自己PRで「チームワーク」を自分らしくアピールする方法【例文あり】

チームワーク力を持つ社員に企業が期待すること

組織全体で高い成果を目指す企業は「チームワーク力」を持つ人材を必要としています。

それは、チームワークの重要性を実体験から学んだ人材は、チームワークのよい集団を作るために重要な要素を理解し、実践してくれるからです。

重要な要素としては、下記の項目があげられます。

  • 一人一人の弱点や苦手を補い合い生産性を高める
  • チーム共通の目標を立てる
  • 明確な役割分担
  • チーム内のルールを守る
  • コミュニケーションの重要性

チームで活動する上で社員同士が得意不得意を補う方が生産性が高まります。また、メンバーが同じ目標に向かっているチームは、高い成果を出すことができます。

チーム内の雰囲気もとても重要です。明確な役割分担を定め、一人一人が共通のルールを守ることで居心地の良い職場が作れます。居心地の良い職場は、社員の定着率を高め、経験や知見を持つ社員が長く実力を発揮してくれるため、チームワークのある人材は重宝されています。

採用担当者が自己PRを通して確認していること

企業は自己PRを通して「自社にとって必要な特徴を持っている人材かどうか」を確認しています。言い換えれば「あなたはうちの会社で活躍ができますか?その理由はなんですか?」と問われているのです。

企業からの質問の意図を考えるとアピールする内容は、その企業が「好き」「尊敬している」といったアピールより、「自分の特徴は企業に合っている」「入社後はこんな活躍ができる」といったアピールをするように心がけましょう。

ありきたりなチームワーク力のアピールは逆効果

チームワーク力は多くの企業が社員に求めたいスキルです。チームワークをアピールした自己PRは、採用担当者の感心を引くことができるでしょう。

しかし、内容や書き方を間違えてしまうと、逆にマイナスな印象を与えてしまう場合もあります。ありきたりなエピソードや具体性に欠ける中途半端な表現では、採用担当者の印象に残りません。

「団体競技の経験があるからチームワーク力があります」と言われても、団体競技の経験がある就活生は沢山います。団体競技の経験からどんなことを学んだのか、入社後その経験をどのように活かすのかを具体的に述べましょう。

「チームワーク」を魅力的に伝えるポイント

企業が求めている「チームワーク力」を意識する

企業が求めているチームワーク力は、他人と交流をする上で必要となる「対人スキル」です。

業務上は、プロジェクトや打合せなど多くの共同作業があります。チーム内はもちろん、他部署や社外の方との共同作業をスムーズに行えることが成果に繋がるからです。

対人スキルは、コミュニケーション能力や他のメンバーに対する思いやり、意見が異なる人との対話力、相手の意図や感情を正しく理解できる能力を指しています。

チームワーク力を引き立たせる構成

<チームワークを効果的に伝える構成>

  1. 結論(アピールポイント)
  2. 具体的なエピソードから結論を裏付けする

  3. エピソードから学んだこと
  4. 経験をどのように活かすか伝える

①初めに結論(アピールポイント)を書く

最初に結論から述べることで、採用担当者にアピールポイントが伝わりやすくなります。冒頭に結論がないと、採用担当者は何が強みなのかわからなくなり、読み進めるのを辞めてしまうかもしれません。

書き出しのポイントは、ただチームワークがあると伝えるのではなく、どのようなチームワーク力なのかを具体的に述べます。「私はチームワークを作るきっかけになれます」のように、どのようなチームワーク力なのかを明確に伝えましょう。

②具体的なエピソードから結論を裏付けする

アピールポイントを伝えたら、その根拠となる具体的なエピソードを書き結論を裏付けします。アルバイトやゼミ、部活など、エピソードの種類は何でもいいですが、チームとして協力し合えたことがわかる出来事にしましょう。

エピソードは決して「特別なこと」でなくても良いです。取り組みの内容や役割を添え、結論に繋がるエピソードを選びましょう。

③エピソードから学んだこと

エピソードから学んだ改善点や改善するためにとった行動、行動から得られた成果を整理して述べます。採用担当者は、エピソードを通してあなたの問題解決能力を見ているので、行動そのものが失敗していても問題ありません。

チームの中で問題を解決した経験は再現性があるとみなされ、採用担当者はあなたを「周囲と協力しながら活躍できる人材」と期待するでしょう。

④経験をどのように活かすかを伝える

採用後、経験から得た成果をどのように発揮するかを伝えます。「チームワークの大切さを○○に活かす」「チームワーク力を生かして○○したい」という内容に繋げましょう。

経験から得た成果を仕事でどのように活かすかを見通している就活生は、成長意欲があると判断され採用の可能性が上がるでしょう。

「チームワーク」が引き立つ自己PRの例文

運動系の部活やサークルの経験を活かした例文

例文

私の強みは協調性があることです。大学時代は、野球部の副キャプテンを任されました。ある時、私はキャプテンの役割でもある「チーム全体に対する指揮」に口を出してしまいました。その時は、キャプテンと意見が合わずチーム全体の雰囲気を悪くしました。私はキャプテンを補佐する副キャプテンという立場をきちんと理解せず意見を述べてしまったことを反省しました。

その後は、キャプテンと常にコミュニケーションを取り、キャプテンの手が回っていない部分を引き受けました。具体的には、部員一人一人の意見の吸い上げや、細かなサポートです。その結果、新入部員90名を含む計300名の部員数を誇る野球部を作り上げることができました。

この経験を活かし御社に入社した後も、チームにおける自分自身の役割を理解し、協調性をもって仕事に取り組みたいと考えています。(400字以内)

例文のように、行動自体が失敗していても問題ありません。「どんな失敗をしたのか」「どんな工夫をして問題を解決したのか」「どんな結果になったのか」がわかるように組み立て、問題解決能力をアピールします。

ただ「野球部の副キャプテンだった」とアピールしてもどのようにチームに貢献したのか伝わりません。副キャプテンとしてどんな経験をし、どんな工夫をしたのか、それでチームはどうなったのかを肉付けしていきましょう。

ボランティア活動の経験を活かした例文

例文

私の強みは、相手の感情に寄り添い、良好なコミュニケーションを取ることです。

学生時代は、介護福祉施設のボランティア活動に注力しました。私は認知症の方の担当をさせていただいたのですが、はじめはコミュニケーションを取ることが難しく、相手の感情を汲み取れない時期もありました。私は相手の様子や介助の内容によって積極的に話しかける場面と、会話を控えめにし、寄り添う場面を分けて接するように心がけました。すると徐々に相手の方から笑いかけてくださる回数が多くなりました。言葉での会話ができなくても、相手と気持ちが通じていることが伝わってきて嬉しかったです。

相手の気持ちや状態に配慮した行動は、貴社の業務にも活かせます。入社後は、常に最適なコミュニケーションを意識し、チームメンバーが働きやすい環境づくりに注力したいと考えます。(400字以内)

業務上は、思い通りにいかないことも多く発生します。例文のように、コミュニケーションを取ることが難しい相手に対してもあきらめずに向き合った行動は、環境に合わせて考えや行動を変える適応力の高さをアピールできます。

またエピソードは「特別なこと」よりも、仕事上でよくあるシーンを連想できるものがおすすめです。採用担当者は、入社後に経験を活かして活躍しているあなたを想像するでしょう。

アルバイトの経験を活かした例文

例文

私の強みは、チームの目標達成に向けてチームワーク力を強化する存在になれることです。大学時代は、コールセンターのアルバイトをしました。接客業は、お客様に直接かかわるやりがいのある仕事ですが、クレーム対応も多い業務だったので、慣れるまではつらく感じることもありました。私がクレーム対応に悩んでいると、すぐに先輩が的確なアドバイスを出してくださいました。私もヘルプに入ってくださる先輩にクレームの内容を簡潔に伝えるように努めました。

その結果、徐々にクレーム対応にも自信がもてるようになり、チーム全体の受電数も大きく増やすことができました。このように、一人一人の苦手や弱点を補いながら協力していくことが目標の達成に大きく繋がることを学びました。

私は、これからもチームワークを大切にし、いづれはチームの苦手や弱点を補える存在になれるよう取り組んでいきたいと考えています。

(400字以内)

チームワーク力をアピールする際は「ただの仲良し」にならないように気をつけましょう。例文のように、助ける側も助けられる側も、果たすべき責任をやり遂げていることが大切です。メンバー全員が同じ目的のためにベストを尽くしたことをアピールしましょう。

また、チームをまとめる役割でなかったとしてもチームの一員として尽力した経験は、結果を裏付ける魅力的なエピソードです。

「チームワーク」を別の言葉で言い換える

自己PRでチームワークをアピールする場合は、下記のような言葉に言い換えるのもおすすめです。

「チームワーク」という言葉は伝わりやすいですが、具体性に欠けます。

経験から得たチームワークがどんな性質のものかを具体的に説明することによって、あなたの魅力を強くアピールすることができます。

<チームワークの言い換え例>

  • 協調性
  • 傾聴力
  • コミュニケーション能力
  • 共感力
  • 誠実さ
  • 責任感
  • 献身性
  • 適応力

「チームワーク」に結び付きにくい経験

チームワークの反対の言葉に「ワンマン」があるように、チームワークに結び付きにくい経験は、ライン作業や清掃員、新聞配達など一人でできる作業です。

一人でやる作業を自己PRに記入する場合は、チームワークではなく、真面目さや責任感の強さ、努力家といった強みをアピールする方が良いでしょう。

また、一人でコツコツ作業ができる人は、自己管理ができる、決断力がある、スキルアップに意欲的といった能力も持っているはずです。このような長所は、チームワーク力にも繋がります。

入社を希望する企業が「チームワーク力」を重視しているなら、エピソードを変更し、チームワーク力に繋がる長所をアピールするのも良い方法です。

自己PRで「チームワーク」をアピールする時の注意点

主観的な表現はしない

主観的な表現にならないように注意しましょう。主体的は表現とは、自分ひとりの考えや感じ方に偏っている表現です。主観的な表現をすると「あなたがそう思っているだけで、周りはそう思っていないのでは?」と採用担当者が受け取る可能性があります。

「チームワークを重視した結果、チームの雰囲気がよくなった」ではなく「チームワークを重視した結果、○○の成果がでた」具体的な成果をアピールしたほうが効果的です。自己PRでは、誰が見ても最もだと感じる、客観的な表現を心がけましょう。

同時に複数の強みをアピールしない

同時に複数の強みをアピールしないように注意しましょう。同時にアピールすると、何をアピールしているのかわからなくなるからです。

「私はチームワークに自信があり、行動力もあり、何事にも真剣に取り組みます」ではなく「私の強みは、相手の状況や感情に配慮し、良好なコミュニケーションを取ることです」と1つの強みをアピールしたほうが効果的です。

リーダーシップが無いような表現はしない

チームワークを強調しすぎると、「チームに頼って主体性がない」「リーダーシップが無い」と捉えられる可能性があります。

例えば、「リーダーの指示を守り悪循環を改善した」と表現するのではなく、「悪循環の改善のため、主体的にチームに働きかけた」と表現した方が効果的です。

主体的に動けることも合わせてアピールしていきましょう。

自己PRで「素直さ」をアピールする書き方とポイント【例文あり】

ESの自己PRで素直さをアピールするためには、押さえておくべきポイントがあります。この記事では、自己PRの基本的な構成から、素直さを効果的にアピールするコツを解説していきます。

経験別の例文や、注意しておきたい点についてもあわせて紹介していますので、こちらを参考にESの完成度を高めましょう。

企業が求める「素直さ」とは?

人の意見を受け入れられる

多くの企業は、人の意見を受け入れられる人材を求めています。企業で活躍するには、間違いや欠点を指摘された際に、素直に受け入れることが重要です。

意地を張って人の意見を聞き入れなかったり、極端に深読みしてネガティブに受け取ったりすると、上司や同僚、顧客とのコミュニケーションが適切にとれません。適切なコミュニケーションがとれず人間関係が悪化すると、仕事の遅れやミスにつながります。

人の意見を受け入れられる人は、多くの人から建設的なアドバイスをもらい成長しながら、仕事を円滑に進められるでしょう。

謙虚である

謙虚であることも、企業が求める素直さのひとつです。謙虚であれば、独りよがりにならず、上司や同僚の意見を尊重できるでしょう。人の意見を尊重することで、上司や同僚にも好かれ、円滑に仕事を進められます。

普段から人の意見を聞き入れない人は、自分がピンチに陥ったときに自業自得だと思われ、助けてもらえないかもしれません。

反対に、常日頃から人の意見を尊重して仕事を進めている人は、他者に多少無茶な依頼をしても、受け入れてもらえることが多いでしょう。

物事を偏った視点で見ない

企業が求める素直さには、物事を偏った視点で見ないことも挙げられます。

物事を偏った視点で見る人は、叱責だけでなく励ましですらも後ろ向きにとらえ、必要以上に落ち込むことがあります。落ち込むことなく、どんな意見も前向きにとらえて仕事を改善しないと、成長は見込めません。

叱責を受けた際は反省して次に活かし、励ましをもらった際は受け入れて、より一層精力的に働くことが大切です。失敗してもくよくよせず仕事に取り組むことで、仕事のチャンスを多く得られるでしょう。

企業が素直な人材を求める理由は?

成長が早いから

アドバイスを素直に受け入れてすぐに実践する人であれば、速やかに自分の仕事を改善して成長できるでしょう。

特に経験やスキルの乏しい新人のうちは、人のアドバイスをすぐに受け入れて、前向きに実践することが大切です。

しばしば、人からアドバイスをもらえるのは新人の頃だけだといわれます。中堅・ベテランになると人から注意やアドバイスをもらう機会が減るので、新人のうちに多くの意見を吸収しましょう。

環境の変化に対応できるから

素直に物事をとらえ、変化する環境に臨機応変に対応することで、企業で長く活躍できます。既成概念や偏見に囚われていると、目まぐるしく変化するビジネスシーンに十分に対応できないでしょう。

また、成長が期待されている人ほど、他部署への異動や海外への赴任を経験することが多くあります。異なる環境での、経験したことのない仕事でも、柔軟に受け入れて対応できれば、成長してさらに活躍できるでしょう。

自分の欠点を見直せるから

素直さがあれば、自分の欠点を認めて改善することができるでしょう。欠点を改善し続けて成長すれば、いち早く企業で活躍できます。

素直さに欠けている人は、仕事のミスの言い訳をしたり、仕事の遅れを他人のせいにしたりする傾向にあります。

いつまでも自分の欠点を認めない人は、何度も同じ失敗を繰り返すかもしれません。働き始めると、失敗して傷つくことも多くありますが、素直に反省して改善することが大切です。

素直さをアピールする自己PRの構成

<素直さをアピールする自己PRの構成>

  1. 素直さが自分の強みであることを述べる
  2. 素直さを表すエピソード
  3. 素直さから得た成果・学んだこと
  4. 素直さをどのように仕事で活かすか

素直さが自分の強みであることを述べる

ESの自己PRで素直さをアピールする際には、素直さが自分の強みであることを冒頭で述べましょう。

結論を始めに述べることで、話の内容が明確になり、伝わりやすさが向上します。面接に限らずビジネスシーンでは、結論を述べずに話し始めると、冗長に思われるかもしれません。

自分の強みが素直さであることを、一文で簡潔に述べることが大切です。素直さという言葉を「環境が変化しても柔軟に対応できる」、「他人の意見を受け入れられる」などと言い換えてアピールするのもおすすめです。

素直さを表すエピソード

次に素直さを表すエピソードを述べます。具体的なエピソードがないと、信憑性に欠け、説得力が上がりません。エピソードを具体的に述べることで、素直さが十分に伝わるでしょう。

独自のエピソードは他の志望者との差別化にもつながりますが、誰も経験したことのないような、唯一無二のエピソードでなくとも構いません。自分がどのように考えて、どのように行動したかが大切です。

自分の素直さを十分に発揮できたエピソードを選びましょう。

素直さから得た成果・学んだこと

具体的なエピソードを述べた後で、素直さから得た成果・学んだことを説明します。良い成果を得られた場合は、自分が素直さを発揮したこととの関連性が十分に伝わるように述べましょう。

良い結果を得られなかったのであれば、どのように考えるべきだったか、どのように行動するべきだったか、何を学んだかを述べます。反省して次に活かす姿勢によって、素直さをアピールすることができます。

自分の素直さが十分に伝わるのであれば、成果を誇張する必要はありません。

素直さをどのように仕事で活かすか

最後に素直さをどのように仕事で活かすかを述べましょう。素直さを十分に伝えられても、仕事でどのように発揮するかを述べないと、採用にはつながりません。

業務でどのように活かすか、企業にどのように貢献するかを具体的に述べることが大切です。

仕事での素直さの活用例に、自分の欠点を直して成長することや、環境が変化しても柔軟に対応することなどが挙げられます。企業によって求める人物像が異なるので、素直さの活かし方も、企業ごとに適切に変えましょう。

自己PRで素直さをアピールする例文

部活動

例文

私の強みは、素直さです。高校時代にサッカー部に所属していましたが、入部当初は部活の雰囲気に馴染めず、部員から「練習を楽しめていない」とよく言われました。そこで、部員一人ひとりの意見を聞きながら、自分の意見を率直に伝えることで、部員全員が主体的に活動できる環境を作りました。その結果、部員全員の練習参加率が上がり、県大会出場を果たすことができました。

この経験から、どんな状況でも素直に行動する力を身につけました。貴社においても、お客様のニーズに応えるべく常に素直な心を持ち仕事に取り組みたいです。(250字以内)

部活動経験のエピソードによって素直さをアピールする自己PR例文です。人の意見を受け入れながら自分の意見も伝え、部の雰囲気を改善したことが十分に伝わります。素直さをどう活かすかが記載されていることも良いポイントです。

部員からどのような意見があったのか、自分はどのような意見を伝えたのかを問われた際は、具体的に答えられるようにしておきましょう。

学業

例文

「どんな状況でも素直に行動できる」ことが私の強みです。

私はゼミ長として、ゼミ生のモチベーション向上に努めました。具体的には、ゼミ生が主体的に活動しやすい環境づくりを目指し、ゼミ生と積極的にコミュニケーションを取り、意見交換をすることで信頼関係を構築しました。その結果、ゼミ生から「ゼミ長をこの人に任せてよかった」と言ってもらえました。

