インターンシップに参加するために書類選考が行われるケースは非常に多く、中でも「自己PR」はその人の人柄や参加意欲を企業が確認するための重要な項目です。しかし、本選考の自己PRとの違いが分からず苦戦する学生も決して少なくありません。

インターン選考の自己PRにおいては、企業が目を惹くことを意識して作成するのがポイントです。

本記事では、インターンシップ選考を突破するための自己PRの書き方を解説しています。自己PRで企業が重視しているポイントや注意点、例文も多く交えて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

自己PRとは

自己PRとは、企業に対して「私はこんな人間です」とアピールする自己紹介のことです。特に、インターンシップ選考においては、数多くの学生の中から選んでもらうための第一印象を左右する重要な要素となります。

企業は、あなたの学歴だけでなく、性格や価値観、インターンシップを志望する動機など、あなたのパーソナリティを深く知りたいと考えています。自己PRは、これらの情報を分かりやすく、簡潔に伝える絶好のチャンスなのです。

なお、就職活動において自己PRが必要になる機会は、インターンシップ選考と本選考の2つです。自己PRの目的や求められる内容はそれぞれ異なりますので、次の項目で解説します。

本選考の自己PRとの違い

本選考とインターンシップにおける自己PRは、目的や求められる内容に大きな違いがあります。

まず、インターンシップの自己PRとは、企業に対して「あなたのことをもっと知りたい」と思わせるための第一歩です。企業側は、あなたのポテンシャルやこれまでの経験、インターンシップに興味を持った理由を知りたいと考えています。これらをアピールするには、インターンシップで得たい経験や参加意欲を具体的に述べる必要があります。

一方、本選考における自己PRでは、その企業で働く上で必要な能力や経験を持っていることをアピールする必要があります。そのためには、これまでの経験から得たスキルや知識を、入社後どのように活かせるのかを説明しなければなりません。また、企業理念や事業内容を理解し、企業の一員として貢献したいという強い意志を伝えることも重要です。

つまり、インターンシップの自己PRは、あなたのポテンシャルをアピールし、企業とのマッチングを図るためのものです。一方、本選考における自己PRは、あなたの能力や経験をアピールし、入社後の活躍を約束するためのものです。

両者の違いを理解し、それぞれの状況に合わせて自己PRを作成すれば、より効果的に自分をアピールできます。

企業がインターンで見ている自己PRのポイント

自分自身の言葉で自己PRできているか

インターンシップ選考における自己PRは、あなたの個性を企業に伝えるための場です。教科書通りの表現や、ありきたりな言葉ではなく、自分の言葉で自身の強みや経験を具体的にアピールしましょう。

たとえば、「私はコミュニケーション能力が高いです」と書くだけでは、どれくらいのコミュニケーション能力があるのかが具体的に分かりません。

「学生時代に〇〇というプロジェクトで、チームメンバーと協力し、〇〇という成果を上げました」のように、具体的なエピソードを交えてアピールすれば、自己PRの説得力が増すでしょう。

学生の人柄が自社の社風とマッチしているか

企業は、定着して長く働いてくれる社員を採用するために、自社の社風・カルチャーにマッチした人材を求めています。あなたの人柄が企業にマッチしているのをアピールするために、あなたの価値観や考え方を伝えた上で、企業の価値観になぜ共感しているのかを書きましょう。

書き方の一例としては、「私はチームワークを大切にしており、◯◯◯という経験を通して、その大切さを学びました。貴社が掲げる〇〇◯という社風に大変強く共感しております。企業理念を体現すべく、私も貢献したいと考えています。」といったイメージです。

採用ホームページや採用動画、企業のSNSなどを事前にチェックし、企業の社風やカルチャーを理解した上で、自分の考えをまとめましょう。

学生が入社後に活躍できるイメージができるか

企業は、インターンシップを通じて、未来の会社を支えるポテンシャルを秘めた学生を見極めたいと考えています。インターンシップはあくまで「就業体験」ですが、企業にとって、学生がインターンに参加する姿勢や取り組み方、周りへの配慮の有無など、さまざまな能力を知れる場でもあるのです。

