自己PRは、就職活動をしていれば面接やESで必ず1度はされる質問です。自己PRは自分の強みを伝える質問であると同時に、企業に対して自分の有益性を示すものです。ここで強みを明確にアピールできれば、内定も近づくでしょう。
しかし、いざ自分の強みを考え始めると何か分からないという人も多く、他の「長所」や「ガクチカ」に関する質問と回答内容が重複していることも少なくありません。本記事では、自己PRの本質を確認すると同時に、その書き方を例文付きで解説していきます。
そもそも自己PRとは何か
就職活動における自己PRとは、簡潔に言うと「自分の売り込み」です。応募先の企業に対して、「自分を採用するべき理由」や「入社後に貢献できること」などを提示します。それらをもって企業は採用の可否を判断する材料としています。
ここで書くべきことは、自分の強みや能力です。しかし、ただ強みを書くだけでは抽象的過ぎて企業に伝わりません。また、本当にそのような能力や技術を持っているのか、裏付けとなる証拠がないため、企業は疑問に思います。
自己PRで強みや能力をアピールするときは、その強みが具体的に発揮できた経験やエピソードを必ず交えて書きます。こうすることで自分が強みを持っていることが企業にも伝わり、より強く自分を採用するメリットが提示できるようになります。
自己PRのポイントは、「企業から見た求職者の有益性」です。企業が他の求職者よりも自分を採用した方が「メリットが大きい」と感じられるように自己PRを組み立てていきましょう。
就職活動の自己PRの役割とは
1.求職者の「人となり」
自己PRでアピールする強みは、自分が一番自信を持っているものと言い換えても良いでしょう。何に対して自信を持っているかは、人生観や価値観を推し量る重要な要素です。
個々人に大切にしているものが異なるように、企業もそれぞれに大切にしているものが異なります。企業の重視しているものと強みが一致している人材は、会社の雰囲気に合うため入社後の活躍が見込めます。このように自己PRは会社に合う人材を探すための質問です。
2.求職者の「自己理解」
自己PRでアピールする「強み」は自分に関係する能力であるため、主観的な判断になりがちです。しかし、社会での評価は「他人から見た」ものです。自己評価が高すぎる、または逆に低すぎる人材は、周囲の評価と自己評価のギャップから社内における不和の原因になりかねません。
そのため、求職者が自分のことを正確に捉えられているかは、企業にとっては働き始めてからの配属や研修などにも大きく関係します。入社後に「適切な」働き方をしてもらうためにも、自己PRにおける求職者の正しい自己理解を企業は求めています。
自己PRと自己紹介の違い
自分のことを伝えるという点では、自己PRと自己紹介には似通った部分があります。しかし、自己紹介は一般的に初対面に自分の持つ「属性」を伝えるという点で異なります。
ここで言う「属性」とは、名前の他に、例えば性別や年齢、所属大学や学部・学科のことです。ここに自分の経歴や趣味などを加えても良いでしょう。自分の魅力を伝える自己PRとは異なり、「自分は何者なのか」を伝えるのが自己紹介です。
また、自己紹介は求職者のプロフィール確認が大きな目的になるため、ESや面接のどちらにおいても簡潔にまとめることが求められます。そのため、理由付けや根拠も必要なく、回答も短文や箇条書きでも十分です。一読して「自分はこういう人だ」とすぐに分かる自己紹介にしましょう。
自己紹介で書く内容
- 名前
- 年齢と性別
- 出身大学と学部学科
- 所属する(もしくはしていた)部活動
- 趣味
自己PRと長所の違い
自己PRと長所は、互いに自分の強みを回答するという点で非常に混同されやすい設問です。就活においては、ESや面接など同じタイミングで両方とも質問されることも珍しくありません。しかし、この2つの設問は企業は明確に意図を持って聞き分けています。
前述の通り、自己PRでは「企業側から見た」採用のメリットを提示します。そのため、求職者が持つ技術や能力を伝えることが一般的です。これに対して、長所で伝えることは、人物としての優れた点です。その人の人柄や性格と言い換えても良いでしょう。
企業は人と人のつながりです。そのため、どれほど優れた能力があっても周囲と協調できない人は職場の雰囲気を壊しかねません。つまり、企業は長所に関する質問で、「一緒に仕事をしたいか」を判断しています。
自己PRとガクチカの違い
ガクチカは、「学生時代に力を入れたこと」の略称で、就活では自己PRや長所に並んで頻出の質問です。この2つの質問は、どちらも企業が「自社が求める人材か」を判断するために行われます。
しかし、持っている強みを回答する自己PRとは異なり、ガクチカでは、自身の経験談を回答します。つまり、学生の間にどんな経験をしたか、そこからどのような学びを得たか、また、今後その学びを実生活でどう活かすかが問われます。
この経験談は自己PRにおける強みの根拠と重複しやすいため、注意が必要です。同じエピソードであっても、自己PRでは経験から得られた成果そのものを、ガクチカでは経験で得られた成長を書いて文章を差別化しましょう。
自己PRで企業が見ている5つのポイント
企業の目に留まる自己PRを書くためには、企業の評価基準を知らなければなりません。
自己PRで質問されていることは、企業目線で考えたときの強みです。自分の強みをただ伝えるだけでは意味がありません。それが仕事の中、もっと言えば、その企業の中でどう役立つのかを考えてみましょう。
①企業が求める強みを持っているか
自己PRでアピールする強みは、何でも構いません。就活でアピールする強みというと「傾聴力がある」「忍耐力がある」というような「〇〇力」というような能力を想像しがちですが、実際には「英語が得意」といった学問的な強みでも、「絵が得意」といった技術的な強みでも大丈夫です。