貴社においてもこのような素直な姿勢を活かし、お客様や社会に貢献していきたいと考えています。(250字以内)

ゼミ長の経験をもとに、素直さを示すエピソードが具体的に述べられています。周囲とのコミュニケーションを適切にとれることもアピールできています。

「意見交換をすることで信頼関係を構築しました」と記載されているので、人の意見をどのように受け入れたか、相手の意見をどのように尊重したかなどをより詳細に記載すると、さらに自分の魅力が伝わるでしょう。

アルバイト

例文

私は、素直に行動できる人間です。

アルバイト先では、お客様のニーズを汲み取り、それに応える接客を心掛けていました。また、お客様に心地よく過ごしてもらえるよう、意識的に笑顔で接客しました。その結果、「ありがとう」と多く言って頂けるようになりました。

この経験から、相手の立場になって考えることを大切にしています。貴社においても、お客様と真摯に向き合い、信頼関係を築きながら、課題解決に貢献していきたいです。(200字以内)

アルバイトでの接客経験をもとにした、素直さを表す例文です。業務を円滑に進めるためには、相手の立場になって考えることは重要です。

営業職や販売職だけでなく技術職や事務職でも、さまざまな要望を持つさまざまな部署と適切にコミュニケーションをとらなければなりません。

お客様のニーズをより具体的に示し、どのように受け入れて、どのように対応したのかを述べると、より魅力的な自己PRになるでしょう。

留学

例文

私の強みは、素直に物事に取り組む力です。

私の留学生活は、異文化理解の難しさから、なかなか思うようにいきませんでした。しかし、留学先の授業課題に取り組んだ際に、積極的に発言しつつも、相手の文化や意見を尊重して意見交換をすることで、現地の学生と信頼関係を築けました。

この経験から、相手の立場になって考え、素直に意見を聞くことの大切さを学びました。貴社においても、お客様のニーズを汲み取り、最適なソリューションを提供していきたいです。(250字以内)

留学のエピソードを交えて素直さを述べた例文です。海外の人とコミュニケーションがとれることは、グローバル展開している企業へのアピールにもなります。英語力に自信がある場合は、履歴書にTOEICのスコアや英検の合格級を記載しましょう。

面接時には、異文化理解はどのように難しかったのか、どのように意見交換したのかを問われる可能性があります。より具体的なエピソードを答えられるよう準備しておきましょう。

自己PRで素直さをアピールするときのポイント

具体的なエピソードを交える

前述したように、具体的なエピソードを交えることが、ESで素直さをアピールするときには重要です。「がんばった」「努力した」などの漠然とした言い方では、自分の魅力が十分に伝わりません。

結果はどうあれ、何が問題だと感じたのか、どのように考えてどのように取り組んだのか、どんな成果・学びを得られたのかを説明することが大切です。

また、企業に入社すると、多くの場合、「PDCAサイクル」で業務を改善するよう求められます。PDCAとは、「Plan(計画する)」、「Do(実行する)」、「Check(評価する)」、「Action(改善する)」の頭文字を取った、業務改善に用いられる一般的なフレームワークです。

自己PRも、PDCAを意識して作成すると、評価がより高まるでしょう。

素直さを他の言葉に言い換える

自己PRで素直さをアピールするときには、素直さを他の言葉に言い換えることも重要です。

素直さという言葉だけではアピールしたい内容が伝わらないことがあるので、さまざまな言い回しで自分の魅力を伝えましょう。

言い換えすることによって、他人の自己PRとの差別化にもつながります。素直さの言い換え例は、以下の通りです。

  • 他者の意見を受け入れられる
  • 自分の欠点を見直して、改善できる
  • 環境の変化に柔軟に対応できる
  • アドバイスを謙虚に受け入れ、成長できる

素直さの言い換え例を参考にして、自分の魅力を十分に伝えられる言い方を考えましょう。

企業の特徴と結びつける

企業の特徴と結びつけることも、自己PRで素直さをアピールするときに押さえるべきポイントです。素直さを企業の特徴と結びつけず、やみくもにアピールしても、入社後にどのように活躍するのかのイメージが湧かず、採用担当者からの評価は得られません。

企業の公式サイトや募集要項を読んで、求められる人物像を把握しましょう。同じ業界でも、企業ごと・職種ごとに、求められる人材が異なります。

自己PRをそのまま使い回すのではなく、企業が求める人物像ごとに、素直さとの関連付けを変えましょう。

自己PRで素直さをアピールするときの注意点

主体性があることもアピールする

自己PRで素直さをアピールする際には、主体性があることもアピールしましょう。

素直である反面、人の意見に流されやすいのではないかと思われる可能性があります。企業で実際に働く際には、人の意見は素直に受け入れつつも、自分でも考えて主体的に行動することが大切です。

具体的なエピソードを交えて、主体性があることをアピールすることをおすすめします。どのように考えて、どのように行動したのかを十分に伝えましょう。

素直さの欠点も把握する

ES素直さをアピールするならば、素直さの欠点も把握することが大切です。素直さの欠点はあるか、素直さが裏目に出た経験があるかなど、面接に進んだ際により深堀して問われる可能性があります。

素直すぎると、人に指示されたことしかできない、さまざまな意見があったときに混乱してしまう、嫌なことがあったときに本音が漏れてしまうなどの欠点につながるかもしれません。

素直さの欠点を十分に把握し、欠点を補ったり直したりする方法を考えておきましょう。

素直さは書き方次第でより効果的な自己PRになる

素直であることは一般的に企業に好まれますが、その伝え方次第で他の応募者と印象の差をつけることもできます。自己PRの基本を押さえつつ、オリジナリティのある内容で作成することが重要です。

また、素直さが欠点にもなりうるという点をよく理解した上で、それをカバーするような内容を書くことで採用担当者に良い印象を与えることができるでしょう。

こちらの記事を参考に、選考を有利に進められるような自己PRを作成していきましょう。

自己PRで「適応力」をアピールする方法と注意したいポイント【例文あり】

自己PRで「適応力」をアピールするには?

コロナ禍などで急速に市場のトレンドや業務スタイルが変化していく現代、企業が社員に求めているのが「適応力」です。

業種・職種問わず、必須のスキルとなっており、新しい環境に接する機会が多い学生にとっては就活の自己PRでアピールしやすいポイントです。しかし、具体的にはどんなスキルなのかをよくわかっていない、という就活生の方も多いはずです。

今回は、企業が求める「適応力」とはどんな「力」なのかについてと、企業担当者に評価されるためのアピール方法を、例文を交えて解説していきます。

企業が求める「適応力」とは?

固定観念にとらわれず、柔軟に対応できる力

企業が求める「適応力」とは、「固定観念にとらわれず、柔軟に対応できる力」です。「柔軟性」とも言い換えることができます。

従来のやり方やこれまで自分がやってきたやり方に執着せず、状況やその場に応じて、新しいやり方を臆せず試すことができる力を指しています。

ビジネスにおいては、時代のニーズの変化や顧客の新しい要望に素早く対応できる能力となるため、重視されているといえるでしょう。

環境の変化にすぐに馴染むことができる力

新しい環境や、今までの環境に変化が起きてもすぐに馴染むことができる力、即ち「順応性」とも言い換えることができます。

ビジネスにおいては、部署異動や業務システムの変更など多くの変化が訪れます。その変化に戸惑うことなく、すんなりと受け入れられる能力が必要だと考えられています。

理不尽なことにもうまく対応できる力

自分に責任がないことで責められたり、責任を問われてストレスを感じても、自分自身と仕事を切り離して考えられる力のことです。「ストレス耐性」とも言い換えることができます。

ビジネスにおいては、顧客からのクレームや上司からの注意に対し、感情的にならずに指摘された内容を客観的に受け止めて対応しなければならないことが多くあります。自分の気持ちや感情を切り替え、業務に適応していくことが求められています。

「適応力」をアピールする構成とは?

<適応力を伝える構成>

  1. どんな「適応力」が自分の強みであるかを伝える
  2. 根拠となる「適応力」を発揮したエピソード
  3. その「適応力」によってどんな成果・結果が得られたか
  4. その「適応力」を仕事でどう生かせるのか

①どんな「適応力」が自分の強みであるかを伝える

まずは、先ほどの3つの「適応力」のうち、どの力をアピールするかを決めて冒頭に記載します。

単純に「適応力」と記載するのではなく、企業担当者が具体的にイメージできるよう、「固定観念にとらわれず、柔軟に対応できる適応力」など、「〜できる適応力」という表現で書くと伝わりやすいでしょう。

他の人との差別化をはかるためにも、書き出しは重要です。わかりやすく、興味を惹く一文を意識して作成しましょう。

②根拠となる「適応力」を発揮したエピソード

①に関連する具体的なエピソードを記載していきます。エピソードを記載する際には、「どのような状況で」「どんな」適応力を発揮したのかがわかるように書きましょう。

自分がスキルを発揮した経験ばかりに気を取られて、「どんな状況だったのか」の記載が疎かになりがちですが、企業担当者はあなたのことをよく知りません。

初めて会う人に向けて説明することを意識して、状況をわかりやすく簡潔に書くことが重要です。

③その「適応力」によってどんな成果・結果が得られたか

②の結果として、どのような成果が得られたのかを記載します。②の続きとして、「結果、どうなったのか」が明確にわかるように書いてみましょう。

この時注意したいのは、成果・結果が「〜だと思った」「〜と感じた」という主観的なものではなく、客観的に見て納得できるような内容であることです。自分の「適応力」で、周りや相手の行動にどんな変化・影響をもたらしたのかがわかるように記載しましょう。

また、バイトでの売り上げなど数値で示せるものがあれば具体的な数値を記載するとさらに効果的です。

④その「適応力」を仕事でどう活かせるのか

①で記載した「適応力」が応募する業種・職種でどのように活かせるのか、業務内容に絡めながら記載します。

この時にヒントになるのは、募集要項内の、職種のアピールポイントや求める人材、一日の具体的な業務内容について書かれた項目です。そこから自分がアピールしたい「適応力」が活かせる部分を引用して記載してみると、あなたがその募集職種にマッチしていることがわかりやすく伝わります。

あなたを採用するメリットを企業に感じてもらえるよう、仕事への繋がりを意識した自己PRにしましょう。

【経験別】「適応力」の自己PR例文

サークル活動

例文

私の強みは、環境の変化に順応できる適応力です。

私は登山サークルに所属していたのですが、メンバーと7泊8日の登山合宿に行った時に台風に見舞われました。他のメンバーは予定通りに合宿の行程を進めようと言いましたが、私は天候が悪化している時に先に進むのは、メンバーが負傷する恐れがあって危険だと主張し、予定外でしたが台風が過ぎ去るまで山小屋に一泊泊まることを提案しました。

通常ならコスト面も考え、全てテントで泊まることになっているのですが、安全面を考慮し山小屋に泊まることを提案し、実行しました。また、大学側とメンバーそれぞれの家族に、この状況と合宿が一泊延長になる旨を連絡するよう意見しました。

結果、メンバー全員が怪我もなく無事に下山することができました。このようなコストと安全面を考慮した上で、環境の変化に順応できる適応力は貴社の業務にも役立つと思っております。(400字以内)

「どのような環境の変化だったのか」という状況と、その状況に対する「順応力を発揮した行動」が具体的に書かれています。

冒頭にもどんな「適応力」をアピールしたいのかが書かれていますが、最後に再度はっきり記載していることで、企業担当者の印象に残る工夫がされているのが良い点です。

ただし、入社後の業務との関連性を持たせるために、「貴社の業務」について、「どんな業務なのか」がもっと具体的に書かれているとさらに良いでしょう。

ゼミ

例文

固定観念にとらわれず柔軟に対応できる力が、私の強みです。

大学のゼミで市場調査をすることになったのですが、調査を進めていったところ、私たちが事前に用意していた質問内容が市場の実態と大きくかけ離れていて、用意した質問を投げかけてもうまくヒアリングができないことが判明しました。すでに調査に入っており、数日間を費やしていましたが、このままでは期待できる調査結果にならないと思い、調査の中止とやり直しをゼミ内で提案しました。

ゼミでは反対意見もありましたが、市場の実態を知るという本来の目的を全員で再認識し、質問内容とスケジュールを見直し、再度調査を行いました。結果、意味のある調査結果を発表することができ、教授からは高い評価を受けました。

このような固定観念にとらわれず柔軟に対応できる力を、御社の営業提案でも活かしていきたいと思っています。(400字以内)

「想定外の変化」について具体的に書かれています。順応力を発揮した行動として、「提案した」と周囲に働きかける自発的な行動が具体的に記載されているのがポイントです。最後に、入社後の業務との関連性を持たせています。

さらに、営業提案のどのようなシーンで、この「適応力」を発揮したいのかが明記されているとさらに良いでしょう。募集要項の「求める人材」や「具体的な業務の一日の流れ」といった項目から引用するのがおすすめです。

アルバイト

例文

私には、理不尽なことにもうまく対応できる適応力があります。

アルバイトで、コールセンターのオペレーター業務をしていた際、ご自身で誤って申し込んだ有料サービスに対し返金を要求するというクレームの電話がかかってきました。サービスをすでに利用されていたため、会社側としては返金できない状況でした。そこで、「返金はできない」という事実を明確にお客様に伝えつつも、お客様の「間違えて申し込んでしまって悔しい」という感情面に寄り添い共感を示すことで、返金されないことにご納得いただき、クレームを完結させることができました。

感情に寄り添うということはオペレーターのマニュアルには明記されていませんが、このようなお客様側に原因があるクレームの場合には有効な手段です。このような理不尽なことにもうまく対応できる適応力は、御社の販売営業の仕事にも役立つと考えております。(400字以内)

エピソードの中で「理不尽さ」が客観的に納得できるように説明されています。順応力を発揮した行動として、臨機応変な対応を自身で積極的に選択し、実践したとわかるように書かれています。

自身の勝手な判断ではなく、まず「会社側の判断」や「マニュアル」を確認したことがわかるように書かれているので、「現状を一度受け止められる人だ」という印象を与えることができています。

その後に、「有効な手段」として自身の意見を書いているのも、単に「受け身」ではないことがわかるポイントになっています。

留学

例文

環境の変化に順応できる適応力が、私の強みです。大学時代、サンフランシスコに一年間の留学をしていたのですが、現地では英語が堪能な学生が多く、なかなか会話のスピードについていけませんでした。

そこで、まずは自分に興味を持ってもらうため、趣味であるサウナや温泉についてをクラスメイトに積極的に話すことにしました。すると、知らない文化をもっと教えて欲しいと言われることが増え、日本文化を伝える英語の勉強にもなり、半年過ぎた頃にはクラスメイトとの会話を楽しみながら英会話を上達させることができました。

帰国後もクラスメイトとの交流が続き、英会話の相手になってもらう代わりに、日本語や日本の文化について教えるランゲージ・エクスチェンジ(言語交換レッスン)を行なっています。このような環境の変化に順応できる適応力を、貴社の仕事でも活かしたいと考えています。(400字以内)

今回の「環境の変化」というのは、「自分自身が経験したことがない」という変化です。それが初めて読む人にも伝わるように「自分にとってどのような環境の変化なのか」という背景を説明する情報が含まれています。

環境に適応するために、どんな工夫をしたのかが具体的に書かれているので説得力があります。入社後の仕事との関連性を持たせるため、「貴社の仕事」についてもっと詳しく書いてあるとより良いでしょう。

【アピールポイント別】「適応力」を伝えるための自己PR例文

固定観念にとらわれず、柔軟に対応できる力

例文

私のアピールポイントは、固定観念にとらわれず柔軟に対応できる力です。

私がアルバイトをしていたファストフード店はいつも混雑しているのが課題で、行列待ちのお客様からのクレームも度々受けていました。私は混雑の原因は、お客様のメニューを選ぶ時間にあると考え、メニューをレジのカウンターだけでなく、レジに並んでいる時にも見えるように配置を変えました。

その結果、レジでの注文がスムーズになり、待ち時間の短縮だけではなく、月間の売り上げがさらに上がったと店長から評価されました。

このように課題に対し、柔軟に対応できる力を御社の企画提案の業務でも活かしたいと思っています。(300字以内)

積極的に「柔軟に対応した」行動が具体的に書かれています。その結果、どんな成果・結果が得られたのかについても記載されているため、成功体験のエピソードとして成り立っています。

今回のケースでは難しいかもしれませんが、売り上げがどれくらい上がったのか、具体的な数値を記載しておくとさらにわかりやすくなります。

環境の変化にすぐに対応できる力

例文

私の強みは、状況に応じて対応できる適応力です。

大学で放送研究会に所属しており、文化祭で校内で実施されている音楽ライブの実況を行いました。初めは予定通り進んでいたのですが、音楽ライブの機材トラブルにより、ライブが一時中断してしまう事態が起こりました。放送を中止すべきか研究会内で話し合いが行われましたが、無音になるよりはお客さんを喜ばせたいという一心で、実況ではなく、ライブの出場者を呼んでトークすることを提案し、実施しました。

結果、文化祭中の音楽ライブの認知度が上がり、出場者の裏話も聞けたとのことでお客さんからのアンケートでは好評だったという結果が出ました。このように急なトラブルにも冷静に対応する適応力は、御社の企画提案業務にも役立つと考えています。(350字以内)

このエピソードの「環境の変化」とは「状況の変化」、つまり予期せぬトラブルを指しています。突発的なトラブルが発生した時に、周りの意見に流されず、自分の意見をしっかりと持ち、積極的に提案できる人物であることもアピールすることができます。

また、自分一人で判断するのではなく、周りと相談できるコミュニケーション能力があることもアピールできています。入社後の仕事との関連性を持たせるため、「御社の仕事」についてもっと詳しく書いてあるとより良いでしょう。

理不尽なことにもうまく対応できる力

例文

理不尽なことにもうまく対応できる適応力が私にはあります。

アルバイトで雑貨店の販売員をしていたのですが、人気の限定品がすぐに売り切れることに対し、「もっと入荷数を増やしてほしい」というご意見をお客様からいただくことが多くありました。上司に入荷数を増やすことを相談したのですが、入荷数は増やせないと言われ困っていました。そこで、私は近隣店舗の在庫を調べたり、在庫のある類似商品をお客様に案内するようにしました。そのうち、だんだんと「親切なお店」と嬉しい声をいただくことが増え、類似商品を購入してくださる方や常連のお客様が増えました。