自己PRでは、あなたの経験やスキルが入社後どのように活かせるのかを具体的に示しましょう。たとえば、「学生時代に〇〇というアルバイトで、〇〇というスキルを習得しました。このスキルを活かして、貴社の〇〇という業務に貢献したいと考えています」のように、具体的な将来像を描けば、企業にあなたの可能性を感じてもらえるでしょう。

志望動機と自己PRに矛盾がなく一貫性があるか

志望動機と自己PRは、それぞれ別の要素ですが、両方に一貫性を持たせる工夫が必要です。志望動機と自己PRに矛盾がある場合、「それほど本気度は高くないのではないか」と思われてしまうおそれがあります。自己PRで述べた強みや経験が、なぜその企業を志望する理由につながるのかを説明しましょう。

たとえば、「貴社の〇〇という事業に魅力を感じ、私も貢献したいと考えています。学生時代に〇〇という経験を通して、〇〇というスキルを身につけました。このスキルを活かして、貴社の〇〇という業務で成果を出したいです」のように、志望動機と自己PRを結びつければ、あなたのやる気と熱意を伝えられます。

インターンへの参加意欲をアピールできているか

企業は、やる気と熱意を持ってインターンシップに臨んでくれる学生と出会いたいと考えています。一方で、あなたがどれだけやる気を持っていたとしても、それを選考の場でアピールしなければ人事担当には伝わりません。

エントリーシートは文章として形に残るものだからこそ、「なぜそのインターンシップに参加したいのか」「インターンシップで何を学びたいのか」を具体的に書きましょう。具体的には、「貴社のインターンでは、〇〇という業務を経験したいと考えています。この経験を通して、〇〇というスキルを身につけ、将来のキャリアに繋げたいです」のように、インターンに対する具体的な目標を伝えると良いでしょう。

インターンにおける自己PRの書き方

①結論やキャッチフレーズを先に伝える

自己PRを書くときは、結論やキャッチフレーズで目を惹くことが大切です。結論やキャッチフレーズを最初に書けば、あなたの強みやアピールしたい点をひと目で理解してもらうことができます。

たとえば、「私を一言で表すと、”納豆のように粘り強い性格”です。具体的には~」といったように、最初の一文で大きなインパクトを残すのがポイントです。次に書かれている具体的なエピソードを思わず読みたくなるような工夫は、あなたの印象を残せる方法でもあります。また、あなたが自己PRを通じて何をアピールしたいのかが明確になるので、説得力も増すでしょう。

②インターンで学びたいことを洗い出す

自己PRを作成する前に、インターンシップで何を学びたいのかを具体的に洗い出しましょう。募集要項を参考にしながら、あなたの興味・関心やキャリアプランと照らし合わせて、特に学びたいことを3つ程度に絞り込むのがポイントです。

たとえば、「貴社の〇〇という事業に興味があり、その業務に関わることで〇〇を学びたいと考えています。」のように、具体的な目標を立てれば、インターンシップで学びたい意欲を具体的に伝えられるでしょう。

③自分自身の強みやスキルを言語化する

自己PRは、あなた自身がどのような強みやスキルを持っているのかをアピールする場です。ただし、「協調性」や「コミュニケーション能力」といった言葉は誰にでも当てはまるものなので、この言葉だけではアピール材料としては不十分です。

「何が得意か」「何ができるか」を具体的に言語化するには、具体的なエピソードが不可欠となります。たとえば、「コミュニケーション能力が高い」だけでなく、「学生団体でリーダーを務め、メンバーの意見をまとめながらイベントを成功させた」のように、具体的なエピソードを交えて説明すれば、説得力が増すでしょう。

④強みやスキルを得たエピソードを書き出す

単に「コミュニケーション能力が高い」と書くだけでは、他の応募者との差別化ができません。あなたのその強みをどのように身につけてきたのか、具体的なエピソードを書き出すことで差別化を図ることができます。