しかし、どれほど素晴らしい強みがあっても、それが企業が必要とする強みでなければ意味がありません。自己PRは企業目線で「欲しい」かどうかが重要なポイントです。自分の出来ることを一方的に伝えることが自己PRではありません。
企業が求める能力は、業界や職種によっても異なります。そのため、業界研究や企業研究は欠かせません。企業の採用ページや事業計画書などを参照して、企業が必要としている能力をアピールしましょう。
②企業の方針や考えに合致するか
2024年10月に厚生労働省は令和3年度の大学新卒者の早期離職の割合が34.9%と発表しました。離職率は毎年30%前後で推移しているため、決して今年が突出して多いわけではありません。しかし、それでも3人に1人ほどが3年以内に入社した会社を辞めています。
退職の理由は様々なものが考えられますが、その理由の1つに企業とのミスマッチが挙げられます。同じ業界であっても社長をはじめとした経営者によって方針は様々です。この方針の違いは職場の雰囲気にもつながるため、どうしても生理的に合わない人は出てきます。
しかし、どんな理由であっても辞められることは企業にとっては大きな痛手です。そのため、長く働き続けてくれるだろう人を採用の段階から探しています。自己PRには、その人の考え方が現れるため、自社の方針と合致しているかは企業にとっての重要な判断基準です。
③入社後に強みを発揮できるか
企業としては、求職者が仕事の中で強みを発揮してくれることを求めています。そのため、強みの根拠として添えられたエピソードの内容にも気を配りましょう。根拠が薄いと「本当に実力を発揮できるのか」と企業も信用することができません。
アピールしたい強みと全く関係のないエピソードは論外ですが、それ以外にも時系列があまりにも過去の話であったり、内容自体が日常で起こりえない限定的な出来事であったりする場合などは、強みの再現性に疑問を持たれます。
再現性が疑わしいと、企業も採用をためらいます。強みは発揮できてこそです。根拠となるエピソードは第三者が読んでも「間違いなく仕事で発揮できる」と判断できるものを選択しましょう。
④コミュニケーション能力
自己PRやガクチカなどのESの回答は文章の構成自体も選考における評価対象です。企業は自己PRの文章を読んで、求職者のコミュニケーション能力を推し量っています。
ここでいうコミュニケーション能力とは、「相手に誤解されずに自分の伝えたいことを伝えられる」能力です。文章においては、「誤読や誤解を生まない文章を作成できる能力があるか」が評価されています。
日本語は、句読点や言葉の並びによって、複数の意味にとれる文章が生まれてしまう言語です。下記のような文章は誤読や誤解の原因となり、相手とコミュニケーション不全を起こしてしまいます。特にビジネスにおいては、重大なミスに繋がってしまうため、就活のときから徹底して直しておきましょう。
誤解されやすい文章の例
「出かけていません」なら、外出はしていない
「出かけて、いません」なら、外出している
→句読点を打つ、もしくは表現を変える必要がある
「Aという会社が新しい」のか
「A社が新しい製品を出した」のかわからない
=語順を入れ替える、もしくは表現を変える必要がある
⑤文章の論理性
コミュニケーション能力と同時に試されているのが、文章の論理性です。一般的に自己PRは結論から書き始めますが、その結論に対して適切な理由付けがされているか、つまり、筋道だった説明ができているかが大きな評価ポイントです。
自己PRにおいては、「強み」と「エピソード」、そして「入社後の働き方」の3つがつながっていなければなりません。自分の述べた強みに対して、関連性のある適切なエピソードが添えられているか考えてみましょう。
その他、評価を下げてしまうポイントが論理の飛躍です。結論に対して中間のステップを省き、直接的に根拠と結論を結びつけることを論理の飛躍と言います。飛躍した文章は「意味が分からない」文章になってしまいます。
論理を飛躍させないためには、途中の因果関係を明確にすることです。ただ、自己PRは文字数の制限もあり、どうしても途中にあるステップを省かざるを得ません。もし途中の因果関係を省く場合は、万人に共通する理由のみを省くようにしましょう。
論理が飛躍している文章の例
→どのような形で貢献したいかが不明瞭
→どのような意図でSNSを選んだのかが説明不足
自己PRを書くためには事前準備が重要
魅力的な自己PRを書くためには、事前準備が欠かせません。前述の通り、自己PRでは、企業が求めている「強み」が自分にあることを、根拠となる具体的なエピソードを交えてアピールしなければなりません。事前準備なしに書き始めても、自分の強みが分からずに右往左往するだけです。
自己PRの事前準備は、自分のことを知る自己分析と企業や業界のことを知る業界・企業研究の2つがあります。それぞれを深いレベルで行うことで、より企業からの質問に対する適切な回答ができるようになります。
自己分析を行う
自分自身のことを深く知るための自己分析をはじめに行います。それほど難しく考える必要はありません。単純に、自分の好きなものや興味のあるもの、反対に嫌いなものなどを考えてみましょう。
そこから、それを何がきっかけで好きになったのか、どんなことを経験したのかなど、自分のこれまでを振り返っていきます。そこに自分を構成する要素が存在します。自分自身を客観的に見つめなおし、「自分は何者か」を考えてみましょう。