このようなどうにもならない理不尽なことにもうまく対応できる適応力は、御社の仕事にも役立つと考えております。(350字以内)

「理不尽さ」について本人の主観ではなく、客観的に納得できるように説明されています。順応力を発揮した行動としてその結果、どんな成果・結果が得られたのかについても記載されているため、成功体験のエピソードとして成り立っています。

今回のケースのように、数値化できない成果の場合も、周囲の反応の変化を具体的に書くことでわかりやすくアピールすることができます。

「適応力」をアピールするときのポイント

企業が求めている人材を意識して内容を書く

「適応力」をアピールする時のポイントは、まず、企業が求めている人材を意識して内容を書くことです。企業が求めているのはどんな人材なのかを知るには、応募する予定の募集要項を確認してみましょう。

企業が求める人材の特徴と自分がアピールしようとしている「適応力」がマッチしているかを確認することが重要です。

たとえば、マニュアルに沿って行うことや、ルールを遵守することが求められる業務内容なのに、「固定観念にとらわれない適応力」をアピールしてもあまり効果的でないどころか、企業側から「この人はマニュアルやルールを守ってくれなさそうだ」と思われ、逆効果になりかねないため、注意が必要です。

経験からの学びと会社での仕事に関連性を持たせる

エピソードを記載する際には、応募する企業の募集要項に書かれた業務内容に注目しましょう。

チェックするポイント
  • 求める人材
  • 1日の業務の流れ
  • 先輩の声

上記のような項目を見ながら、自分のアピールしたい「適応力」が、仕事のどんなシーンで活かせそうか結びつけてみてください。この時「仕事のこのシーンと、自分の体験がリンクする」と発見することもあると思います。

アピールしたい「適応力」やエピソードを先に決めてしまうよりも、まず募集要項をじっくり読み、自分の強みが発揮できるのはどこなのかをよく考えてから書き出す方が内容にマッチするかもしれません。

全く関連性のないエピソードや学びを書いても企業側からは「なぜこのエピソードを書いたのだろうか?」と疑問を抱かれてしまい、効果的ではありません。志望企業にマッチした内容を書くことが大切です。

他の人と差別化する!「適応力」をより魅力的に伝える書き方

「適応力」を別のワードに言い換える

「適応力」をより魅力的に伝え、他の就活生と差をつけるためにおすすめなのが、「適応力」を別のワードに言い換えることです。

例えば、下記のような言い換えが可能です。

  • 柔軟性がある
  • 変化にすぐ馴染める
  • 臨機応変に対応できる
  • 置かれた環境に合わせられる

「適応力」とは数値化できない能力なので、就活生にとっては自己PRに使いやすいワードです。ゆえに、企業担当者から見るとありきたりな印象を持たれ、目を惹くのが難しいことが懸念されます。

そこで、あえて「適応力」と書かず、別の言葉に言い換えることで、書き出しで差別化をはかることができます。興味を惹く一文を作成できるよう、言い回しを考えてみましょう。

過去のエピソードとその「適応力」を絡めて書く

企業担当者が、あなたの「適応力」をイメージしやすくなるようにエピソードでは「適応力」を発揮した具体的なシチュエーションと、どんな結果をもたらしたのか、どう評価されたのかを書くようにしましょう。

企業はあなたのエピソードから、その強みを企業でどう活かせるのかを見ています。そのため、会社で働く姿がイメージができるような文章を心がけましょう。

適応力をアピールするときは、エピソード部分が、単なるあなたの武勇伝自慢話にならないように注意が必要です。

その「適応力」が入社後にどう活かせるかを書く

企業側は募集職種にマッチする特性を持った人を探しています。募集職種の業務内容や「先輩の声」「1日の業務の流れ」などをチェックし、あなたの「適応力」が、業務のどんなシーンで活かせるのかがわかるように書いていきましょう。

業務のシーンを具体的に記載することで、企業研究を徹底して行っていることが伝わり、企業側にわかりやすくアピールできます。

自己PRで「適応力」に関して書くときの注意点

自分の意見をしっかりと書く

「適応力」とは柔軟性があることや理不尽なことにも対応できる能力ですが、周りや他人の動きに従うばかりでは、「本人は何も考えていないのではないか?」と捉えられてしまう可能性があります。

エピソードを書く時には、その体験の中で「自分はこのように思ったので、このような行動をしました」といったように、自分の考え・意見はしっかりと持っているということが伝わるようにまとめましょう。

積極性があることをアピールする

「適応力」とは周りや相手の状況によって自分を変化させる能力ですが、それが行きすぎると「受け身」「指示待ち人間」だと思われてしまう可能性があります。

特に「柔軟性」や「順応性」を発揮したエピソードの場合には注意が必要です。周囲や環境に合わせただけなのでは?という印象にならないように、あなたが「自発的に提案した」「自ら行動した」ことがはっきりわかるように書くことが大事になってきます。

仕事と結びつきが強いエピソードを書く

自分の多くの体験から一つのエピソードを選ぶ段階で、応募したい仕事との関連性があるかどうかを考えてみましょう。

順番として、自分がアピールしたいエピソードを先に選ぶよりも、まずは職種や業務内容についてじっくり調べて、仕事に関連付けられるエピソードを選ぶ、というやり方がスムーズに書けます。

見落としがちなポイントとして、会社の社風や、内資外資などの特徴とも関連性がないか調べてみるのも有効です。

自己PRで「調整力」を効果的にアピールする方法を徹底解説!【例文あり】

企業は「調整力がある人材」を積極的に採用したいと考えています。調整力を持つ人材は、周囲と協力しながら目標達成に向かう力を持っているからです。調整力に強みがある学生は、積極的にアピールしましょう。

また調整力は大きな実績がなくてもアピールできます。この記事では、自己PRで「調整力」を魅力的にアピールする際のポイントや注意点を解説しています。

ESの自己PRでは「企業が求める人材」を意識しよう

自己PRは「企業が求める人材と自身の強みのマッチ度をアピールする場」であるということをまずは理解しましょう。どんな魅力的な強みでも、応募する企業が求める人物像にマッチしていなければ採用担当者の関心を得ることはできません。

また、今回のテーマでもある「調整力」は、「対立する意見をまとめる力」「チームを団結させる力」など、幅広い意味を持ちます。希望する企業や職種が、どんな性質の調整力を求めているのか、または、どんな調整力をアピールすれば効果的に伝わるか、なども事前に確認しておきましょう。

企業が社員に「調整力」を求める理由

仕事をスムーズに進められる

調整力がある人は、日頃から円滑なコミュニケーションを取り、周囲と信頼関係を築いていることが多いです。そのため問題発生時など周りとの連携が必要な場合も、関係者とすばやく協力し仕事をスムーズに進められます。

問題が発生してから周囲と連携を取り始めるのではなく、既に信頼関係が築けていれば、関係性を作る時間や問題解決に対応する時間が減り仕事の効率化が測れます。仕事を効率化できれば、関係者全員が円滑に仕事を進めることができます。

このように調整力がある人を雇うことは、社員全員の仕事の効率化につながるのです。

利害の対立を解消できる

仕事では、利害が対立する場面が多くあります。調整力がある人は、利害が対立する場面でも両者の意見を聞き入れ調整し解決策を講じることができます。また人脈づくりが上手く、人脈をいかした情報収集能力にも優れています。

調整力がある人には、日ごろから周りの情報が集まりやすいので、利害の対立が起こりそうな場面も想定できます。対立を想定できていれば解消策も見つけやすく、また未然に防ぐこともできます。

企業は調整力がある人に対し、周囲の状況や意見を考慮した上で、関係者全員をゴールへと導いて欲しいと期待しているのです。

リスクに気づくことができる

仕事上では、リスクがつきものです。調整力がある人の「人脈をつくる力」「情報を収集する力」は、仕事上のリスク管理にも役立ちます。日ごろから周囲の状況を把握しているからこそ、リスクが起こりそうな兆しにもいち早く気づくことができるのです。

企業は長く生き残っていくことがとても大切です。そのためには、損失がでる事態はできるだけ避け、それでもなお起こってしまった事態に対しては損失を最小限にとどめなければいけません。

リスク管理能力が長けている調整力がある人は、企業の生き残りのために欠かせない人材なのです。

目標達成へ向かう力

調整力がある人は、さまざまな状況を考慮したうえで目標を示し、全体を成功へ導くことができます。

企業は収益の拡大や、顧客満足度といった目標や目的をもって活動しています。そのため目標達成にこだわる人材は特に必要とされています。

企業が「調整力」をアピールする学生に対しイメージするのは「企業が掲げる目標に積極的に関わってくれるだろう」「さまざまな状況を考慮し、周囲を巻き込んで目標達成に向かってくれるだろう」という姿です。

合意形成へと進める力

調整力があれば、集まってくる情報をもとに関係者の潜在ニーズに気づき、全員が納得する形で合意を得ることができます。

利害関係が生まれやすいビジネスの場では、取引先や顧客などの潜在ニーズを捉えることがビジネスを発展させていくために重要なことです。潜在ニーズに気づくためには、日ごろから周りの人と関係を深め信頼関係を築く調整力が必要なのです。

企業は調整力のある人に対し「相手の目的や状況を理解し潜在ニーズに気づく力」「関係者が納得できる折衷案を提示し合意を得る力」に期待しているのです。

自己PRで「調整力」を魅力的に伝える書き方のコツ

構成はPRET法を意識する

PREP法

Point:結論(アピールポイント)
Reason:理由
Example:具体例(具体的なエピソードや経験)
Point:結論

自己PRを書く際は、シンプルながら要点が伝わりやすい「PRET法」を意識して書くことをおすすめします。PRET法は「Point:結論」「Reason:理由」「Example:具体例」「Point:結論」という順序で構成する手法です。

PRET法の特徴は、書き出しに結論(アピールポイント)を一文で端的に述べるところです。初めに結論を述べることで、相手が読み初めから文章の内容を把握できるからです。

続いて、結論を裏付ける理由や具体例を述べます。相手の「なぜそう言えるの?」という疑問に答える内容にするとわかりやすい文章になります。そして最後に、もう一度結論を述べます。

再現性のあるエピソードを書く

結果を裏付けるエピソードに特別な経験や実績は必要ありません。人間性をアピールする場合は、輝かしい実績よりも、その人間性を身に着けるために主体的に動いた過程が重要です。結果に捉われず、自分の強みを発揮できたエピソードを選びましょう。

またエピソードを選ぶ際は「再現性がある」と評価されるものがおすすめです。例えば、意見の対立があっても円満に解決したエピソードや、問題発生時も周囲と協力して解決できたエピソードなどです。ビジネスの現場でも起こり得る事態も「調整力」を発揮して解決できた人材は、入社後もその能力を発揮して活躍してくれると企業は期待してくれるでしょう。

学んだことを仕事でどのように活かすか伝える

文の最後には「エピソードから学んだことを仕事でどのように活かすか」を伝えます。入社後も調整力を発揮して活躍したいという意欲を伝えることで、企業はあなたを入社させることにメリットを感じます。

例えば、下記のような表現で伝えると効果的です。

  • チーム内の課題を見つけながら、周囲と協力して業務に取り組みたい。

  • 入社後も相手を尊重しつつ、目標達成のために取り組みたい。

  • 意見の対立があっても粘り強く交渉する力は、営業の仕事でも役立つと思います。

  • 培った調整力を活かし、貴社の売上アップに貢献したい。

  • 双方の立場で物事を調整した経験は、貴社の○○という仕事でもお役に立てると思います。

別の言葉で言い換える

調整力は別の言葉で言い換えることができます。場合によっては、調整力よりも他の言葉で言い換えた方が効果的に伝わる場合もあるため、言い換えの表現を下記で押さえておきましょう。

  • 協調性
  • 相手のニーズを引き出す力
  • 傾聴力
  • 合意を得る力
  • リーダーシップ

このように調整力を別の言葉で言い換えることによって全く異なる印象を与えることができます。企業の求める人物像を把握した上で最適な言葉で言い換えるようにしましょう。

上記のように言い換えた場合の例文は本記事後半の「調整力」を言い換えて書く例文」で紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。

サークル

例文

私の強みは、調整力です。周囲の意見を取り入れつつもブレずに目標達成に向かうことができます。学生時代はサークルの部長を務め、特に多い運営側の意見でもあった「新入部員の対応が大変」「加入後すぐに辞めてしまう部員が多い」という問題に取り組みました。

私は、①入部できるタイミングを「随時」から「年3回」へ変更することと、②入部前にサークルの規約を渡し質問を受け付けることを提案し、周囲の合意を得て実行しました。

「入部時期に制限を付けることで新入部員の数が減るのではないか」という意見もありましたが、結果は、入部を希望する人数の減りはありませんでした。加えて、運営側の負担軽減と入部後すぐに辞める部員数を大幅に減らすことができました。

仕事においても、チーム内で意見が分かれた際は、周囲の意見を取り入れつつ、目標達成に向けて最善の選択を心がけたいです。(400字以内)

新入部員対応を行う運営側と、入部後不安や疑問を抱え辞めてしまう新入部員、両方の意見を反映させる解決策が示されており、調整力があることが分かります。

また周囲の意見を取り入れつつも目標達成に向けて信念を通す姿は、調整力の高さをアピールできています。

アルバイト

例文

私の強みは、目標達成のために計画を調整し立て直すことができる「調整力」です。家庭教師のアルバイトでは、部活と勉強の両立に悩む学生を担当しました。当初は平均点を下回る状況だったので、成績を今より10%上げる目標をたて、すぐに学習計画の見直しに取り掛かりました。

計画を立て直すにあたり、生徒が勉強より部活に比重を置きたい期間は、生徒の思いを尊重し学習時間を減らすなど生徒の気持ちに寄り添いました。一方で、学習時間を減らす場合は、通学時間や早朝など隙間時間に取り組める教材を充実させたり、確認テストの頻度を増やすなどして知識の定着に力を入れました。その結果、生徒の成績もあがり目標を達成することができました。

仕事においても、問題が発生した場合は、敏速な状況把握と柔軟に計画の立て直しに取り組み、目標達成を目指したいです。(400字以内)

結果が出ていない状況から新たな目標を立て、その後すぐに行動に移せた姿は、調整力があることを示しています。

また、生徒の気持ちを尊重し学習時間を減らすだけではなく、学習時間を確保する対策も提案している姿は「難しい状況でも諦めずに目標を達成しようとする強い意思」が伝わります。

部活

例文

私の強みは、人と人の間に立って円滑に物事を進める調整力です。

大学ではバレー部のマネージャーを務めました。その当時、キャプテンと副キャプテンの考え方の食い違いによって、練習メニューが定まらず部員全体が同じ目標を持てない状況が続いていました。

私はキャプテンと副キャプテンだけではなく、部員全員の意見を聞き考えを整理する中で「大会で勝ち上がりたい」という気持ちの共通点を見つけ、双方に伝えました。その結果、お互いの意見を聞き入れてくれるようになり、徐々にわだかまりが溶けていきました。大会では惜しくも負けてしまいましたが、全員で話し合い同じ目標に向かって戦えた経験は、大きな学びとなりました。

入社後も調整力を活かして、チームの仲介役として役割を果たしたいです。(350字以内)

対立する意見の間に立って双方の共通点を見出し、チームが一丸となるための働きができており、調整力があることを示せています。

また双方の意見をただ伝えるだけでなく、部員全員の意見を聞き整理できているところも評価されるポイントです。

「調整力」を言い換えて書く例文

「調整力」は「多様な意見を取り入れることができる」「相手の話を深く聞き、相手を尊重できる」など、さまざまな能力が含まれます。調整力を「協調性」「相手のニーズを引き出す力」「傾聴力」といった言葉に言い換えてアピールするのも効果的です。

採用担当者があなたの特徴を想像しやすいように「多様な意見を取り入れ、周囲と協力できる」「自分の意見を一方的に説明するのではなく、質問力を使って相手のニーズを引き出す」など、伝え方を変えることで他の応募者と差別化ができます。

調整力を「協調性」に言い換えた例文

例文

私の強みは、協調性です。多様な意見を取り入れ、周囲と協力して目標達成に貢献します。

大学時代に文化祭の実行委員会でダンスコンテストの担当をしましたが、実行委員の中でも、担当以外の出し物には関心が薄く、どんな出し物があって誰が担当しているのかなど把握しにくい状況でした。

そこで私は、みんなで協力して文化祭を盛り上げたいと考え、他の企画にも積極的に声をかけ、全体で話し合う機会をつくるなどして周囲との交流をとることを心がけました。

結果、文化祭は盛況に終わり、観客数も前年比2倍を達成しました。

入社後も良好なコミュニケーションを心掛け、周囲と連携して目標達成に貢献したいです。(300文字以内)

どんな仕事でも一人では完結しません。周囲と適切にコミュニケーションを取り、周りの状況を理解しながら気配りができる協調性は魅力的なアピールポイントです。

調整力の中でも「対人関係を作る力」「意見をまとめる力」を発揮したエピソードがあれば、「協調性」を強みとしてアピールした方が効果的に伝わるかもしれません。

協調性をアピールする際は、「馴れ合いな関係」と伝わらないように注意しましょう。馴れ合いの関係は、向上心や目的意識が低い印象をあたえます。あくまでも周囲と良い関係を築き成果を出す「協調性」をアピールしましょう。

調整力を「相手のニーズを引き出す力」に言い換えた例文

例文

私の強みは、相手のニーズを引き出す質問力です。自分の意見を一方的に説明するのではなく、質問力を使って相手のニーズを引き出し成果に繋げます。

学生時代はアパレル販売のアルバイトをしました。接客する際には、いきなりおすすめの商品を案内するのではなく、初めにお客様がリラックスしてお買い物ができる環境を整えます。次にお客様がお探しのアイテムの質問を投げかけ、ニーズを引き出します。こちらから商品案内を積極的に行うのではなく、まずはお客様の声に耳を傾けることを心掛けました。丁寧な接客を心掛けた結果、アドバイザーとしてたくさんの指名をいただけるようになりました。

