「調整力」は多くの企業で活かせるため、自己PRのテーマとしておすすめの能力です。
しかし、適切な書き方を理解していないと、高い調整力は伝わりません。なぜ企業が調整力のある人材を求めているのかを知った上で、魅力の伝わりやすいエピソードを選ぶことが重要です。
この記事では、調整力をテーマにした自己PRの書き方を、基本から注意点まで詳しく解説します。さらに、参考にしやすいテーマ別の例文や、言い換えで差別化のできる例文も紹介しています。
調整力をアピールする自己PRの書き方
基本はPREP法で書く
Point:結論(アピールポイント)
Reason:理由
Example:具体例(具体的なエピソードや経験)
Point:結論
自己PRを書く際は、シンプルながら要点が伝わりやすい「PREP法」を意識して書くことをおすすめします。PREP法とは、Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)という順序で文章を作る手法です。
書き出しで簡単にアピールポイントを述べることで、その後の文章の内容を把握しやすくなります。その後、アピールポイントの根拠となる理由や具体例を説明し、説得力を持たせましょう。
最後は再び結論を述べますが、ここでは理由の説明を踏まえて、より詳細なアピールポイントを示します。さらに、その強みを入社後にどう活かすかを伝えて、自己PRを締めましょう。
企業研究を踏まえてエピソードを選ぶ

自己PRで用いるエピソードは、応募企業の求める人物像に合わせることが重要です。さらに、その企業の事業内容を確認し、より活かせるような経験を取り上げると効果的です。
企業研究の方法は、企業のホームページや説明会以外でも行うべきです。例えば、過去の実績やSNSの発信情報、各種就活エージェントでの口コミなど、ネットを活用することで多くの情報を手に入れられます。
豊富な情報を基にして自己PRを作成すれば、より刺さりやすい内容に仕上げることができるでしょう。
エピソードには具体的な数値を使う

エピソードの内容や成果には、なるべく具体的な数値を用いるようにしましょう。「〇%の改善」「〇人規模」などの情報を付け足すだけで、根拠の具体性が高まります。
自己PRは結果が全てではありませんが、結果を出せる人が評価されやすいのも事実です。そのため、自分が強みを活かして、実際にどれだけの成果を上げたのかを明確にすることで、能力の高さが伝わりやすくなるでしょう。
ただし、何にでも数値を用いていると、かえって強調したい部分の数値が目立たなくなるおそれがあります。根拠として影響が少ない部分はあえて省略するなど、成果を際立たせる工夫も必要です。
経験や学んだことを仕事でどのように活かすか伝える
- チーム内の課題を見つけながら、周囲と協力して業務に取り組みたい。
- 入社後も相手を尊重しつつ、目標達成のために取り組みたい。
- 意見の対立があっても粘り強く交渉する力は、営業の仕事でも役立つと思います。
- 培った調整力を活かし、貴社の売上アップに貢献したい。
- 双方の立場で物事を調整した経験は、貴社の○○という仕事でもお役に立てると思います。
自己PRでは、今までの経験から培われた強みだけでなく、その強みを将来どう活かすのかが問われます。
そのため、最後は必ず「仕事でどう活かせるか」という点について述べるようにしましょう。自分の意気込みや意欲も織り交ぜられると、熱意の伝わる自己PRに仕上がります。
調整力をテーマにした自己PR例文5選
①サークル
私の強みは、調整力です。周囲の意見を取り入れつつもブレずに目標達成に向かうことができます。学生時代はサークルの部長を務め、運営側の意見として特に多かった「新入部員の対応が大変」「加入後すぐに辞めてしまう部員が多い」という問題に取り組みました。
私は、①入部できるタイミングを「随時」から「年3回」へ変更することと、②入部前にサークルの規約を渡し質問を受け付けることを提案し、周囲の合意を得て実行しました。
「入部時期に制限を付けることで新入部員の数が減るのではないか」という意見もありましたが、結果は、入部を希望する人数の減りはありませんでした。加えて、運営側の負担軽減と入部後すぐに辞める部員数を大幅に減らすことができました。
仕事においても、チーム内で意見が分かれた際は、周囲の意見を取り入れつつ、目標達成に向けて最善の選択を心がけたいです。(400字以内)
