルに伝える

客観性を意識する

客観性を意識することで、主観的な感情や主張だけでなく、客観的な事実や経験を通じて積極性をアピールできます。これは採用企業が候補者を比較検討する際に、インパクトを残せる情報の1つとなるでしょう。

例えば、プロジェクトの進捗率の向上、コストの削減、売上の増加など、数値で示すことで積極性の具体的な効果を強調できます。採用企業に対して、信頼を獲得できるような自己PRを考える上で客観性は必須といえるでしょう。

成果に具体性を持たせる

積極性を持たせる上での根拠を話す際に重要なポイントとして、成果をどのように話すかがカギとなります。具体的な成果や目標に焦点を当てることで、自身の積極性をより魅力的にアピールできます。

また成果を考える前に、どのような課題や障害があったか、それをどのように克服したかを説明すると、自身の出した成果に説得力を持たせられるでしょう。

エピソードの行動や動機をシンプルに伝える

自己PRを考えるときに意識すべきポイントとしては、シンプルに伝えることが重要です。特定のエピソードに対して、シンプルな目標を設定し、その過程に積極性をPRする内容を肉付けしていく形がよいでしょう。エピソードの行動や動機をシンプルに伝えることで、相手に自身の積極性を明確かつ印象的に伝えられます。

積極性をアピールする自己PR例文

ボランティア

例文

学生時代、学生団体のメンバーとして、地域のボランティア活動に積極的に参加し、地元の小学校での読み聞かせプログラムでは、子供たちとの交流を通じて、教育の重要性を学ぶとともに自らも成長しました。

さらに、国際交流プログラムにも参加し、異なる文化と触れ合いながら、留学生との協力を通じて国際的な視野を広げました。言葉の壁を乗り越え、異なるバックグラウンドを持つ仲間たちと共に学ぶことで、柔軟性や対人スキルの向上を実感しています。

これらの経験が私にもたらしたのは、新しい環境や課題に対して恐れずに立ち向かい、困難な状況でも前向きな解決策を模索する積極性です。今後もこの積極性を活かし、新たな挑戦に果敢に取り組んでいくことが私の信念です。(350字以内)

ボランティア活動を題材に、やってきた活動とその成果・学びが端的に記載されています。地域のボランティア活動と国際交流プログラムについて、積極性を発揮した経験および、その成果・得られたことがシンプルにまとめられています。

そして、文末に自分の考える積極性を深掘りし、応募するポジションの中で、どのように働くかを述べている点も魅力的な自己PRの締めくくりとして、評価の得られる内容となっています。

部活

例文

私は、学生時代にサッカー部でキャプテンとしての責任を果たす中で、積極的なリーダーシップを発揮しました。重要な試合前にはメンバーとのミーティングを主催し、相手チームの特徴や戦術を分析しました。また、練習では個々のポジションに合わせた特訓を提案し、メンバー全員が個々の強みを最大限に発揮できるように心掛けました。

試合で負けてしまった時もチームミーティングを開催し、反省点や改善策を共有し、困難な状況にもめげずに前向きな解決策を見つけることの重要性を学びました。さらに、試合だけでなく、部員たちとのコミュニケーションを大切することを意識し、メンバーが悩んでいると感じた時には、個別に話し合いを持ち、お互いに励まし合う場を大切にしてきました。これが、チーム全体の結束を高め、積極的な雰囲気を生み出すきっかけとなったと感じています。

この経験を通じて、積極性は単なる行動力だけでなく、チームを鼓舞し協力体制を築く力でもあることを学びました。今後もこの積極性を貴社の業務に活かし、チーム全体の成功に貢献していきたいと考えています。(500字以内)

部活動をテーマに自己PRを考えることもおすすめです。具体的に積極性をアピールするエピソードが記載されているため分かりやすいです。キャプテンやマネージャーなどの肩書きがなくとも、自分が積極性を発揮したエピソードがあれば、十分に魅力的な自己PRを作成できます。

また、部活動であれば、目標を掲げたうえでその過程をシンプルに伝えることで、聞き手も理解しやすい自己PRとなるでしょう。

資格取得

例文

私の強みは、積極的に目標に向かって行動することです。学生時代には、TOEICを400点から700点台までアップさせました。

TOEIC700点以上が大学内の留学制度を利用できる条件の一つであったため、目標としてTOEIC700点以上を掲げ勉強に励みました。試験日から逆算し、1日3時間以上の勉強時間を確保したことやListenigやReadingでの目標点数を決めることで、計画的に学習を進めてきました。また週に1回、大学で行われている英会話教室にも積極的に参加し、講師とコミュニケーションを図ることで、語学能力のレベルアップを図りました。

結果的には勉強開始から、半年で目標を達成でき、目標に向かってできる努力を最大限に取り組む重要性を体感しています。

貴社の業務においても目標に向かって貪欲に努力を積み重ねていくことで、結果を残していきたいと考えます。(400字以内)