また、客観的に見つめなおすという意味では、他人から評価をもらうことも効果的です。家族や友人などから「自分はこういう人間だ」と評価されていることは、初対面の企業からも同じような評価を受ける可能性があります。その評価を、そのままアピールポイントとして使うこともできます。
企業が求めている「強み」を考える
自己PRをより魅力的な内容にするためには、企業が求めている人材がどのようなものなのかを知らなければなりません。同じ業界、同じ職種であっても企業の求める人材は異なります。志望する企業がどんな人材を求めているのかを知ることが企業研究です。
企業が求める人材は、企業の文化や価値観、業界のトレンドなどで異なりますが、それらを知る方法はいくつもあります。Webの募集ページに掲載された経営方針や求める人物像などはその筆頭です。他にもSNSや従業員の口コミなども参考になります。
その他、インターンや会社訪問などで直接、企業の雰囲気を知ることも1つの手段です。徹底的に「その企業はどんな企業なのか」を知り、その企業にとって最適な候補者であることをアピールしていきましょう。
自己PRに活用できる強みの一例
自己PR向けの強みの例
- コミュニケーション能力が高い
- 協調性がある
- 主体性がある
- チャレンジ精神が旺盛
- 責任感が強い
- リーダーシップがある
- 忍耐力(打たれ強さ)がある
- サポート役が得意
- 傾聴力がある
- 常に笑顔でいられる
- 誠実さがある
- 効率的に動ける
- 几帳面さがある
- 臨機応変に対応できる
- 論理的思考力がある
- 前向きな考え方ができる
- 周囲に気を配れる
- 好奇心が旺盛
自己PRに活用できる強みは様々です。特に、自分では弱点だと思っていたことが、企業によっては長所として評価されることも少なくありません。まずは、自分自身の持つ強みを正確に理解しましょう。
また、持っている強みは仕事で活かすことを企業から求められます。実際に、どのように使おうとしているのかについても併せて考えていきましょう。
自己PRを書くときの構成
①強みを明確に伝える
②強みを裏付けるエピソード
③入社後に強みをどのように活かすか
自己PRは、相手に対して効果的に自分の強みを伝えられる構成で書きましょう。上記の流れに沿って書くと必要な要素を漏らすことなく書くことができます。
冒頭でストレートに強みを述べる
自己PRに限らず、ビジネス文書は結論から書き始めることが一般的です。前提として、自己PRを読む相手は企業の人間です。結論から書き始めることで、読み手や聞き手の注意を引くと同時に、相手は素早く判断を下すことが可能です。
自己PRにおける結論とは、自分の持つ強みのことです。まずはストレートに「私の強みは〇〇です」と自分の強みを述べましょう。その上で、その力が、いつ、どこで、どのような風に発揮できたのか、という理由付けに入っていきます。
強みを裏付けるエピソードを紹介する
結論となる強みの後には、必ず理由付けになるエピソードを紹介します。このエピソードは、強みの裏付けとなる内容であれば、どのような内容でも構いません。ただし、例えば「リーダーシップがあるのは、部活で部長を務めていたから」というような内容では、理由付けとしては非常に弱いものになってしまいます。
エピソードは可能な限り具体的に記載しましょう。先の例であれば、「部長を務める中で部員と何をしたのか」「部長として苦労したことや努力したこと」というように具体的にリーダシップを発揮できたエピソードが必要です。
他の強みも同様です。「協調性」が強みならば、どのようなことをしたから「協調性がある」と言えるのかは必須です。エピソードにおいて必要なことは、その強みを発揮できた「行動」であるため、強みが発揮できたときの状況を考えてみましょう。
入社後に強みをどう活かすかで結ぶ
自己PRの最後は、入社後の自分の強みの活かし方で結びます。就活においては、採用担当からいかに「自社に欲しい」と思ってもらえるかがポイントです。実際の業務を想定して、どのように使うのかを書くことができれば、企業に業界研究や企業研究の深さも伝わるはずです。
業務内容に限らず、入社後のキャリアパスや仕事に対する取り組みの姿勢について言及するのもよいでしょう。大切なことは、「入社後の姿が想像できる」ことです。1年後の自分の姿を想像して自己PRを締めましょう。
自己PRを魅力的にするポイント
自己PRを魅力的にするための鍵は、強みの裏付けとなるエピソードをどれだけ具体的なものにできるかにあります。採用担当が読んだときに話の内容が具体的に伝わるほど、入社後の行動や仕事ぶりが想像しやすくなります。
また、具体的にすることは今後の採用ステップを考えたときにも重要なポイントです。自己PRで記載した内容は、面接でも話すことになります。面接官に興味を持ってもらえた内容をより詳しく話せるようにするためにも、自己PRの具体性を高めていきましょう。
エピソードに具体的な数値を盛り込む
自己PRでは強みの根拠となるエピソードを書きます。この内容の中には具体的な数字を盛り込みましょう。単純に「勉強を頑張りました」と書くよりも、「毎日8時間勉強を頑張りました」とする方が、その頑張りが分かりやすく伝わります。
また、数字を使うことで変化の大きさを明確にすることもできます。例えば、「1年目30点、2年目は60点、3年目は150点」と時系列に沿った変化を数字で表すことで、その変化の大きさが伝わりやすくなります。
ただ、具体的な数値を記載すると、間違えたときに大きく信頼を損います。特に、他の設問との間に数値の齟齬があると、単純に「誤字がある」という印象に留まらず、その数字自体の信憑性にも関わります。使用する数値は間違いのないようにしましょう。
エピソードは「自分らしさ」を求める