新入部員対応を行う運営側と、入部後不安や疑問を抱え辞めてしまう新入部員、両方の意見を反映させる解決策が示されており、調整力があることが分かります。
周囲の意見を取り入れつつも目標達成に向けて信念を通す姿から、調整力の高さをアピールできています。
②部活
私の強みは、人と人の間に立って円滑に物事を進める調整力です。
大学ではバレー部のマネージャーを務めました。その当時、キャプテンと副キャプテンの考え方の食い違いによって、練習メニューが定まらず部員全体が同じ目標を持てない状況が続いていました。
私はキャプテンと副キャプテンだけではなく、部員全員の意見を聞き考えを整理する中で「大会で勝ち上がりたい」という気持ちの共通点を見つけ、双方に伝えました。その結果、お互いの意見を聞き入れてくれるようになり、徐々にわだかまりが溶けていきました。大会では惜しくも負けてしまいましたが、全員で話し合い同じ目標に向かって戦えた経験は、大きな学びとなりました。
入社後も調整力を活かして、チームの仲介役として役割を果たしたいです。(350字以内)
対立する意見の間に立って双方の共通点を見出し、チームが一丸となるための働きができており、調整力があることを示せています。
また双方の意見をただ伝えるだけでなく、部員全員の意見を聞き整理できているところも評価されるポイントです。
惜しい結果になったことは強いアピールにはなりにくいため、取り組み内容についての記載を増やしてみると、より調整力にフォーカスした自己PRになるでしょう。
③アルバイト
私の強みは、目標達成のために計画を調整し立て直すことができる「調整力」です。家庭教師のアルバイトでは、部活と勉強の両立に悩む学生を担当しました。当初は平均点を下回る状況だったので、成績を今より10%上げる目標をたて、すぐに学習計画の見直しに取り掛かりました。
計画を立て直すにあたり、生徒が勉強より部活に比重を置きたい期間は、生徒の思いを尊重し学習時間を減らすなど生徒の気持ちに寄り添いました。一方で、学習時間を減らす場合は、通学時間や早朝など隙間時間に取り組める教材を充実させたり、確認テストの頻度を増やすなどして知識の定着に力を入れました。その結果、生徒の成績もあがり目標を達成することができました。
仕事においても、問題が発生した場合は、敏速な状況把握と柔軟に計画の立て直しに取り組み、目標達成を目指したいです。(400字以内)
結果が出ていない状況から新たな目標を立て、その後すぐに行動に移せた姿は、調整力があることを示しています。
また、生徒の気持ちを尊重し学習時間を減らすだけではなく、学習時間を確保する対策も提案している姿は「難しい状況でも諦めずに目標を達成しようとする強い意思」が伝わります。
④ゼミ
私の強みは、リーダーとしての調整力です。ゼミのグループディスカッションで、意見の対立を解消し、プロジェクトを円滑に進めました。プロジェクトで、グループ内のメンバーが異なるアプローチを取ろうとしていたため、方向性が決まらず進行が遅れていました。私は、まず全員の意見を整理し、各メンバーが抱える問題点を把握しました。その上で、共通のゴールを再確認し、最も効果的な方法をチーム全員で共有しました。また、作業の進捗管理を徹底し、役割分担を再調整することで全員が自分の責任を持ち、積極的に取り組む環境を作り出しました。結果として、プロジェクトは予定通りに完成し、発表は成功を収めました。この経験から、調整力を駆使して、チーム全体をまとめる力を身につけました。(350字以内)
意見が対立する中で、全員の意見を整理し、問題を把握するというところから調整力の高さが読み取れます。
また、リーダーとして指示するだけではなく、ひとりひとりに責任を与えることでチーム全体の士気を上げる取り組みができているという点でも高く評価できます。
⑤留学
私の強みは、柔軟な調整力です。留学中、当初予定していた授業カリキュラムやホームステイ先などが変更された際に、迅速に適応し、最良の結果を導くことができました。元々予定していた留学プログラムがキャンセルされ、代わりに新しいプランを提案されました。その際、私は自身の目標を再確認し、変更されたプランにどのように適応すればより多くの学びを得られるかを考えました。特に、変更された授業カリキュラムの中で不足しているスキルを補うために、別の授業や課外活動に積極的に参加しました。また、留学生活全体を通じて、自分の学びや成長を最大化するために、時間管理やスケジュール調整を細かく行いました。このように、変化する環境に迅速に対応し、柔軟にプランを調整する力を身につけました。この調整力を、貴社での業務にも活かし、変化に対応しながら成果を上げていきたいと考えています。(400字以内)