目標を達成するために積極性を発揮したエピソードが簡潔に分かりやすくまとめられています。語学試験は一見、他のエピソードと比べると見劣りすると感じるかもしれませんが、積極性を発揮した過程に説得力があれば、十分に魅力的な自己PRとなります。

資格をテーマにする場合は、応募企業との親和性の高い資格を選ぶことで、採用担当者へ伝わりやすいため、テーマとなる資格選びは慎重に検討しましょう。

アルバイト

例文

学生時代、飲食店でのアルバイトに積極的に取り組みました。忙しいランチタイムやディナータイムにおいて、積極的に仕事に取り組む姿勢が評価され、店舗全体の雰囲気にも良い影響を与えました。特に、混雑する時間帯には自発的にオーダーの取りまとめや配膳を行い、スタッフとの円滑な連携を図りました。これにより、お客様へのサービスがスムーズにできるようになり、待ち時間の短縮につながりました。また、新メニューの導入時には、スタッフ全員で試食や説明を行い、お客様への提案を積極的に行いました。

結果的には、飲食店の売り上げが前年比120%という目標を達成でき、個人としてもアルバイトを取りまとめるマネージャーへと昇格できました。

今後もこの経験を活かし、新しい環境や仕事においても積極的なリーダーシップを発揮し、チーム全体の成功に貢献していきたいと考えています。(400字以内)

アルバイトをテーマに自己PRを考える際には、職場の課題や改善すべきことに対して、数字を用いながら、どのような積極性を発揮したのかを表現できるとよいでしょう。

例文では、混雑する時間帯や新メニューの導入時でそれぞれ、積極性を発揮したアクションが端的に記載されています。そしてマネージャーへ昇格できた結果に繋がっているため、一貫性のある魅力的な自己PRとなっています。

留学

例文

学生時代、留学経験を通じて積極性を発揮し、自らの視野を広げることができました。

現地の大学では、積極的に異文化交流プログラムに参加し、地元の学生や社会人の方との交流を深めました。その結果、言語の壁を感じさせずに人間関係を築き、異なるバックグラウンドを持つ仲間たちと協力して学ぶことができました。インターンでは、地元の学校で英語の教育支援を行う中で、自分の言語スキルを活かして地域社会に貢献し、この経験から、異なるバックグラウンドを持つ人々を理解し、柔軟に対応する適応力が身につきました。

この留学経験から得た積極性は、新しい環境やプロジェクトに向けて前向きな姿勢で取り組む力となっています。グローバルな視野を活かし、異なるバックグラウンドを持つ人々と共に働くことの重要性を理解し、貴社のプロジェクトで活かしていきたいと思っています。(400字以内)

留学経験があれば自己PRのテーマに取り上げる方が多いと思いますが、留学先での苦労や困難に対し、どのように行動を起こしたのか、積極性を発揮したエピソードを伝えることが重要です。

例文では、積極性を発揮したことで、どのような学びがあったのかを各エピソードごとに簡潔に述べており、全体としてまとまりのある自己PRとなっています。留学経験は語学やグローバルな視野を求めている企業には評価されやすいでしょう。

積極性を強みにする際の注意点

エピソードは複数考えておく

積極性をテーマに自己PRを考える際には、エピソードを複数用意しておくことをおすすめします。複数のエピソードの中から、応募する企業の業界・業種に合うエピソードを選ぶことで、採用担当に刺さる魅力的な自己PRを作るきっかけとなるでしょう。

また、複数のエピソードを考えておくことは、自己分析と整理にもつながります。過去の経験や行動を振り返り、それらを整理することで、自分自身の強みや積極性についての理解を深め、どのエピソードが最も有力であるかを見極められるでしょう。

企業が求める人物像に合わせる

積極性をテーマにした自己PRを考える前に、企業が求める人物像や特徴、価値観を理解することが必要です。企業ごとに異なる文化や価値観があるので、それを把握し、どのような人物像が求められているかを理解したうえで、応募企業の求める積極性をイメージしてみましょう。

そして、自身の経験や行動と企業の求める積極性が合致していることを示すことが重要です。

面接選考でも積極性を意識する

面接選考まで進んだ場合は、自己PRで訴求している積極性を意識して、面接に臨みましょう。グループディスカッションや逆質問などがあれば積極性を見せて自己PRの内容を体現させることが内定に近づくステップです。

積極性のアピールで魅力的な自己PRを!

積極性をテーマに自己PRを考えたいけれど、武器となるエピソードが思い浮かばないという方も多いかと思います。

自分を誇張するために大きなエピソードを作り上げるのではなく、自己分析や他己分析する時間を作りながら、自分と向き合い身近にある小さな出来事をどのような過程から成果に結びつけたのかをまとめられれば、オリジナリティの高い自己PRを仕上げられるでしょう。

しかし、企業が求める自己PRでなければ意味がありません。他者から添削してもらったり、フィードバックしてもらうことで自己PRの質を高めていくこともおすすめです。本記事で解説したポイントを参考にしながら自己PRを考えてみてください。

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