たとえば、「アルバイトで顧客対応を行い、様々なタイプの顧客に対応することでコミュニケーション能力を磨いた」といった経験談を書くことで、人柄や強みがより伝わります。

⑤企業が求める人材像やスキルをチェックする

企業の求人ページや会社説明会などで、企業がどのような人材を求めているかをしっかりと把握しましょう。企業が重視するキーワードを自己PRに盛り込めば、あなたの熱意が伝わりやすくなります。

例えば、企業が求める人物像が「積極性が高い人材」であれば、「新たな取り組みに積極的にチャレンジする姿勢」をアピールすると良いでしょう。企業から「あなたとぜひ働きたい」と思ってもらえるように、企業の求める人物像に合わせた内容に仕上げましょう。

⑥インターンで強みを活かせるポイントを書く

最後に、あなたの強みをどのようにインターンで活かしたいのかを具体的に書きましょう。この部分のアピールがなければ、「結局どんな活躍ができるのか」という疑問を持たれてしまいます。

例えば、「コミュニケーション能力を活かして、チームメンバーと協力し、プロジェクトを成功させたい」や「問題解決能力を活かして、企業が抱える課題解決に貢献したい」など、具体的な目標を示せば、あなたの意欲がしっかりと伝わるでしょう。

インターンの自己PRを作成するときのポイント

誰が見ても分かりやすい内容にする

インターンシップ選考における自己PRは、あなたの魅力を企業に伝えるための第一歩です。難しい専門用語だらけの内容では、「何を言いたいのかが分からない」というマイナス印象につながる可能性があります。

好印象を残すためにも、簡潔かつ具体的に、誰が見ても理解できるような文章にすることが大切です。誰でも理解できる言葉で、あなたの考えや経験を伝えましょう。また、段落を区切って、人事担当が分かりやすいように工夫するのも効果的です。

あなたの人柄や能力が伝わるように意識する

企業は、あなたのスキルだけでなく、人柄も重視します。自己PRでは、具体的なエピソードを交えながら、あなたの強みと個性をアピールしましょう。

「責任感がある」「コミュニケーション能力が高い」など、誰にでも使える抽象的な言葉だけでは、あなたの人柄まで深掘りできません。これまで歩んできた具体的なエピソードを通して、あなたの人柄や能力がどのように発揮されたのかを具体的に締めれば、説得力のある自己PRに近づくでしょう。

エピソードを誇張せず等身大の自分をアピールする

自己PRで自身の経験や能力を誇張して表現する就活生もいますが、人事担当は大勢の学生の選考をする立場なので、エピソードを誇張してもすぐに見抜かれてしまいます。

嘘偽りなく、ありのままの自分を正直に表現し、等身大の個性をアピールしましょう。例えば、「◯◯◯での活動を完璧にこなせました」と書くのではなく、「最初は苦労しましたが、周囲のサポートのおかげでプロジェクトが成功しました」のように、具体的なエピソードとともに、あなたの成長過程を示せば、より魅力的な自己PRになるでしょう。

【アピールポイント別】インターン選考を勝ち抜く自己PRの例文

共感力をアピールする例文

例文

私は、学生時代にボランティア団体で活動し、様々なバックグラウンドを持つ方々と交流する機会に恵まれました。その経験を通して、相手の立場に立って考え、共感する大切さを学びました。
特に、〇〇という活動で、〇〇という状況に置かれた方の話を聞き、その方の気持ちに寄り添いながら、〇〇という提案を行いました。その結果、〇〇という成果に繋がり、相手の方からも感謝の言葉をいただくことができました。
この経験から、私は相手の気持ちを理解し、共感することで、より良い関係を築けることを実感しました。貴社のインターンシップでは、チームで一つの目標に向かっていく中で、メンバー一人ひとりの意見に耳を傾け、共感することで、より良いチームを作り上げたいと考えています。(350字以内)