業務では、急な変更や対応は日常的に起こります。そのような場合に、柔軟に素早く対応できる人材は会社でも重宝されます。
また、新しいプランへの適応力やプラン調整の計画性などもあわせてアピールできている点が好印象です。
⑥ボランティア
私の強みは、調整力です。大学でのボランティア活動で、地域イベントの運営を担当した際、調整力を発揮しました。イベントの準備段階で、ボランティアメンバーが多忙で参加できない状況が発生しました。私はまず、メンバー1人ひとりの都合を聞き取り、できる時間帯を調整しました。その後、役割ごとにタスクを分担し、効率的に作業が進むようスケジュールを再設定しました。また、限られた時間内で準備を進めるため、オンラインでの打ち合わせを提案し、遠隔地のメンバーとも連携を密にしました。結果として、全員が参加できる形で役割分担が完了し、イベントは無事成功しました。この経験を通じて、異なる都合や状況を調整し、チーム全体をまとめる力を養いました。この調整力を、貴社での業務にも活かし、プロジェクトを円滑に進行させていきたいと考えています。(400字以内)
社会人になるとやらなければならない業務が日々更新・追加されるため、スケジュール管理は重要なスキルとなります。
自分だけではなく、メンバーのスケジュールやタスク管理と同時にプロジェクトを進行するのは簡単なことではありません。調整力に加え、マルチタスク能力を示すことで、より効果的なアピールとなります。
⑦インターン
私の強みは、調整力です。私は、マーケティングのインターンシップをしていた際、キャンペーン実施直前にクライアントからターゲット層の変更指示を受け、チーム全体でのプラン修正が必要となりました。そこで、私はまず新たなターゲット層に適した広告やコンテンツの内容を見直し、各メンバーが対応すべき変更点を明確にしました。
加えて、進行状況にズレが生じていたため、再度スケジュールを調整し、タスクを分担し直しました。また、クライアントとのミーティングを迅速に調整し、フィードバックを元に改善案を出すことで、柔軟に対応しました。結果として、キャンペーンは無事成功し、ターゲット層への訴求力が高まり、期待以上の反響を得ることができました。
具体的には、キャンペーンのコンバージョン率が20%向上し、クライアントからはROIが30%改善したとのフィードバックを頂きました。この経験を通じて、プロジェクト進行において柔軟に調整し、チーム全体の目標達成に貢献する力を身につけました。この調整力を貴社でも活かし、スムーズなプロジェクト運営を実現したいと考えています。(500字以内)
インターンで発揮された強みは、ビジネスの場で活躍する姿が想像しやすくなるため自己PRに効果的なテーマです。インターンがエピソードとして使えそうな場合は、積極的に取り入れましょう。
また、成果を具体的な数値を用いて示すことで、どれほどの成果なのかが読み手にも伝わりやすくなります。
調整力を言い換えた場合の自己PR例文5選
- 協調性
- 相手のニーズを引き出す力
- 傾聴力
- 合意を得る力
- リーダーシップ
調整力と一括りにしても、その内容は「多様な意見を取り入れることができる」「相手の話を深く聞き、相手を尊重できる」など、細かな違いがあります。
これらの違いに合った言葉に言い換えることで、さらに具体的に能力が伝わり、他の応募者との差別化も図れます。
ここからは、調整力を他の言葉に言い換えた場合の自己PR例文を紹介していきます。
①調整力を「協調性」に言い換えた例文
私の強みは、協調性です。多様な意見を取り入れ、周囲と協力して目標達成に貢献します。
大学時代に文化祭の実行委員会でダンスコンテストの担当をしましたが、実行委員の中でも、担当以外の出し物には関心が薄く、どんな出し物があって誰が担当しているのかなど把握しにくい状況でした。
