「向上心」をESの自己PRで効果的にアピールする方法とは?【例文あり】

向上心を自己PRで強みとしてアピールしたくても、どのように書けば良いかわからず悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

向上心を強みとして伝える就活生は多いため、より効果的にアピールするためにはポイントを押さえ、的確に要点を伝えることが大切です。具体的なエピソードを交え、向上心によってどのように企業に貢献できるのか企業が求める人物像にマッチするようにアピールしましょう。

本記事では、向上心を自己PRで効果的に伝えるためのポイントや注意点を解説します。併せて、向上心をアピールする自己PRの例文を5つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも「向上心」とは

ESの自己PRで向上心をアピールすることは効果的ではありますが、そもそもの定義を理解できているでしょうか。向上心とは、自己成長や進歩への強い意欲や欲求のことを指します。具体的には、自身の能力やスキルを向上させ、より良い自分になろうとする意思や情熱を表します。

このような要素を持つ人は、組織においても大きな貢献をもたらす人材である可能性が高いため、重宝されます。よって、向上心を自己PRでアピールすることは志望企業に対して効果的なアピールといえるでしょう。

向上心がある人の特徴

向上心がある人の具体的な特徴は、主に3つあります。

  • 常に新しい知識やスキルを獲得しようと努力する
  • 困難や新しい挑戦に対して恐れずに、積極的に取り組もうとする
  • 明確な目標を設定し、達成のために努力を惜しまない

向上心がある人は、学ぶことを楽しみ、自己成長のために積極的に行動します。困難や新しい挑戦に対して臆することなく、逆境を乗り越えようとする姿勢があります。また、自分の目標に向かって努力し、達成感や成長を感じることでモチベーションを維持します。

向上心が強い人は、仕事にも積極的に取り組むことが期待されるため、企業の印象は良くなるでしょう。

企業が求める向上心

企業が求める向上心は、社員が自らの成長や組織の発展に向けて積極的に取り組む姿勢を指します。これは、変化の激しいビジネス環境において、柔軟性適応力を持ち、新しいアイデアや挑戦に果敢に取り組む能力を示すことも含まれます。

さらに、目標を設定し、達成に向けて努力する意欲や、他者からのフィードバックを受け入れ、それを成長の機会と捉える柔軟性も重要です。これらは、組織全体の成長や競争力を維持し、持続的な成功を達成するための不可欠な要素となります。

自己PRで向上心をアピールする際のポイント

向上心を高めた理由を伝える

自己PRで向上心をアピールする際には、自身の向上心を高めた理由を明確に伝えることが重要です。

なぜ自分が向上心を持っているのか、その背景や動機を具体的に説明することで、自己PRの信憑性や説得力が増します。自分がどのような経験や価値観から向上心を培ったのか、どのような目標や理想に向かって努力しているのかを明確に伝えることで、選考の担当者に自身の真摯な姿勢や熱意をアピールすることができます。

向上心を発揮した具体的なエピソードを挙げる

具体的なエピソードを挙げると、向上心があることをより効果的にアピールできます。過去の経験で、どのように向上心を発揮したのか、その具体的な事例を挙げることで、自己PRがより説得力のあるものとなります。

例えば、新しいスキルを習得するために自主的に学習した経験や、困難な課題に立ち向かい、解決策を見出したエピソードなどを加えることで、自分の向上心を実証し、自己PRの効果を高めることができます。

「向上心」を言い換える

自己PRで向上心をアピールする場合は、別のワードに言い換えることがポイントとなります。

例えば、「責任感がある」「チャレンジ精神がある」「打たれ強い」など、向上心の概念を別の言葉やフレーズを使って表現しましょう。これにより、自己PRがより多様化し、新たな視点からアピールすることができます。また、自分の熱意や情熱を強調し、他の就活生との差別化も図れるでしょう。

向上心を別の言葉で表現することで、志望企業に対して自分の価値をより魅力的に伝えることができます。

入社後に向上心を発揮するイメージを与える

自己PRの最後は、入社後にも継続して向上心を発揮するイメージを与える文章で締めることが大切です。過去の経験や成果を通じて、今後も新しい挑戦に果敢に取り組み、組織やチームの発展に貢献する意思をアピールしましょう。

また、スキルアップへの積極的な取り組みや、仕事に対する情熱や責任感を強調することも大切です。入社後も向上心を持ち続けることで、企業に対する真摯な取り組みや成長意欲を示し、自己PRをより魅力的にすることができます。

向上心の自己PRが効果的な企業

成長と学びの文化を持つ企業

向上心があるという自己PRが効果的な企業は、成長と学びを促進する文化を築いています。社員が自己成長やスキルアップに積極的に取り組む環境を提供し、学びの機会や成長のサポートを行っています。

こうした取り組みは、社員が自らの向上心を発揮しやすい環境を作り出し、結果として組織全体の成長に貢献します。そのため、向上心があるということは、その企業で働く価値観や文化にマッチする重要な要素となります。

チャレンジ精神が旺盛な企業

失敗を恐れずに新しいアイデアやプロジェクトに果敢に取り組む文化がある企業は、向上心を持つ人材を重視する傾向があります。

こうした企業では、社員が自らの能力を試し、挑戦する機会を与えられる環境が整えられています。そのため、社員は自信を持ってアイデアを出し、新しい取り組みに挑戦することができます。

企業全体のイノベーションや成長を促進し、競争力を高める重要な要素となるため、向上心があるという自己PRが効果的です。

キャリア成長を支援する企業

向上心のある自己PRが効果的な企業は、社員のキャリア成長を積極的に支援する取り組みを行っている傾向にあります。

このような企業では、社員が自己成長に向けて意欲的に取り組める環境を整えており、様々なプログラムを通じて社員がスキルアップを実現できるよう支援しています。そのため、自己PRで自身の向上心や成長への意欲をアピールすることで、企業側が求める人物像にマッチした印象を与えることができます。

自己PRのなかで、企業の価値観や文化に共感し、その企業での成長や貢献を強調することも効果的です。

【例文】向上心を効果的にアピールする自己PR文

例文1:サークル活動

例文

私は、常に新しいことにチャレンジし、学び続ける向上心があります。

大学時代、ボランティアのサークル活動に積極的に参加し、様々なプロジェクトに挑戦しました。例えば、地域の高齢者施設でのボランティア活動や地域清掃活動といったイベントやプロジェクトに関わりました。

これらの活動を通じて、私は自分の能力や限界を超えて成長することの重要性を学びました。新しいプロジェクトに挑戦するたびに、未知の領域に飛び込み、新たなスキルや知識を身に付ける喜びを感じました。

私の向上心と積極性は、新しい環境や課題に適応し、成長し続けるための貴重な資産であると自負しています。将来も、常に学び続け、挑戦し続ける姿勢を持って物事に取り組みたいと考えています。(350字以内)

この例文では、サークル活動での経験を通じて得た向上心をアピールしています。向上心や積極性を強調しながら、具体的な経験や活動を通じてその向上心がどのように形成され、どのように役立つかを示しています。

サークル活動は幅広くあるため、この例文のように具体的な活動を簡潔に説明するとよりイメージしやすくなります。全体として、自らの経験を具体的に示しながら、将来への意欲も明確に表現することがポイントです。

例文2:アルバイト

例文

私の強みは、常に新しいことに挑戦し、成長し続ける向上心です。大学時代、私は複数のアルバイトを経験しました。特に、レストランでのウェイターの仕事は、多くの挑戦と学びを得ることができました。

忙しいレストランでの勤務は、時にストレスフルでしたが、その中で自分の限界を超えることができるチャンスでもありました。

新しいメニューの導入時には、素早く適応し、効果的なサービスを提供するために努力しました。また、忙しい時間帯やトラブルが発生した際には、チーム全体で協力し、効果的な解決策を見つけることが重要でした。

これらの経験を通じて、私はチャレンジに対する恐れを克服し、柔軟性や問題解決能力を向上させることができました。

貴社に入社できた際にも、新しい環境や課題に果敢に取り組み、成長し続ける姿勢を貫きたいと考えています。(400字以内)

アルバイトでの経験を通じて得た向上心に加え、柔軟性や問題解決能力などの重要な能力も適切に強調しています。

アルバイト経験を通じて得た経験を具体的に説明し、それが自身の成長と向上心にどのように貢献したのかを明確に示すことがポイントです。具体例を用いて自身の強みを説明し、将来の展望を示すことを意識しましょう。

例文3:習い事

例文

私の強みは、目標を達成するための向上心と意欲です。

大学時代、私はボクシングを習っており、その過程で目標を設定し、それを実現するために努力することの重要性を学びました。

ボクシングは、厳しいトレーニングと集中力を要するスポーツであり、私にとっては常に新たな挑戦でした。しかし、技術やスキルを磨くためにトレーニングに励み、大会での成績向上を目指して戦略を練るというように日々努力を重ねていきました。

私は、ボクシングの経験を通じて、目標を達成するための自己管理や集中力を身に付けました

。私は貴社の業務においても、常に目標を達成するための努力と情熱を持ち続け、自己の成長と貢献を目指していきたいです。(300字以内)

この例文では、目標達成への向上心と意欲を示しています。

ボクシングの経験を通じて得た自身の強みを具体的に説明しており、それが自己管理や集中力といった重要なスキルの向上に繋がったことを表現しています。目標達成への意欲と努力を強調し、それがビジネスにおける貢献に繋がることを明確に示すことがポイントです。

例文4:資格取得

例文

私の強みは、常に新しい挑戦に果敢に取り組むチャレンジ精神です。

大学時代、私は英語教育の分野で、TESOLの資格取得を目指しました。これは、教育理論や英語教授法に関する深い知識が求められる資格であり、私の目標達成には多大な努力が必要でした。

TESOLの資格取得のために、私は独学で学習し、また関連する講座やセミナーに積極的に参加しました。さらに、教育実習やボランティア活動を通じて実践的な経験も積みました。

この経験を通じて、困難な状況に直面した時には決して諦めずに前進することの大切さを学びました。また、柔軟性を持って対応し、新たな解決策を見つける能力も身につけることができました。

私は、今後も新たな目標に向かって進み、自己の成長とキャリア発展に努めていきたいと考えています。(350字以内)

チャレンジ精神があるということも向上心があるというアピールに直結します。

具体的な経験として、TESOLの資格取得を挙げています。また、困難な状況に直面した際に諦めずに前進し、柔軟性を持って解決策を見つける能力をアピールしています。将来の展望も表現することで、より効果的な自己PR文を作成することができます。

例文5:部活

例文

私の強みは、目標達成のために努力し続ける向上心です。

私は、大学時代に陸上競技部に所属し、長距離走を専門として活動しました。

部活動では、厳しい練習や競技会への参加を通じて、自分の限界に挑戦しました。常に目標を持ち、それに向かって努力することが重要であると学びました。

練習では、技術や体力向上を図るために努力し、自己の記録を向上させることを目指しました。また、チームメンバーとの協力や励まし合いを大切にし、共に目標に向かって頑張ることを心がけました。

私は、陸上競技部での経験を通じて、目標達成のために必要な努力や粘り強さを身に付けました。

貴社へ入社後も、その向上心を活かし、新たな目標に向かって努力し続け、成長し続けます。(350字以内)

目標達成への向上心と努力を示しています。さらに、部活動での経験を通じて、目標達成に必要な努力や粘り強さを身に付けたという点が強調されています。

これは、志望企業での仕事においても同様の姿勢を示せることを表現しています。具体的な経験を通じて得たスキルや成長を示し、将来の目標に向かって努力し続ける意欲をアピールしましょう。