私は相手のニーズを引き出す為には、「信頼関係の構築」と「適切な質問」の二段階が必要だと考えます。入社後は質問力を活かし、貴社の売上アップに貢献したいです。(400字以内)

相手のニーズを引き出すための「質問力」は、相手の意見を聞き調整していく「調整力」と重なります。

例文のように、輝かしい実績はなくても、成果を出すために必要な手段を学んだ経験は、結果を裏付ける魅力的なエピソードです。

相手の潜在的ニーズを理解する力がある人材は、相手の中にあるニーズを引き出すための「質問力」が優れています。効果的な質問をするための要素でもある「情報整理力」「説明が上手」といった特徴が調整力と重なります。

調整力を「傾聴力」に言い換えた例文

例文

私の強みは、傾聴力です。環境や価値観が違う相手に対して、相手の話を深く聞き、尊重する姿勢で信頼関係を築き成果に繋げます。

学生時代は、異文化交流のセミナーやイベントに積極的に参加しました。初めは、価値観が違う外国の方との交流を難しく感じる場面もありました。しかし、相手の表情や話の背景を読みとり、話を深く聞くことで良好な信頼関係が築けることを実感しました。卒業前にはイベントを主催するお手伝いにも参加し、異文化交流の楽しさ、難しさを沢山の学生に伝えられたことが私の喜びです。

外国の方と信頼関係を築けた経験を活かし、インターナショナルな貴社において様々な背景を持つスタッフの方と協力して業務に取り組みたいと考えています。

(350字以内)

良好なコミュニケーションを取るために欠かせない「傾聴力」は、相手の話を聞き成果に繋げる「調整力」と重なります。

相手の立場や意見、感情に寄り添い真摯に向き合う人は、周囲からの信頼も得ることができます。

企業にとって、社内外スタッフやお客様と信頼関係を築き深めていける人材は、とても貴重な存在です。ですから、信頼関係につながる傾聴力をうまくアピールできれば、採用担当者の関心を得ることができるでしょう。

また外国の方との交流で多彩な価値観に触れ、価値観の違いに対応できた経験は、傾聴力をアピールするのにおすすめのエピソードです。お持ちの方はぜひアピールしましょう。

調整力を「合意を得る力」に言い換えた例文

例文

私の強みは、合意を得る力です。対立する意見に対しては、双方が納得できる折衷案を提示し合意に向けて積極的に働きかけます。

学生時代のアルバイトでは、作業の進め方に不満を持つ2つのグループがありました。私はリーダーとして話し合いの場を設けるにあたり、事前に双方の現状を聞き折衷案を作りました。そして「お互いの現状を知ってもらうこと」「何のために作業しているのかという目的の共有」を意識し話し合いを行いました。

話し合いでは「誰が・いつまでに・何をするか」といった細かな手順も明確に決め、今後、疑問や不満が出ないようにルール化しました。その結果、作業の進め方への不満の声はなくなり、安定した成果を出せるようになりました。

私は対立する意見を円満に解決するためには、互いの現状を理解し合うことや、目的の共有、共通のルール設定が重要だと考えます。

入社後はこの合意を得る力を活かして、周囲と協力して売上向上に貢献します。(450字以内)

周囲に合意を得るためには、人と人との間に立って意見をすり合わせる調整力が必要です。

自分の意見や現状を分かりやすく説明する伝達力と、意見や立場が違う相手に納得してもらう2つの力が必要になるので、一度で2つの強みを伝えることができるでしょう。

また企業は、合意を得ることが目的ではなく、合意後の結果が良いか悪いかを重視します。自己PRで「合意を得る力」をアピールする際は、合意後の結果も伝えるようにしましょう。

調整力を「リーダーシップ」に言い換えた例文

例文

私はリーダーシップを発揮できる人材です。リーダーは、チームを力強く引っ張るだけでなく、メンバーの意見や状況を理解しバランスをとりながら前進させる調整力が重要だと考えます。

学生時代のゼミの研究ではリーダーを任されました。グループ研究では、メンバー同士が意見を出し合うことが大切ですが、最初は遠慮から意見が出にくい状況でした。私は自分が率先して意見を出すことが活発な意見交換につながると思い積極的に発表しました。しかしリーダーである私の意見は通りやすく、かえって他のメンバーの発言機会を奪っていると感じました。

そこで私は発言するだけでなく、できるだけメンバーに話を振るように心がけました。その結果、周りからも意見が出るようになり、メンバー全員で良い議論ができるようになりました。リーダーには力強いリーダーシップと同時に、周囲の意見を聞き調整しながらチームを良い方に導く力が重要だと考えます。

この経験を活かし、入社後も意見やアイデアが出しやすい雰囲気づくりを心がけ、周囲と協力して売上向上に貢献したいと考えております。(500字以内)

チームの雰囲気やメンバーの個性に合わせてリーダーシップのとり方を工夫したことが再現性につながっています。

思考や価値観が多様化する現代においてリーダーに求められるのは、メンバーの持ち味を活かしつつ周囲と連携させる調整力です。

リーダーシップに合わせて調整力をアピールすることで、時代に合ったリーダーシップスキルを示すことができます。

また企業では調整した結果が重視されるため、リーダーシップを発揮しチームのために行動した結果、どのような成果を得たのかも伝えるようにしましょう。

自己PRで「調整力」をアピールする際の注意点

企業が求める人物像とマッチしているか

調整力のアピールが企業が求める人物像と合致しているかどうかを見極める必要があります。積極性やリーダーシップなどを求める企業に対して調整力をアピールすることはあまり効果的ではありません。

そのため、企業研究をしっかりと行い、調整力が効果的なアピールに繋がるかどうかを判断する必要があります。

エピソードを複数用意する

調整力をアピールする場合、裏付けるエピソードは複数用意しておくようにしましょう。エピソードが1つだけでは、調整力があるということを断言するのは難しいです。

調整力を生かしてこれまでどんなことにチャレンジしてきたのか、乗り越えてきたのかなどが伝わるエピソードを複数用意しておくことで、面接などで深掘りされた際に答えられるようにしておきましょう。

ネガティブな印象を与えないようにする

調整力には「共感」や「コミュニケーション」が重要ですが、伝え方を間違えると「どんな考えにもすぐに同調する」「自分の意見がない」「その場しのぎで調整した」といった印象を持たれてしまう可能性があります。

また、ビジネスの現場で評価される「調整力」は、「グループや関係者を良い方へ導く調整ができたか」「成果につながる調整ができたか」ということが重要視されます。

そのため調整力をアピールする際は、何のために調整したのか、結果はどうだったのか、調整した相手も良い方へ導けたのかどうかもあわせて伝えましょう。

調整力を魅力的にアピールしよう

ビジネスの現場では、関係者と協力し業務を進める場面がほとんどで「調整力」を持つ人材は重宝されます。

採用担当者の関心を得る魅力的な自己PRにするために、企業がどのような性質の調整力を求めているかをあらかじめチェックし、自己PRの作成を開始することがポイントです。

また採用担当者にできるだけわかりやすく伝えるために、調整力を細分化し別の言葉で説明したり、身に着けた調整力を仕事でどのように活かすかを具体的に示すことができれば採用の確率も上がります。

「調整力」の中でもどんな部分が自分に長けているのかをよく分析し、最大限に自分の魅力が伝わるようにアピールしていきましょう。

ESの趣味・特技の書き方|50字・100字・200字指定の例文あり

エントリーシート(以下、ES)の趣味・特技欄に書く内容には、それぞれの違いや就活に適した趣味・特技、書き方など、気を付けなければならないポイントが複数あります。

ESの趣味・特技欄の字数には明確な基準がなく、企業によって「30字」「50字」「100字」「200字」など、文字数を指定される場合があります。その際、文字数に応じた書き方をすることで、人柄を効果的に伝えることができます。

本記事では、ESの趣味・特技欄の正しい書き方と効果的に伝えるポイント、趣味・特技の見つけ方や例文まで解説します。ライバルとの差別化を図り、ES全体の魅力を高めていきましょう。

ESの趣味・特技欄で「合う企業」を引き寄せる

ESに無駄な項目はなく、どの質問項目にも企業の意図があります。趣味・特技欄は人柄の判断材料であり、人柄からは仕事の適性や社風への適合が判断できます。つまり、企業は「会社に合う人材」を探すために、趣味・特技欄を設けています。

どんなに好きな仕事でも、合わない会社に勤めるのは苦痛です。適性のある仕事を長く続けるには、あなたにぴったりの会社と巡り合う必要があります。社風への適合が判断できる「趣味・特技」は、就活生にとってマッチングの役割を果たします。内容を充実させることで、「合う企業」を引き寄せられます。

ESの趣味・特技欄で企業が確認する4つのこと

仕事への適性があるか

企業は趣味・特技から人柄を読み取ります。人柄からは仕事の適性を判断できます。例えば明るく他人を気遣えるなら、顧客や取引先とも関係を円滑に構築できるでしょう。独創的でアグレッシブなら、「若きアイデアマン」としてプロジェクトを引っ張れます。

あなたの人柄と仕事に求められる人物像を比較することで、適性を判断できるのです。

人柄が社風に適合するか

趣味・特技には人柄や性格が強く現れます。企業にとっては、社風との適合を見極める良い材料です。社風に合わない人は力を発揮できないだけでなく、社員と協調して仕事ができません。

そのため、社風に合わない人柄の場合は早期離職に繋がり、採用コストが無駄になる恐れがあります。企業は「自社に合う人材」を採用するために、趣味・特技欄を最大限利用しています。

継続力を持ち仕事にあたれるか

長く続けた趣味・特技は継続力の証拠になります。どのような仕事にも継続力は不可欠です。途中でやめてしまっては、知識やスキルが身につきません。趣味・特技はガクチカよりも長いスパンで記述できます。趣味・特技を極めた経験(実績)があれば、企業は安心して採用することができます。

同じ姿勢で仕事ができるか

趣味や特技には価値観が強く現れます。一つのことに熱中して極める、浅く広く知識を広げるなど、意識せずとも自分の価値観に基づくアプローチで趣味・特技に取り組んでいるはずです。

企業はあなたの趣味・特技への取り組み方を、仕事の姿勢に重ねて見ます。社員と同じ姿勢で仕事ができることを確認しているのです。

ESにおける趣味・特技の違いとは?

趣味は熱中し継続的に行ってきたこと

趣味はあなたがこれまでの人生で、夢中になり長く続けたことです。嫌々続けたことや、短期間でやめてしまったことは趣味とは言えません。中でも「好きでたまらないもの」や「強く情熱を傾けたもの」には、価値観が強く現れるため、人柄を伝えるために活用することができます。

特技は実績や能力を誇れるもの

特技は他人と比較して秀でた能力です。「人生の誇りにできるもの」「他人に堂々と提示できるもの」を挙げると良いでしょう。コンテストの入賞や資格の取得経験など、成功体験を伴うと説得力が増します。趣味以上に努力を表現しやすいため、ES向きと言えるかもしれません。

ESでは学びが多い項目を選ぶと強い

ESの「趣味・特技欄」には、趣味・特技のどちらを書いても構いません。大切なのは「学び」があることです。学びが多いほど人柄を把握しやすく、仕事の姿勢に繋げた判断が容易になります。

例えば旅行とゲームで迷った場合、学びの量を比較します。旅行からは「価値観の多様性」と「コミュニケーションの大切さ」を、ゲームからは「限られたフィールドで創育工夫する楽しさ」を学んだとしたら、学びが多い旅行を選択するのが妥当です。

自分の強みや人柄が表れ、仕事に関連する学びがあるものや、仕事のイメージに結びつけられるものを選びましょう。

ESでアピールできる趣味・特技を見つける方法

【趣味】日常生活から掘り起こす

際立って趣味と言えるものがない人も、物事に真剣に取り組んだ経験はあるはずです。これまでの取り組みを紙に書き出し、趣味と呼べるものはないか検討してみましょう。日常生活を見渡すことで、見過ごしているものの中にも、趣味に挙げられるものがあるかもしれません。

例えば日々料理に精を出している場合、「人のためになる喜び」「おいしさのため創意工夫する楽しさ」などの学びがあるでしょう。継続する中で得られた学びは、十分なアピールポイントになります。

【趣味】苦にせず継続できた経験を考える

日々自然に続けていることの中にも、趣味にできるものが隠れているかもしれません。苦にせず続けられるのは、自分に合っているためです。誰もが続けられるわけではないと考えれば、趣味に挙げても不自然ではありません。

例えば朝の散歩を年単位で続けている場合、目的が「体力づくり」「健康のため」でも、継続力のアピールになります。「同じ景色の中にも変化を見つける大切さ」や「リフレッシュの効能」を実感しているのであれば、学びの内容にも不足はありません。

【特技】学業やアルバイトでの成功体験を挙げる

特技は、自身の秀でている部分に自覚的になることで見つかります。特に学業やアルバイトでの成功体験は、特技に繋げやすいでしょう。

アルバイト先で商品POPを自作し、客からの評判も上々ならば、「販促物作成」や「商品に応じたデザイン」を特技に導けます。技術レベルが高くなくても問題ありません。「人のためになった」成功体験があり、学びが得られたことが重要です。

【特技】長所と結びつける

長所から特技を導くこともできます。長所はあなたが得意とする能力や魅力的な人柄です。「長所を存分に発揮できるスキルは何か」を考えることで、書くべき内容が見つかります。

「リーダーシップ」を長所としてアピールした人は、仲間を引っ張り頑張った経験から特技を考えましょう。部活でチーム編成に試行錯誤し、見事勝利を勝ち取ったなら、「戦略づくり・実行」が特技に挙げられます。

長所と特技が結びつくことで、一貫した魅力を伝えられます。ES全体がまとまりを持ち、より強い説得力が生まれます。

【特技】企業が求める人物像から逆算する

企業が求める人物像を把握していれば、逆算して考えるのも一つの手です。例えば新入社員に「フレッシュな感性でアイデアを出すこと」を期待する会社なら、独創的な特技が評価されるでしょう。イラストや文章執筆、作曲など芸術系の特技が最適です。創作要素が強いパソコン系の内容を挙げても良いかもしれません。

企業の求める人物像に合わせれば、評価が低くなることはまずありません。ただし嘘や誇張は面接で露見する可能性が高いため、経験がない内容は書かないようにしましょう。

ESに書ける趣味・特技の具体例

スポーツなどの体を動かすアクティビティ

体を動かすアクティビティの例
  • スポーツ経験全般
  • スポーツ観戦全般
  • ジム通い
  • 筋トレ
  • ウォーキング(散歩)
  • サイクリング
  • ジョギング
  • マラソン
  • 乗馬

スポーツや身体を動かすアクティビティは、結果を示しやすい点でES向きです。試合や大会での実績はもちろん、身体やメンタルの変化を記述しても説得力があるでしょう。自身の変化に気づきやすいため、学びの内容も多く書けます。

音楽や美術など芸術系の趣味・特技

芸術系の趣味・特技の例
  • 楽器の演奏
  • 音楽鑑賞
  • 絵画・イラストの制作
  • デザイン全般
  • 美術鑑賞
  • 映画鑑賞
  • 映画作品評論
  • 写真撮影
  • 動画撮影
  • 舞踊全般
  • ファッションコーディネート
  • ヘアメイク
  • メイク
  • ネイル

芸術系の趣味・特技は高い独創性やみずみずしい感性を伝えられます。仕事で武器になりやすいため、企業も高く評価するでしょう。ただし、専門的になりすぎないよう、知識がゼロの人にも伝わるよう記述しましょう。

語学や資格

語学や資格の例
  • 外国語習得
  • 外国語会話
  • 異文化研究
  • 外国人との交流
  • 簿記
  • 漢字
  • 不動産の専門知識(宅建士)
  • 保険の専門知識(ファイナンシャプランナー)
  • 危険物の取り扱い(危険物取扱者)
  • 色のコーディネート(カラーコーディネーター)

語学や資格には実務に繋がりやすいメリットがあります。内容によっては即戦力としての期待を得られる反面、中途半端だと面接で深掘りされる可能性があります。内容の説明よりも、知識習得を通した「学び」にフォーカスするのが賢明です。

なお、資格そのものは資格欄でもアピールすることができます。資格を特技に挙げるのではなく、「不動産の専門知識」「危険物の取り扱い」など、技能を前面に出しましょう。

プログラミングや動画編集などパソコン系

パソコン系の趣味・特技の例
  • プログラミング
  • ロボットプログラミング
  • 動画編集
  • アプリ制作
  • CG制作
  • Webサイト作成
  • サイト運営・Webマーケティング
  • DTP
  • DTM
  • エクセル関数
  • エクセルマクロ・VBA
  • パワーポイントでの資料作成

パソコン系の趣味・特技も実務に結びつきやすく、評価されやすい内容です。日々上達を感じられるため、学びや成果を得やすいメリットがあります。

ただし、高い専門性をひけらかして書く必要はありません。困難に挑戦する姿勢や、習得過程での学びが大切です。内容の自慢にならないよう注意して記述します。

登山やキャンプなどのアウトドア系

アウトドア系の趣味・特技の例
  • 登山
  • ハイキング
  • キャンプ
  • ドライブ
  • 釣り
  • バードウォッチング
  • カヌー
  • ダイビング

アウトドアの趣味・特技からは快活さがイメージできます。仕事に活き活き取り組む姿勢が想像できるため、悪い印象は与えません。

ただし、具体的な内容がないとライバルとの差別化が図れない可能性もあります。活動を通した独自の学びを、いかに明確に打ち出せるかが鍵です。

旅行や施設巡りなど外出先で楽しむレジャー系

レジャー系の趣味・特技の例
  • 旅行
  • ドライブ
  • 遊園地・テーマパーク巡り
  • 水族館・動物園巡り
  • 史跡・旧跡訪問
  • お祭りやイベントへの参加
  • ライブやフェス観戦

さまざまな場所へ出かけ、興味を広げるレジャーは、ESにおすすめの趣味です。得られる学びが多く、仕事に結びつけやすい特色があります。例えば知らない景色や人に出会う旅行は、新たな価値観や多様性への気づきを与えてくれるでしょう。多角的に物事を見られるようになり、仕事で困難に直面したときに役立ちます。