そこで私は、みんなで協力して文化祭を盛り上げたいと考え、他の企画にも積極的に声をかけ、全体で話し合う機会をつくるなどして周囲との交流をとることを心がけました。
結果、文化祭は盛況に終わり、観客数も前年比2倍を達成しました。
入社後も強調性を活かし、良好なコミュニケーションを心掛け、周囲と連携して目標達成に貢献したいです。(300文字以内)
どんな仕事でも一人では完結しません。適切にコミュニケーションをとり、周りの状況を理解しながら気配りができる協調性は魅力的なアピールポイントです。
調整力の中でも「対人関係を作る力」や「意見をまとめる力」を発揮したエピソードがあれば、「協調性」を強みとしてアピールした方が効果的に伝わるかもしれません。
協調性をアピールする際は、「馴れ合い」だと伝わらないように注意しましょう。馴れ合いの関係は、向上心や目的意識が低い印象を与えます。あくまでも周囲と良い関係を築き成果を出す「協調性」をアピールしましょう。
②調整力を「相手のニーズを引き出す力」に言い換えた例文
私の強みは、相手のニーズを引き出す質問力です。自分の意見を一方的に説明するのではなく、質問力を使って相手のニーズを引き出し成果に繋げます。
学生時代はアパレル販売のアルバイトをしました。接客する際には、いきなりおすすめの商品を案内するのではなく、初めにお客様がリラックスしてお買い物ができる環境を整えます。次にお客様がお探しのアイテムの質問を投げかけ、ニーズを引き出します。こちらから商品案内を積極的に行うのではなく、まずはお客様の声に耳を傾けることを心掛けました。丁寧な接客を心掛けた結果、アドバイザーとしてたくさんの指名をいただけるようになりました。
私は相手のニーズを引き出す為には、「信頼関係の構築」と「適切な質問」の二段階が必要だと考えます。入社後もこの強みを活かし、貴社の売上アップに貢献したいです。(400字以内)
「相手のニーズを引き出す力」は、相手の意見を聞き調整していく「調整力」と重なります。
例文のように、輝かしい実績はなくても、成果を出すために必要な手段を学んだ経験は、結果を裏付ける魅力的なエピソードです。
相手の潜在的ニーズを理解する力がある人材は、ニーズを引き出すための「質問力」が優れています。効果的な質問をするための要素でもある「情報整理力」や「説明が上手」といった強みもアピール可能です。
③調整力を「傾聴力」に言い換えた例文
私の強みは、傾聴力です。環境や価値観が違う相手に対して、相手の話を深く聞き、尊重する姿勢で信頼関係を築き成果に繋げます。
学生時代は、異文化交流のセミナーやイベントに積極的に参加しました。初めは、価値観が違う外国の方との交流を難しく感じる場面もありました。しかし、相手の表情や話の背景を読みとり、話を深く聞くことで良好な信頼関係が築けることを実感しました。卒業前にはイベントを主催するお手伝いにも参加し、異文化交流の楽しさ、難しさを沢山の学生に伝えられたことが私の喜びです。
外国の方と信頼関係を築けた経験を活かし、インターナショナルな貴社において様々な背景を持つスタッフの方と協力して業務に取り組みたいと考えています。
(350字以内)
良好なコミュニケーションを取るために欠かせない「傾聴力」は、相手の話を聞き成果に繋げる「調整力」と重なります。
相手の立場や意見、感情に寄り添い真摯に向き合う人は、周囲からの信頼も得ることができます。
企業にとって、社内外スタッフやお客様と信頼関係を築いていける人材は、とても貴重な存在です。信頼関係につながる傾聴力をうまくアピールできれば、採用担当者の関心を得ることができるでしょう。
また、外国の方との交流で多彩な価値観に触れ、価値観の違いに対応できた経験は、傾聴力をアピールするのにおすすめのエピソードです。お持ちの方はぜひアピールしましょう。

④調整力を「合意を得る力」に言い換えた例文
私の強みは、合意を得る力です。対立する意見に対しては、双方が納得できる折衷案を提示し合意に向けて積極的に働きかけます。
学生時代のアルバイトでは、作業の進め方に不満を持つ2つのグループがありました。私はリーダーとして話し合いの場を設けるにあたり、事前に双方の現状を聞き折衷案を作りました。そして「お互いの現状を知ってもらうこと」「何のために作業しているのかという目的の共有」を意識し話し合いを行いました。