自己PRで向上心をアピールする際の注意点

具体性を重視する

自己PRで向上心をアピールする際には、抽象的な表現よりも具体的な事例やエピソードを挙げることが重要です。単なる意欲や熱意だけでなく、具体的な成果や達成した目標、挑戦したプロジェクトの具体的な内容や結果を示すことで、向上心をよりリアルにアピールすることができます。

具体性を持たせることで、自己PRが信憑性を増し、相手に自身の能力や意欲を具体的に理解してもらいやすくなります。また、具体的な事例を示すことで、自己PRが印象に残りやすくなり、他の候補者との差別化が図れます。

自己評価の低さを強調しない

向上心が強くなるきっかけとして、自分を成長させることが動機となることが多いです。そのため、向上心をアピールすることは、自信の欠如や信頼性の低さを印象付けてしまう恐れがあります。これを防ぐためにも、自己評価の低さを強調することは避けるべきです。

例えば、「下手くそだったから」や「迷惑をかけていたから」という動機を示すと、マイナスな印象を与えてしまいます。代わりに、自身の成果や取り組みを客観的かつポジティブに紹介することが重要です。

社会人として当たり前のエピソードは避ける

向上心をアピールする場合、社会人として当たり前のエピソードは避けるようにしましょう。例えば、チームメンバーとの円滑なコミュニケーションや、締め切りに間に合わせたレポートの作成などが挙げられます。これらのエピソードは、ほとんどの社会人が日常的に経験するものであり、特に際立った成果や努力を示すものではありません。

自己PRで向上心をアピールする際には、自らが直面した困難や挑戦、克服したこと、得られた成果や教訓などを重点的に取り上げることが大切です。

企業のニーズに合わせる

企業は、求める人物像や仕事に求められるスキルに応じて候補者を選考します。そのため、自己PRでは自身の経験や能力を企業の求める方向でアピールすることが必要です。また、企業の業界や文化に合った言葉や表現を使い、自己PRを調整することも大切です。

このように、自己PRを通じて企業のニーズに的確に応えることで、自身の向上心や適性をアピールし、採用担当者に良い印象を与えることができます。

向上心の自己PRはオリジナリティを持たせよう

「向上心」を自分なりの言葉で表現することは、自己PR文の魅力を高める秘訣です。例えば、チャレンジ精神があることや責任感があるといった言葉に言い換えることで、自分の内面をより深く表現することができます。

言葉の選び方や表現の工夫によって、読み手に自分の意思や情熱を強く伝えることができ、より魅力的な自己PR文が作成できます。志望企業のニーズを上手く汲み取り、適切なエピソードを用いて自分の強みをアピールしましょう。

コンサル業界の志望動機の書き方|評価されるポイントとコツ【例文あり】

この記事では、コンサルティング業界(以下、コンサル業界)の基礎知識と、ESへの志望動機の効果的な書き方を一つひとつ説明します。

コンサル業界は事業領域が広いため、業界知識が浅いと曖昧な志望動機になりがちです。受かる志望動機をつくるには、業界の全体像を知り、自身のビジョンを明確にする必要があります。コンサルタントとして勤務する姿勢や、会社でのキャリアパスが定まることで、強い意志を示す文章を作成できます。

コンサルティングファームの種類に応じた例文を参考に、記述の参考に自分らしい志望動機を作成していきましょう。

選考突破にはコンサル業界の知識が必須

コンサルタントが所属する会社は、コンサルティングファーム(firm=企業)と呼ばれます。対応する業界やカバーする領域で事業内容は異なるものの、「企業が自力で解決できない問題を取り扱う」点は共通です。そのために、コンサルタントには高い専門性と課題解決能力が求められます。漠然と「コンサルタントになりたい」と考えているだけでは、企業の欲する人材になり得ません。

コンサルティングファームへの就職を考えるなら、目標に向かい努力する姿勢が大切です。業界知識をつけ、「なりたいコンサルタント像」と「成し遂げたい夢」を確定させましょう。ビジョンを明確にすることが、選考突破の第一歩です。

コンサル業界の具体的な業務内容

企業の課題を分析・検証し解決する

コンサルタントの仕事の流れ
  1. 課題の発見
  2. 発見した課題の分析
  3. 課題解決に向けた情報収集
  4. 仮説の立証と検証
  5. 客観的なデータをもとに提言内容を策定
  6. クライントに提言・実行支援

コンサルタントは、企業が抱えるさまざまな課題を解決に導く仕事です。クライアント企業に寄り添い課題を発見することから始まり、提言と実行支援を行うまでが一連のミッションです。課題発見能力分析力論理的思考力などさまざまな力が求められます。社会的な意義が大きく、やりがいのある仕事です。

入社後はアナリストから始め昇進する

多くのコンサルティングファームでは、手掛ける業界や事業領域ごとにチームが編成されています。新入社員は配属されたチームで専門性を磨く努力をすることになります。

最初からコンサルタント業務をこなすのではなく、アナリストから始めるのが一般的です。アナリストは情報収集や資料の作成などを行い、コンサルタントをアシストする仕事です。基本的な力を身につけてから、コンサルタントへ昇給するキャリアパスが組まれています。

コンサル業界の種類と特徴

幅広い業界と事業領域をカバーする「総合コンサル」

業界や事業領域を限定せず、ニーズに応じたコンサルティングを手掛けるのが総合コンサルティングファーム(以下、総合コンサル)です。

クライアントは一般企業だけでなく、官公庁や金融機関まで多岐にわたります。あらゆるニーズに対応できるリソースを持つ大企業が多く、外資系の割合も高いのが特徴です。世界中を拠点にグローバルに働ける魅力があります。

総合コンサルの強みは、経営課題へのアプローチ幅が広いことです。経営課題は特定領域のコンサルティングだけでは対応できないことがあります。総合コンサルなら、さまざまな分野からのアプローチが可能です。多角的に問題解決にあたることで、抜本的に経営課題を解決できます。

入社後は多彩な専門性を持つ先輩に囲まれ、幅広い知識が習得できるでしょう。日々周りから刺激を受けながら、自分を成長させたい人におすすめです。

代表的な企業
  • PwCコンサルティング
  • デロイトトーマツコンサルティング
  • KPMGコンサルティング
  • アクセンチュア
  • 日本IBM
  • 日立コンサルティング

経営者層と共に課題を解決する「戦略系」

大胆かつ緻密な戦略を策定し、経営課題を解決に導くのが戦略系コンサルティングファーム(以下、戦略系コンサル)です。

経営課題の解決には、新規事業の立ち上げやマーケティングの見直しなどの「戦略」が必要です。ときには組織再編やM&Aなど大胆な策を打たなければ、膠着状態を脱せないこともあります。経営者層と直接やり取りしながら、強い責任感とプロ意識で業務を推進します。責任を負う分、やりがいが大きな仕事です。

新入社員にとっては、クライアントからの学びが多い点が魅力です。「経営者の仕事術」「経営の成功や失敗を招く要因」など、経営のイロハを学べます。将来独立や起業を目指す人にもおすすめです。

代表的な企業
  • マッキンゼー・アンド・カンパニー
  • ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン
  • A.T.カーニー
  • ローランド・ベルガー

研究機関としての分析力を活かした「シンクタンク系」

シンクタンクは中央省庁や地方公共団体など公的機関をクライアントとし、リサーチや研究、分析を行う機関です。新たな政策を実行するには、事前のリサーチが欠かせません。シンクタンクが調査から政策提言まで一貫して行うことで、実効性を確かめられます。

シンクタンクの優れた分析力を活かし、総合コンサルティング業務まで事業領域を拡大したのが、シンクタンク系コンサルティングファーム(以下、シンクタンク系コンサル)です。提言で終えるのではなく、実行まで責任を持ってサポートします。

証券会社や銀行を母体とするファームが多く、グループ会社からの案件獲得や、組織力を活かした営業が特色です。コンサルタントは自身が商材のため、営業活動が難しいと言われます。グループ会社経由で案件に巡り会えるのは、シンクタンク系コンサルならではのメリットです。

代表的な企業
  • 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
  • 野村総合研究所
  • 日本総合研究所
  • 大和総研
  • みずほリサーチ&テクノロジーズ

IT技術で企業の課題を解決する「IT系」

IT技術を活用し企業の組織課題や経営課題を解決するのがIT系コンサルティングファーム(以下、IT系コンサル)です。

IT戦略の策定から技術導入による業務効率化、セキュリティ・リスク管理など、幅広い業務を担います。IT化・DX化が推進される中で需要を喚起しやすく、市場で高い成長率を誇っています。

社内には各分野の専門家が多数在籍しており、高い専門性が身につきます。常に最新の技術を学び、技術の進化に合わせ自身も成長できるのが大きな魅力です。学ぶ意欲が強い人に向いています。

代表的な企業
  • 日本IBM
  • ウルシステムズ
  • マネジメントソリューションズ
  • シンプレクス
  • フューチャーアーキテクト
  • 大洋システムテクノロジー

特定分野の専門家が集結する「業務・業界特化型」

業務・業界特化型コンサルティングファーム(以下、業務・業界特化型コンサル)は、対応する業界や事業領域を絞り込むことで、高い専門性を訴求します。製造業・金融業など特定の業界に特化するファームと、「社会課題の解決」「資本参加」「ブランディング」など特定領域のサービスを提供するファームがあります。

各分野のエキスパートが集まり、長年の経験と専門的知見をもとに的確なコンサルティングを行うのが特徴です。自身の専門性を高め、エキスパートを目指したい人に最適です。

代表的な企業
  • ZSアソシエイツ
  • シンプレクス
  • プロレド・パートナーズ
  • イーソリューションズ
  • リヴァンプ

企業に寄り添い伴走する「中小企業向け」

中小企業向けのコンサルティングに強みを持つのが、中小企業向けコンサルティングファーム(以下、中小企業向けコンサル)です。クライアント企業に深く入り込み、密接に連携しながら課題解決にあたります。

中小企業向けコンサルは、原則一人のコンサルタントが一つの企業を担当します。自身の分析や提言の成果を感じながら仕事を進められるため、やりがいを強く感じられるでしょう。経営者と深く付き合うことで、コンサルタントとしてはもちろん、人間的にも大きく成長できます。人に寄り添うコンサルティングを行いたい人におすすめです。

代表的な企業
  • 船井総合研究所
  • タナベコンサルティング
  • みらいコンサルティング
  • 山田コンサルティング
  • ビジネスブレイン太田昭和
  • リブ・コンサルティング

コンサル業界で求められる人物像

コミュニケーション能力が高い

コンサルタントの仕事は、企業の現状を分析することから始まります。クライアントの課題が顕在化していない場合は、話の中から問題点やリスクを探らなければなりません。そのため、高いコミュニケーション能力が必須です。

また社内でも円滑なコミュニケーションが求められます。コンサルティングファームはチームで動きます。特に大企業向けのコンサルは複数人で一つの会社を担当するため、情報共有が欠かせません。コミュニケーションの不足は、業務の足枷になります。

コミュニケーションの根幹は、相手の話をしっかりと聞くことです。普段から人と接する機会を増やし、落ち着いて話を聞くよう心がけましょう。

情報分析力がある

クライアントからヒアリングした課題を解決するには、与えられた情報を正確に分析しなければなりません。分析するデータは膨大です。解決につながる内容を抽出するには、クライアントの立場で考え、論理的に筋道を立てる必要があります。

情報分析力を高めるには、漏れなく話を聞いた上で、挙げられた論点を整理するのがポイントです。話の重複や論点のズレに意識的になることも必要です。

論理的に思考できる

仮説の立証や解決策の提言には、論理的な思考力が必須です。客観的な事実を積み重ね、理路整然と筋道を立てないと、解決策の提言に至りません。クライアントもコンサルタントの説明に論理性を強く求めるでしょう。特に経営課題の解決には大きな決断を伴います。非論理的な説明では納得できません。

