面接やESでよくされる質問に「自己PR」「自分の長所」があります。企業としては、これから一緒に働く仲間を見極めるための重要な質問です。そのため、この質問に対して適切に返答できるかが、採用の可否を決めると言っても過言ではないでしょう。

ただ、この2つの質問は、どちらも「自分の強み」に関する質問であるため、多くの就活生が混同して適切ではない回答をしています。この記事では、これら2つの質問の違いを解説するとともに、それぞれの質問に合わせた回答の書き方を解説していきます。

就職活動における自己PRと長所の違い

就職活動に限らず「自己PR」を求められたとき、自分のスキルや経験・実績を話す人もいれば、「優しい」「協調性がある」など自分の性格を話す人もいるでしょう。

しかし、同時に「長所」を質問された場合、多くの人が先の自己PRで回答した内容と同じような回答をしてしまいます。どちらも「自分の強み」に関する質問であるため、似た回答になりやすいためです。

しかし、実はこの2つの質問は似ているように見えて、全く別の質問です。特に、就職活動においては、企業は2つの質問に対して明確に異なる意図を持たせています。企業がこの2つの質問をする理由、そして、それに対する適切な回答とはどのようなものなのかを把握して、的確な回答を行いましょう。

企業が自己PRと長所を尋ねる理由とは?

自己PRと長所の両方を質問する企業は珍しくありません。IT化を筆頭とした技術の進歩により、企業としても以前までの「単純に働かせる」だけではなく、求職者の持つ「強み」を考えたマネジメントに迫られています。人をどう活かすかは企業の腕の見せ所と言えるでしょう。

適切に人を配置し活躍してもらうためには、企業としても求職者の持つ「強み」を多面的に判断しなければなりません。この2つの質問は、どちらも強みを多面的に判断する質問の筆頭です。ただし、自己PRは企業側から見た強み、長所は求職者側から見た強みという点で大きく異なります。

自己PRは「会社に貢献できるか」を尋ねている

自己PRの目的は「会社に貢献できる人材か」を確認することです。企業は様々な能力を持った人たちが集まり、互いに協力しあう共同体です。自社製品を売る営業もいれば、製品を作る人、会社を管理する人、業務内容も多岐に分かれます。

しかし、その共同体の目的は「利益を得る」ことで一致しています。つまり、就活における自己PRとは、突き詰めて言えば「あなたを雇うことで、会社にどのような利益をもたらしてくれるか」という質問です。

単に「メリットがあります」というのは簡単ですが、それだけでは企業も採用できません。企業側の視点に立ち、自分の強みが企業にとって、どのように役に立つのかを考えてみましょう。

長所は「会社に合っているか」を見極めている

長所に関する質問は「企業の社風とマッチしているか」という確認です。会社に貢献してくれる人材であったとしても、企業の雰囲気が合わないということは珍しくありません。社風が合わないということは働くうえで大きなストレスであり、実際にエン・ジャパンの調査では10人に1人が社風を理由に退職しています。

企業としても折角採用した人材が早々に辞めていくのは大きな痛手です。そこで、求職者の性格や主義主張を推し量るような質問を投げかけることで、企業と求職者のミスマッチを防止しています。

そのため、長所は自己PRとは異なり自分を起点にして「自分がどういう人間か」を伝えることが必要です。自分の性格や性質、能力などで自分が特に優れている点を洗い出して回答に臨みましょう。

自己PR と長所はアピールするものが違う

前述の通り、自己PRと長所では企業の質問の意図が全く異なります。回答も自己PRは企業目線でアピールし、長所は自分目線で優れているポイントを伝えるという違った視点で回答しましょう。

この違いを理解せずに似たような回答をしてしまうと、面接官にとっては「自分たちの知りたいことが分からない」という印象になってしまいます。単純にアピールが不十分なだけではなく、質問の意図を理解していないと判断されてしまうため注意しましょう。

自己PRは企業に対するメリットを提示する

例えば、いくら「英語が話せます」とアピールしても、国内限定の業務しかない企業では採用に結びつかないでしょう。自己PRの判断基準は「企業へのメリット」にあるため、どれだけ優れた能力の持ち主でも企業にとってメリットが薄いと判断されると評価につながりません。

自己PRは、企業に「欲しい」と思ってもらえることが最大の目的です。そのためには、まず業界研究や企業研究を徹底的に行いましょう。その中で企業が求める人物像を把握し、企業の中で発揮できる自分の強みを分析する必要があります。