話し合いでは「誰が・いつまでに・何をするか」といった細かな手順も明確に決め、今後、疑問や不満が出ないようにルール化しました。その結果、作業の進め方への不満の声はなくなり、安定した成果を出せるようになりました。
私は対立する意見を円満に解決するためには、互いの現状を理解し合うことや、目的の共有、共通のルール設定が重要だと考えます。
入社後はこの合意を得る力を活かして、周囲と協力して売上向上に貢献します。(450字以内)
周囲に合意を得るためには、人と人との間に立って意見をすり合わせる調整力が必要です。
自分の意見や現状を分かりやすく説明する伝達力と、意見や立場が違う相手に納得してもらう2つの力が必要になるので、一度で2つの強みを伝えることができるでしょう。
また、企業は合意を得ることが目的ではなく、合意後の結果が良いか悪いかを重視します。自己PRで「合意を得る力」をアピールする際は、合意後の結果も伝えるようにしましょう。
⑤調整力を「リーダーシップ」に言い換えた例文
私はリーダーシップを発揮できる人材です。リーダーは、チームを力強く引っ張るだけでなく、メンバーの意見や状況を理解しバランスをとりながら前進させる調整力が重要だと考えます。
学生時代のゼミの研究ではリーダーを任されました。グループ研究では、メンバー同士が意見を出し合うことが大切ですが、最初は遠慮から意見が出にくい状況でした。私は自分が率先して意見を出すことが活発な意見交換につながると思い積極的に発表しました。しかしリーダーである私の意見は通りやすく、他のメンバーの発言機会を奪っていると感じました。
そこで私は発言するだけでなく、できるだけメンバーに話を振るように心がけました。その結果、周りからも意見が出るようになり、メンバー全員で良い議論ができるようになりました。リーダーには力強いリーダーシップと同時に、周囲の意見を聞き調整しながらチームを良い方に導く力が重要だと考えます。
この経験を活かし、入社後も意見やアイデアが出しやすい雰囲気づくりを心がけ、周囲と協力して売上向上に貢献したいと考えております。(500字以内)
チームの雰囲気やメンバーの個性に合わせて、リーダーシップのとり方を工夫したことが伝わりやすいエピソードです。
思考や価値観が多様化する現代においてリーダーに求められるのは、メンバーの持ち味を活かしつつ周囲と連携させる調整力です。
リーダーシップをあわせ持つ調整力をアピールすることで、リーダーとしての活躍も期待してもらうことができます。
また、企業では調整した結果も重視されるため、リーダーシップを発揮してチームのために行動した結果、どのような成果を得たのかも伝えるようにしましょう。
調整力の根拠にしやすいエピソードのテーマ一覧
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部活・サークル
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ゼミ・グループワーク
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アルバイト
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インターン・長期プロジェクト
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イベント運営
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コンテスト・大会参加
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ボランティア活動
調整力は、グループや組織で何かに取り組むことであれば、必ず活かす機会のある能力です。中でも上記のテーマは経験している人も多く、採用担当者に状況を想像してもらいやすい自己PR向けのエピソードになります。
上記以外のテーマであっても、複数人のグループの経験であればエピソードとして用いることは可能です。
ただし、あまりに珍しいものは採用担当者に伝わりにくい可能性が高いです。わかりやすくするための説明を追加しても、アピール自体が薄れてしまうこともあります。そのため、基本的には上記のテーマの中から選ぶことがおすすめです。
自己PRで調整力のアピールが効果的な理由とは?