自己PRの本質は「自分とはこういう人間である」ということを相手に伝えることにあります。自己PRは自慢話ではないため、どれだけ「他人より優れている」「貴重な経験をした」とアピールしても意味がありません。
どれだけ些細な事であっても、自分が今まで経験してきたことを丁寧に伝えることが自己PRでは重要です。例えば、サークル活動やアルバイト経験において貢献したこと、やり遂げたことも十分に自身のアピールポイントになります。
また、成功体験だけではなく失敗談を話すことも選択肢の1つです。「このような失敗をしたから〇〇に力を入れ、身に付けた」という話も十分に強みのアピールになります。自分の経験や見識に基づく「自分らしさ」をアピールしましょう。
エピソードは複数用意する
強みを裏付けるためには、その根拠となるエピソードが欠かせません。書くべき内容は、文字数の制限から1つの自己PRに対して1つのエピソードが基本です。それ以上を書くと、要点が不明瞭になってしまい企業にアピールしたい内容が伝わらなくなってしまいます。
ただし、自己PRで書くエピソードは1つですが、面接でさらに深堀りされることに備えて、複数のエピソードを用意しておく必要があります。最低限、3つは裏付けのエピソードを用意するようにしましょう。
勿論、1つのエピソードを深掘りすることも重要です。しかし、それ以外のエピソードに関する質問をされるケースも珍しくありません。そのような場合に備えて、強みの裏付けとなるエピソードは複数用意しておきましょう。
他の設問と整合性を取る
ESには自己PR以外にも長所や短所などの求職者の性格的な質問、ガクチカや志望動機などの様々な設問があります。これらの設問と自己PRでの内容は、必ず整合性を持たせるようにしましょう。
例えば、自己PRでは「忍耐力」をアピールしているにも関わらず、長所に関する質問で「好奇心がある」ことをアピールするとどうでしょうか。多くの人は対極にあるはずの2つの強みが同居していることに違和感を覚えるはずです。
他の志望動機やガクチカも、それぞれの設問は互いにつながりがあります。ESは「自分自身」をアピールする書類であるため、それぞれの回答につながりを持たせることで、より企業に対して強烈にアピールできます。
また、よく間違いやすいのが時系列に関する内容です。そのエピソードは、いつのことなのか、その前後に何があったのかについて、他の質問と矛盾すると互いのエピソードの信頼を失うため、注意しましょう。
文字数は300~400字程度におさめる
自己PRの文字数は300〜400字程度におさめましょう。文字数が少ないことは、自己分析や企業研究の甘さを露呈することになります。単純に企業に志望の度合いを疑われてしまうため、文字数はある程度は必要です。
しかし、逆に自分の気持ちや魅力、熱意をを最大限に伝えようと、自己PRを1000字2000字と大量に書くことは逆効果です。むしろ「文章を端的にまとめられない」として評価を下げる可能性もあります。
この400字前後というのは非常に絶妙なラインです。400字は、一般的な人が1分間に読むことができる文字数であり、また、同時に1分間に相手が聞き取りやすい速さで話したときに話せる文字数とされています。ただ、「書く」のではなく、相手に伝わる文章にするためにも、400字程度を目安にしましょう。
ESにおける自己PRの例文
コミュニケーション能力
例文
私の強みは、人と人を繋ぐパイプ役を担うことが得意であるという点です。この強みは学生時代の講義でのチーム活動で特に役立ちました。私たちのチームは10人でコンテストに出すビデオゲームを作成するプロジェクトに取り組みました。
しかし、チーム内には初対面同士のメンバーも多く、最初のうちは会話がぎこちなく感じられることもありました。そこで私はボイスチャットを活用して、週に一度、皆で雑談やオンラインゲームを楽しむ交流会を開催しました。
この会を通じて打ち解け、ディスカッションが活発化し、情報共有もスムーズに行えるようになりました。その結果、皆が積極的に協力し合い、それぞれの個性を活かした作品を生み出すことができ、コンテストで銀賞を受賞することができました。
人々の関わりを深めることがチームワークの向上につながることを強く実感しました。貴社においてもこの学びを活かし、社員同士の関係性を強化し、より良い成果に繋げていきます。(450字以内)
コミュニケーション能力が高いことを「人と人を繋ぐパイプ役を担うことが得意」というよう表現に変化させています。単にコミュニケーション能力といっても、様々な種類があります。他の就活生との差別化を図るためにも、この例文のように表現方法を工夫すると良いです。
コミュニケーション能力は、業種や業界問わず必要なスキルであるため、ESの自己PRにおいて十分なアピールポイントとなります。自分が経験したエピソードを加えることで、オリジナリティのある自己PR文が作成できます。
リーダーシップ
例文
私は、リーダーシップを発揮してチームに貢献することが得意です。
大学時代のゼミ活動でリーダーを務めました。私が所属するゼミでは毎年10人ほどが参加するプロジェクトがありました。
しかし、当初は興味関心の違うメンバーが多く、議論が進みませんでした。そこで、私はメンバー一人ひとりの強みや興味を把握し、それぞれの個性を活かす役割分担を提案しました。また、意見の不一致が起きた際には、円滑にディスカッションできるために調整を行いました。
その結果、メンバー同士のコミュニケーションが活発化し、アイデアが次々と生まれ、プロジェクトを滞りなく進めることができました。この経験を通じて、リーダーシップの重要性やチームを構築するスキルを磨くことができました。
貴社の業務においても、私の経験を活かしてチームの効率性を高め、様々な新しいプロジェクトの成功に貢献したいと考えています。(400字以内)