レジャーで得られる学びは、その人の持つ感性に大きく左右されます。感動するポイントが異なるように、学びの内容も人それぞれです。記述する学びの幅が大きいため、ライバルとの重複を気にせず、あなたらしいアピールができるでしょう。

ESで強くアピールできる趣味・特技の条件

強い情熱や愛を表現でき存分に語ることができる

複数の趣味・特技がある場合は、強い情熱をかけられるものを選びます。思い入れがあるほど学びも多く、人柄を強く示せるからです。面接に進んだときに、存分に魅力を語れる利点もあります。大好きなものならば、深く追及されても答えられるでしょう。

証明できる実績がある

特技を挙げる場合、証明できる実績があると良いでしょう。「〇〇入賞」「〇〇点を獲得」など、受賞歴や具体的な数値を挙げます。

趣味・特技欄は書ける文字数が少ないことから、アピール不足になりがちです。客観的な事実があれば、特技に挙げる根拠を長々説明する必要がありません。学びや仕事への決意など、必要なアピールに文字数を割くことができます。

長所や自己PRと結びつけられる

趣味・特技欄の内容をESの他の項目と結びつけられれば、ES全体の魅力が高まります。価値観や行動にブレがなく、就活にも信念があることが伝わります。強い信念を持つ人は仕事でも大きな力を発揮するため、企業も高い評価を下すでしょう。

ESに統一感を出すには、始めから構成を考えて記述しなければなりません。例えば自己PRにリーダーシップを挙げ、ガクチカに運動部で全国大会を目指した話を出せば、両者が結びつきます。さらに長所で「信念を持ち人を引っ張る力」を挙げると、自身の価値観をより強く示せるでしょう。

趣味・特技では、他の項目で示した価値観を曲げない内容を選びます。仲間と共に楽しむアウトドアなら、他の項目から窺える人物像から外れません。「仲間を思いやる強い情」も感じられ、新たな魅力も加えられます。

意外性があり異なる一面を伝えられる

自己PRや長所から感じられる人物像と、意図的にずらす手法もあります。他の項目とは異なる一面をアピールでき、多角的に魅力が伝わります。

自己PRや長所で職人気質な印象を与えた人が、趣味・特技で自由奔放な姿勢を示したら、採用担当者は意外に感じるでしょう。実直に仕事にあたりながらも、ときには自由な感性で柔軟に対応する姿が想像でき、一面的な見方を改めるかもしれません。

ポイントは、内容が「魅力の付け加え」になることです。他項目と真逆の内容を書いてしまうと、アピールを打ち消し合ってしまうので、注意しましょう。

ESで趣味・特技を効果的に伝えるポイント

エピソードには具体的な数値を示す

趣味・特技がただの紹介だけで終わらないよう、説明は具体的に書きます。特にエピソードを書く場合は、趣味・特技の裏付けになることを確認しましょう。

ポイントは受賞歴や数値などで客観性を持たせることです。例えば英語力を特技に挙げる場合、「留学経験があります」と書くより、資格試験の点数を書いた方が強い裏付けになります。根拠となる数字がある場合は積極的に用いましょう。

経験から得た学びや成長した内容を書く

記述文字数が100字以上の場合、趣味・特技を通して得られた学びや、成長した内容も記述します。企業が知りたいのは、趣味・特技の内容そのものではありません。そこから読み取れる人柄です。趣味・特技から学んだ内容を説明すれば、性格や価値観が伝わります。人柄を判断しやすくなるでしょう。

今後の仕事にどう活かすかまとめる

200字以上書ける場合は、「趣味・特技で得た学びを、今後の仕事にどう活かすか」まで記述します。仕事への姿勢を示すことで、適性や社風との適合を判断しやすくなります。

ただし、他の項目との内容の重複には注意が必要です。「仕事にどう活かすか」は長所やガクチカにも記述します。同じ内容では良い印象を与えられません。学んだ内容の違いをしっかり反映させることで、差別化を図りましょう。

ESで趣味・特技をアピールする2つの書き方

内容を一つに絞りアピール力を強める

趣味・特技は、内容を一つに絞って書くのが効果的です。数ある中から、最も学びが多いものを選びましょう。趣味と特技を両方書く必要はありません。2つ以上の話題を出すと、一つひとつのアピール力が弱まります。人柄が伝わらない、曲解されるなどの恐れもあるでしょう。堂々と一つの趣味を語る方が、人柄を端的に伝えられます。

箇条書きで複数の魅力を挙げ内容を強める

一つひとつのアピールポイントが関連し合う場合のみ、複数の項目を挙げる手法も考えられます。例えば趣味と特技それぞれに異なる内容を挙げ、合わせて説明することで強い魅力が伝わる場合です。

例えば趣味に海外旅行を挙げ、特技に英会話を挙げると、両者が関連し合います。趣味の海外旅行を続けた結果、英会話が特技になり得たと判断できるからです。相乗効果で魅力が高まるなら、積極的に複数項目を挙げるのも良いでしょう。

なお、記述の際は「箇条書き」をおすすめします。特に3つ以上の項目を挙げる場合は、箇条書きにしないと読みづらくなるため、注意しましょう。

ESに趣味・特技を書く際の構成

30字・50字指定は「結論+説明」

30字・50字の構成

結論+説明

趣味・特技欄で30字・50字が指定された場合は、さまざまなことを伝える余地はありません。結論をしっかりと書いた上で、内容を説明しましょう。説明は簡潔に書かないと文字数が超過します。「どのようなものか」「何が魅力か」に絞ると短くまとまります。

100字・120字指定は「結論+説明+学び」

100字・120字の構成

結論+説明+学んだ内容

100字以上になると、書ける範囲が広がります。結論と説明に加え、趣味・特技を通して学んだ内容を書きましょう。学びの内容こそが、企業が知りたい部分です。仕事に直接繋がらなくても、成長を感じられれば高い評価を得られます。後ろ向きな学びや反省ばかりの内容は避け、人柄の良さを感じてもらえるよう留意します。

200字以上の指定なら4STEPで仕上げる

趣味・特技を200字以上で仕上げる4STEP
  1. 選んだ趣味・特技を一つ簡潔に書く
  2. 趣味・特技を分かりやすく説明する
  3. 趣味・特技を通して学んだこと、成長したことをまとめる
  4. 今後の仕事にどう活かすか、決意を示す

上記のステップを踏むと、趣味・特技を仕事に結びつけて記述できます。他の項目と共に、入社の意欲や仕事への熱意を示すことができ、熱量のあるESに仕上がるでしょう。強く自己を押し出すことで、企業も仕事への適性や社風との適合を的確に判断できます。

記述の際は、特に「学んだこと、成長したこと」の内容に力を入れます。この部分が曖昧だと、最後の結論に繋げて書くことができません。150字程度を使って、学んだ内容を分かりやすく説明するよう心がけましょう。

箇条書きは「結論+説明」が基本

箇条書きの構成
  • 項目が2つ:結論+説明+学び
  • 項目が3つ以上:結論+説明

箇条書きは、項目をいくつ挙げるかによって書き方が変わります。項目が2つなら、「学び」までしっかりと書き、各100字程度で記述すると良いでしょう。項目が3つ以上に及ぶ場合、文章が長いと読みづらさを感じます。50字程度の短文を連ねるのが適切です。「結論」と「説明」で魅力を出せるよう尽力しましょう。

ESで趣味・特技を効果的に伝える例文【文字数別】

50文字指定|趣味・特技の例文

【趣味】登山

例文

私の趣味は登山です。季節ごとに変わる景色を眺めながら、自然と一体になり無心で歩く感覚が大好きです。

「結論+説明」の構成です。登山の説明は不要のため、「どこに魅力を感じるか」に焦点を当てています。心情を入れることで、短いながらも感性の高さや独特の価値観が伝わります。

【特技】ロボットプログラミング

例文

私の特技はロボットプログラミングです。昨年開発した高所作業ロボットは、〇〇大会金賞を受賞しました。

50字の文章でも、受賞歴を示すことで企業が一目置く内容に変化します。特技には裏付けがないと、「なぜ得意と言えるのか」と根拠を問われる恐れがあります。客観的な事実を示せば、採用担当者を納得させられる内容に仕上がります。あなたに興味を持ち、「もっと詳しく知りたい」と感じてもらえるでしょう。

100文字指定|趣味・特技の例文

【趣味】翻訳

例文

私の趣味は英語の翻訳です。英書を購入し、一冊ずつ地道に日本語に訳しています。文化が異なると、同じ気持ちを表現するのが大変です。相互理解には、言葉よりも気持ちに着目することが大切だと実感しました。

「結論+説明+学び」の構成です。苦労して学んだ内容を入れることで、困難に対応する姿勢や、物事を学び取る能力、ものの感じ方などを読み取ることができ、短いながらも端的に人柄を把握できます。

【特技】画像編集

例文

私は画像編集が得意です。アルバイト先の飲食店で、店内POPやお品書きに使う画像作成を任されています。少しの工夫でも集客に大きく影響することが分かり、技術を人のために活かす楽しさを実感しています。

アルバイトでの成功体験を持ち出した例です。業務で実力を認められていることが、説得力を高めています。さらに、そこから「社会の役に立つ喜び」に繋げることで、仕事に対する姿勢も想像できます。企業も高い評価を下しやすいでしょう。

200文字指定|趣味・特技の例文

【趣味】読書

例文

私の趣味は読書です。特に青春や恋愛、家族をテーマにした小説を愛読しています。主人公の人生を疑似体験でき、知らない世界に触れる楽しさが魅力です。自分とは異なる世界を知ることで、ものの見方が広がる実感を持ちました。実生活でも、できるだけさまざまな場所に出かけ、新しい世界を体感するよう努力しています。仕事でも挑戦する姿勢を忘れず、新たな課題に積極的に取り組みたいです。

「結論+説明+学び+仕事への決意」の構成です。学びで終わらせないことで、仕事への適性も読み取りやすくなります。注意したいのは、「学び」の内容と「仕事への決意の」結びつきです。結びつきが弱いと、仕事の話が取ってつけたように感じられます。

【特技】勉強を教えること

例文

私は勉強を教えるのが得意です。アルバイトで小学生向けの寺子屋塾に携わり、日々子どもの学力を高めています。良い授業の秘訣は、子どもに寄り添い話を聞くことです。講師に信頼がなければ、子どもは机に向かいません。人を指導するには、まず自分から動き、信頼を得ることが先決だと感じています。入社後の仕事でも、自分から積極的に動くことを怠らず、信頼関係を築いていきたいです。

アルバイトも仕事であり、日々の業務にはさまざまな学びがあります。「学び」を前提に特技を導けば、企業に伝わりやすい文章をつくれます。「自分から動く大切さ」は、全ての仕事に共通して言えることですので、企業からの共感を得やすいでしょう。

箇条書き|趣味・特技の例文

例文
  • 私の趣味は鉄道写真です。美しい風景の中で電車を撮るため、日々撮影スポットを探し歩いています。知られざるスポットを見つける中で、どんな町にも固有の魅力があることに気づきました。
  • 特技は日本地理です。全都道府県を回ったことで、地域ごとの風景の魅力、おすすめスポットを紹介できます。地域の魅力は地理的特徴だけでなく、歴史や人々の営みからも影響を受けていると実感しています。

箇条書きでは、趣味と特技を一つずつ書く構成がおすすめです。両者とも100字を目安に「結論+説明+学び」で書きましょう。

趣味と特技で同一の人柄を感じてもらえるよう、内容は近いものに揃えます。趣味だけでは伝わりきらない人柄も、特技で補完すれば伝わりやすくなります。

ESに趣味・特技を書く際に注意すべきこと

志望動機やガクチカと矛盾はないか

趣味・特技欄で書いた内容は、志望動機やガクチカなど他の項目と矛盾がないように注意します。各項目から読み取れる価値観がバラバラだと、魅力が伝わりません。

場合によっては全てが嘘だと疑われかねないでしょう。特に人柄がブレてしまうのは避けなければなりません。採否の判断ができず、内定が遠のく原因になります。

ただの自慢話になっていないか

特技を書く場合、継続的な努力から学んだ内容に重点を置きます。学びが記述されていないと、ただの自慢話になってしまいます。企業が知りたいのはあなたの人柄です。人柄は学びの内容に強く反映されます。紹介だけで終わってしまうと、有益な情報を掴み取れません。

指定文字数が短く学びを書けない場合は、できる限り心情を込めた説明を書くことで人柄を想像しやすくなるでしょう。文章だけで把握しきれない部分は面接で質問されるので、ESでは人柄に重きをおいて記入しましょう。

嘘や誇張はないか

理想の自分を演出したい場合や、企業が欲する人物像から逆算して趣味・特技を書く場合、嘘や誇張を書いてしまいがちです。

しかし、採用担当者は人事のプロです。小さな矛盾でも違和感を抱き、不審に感じるでしょう。自分を飾るのではなく、「自身の魅力を最大限に引き出す」つもりで記述にあたりましょう。

箇条書きが列挙だけになっていないか

箇条書きを選択する場合、内容の説明が必須です。結論だけを列挙しても、人柄が伝わることはありません。最低限、趣味・特技への情熱や愛情を説明するべきです。「結論+説明」で、各項目とも50字程度に収まるよう記述しましょう。

ESには書かない方が良い趣味・特技

ギャンブルなど世間的にイメージが悪いもの

競馬やパチンコなどのギャンブルは、ESには不適切です。世間的に良いイメージを持たれていないにもかかわらず趣味に挙げることで、「のめりこんでいる」「仕事に影響はないのか」といったマイナスな印象に繋がりかねません。

宗教や政治活動など思想に偏りがあるもの

顕著な思想の偏りは、協調性を欠く原因になります。仕事はプロジェクトで動きます。極端な思想があると、同じ方向を向けない可能性が高く、企業活動の妨げになるとみなされるでしょう。

思想は就活において伝える必要はありません。同様に宗教も政治活動も、自身の内に秘めておきましょう。

受け身になりがちな推し活

推し活は、就活でのアピールとしては弱い趣味です。相手の人生を追いかけることが目的で、主体性がないと判断されます。あなたがどう考え動くのかが分からなければ、企業へのアピールになりません。人柄も伝わらないため、控えましょう。

企業によってはアニメやゲームも

アニメやゲームは「単なる娯楽」とみなされることが多いです。「学びがない」と先入観を持たれると、学びの内容を主張しても伝わりません。せっかく記述しても読んでもらえない可能性があります。

人によっては、引きこもりや依存症の原因として、ネガティブなイメージを抱いていることもあります。採用担当者の主観によるため、社風や業界からは判断できません。

こうしたリスクを考えると、アニメやゲームと親和性の高い会社を受ける人以外は、避けた方が無難です。

ESの趣味・特技に関するQ&A

多趣味で項目を絞りきれないときの対処法は?

項目を絞りきれない場合は、「得られた学び」に焦点を当てます。学びの内容を書き出し、一番多いもの、人生に影響を与えたものを選ぶのが適切です。

企業は趣味・特技から何を学び、どう仕事に活かすかに着目します。趣味・特技を列挙すれば良いわけではありません。

特技にしたいことに際立った実績がない場合は?

実績がないものを特技に挙げることは可能です。大切なのは努力の過程や、成功体験からの学びです。無我夢中で努力した過去や、人を喜ばせた経験があれば、恐れず特技に挙げると良いでしょう。記述の際には、学びの内容に重点をあてるようにすることがポイントです。

ありきたりな内容の趣味しか思いつかなかったら?

趣味の内容はありきたりでも問題ありません。変わった趣味、ずば抜けた特技が高く評価されるわけではありません。何を学び、どう仕事に活かすかが明確なら人柄が伝わります。趣味そのものではなく、学びの内容で差別化することを考えましょう。

趣味・特技でES全体の魅力を高め強くアピールしよう

趣味・特技は人柄の判断材料のため、模範解答がありません。しかし、書き手の個性が現れやすく、ライバルと差別化を図りやすい項目でもあります。

一方で記述に工夫をしなければ、人柄が明確に伝わらない恐れがあります。紹介だけで終わらないよう、工夫しなければなりません。正確に人柄が伝われば、企業は仕事への適性や、社風との適合を的確に判断できます。「合う会社」を引き寄せるきっかけになるのです。

趣味・特技欄の記述内容は、今後の長い社会生活に大きく影響します。あなたにとって「本当に良い会社」に巡り合うチャンスです。記述の努力を怠らないようにしましょう。

自己PRで「問題解決力」をアピールするコツ|構成や留意点・例文まで紹介

「企業で活躍するためには、問題解決力が重要!」と聞いたことがある人は多いと思いますが、なぜ重要なのか、能力を身につけることでどんなメリットがあるのかを知っていますか?

学生の皆さんは、問題解決力について深く掘り下げて考えることで、社会人となり企業で活躍するイメージを描くことができます。「問題解決力」について理解を深め、自己PRでアピールしていきましょう。

問題解決力が求められる理由

問題の本質を見極めるため

問題の本質を見極め、最適な解決策を講じていく上で、問題解決力の高さが問われます。ビジネスは判断の連続です。広い視野を持ち、自分の状況のみならず、部署や組織全体など幅広い視点から問題の本質を見極められる人が仕事で成果を残せます。

また問題を解決することに加え、昨今ではAIと共存する社会が浸透しつつある中で、新たに問題となる部分を自ら発見し、意見を出せる力も重要なスキルです。

仕事の生産性に直結するため

問題解決力は、仕事の効率や生産性に直結します。基本的に企業では1週間で40時間程度、就業する時間が定められています。限られた時間の中で成果を残すために、1つ1つの問題を時間内に解決しなければなりません。

問題解決力が高いことは、コミュニケーション能力の高さの指標とも考えられます。特にチームで業務を遂行する場合には、協働しながら問題の解決に向けて適切なコミュニケーションを取ることが求められるのです。

問題解決力のアピールになる問題の種類は?