論理性を鍛えるには、客観的な事実を積み重ね物事を判断する習慣をつけましょう。客観的事象を根拠に結論を導ける能力が必要です。人の話を聞くときも、衝動的な感想を挟まず、整理しながらじっくりと聞くことが大切です。

多角的に物事を考えられる

クライアント企業の経営者層は、自社の事業領域はもちろん、経営に関しても知識が豊富です。コンサルタントが知識をもとに提言を試みても、大きな効果は望めません。特に新人コンサルタントは、経営者が有する知識に圧倒されるかもしれません。

コンサルタントに求められるのは、分析したデータをもとに「いかに多角的に提言できるか」です。クライアントが見落としている視点を、どれだけ論理的に示せるかが鍵です。一つの考えに囚われず、多角的な視点で仮説の立証と検証を繰り返しましょう。

多角的な目を培うには、できるだけ多くの人や物事と接する中で、自身の価値観をブラッシュアップする姿勢が大切です。知らない世界と出会える旅行や、他人の価値観に触れる読書もおすすめです。

責任感が強い

コンサルタントには強い責任感が必須です。クライアントは「会社をどうにかしたい」という切実な思いでコンサルタントを依頼します。責任感がないと、クライアントの必死な思いを裏切ることになりかねません。

特に経営課題の解決には重要かつ重い責任が伴います。相対する経営者の背後には大勢の社員がおり、社員にはそれぞれの生活があります。一人の顧客だけを相手にしているわけではないのです。

普段から自身の発言・行動に自覚的になり、最後までやり遂げる強い意志を持ちましょう。

ビジネスレベルの英語力がある

外資系や海外拠点を持つファームでは、英語力が必須です。海外のコンサルタントと協働したり、グローバル企業を担当するケースが考えられます。海外とのデータ比較や英語文書の分析など、英語が必要なプロセスもあるかもしれません。

また、国内専業のファームでも、英語力は武器になります。論理的思考力や課題解決能力は、コンサルタントにはマストな能力であり、差別化を図る武器にはならないでしょう。英語力は誰もが持つ能力ではないため、ファームによっては頭一つ抜きん出るきっかけになります。

アピールの基準は「ビジネスレベル以上」の英語力で、TOEICでは800点以上が目安です。

志望動機の参考にできるコンサル業界の魅力

社会的役割が大きく人に感謝される

コンサルタントは企業単体で解決できない問題を支援するため、仕事の難易度は決して低くありません。しかし、成功すれば躍進の大きな力に繋がります。やり遂げた喜びはひとしおです。特にクライアントから感謝の言葉をもらったときには、「コンサルタントで良かった」と強く実感できるでしょう。

業界をまたぐことで多様な価値観に触れられる

コンサルティングファームの中には、業界を絞り込まずにクライアントをとる会社も少なくありません。さまざまな業界で仕事ができるのは、コンサルタントならではの魅力です。

業界が異なれば、企業風土や文化も異なります。仕事をこなしていくうちに、自然と多様な価値観に触れられます。多角的に物事を見る習慣がつき、実生活でもさまざまな気づきを得られるでしょう。

経営者層と関わることで知見が広がる

コンサルティングファームのクライアントは、主に企業の経営者層です。業界の知識はもちろん、経営の姿勢、人生観などさまざまなことを学べます。事業会社(一般の会社)では、自社の経営者と話す機会さえほとんどありません。たくさんの経営者と親密に接する機会を得られるコンサルタントは、恵まれた立場だと言えます。

常に頭を使うことで成長のスピードが速い

コンサルタントの仕事は思考の連続です。解決策の提言まで頭の休まることがありません。案件ごとに思考内容が異なるため、型にはめ込むのも不可能です。そのため、コンサルタントは「成長スピードが速い」と言われます。自身の成長を感じやすいため、仕事のモチベーションにも繋がります。

会社によってはグローバルに働ける

コンサルティングファームは外資系の企業も多く、グローバルに働ける環境があります。グローバル企業との関わりや、海外企業の分析などを繰り返すうち、国際的なビジネス感覚が身につきます。海外のビジネス慣習や、ビジネスマンの価値観、生活習慣や文化的バックグラウンドまでさまざまなことを学べるでしょう。

コンサルの志望理由を見つける効果的な方法

コンサル業界でしかできないことを考える

コンサル業界の志望動機を導き出すには、業界研究を徹底的に行うことが大切です。「コンサル業界でしかできないこと」が分かれば、業界を志す理由も明確になります。

例えば「自身の手で企業が再生するきっかけをつくれる」「さまざまな業界の経営手法を学べる」といった内容は、コンサル業界固有の特色です。コンサル業界を選ぶ理由になります。

選考を受ける企業の特色・強みを理解する

業界研究と同時に、選考を受ける企業の企業研究も入念に行います。志望理由は「当該企業でなければならない理由」を書くことで強まります。企業の特色・強みを読み取り、志望理由に反映させましょう。

例えば「グローバル案件が豊富」な戦略系コンサルなら、「企業の再生に関わることで世界経済に貢献できる」「文化による経営手法の違いを理解することで、コンサルタントとして業務の幅を広げられる」といった内容を導き出せます。志望理由の説得力が増し、より強い意志を示せるでしょう。

過去の成功体験を入社後のビジョンと結びつける

新卒の場合、「規模の大きな仕事がしたい」「企業の再生に携わりたい」など社会で実現したいビジョンを掲げるだけでは十分な志望動機とは言えません。社会での実績がないため、根拠が不明瞭だからです。「なぜ規模の大きな仕事がしたいのか」「なぜ企業の再生に携わりたいのか」を示さなければなりません。あなたの実体験に基づいたきっかけが必要です。

きっかけに最適なのは、過去の成功体験です。学業や部活動(サークル活動)、ボランティア活動、アルバイトなどで体験した出来事を、コンサルタントの夢に結びつけて書きます。

例えば「バイトリーダーとして部門を立て直す経験をした」「チームをマネジメントすることで、常勝軍団をつくりあげた」などの成功体験があれば、コンサルタントを志望する裏付けになります。いずれも「その出来事をきっかけにコンサルタントを目指した」と捉えて不自然ではないからです。

自身の研究内容を深める目標を持つ

新卒であっても、大学(大学院)の研究内容がコンサルタント業務と結びつくのであれば、ビジョンを堂々と掲げられます。これまでの学びを深めることが志望動機になるからです。

例えば企業経営を専攻し、さまざまな企業にインタビューしたり、情報分析した実績があれば、コンサルティングファームに入社することでより学びを深められます。「学びを社会貢献に繋げたい」と記述するだけで、志望理由として十分な説得力を持つでしょう。

コンサル業界の志望動機で留意するポイント

コンサルタントとしての明確なビジョンを持つ

コンサルティングファームは幅の広い業界、事業領域をカバーするため、目標が曖昧になりがちです。漠然と「規模の大きな仕事がしたい」「人のためになりたい」と書くだけでは、志望動機になりません。「具体的に何がしたいのか」を明確にしないことには、入社しても頑張りようがないからです。受かる志望動機をつくるには、まず明確なビジョンを持つことから始めましょう。

エピソードは志望動機の根拠になるよう簡潔に

学生時代の成功体験などコンサルタントを目指すきっかけを書く場合、「なぜそれが志望動機に結びつくのか」が分かるように記述します。エピソードの内容を簡潔にまとめ、コンサルタントの夢に結びつくことを説明しましょう。

自身の能力で会社に貢献できることを示す

志望動機の最後には、入社後の決意を書きます。決意を示すには、その実現を主張するだけの根拠が必要です。例えば「課題解決まで企業にしっかりと寄り添うコンサルタントになりたい」と決意を語る場合、「失敗してもめげない精神力」「徹底的に傾聴する力」「多角的に物事を見る力」などが根拠に挙げられるでしょう。過去の経験をもとに、自身の能力を導き出します。

コンサル業界で内定を勝ち取る志望動機の書き方

志望動機を書く5STEP

①ビジョンを端的に挙げる

②コンサル業界を選んだ理由を説明する

③志望企業を選択した理由を書く

④自身の能力で企業に貢献できる根拠を示す

⑤入社後の仕事への決意でまとめる

カバーする領域が広いコンサル業界は、他の業界以上に明確なビジョンや決意を示す必要があります。

②で業界を選ぶ根拠、③で志望企業を選んだ理由を書くことで、ビジョンの実現に志望企業が最適であるということを強く示す志望動機を作成することができるでしょう。上手に整理して書けば、ESに最適な350〜400字の文章に仕上がります。

①ビジョンを端的に挙げる

志望動機はビジョンの提示からスタートします。「なりたいもの」「実現したいこと」は志望動機の結論部分です。結論からスタートすることで、採用担当者にストレートに想いをぶつけられます。夢を持つきっかけや、当該企業に絞った理由を先に書いてしまうと、結論部分が伝わりづらくなるため、結論から書くようにしましょう。

②コンサル業界を選んだ理由を説明する

過去の経験を挙げ、コンサル業界を目指すようになったきっかけを説明します。「過去の経験が自分をコンサルタントの道に向かわせた」エピソードを簡潔に書きましょう。

ここの書き方次第で、志望動機全体の説得力が変わります。コンサルタントを目指す明確な根拠を示せないと、強い志望動機に仕上がりません。ビジョンときっかけに一貫性があるかを確認しましょう。

③選考を受ける企業を選択した理由を書く

コンサル業界を選ぶ理由が書けたら、選考を受ける企業の強みを挙げます。「数あるコンサルティングファームの中でも、当該企業が最も夢の実現に近い」ことを示すためです。事前に企業研究をしっかりと行い、優位性や欲する人物像、将来のビジョンなどを把握しておきましょう。「他社でも良いのでは」と思われないよう記述するのがポイントです。

④自身の能力で企業に貢献できる根拠を示す

入社後の決意を書く前に、企業に貢献できる根拠を挙げます。根拠に乏しいと説得力がありません。業界研究・企業研究から、選考を受ける企業が欲する能力を的確に判断し、自身の持つ力と照らし合わせましょう。コンサルタントに求められる力からズレていないことも確認します。

⑤入社後の仕事への決意でまとめる

最後は強い決意で締めます。志望動機で大切なのは「ビジョン」と「決意」です。この2つが明確でない人は、どんなに能力が高くても内定を得られません。ビジョンの実現のために入社後にどのように仕事をしていくかを、想いを込めて記述します。強い決意は読む人の心を動かします。

【業種別】コンサル業界の志望動機の例文

総合コンサル

例文

業界や事業領域を限定せず、クライアントに見合った提案ができるDXコンサルタントを目指し貴社を志望しました。

DXへの取り組みは業界や企業で差があります。父が働く製造業ではDX導入が進んでいると聞きます。一方、私のアルバイト先の飲食店では、導入コストや顧客層を鑑みて導入を見送っています。個々の事情に配慮した取り組みが明示されない限り、前向きに動かない企業が多いように感じます。私自身がDXコンサルタントになることで、個々に寄り添い問題を解決したいと考えるようになりました。

貴社は幅広い業界を手掛けており、中小企業へのDX導入実績も豊富です。貴社でなら、多角的な視点で企業に最適なコンサルティングができると考えます。

私は大学で情報技術を専攻しており、IoTの知識には自信があります。入社後は課題を多角的に分析する経験を積みながら、知識を適切な提言に繋げられるよう、全力で取り組みたいです。(400字以内)