この例文は、周りの人とのつながりを大事にしている人柄が伝わりやすく書かれています。冒頭から、「どのような経験」「どんなプロセス」「何を学べたのか」という要素も簡潔にまとまっているので、内容が頭に入ってきやすい理想的な仕上がりです。

文章の最後では、インターンシップでチームビルディングを行いたいという目標も書かれているので、人事担当にとってインターン参加後の期待値が上がる内容です。いわば、自分に対する企業からの注目度が上がる自己PRともいえるでしょう。

継続力をアピールする例文

例文

私は、大学時代に地域活性化のイベント団体で4年間活動し、町おこしイベントの目標達成に向けて、コツコツと努力を続けてきました。
団体のリーダーになるのが私の目標だったので、メンバーとのコミュニケーションを大切にしたり、新たなイベント企画を積極的に提案したりと、具体的な行動を毎日続けました。4年次にはリーダーに就任し、自身が企画したイベントでも多くの方に来場いただくことができました。
この経験から、私はどんなに困難な状況でも、目標に向かって諦めずに努力を続けることができるという自信を身につけました。貴社のインターンシップでは、長期的な視点を持って業務に取り組み、目標達成に向けて粘り強く取り組んでいきたいと考えています。(350字以内)

この例文の特徴は、リーダーになるという目標に向けて4年間活動してきた継続力の高さがダイレクトに伝わる点です。

物事を粘り強く継続する資質は、どの企業においても有効なアピールポイントです。また、リーダーになるために取り組んだ取り組みも明らかとされているので、ゴールから逆算して物事を考えられる能力もうかがえます。

また、自分の能力を仕事でどのように活かせるのかをアピールできているので、有能な人材だと判断してもらいやすいでしょう。

協調性をアピールする例文

例文

私を一言で表現するならば、「人と人をつなぐ接着剤」のような人間です。
私は、複数のゼミが集まってディスカッションをおこなう合同イベントのリーダーを経験し、協調性をもって物事に取り組む重要性を学びました。
プロジェクトを進める中で、メンバー間の意見が異なる場面もありましたが、積極的にコミュニケーションを取り、お互いの意見を尊重しながら、最終的に全員が納得できる結論に至りました。この経験から、私は多様な価値観を持つ人々と協力し、チームとして一つの目標に向かっていくことの大切さを学びました。
貴社のインターンシップでは、チームの一員として、積極的にコミュニケーションを取り、他のメンバーと協力し合い、プロジェクトを成功させたいと考えています。(350字以内)

最初の一文はキャッチフレーズを活用しており、採用担当者の関心を引く文章になっています。問題を改善するための行動も上手くまとめられているので、説得性のある内容に仕上がっています。

また、協調性は社会人に必要なスキルなので、企業のニーズにマッチしている点もアピールできています。自身の強みをインターンシップでも活かしたいという意欲も書かれているので、入社後の仕事ぶりも期待できる印象を与えるでしょう。

気配りをアピールする例文

例文

私は、牛丼チェーン店でのアルバイトを経験し、お客様への気配りの大切さを学びました。
アルバイト先は、全国売上TOP3の新宿駅近くにある繁盛店なので、ピークタイムはスタッフの接客が雑になりがちという課題がありました。そこで私は、お客様の表情や言動から「何が求められているのか」をいち早く察知し、適切な対応を心がけました。その結果、常連のお客様から「あなたの気配りはピカイチだね」という感謝の言葉をいただくことができました。
この経験から、相手の気持ちを考え、周囲への気配りを心掛けることの重要性を認識しました。貴社のインターンシップでは、周囲の人々への気配りを忘れずに、チームに貢献したいと考えています。(300字以内)