その上で、単純に「〇〇力があります」や「〇〇の資格があります」と回答するだけではなく、それを使って「どのような利益をもたらせるか」「入社後にはこのような活躍ができる」ということを、根拠となる具体的なエピソードとともに伝えましょう。

長所は自分の人となりを伝える

長所に関する質問では、自分の性格や性質、能力などの自分の特徴で特に優れた点を回答しましょう。自分が「すごい」と思っている部分をアピールすることで、企業に対して「自分が何を大切にしているか」といった価値観を伝えることになります。

自分からの視点で伝えるため一見簡単そうに見えますが、その長所は自分で思い込んでいるだけということも珍しくありません。自己分析だけではなく、周囲からの評価も参考にして「自分の人となり」を見直しておきましょう。

また、単に人となりを伝えるだけではなく、それが仕事の場面でどのように役に立つのかも考えると良いでしょう。特に、過去の経験の中で、具体的にその長所が役に立ったというエピソードがあると、企業も就職後の働く姿がイメージしやすくなります。

自己PRと長所を書くときのポイント

アピールポイントは1つに絞る

これまで生活してきた中で、自信が持てるモノが1つもないという人は少ないでしょう。しかし、学生生活で苦労して得た知識や経験、そこから身に付けた技術などアピールできる「強み」はいくつも考えられます。

ただし、強みをいくつもアピールするのは避けた方が良いでしょう。自己PRで1つ、長所で1つというように、伝える自分の強みは必ず1つに絞ります。自分をよく見せたいと思っても、複数のアピールをすると他人からは冗長で自慢のようにも見えます。

また、複数のアピールをすることで文章の構成が難しくなります。自己PRも長所も規定の文字数はおよそ300〜500字程度です。複数のアピールは、字数内に収まりきらず、それぞれの強みが薄くなるだけではなく、まとまりのない文章になってしまうため、「何を伝えたいのか分からない」文章になってしまいます。1つのポイントに絞り、わかりやすい簡潔な文章を目指しましょう。

2つのエピソードが重複しないようにする

この2つの質問は、どちらも自分の「強み」を尋ねられている質問です。そのため、内容が重複することは決して問題ではありません。むしろ一貫性が生まれるため「強み」は同じであることが良い場合もあります。ただし、この2つの質問への回答として、同じエピソードの使いまわしは厳禁です。

全く同じエピソードを話してしまうと、採用担当からは「学生時代に頑張ったことがない」「就活に対する準備ができていない」と判断されてしまいます。また、自分の強みの根拠としても弱く、説得力のない文章になってしまいます。

同じ「強み」の根拠となるエピソードとして、例えば片方は部活におけるエピソード、もう一方はアルバイトにおけるエピソードというように複数用意しましょう。自分の経験を隅々まで振り返り、自己分析しておけば強みが発揮できたエピソードは必ず見つかるはずです。

2つに関連性を持たせると説得力が増す

例として、自己PRでは積極性をアピールし、長所では慎重さをアピールしていると、相手に違和感を与える可能性があります。

質問に対する回答に矛盾や齟齬があると、書いてある内容に対する信頼性が失われてしまいます。もしそれぞれの質問に対して別々の強みを回答するならば、必ず関係性を持たせましょう。こうすることで「自己PRの強みが性格から生まれたものである」といった印象を持ってもらえます。

また、この関連性は他の自身の性格に関する質問や志望動機などでも同様です。自分の回答には一貫性を持たせることで、自分は「こういう人間である」ということを企業により知ってもらえるでしょう。

企業が重視しているポイントを考える

伝える「強み」は、応募先の企業に合わせて考えましょう。同じ業界であっても企業ごとに価値観は異なり、その違いは面接やESの質問にも現れます。企業が欲しい人材は「能力があって、会社に適正がある」人物です。企業にとっての就活はそんな人物を探し出すための方法です。

そのため、企業が求める人物像と自分の「強み」が一致すると、企業側も働くイメージがつきやすく、好印象につながります。自分の言いたいように、書きたいようにアピールするのではなく、企業が「何を求めているのか」を考えましょう。

そのためには、書き始める前の業界研究・企業研究が欠かせません。企業が求める人材を理解した上で、自分が企業にとって必要な人物であることをアピールしていきましょう。

自己PRと長所を書き始める前の準備

自己PRや長所を質問されて「私の強みは〇〇です」というのは簡単です。しかし、これだけでは企業が求めている回答とは言えません。その強みを深く掘り下げて、「実際に入社後に活躍できるのか」までを面接官たちは見ています。