アルバイトを通して感じたことを、コンサルタントの夢に繋げた例文です。アルバイトは貴重な社会経験の場です。そこで感じた疑問は「コンサルタントとして解決するべき課題」として取り上げやすく、ビジョンの策定に繋がります。

総合コンサルでは、「何をやりたいか」が曖昧では通用しません。「あなたがしたいこと」「目指すもの」を明確に示すことが大切です。

戦略系

例文

組織全体を変革するコンサルティングを行い、企業の立て直しに貢献したいと考え貴社を志望しました。

私は学生時代野球部のキャプテンとしてチームを引っ張ってきました。日々心がけていたのは、相手チームの徹底した分析と、自チームの臨機応変な組み換えです。データを丁寧に分析し、相手に応じた戦術を策定すれば、良い結果が得られることを実感しました。分析をもとに道筋を立てチームを引っ張る楽しさに魅せられ、コンサルタントを目指すようになりました。

貴社は高い分析力と課題解決の大胆な手腕で知られています。貴社でさまざまなクライアント企業と仕事をする中で、組織を変革する経験を積めるのではないかと考えます。

私はこれまでの経験から、データをもとに仮説を立てる習慣がついています。入社後は課題の引き出し方や、観点の異なる仮説の立て方をしっかりと学び、「頼られるコンサルタント」を目指して努力したいです。(400字以内)

部活の成功体験を、コンサルタントの夢に繋げた例文です。部活動も小さな組織であることから、取り組みによっては「課題の発見」や「仮説の立証」「改善策の策定と実行」などの経験を積めることがあります。これらはコンサルタントを目指す強い理由になり得ます。

戦略系コンサルは責任が大きい仕事です。目指すには、それなりの覚悟が問われます。入社後の努力を具体的に示すことで、強い熱意と覚悟を感じてもらえるでしょう。

シンクタンク系

例文

ブロックチェーンの研究を極めることで、安全な金融システムを多くの企業に提案したいと考え、貴社を志望しました。

私は大学でデータサイエンスを専攻し、ブロックチェーンの研究を専門にしています。仕組みを学ぶだけでなく、社会への影響や法整備のあり方などを幅広く研究してきました。研究をもとに社会に貢献するには、提言と実行支援までできるコンサルタントになるのが最適だと考えます。

貴社は金融系シンクタンクとして数々の実績があるだけでなく、金融・財務コンサルティング業務も盛んです。貴社でなら研究内容を深めつつ、さまざまな企業に向けシステム導入を提言できます。

ブロックチェーン技術には、導入コストやプライバシーなどさまざまな問題があります。これらの課題を解決し、幅広い企業と向き合えるよう、研究とコンサルティングに真摯に取り組みたいです。(400字以内)

研究内容をコンサルタントの夢に繋げた例文です。すでに研究者としての実績があるため、志望理由にも説得力があります。シンクタンク系は業務の性質上、研究の延長に社会貢献を置くのが最も自然です。

なお今回の志望動機には「自身の能力で企業に貢献できる根拠」を記載していません。研究内容が高い能力を明示し、企業への貢献にも繋がる場合、あえて他の根拠を入れる必要はありません。

IT系

例文

IT技術を導入することで、企業が提供するサービスの質を向上させたいと考え貴社を志望しました。特に教育や福祉業界への導入を推進したいです。

私がアルバイトをする児童福祉施設では、昨年から高校生の就労支援にVR機器を導入しています。教室にいながら通勤訓練や面接練習が可能になり、サービスの質が劇的に向上したと感じます。この経験から、IT技術はサービスを抜本的に変えるきっかけになり得ることを実感しました。コンサルタントとして積極的に提案することで、企業の未来を変えていきたいです。

貴社は幅広い業界にIT技術を導入した実績があります。ビジネスを抜本的に変えた事例も少なくありません。貴社でなら、自身の夢を叶えられると確信しました。

アルバイト経験を通し、人の話を聞くことには自信があります。入社後は分析や仮説立証の手法を貪欲に学び、一流のコンサルタントを目指したいです。(400字以内)

IT系コンサルは市場が拡大を続けている領域であり、ライバルも多いと考えられます。「DX導入の力になりたい」「IT技術の普及に努めたい」といったありきたりな志望理由では、採用担当者の心に響きません。より切実な理由が必要です。

この例文ではアルバイトで特定業界でのニーズを実感したことから、コンサルティングの大切さに思い至りました。実際の経験をベースにすることで、強い想いが伝わりやすく、実現したいことも明確です。採用担当者の心を動かす切実さを感じ取れます。

業務・業界特化型

例文

企業のブランディングに貢献するデザインを提案したいと考え、貴社を志望しました。

私がアルバイトをする飲食店では、昨年店舗のロゴデザインを一新しました。落ち着いた雰囲気のロゴは好評を博し、客足の回復に繋がりました。この経験から、私はデザインがブランディングに大きく影響することを学びました。デザインを上手く利用すれば、新たなビジネスチャンスを掴むことが可能です。私も自身の手で企業に最適なデザインを導き出し、事業拡大や経営改善に貢献したいと考えるようになりました。

貴社は「ブランドの魅力を反映するデザイン」を信条に、幅広い業界の案件を手掛けています。制作物はどれも美しく、心に残るものばかりです。貴社でならさまざまな企業のブランディングに貢献できると考えます。

アルバイトでブランディングに尽力した経験を活かし、入社後はクライアント企業の魅力を強く引き出せるコンサルタントを目指したいです。(400字以内)

業務や業界に特化したファームは、分野が限定される分、志望動機で熱い想いを述べるライバルが多数現れます。当該分野の知識をひけらかしても、強いアピールにはなりません。コンサルティングに興味を持ったきっかけや、知識の獲得に励む姿を前面に出した方が、高い評価を得やすいでしょう。

例文はブランドコンサルティングの志望動機です。デザインへの造詣の深さをアピールするのではなく、「ブランディングの魅力に気づいたきっかけ」を軸に構成することで、ライバルとの差別化を図っています。

中小企業向け

例文

コンサルティングの業務領域から外れがちな、中小・零細企業に向けた支援を提供したいと考え貴社を志望しました。

私は以前アメリカにホームステイしたことがあります。そのとき驚いたのが、個人が頻繁にコンサルタントを利用することです。日本ではコンサルティングというと、大企業や社員数が多い中小企業が中心です。中小・零細企業や個人事業主も、気軽にコンサルタントを利用できればと強く感じました。私の近所でも、中小の商店が倒産するのを頻繁に目にします。私自身がコンサルタントになることで、中小・零細企業の力になりたいと考えるようになりました。

貴社は地元を大切にし、小さな案件にも対応する姿勢に定評があります。自身の夢を叶えるには貴社が最適だと考えました。

私は普段から人に寄り添い、丁寧に接することを大切にしています。入社後もクライアントの話に耳を傾け、徹底的に寄り添うことで、「頼れるコンサルタント」になりたいです。(400字以内)

コンサルティングファームのあり方に疑問を感じたことから、自身の目標を導き出した例文です。中小企業向けコンサルを目指す理由が明確で、強い意志が感じられます。ただ漠然と「中小企業を救いたい」「日本の経済の底上げをしたい」と書くよりも、説得力があります。

ただし、「小さな案件にも対応する姿勢に定評がある」ということの裏付けや具体性が見えないため、過去のどんな経験からそのような強みが導き出されたのかがわかりにくいです。この一文を加えるためには、裏付けとなる内容を簡潔に入れるとより説得力の増す内容になるでしょう。

ただし、くれぐれも業界批判にはならないよう、表現には留意が必要です。

コンサル業界の志望動機で記述を避けるべき内容

高収入などの待遇や労働条件

コンサル業界の新卒の年収は400万円〜700万円と言われています。専門性が高く、大きな責任を負う仕事のため、事業会社と比べ収入には恵まれています。

しかし志望動機で収入や待遇面を表に出すのは不適切です。企業が確かめたいのは、コンサルタントとしてのビジョンや、仕事への熱意です。収入はビジョンにも熱意にも結びつきません。「お金で会社を選んでいる」という印象を持たれたら、内定は得られないでしょう。

独立・起業など将来のキャリア設計

コンサルタントは成長スピードが速く、経営ノウハウも習得できます。コンサルティングファームに在籍した後、独立や起業の道を選ぶ人も少なくありません。しかし、将来のキャリアパスとして独立の夢を描いても、それを就活の場で示すのは選考を受ける企業に失礼です。

会社が欲するのは、あくまでも自社の利益になる人材です。いずれ離れる人を、積極的に雇おうとする会社は多くありません。

漠然とした憧れ

コンサルタントは規模の大きな仕事ができるため、スマートな印象があり、憧れる人も多いです。しかし、そのような憧れをそのまま志望動機に使うことはできません。具体性がなく、採用担当者にビジョンが伝わらないためです。

志望動機に必要なのは、明確なビジョンと熱意です。憧れを自身の目標へ昇華させなければなりません。

知っておきたいコンサル業界の現状と展望

成長率は業務領域によって分かれる

コンサル業界全体で見ると、国内の市場規模は年々増加を続けています。しかし領域別で見ると、成長率にはばらつきがあります。

コダワリ・ビジネス・コンサルティング株式会社の調査によると、2022年度に売上高成長率が前年度比を上回ったのは、「組織人事系」「FAS及びM&A系と事業再生系」「業務・IT系」の3領域のみです。業界全体は活況を保ちつつも、領域によって明暗が分かれるのが現状です。

参考:日本国内のコンサルティング業界規模は、1兆8,281億円(2022年度)|コンサル市場規模2023年版~前半~ | コダワリ・ビジネスコンサルティング株式会社

DXニーズでの市場の急拡大は頭打ち

DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略です。デジタル技術を活用したビジネスモデルを導入することで、業務を最適化し競争力を高める取り組みを指します。2018年12月に経済産業省が施策を発表したことで、日本企業に波及しました。企業ぐるみの取り組みには、専門性の高いコンサルタントの起用が欠かせません。これまではDXニーズがコンサル業界の大きな牽引役になってきました。

しかし現在は「ニーズが落ち着いてきた」と考えられています。独立行政法人情報処理推進機構によれば、何らかの形でDXに取り組んでいる日本企業の割合は、2023年度時点で73.7%です。一方で「今後のDX取り組み予定」を尋ねる質問に対しては、わずか12.7%の企業しか取り組みの意志を示していません。

コンサルティングのニーズは今後も継続するものの、少ないパイを奪い合う形になることが予想されます。

参考:DX動向2024(データ集)| 独立行政法人情報処理推進機構

今後はGDPの影響で成長が鈍化する可能性も

コンサルティングファームは日本企業にサービスを提供する以上、国内GDPの影響を避けられません。ニッセイ基礎研究所の分析によると、日本のGDP成長率の中期見通しは、2020年代後半が1%程度、2030年以降はゼロ%台後半です。

コンサル業界の市場規模も、GDPに応じて停滞する恐れがあります。成長余地が少なくなる中で、いかに自社の強みを押し出し顧客を獲得できるかが鍵となりそうです。

参考:中期経済見通し(2024~2034年度)| ニッセイ基礎研究所

明確な目標を示した志望動機で高倍率を乗り切ろう

高収入で華やかな印象があるコンサル業界は、学生から高い人気を誇ります。しかしイメージだけで就活を進めると、高倍率の中で勝ち抜くことはできません。業界研究・企業研究をしっかりと行い、戦略的に文章を作成する必要があります。

その際に必須となるのが、明確なビジョンです。業務の幅が広い業界だからこそ、「コンサルタント像」をはっきりさせる必要があります。頭の中で常に「なりたい自分」をイメージしながら、コンサルタントを目指す根拠や、根拠を支えるエピソードを導き出していきましょう。

【例文10選】短い自己PRの書き方|書くためのコツと注意点

自己PRを書く際に「指定された文字数が短くて書きづらい」「文字数を100文字で指定されているがどう書こう」など悩んでいませんか?