この例文のポイントは、物事の課題と改善策を自分の頭で考え、行動できる能力がうかがえる点です。

また、エピソードの中で繁盛店で働いていたことに触れており、忙しさを人事担当に想像してもらいやすい内容になっています。

そのような環境で、お客様第一で気配りを心がけたことは、アパレルや販売などの接客業のインターンシップで特に有効でしょう。

コミュニケーション能力をアピールする例文

例文

私は大学生活において、新入生向けのオリエンテーション企画と運営を担当しました。
大勢の前で話すことに最初は緊張しましたが、話し方に関する著書を読んだり、何度もリハーサルを重ねることで、相手に分かりやすく、そして面白く伝えるための技術を磨きました。その結果、参加者から好評を得ることができ、オリエンテーション後のアンケート回答では9割以上の学生から「満足した」という回答をもらえて、自信につながりました。
この経験から、相手に分かりやすく、そして楽しんでもらえるようなコミュニケーションを取ることの大切さを学びました。貴社のインターンシップでは、積極的にコミュニケーションを取り、チームメンバーや社員の皆さまと円滑な関係を築きたいと考えています。(350字以内)

この例文のポイントは、コミュニケーション能力を「相手にわかりやすく伝える力」と表現することで、ライバルとの差別化を可能にした文章になっています。

コミュニケーション能力を身に着けたプロセスだけでなく、オリエンテーション後のアンケート結果を数字で表現するなど、より具体的で説得性のある内容に仕上がっています。

エピソードにおいて、アンケート結果や売上アップ率といった実績があるときは、このように数字で表現すると良いでしょう。

課題解決力をアピールする例文

例文

私の強みは課題解決力です。アルバイト先の居酒屋で常連客減少の課題に直面した際、この力を発揮しました。お客様アンケートでニーズを分析し、健康志向の高まりに着目。栄養バランスの良いヘルシーメニューを開発し、SNSで積極的にPR。結果、新規顧客を獲得し、売上が15%向上しました。この経験から、データ分析と行動力の重要性を学びました。今後は、マーケティング業界で消費者ニーズを的確に捉え、創造的な戦略を立案・実行できる人材として、常に変化する市場に柔軟に対応し、企業の成長に貢献していきたいと考えています。(250字以内)

この自己PR文は、アルバイト先での取り組みを通じて課題解決力をアピールしています。具体的な取り組み内容や結果の数値を示すことで、自身の能力をわかりやすく伝えられています。

取り組みとして、アンケート実施やSNS活用など、現代的なアプローチを用いている点も評価されるポイントです。さらに、これらを志望業界と結び付け、貢献できることを明確にしているため、企業にも将来的な活躍を期待してもらえる内容になっています。

課題解決力のアピールは、実際に何が課題で、具体的にどのような取り組みをしたのかという2つの要素を軸にすることで、効果的なものになります。さらに、その企業のどんな業務で役立てるかまで書けると採用担当者にも将来図をイメージしてもらいやすくなるでしょう。

分析力をアピールする例文

例文

私の強みは分析力です。ゼミの研究プロジェクトで、複雑な社会問題に取り組む中で最も発揮しました。膨大なデータと格闘し、粘り強く整理・分析を重ねた結果、新たな知見を見出し、学内発表会で高評価を得ました。この経験を通じ、統計ソフトの活用スキルや、多角的な視点からの問題分析力を磨きました。また、データに基づく洞察が社会課題の解決に直結することを実感しました。今後は、この強みを活かし、シンクタンクや企業の戦略部門で、データ分析を通じて社会や組織の課題解決に貢献したいと考えています。(250字以内)

分析力のアピールとしてゼミでの研究の経験を取り上げています。最初に研究のテーマを明確にすることで、企業との関連性があることを示し、関心を持ってもらえるよう工夫されています。

さらに、研究の過程で苦労した点や、それを乗り越えたこと、結果として得たことがしっかりと述べられており、本人の能力や成長がよくわかる内容となっています。分析した内容や結果について、数値を用いて表現することができれば、より説得力のある自己PRに仕上がるでしょう。