企業を納得させられる話につなげていくためには、事前の入念な準備が欠かせません。自己分析や企業研究など、自分と企業を知ることが自己PRと長所を書くための最初のステップです。

まずは徹底的な自己分析から

長所も自己PRもアプローチの違いはあれども、どちらも自分の強みをアピールする質問です。強みとなるものは、これまでに経験した知見や得られた見識、身に付けた技術といったものから、自分の性格や主義主張まで様々です。

しかし、これらを回答として書くためには客観性が重要です。自己申告よりも何かしらの資格がある、他者からの評価を得た経験があるといった方が信頼できるため、まずは「本当にそれが自分の強みなのか」という点から振り返ってみましょう。

その強みが身に付いたのはいつごろか、また、どのような場面で発揮できたかなどこれまでの過去を振り返り、もう一度、就活の中で自分が大切にしたいこと、自分の求めていることなどを明確にしておきましょう。

分からないときは第三者に聞いてみる

一人で「自分とはどういう人間か」を考えていると、どうしても結論が主観的になりがちです。主観的な評価では、自分の思う「自分」と他人から見た「自分」にズレが生じやすくなります。このズレがあると、自分の思っている強みが強みとして認識されないばかりか、エピソードとの関連性も希薄なものになってしまいます。

就職活動においては、初めて自分に出会う人から評価してもらうことになります。そのため「他人から見た自分」が、どういう人物なのかを再認識しなければなりません。自己分析においては、ほかの人の意見を聞くことも大きな手助けになります。

短所も含めて自己分析をする

強みを振り返るときは、自分自身の短所も振り返ると効果的です。例えば「落ち着きがない」というと一般的には欠点でしょう。しかし、その欠点は裏を返せば「好奇心がある」「物怖じしない」という強みとして捉えることもできます。

このように、一見すると自分では欠点だと思っていたことが思わぬ強みとなることも少なくありません。短所は長所を考えるための起点になることも多いため、自分の良いところばかりを探すのではなく、欠点にも目を向けてみましょう。

業界研究・企業研究で企業が求める人材を知る

どれだけ素晴らしい経歴や能力があったとしても、企業の最大の判断基準は「一緒に働きたいか」という点になります。企業が求める能力を持つ人材でなければ、その経歴や能力も評価されません。

どのような能力を重視しているかは、公開されている企業理念や活動などを深く読んでいくと分かります。企業が求める人材であることを伝えるためにも、業界研究や企業研究は欠かせません。

特に、社風や職場の雰囲気などは実際に企業の中に入らないと分からないことも多いため、志望する業界が決まっているのであれば早いうちに積極的にインターンや企業見学などに参加していきましょう。

強みを発揮できたエピソードを用意する

単純に「〇〇ができる」と言うことは簡単です。しかし、それだけでは主観的すぎて、信憑性に欠けます。相手を納得させる自己PRや長所の回答をつくるためには、客観的に相手が判断できる具体的な根拠が必要です。

その根拠となるのがエピソードです。その力が発揮できたエピソードを強み1つに対して必ず1つ用意しましょう。過去の華々しい成功体験でなくてもかまいません。失敗したエピソードや現在でも継続的に続けているエピソードでも大丈夫です。

具体的にどのように発揮したのか、結果としてどのように役に立ったのか、また、そのときの周囲の反応や数値としての変化など、エピソードが具体的であればあるほどに説得力が増します。

自己PRや長所で使える「強み」の具体例【一覧表】

自己PRや長所は自分自身の強みです。そして、その強みは自分自身の性格や嗜好、考え方に由来します。つまり、「強み」を考えるためには今一度、自分は「どういう人間なのか」を考える自己分析が必要となります。

また、単に「優しい」とするよりも、「人の気持ちに寄り添える優しさがある」や「温厚で衝突を生まない優しさを持っている」などと、「どんな」優しさなのかを具体的にすると、企業も就職後の働く姿をイメージしやすくなります。

以下は、自己PRや長所として考えられる強みを一覧にしたものです。自分がどのような人間かが分かれば、それを仕事のなかでどのように活かすのか、また、企業の求める人材と合致しているかが見えてくるはずです。一覧表を参考に、自分の強みを具体的に表してみましょう。