自己PRの指定文字数が100文字から150文字程度の短い場合、どのようにまとめたら伝わるのか、短くまとめられず苦戦することも多いでしょう。今回は、自己PRを短くまとめるコツや注意点を紹介いたします。

また、シーン別での例文も紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。

短い自己PRの例文10選【強み別】

例文1:協調性

例文

私の強みは、協調性があるところだ。大学時代は、留学生歓迎イベントの実行委員として参加した。メンバーと意見を積極的に交換し、役割分担を明確にすることで、留学生が喜ぶイベントを作り出すことができた。貴社に企画職として入社した後もチームで協力して貢献していきたい。(129文字)

協調性をアピールして企画職に勤務したい就活生の志望動機です。

企画職は部署のメンバーと協力して業務を行うため、協調性をアピールすることはプラスになります。

ただし「メンバーと意見を積極的に交換し、役割分担を明確にすることで、留学生が喜ぶイベントを作り出すことができた」の部分に「どのぐらいの準備期間」「イベント内容」「自身の役割」などの細かく記載するとより良い文章になるでしょう。

例文2:計画性

例文

私は逆算思考でスケジュールを立て、効率的に行動することが強みだ。大学時代は、軽音楽部の部長として活動した。細かいスケジュールを立て、定期的に進捗状況を確認しながら、練習をした。その結果、本番では演奏に成功できた。貴社に営業職として入社後も、計画性を活かして、期限内に目標達成をして貢献していきたい。(147文字)

単純に「計画性」と書くのではなく、「逆算思考でスケジュールを立て、効率的に行動することが強み」と言葉を言い換えているため、他の就活生と文章で差別化できているところが良い点です。

さらに練習から本番までの期間はどれぐらいあったのかを数値で表すと、より具体的な文章になるでしょう。

結論に記載している入社後の意気込みに、軽音楽部の経験を活かして、目標達成したい意欲が伝わります。

例文3:継続力

例文

私の強みは、継続力である。高校3年時、幼少期から夢だった芸術大学を目指した。しかし、現役では合格は叶わずに浪人をした。絵を描き続け、2浪目で目標としていた芸術大学に合格した。浪人経験を通して、諦めずに継続する大切さを学んだ。入社後はこの経験を活かして、どんな課題にも粘り強く取り組んでいきたい。(147文字)

就活生のなかには、難関大学や有名大学などを目指して、受験や浪人をした経験を自己PRに記載したい方がいるでしょう。

単純に「浪人をして勉強をした結果、目標とした大学に合格した」と書くのではなく、例文のように「浪人経験を通して、諦めずに継続する大切さを学んだ」と学んだことや工夫した点を具体的に記載することが大切です。

受験や浪人経験をアピールしたい場合は、ぜひ参考にしてみてください。

例文4:向上心

例文

私の強みは、向上心があるところだ。大学3年間、ホテルのアルバイトに力を入れた。入社時は、接客スキル向上のために、先輩の接客を真似し、研修に積極的に参加した。入社1年後、毎月の顧客満足度調査で従業員15名中上位5位以内を獲得できた。入社後も、向上心をもって、貴社に貢献したい。(137文字)

この就活生はアルバイト経験を通して「向上心」をアピールしています。接客スキルを向上するために、取り組んだ内容を簡潔に書いているのが良いでしょう。

「アルバイト年数」「努力が報われるまでの年数」「ランキング」を数値で表しているため、理論的で説得力が増します。数値を使うことで、具体性を表すことができ、文字数も削減できるのでおすすめです。

例文5:集中力

例文

私の強みは、集中力だ。 一度目標を決めたら、周囲の環境に左右されず、最後までやり遂げられる。学生時代は、学業と社労士資格取得の両立を目指した。 遊びの誘いや誘惑に負けず、集中して勉強に取り組み、目標の社労士を無事に取得した。貴社に入社後も、この強みを活かし、困難な課題にも粘り強く取り組みたい。(145文字)

自身の集中力を武器に社会保険労務士を取得した自己PRです。高い目標を達成するために、学業と社会保険労務士の勉強に勤しんだことがわかります。

ただし、「社労士」は正式名称ではないため「社会保険労務士」と書きましょう。文章が短くても、自己PRに資格を記載する場合は、正式名称で記載することが大切です。

就活生がよく自己PRで記載している資格欄の正式名称・略名は下記になります。間違えないように注意しましょう。

正式名称略名
宅地建物取引士宅建士
普通自動車第一種運転免許普通自動車免許
実用英語技能検定試験1級英検1級
日本商工会議所簿記検定試験2級日商簿記2級
秘書技能検定2級秘書検定2級
2級ファイナンシャル・プランニング技能士FP2級

例文6:忍耐力

例文

私の強みは、忍耐力があるところだ。大学4年間、サッカー部に所属。レギュラー入りを目指して、厳しい練習に毎日取り組んだ。挫折しそうなこともあったが、諦めずに努力を続け、最終の大会でレギュラー入りを果たした。貴社に入社後も、忍耐力を活かして、どんな課題にも粘り強く取り組んでいきたい。(140文字)

体育会系の部活に取り組んでいる方は「忍耐力」をアピールしたい就活生が多いでしょう。例文では、厳しい練習に耐えて、最後にはレギュラーを勝ち取った内容で書かれています。

レギュラーに選ばれたのは素晴らしいことですが、「厳しい練習に毎日取り組んだ」の一文では、苦しいことに耐えているだけと思われてしまう可能性があります。

目標達成のための具体的な取り組みが見える文章を意識できると、より良い内容になります。

例文7:責任感

例文

私は、責任感があるところが強みだ。焼肉店のアルバイトリーダーとして後輩の育成担当に任命された。マニュアルを作成し、接客指導も行った。2ヶ月後、後輩が早期に即戦力として活躍できた。約50名中3人に贈られる優秀アルバイトリーダーとして受賞された。入社後も与えられた仕事に責任を持ち、全力で取り組みたい。(149文字)

アルバイトリーダーとして責任を果たして、会社で認められた自己PRです。「約50名中3人に贈られる優秀アルバイトリーダーとして受賞された」と数値を記載しているため、具体的でわかりやすいです。

「マニュアルを作成し、接客指導も行った」という部分をもう少し詳しく書くことができると、採用担当者がよりイメージしやすいでしょう。

例文8:努力家

例文

私の強みは目標達成のために、諦めずに努力を続けられる点だ。大学時代は、宅地建物取引士の資格取得を目指した。挫折しそうになったこともあるが「必ず合格する」という強い意志を持ち、計画的に勉強を続けました。結果、1年で合格することができた。貴社に入社後も努力をし続けて、営業成績を残せる人材になりたい。(148文字)

1年で国家資格である「宅地建物取引士」を取得した就活生の自己PRです。「挫折しそうになったこともあるが「必ず合格する」という強い意志を持ち〜」の部分で、努力家でメンタルが強い人だとわかることが良い印象を与えます。

特に営業職を希望している方には、「苦しい時期にどのように乗り越えたか」を具体的に記載することで、採用担当者からの評価が良くなるでしょう。

例文9:コミュニケーション能力

例文

私の強みは、相手の立場に立って考え、分かりやすく伝えることを意識できることだ。大学時代は、介護のボランティア活動に参加した。目上の方と交流する機会があり、相手に合わせて話し方を工夫することで、お互いに気持ちの良い会話ができた。入社後も、介護職として相手のことを考えて会話をしていきたい。(142文字)

自分の強みと企業のニーズがマッチングできています。特に、介護職を希望している就活生は参考になる例文でしょう。

数値などは書いていませんが、「相手に合わせて話し方を工夫することで、お互いに気持ちの良い会話ができた」と人柄がわかる文章で、とても良い印象を受けます。

自己PRは、自分がどんな人かを簡潔に書くことも大切です。

例文10:行動力

例文

私の強みは、すぐに行動に移すことができるところだ。インターンシップ先でオウンドメディアの立ち上げメンバーとして参加した。他社のサイトを分析をして、他社にはないコンテンツを盛り込んで、実行した。結果、リリースした1年後には10万PV数を達成できた。貴社に入社後も、行動力を活かして、貢献していきたい。(149文字)

インターンシップでの出来事をアピールしている例文です。実際に仕事している様子が想像できるような具体性がある点が好印象です。

結果の部分には「リリースした1年後」と数値も記載しているため、具体的な結果がわかりやすいです。

ただ、リリース前の準備内容が若干薄いため、もう少し詳しく記載するとより良いでしょう。

自己PRの基本的な構成

最初は結論から伝える

  • 採用担当者は最初に結論を見るため、あなたの強みや熱意をすぐに理解できる
  • 文章全体の構成が明確になり、読みやすくなる
  • 冗長な表現を避け、簡潔にまとめられる

自己PRでは、あなたの魅力をわかりやすく伝えることが重要です。そのためには、まず冒頭で自分の強みを述べておきましょう。

ここでは回りくどい言い方ではなく、「私の強みは〇〇です」のようなストレートな表現が適切です。強みの詳細や根拠はそのあとに説明すればいいので、冒頭で注釈を入れたりする必要はありません。

また、周りの応募者との差別化を図るために、強みを他のワードに言い換えるのも効果的です。例えば「粘り強さ」をアピールする場合、「諦めずに努力を重ねられる」といった言い回しに変えると、一気に個性のある自己PRに仕上がります。

具体的なエピソードで根拠を示す

最初に強みを簡単に示したら、次はその強みが発揮されたエピソードを説明します。このエピソードは強みの根拠にもなるため、なるべく具体性を持たせることが大切です。

紹介するエピソードでは、時期や場面、関わった人についての簡単な説明をした上で、自分がしたことを明確に示しましょう。

選ぶエピソードにルールはありませんが、「日常会話」や「想像しにくい場面」は避けた方が良いでしょう。採用担当者が想像しやすく、共感の持てる内容を選ぶと、強みが伝わりやすくなります。

強みを企業でどう活かすかで締める

<例>

  • 目標達成意欲をアピールしたい場合

→貴社の営業職として入社した後は、向上心をもって、目標達成できるように努めたい。

  • 聞く力をアピールしたい場合

→貴社の記者職として入社した後は、インタビューするときは聞く姿勢を大切にして、取り組みたい。

最後は、入社後に強みをどう活かすのかという意気込みで締めましょう。ここまでに説明してきたことはあくまで過去の経験ですので、将来の目標も示さなければ活躍のビジョンが掴めません。

また、締めは熱意や意欲を一番アピールしやすい部分でもあります。仕事では能力だけでなく、人柄や性格も重要な要素ですので、しっかりと自分のやる気をアピールしておきましょう。

自己PRを短く書くためのコツ

一番アピールしたい強みを決める

自己PRでアピールする強みの決め方

自己PRでは、なるべく自分を良く見てもらおうと、強みやエピソードをいくつも盛り込んでしまいがちです。しかし、自己PRの文字数指定が少ない場合は、強みは1つだけに絞り、エピソードも端的に説明する必要があります。

そのためには、書き始める前に「自分が一番アピールしたいこと」を決めておくことが重要です。

アピールする強みは一番自信のある能力でも構いませんが、応募企業が一番求めていそうな強みを中心にすると、より目に留まりやすい自己PRになるでしょう。

短く言い換えられる語句がないか確認する

自己PRの頻出語句の言い換え例

自己PRの中でも、エピソードは自由度の高い箇所です。しかし、選んだエピソードによっては、長い名前や用語を使わなければならないこともあり、文字数を大幅に使ってしまう可能性があります。

特に、「モチベーション」「プロジェクト」などのカタカナ英語は使用されることが多いため、注意が必要です。「意欲」や「企画」など、似た意味の漢字に置き換えることで、文字数を一気に削減できるでしょう。

文末を「だ・である調」にする

自己PRを「だ・である調」で言い切るメリット

文末を一般的な「です・ます調」から「だ・である調」に変更することで、文字数を削減できます。

「だ・である調」は、簡潔に内容を伝えるのに適した言い切りです。やや堅い印象になるデメリットもありますが、「です・ます調」に比べて文章が短くまとまることが強みです。

論理の飛躍に注意する

「アルバイトで2年間の接客を経験。そのため、営業職としても活躍できると考える。」

→接客から得た何の能力が、営業職で活かせるのかが不明瞭

全体を短くまとめようとするあまり、論理が飛躍した文章にならないように注意しましょう。

論理が飛躍している自己PRは、アピールが伝わらないだけでなく、文章作成能力に欠けると判断される可能性があります。

文字数に関わらず、自己PRでは強みとその根拠を明確に示すことが必要です。言い回しを簡潔に言い換えるだけに留め、重要な箇所は省略しないようにしましょう。

短い自己PRを書くときは簡潔にわかりやすく書こう!