大学時代に部活やゼミなどの活動において、リーダーを務めた経験がある人は特にリーダーシップがあることをアピールしやすいでしょう。
しかし、「リーダーシップがあります」という自己PRは、就職活動のESでよく見られる内容です。そのため、この例文のようにリーダーシップを発揮した具体的なエピソード、それによって得られた成果や学びを示すことがポイントです。さらに、その経験を活かして業務に貢献したいという意思を表現することで、志望企業に対してポジティブな印象を与えることができます。
忍耐力
例文
私の強みは粘り強く目標達成に取り組む力です。
私は大学3年生からIT企業でインターン生として働いています。主にソフトウェアの開発を担当しており、最初はプロジェクトがうまく進まないことがありました。そのような状況でも、自分たちの作ったソフトウェアで顧客に喜んでほしいとの思いを強く持ち、上司から助言を得ながら何度も何度も改善を行いました。
その結果、1年かけて新しいソフトウェアのリリースを実現し、前年比200%以上の売上増加を達成できました。また、顧客からの高い評価を得ることができ、信頼関係を築くことができました。
貴社のより良いものを追求する姿勢は、モノ作りにおいて最も重要なものだと考えます。私も顧客ファーストの意識を忘れず、困難に遭遇した際には、粘り強くどう乗り越えるかを見据え、突き進んでいきます。(400字以内)
忍耐力を「粘り強く目標達成に取り組む力」と表現しています。ただ単に「忍耐力があります」とアピールするよりも、具体性があり印象強くなります。
また、取り組みによって得られた成果を表すために数字を入れているところもテクニックのひとつです。数字を入れることで、努力の成果が見られ、強みがいかに発揮されたのかを把握しやすくなります。そのため、インターンやアルバイト、ボランティアなど何かの活動や経験によって得た成果を伝えたい場合は、数字を用いると効果的です。
傾聴力
例文
私の強みは、相手の話に耳を傾け、より良い環境づくりに貢献できることです。
大学時代にボランティア活動で、地元の高齢者施設での訪問サービスに参加しました。そこでは、利用者の方々との対話を大切にし、彼らの話に真摯に耳を傾けることが求められました。
利用者の人生経験や思い出に興味を持ち、一人ひとりの物語に寄り添いました。彼らの心に寄り添うことを心がけた結果、笑顔や笑い声に満ちた雰囲気を作ることができました。また、施設スタッフと連携を図り、利用者のニーズに合わせたレクリエーション活動を企画し、コミュニティの結束を深めることに貢献しました。
利用者の方に「ありがとう。また来てね」と嬉しいお言葉もいただき、人の話に耳を傾けることの大切さを実感しました。貴社においても、相手の話に耳を傾けながら、最適な提案を行っていきたいと考えています。(400字以内)
傾聴力をアピールする自己PRは、就活生がよく選ぶテーマのひとつです。そのため、具体的なエピソードを交え、差別化を図る必要があります。傾聴力を上手くアピールできれば、多くの企業で重宝されます。
「傾聴力が高いです」とアピールするよりも、傾聴力の高さを示すワードに変換してアピールするとより印象強くなります。さらに、具体的な活動内容や成果を示すことで、自己PR文の信憑性が高まり、相手に対する貢献や影響力を示すことができます。
協調性
例文
私の強みは、仲間と密に連携し、共に課題に取り組める協調性です。
大学時代はバスケットボール部の副部長を務めており、部活動の運営とチームの成長において、他の部員や顧問の先生との連携が欠かせない重要な立ち位置にいました。学年や競技歴が異なる人員が集まっていたため、各部員のレベルに合わせた練習メニューや試合戦術を考えることに難しさも感じていました。
しかし、部員や顧問と積極的に意見を交換し、協力し合ったことで、チームに適した練習法や試合での強みを確立することができ、結果として県大会で初優勝することできました。
この経験を通して、関わる人員と密に連携をとることで、より良い成果を上げられると実感しました。貴社でも同様に他者と協調して課題解決に取り組むことを大切にしていきます。(350字以内)
社会に出ると、他のスタッフと協力して業務を進めることが多いため、協調性は十分なアピール材料となります。
協調性をアピールしたい場合は、「私の強みは協調性があることです」とせず、具体的にどのような部分で協調性が発揮されるのかをアピールすると良いです。また、自己PRを作成する場合は、部活動でのエピソードも有効です。チームスポーツの経験がある学生は、団体行動によって培われた協調性をアピールできるでしょう。
責任感
例文
私の長所は強い責任感を持っていることです。私は大学1年生から家庭教師のアルバイトをしていますが、最初は初めてのアルバイトという事もあり、教えることに自信がありませんでした。そのため、生徒の成績も伸び悩んでいました。しかし、私は決して諦めず、生徒の成績向上のために何ができるかを常に考えて行動しました。
例えば、教える際には生徒の反応や質問に注意を向け、興味や理解度に応じて指導方法を改善していきました。また、笑顔や声のトーンなどコミュニケーション構築にも努め、ポジティブな雰囲気を作ることを心がけました。
その結果、生徒のやる気が高まり、テストの点数も上昇しました。このように自分の役割を果たすためには、自ら考え工夫することが重要だと学びました。貴社でもこの力を発揮し、仕事に全力で取り組む所存です。(350字以内)
アルバイトのエピソードを伝えても良いのだろうかと悩む人もいますが、もちろん、アルバイト経験もESの自己PRにおいて有効なエピソードです。