性格や嗜好長所(人となりや働く姿勢)自己PR(仕事につながる強み)
優しい・人に寄り添える
・周囲と衝突しない
・顧客ファーストを実現する
・共感力や傾聴力がある
明るい・人を笑顔にする
・元気にするのが得意
・物事を前向きに捉えられる
・困難も楽しく乗りきれる
積極的・新しいことを知っている
・すぐに仲良くなれる
・困難にも果敢に挑戦できる
・スキルの向上に余念がない
社交的・すぐに他人と打ち解けられる・組織の一員として協調性を持つ
責任感・最後まで責任を持てる
・こだわりが強い
・継続力や諦めない気持ち
・我慢強さや粘り強さ
好奇心・多様な知識やスキル
・能動的に行動できる
・チャレンジ精神
・物怖じしない積極性
独創的・自由な発想を持っている
・形式にとらわれない
・問題解決力
・多角的な思考
観察力・物事を観察して的確に判断する・課題発見能力
・問題解決力
理解力・考えを端的に捉えられる
・考えを簡潔に伝えられる
・論理性や言語化能力に優れる

自己PRと長所の書き方

PREP法の構成
  1. 結論(Point)
  2. 理由(Reason)
  3. 具体例(Example)
  4. 結論(Point)

自己PRや長所に関する回答は、PREP法に基づいて書き進めていきます。PREP法は文章構成の方法の1つであり、結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→再び結論(Point)の順番で文章を進めていきます。文章が端的にまとまるため、ESだけではなくビジネス文書全般で広く使われています。

慣れるまでには難しいPREP法ですが、この構成を意識して書くと要点がまとまり、論理的に物事を伝えられます。また、余計な装飾が入る余地もなくなるため

全体的にすっきりとまとまった印象になります。ここではPREP法に基づいた自己PRと長所の書き方を解説していきます。

最初は結論から書き始める

最初に書く結論は自分の「強み」です。具体的な説明ではなく、ストレートに「私の強みは〇〇です」と言い切ってしまいましょう。最初に結論を置くことで自分が何をアピールしたいのかが伝わり、話のゴールも明確になります。

また、最初に強みを書くことは、相手の時間を短縮する効果もあります。企業の面接官は忙しい業務の合間を縫って、毎日何千枚と届くESを読んでいます。書類審査の段階では、自社の求める人材に合致するかを素早く見極めなければなりません。

最初の結論で自分が企業に必要な人材だとアピールするためにも、まずは端的に自分の強みをアピールしましょう。

自分のアピールポイントを裏付けるエピソードを書く

単に強みをアピールするだけでは、説得力に欠けます。次の理由と具体例の部分では、その強みを裏付けるエピソードを紹介します。ここでは「~を頑張りました」だけではなく、「いつ」「何を」「どのように」頑張ったのかまで詳しく書きましょう。さらに客観的な数値を入れると、より説得力が増します。

この段落で最も重要なのは「その結果どうなったのか」です。自分の成長や変化など、具体的な実例を挙げると企業も採用後の働く姿がイメージしやすくなります。

仕事や会社でどのように活かせるかを書く

最後の締めの結論は、仕事にどのように活用できるかで締めましょう。自己PRでは「採用後は戦力になりうるか」、長所では「職場環境にマッチするか」という観点で企業は判断しています。

そのため自己PRでは、志望している企業の業務内容に関連させて、実際にどのように活かすことができるのかという点で考えてみましょう。企業研究を丁寧に行っているアピールにもつながり、好印象です。

また、長所では業界や企業、その職種の特徴に結論を絡めるとよいでしょう。自己PRと似ていますが、長所は「自分の持つ強みを活かして、どのような姿勢で仕事に取り組んでいくのか」という部分に重点を置くと分かりやすいかもしれません。

自己PRと長所をアピールする例文

課題解決能力をテーマにした例文

自己PR

例文

私は問題の原因を突き止め解決に導く力に自信を持っています。入社後は顧客の問題を適切に解決できるコンサルタントとして活躍したいと考えています。

私は、学習塾で個別指導をしていました。そこには、様々な理由で勉強が続けられず、なかなか成績が上がらない生徒がたくさんいました。そこで、まず私は丁寧に話を聞き取り、成績が上がらない原因を突き止めることから始めました。そして、それぞれの要因に合わせたカリキュラムを作成することで、今年の春は10人の生徒を志望校合格に導きました。

この経験を活かし、入社後もコンサルタントとして、人の悩みに真摯に向き合い、それぞれの個別の問題を解決に導けるよう努力していきます。(300字以内)

問題を解決する力は、どの企業も就活生に求めている力です。なかでも、他者の問題を把握し、解決策を提示できる能力は必須です。

この例文では、その能力を分かりやすく業務に使うことを前面に押し出した文章です。自分の強みと業務内容が密接につながっているだけではなく、すでに実績があることもアピールすることで、その能力に説得力が増しています。