短い自己PRを書くには、指定された文字数内で具体的なエピソードと簡潔な文章が書かれているかが大切です。結論には、入社後の目標や意気込みをを伝えましょう。

無事に短い自己PRが完成したら、下記の内容を確認してから、期限内に提出してください。

  • 指定された短い文字数で書かれているか
  • 読みやすい文章か
  • 誤字脱字がないか

今回の記事を参考に、自分自身の強みを効果的にアピールできる自己PRを作成して、書類選考を突破できるように努めましょう。

志望動機の締めはどう書く?例文付きで書き方と注意点を解説

就職活動において、志望動機は欠かせません。自分の熱意や意気込みを企業に伝えると同時に、深い企業研究の成果を示すことができれば、好印象を残せます。

しかし、志望動機の最後の「締め」が適切でないと、良い内容を書いていても台無しになってしまいます。

この記事では志望動機の締め方を、書くべき内容や注意点、例文とあわせて解説していきます。こちらを参考に、最後まで魅力的な志望動機を作成しましょう。

志望動機の締めが重要になる理由

締めは印象に残りやすい

心理学には「ピーク・エンドの法則」というものがあります。これは、物語や文章において山場である「ピーク」と結末である「エンド」の2つが印象に残りやすいということを示した法則です。文章の最後にある内容というのは、相手に印象を残しやすい部分です。

そして、これは同時に「過程は印象に残りにくい」ということでもあります。特に、人気企業の採用担当は、それこそ毎日何千枚というESに目を通しています。途中の理由や具体例などはほぼ読むことなく、上下の結論だけを読むということも珍しくありません。強く自分の印象を残すためにも、志望動機の締めは重要です。

締めはアピールする最後のチャンス

志望動機に限らず、文章の最後の結論は、それまでの理由や具体例をまとめる部分です。短くはありますが、もう一度、自分がそう考えた理由などを伝えるチャンスとなります。ここで自分の考え方を明確にアピールすることができれば、採用担当にも興味を持ってもらえる可能性が高まります。

ただし、この締めは同じ文章をくり返せばよいわけではありません。同じ文章の反復は、強い印象を残す効果がありますが、それは詩や小説などの文学的文章に限った話です。志望動機はビジネス文であるため、そのような形は好まれません。冒頭の結論とは異なり、締めの結論までには具体例や理由が示されています。それを踏まえた上で、もう一度、自分の熱意をアピールしましょう。

締めは論理性やコミュニケーション能力が評価される

志望動機に限らず、文章には論理性が求められ、最初から最後まで一貫した内容の文章を書く必要があります。たとえば、冒頭の結論では「社風に惹かれた」と書いているのに、締めの結論では「自分を成長させたい」と異なることを書くと、何を伝えたいのか分からない文章になってしまいます。

論理性は、自分の意見を伝える発信力としてのコミュニケーション能力でもあります。論理性のない文章では、企業側に能力不足を疑われてしまいます。

数多くの文章のなかでも、とりわけビジネス文は、「分かりやすく、簡潔に」が求められます。志望動機もビジネス文であるため、短く筋の通った文章を書くことが必要です。ESを書く時点で、すでにビジネスマンとしての素養が試されていることを意識しましょう。

志望動機の基本構成

志望動機の文章は、相手に言いたいことが明瞭に伝わるPREP法で書くことが一般的とされています。PREP法は、「結論」「理由」「具体例」「結論」の流れで相手に話を伝える方法です。ここからは、それぞれの段階について書き方を説明していきます。

①本文の要約

最初は結論として、本文の要約を書きましょう。最初に志望動機がどのような内容であるかを示しておくことで、続く理由や根拠が理解しやすくなることが期待できます。

ここでは、長々と書くことはせず、端的に内容をまとめた文章にとどめるようにしましょう。導入が長すぎると、かえって読みにくく、印象のはっきりしない志望動機になってしまいます。

②志望した理由

志望理由は、できるだけ具体性を持たせることが重要です。「社風に惹かれた」や「成長できると感じた」といった漠然として理由ではなく、「〇〇という点に惹かれた」といった具体的な内容が好印象のポイントになります。

さらに、その理由を抱いたきっかけやエピソードを付随できると、より説得力のある志望動機に仕上がるでしょう。採用担当者はあなたのことを全く知らない状態で選考をするため、内面をなるべくアピールできるような内容が望ましいです。

③今後の展望

理由のあとには、今後の展望を述べましょう。志望動機に書く理由や具体例の多くは、過去に自分が経験したことです。それだけではなく、入社してからの「未来」で何をしたいのかもあわせて書くことが重要です。

成長が見込めないと判断されれば、選考では大きく不利になってしまいます。今後の展望を明記し、「自分を入社させることはメリットになる」ということを、企業に伝える必要があります。

④締めの言葉

最後は締めの言葉です。「努力します」や「貢献します」などの前向きな意欲を表す言葉や、実際の業務に絡めた内容で文章を締めます。前向きな言葉で言い切ることで、自分に対する自信や思いの強さを示すことができます。

ここでは過度に個性を出す必要はありません。あくまで志望動機がきれいにまとまっているという点が重要です。

ただし、あまりにも定型的な表現ではかえって熱意が伝わりにくくなってしまうので、最低限のオリジナリティを持たせられるとより良い印象を与えられるでしょう。

志望動機の締めの言葉のポイント

アピールするポイントは絞る

志望動機の文字数は、およそ300字前後であることが一般的です。そのため、明確で簡潔な内容が求められます。文章全体に余計な修辞を入れないことは勿論ですが、冗長な表現や文学的表現を削るなど、とにかく実際のビジネスを想定した文章にしなければなりません。

ただ、どれだけ削っても、最後の締めに当てられる字数は絞られてしまいます。そのため、最後の締めでアピールするポイントは、文章全体を通じて「絶対に自分が言いたいこと」のひとつだけに絞りましょう。志望動機のなかでも、最もコアになる「自分が志望する理由」の部分だけを取り上げることで、企業にも自分の熱意が伝わりやすくなります。

企業に貢献できるポイントを入れる

志望動機の締めには、企業や社会に「どのような貢献をするか」を書くようにします。志望動機は、あくまでも就活生が「入社したい」理由です。

熱意を企業もある程度は考慮してくれますが、結局、企業に「入社させる」理由がなければ採用してもらえません。そのためにも、自分を採用することが企業にとって明確なメリットになるということを示しましょう。

示すメリットは何でもかまいません。例えば、知識や資格など、業務を遂行するための能力があることは、単純ですが分かりやすいアピールポイントといえるでしょう。また、どの企業でも汎用的に役立つ「忍耐力」や「コミュニケーション能力」、「行動力」などの自分の力を活かす方法を書くことも効果的です。

質問に合わせた締め方をする

一口に「志望動機」と言っても、その質問の形は様々です。直接的に「志望動機を教えてください」と尋ねられることもあれば、それに加えて「貢献できることは」や「将来のキャリアビジョン」など、何か別の質問が付加されて尋ねられる場合も珍しくありません。結びの言葉は、この質問の内容に合わせて変更しましょう。

特に、付加された質問があるときは要注意です。たとえば「将来のキャリアビジョン」についての質問があれば、締めは「将来的に〇〇していきます」などにしなければなりません。質問に対して適切な回答ができていないと、「話を聞かない」「コミュニケーション能力に問題がある」などの評価をされてしまいます。

志望動機を締める文章の例文

例文1:企業や企業の商品について書いた場合

例文

私が、貴社を志望した理由は、貴社が私の大好きな〇〇の販売元だからです。〇〇への愛情ならば誰にも負けません。貴社に入社後は、その〇〇の開発に携わりたいと考えています。

小さい頃に買った〇〇は、私の世界を大きく広げてくれました。〇〇を通して世代を越えた多くの友人ができただけではなく、何度か国際大会に出場するなかで、外国語も話せるようになりました。今でも、毎年発売される新しい〇〇を購入し続けています。

私は今後も〇〇が発展していくことを信じています。これまで〇〇を通して得た経験に、大学時代にアルバイトしていた広告会社で培ったイラストレーターとしての技術を加え、〇〇の開発に携わりたいと考えています。(300字以内)

この志望動機の中核になるのは、商品への愛情です。どんな些細なきっかけでも、「その企業の〇〇が好き」というのは、特定の企業でなければならない理由となります。その商品を通じて、自分がどう変わったのか、どんな経験をしたのかを具体例や理由に盛り込むことで、より「貴社でなければ」という印象を与えられます。

それを受けて締めの部分には、商品への愛情を示すと同時に、それに対して、自分が何ができるのかを書いています。単に「好き」というだけでは、企業としても採用に踏み切れません。

この例文であれば「イラストを描く」という技術で貢献しようとしています。このように、自分のスキルや経験を併せて書くと、企業も「どのように働きたいのか」がイメージしやすくなります。

例文2:企業理念について書いた場合

例文

私は、貴社の掲げる「試行錯誤こそ高い技術力につながる」という企業理念に共感し、貴社を志望いたしました。私は、子どもの頃から何かを作ることに熱中していました。現在では、ロボット作りに熱中しており、大学では電子工学について勉強を続けています。

ロボット作りは上手く行かないことがほとんどです。プログラミングや、歯車や配線の違いで想像した挙動になりません。完成しても改善点を見つけ出し、より良いものにしていくことは大変ですが、同時にやりがいも感じています。

貴社は、国内におけるロボット開発のトップ企業です。私も試行錯誤が行われている貴社のロボットの開発に携わり、将来は人型のロボットを開発したいと考えています。(350字以内)

最後の締めは長く書くことよりも、志望動機として最も自分が伝えたいことを意識します。そうすると、締めに書くべきポイントも自然と絞られます。

この志望動機の締めで重要な点は、「企業理念」についてです。企業理念というのは、企業を選ぶときのひとつのポイントです。同じ業務、同じ業界であっても企業ごとに考えていること、目標は異なります。これがマッチしているかどうかは、働き始めた後にも強く影響するため、無視できません。この志望動機では、自分のこれまでの経験が企業の掲げる理念と合致していることを示しています。

企業理念を作る目的は「社員の目標共有」「自社の社会に対するアピール」の2つです。理念への共感は「どんな企業であるか」を分かっていることを示します。また、目標が共有できているため、長く働いてくれることを企業側も期待できるでしょう。