対応力をアピールする例文

例文

私の強みは対応力です。大学の学生プロジェクトで、この力を発揮しました。メンバー間の意見対立では、各人の意見を丁寧に聞き取り、共通点を見出して合意形成を図りました。また、予期せぬ技術的問題に直面した際は、専門家へのヒアリングや代替案の検討を迅速に行い、プロジェクトの遅延を最小限に抑えました。この経験から、臨機応変な対応の重要性と多角的な視点での問題解決を学びました。今後は、IT業界で新たな課題に直面しても、冷静に対応し、革新的なソリューションを提案できるエンジニアを目指します。(250字以内)

対応力という強みを学生プロジェクトの具体的なエピソードを通じて効果的に示している自己PRです。意見の対立と技術的問題への対応を明確に述べることで、幅広い能力の高さが伝わってきます。

学びと成長も具体的に表現されており、説得力を持たせられています。最後の今後の抱負を伝える部分では、具体的な企業の業務や部門について言及できると、企業研究の成果も同時にアピールすることができるでしょう。

柔軟性をアピールする例文

例文

私の強みは柔軟性と粘り強さです。大学野球部での経験を通じ、これらの強みを発揮しました。入部当初、ポジションが定まらず苦戦しましたが、チームのニーズに応じて様々な役割を経験。主力選手の怪我時には、慣れない投手も務めました。苦手な球種の習得に励み、チームの窮地を救えたことで、変化を恐れずチャンスと捉える姿勢を学びました。この経験は、学業でのグループワークでも活きており、多様な意見を柔軟に取り入れ、最適な解決策を見出すことができました。どんな環境でも適応し、粘り強く取り組む姿勢は、ビジネスの世界でも必ず活かせると確信しています。(300字以内)

大学の部活動での経験を通じて、柔軟性と同時に粘り強さをアピールしている自己PR文です。最初はうまくいかず、自身の強みを発揮して活躍の場を掴んでいったエピソードにより、アピールポイントがわかりやすく伝えられる構成になっています。

複数の強みを挙げることは、魅力を多面的に表現することができるため効果的ですが、アピールの内容がぶれてしまう可能性もあるので注意が必要です。この例文のように、共通のエピソードからそれぞれの強みを強調する形であれば、どちらも印象に残すことができるでしょう。

忍耐力をアピールする例文

例文

私の最大の強みは、困難に直面しても粘り強く取り組む忍耐力です。大学での研究活動で、実験データが思うように出ない状況に直面しました。そこで、問題を細分化し、各要素を丁寧に検証することで、徐々に改善策を見出しました。特に、連続10時間以上の観察実験では、睡眠時間を削りながらも集中力を保ち、貴重なデータを取得。この経験から、目標達成には継続的な努力と忍耐が不可欠であり、同時に効率的な問題解決能力も身につけました。今後は、この忍耐力と問題解決力を活かし、長期的な視点で課題に取り組み、組織の持続的な成長に貢献したいと考えています。(300字以内)

忍耐力の根拠として、大学での研究活動を取り上げている自己PR文です。長時間の実験に忍耐強く取り組んだという経験として、具体的な時間を表記することで、採用担当者に状況が伝わりやすくなっています。

また、経験から得られた学びを明確に示し、将来のビジョンをより具体的に述べることで、自己成長と組織貢献への意欲が効果的に表現されています。長期的な活躍が見込める人材ということが伝われば、選考を有利に進められるでしょう。

【文字数別】インターン選考を勝ち抜く自己PRの例文

【150字】分析力をアピールする例文

例文

私の強みは分析力です。大学時代のコンビニアルバイトでは、店舗の売上低迷を課題と捉え、データ分析に基づいた新しい商品陳列方法を導入し、前年比10%の売上増加を果たしました。この経験から、論理的思考の重要性を学びました。今後は、貴社の課題に対して積極的なアプローチをし、貢献したいと考えています。(146字)

150字指定の自己PRでは、それぞれの事柄について詳細に書くことはせず、最も重要な部分や最低限必要な情報のみを提示するようにしましょう。

また、この例文では「です・ます調」ですが、「だ・である調」で自己PRを書くことで文字数を削減でき、より多くの内容を書くことも可能になります。伝えたい内容や与えたい印象に合わせて、言い切りの表現を変えることが効果的です。