具体的に取り組んだ内容や解決策をもう少し深掘りできると、より説得力のあるその人ならではの自己PRとなるでしょう。

長所

例文

私の強みは、人の悩みや問題などを解決する問題解決力です。私は、大学時代に吹奏楽部のキャプテンを務めており、日々問題解決のために尽力しました。

特に、私の所属する部活は人数が多いため、音楽性の違いや練習への参加などの問題でメンバー同士の対立は毎日のことでした。そのたびにお互いの意見を聞き、橋渡し役となることで、両者や周囲の人間も納得できる落し所を考え解決に導きました。

このようなことを繰り返していると、部活の雰囲気もまとまりはじめ、メンバーの意見のすり合わせもスムーズにいくようになりました。その結果、大会では何度も入賞を経験しました。

チームの和は成果にもつながります。貴社に入社後も対立が起きた場では、お互いの橋渡し役として、意見をまとめていき良好な関係を保てる社員を目指します。(350字以内)

同じ問題解決力をテーマにした文章ですが、長所として書くためには「その能力は働くときにどのように使われるのか」という点を考えてみましょう。企業から見て「業務に役立つ」自己PRとは異なり、長所は「働き方」や「雰囲気」といったものです。

ここでは、チームの和が重要であるとし、その和を保つためにも対立という問題を解決に導くような、いわゆる潤滑油のような役割を果たすことを考えた文章になっています。

継続力をテーマにした例文

自己PR

例文

私の強みは、困難に負けない粘り強さです。

私は10歳の時から今まで書道を続けています。最初は単純に「字が上手になれば良い」と始めさせられた習い事でしたが、初めて教室に行ったときに見た書に感激を受け、「あのような字が書けるようになりたい」と現在でも続けています。書の方は現在でも納得する出来栄えとは言えません。これからも、まだ精進が必要だと思っています。

貴社は、技術や考え方の革新に重きを置いた企業だとうかがっています。現状に甘んじることなく更にその先へ進んでいこうという姿勢は、私の書の道に通じるものがあると思います。

貴社に入社後は持ち前の粘り強さを発揮して、自分のスキルや能力をより高めていくことを考えています。その高めたスキルで貴社の発展に尽くします。(350字以内)

継続力をアピールするならば、できるだけ長年続けてきたことを取り上げましょう。特に、子どものころから長年続けているような物事だと、そこから現在に至るまで価値観が一貫しており、少しの事では揺らがない強い精神性をアピールすることにもつながります。

ただし、同時に「頑固」「融通が利かない」というようなマイナスのイメージにもつながる可能性があることには注意が必要です。

長所

例文

私の長所は、最初に決めたことを最後までやり抜く粘り強さです。私は長年、短距離走を専門としていましたが、なかなか芽が出ず、大学では思い切って長距離に転向しました。

練習方法が短距離とは全く異なるため、当初は練習についていくのも精一杯でした。心の限界を感じる場面も多く、何度も辞めようと考えることもありました。しかし「成果が出なければ辞める」と決めていた私は、そのたびに自分に喝を入れ、練習を続けました。

その毎日の練習の成果が出たのか、昨年の大会では6位入賞、今年は準優勝と確かな成績を残すことができました。貴社に入社後は、持ち前の粘り強さを発揮してどんなに困難な業務でも投げ出さずに最後までやりきります。(300字以内)

継続力は、様々な言い換えが利く強みです。特に長所で述べることは、企業にとっての安心感につながるでしょう。入った新入社員のうち「3人に1人が辞めていく」と言われる現代の状況で、「長く続けてくれる」可能性のある社員はそれだけで貴重です。

また、困難に対して行動を続ける努力家であるとの印象にもつながります。ただし、単に「努力しました」では企業は評価しません。努力した「成果」こそが評価するポイントになるため、必ず成果となる部分を加えましょう。

自己PRと長所の違いをおさえて書き分けよう!

どちらも自分の強みに関する質問であるため、一見すると同じように見える自己PRと長所ですが、それぞれの質問の意図は全くの別物です。両方を質問する企業も少なくないため、書き分けられるようにするためにも違いをおさえておきましょう。

この違いを正しく認識して回答できれば、面接でもESでも面接官に自分の魅力を最大限に伝えることができます。効果的な自己PRと長所を作成し、就活を有利に進めていきましょう。

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