問題解決力の理解度を高める初歩として、問題の種類について知ることが重要です。問題に応じて、原因の特定までの過程や解決に向けたアプローチの仕方が異なります。

発生型

発生型は、すでに顕在化していて目に見えている問題のことです。例えば業務中のミスや売上・利益が減少しているなどの問題が該当します。

発生型の問題については、問題に対して解決策を考えれば良いのですが、時に本質的な原因を見極めないと解決しない問題もあります。慎重に問題を見極め、解決策を考える必要があります。

設定型

設定型は、個人や組織が設定した目標やノルマを達成する過程で生じる問題のことです。例えば、月額利益を1,000万円と掲げている中で、半分の日数を経過した段階で売上が半分にも満たない状況であるとします。目標に対して現状のギャップを埋める必要がありますが、この時に検討すべき要素が設定型の問題です。

どうすれば目標を達成できるかという視点で、ボトルネックとなっている部分を特定し、改善策を講じていく過程が解決に向けたアプローチとなります。

潜在型

潜在型は、現状は顕在化していないが今後発生しうる問題のことです。例えば、業務の属人性が高まり、自分が辞める時の業務を誰に任せるのか、若手社員の教育不足で将来的に現場を任せられる社員がいないなどの問題が該当します。

潜在型の問題は早期に発見し、解決に向けアプローチしなければ、後々大きな悪影響を受ける可能性があります。すぐに解決できない問題である場合でも、どのように解決すべきなのか思案しておくことが大切です。

問題解決力を効果的にアピールできる構成

効果的な構成

①自分の強み(結論)

②理由を示すエピソード(問題提起)

③学び・結果(根拠)

④入社後の活かし方(自己PR)

自分の強み(結論)

自己PRを伝える際には、まずは結論となる「問題解決力がある」ことを端的に伝えましょう。結論ファーストで話を切り出すことで何の話をするのか聞いてもらいやすくなります。

問題解決力を強みとして伝える際は、「目標に向けて、周囲との関係を構築しながら問題を解決する能力があります。」など、どのように問題を解決していく力に強みを持っているのかを説明できると良いです。

理由を示すエピソード(問題提起)

自分の強みである「問題解決力」があることを伝えたのちに、その理由となるエピソードを紹介します。この時、エピソードは選考企業が容易に理解できるようなトピックを選びましょう。

エピソードを紹介するポイントとして、問題に対する解決策を具体的に話すことが大切です。この部分を他者と差別化することで、選考企業の評価が変わります。

学び・結果(根拠)

次にエピソードを通じて、どのような学びや結果に繋がったのかを伝えます。エピソードを締める内容を端的に伝えましょう。

学びや結果を伝える際は、数値化できる指標を伝えることで客観性を持たせることができます。根拠となる部分が客観的であれば選考企業にも納得してもらえるエピソードとなるでしょう。

入社後の活かし方(自己PR)

最後に、イメージや仮説ベースで問題ないので、入社後どのように活躍するのかを伝えましょう。企業は自社で活躍できる見込みのある候補者を採用するため、問題解決力を活かし、今後どのような活躍ができるかをアピールすることが大切なのです。

【経験別】自己PRで問題解決力を伝える例文

アルバイト経験

例文

私の強みは、問題の原因を特定し、適切な解決策を実行できる問題解決力です。学生時代に飲食店のホールスタッフを2年間経験しました。

そこでは、忙しいランチタイムの人手不足が原因で、注文された料理を完成させるのが遅くなり、お客様からクレームが入ることがしばしばありました。そのような状況の中で、私は即座にフロアマネージャーに相談しながら、他のスタッフと協力して効率的にオーダーを処理する体制を構築したことや、新人スタッフでもすぐに即戦力となれるように業務をマニュアルの作成に着手しました。

その結果、年間でのクレーム件数も約半分にまで減少し、ホール業務も生産性を高めることにつながりました。

貴社の業務においても、企業の抱える問題の本質を見抜き、根本的な解決のできるコンサルティングをしていきたいと考えます。(400字以内)

お客様からクレームが入るという課題の設定に対し、解決策が具体的に書かれています。また結果においても定量的に書かれており、説得力のあるエピソードとなっています。

最後に貴社の業務に結びつける部分では、アルバイト経験から得られたことで、どのように業務の中で貢献していきたいかを書けると良いでしょう。

インターン

例文

私の強みは、目標に対して最適な課題を設定できる問題解決力です。インターン時代には製薬企業のインターンを経験し、新製品の売上拡大に向けてどんなことをすべきかプレゼンを行いました。プレゼンに向けて意識した点は2点あります。

1点目は、定量、定性の両面から課題抽出を図ったことです。売上数値推移を可視化した上で、適切な売上目標の設定に努めたことや、顧客のインサイトから製品の魅力が伝わる施策を検討しました。

2点目は、メンバー間の信頼を築きタスクの分担を行ったことです。提案内容や資料のクオリティを高めるために、各メンバーの役割を明確化しタスクを分担することでプレゼンの目的の共有化につながり、一貫性のあるプレゼンに仕上げることができ、結果的に最優秀賞という結果を得られました。

この経験を貴社の営業活動の中で、多角的に問題を分析し、メンバーを巻き込みながら業務を推進していきたいと考えます。(400字以内)

インターンでの経験をテーマにする場合は、事前にエピソードを深掘りし、伝えたい要点を整理して書くようにしましょう。例文ではプレゼン準備において工夫した点を2つに分けて書いています。

また、応募職種に活かせるであろうインターン経験をテーマに書くことで、即戦力で活躍できる人材として評価を得られる可能性があるため、テーマ選定が重要といえるでしょう。

留学

例文

私は逆境においても粘り強く問題解決に取り組む力が強みです。

学生時代にアメリカに1年間留学しました。留学先ではアジア人の割合が低い中で、ホームステイや語学学校などを体験しました。最初は英語のレベルについて行けず、苦労しましたが、アメリカでのコミュニケーションに慣れるべく、語学学校で積極的に受講生や教員に話しかけたり、学校のイベントに参加することで気軽に話せる友人を増やし英会話力の向上を図りました。

結果、語学学校を卒業し、アメリカの大学院を受験できるレベルまで語学力を高めることができました。貴社の業務においても、逆境下でも泥臭く工夫を怠らず行動しつつ結果を残すことを意識して働きたいです。(300字以内)

留学経験をテーマにする場合に注意したいポイントは、体験談のみを冗長的に書いてしまうことです。自己PRとして成立させるためには、問題解決力を伝えることを目的として、前述した骨子となる要素を留学前後も踏まえて考えるようにしましょう。

例文では、語学学校を卒業後の過程も書いています。留学前後でどのような成長や結果に結びついたかを定量的に書くことが重要です。

部活動・サークル

例文

私は自ら立てた目標に向けてPDCAを回し計画的に課題を解決することが強みです。 学生時代に陸上競技部に所属し、100mでインカレ(全国大会)に出場することを目標に活動しました。

目標に向けて課題となるのは筋力強化であることが明確であったため、目標とする大会の2年前から計画を立て、筋力アップを図ってきました。工夫した点として、定期的に筋力を測定し、目標とする大会までの進捗を可視化してきました。

進捗が悪い場合には、強度の高い練習を実施するなど、PDCAを効果的に運用することで着実な筋力アップにつながり、最終的に、インカレ出場を果たすと共に自己ベストを更新できました。

貴社のマーケティング職においても、目標数値に対して、PDCAを効果的に運用しつつ成果を残していきたいと考えています。(350字以内)

部活動やサークルをテーマに自己PRを考える場合は、応募先企業の業界や職種に紐づくエピソードを書くことが重要です。例文ではマーケティング職において求められるスキルである「PDCAの運用」についてのエピソードを交えています。

あらかじめ、希望する業界や業種に関する知識を深めつつ、応募先企業で活躍する上で活かせる可能性のあるエピソードを考えることで、説得力のある自己PRとなるでしょう。

自己PRで問題解決力を伝える際の留意点

問題発見能力についても触れる

問題解決力と並行して、「問題発見能力」についても着目しましょう。前述の通り、近年では問題解決の得意なAIが発展してきています。AIと共存する社会が浸透する中で、問題を発見したり、自分で適切な課題を設定できたりする人材を企業は求めているのです。

また、「潜在型」の問題を解決するには問題発見能力が求められ、現状を正しく分析し問題を洗い出すことが求められます。問題発見能力をアピールすることで、他の候補者との差別化を図れますので、意識して自己PRに取り入れましょう。

エピソードをシンプルに整理しておく

問題解決力を伝える理由となるエピソードをシンプルに整理しておくことも大切です。自己PRの差別化や独自性を追求して、冗長なアピールとなってしまうと要点が伝わらなくなってしまいます。

問題発見から解決までの過程を整理して分かりやすく伝えることが重要です。また、同じ問題でも自分なりの着眼点を持ち要点をまとめていくことで、他の人が気づかない問題や解決方法をアピールでき、評価も高まる可能性があります。

ESにまとめるときは、「簡潔にわかりやすく」を心がけましょう。

問題を解決した過程を入社後のイメージに結びつける

自己PRの締めくくりでは、問題を解決した過程を入社後のイメージに結びつけることが適切です。エピソード部分から文脈的につながりのある入社後イメージを伝えることで、選考企業の印象に残りやすいです。

入社後イメージから逆算して問題解決力を活かした自己PRを考えるのもおすすめです。自己PRを伝える目的を整理し、選考企業に刺さる自己PRを考えましょう。

自己PRでアピールできる「問題解決力」を鍛えるコツ!

問題解決力を自分の強みにしていきたい方や能力の磨き方を知りたい方は多いでしょう。そこで、日常生活から問題解決力を鍛えるコツを3つ紹介します。

批判的思考を持つ

批判的思考は、意識的に自分の考えを批判的にみる思考のことです。自分の思考のクセを見抜き、主観や先入観に囚われずに物事を見ることで、より客観的に情報を評価し、論理的な解決策を導くことにつながります。

情報や考え方など、あらゆる物事に対して多様な角度から検討する癖を身につけることで、論理的・客観的思考を身につけることができます。

物事に対する「Why」を考えるクセをつける

特定の物事に対して、Why思考を持つ習慣を身につけることも問題解決力を養う上で重要です。「なぜこの問題が発生してしまったのか?」を自問自答し、問題を深く掘り下げて考えることで、問題の本質を見極めたり、潜在的な原因の発見につながります。

まずは日常生活の出来事を例に、Why思考を実践しつつ、問題解決力を鍛えることが大切です。そうすることで、いざ仕事で問題が発生しても迅速に対応できるでしょう。

理由や根拠に基づいた言動を心がける

仕事においては当たり前のことですが、理由や根拠に基づいた言動を日常生活から心がけましょう。ここまで解説した問題解決力や問題発見力を鍛える土台となる能力の一つに論理的思考能力があります。

仕事の成果やパフォーマンスには必ず理由や根拠があります。逆に言えば仕事でミスをした場合、その理由根拠がわかっていなければ繰り返しミスをするのでは?と捉えられマイナス評価となってしまうでしょう。

PDCAを回し計画的に問題解決に着手する場合などにも論理的思考が求められます。直感的に動いてしまいがちな方は、日常生活から理由や根拠に基づいて行動する習慣を身につけることから始めましょう。

問題解決力を身につけて自己PRに繋げよう!

就活の自己PRにおいて問題解決力をアピールすることができれば、選考突破に大きく近付くことができます。些細な出来事でも、これまで自分が経験してきたことの中で問題解決力に繋がる部分を見つけてみましょう。

社会人として問題や課題に向き合い、解決した経験やスキルは、自分自身の強みとなり、そういった人材を求めている企業もたくさんあります。本記事の書き方や留意点を抑えた上で、自己PRで問題解決力を効果的にアピールできるようにしましょう。

【例文15選】ESの自己PRを魅力的な文章にするポイント|強み一覧あり

自己PRは、就職活動をしていれば面接やESで必ず1度はされる質問です。自己PRは自分の強みを伝える質問であると同時に、企業に対して自分の有益性を示すものです。ここで強みを明確にアピールできれば、内定も近づくでしょう。

しかし、いざ自分の強みを考え始めると何か分からないという人も多く、他の「長所」や「ガクチカ」に関する質問と回答内容が重複していることも少なくありません。本記事では、自己PRの本質を確認すると同時に、その書き方を例文付きで解説していきます。

そもそも自己PRとは何か

就職活動における自己PRとは、簡潔に言うと「自分の売り込み」です。応募先の企業に対して、「自分を採用するべき理由」や「入社後に貢献できること」などを提示します。それらをもって企業は採用の可否を判断する材料としています。

ここで書くべきことは、自分の強みや能力です。しかし、ただ強みを書くだけでは抽象的過ぎて企業に伝わりません。また、本当にそのような能力や技術を持っているのか、裏付けとなる証拠がないため、企業は疑問に思います。

自己PRで強みや能力をアピールするときは、その強みが具体的に発揮できた経験やエピソードを必ず交えて書きます。こうすることで自分が強みを持っていることが企業にも伝わり、より強く自分を採用するメリットが提示できるようになります。

自己PRのポイントは、「企業から見た求職者の有益性」です。企業が他の求職者よりも自分を採用した方が「メリットが大きい」と感じられるように自己PRを組み立てていきましょう。

就職活動の自己PRの役割とは

1.求職者の「人となり」

自己PRでアピールする強みは、自分が一番自信を持っているものと言い換えても良いでしょう。何に対して自信を持っているかは、人生観や価値観を推し量る重要な要素です。

個々人に大切にしているものが異なるように、企業もそれぞれに大切にしているものが異なります。企業の重視しているものと強みが一致している人材は、会社の雰囲気に合うため入社後の活躍が見込めます。このように自己PRは会社に合う人材を探すための質問です。

2.求職者の「自己理解」

自己PRでアピールする「強み」は自分に関係する能力であるため、主観的な判断になりがちです。しかし、社会での評価は「他人から見た」ものです。自己評価が高すぎる、または逆に低すぎる人材は、周囲の評価と自己評価のギャップから社内における不和の原因になりかねません。

そのため、求職者が自分のことを正確に捉えられているかは、企業にとっては働き始めてからの配属や研修などにも大きく関係します。入社後に「適切な」働き方をしてもらうためにも、自己PRにおける求職者の正しい自己理解を企業は求めています。

自己PRと自己紹介の違い

自分のことを伝えるという点では、自己PRと自己紹介には似通った部分があります。しかし、自己紹介は一般的に初対面に自分の持つ「属性」を伝えるという点で異なります。

ここで言う「属性」とは、名前の他に、例えば性別や年齢、所属大学や学部・学科のことです。ここに自分の経歴や趣味などを加えても良いでしょう。自分の魅力を伝える自己PRとは異なり、「自分は何者なのか」を伝えるのが自己紹介です。

また、自己紹介は求職者のプロフィール確認が大きな目的になるため、ESや面接のどちらにおいても簡潔にまとめることが求められます。そのため、理由付けや根拠も必要なく、回答も短文や箇条書きでも十分です。一読して「自分はこういう人だ」とすぐに分かる自己紹介にしましょう。

自己紹介で書く内容
  • 名前
  • 年齢と性別
  • 出身大学と学部学科
  • 所属する(もしくはしていた)部活動
  • 趣味

自己PRと長所の違い

自己PRと長所は、互いに自分の強みを回答するという点で非常に混同されやすい設問です。就活においては、ESや面接など同じタイミングで両方とも質問されることも珍しくありません。しかし、この2つの設問は企業は明確に意図を持って聞き分けています。

前述の通り、自己PRでは「企業側から見た」採用のメリットを提示します。そのため、求職者が持つ技術や能力を伝えることが一般的です。これに対して、長所で伝えることは、人物としての優れた点です。その人の人柄や性格と言い換えても良いでしょう。

企業は人と人のつながりです。そのため、どれほど優れた能力があっても周囲と協調できない人は職場の雰囲気を壊しかねません。つまり、企業は長所に関する質問で、「一緒に仕事をしたいか」を判断しています。

自己PRとガクチカの違い

ガクチカは、「学生時代に力を入れたこと」の略称で、就活では自己PRや長所に並んで頻出の質問です。この2つの質問は、どちらも企業が「自社が求める人材か」を判断するために行われます。

しかし、持っている強みを回答する自己PRとは異なり、ガクチカでは、自身の経験談を回答します。つまり、学生の間にどんな経験をしたか、そこからどのような学びを得たか、また、今後その学びを実生活でどう活かすかが問われます。

この経験談は自己PRにおける強みの根拠と重複しやすいため、注意が必要です。同じエピソードであっても、自己PRでは経験から得られた成果そのものを、ガクチカでは経験で得られた成長を書いて文章を差別化しましょう。

自己PRで企業が見ている5つのポイント

企業の目に留まる自己PRを書くためには、企業の評価基準を知らなければなりません。

自己PRで質問されていることは、企業目線で考えたときの強みです。自分の強みをただ伝えるだけでは意味がありません。それが仕事の中、もっと言えば、その企業の中でどう役立つのかを考えてみましょう。

①企業が求める強みを持っているか

自己PRでアピールする強みは、何でも構いません。就活でアピールする強みというと「傾聴力がある」「忍耐力がある」というような「〇〇力」というような能力を想像しがちですが、実際には「英語が得意」といった学問的な強みでも、「絵が得意」といった技術的な強みでも大丈夫です。

しかし、どれほど素晴らしい強みがあっても、それが企業が必要とする強みでなければ意味がありません。自己PRは企業目線で「欲しい」かどうかが重要なポイントです。自分の出来ることを一方的に伝えることが自己PRではありません。

企業が求める能力は、業界や職種によっても異なります。そのため、業界研究や企業研究は欠かせません。企業の採用ページや事業計画書などを参照して、企業が必要としている能力をアピールしましょう。

②企業の方針や考えに合致するか

2024年10月に厚生労働省は令和3年度の大学新卒者の早期離職の割合が34.9%と発表しました。離職率は毎年30%前後で推移しているため、決して今年が突出して多いわけではありません。しかし、それでも3人に1人ほどが3年以内に入社した会社を辞めています。

退職の理由は様々なものが考えられますが、その理由の1つに企業とのミスマッチが挙げられます。同じ業界であっても社長をはじめとした経営者によって方針は様々です。この方針の違いは職場の雰囲気にもつながるため、どうしても生理的に合わない人は出てきます。

しかし、どんな理由であっても辞められることは企業にとっては大きな痛手です。そのため、長く働き続けてくれるだろう人を採用の段階から探しています。自己PRには、その人の考え方が現れるため、自社の方針と合致しているかは企業にとっての重要な判断基準です。