【200字】問題解決力をアピールする例文

例文

私の強みは自主性と問題解決能力です。大学のサークル活動で、活動停滞という課題に直面した際、自ら改革を提案しました。個別面談の実施や新イベントの企画を主導したところ、翌年の新入部員が20名増加し、サークルに活気が戻りました。この経験から、自主的な行動が周囲を巻き込み、大きな変化を生み出せることを学びました。今後は、IT業界で培った問題分析力と実行力を活かし、顧客の課題解決に貢献したいと考えています。(200字)

200字の自己PRでは、150字よりもやや多めに内容を書くことができます。そのため、具体的な取り組みの内容や詳細な成果を記載し、説得力を上げることを意識して作成しましょう。

ただし、基本的にはエピソードや今後の意欲が重要であるため、最初の結論の部分については簡潔で短くまとめておく方がいいでしょう。

【400字】問題解決力をアピールする例文

例文

私の強みは、多様な状況下で効果的なコミュニケーションを図り、問題解決へ導く能力です。私は大学バスケットボール部の副キャプテンとして、チーム内の意見対立を解消してきました。各メンバーの考えを丁寧に聞き取り、互いの立場を理解し合える環境を構築するために尽力しました。練習方針を巡る議論では、全員の意見を集約し、チームの目標と個人の成長を両立させる新たな練習メニューを提案しました。結果、チームの雰囲気が改善され、地区大会で過去最高の成績を達成することができました。この経験から、多様な価値観を尊重しつつ、共通目標に向けて人々を導くコミュニケーションの重要性を学びました。このようにして得た能力を活かし、貴社ではグローバルな環境で異なる文化や背景を持つ人々と協力し、円滑なコミュニケーションを促して組織の国際的な発展に貢献したいと考えています。(369字)

400字は最も一般的な自己PRの文字数であり、伝えたいエピソードや豊富を伝えられるフォーマットです。具体性を持たせられる部分や、数字で成果を表せる部分については積極的に記載し、その状況について理解しやすい文章で作成しましょう。

この自己PRでは複数の取り組みや成果を取り上げており、様々な面で活躍できる人物であるということがよくわかる内容になっています。チームで動くことの多い仕事の場において、活躍が期待できるコミュニケーション能力の高さが表現できています。

インターンの自己PRを作成するときの注意点

誤字・脱字はないか

インターンシップの選考における自己PRは、あなた自身の第一印象を左右する大切な要素です。誤字脱字があると、丁寧さに欠ける印象を与えてしまい、「エントリーシートは大事な書類なのに、誤字・脱字チェックすらしないのか」というマイナス印象にもつながります。

せっかくの自己PRが台無しになるのはもったいないので、作り終えたら何度も読み返して、誤字脱字がないか確認しましょう。特に、氏名や企業名などの重要な部分は慎重にチェックすることが大切です。

文章構成に違和感はないか

自己PRは、ただ単に自分のエピソードを羅列するのではなく、人事担当に分かりやすく、かつ興味を持ってもらえるような構成にする工夫が必要です。

文章を書くときに、「結論→根拠→結果」という流れを意識して、論理的な流れで文章を組み立てれば説得力が増します。また、同じワードの繰り返しを避けると文章全体にメリハリが生まれます。文章構成が苦手な方は、エントリーシートに書き起こす前に、メモ帳に文章を書き出すところから始めると良いでしょう。

話が広がり過ぎていないか

自己PRは、内容が広がり過ぎていたり、二転三転したりするのは好ましくありません。一番伝えたいポイントが分からなくなり、あなたがどんな人物なのかを判断するのも難しくなってしまうためです。

アピールポイントがたくさんあるのは良いことですが、その中でも特に企業が求めている強みを1つに絞るのがおすすめです。求める人物像などから、企業が何が求めているかを分析した上で、自己PRを書きましょう。