仕事をスムーズに進められる
調整力がある人は、日頃から円滑なコミュニケーションを取り、周囲と信頼関係を築いていることが多いです。
そのため問題発生時など周りとの連携が必要な場合も、関係者とすばやく協力して仕事をスムーズに進められます。
問題が発生した場合も、日ごろから信頼関係が築けていれば、関係性を作る時間や問題解決に対応する時間が減り仕事の効率化が図れます。仕事を効率化できれば、関係者全員が円滑に仕事を進めることができます。
このように調整力がある人を雇うことは、社員全員の仕事の効率化につながります。
利害の対立を解消できる
仕事では、利害が対立する場面が多くあります。調整力がある人は、利害が対立する場面でも両者の意見を聞き入れ調整し解決策を講じることができます。
周囲の状況や意見を考慮した上で、関係者全員をゴールへと導ける人は貴重です。特に、社内外の対立を、自ら掛け合って解消できる能力があれば、多くの企業で重宝されるでしょう。
リスクに気づくことができる
仕事では、リスクがつきものです。調整力がある人の「人脈をつくる力」や「情報を収集する力」は、仕事上のリスク管理にも役立ちます。
日ごろから周囲の状況を把握しているからこそ、リスクが起こりそうな兆しにもいち早く気づくことができるのです。
企業は長く続けていくことが第一です。そのためには、損失が出る事態はできるだけ避け、それでもなお起こってしまった事態に対しては損失を最小限にとどめなければいけません。
調整力を活かしてリスク管理ができる人は、長期的に企業に貢献できると判断してもらえるでしょう。
目標達成へ向かう力
調整力がある人は、さまざまな状況を考慮したうえで目標を示し、全体を成功へ導くことができます。
企業は収益の拡大や、顧客満足度といった目標や目的を持って活動しています。そのため目標達成にこだわる人材は特に必要とされています。
企業が掲げる目標に対し、積極的に関わっていく姿勢が見せられると良いでしょう。
合意形成へと進める力
調整力があれば、集まってくる情報をもとに関係者の潜在ニーズに気付き、全員が納得する形で合意を得ることができます。
利害関係が生まれやすいビジネスの場では、取引先や顧客などの潜在ニーズを捉えることがビジネスを発展させていくために重要なことです。潜在ニーズに気づくためには、日ごろから周りの人と関係を深めて信頼関係を築ける調整力が必要です。
調整力をアピールする時の注意点
「間を取り持った」だけでは少し弱い
調整力を示すエピソードとして、「意見の対立において間を取り持った」という経験はよく使われます。しかし、それだけでは有効性が伝わりにくく、結果として弱いアピールになってしまいます。
調整力の根拠として必要なのは、「間を取り持った上で、どんな取り組みをしたか」というエピソードです。お互いの意見を良く聞き、それを踏まえて解決策を考え、実行に移せることを示すようにしましょう。
調整を妥協と思われないようにする
自己PRで効果的な「調整力」とは、「対立した意見の落としどころを見つける」ことではありません。そのような解決は「妥協案」としてみなされ、根拠そのものが不適切だと判断されてしまいます。
それぞれの意見を聞いた上で、お互いにとってより良い結果になるように努めることが、企業の求める調整力です。
エピソードを振り返り、その取り組みがより良い結果のためだったのかを確認しておきましょう。
結果に繋がっていないエピソードは使わない
調整力を活かしても、特に結果には繋がらなかったエピソードは、根拠として弱いと思われるでしょう。
ただし、調整力を活かした結果とは、必ずしも利益や成果だけに限りません。例えば「練習についての意見対立を解消し、練習効率を向上したが、大会では惜しくも優勝を逃した」といったエピソードがあれば、十分に結果を出していると判断されます。
対立を解消し、より良い方向へ導いた経験があれば、最終的に惜しい結果になっていたとしても問題ありません。
調整力を魅力的にアピールしよう
ビジネスの現場では、関係者と協力し業務を進める場面がほとんどです。そのため、調整力を持つ人材はどの企業でも重宝されます。
採用担当者の関心を得る魅力的な自己PRにするために、企業がどのような性質の調整力を求めているかをあらかじめチェックし、自己PRの作成を開始することがポイントです。
また、採用担当者にできるだけわかりやすく伝えるために、調整力を細分化し別の言葉で説明したり、身に着けた調整力を仕事でどのように活かすかを具体的に示すことができれば採用の確率も上がります。
「調整力」の中でもどんな部分が長けているのかをよく分析し、最大限に自分の魅力が伝わるようにアピールしていきましょう。