③入社後に強みを発揮できるか

企業としては、求職者が仕事の中で強みを発揮してくれることを求めています。そのため、強みの根拠として添えられたエピソードの内容にも気を配りましょう。根拠が薄いと「本当に実力を発揮できるのか」と企業も信用することができません。

アピールしたい強みと全く関係のないエピソードは論外ですが、それ以外にも時系列があまりにも過去の話であったり、内容自体が日常で起こりえない限定的な出来事であったりする場合などは、強みの再現性に疑問を持たれます。

再現性が疑わしいと、企業も採用をためらいます。強みは発揮できてこそです。根拠となるエピソードは第三者が読んでも「間違いなく仕事で発揮できる」と判断できるものを選択しましょう。

④コミュニケーション能力

自己PRやガクチカなどのESの回答は文章の構成自体も選考における評価対象です。企業は自己PRの文章を読んで、求職者のコミュニケーション能力を推し量っています。

ここでいうコミュニケーション能力とは、「相手に誤解されずに自分の伝えたいことを伝えられる」能力です。文章においては、「誤読や誤解を生まない文章を作成できる能力があるか」が評価されています。

日本語は、句読点や言葉の並びによって、複数の意味にとれる文章が生まれてしまう言語です。下記のような文章は誤読や誤解の原因となり、相手とコミュニケーション不全を起こしてしまいます。特にビジネスにおいては、重大なミスに繋がってしまうため、就活のときから徹底して直しておきましょう。

誤解されやすい文章の例
  • 〇〇さんは出かけていません

「出かけていません」なら、外出はしていない

「出かけて、いません」なら、外出している

→句読点を打つ、もしくは表現を変える必要がある

 

  • 新しくできたA社の製品だ

「Aという会社が新しい」のか

「A社が新しい製品を出した」のかわからない

=語順を入れ替える、もしくは表現を変える必要がある

⑤文章の論理性

コミュニケーション能力と同時に試されているのが、文章の論理性です。一般的に自己PRは結論から書き始めますが、その結論に対して適切な理由付けがされているか、つまり、筋道だった説明ができているかが大きな評価ポイントです。

自己PRにおいては、「強み」と「エピソード」、そして「入社後の働き方」の3つがつながっていなければなりません。自分の述べた強みに対して、関連性のある適切なエピソードが添えられているか考えてみましょう。

その他、評価を下げてしまうポイントが論理の飛躍です。結論に対して中間のステップを省き、直接的に根拠と結論を結びつけることを論理の飛躍と言います。飛躍した文章は「意味が分からない」文章になってしまいます。

論理を飛躍させないためには、途中の因果関係を明確にすることです。ただ、自己PRは文字数の制限もあり、どうしても途中にあるステップを省かざるを得ません。もし途中の因果関係を省く場合は、万人に共通する理由のみを省くようにしましょう。

論理が飛躍している文章の例
  • 「語学力を活かして貴社に貢献したい」

→どのような形で貢献したいかが不明瞭

 

  • 「売上を上げるためにSNSを始めた」

→どのような意図でSNSを選んだのかが説明不足

自己PRを書くためには事前準備が重要

魅力的な自己PRを書くためには、事前準備が欠かせません。前述の通り、自己PRでは、企業が求めている「強み」が自分にあることを、根拠となる具体的なエピソードを交えてアピールしなければなりません。事前準備なしに書き始めても、自分の強みが分からずに右往左往するだけです。

自己PRの事前準備は、自分のことを知る自己分析と企業や業界のことを知る業界・企業研究の2つがあります。それぞれを深いレベルで行うことで、より企業からの質問に対する適切な回答ができるようになります。

自己分析を行う

自分自身のことを深く知るための自己分析をはじめに行います。それほど難しく考える必要はありません。単純に、自分の好きなものや興味のあるもの、反対に嫌いなものなどを考えてみましょう。

そこから、それを何がきっかけで好きになったのか、どんなことを経験したのかなど、自分のこれまでを振り返っていきます。そこに自分を構成する要素が存在します。自分自身を客観的に見つめなおし、「自分は何者か」を考えてみましょう。

また、客観的に見つめなおすという意味では、他人から評価をもらうことも効果的です。家族や友人などから「自分はこういう人間だ」と評価されていることは、初対面の企業からも同じような評価を受ける可能性があります。その評価を、そのままアピールポイントとして使うこともできます。

企業が求めている「強み」を考える

自己PRをより魅力的な内容にするためには、企業が求めている人材がどのようなものなのかを知らなければなりません。同じ業界、同じ職種であっても企業の求める人材は異なります。志望する企業がどんな人材を求めているのかを知ることが企業研究です。

企業が求める人材は、企業の文化や価値観、業界のトレンドなどで異なりますが、それらを知る方法はいくつもあります。Webの募集ページに掲載された経営方針や求める人物像などはその筆頭です。他にもSNSや従業員の口コミなども参考になります。

その他、インターンや会社訪問などで直接、企業の雰囲気を知ることも1つの手段です。徹底的に「その企業はどんな企業なのか」を知り、その企業にとって最適な候補者であることをアピールしていきましょう。

自己PRに活用できる強みの一例

自己PR向けの強みの例
  • コミュニケーション能力が高い
  • 協調性がある
  • 主体性がある
  • チャレンジ精神が旺盛
  • 責任感が強い
  • リーダーシップがある
  • 忍耐力(打たれ強さ)がある
  • サポート役が得意
  • 傾聴力がある
  • 常に笑顔でいられる
  • 誠実さがある
  • 効率的に動ける
  • 几帳面さがある
  • 臨機応変に対応できる
  • 論理的思考力がある
  • 前向きな考え方ができる
  • 周囲に気を配れる
  • 好奇心が旺盛

自己PRに活用できる強みは様々です。特に、自分では弱点だと思っていたことが、企業によっては長所として評価されることも少なくありません。まずは、自分自身の持つ強みを正確に理解しましょう。

また、持っている強みは仕事で活かすことを企業から求められます。実際に、どのように使おうとしているのかについても併せて考えていきましょう。

自己PRを書くときの構成

①強みを明確に伝える

②強みを裏付けるエピソード

③入社後に強みをどのように活かすか

自己PRは、相手に対して効果的に自分の強みを伝えられる構成で書きましょう。上記の流れに沿って書くと必要な要素を漏らすことなく書くことができます。

冒頭でストレートに強みを述べる

自己PRに限らず、ビジネス文書は結論から書き始めることが一般的です。前提として、自己PRを読む相手は企業の人間です。結論から書き始めることで、読み手や聞き手の注意を引くと同時に、相手は素早く判断を下すことが可能です。

自己PRにおける結論とは、自分の持つ強みのことです。まずはストレートに「私の強みは〇〇です」と自分の強みを述べましょう。その上で、その力が、いつ、どこで、どのような風に発揮できたのか、という理由付けに入っていきます。

強みを裏付けるエピソードを紹介する

結論となる強みの後には、必ず理由付けになるエピソードを紹介します。このエピソードは、強みの裏付けとなる内容であれば、どのような内容でも構いません。ただし、例えば「リーダーシップがあるのは、部活で部長を務めていたから」というような内容では、理由付けとしては非常に弱いものになってしまいます。

エピソードは可能な限り具体的に記載しましょう。先の例であれば、「部長を務める中で部員と何をしたのか」「部長として苦労したことや努力したこと」というように具体的にリーダシップを発揮できたエピソードが必要です。

他の強みも同様です。「協調性」が強みならば、どのようなことをしたから「協調性がある」と言えるのかは必須です。エピソードにおいて必要なことは、その強みを発揮できた「行動」であるため、強みが発揮できたときの状況を考えてみましょう。

入社後に強みをどう活かすかで結ぶ

自己PRの最後は、入社後の自分の強みの活かし方で結びます。就活においては、採用担当からいかに「自社に欲しい」と思ってもらえるかがポイントです。実際の業務を想定して、どのように使うのかを書くことができれば、企業に業界研究や企業研究の深さも伝わるはずです。

業務内容に限らず、入社後のキャリアパスや仕事に対する取り組みの姿勢について言及するのもよいでしょう。大切なことは、「入社後の姿が想像できる」ことです。1年後の自分の姿を想像して自己PRを締めましょう。

自己PRを魅力的にするポイント

自己PRを魅力的にするための鍵は、強みの裏付けとなるエピソードをどれだけ具体的なものにできるかにあります。採用担当が読んだときに話の内容が具体的に伝わるほど、入社後の行動や仕事ぶりが想像しやすくなります。

また、具体的にすることは今後の採用ステップを考えたときにも重要なポイントです。自己PRで記載した内容は、面接でも話すことになります。面接官に興味を持ってもらえた内容をより詳しく話せるようにするためにも、自己PRの具体性を高めていきましょう。

エピソードに具体的な数値を盛り込む

自己PRでは強みの根拠となるエピソードを書きます。この内容の中には具体的な数字を盛り込みましょう。単純に「勉強を頑張りました」と書くよりも、「毎日8時間勉強を頑張りました」とする方が、その頑張りが分かりやすく伝わります。

また、数字を使うことで変化の大きさを明確にすることもできます。例えば、「1年目30点、2年目は60点、3年目は150点」と時系列に沿った変化を数字で表すことで、その変化の大きさが伝わりやすくなります。

ただ、具体的な数値を記載すると、間違えたときに大きく信頼を損います。特に、他の設問との間に数値の齟齬があると、単純に「誤字がある」という印象に留まらず、その数字自体の信憑性にも関わります。使用する数値は間違いのないようにしましょう。

エピソードは「自分らしさ」を求める

自己PRの本質は「自分とはこういう人間である」ということを相手に伝えることにあります。自己PRは自慢話ではないため、どれだけ「他人より優れている」「貴重な経験をした」とアピールしても意味がありません。

どれだけ些細な事であっても、自分が今まで経験してきたことを丁寧に伝えることが自己PRでは重要です。例えば、サークル活動やアルバイト経験において貢献したこと、やり遂げたことも十分に自身のアピールポイントになります。

また、成功体験だけではなく失敗談を話すことも選択肢の1つです。「このような失敗をしたから〇〇に力を入れ、身に付けた」という話も十分に強みのアピールになります。自分の経験や見識に基づく「自分らしさ」をアピールしましょう。

エピソードは複数用意する

強みを裏付けるためには、その根拠となるエピソードが欠かせません。書くべき内容は、文字数の制限から1つの自己PRに対して1つのエピソードが基本です。それ以上を書くと、要点が不明瞭になってしまい企業にアピールしたい内容が伝わらなくなってしまいます。

ただし、自己PRで書くエピソードは1つですが、面接でさらに深堀りされることに備えて、複数のエピソードを用意しておく必要があります。最低限、3つは裏付けのエピソードを用意するようにしましょう。

勿論、1つのエピソードを深掘りすることも重要です。しかし、それ以外のエピソードに関する質問をされるケースも珍しくありません。そのような場合に備えて、強みの裏付けとなるエピソードは複数用意しておきましょう。

他の設問と整合性を取る

ESには自己PR以外にも長所や短所などの求職者の性格的な質問、ガクチカや志望動機などの様々な設問があります。これらの設問と自己PRでの内容は、必ず整合性を持たせるようにしましょう。

例えば、自己PRでは「忍耐力」をアピールしているにも関わらず、長所に関する質問で「好奇心がある」ことをアピールするとどうでしょうか。多くの人は対極にあるはずの2つの強みが同居していることに違和感を覚えるはずです。

他の志望動機やガクチカも、それぞれの設問は互いにつながりがあります。ESは「自分自身」をアピールする書類であるため、それぞれの回答につながりを持たせることで、より企業に対して強烈にアピールできます。

また、よく間違いやすいのが時系列に関する内容です。そのエピソードは、いつのことなのか、その前後に何があったのかについて、他の質問と矛盾すると互いのエピソードの信頼を失うため、注意しましょう。

文字数は300~400字程度におさめる

自己PRの文字数は300〜400字程度におさめましょう。文字数が少ないことは、自己分析や企業研究の甘さを露呈することになります。単純に企業に志望の度合いを疑われてしまうため、文字数はある程度は必要です。

しかし、逆に自分の気持ちや魅力、熱意をを最大限に伝えようと、自己PRを1000字2000字と大量に書くことは逆効果です。むしろ「文章を端的にまとめられない」として評価を下げる可能性もあります。

この400字前後というのは非常に絶妙なラインです。400字は、一般的な人が1分間に読むことができる文字数であり、また、同時に1分間に相手が聞き取りやすい速さで話したときに話せる文字数とされています。ただ、「書く」のではなく、相手に伝わる文章にするためにも、400字程度を目安にしましょう。

ESにおける自己PRの例文

コミュニケーション能力

例文

私の強みは、人と人を繋ぐパイプ役を担うことが得意であるという点です。この強みは学生時代の講義でのチーム活動で特に役立ちました。私たちのチームは10人でコンテストに出すビデオゲームを作成するプロジェクトに取り組みました。

しかし、チーム内には初対面同士のメンバーも多く、最初のうちは会話がぎこちなく感じられることもありました。そこで私はボイスチャットを活用して、週に一度、皆で雑談やオンラインゲームを楽しむ交流会を開催しました。

この会を通じて打ち解け、ディスカッションが活発化し、情報共有もスムーズに行えるようになりました。その結果、皆が積極的に協力し合い、それぞれの個性を活かした作品を生み出すことができ、コンテストで銀賞を受賞することができました。

人々の関わりを深めることがチームワークの向上につながることを強く実感しました。貴社においてもこの学びを活かし、社員同士の関係性を強化し、より良い成果に繋げていきます。(450字以内)

コミュニケーション能力が高いことを「人と人を繋ぐパイプ役を担うことが得意」というよう表現に変化させています。単にコミュニケーション能力といっても、様々な種類があります。他の就活生との差別化を図るためにも、この例文のように表現方法を工夫すると良いです。

コミュニケーション能力は、業種や業界問わず必要なスキルであるため、ESの自己PRにおいて十分なアピールポイントとなります。自分が経験したエピソードを加えることで、オリジナリティのある自己PR文が作成できます。

リーダーシップ

例文

私は、リーダーシップを発揮してチームに貢献することが得意です。

大学時代のゼミ活動でリーダーを務めました。私が所属するゼミでは毎年10人ほどが参加するプロジェクトがありました。

しかし、当初は興味関心の違うメンバーが多く、議論が進みませんでした。そこで、私はメンバー一人ひとりの強みや興味を把握し、それぞれの個性を活かす役割分担を提案しました。また、意見の不一致が起きた際には、円滑にディスカッションできるために調整を行いました。

その結果、メンバー同士のコミュニケーションが活発化し、アイデアが次々と生まれ、プロジェクトを滞りなく進めることができました。この経験を通じて、リーダーシップの重要性やチームを構築するスキルを磨くことができました。

貴社の業務においても、私の経験を活かしてチームの効率性を高め、様々な新しいプロジェクトの成功に貢献したいと考えています。(400字以内)

大学時代に部活やゼミなどの活動において、リーダーを務めた経験がある人は特にリーダーシップがあることをアピールしやすいでしょう。

しかし、「リーダーシップがあります」という自己PRは、就職活動のESでよく見られる内容です。そのため、この例文のようにリーダーシップを発揮した具体的なエピソード、それによって得られた成果や学びを示すことがポイントです。さらに、その経験を活かして業務に貢献したいという意思を表現することで、志望企業に対してポジティブな印象を与えることができます。

忍耐力

例文

私の強みは粘り強く目標達成に取り組む力です。

私は大学3年生からIT企業でインターン生として働いています。主にソフトウェアの開発を担当しており、最初はプロジェクトがうまく進まないことがありました。そのような状況でも、自分たちの作ったソフトウェアで顧客に喜んでほしいとの思いを強く持ち、上司から助言を得ながら何度も何度も改善を行いました。

その結果、1年かけて新しいソフトウェアのリリースを実現し、前年比200%以上の売上増加を達成できました。また、顧客からの高い評価を得ることができ、信頼関係を築くことができました。

貴社のより良いものを追求する姿勢は、モノ作りにおいて最も重要なものだと考えます。私も顧客ファーストの意識を忘れず、困難に遭遇した際には、粘り強くどう乗り越えるかを見据え、突き進んでいきます。(400字以内)

忍耐力を「粘り強く目標達成に取り組む力」と表現しています。ただ単に「忍耐力があります」とアピールするよりも、具体性があり印象強くなります。

また、取り組みによって得られた成果を表すために数字を入れているところもテクニックのひとつです。数字を入れることで、努力の成果が見られ、強みがいかに発揮されたのかを把握しやすくなります。そのため、インターンやアルバイト、ボランティアなど何かの活動や経験によって得た成果を伝えたい場合は、数字を用いると効果的です。

傾聴力

例文

私の強みは、相手の話に耳を傾け、より良い環境づくりに貢献できることです。

大学時代にボランティア活動で、地元の高齢者施設での訪問サービスに参加しました。そこでは、利用者の方々との対話を大切にし、彼らの話に真摯に耳を傾けることが求められました。

利用者の人生経験や思い出に興味を持ち、一人ひとりの物語に寄り添いました。彼らの心に寄り添うことを心がけた結果、笑顔や笑い声に満ちた雰囲気を作ることができました。また、施設スタッフと連携を図り、利用者のニーズに合わせたレクリエーション活動を企画し、コミュニティの結束を深めることに貢献しました。

利用者の方に「ありがとう。また来てね」と嬉しいお言葉もいただき、人の話に耳を傾けることの大切さを実感しました。貴社においても、相手の話に耳を傾けながら、最適な提案を行っていきたいと考えています。(400字以内)

傾聴力をアピールする自己PRは、就活生がよく選ぶテーマのひとつです。そのため、具体的なエピソードを交え、差別化を図る必要があります。傾聴力を上手くアピールできれば、多くの企業で重宝されます。

「傾聴力が高いです」とアピールするよりも、傾聴力の高さを示すワードに変換してアピールするとより印象強くなります。さらに、具体的な活動内容や成果を示すことで、自己PR文の信憑性が高まり、相手に対する貢献や影響力を示すことができます。