アルバイトを通じて、自分の役割を果たすことの重要性を学んだ人も多いでしょう。アルバイト経験がある人は、アルバイトでの出来事を振り返り、責任感を持って行動したことを盛り込んでみましょう。これから社会人として仕事をしていくにあたり、責任感が強いことは大事なアピールポイントとなります。
誠実さ
例文
私の強みは誠実さを持ってチーム活動に取り組めることです。大学時代はバレーボール部に所属しており、活動に打ち込む中で、自身のポジションや練習方法に対して、よりチームに適したものがあるのではないかと疑問を抱いたことがありました。その際、率直な報告や相談を大切にし、先輩やコーチとの綿密なコミュニケーションを心掛けました。戦術の理解やプレーの役割分担、練習計画の策定など、疑問に思ったことを積極的に質問し、チームの向上のための提案を行う努力を怠りませんでした。この結果、チーム内での意見交換が活発化しました。メンバー達の協調性も高まり、目標達成への一体感が醸成され、成績向上にも寄与することができました。この経験から、自分やチームに対して誠実に向き合うことの重要性を深く理解しました。貴社においても同様に、誠実な姿勢でチームメンバーと連携することで、課題解決への貢献を果たしたいです。(400字以内)
企業にとって誠実さを持つ人材は、信頼できる人物であるため自己PRとして効果的なテーマです。
ポイントとしては、誠実さを活かしてどのようにして企業に貢献できるかを伝えることです。また、エピソードを伝える際に、課題に対する努力の過程、成果、学びという流れを意識して書くことで、具体的に誠実さをアピールできます。自己PRの誠実さがより伝わるように、きれいな字で誤字脱字がないようES全体を丁寧に仕上げることも心がけましょう。
主体性
例文
私の強みは、課題解決に主体的に取り組めることです。
大学時代はサッカー部の部長を務めており、そこでは部員のモチベーションの低下が課題となっていたことがありました。
そこで、私は部員一人ひとりと話し合う機会を設け、個別の目標や悩みを聞き出し、適切なアドバイスや励ましを行いました。
また、部員同士オープンな雰囲気の中で意見交換や情報共有をできるよう定期的にミーティングを設置し、チーム全体の連帯感を高める場を作るようにしました。さらに、練習メニューや試合戦術を見直し、部員の意見も積極的に取り入れました。結果として、部員のやる気が高まり、試合成績も向上させることができました。
このように積極的に課題解決に働きかける力を貴社においても活かすことで、貴社の益々の発展に貢献できると信じています。(350字以内)
部活動の部長のようにリーダーの役割を担った経験がある場合は、リーダーシップだけでなく主体性という強みをアピールできます。
主体性とは、自分の考えによって取るべき行動を選択でき、その行動による結果にも責任が持てるということです。課題解決に向けて主体的に行動できる力は、あらゆる企業において重宝されるスキルです。注意点としては、主体性が自己中心的だと捉えられないよう、結果的に組織が良い方向へ進んだことを盛り込むようにしましょう。
チャレンジ精神
例文
私は何事にも意欲的に挑戦し、目標を課して取り組むことが得意です。
大学1年生のときから、販売スタッフのアルバイトを務めています。店長に働きぶりを評価していただき、商品ディスプレイの仕事を任されました。
私は毎週新しいアプローチを試み、ディスプレイのクオリティを向上させることを1ヶ月の目標としました。具体的には、商品の特長を的確に伝えるキャッチコピーを考案し、視覚的にインパクトが出るように工夫してポップを作成しました。
また、季節やイベントに合わせてテーマを変え、顧客の興味を引くような展示を心掛けました。結果として、1カ月の来店客の増加し、売上も向上しました。
この経験を通じて、自分の目標設定と計画を実行する力が成長し、新たな物事にも果敢に挑戦する自信を持つようになりました。貴社への入社後も、同様の姿勢を持って様々な仕事にチャレンジし、会社の発展に貢献したいと考えています。(400字以内)
チャレンジ精神は多くの就活生が選ぶ自己PRのテーマです。チャレンジ精神を別の言葉に変えてアピールすることで、より自分の価値観や人柄を伝えることができます。
チャレンジしたきっかけや内容、期間を具体的に示し、その結果どのような成果が得られたのかをアピールしましょう。このポイントを押さえることで、他の就活生との違いをつけることができます。また、企業とのマッチ度を表すために、企業に合わせたチャレンジ精神をアピールすることが大事です。
柔軟性
例文
私の強みは、フレキシブルに物事を進める力です。
私が所属するゼミでは、論文執筆やプレゼンテーションを通じて研究結果を発表する機会があります。しかし、初めての発表会では、自分の意見が上手く伝えられず、悔しい思いをしました。
そこで、ゼミの先輩や教授と相談し、自分なりの仮説を立てて実験を行いました。その結果、物事を違う視点から考えることの重要性を理解し、論文の再構築に取り組みました。その結果として、学会発表も成功し、卒業論文発表会でも優秀賞を受賞しました。
この経験から、課題解決のために柔軟に対応していくことが大切だと学びました。貴社においても、常に変化を求め、物事を考えながら柔軟な対応に対応していきたいと考えています。(350字以内)
柔軟性をアピールしたいけど、どのように伝えれば良いのか分からないという学生は多くいます。柔軟性があることは、「フレキシブル」というワードに変換してアピールすることができます。他にも、臨機応変な対応ができる、機転が効くという言い方もあります。
ビジネスシーンでは、柔軟性は非常に重要です。そのため、多くの企業は、時代の変化に応じて柔軟に対応できる人材を求めています。柔軟性を効果的にアピールできるように、様々な言い方を書き出してみると良いでしょう。