例文3:自分の目標について書いた場合

例文

私は小さいころから「世界を舞台に仕事がしたい」と考えていました。また、大学で海外貿易について研究する中で、「貿易に携わる仕事をする」という具体的な目標ができました。

私は海外の通販サイトでモノを購入する機会が多く、日頃から海外と日本を仲立ちしてくれる貿易企業の存在を強く感じています。特に、日本の貿易会社の代表である貴社は世界各地に支社を持ち、様々な品物を輸入し、現地の経済発展にも寄与されています。そのような社会貢献への姿勢にも、強く共感し貴社を志望しました。

貴社に入社後は、大学で学んだ貿易の知識や、マルチリンガルとしての能力を存分に発揮して、世界中を飛び回り貴社の更なる発展に貢献します。(300字以内)

この志望動機の中核になるのは「自分の目標」です。志望動機において、重要なことは「その企業でなければならない理由」です。この志望動機では、「自分の目標を達成できる企業は貴社だけである」という明確な理由があります。

「働く」という行為の目的は、決して給料を得るためだけではありません。例えば、自分の技能や経験を深めたり、人脈を広げることも目的に数えられるでしょう。また、上記の志望動機のように、自分の目標を達成することも目的として考えられます。自分の目標を具体的にできるほど、企業側も働く姿をイメージしやすくなります。

ただし、目標を中核に置くと、当然、企業側からは「それが達成できたら、どうするのか」という疑問が生じます。これに対して、必ず「次はこうする」という達成した次の目標を志望動機には書きましょう。こうすることで、自分の課題発見能力や、問題解決能力があることを暗に示すことができます。目標や課題を自分で見つけ、それに向かって行動できることも、社会人にとっては重要な能力です。

例文4:自分の強みについて書いた場合

例文

私は、就職にあたって、趣味で続けているWebデザインを仕事にしたいと考え、貴社のWebデザイナーを志望しました。

私は、中学時代からホームページを作っており、大学時代には、サークルで入会者を増やすためのホームページ作りを任されました。その時から、アクセス数を増やすための方法や、デザインなどを考えるようになりました。結果として、ページを見た人の入会が大幅に増加しました。この経験から、私はWebデザインで企業や商品の価値を、広く発信できるWebデザイナーを目指しています。

貴社は挑戦的な社風であり、新人にも機会がある企業です。貴社で自分の技術を磨き、多くの商品を世界に発信していくことが目標です。(300字以内)

自分の強みを志望動機の中心に据える場合、その強みは英語などの言語や大学における学術的な知識のほか、絵や歌などの技術をアピールすると効果的です。新卒採用は、これからの成長への期待を込めた採用です。

しかし、既に技術がある就活生がいれば、それを採用しない理由はありません。今後も成長していくことを自信を持って伝えられれば、それだけでも採用に近づくでしょう。自分のしたいことが実現できる社風であることも、プラスの要素です。

企業が人を採用する目的は、一種の投資とも捉えられます。その人が学び、将来的に企業や社会に貢献してくれることを期待して、採用し給料を払っています。自分の強みをアピールするときは、自分の能力が企業にとって有効であることを示しましょう。

例文5:自分の経験について書いた場合

例文

私は貴社での仕事を通じて、この街の人たちの役に立ちたいと考えています。私は小さいころから買物は貴社の店舗でしていました。また、大学時代には貴社でのアルバイトを始め、お客様から頂く感謝の言葉を受けたことで、卒業後は貴社への就職を志望するようになりました。

貴社はメインとなる業務以外にも、地元の大会の協賛や地域の清掃活動など、地域貢献の活動が活発です。私も何度か参加させて頂きましたが、密接な地域との関わり合いが長く愛される要因であると思っています。

大学時代の貴社でのアルバイトの経験を活かし、私もお客様に愛される貴社の一員になり、地域に貢献できるように努めます。(300字以内)

大学時代にアルバイトをしたことがない人は、そういないはずです。この志望動機では大学時代の「自分の経験」を話の核に置いています。既に志望する先でアルバイトの経験があることは、その企業を志望する立派な動機となります。同時に、その経験が、そのまま自分の「貴社を知っている」というアピールポイントにもなります。

アルバイト以外には、一般的なインターンシップや、海外での留学も同時に経験できるワーキングホリデーなども企業と就活生を結びつけるポイントです。自分の「働いた」経験を志望動機を書く上で、有効な武器になります。それ以外にも、サークルや学業など、大学時代の経験を活かしてみましょう。

志望動機を締める文章の注意点

志望動機の締めは、文章全体を支える重要な部分です。冒頭と結論で内容が矛盾していないことは当然ですが、今後に控える面接において、どの点が深堀りされる対象になるかも重要なポイントです。

面接における質問も想定しながら、志望動機の締めに取り掛かりましょう。

定型文にオリジナリティを持たせる

志望動機の締めの文章は、どうしても「努力します」や「努めます」など、自分の前向きさをアピールする定型文になってしまいます。締めは最後の挨拶にあたる部分なので、定型文になるのは避けられません。

しかし、単に「頑張ります」とだけ書く就活生と「〇〇において力を発揮できるよう頑張ります」具体的なことを書く就活生、どちらを面接したいかと尋ねられたら、間違いなく後者でしょう。

たとえ、定型文でも「自分だからこそ」の要素を付け加えれば、それだけでも魅力のある文章になります。企業としても具体性のある話があれば、働き始めた後のイメージも考えやすくなるでしょう。「何で」「どうやって」という対象や方法論を明確にすると、企業研究の深さも伝わり、一石二鳥です。

根拠のない展望は評価されない

締めで伝える展望で書くべき将来には、根拠を意識しましょう。「営業でトップになる」や「〇〇の責任者になる」という内容の志望動機をよく見かけます。自分のやる気をアピールしたい気持ちは分かりますが、地に足がついていない将来の展望を書いたとしても、企業は評価してくれません。

そもそも、入社前の時点では、トップになる方法も責任者になる方法も就活生が知る術はありません。やる気があっても、目標に向かっていけるだけの実力や方法論が確立されていなければ、単に夢物語で終わってしまいます。根拠のない展望を語ることは、「現実が見えていない」「世間知らず」という、社会人として非常に厳しいマイナス評価を受けることにつながります。

志望動機で書く将来の展望は、せいぜい1年から2年程度の短いものです。働き始めてから1年程度で成し遂げられる内容、もしくは今後働いていく上での方針程度に留めておく方が無難でしょう。無理に自分をよく見せようとしてはいけません。

謙遜も誇張もよい印象はない

締めの文章では、謙遜した表現は厳禁です。志望動機はやる気の高さをアピールするためのものです。そのなかで謙遜した表現をすると、採用担当に「受け身である」という印象を持たれてしまいます。

どんな仕事でも積極的に自分から行動することが重要です。そこで、受け身であるという印象を持たれてしまうと、それだけでマイナス評価になります。志望動機は謙遜せずに、自信を持って言い切るようにしましょう。

また、同時に誇張した表現も避けます。根拠のない展望もそうですが、たとえば「絶対」や「必ず」というような強すぎる表現、「すべて」や「全部」というような例外のない表現は、つい使ってしまいがちなので注意しましょう。

これらの表現を用いると、採用担当は就活生に強いプライドを感じてしまいます。プライドがあることは立派ですが、それが過ぎると業務に悪影響を及ぼしてしまうので注意しましょう。

志望動機は締めまで入念にチェックを

採用選考が進み、最終選考に近づくにつれて、残る就活生の能力は同じ程度になっていきます。そのなかで少しでも有利になりたいのであれば、志望動機の作成に手は抜けません。

特に、締めの部分は、自分の思いをもう一度伝える重要な部分です。また、文章全体としても論理性を確かめる要素にもなります。

締めくくりまで丁寧に伝えることができれば、志望度の高さや入社後の展望など、企業が知りたいことを伝えやすくなります。志望動機の内容全てを受ける締めの部分こそ、最も注意すべき部分といえるでしょう。

ガクチカを200字で書くコツは?効果的な構成を例文付きで解説

企業によって、ガクチカの文字数を指定される場合があります。200字という短い文字数を指定され、「ガクチカを200字でまとめられない…」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ガクチカを200字で書くための構成や押さえるべきポイント、注意点について解説します。200字でまとめた例文も経験別に紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ガクチカとは?

ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと」の略であり、エントリーシートの提出において多くの企業から求められる設問のひとつです。

企業はガクチカを通じて、学生の主体性と行動力を測りたいと考えています。ガクチカは、学生が大学生活において「どんな努力を重ねたのか」「周囲といかに協力を図ったのか」「具体的な結果は何なのか」という点をアピールする上で大いに役立ちます。

なお、ガクチカに似た設問として「自己PR」がありますが、これらの意味合いは異なります。自己PRは、自分の強みや能力をアピールすることを目的としています。一方、ガクチカは目標達成にむけた具体的なエピソードをアピールするという役割があります。

また、自己PRは文字数制限が存在しないことが多い反面、ガクチカは文字数が指定されることが多い傾向にあります。

企業がガクチカの提出を200文字で求める理由

学生の興味や思考力を知るため

企業はガクチカを通じて、学生がどのような性格なのかを知りたいと考えています。

具体的なエピソードを知れば、学生がどんなことに興味・関心があるのか、どのような思考を持っているのかがわかります。企業は、エピソードの端々に表れる就活生の人柄に目を向けることで、自社の社風とマッチする人物かどうかを判断します。

ガクチカは、具体的なエピソードをアピールすることのみが目的ではありません。企業にとって、社会人としてモノを売ったり、課題解決のためのアイディア出しをどの程度行えるかをチェックする上でも、重要な判断要素となりえます。

課題に対する乗り越え方を知るため

ガクチカには、学生がどのような課題に直面し、どのように乗り越えてきたのかをアピールする役割もあります。

多くの企業は、ガクチカにおいて、エピソードのスケールや社会貢献度の高さなどはあまり重視していません。企業は、ガクチカを通じて「学生がどのようなエピソードを経験してきたのか」というプロセスを重視しています。

なぜなら、学生が課題解決にむけて歩んできた具体的なプロセスを知ることで、問題発見力や問題解決力、思考力を判断できるためです。

課題解決力とは、クライアントや社内に根付いた課題を正しく解決に導くために求められる重要なスキルです。ガクチカを通じて、自己の課題に対する乗り越え方を具体的に伝えられれば、問題解決力が備わった学生として自身をアピールできるでしょう。

文章を簡潔にまとめる能力を知るため

企業は、ガクチカの文字数を制限することで、学生自身が興味を持っていることを簡潔にまとめる思考力を見極めます。

多くの方にとって、ガクチカの要点を絞らずに長文で書くことは決して難しくありません。しかし、学生に対して企業が求めることは、ガクチカの文量ではありません。自身のエピソードを論理的にまとめる能力が学生に備わっているのかを判断したいという意図があります。

論理的思考力とは、クライアントへのプレゼンや業務における課題分析、解決策の提示など、様々なシーンで役立つ社会人の必須能力です。ガクチカでアピールポイントの要点を簡潔にまとめられれば、社会人に必要な論理的思考力が備わった学生として評価されるでしょう。

ガクチカを200文字でまとめるための4ステップ

<ガクチカの4ステップ>

1.結論(1番伝えたいこと)を述べる

2.具体的なエピソードを書く

3.課題の要点と乗り越えた方法をまとめる

4.入社後にどのように活かすのかを述べる

冒頭で結論を書く

まずは、200文字の中で「何を一番伝えたいのか」を明確にし、冒頭で結論を書きましょう。時系列で長々とエピソードを書いてしまうと、文字数はあっという間にオーバーしてしまいます。簡潔にまとめるためにも、結論は冒頭で述べます。