志望動機と矛盾が生じていないか

自己PRは、単独で存在するものではなく、志望動機と深く関連しています。自己PRで述べた経験やスキルが、なぜその企業のインターンシップで活かせるのか、具体的に説明することが重要です。

例えば、「私は学生時代に〇〇サークルで活動し、リーダーとしてチームをまとめる経験を積みました。この経験から、私は〇〇という能力を身につけました。貴社の〇〇というプロジェクトに興味があり、私の能力を活かして貢献したいと考えています。」のように、自己PRと志望動機を繋ぎ合わせれば、より説得力のある自己PRになるでしょう。

文字数制限がある場合は守れているか

多くの場合、エントリーシートの自己PRには文字数制限が設けられています。特に指定されていない場合でも、300~400文字以内に収めるのが適切です。文字数がオーバーしないか不安な方は、伝えたい内容を箇条書きにした後に文章でまとめてみましょう。

だらだらと長文を書いてしまうと、読みにくく、アピールしたい肝心の部分が埋もれてしまう可能性があります。また文字数制限を超えてしまうと、選考から外れてしまうこともあるので、注意が必要です。

エピソードの説明が抽象的になっていないか

自己PRでは、具体的なエピソードを用いて自分の強みをアピールすることが効果的です。抽象的な表現ではなく、「いつ」「どこで」「誰と」「何を」「どのように」「どんな結果に」といった要素を一つ一つ意識して書くと説得力が増します。

「私はリーダーシップがあります」という表現よりも、「学生時代に〇〇サークルでリーダーを務め、〇〇というイベントを企画し、参加者から好評を得ました」と伝えた方がどんな経験をしてきたのか、またリーダーシップが強みであることの根拠を示すことができます。

具体的なエピソードを交え、より分かりやすく、あなたの強みをアピールしましょう。

インターンの自己PRにおけるよくある疑問

自己PRできる経験やスキルがない場合は?

自己PRに書くことが見つからない時には、大学生活で経験してきたことをできるだけ細かく洗い出してみましょう。部活動やサークル活動、アルバイト、ゼミなど何でも構いません。

経験やスキルというと難しく考えがちですが、特別なことをアピールする必要はありません。あなたがこれまでどんなことを経験し、学んできたかを自分の言葉で書くことが大事です。

経験において共通している強みが見つかったら、「協調性」や「コミュニケーション能力」などの言葉に言語化していきます。そうすることで、自身が一番自信を持って伝えられるものが何なのかが見えてくるでしょう。

自己PRでアルバイト経験をアピールするのはOK?

アルバイト経験のアピールはまったく問題ありません。アルバイトは多くの方が一度は経験するものなので、自己PRの材料がない方も取り入れやすい傾向にあります。しかし、だからこそエピソードがありきたりだと、周りとの差別化を図れなくなってしまうので、書く時には注意が必要です。

例えば、アルバイト先の売上アップにつなげた取り組みやマネージメント経験など、できるだけ周りと差が付くようなエピソードを用意するのをおすすめします。

自己PR用の派手なエピソードがない時は?

自己PRで強く印象を残すために派手なエピソードを書きたがる就活生も多いですが、基本的にどのようなエピソードでも強みが伝わるのであれば問題ありません。

企業が知りたいのは就活生の個性や能力であり、エピソードはそれを裏付けるためのものに過ぎません。そのため、小さなエピソードでもわかりやすく伝えることで、十分に自分の強みをアピールできる自己PRが作れます。

魅力的な自己PRでインターン選考の合格率を上げよう

魅力的な自己PRが書ければ、インターン選考の合格率を大きく高めることができます。自己PRを作成するときは、求める人物像など企業が重視するポイントを意識した内容にしましょう。

なお、エントリーシートは一度提出したらやり直せないので、誤字・脱字には十分に気を付けてください。文章校正が完璧で魅力的な内容の自己PRがあれば、ライバルとの差別化ができます。企業やインターンシップの内容を下調べして、あなた自身の強みをアピールしましょう。

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