計画性
例文
私の強みは、高い目標に向かって具体的に計画を立て、実行できることです。
大学ではTOEIC800点以上を目指し入学しましたが、入学当初は受験試験を終えた開放感から勉強を怠っていた時期がありました。このままではいけないと気付き、そこから目標達成に向けて計画的なアプローチを取ることを決意しました。
まず、単語力を強化し、常日頃から英語を耳に入れて英語の音に慣れるようにしました。また、1日2時間はTOEICのための学習時間を確保することで努力を重ねました。その結果、大学在学中にTOEIC800点を達成することができました。
この経験から、計画を立てて実行する力が向上しました。貴社においても、この強みを活かしてお客様のニーズに応えていきたいです。(350字以内)
計画性をアピールする際は、具体的な取り組みや努力を示し、その結果として目標達成を果たしたエピソードを伝えると良いです。また、経験から得た学びを志望企業での活動に活かせることを伝えることで、将来性を感じさせることも大切です。
「計画性があります」という言葉が最初にあると、いまいち本当に伝えたいことが伝わりにくいかもしれません。他の就活生と差別化を図るために、計画性をエピソードに沿った別の言葉に変えてみましょう。
几帳面
例文
私の強みは、几帳面であることです。大学時代に複数の研究プロジェクトと吹奏楽サークルでの活動を同時進行しなければならない状況がありました。
その際、自分のスケジュールを細かく設定し、管理することで問題なく両立しました。研究プロジェクトでは、期限をしっかり把握し、タスクを細分化して優先順位を付けることで、無駄な時間を減らし、研究の進捗を確実にしました。
一方、サークル活動では、継続的なソロ練習やサークルメンバーとの合奏練習、演奏イベントの準備をスムーズに進めるために、計画を立てメンバー間でスケジュール共有をしました。その結果、どちらにおいても良い活動成果を上げることができました。
入社後も、新たな状況に柔軟に対応しながら、几帳面な性格と計画性を活かして、仕事を効率的にこなしていきたいと考えています。(350字以内)
几帳面な人材は、事前準備を怠らず仕事を丁寧にこなす人物であると評価されます。
企業に入社すると、ときにいくつもの業務を担うことがあります。そのため、学生時代に几帳面な性格と計画性を活かして複数の活動をこなしていたことをアピールすることは、非常に効果的です。企業側は、入社後も複数の業務を効率的に進めていくことができそうだという良いイメージができます。自己PRを通して、採用するメリットを示すことが大切です。
提案力
例文
私は、新しいアイデアや解決策を提案することが得意です。大学時代にアルバイトをしていた飲食店で、売上向上のためにメニューの提案をしました。しかし、当初はお客様から「この店は美味しいけど、値段が高い」と言われました。
そこで、まずはお客様のニーズを把握し、それに合わせた提案を心がけました。また、他のアルバイトにも積極的に声をかけ、信頼関係を築きました。その結果、徐々に新しいメニューのファンも増え、店長から「あなたに任せてよかった」と言っていただけるようになりました。
この経験から、相手のニーズを汲み取り、それに応える提案力を高めることができました。貴社においても、この経験を活かして課題解決のために積極的に新しいアイデアを提案していくことに努めたいと考えています。(350字以内)
一般的に、営業職やコンサルタントなどの業種で提案力が求められます。提案力がある人は、課題を見つけ、その課題を解決する策を考え、説得力を持って伝えることができる人材です。
このようなスキルは、ビジネスシーンにおいて必要とされるため、自己PRとして非常に効果的です。具体的なエピソードを盛り込むことでより効果的になるため、アルバイト以外でもサークル活動やゼミ、部活動など自分が経験した出来事を当てはめてみましょう。
好奇心旺盛
例文
私の強みは、新しいことに前向きに取り組むことができることです。大学に入学したころから始めた趣味の料理では、日々積極的に新しいレシピに挑戦しています。
料理を始めたころは、包丁の使い方も危うく、何を作るにしても失敗作ばかりでした。しかし、毎日少しずつ自分にできそうな簡単なレシピから始めていき、今では両親にも驚かれるほど腕を上げることができました。最近では、自らアレンジして新しい料理を作り出すことにも挑戦しています。
このような経験を通じて、創造性を養い、新たなチャレンジに対する意欲も高まっています。貴社においても、新しいプロジェクトや課題に対して前向きな姿勢で取り組み、成果を上げていきたいです。(300字以内)
好奇心旺盛な性格をアピールすることで、何事にも前向きにチャレンジできるということを示すことができます。
どのような仕事も好奇心がなければ続けることはできません。よって結果的に、仕事に対する意欲をアピールすることにも繋がり、就職活動において非常に効果的なテーマであると言えます。ただし、好奇心旺盛であることを「すぐに飽きてしまう」と捉えられる場合もありますので、物事を成し遂げたエピソードを交えるようにしましょう。
行動力
例文
私の強みは、困難な状況でも諦めずに乗り越える行動力があることです。
私は、大学2年時にIT企業での長期インターンシップに参加しました。その際、私の最初の課題は、新しいプログラミング言語を短期間で習得し、プロジェクトにすぐに取り組むことでした。最初の数週間は、難しい技術に取り組む中で、何度も挫折を味わいました。