協調性

例文

私の強みは、仲間と密に連携し、共に課題に取り組める協調性です。

大学時代はバスケットボール部の副部長を務めており、部活動の運営とチームの成長において、他の部員や顧問の先生との連携が欠かせない重要な立ち位置にいました。学年や競技歴が異なる人員が集まっていたため、各部員のレベルに合わせた練習メニューや試合戦術を考えることに難しさも感じていました。

しかし、部員や顧問と積極的に意見を交換し、協力し合ったことで、チームに適した練習法や試合での強みを確立することができ、結果として県大会で初優勝することできました。

この経験を通して、関わる人員と密に連携をとることで、より良い成果を上げられると実感しました。貴社でも同様に他者と協調して課題解決に取り組むことを大切にしていきます。(350字以内)

社会に出ると、他のスタッフと協力して業務を進めることが多いため、協調性は十分なアピール材料となります。

協調性をアピールしたい場合は、「私の強みは協調性があることです」とせず、具体的にどのような部分で協調性が発揮されるのかをアピールすると良いです。また、自己PRを作成する場合は、部活動でのエピソードも有効です。チームスポーツの経験がある学生は、団体行動によって培われた協調性をアピールできるでしょう。

責任感

例文

私の長所は強い責任感を持っていることです。私は大学1年生から家庭教師のアルバイトをしていますが、最初は初めてのアルバイトという事もあり、教えることに自信がありませんでした。そのため、生徒の成績も伸び悩んでいました。しかし、私は決して諦めず、生徒の成績向上のために何ができるかを常に考えて行動しました。

例えば、教える際には生徒の反応や質問に注意を向け、興味や理解度に応じて指導方法を改善していきました。また、笑顔や声のトーンなどコミュニケーション構築にも努め、ポジティブな雰囲気を作ることを心がけました。

その結果、生徒のやる気が高まり、テストの点数も上昇しました。このように自分の役割を果たすためには、自ら考え工夫することが重要だと学びました。貴社でもこの力を発揮し、仕事に全力で取り組む所存です。(350字以内)

アルバイトのエピソードを伝えても良いのだろうかと悩む人もいますが、もちろん、アルバイト経験もESの自己PRにおいて有効なエピソードです。

アルバイトを通じて、自分の役割を果たすことの重要性を学んだ人も多いでしょう。アルバイト経験がある人は、アルバイトでの出来事を振り返り、責任感を持って行動したことを盛り込んでみましょう。これから社会人として仕事をしていくにあたり、責任感が強いことは大事なアピールポイントとなります。

誠実さ

例文

私の強みは誠実さを持ってチーム活動に取り組めることです。大学時代はバレーボール部に所属しており、活動に打ち込む中で、自身のポジションや練習方法に対して、よりチームに適したものがあるのではないかと疑問を抱いたことがありました。その際、率直な報告や相談を大切にし、先輩やコーチとの綿密なコミュニケーションを心掛けました。戦術の理解やプレーの役割分担、練習計画の策定など、疑問に思ったことを積極的に質問し、チームの向上のための提案を行う努力を怠りませんでした。この結果、チーム内での意見交換が活発化しました。メンバー達の協調性も高まり、目標達成への一体感が醸成され、成績向上にも寄与することができました。この経験から、自分やチームに対して誠実に向き合うことの重要性を深く理解しました。貴社においても同様に、誠実な姿勢でチームメンバーと連携することで、課題解決への貢献を果たしたいです。(400字以内)

企業にとって誠実さを持つ人材は、信頼できる人物であるため自己PRとして効果的なテーマです。

ポイントとしては、誠実さを活かしてどのようにして企業に貢献できるかを伝えることです。また、エピソードを伝える際に、課題に対する努力の過程、成果、学びという流れを意識して書くことで、具体的に誠実さをアピールできます。自己PRの誠実さがより伝わるように、きれいな字で誤字脱字がないようES全体を丁寧に仕上げることも心がけましょう。

主体性

例文

私の強みは、課題解決に主体的に取り組めることです。

大学時代はサッカー部の部長を務めており、そこでは部員のモチベーションの低下が課題となっていたことがありました。

そこで、私は部員一人ひとりと話し合う機会を設け、個別の目標や悩みを聞き出し、適切なアドバイスや励ましを行いました。

また、部員同士オープンな雰囲気の中で意見交換や情報共有をできるよう定期的にミーティングを設置し、チーム全体の連帯感を高める場を作るようにしました。さらに、練習メニューや試合戦術を見直し、部員の意見も積極的に取り入れました。結果として、部員のやる気が高まり、試合成績も向上させることができました。

このように積極的に課題解決に働きかける力を貴社においても活かすことで、貴社の益々の発展に貢献できると信じています。(350字以内)

部活動の部長のようにリーダーの役割を担った経験がある場合は、リーダーシップだけでなく主体性という強みをアピールできます。

主体性とは、自分の考えによって取るべき行動を選択でき、その行動による結果にも責任が持てるということです。課題解決に向けて主体的に行動できる力は、あらゆる企業において重宝されるスキルです。注意点としては、主体性が自己中心的だと捉えられないよう、結果的に組織が良い方向へ進んだことを盛り込むようにしましょう。

チャレンジ精神

例文

私は何事にも意欲的に挑戦し、目標を課して取り組むことが得意です。

大学1年生のときから、販売スタッフのアルバイトを務めています。店長に働きぶりを評価していただき、商品ディスプレイの仕事を任されました。

私は毎週新しいアプローチを試み、ディスプレイのクオリティを向上させることを1ヶ月の目標としました。具体的には、商品の特長を的確に伝えるキャッチコピーを考案し、視覚的にインパクトが出るように工夫してポップを作成しました。

また、季節やイベントに合わせてテーマを変え、顧客の興味を引くような展示を心掛けました。結果として、1カ月の来店客の増加し、売上も向上しました。

この経験を通じて、自分の目標設定と計画を実行する力が成長し、新たな物事にも果敢に挑戦する自信を持つようになりました。貴社への入社後も、同様の姿勢を持って様々な仕事にチャレンジし、会社の発展に貢献したいと考えています。(400字以内)

チャレンジ精神は多くの就活生が選ぶ自己PRのテーマです。チャレンジ精神を別の言葉に変えてアピールすることで、より自分の価値観や人柄を伝えることができます。

チャレンジしたきっかけや内容、期間を具体的に示し、その結果どのような成果が得られたのかをアピールしましょう。このポイントを押さえることで、他の就活生との違いをつけることができます。また、企業とのマッチ度を表すために、企業に合わせたチャレンジ精神をアピールすることが大事です。

柔軟性

例文

私の強みは、フレキシブルに物事を進める力です。

私が所属するゼミでは、論文執筆やプレゼンテーションを通じて研究結果を発表する機会があります。しかし、初めての発表会では、自分の意見が上手く伝えられず、悔しい思いをしました。

そこで、ゼミの先輩や教授と相談し、自分なりの仮説を立てて実験を行いました。その結果、物事を違う視点から考えることの重要性を理解し、論文の再構築に取り組みました。その結果として、学会発表も成功し、卒業論文発表会でも優秀賞を受賞しました。

この経験から、課題解決のために柔軟に対応していくことが大切だと学びました。貴社においても、常に変化を求め、物事を考えながら柔軟な対応に対応していきたいと考えています。(350字以内)

柔軟性をアピールしたいけど、どのように伝えれば良いのか分からないという学生は多くいます。柔軟性があることは、「フレキシブル」というワードに変換してアピールすることができます。他にも、臨機応変な対応ができる、機転が効くという言い方もあります。

ビジネスシーンでは、柔軟性は非常に重要です。そのため、多くの企業は、時代の変化に応じて柔軟に対応できる人材を求めています。柔軟性を効果的にアピールできるように、様々な言い方を書き出してみると良いでしょう。

計画性

例文

私の強みは、高い目標に向かって具体的に計画を立て、実行できることです。

大学ではTOEIC800点以上を目指し入学しましたが、入学当初は受験試験を終えた開放感から勉強を怠っていた時期がありました。このままではいけないと気付き、そこから目標達成に向けて計画的なアプローチを取ることを決意しました。

まず、単語力を強化し、常日頃から英語を耳に入れて英語の音に慣れるようにしました。また、1日2時間はTOEICのための学習時間を確保することで努力を重ねました。その結果、大学在学中にTOEIC800点を達成することができました。

この経験から、計画を立てて実行する力が向上しました。貴社においても、この強みを活かしてお客様のニーズに応えていきたいです。(350字以内)

計画性をアピールする際は、具体的な取り組みや努力を示し、その結果として目標達成を果たしたエピソードを伝えると良いです。また、経験から得た学びを志望企業での活動に活かせることを伝えることで、将来性を感じさせることも大切です。

「計画性があります」という言葉が最初にあると、いまいち本当に伝えたいことが伝わりにくいかもしれません。他の就活生と差別化を図るために、計画性をエピソードに沿った別の言葉に変えてみましょう。

几帳面

例文

私の強みは、几帳面であることです。大学時代に複数の研究プロジェクトと吹奏楽サークルでの活動を同時進行しなければならない状況がありました。

その際、自分のスケジュールを細かく設定し、管理することで問題なく両立しました。研究プロジェクトでは、期限をしっかり把握し、タスクを細分化して優先順位を付けることで、無駄な時間を減らし、研究の進捗を確実にしました。

一方、サークル活動では、継続的なソロ練習やサークルメンバーとの合奏練習、演奏イベントの準備をスムーズに進めるために、計画を立てメンバー間でスケジュール共有をしました。その結果、どちらにおいても良い活動成果を上げることができました。

入社後も、新たな状況に柔軟に対応しながら、几帳面な性格と計画性を活かして、仕事を効率的にこなしていきたいと考えています。(350字以内)

几帳面な人材は、事前準備を怠らず仕事を丁寧にこなす人物であると評価されます。

企業に入社すると、ときにいくつもの業務を担うことがあります。そのため、学生時代に几帳面な性格と計画性を活かして複数の活動をこなしていたことをアピールすることは、非常に効果的です。企業側は、入社後も複数の業務を効率的に進めていくことができそうだという良いイメージができます。自己PRを通して、採用するメリットを示すことが大切です。

提案力

例文

私は、新しいアイデアや解決策を提案することが得意です。大学時代にアルバイトをしていた飲食店で、売上向上のためにメニューの提案をしました。しかし、当初はお客様から「この店は美味しいけど、値段が高い」と言われました。

そこで、まずはお客様のニーズを把握し、それに合わせた提案を心がけました。また、他のアルバイトにも積極的に声をかけ、信頼関係を築きました。その結果、徐々に新しいメニューのファンも増え、店長から「あなたに任せてよかった」と言っていただけるようになりました。

この経験から、相手のニーズを汲み取り、それに応える提案力を高めることができました。貴社においても、この経験を活かして課題解決のために積極的に新しいアイデアを提案していくことに努めたいと考えています。(350字以内)

一般的に、営業職やコンサルタントなどの業種で提案力が求められます。提案力がある人は、課題を見つけ、その課題を解決する策を考え、説得力を持って伝えることができる人材です。

このようなスキルは、ビジネスシーンにおいて必要とされるため、自己PRとして非常に効果的です。具体的なエピソードを盛り込むことでより効果的になるため、アルバイト以外でもサークル活動やゼミ、部活動など自分が経験した出来事を当てはめてみましょう。

好奇心旺盛

例文

私の強みは、新しいことに前向きに取り組むことができることです。大学に入学したころから始めた趣味の料理では、日々積極的に新しいレシピに挑戦しています。

料理を始めたころは、包丁の使い方も危うく、何を作るにしても失敗作ばかりでした。しかし、毎日少しずつ自分にできそうな簡単なレシピから始めていき、今では両親にも驚かれるほど腕を上げることができました。最近では、自らアレンジして新しい料理を作り出すことにも挑戦しています。

このような経験を通じて、創造性を養い、新たなチャレンジに対する意欲も高まっています。貴社においても、新しいプロジェクトや課題に対して前向きな姿勢で取り組み、成果を上げていきたいです。(300字以内)

好奇心旺盛な性格をアピールすることで、何事にも前向きにチャレンジできるということを示すことができます。

どのような仕事も好奇心がなければ続けることはできません。よって結果的に、仕事に対する意欲をアピールすることにも繋がり、就職活動において非常に効果的なテーマであると言えます。ただし、好奇心旺盛であることを「すぐに飽きてしまう」と捉えられる場合もありますので、物事を成し遂げたエピソードを交えるようにしましょう。

行動力

例文

私の強みは、困難な状況でも諦めずに乗り越える行動力があることです。

私は、大学2年時にIT企業での長期インターンシップに参加しました。その際、私の最初の課題は、新しいプログラミング言語を短期間で習得し、プロジェクトにすぐに取り組むことでした。最初の数週間は、難しい技術に取り組む中で、何度も挫折を味わいました。

しかし、私はその度に自分自身にチャレンジし、同僚や上司からのフィードバックを積極的に受け取りました。分からないことはすぐに検索し、疑問点や不明点を分からないままにしないことを心がけました。その結果、最終的には課題が解決し、プロジェクトを成功裏に終了させることができました。

この経験が、私の行動力をさらに強化し、新たな挑戦に果敢に取り組むことを可能にしました。貴社においても、困難な状況でも諦めずに挑戦する姿勢を持ち続けます。(400字以内)

仕事での即戦力を求める企業が多く、行動力がある人材は重宝されます。新卒者も将来性を秘めているという点においては、ポテンシャルが高いとみなされるため、即戦力として扱われます。そのため、ESの自己PRにおいても非常に効果的です。ただ一言で「行動力があります」というよりは、どのようなことに対して行動力を発揮できるのかを伝えるとより印象が良くなります。

企業が知りたいことは、成果の大きさよりも達成までの過程です。行動力が培われたエピソードを重点的に示しましょう。

自己PRが書けたら見直すポイント

誤字脱字はないか

自己PRに限らず、ビジネス文書での誤字脱字は大きな減点対象です。特にパソコン入力していると誤字脱字に気が付かないことも多く、そのまま提出してしまいがちです。誤字脱字は「正しい日本語が使えない」というマナーの悪さ、また「ミスに気が付かない」という注意力のなさを露呈することになります。

このような事態を防ぐためにも、文章は一度紙に出力することをおすすめします。実際に、どのように読まれるのかを客観的に見ることで誤字脱字に気が付きやすくなります。また、客観視という意味では他の人に読んでもらうというのも効果的な方法です。

もう1つ、誤字脱字と並んで注意したいのが言葉の誤用です。言葉の誤用が1か所あるだけでも、業界や企業に対する熱意を疑問視されてしまいます。分からない言葉は必ず調べてから使うようにしましょう。もしくは、誤用や誤読の原因になるくらいなら、いっそ使わないというのも1つの選択肢です。

文章は論理的に書けているか

文章の論理性は、内容を相手に正しく理解してもらうためには最も重要なポイントです。自分の強みとその裏付けとなるエピソードは本当に関連があるものか、関連はあるが勝手な自己判断で結論を導いていないかなど、「自分を知らない第三者がの相手が説明を聞いて納得できるか」を基準において評価します。

「分かりにくい」と感じた場合は、そこに論理の破綻や飛躍が存在します。その場合は、必ず「なぜ」と自問自答しましょう。その「なぜ」こそが納得できない理由であり、また自己PRに盛り込まなければならない内容です。

きちんと筋道の通った文章が書けることは、社会人において必須の能力です。プレゼンテーションに限らず、上司や同僚との報告・連絡・相談など、様々な場面で論理性は重要視されます。感情的にならず、落ち着いて自己PRを仕上げましょう。

嘘や誇張のある文章になっていないか

自己PRで誇張した表現や嘘を書く求職者は、実は珍しくありません。job総研の調査では、実に38.7%の求職者が「嘘をついた」と回答しており、さらに、そのうちの10%がガクチカや自己PRにおける嘘をついたと回答しています。

ただし、リクナビの調査では採用担当の6割が嘘に気が付いたという報告もあるため、嘘は間違いなくバレます。ESの他の記載内容と矛盾するばかりではなく、自分自身の信頼にもかかわるため、嘘や誇張した内容を書くことは辞めましょう。

自己PRは「自分らしさ」が重要です。他の求職者より優秀であったり、派手である必要は全くありません。無理に自分を大きく見せるのではなく、自己PRを誠実に書いて等身大の自分で勝負しましょう。

内容は適切な文量になっているか

企業が自己PRで知りたいことは、「入社後に貢献してくれるかどうか」です。極端なことを言えば、「私は〇〇が得意です」と「〇〇を使って、▢▢というメリットをもたらします」という結論の部分が重要であり、それ以外は枝葉になります。

そのため、あまりにも理由の部分となるエピソードの割合が多い自己PRは、要となる部分が少なく「強み」のアピールにつながりません。説得力を持たせるためにある程度の話の展開は必要になりますが、強みと直接関連しない内容は省くことも考えましょう。

反対に、結論ばかりに文字数を割くと、今度は根拠が不十分になり説得力が薄れてしまいます。個々の段落で適切な文量というのは異なるため、完成後は一読し不足や過剰な部分は調整しましょう。

字数制限からの逸脱していないか

字数制限がない場合、自己PRは300〜400字程度でまとめることが基本です。ただ、なかには字数制限や回答の形式を設ける企業も少なくありません。そのような場合は当然、その指定に従って文字数が規定内に収まる様に回答しましょう。

勿論、文字数が規定よりも圧倒的に不足しているものは論外です。相手に誤解を生じさせることなく、自分の意図を伝えるためには、ある程度の文字数は書かなければなりません。

目安としては、「〇〇字程度」であれば指定文字数のプラスマイナス1割、「〇〇字以内」であれば、制限文字数の8割以上を目標にしましょう。多すぎず少なすぎずが、自己PRを書くときには重要です。

自己PRは書き方や内容を意識して魅力的に仕上げましょう

企業が自己PRを質問する目的は、「この人はどんな人なのか」を知ることにあります。そのためには、求職者からも自分の魅力や価値を的確に伝えなければなりません。改めて、自分の強みは何かをよく分析してから自己PRを作成しましょう。

また、自己PRを魅力的にするためには、具体的な経験やエピソードを挙げることも重要です。明確で具体的なエピソードになるほど、採用担当も興味を持ってくれるはずです。最後まで細部にこだわり、明確で分かりやすい構成、指定の文字数を意識し、内容の濃い文章に仕上げましょう。