しかし、私はその度に自分自身にチャレンジし、同僚や上司からのフィードバックを積極的に受け取りました。分からないことはすぐに検索し、疑問点や不明点を分からないままにしないことを心がけました。その結果、最終的には課題が解決し、プロジェクトを成功裏に終了させることができました。
この経験が、私の行動力をさらに強化し、新たな挑戦に果敢に取り組むことを可能にしました。貴社においても、困難な状況でも諦めずに挑戦する姿勢を持ち続けます。(400字以内)
仕事での即戦力を求める企業が多く、行動力がある人材は重宝されます。新卒者も将来性を秘めているという点においては、ポテンシャルが高いとみなされるため、即戦力として扱われます。そのため、ESの自己PRにおいても非常に効果的です。ただ一言で「行動力があります」というよりは、どのようなことに対して行動力を発揮できるのかを伝えるとより印象が良くなります。
企業が知りたいことは、成果の大きさよりも達成までの過程です。行動力が培われたエピソードを重点的に示しましょう。
自己PRが書けたら見直すポイント
誤字脱字はないか
自己PRに限らず、ビジネス文書での誤字脱字は大きな減点対象です。特にパソコン入力していると誤字脱字に気が付かないことも多く、そのまま提出してしまいがちです。誤字脱字は「正しい日本語が使えない」というマナーの悪さ、また「ミスに気が付かない」という注意力のなさを露呈することになります。
このような事態を防ぐためにも、文章は一度紙に出力することをおすすめします。実際に、どのように読まれるのかを客観的に見ることで誤字脱字に気が付きやすくなります。また、客観視という意味では他の人に読んでもらうというのも効果的な方法です。
もう1つ、誤字脱字と並んで注意したいのが言葉の誤用です。言葉の誤用が1か所あるだけでも、業界や企業に対する熱意を疑問視されてしまいます。分からない言葉は必ず調べてから使うようにしましょう。もしくは、誤用や誤読の原因になるくらいなら、いっそ使わないというのも1つの選択肢です。
文章は論理的に書けているか
文章の論理性は、内容を相手に正しく理解してもらうためには最も重要なポイントです。自分の強みとその裏付けとなるエピソードは本当に関連があるものか、関連はあるが勝手な自己判断で結論を導いていないかなど、「自分を知らない第三者がの相手が説明を聞いて納得できるか」を基準において評価します。
「分かりにくい」と感じた場合は、そこに論理の破綻や飛躍が存在します。その場合は、必ず「なぜ」と自問自答しましょう。その「なぜ」こそが納得できない理由であり、また自己PRに盛り込まなければならない内容です。
きちんと筋道の通った文章が書けることは、社会人において必須の能力です。プレゼンテーションに限らず、上司や同僚との報告・連絡・相談など、様々な場面で論理性は重要視されます。感情的にならず、落ち着いて自己PRを仕上げましょう。
嘘や誇張のある文章になっていないか
自己PRで誇張した表現や嘘を書く求職者は、実は珍しくありません。job総研の調査では、実に38.7%の求職者が「嘘をついた」と回答しており、さらに、そのうちの10%がガクチカや自己PRにおける嘘をついたと回答しています。
ただし、リクナビの調査では採用担当の6割が嘘に気が付いたという報告もあるため、嘘は間違いなくバレます。ESの他の記載内容と矛盾するばかりではなく、自分自身の信頼にもかかわるため、嘘や誇張した内容を書くことは辞めましょう。
自己PRは「自分らしさ」が重要です。他の求職者より優秀であったり、派手である必要は全くありません。無理に自分を大きく見せるのではなく、自己PRを誠実に書いて等身大の自分で勝負しましょう。
内容は適切な文量になっているか
企業が自己PRで知りたいことは、「入社後に貢献してくれるかどうか」です。極端なことを言えば、「私は〇〇が得意です」と「〇〇を使って、▢▢というメリットをもたらします」という結論の部分が重要であり、それ以外は枝葉になります。
そのため、あまりにも理由の部分となるエピソードの割合が多い自己PRは、要となる部分が少なく「強み」のアピールにつながりません。説得力を持たせるためにある程度の話の展開は必要になりますが、強みと直接関連しない内容は省くことも考えましょう。
反対に、結論ばかりに文字数を割くと、今度は根拠が不十分になり説得力が薄れてしまいます。個々の段落で適切な文量というのは異なるため、完成後は一読し不足や過剰な部分は調整しましょう。
字数制限からの逸脱していないか
字数制限がない場合、自己PRは300〜400字程度でまとめることが基本です。ただ、なかには字数制限や回答の形式を設ける企業も少なくありません。そのような場合は当然、その指定に従って文字数が規定内に収まる様に回答しましょう。
勿論、文字数が規定よりも圧倒的に不足しているものは論外です。相手に誤解を生じさせることなく、自分の意図を伝えるためには、ある程度の文字数は書かなければなりません。
目安としては、「〇〇字程度」であれば指定文字数のプラスマイナス1割、「〇〇字以内」であれば、制限文字数の8割以上を目標にしましょう。多すぎず少なすぎずが、自己PRを書くときには重要です。
自己PRは書き方や内容を意識して魅力的に仕上げましょう
企業が自己PRを質問する目的は、「この人はどんな人なのか」を知ることにあります。そのためには、求職者からも自分の魅力や価値を的確に伝えなければなりません。改めて、自分の強みは何かをよく分析してから自己PRを作成しましょう。
また、自己PRを魅力的にするためには、具体的な経験やエピソードを挙げることも重要です。明確で具体的なエピソードになるほど、採用担当も興味を持ってくれるはずです。最後まで細部にこだわり、明確で分かりやすい構成、指定の文字数を意識し、内容の濃い文章に仕上げましょう。