例:「私は、居酒屋でのアルバイトにおいて、クレーム問題の解決に尽力しました。」

人事は多くのエントリーシートに目を通すため、あなたの印象を残す上では、まず結論から提示しなければなりません。早々に冒頭から結論を書けば、要点が掴みやすいガクチカとして、人事の目に留まりやすいでしょう。

具体的なエピソードを簡潔に書く

冒頭で述べた結論をふまえて、あなたのエピソードを具体的かつ簡潔に書きましょう。

エピソード例として挙げられるのは、サークル活動やアルバイト、ゼミ研究などで壁にぶつかった経験などです。具体的なエピソードにおける解決策、成果を書けば、あなたの問題解決能力行動力を効果的にアピールできます。

ガクチカでは、「最終的にどのような課題や困難を乗り越えたのか」が重視されます。あなた自身のエピソードにおいて、どのような課題があったのかを明らかにすることが大切です。

これらのポイントを押さえておけば、具体的な行動ステップをスムーズに書けるでしょう。

課題の要点と乗り越えた方法を書く

次に、エピソードの中で直面した課題の要点と、どのように乗り越えたのかを具体的に書きましょう。課題の要点と乗り越え方を書ければ、課題を克服するために、どのような努力をしたのかをアピールできます。

企業はこれらの内容から、学生の問題解決能力や周囲との協調性、ストレス耐性の高さなどをチェックします。

もし、苦労したエピソードや何らかの壁にぶつかった経験がなければ、目標達成に向けて努力した姿勢や、取り組みにおいて工夫したことをアピールしましょう。

入社後どのように活かせるのかを書く

最後に、ガクチカで得た経験やスキルをどのように入社後に活かせるのかを書きましょう。

企業が求める人物像と照らし合わせて、自分がどのように貢献できるのかをアピールすることが重要です。企業が求める人物像を確認する際は、採用ホームページや企業が掲載している就活サイトなどをチェックする方法がおすすめです。

あなたの経験やスキルと企業が求める活躍像がマッチしていれば、「マッチングの高い学生」として評価されやすいでしょう。

ガクチカを200字で作成するコツ

まずは文字数を気にせず書く

まずは文字数を気にせずに、400文字程度でガクチカを作成することをおすすめします。

最初から200文字以内のガクチカを書くことは簡単ではないためです。文字数制限を意識するあまり、伝えたいことがわからない内容になってしまっては本末転倒です。

400文字程度の余裕があれば、具体的なエピソードや取り組み、結果を具体的にまとめられるはずです。まずは400字程度のガクチカを作成し、そこから実際の文字数制限に合わせて文章をそぎ落としていきましょう。

「である調」で端的に書く

読みやすくて簡潔なガクチカを書くために、「である調」で書いてみましょう。

なぜなら、「ですます調」だとどうしても文字数を多く使ってしまい、ガクチカの文字数制限をオーバーしやすくなるためです。

「である調」は堅い印象を与える可能性もありますが、一般的なエントリーシートには文体に決まりが設けられていないため、評価の良し悪しなどに影響は及びません。

ガクチカを作る際は、できる限り具体的なエピソードで文字数を割けるように意識することが重要です。そのため、「である調」で端的に書くことをおすすめします。

数字を用いて具体的に書く

「アルバイトで売上アップに貢献した」

⇒都内に15店舗ある居酒屋で、全店舗中1位を獲得した

 

「野球経験でチームワークを学んだ」

10年間の野球経験でチームワークの大切さを深く学べた

数字を用いることで、ガクチカの説得力が増し、具体的なイメージを伝えられます。

上記のように、同じ内容をアピールする場合でも、具体的な数字を含めることで説得力のある内容に見せることができます。

具体的な数字を上手く活用しながら、あなたのエピソードを効果的にアピールしましょう。

短いフレーズに言い換える

文字数をできる限り削るためには、フレーズを短く言い換えることがポイントです。特に横文字は日本語の適切な単語に言い換えることで、文字数をカットすることができます。

長文の場合、内容がわかりにくくなりやすいため、短いフレーズに言い換えてみましょう。

<言い換え例>

  • アンケート→調査
  • リレーション→連携
  • ポジティブ思考→前向き
  • ということです→です
  • することができます→できます
  • コミュニケーションをとる→話し合う

文字数を削るためには、上記のような言い換え表現を活用するのがポイントになります。少し文字数が多く感じる表現を見つけたら、同義語や類語などを検索し、短い表現に言い換えられないかを考えてみましょう。

不要な箇所はできるだけ削る

冗長な表現や関係のない情報はできるだけ削除し、簡潔な文章にしましょう。

不要な箇所を削る際に意識すべきポイントは、全体の文章を書き上げた後に、削除しても説明不足や文脈の乱れが起こらないかをチェックすることです。ガクチカは、要点が簡潔であることが重要なので、不要な箇所は削ってしまって問題ありません。

不要な箇所を削った後、文章全体として問題ないか確認したい場合は、あなたのエピソードに似ている例文をWeb上で調べてみることをおすすめします。例文と構成が近ければ、あなたのガクチカは文章として成立していると判断できるはずです。

200字のガクチカ例文5選

勉強

例文

私が尽力したことは、TOEIC®︎スコアを400点以上アップさせることだ。
そのために行ったことは、具体的な勉強方法を自ら計画立てし、毎日3時間勉強を続けたことである。その結果、1年間でTOEIC®︎スコアを400点以上アップできた。
これらの経験から学んだことは、目標達成のための計画立てや実行、努力を継続する重要性である。これらの学びを活かして目指すことは、目標達成へコミットできる人材への成長だ。(199文字)

この例文のポイントは、冒頭においてTOEIC®︎スコアという具体的な数字を用いてアピールできている点です。

また、TOEIC®︎スコアの点数を上げるために具体的に行った取り組みや費やした時間、勉強期間も数字で表現されているため、「何を伝えたいのか」が非常にわかりやすい例文だと言えます。

論理的思考力の高さだけでなく、物事に対して粘り強く努力できる人柄が伝わる例文です。

留学

例文

アメリカへ1年間留学し、異文化交流を図る能力を培うことに尽力した。
現地の学生とグループワークをする機会があり、文化の違いから意見が衝突する場面があった。そこで価値観を持つ方々と積極的に交流し、柔軟な思考力と異文化理解力を養った。
この経験を通して身に着けた能力は、異文化交流能力と、異なる価値観を持つ方々と協調することだ。これらの学びを活かして目指すのは、周囲と円滑な関係性を築ける人材への成長である。(200文字)

この例文のポイントは、異文化交流を図ろうとするコミュニケーション力の高さが伝わる点です。

さらに、留学先という非日常の環境下に身を置いていたという点も大きなポイントです。環境に左右されることなく、周囲との交流を恐れずに取り組める前向きさや積極性を持つ人柄が伝わえる内容と言えます。

コミュニケーション能力の高さだけではなく、慣れない環境にも柔軟に対処できる適応力の高さがうかがえる例文です。

部活動

例文

テニス部に所属し、全国大会出場を目指して日々練習に励んだ。
目標達成のために、個人練習以外にも、後輩の指導や練習メニューの提案にも積極的に取り組んだ。その結果、県大会で優勝し、念願の全国大会出場を果たすことができた。
部活動の経験から、チームワークの重要性と、目標達成のために必要な努力と忍耐力を学ぶことができた。これらの経験を活かして、周囲と協力し合って目標達成に向けて取り組み貢献していきたい。(197文字)

この例文のポイントは、「全国大会出場」というハイレベルな目標に対する実現力の高さが伝わる点です。

自己努力だけではなく、後輩の指導や練習メニューの提案などを代表として、チーム全体のレベルの底上げにも意識を向けており、目標達成にむけたプロセスを設定する能力にも長けていることが伝わります。

さらに、周囲と協力し合うことも意識できており、人望の高さも伝わるような例文です。

サークル

例文

大学時代、写真サークルに所属し、写真撮影の技術を磨くことに尽力した。
写真展を成功させるために、企画立案段階からメンバーと積極的に意見交換を行い、ターゲット層に合わせたテーマや会場選び、広報活動などにも尽力した。その結果、目標としていた参加人数を達成し、収益も黒字にできた。
これらの経験を活かして、コンスタントに目標達成ができる営業マンへの成長を目指します。(180文字)

この例文のポイントは、「収益の黒字化」という経験を得られている点です。

写真サークルとしての取り組みでありながらも、売上達成のために必要な取り組みを細分化し、実行した上で成果を残せていることから、ビジネスシーンでも活躍できるスキルを十分に兼ね備えている印象を受けます。

経験したエピソードが、目標達成能力が高い営業マンになるという目標との親和性が高いのもポイントです。

アルバイト

例文

私は、カフェでのアルバイトにおいて接客スキルを磨くことに尽力した。
そのために行ったことは、先輩への接客指導の依頼や、外部の接客研修への参加などである。その結果、接客レベルの高いスタッフとして評価され、本部から全国3位の接客スタッフとして表彰を受けた。
これらの経験から、目標達成のために正しい努力を続ける重要性を学んだ。その上で、私が描く入社後の目標は、お客様に愛される接客スタッフとしての成長である。(200文字)

この例文のポイントは、目標達成のために必要な努力を正しく判断し、実行できている点です。

先輩による接客指導だけではなく、外部の接客研修などにも参加している点から、視野を狭めることなく、様々な方向から接客スキルの向上に取り組んだ努力家な人柄が伝わる内容です。

また、入社後も「お客様に愛される接客スタッフになりたい」という目標を掲げている点から、経験したエピソードを活かして活躍できる期待を寄せられるのもポイントです。

ガクチカを書く際に注意すべき4つのこと

1文字でも超えたらNG

多くの企業は、ガクチカにおいて文字数制限を設けています。ガクチカの内容がどんなに良くても、文字数制限を1文字でもオーバーしていたらNGです。

文字数を守ってあなたをアピールするためには、「何をもっとも伝えたいのか」を明確にする必要があります。どうしても文字数からはみ出てしまう場合は、まずは文字数を意識せずにエピソードを書き出し、そこから要点を絞っていくことをおすすめします。

また、括弧や「。」「、」などの句読点も文字数にカウントされるので注意が必要です。

「嘘」の内容は書かない

自分を良く見せようとして、嘘が含まれたガクチカを書くことは絶対にNGです。ガクチカに限らず、選考においては実際にあなたが経験したエピソードをアピールすることが鉄則です。

人事は、ガクチカを通じて、学生の素直さ誠実さを鋭く見抜きます。多くの選考を経験している採用のプロである人事の目をかいくぐることはほぼできません。

仮にエントリーシートを通過できたとしても、面接へ進んだ段階で嘘がバレてしまう可能性も十分にあります。遅かれ早かれ、「嘘はバレる」ということを念頭に入れておきましょう。

難しい専門用語は使わない

専門用語を多用しているガクチカは、人事にマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。「知識の高さをひけらかしたい」「説明が下手」と人事から思われかねません。

ガクチカを作成する際は、誰が見ても理解できるような言葉で、できるだけわかりやすく書くようにしましょう。

どうしても専門用語を使う必要がある場合は、簡単に説明を加えることをおすすめします。

関連性のない写真は使わない

ガクチカでは写真を用いる場合があります。その場合、ガクチカの内容に関連するものを選びましょう。

エピソードに何の関係のない写真は、人事を混乱させてしまう可能性があります。ガクチカに写真を加える際は、フリー素材などではなく、実際に撮影した写真を選ぶことが鉄則です。

おすすめのパターンとしては、アルバイトや部活動、留学経験における活動写真、集合写真などが挙げられます。いずれにしても、高画質で暗すぎず、パッと見た際も印象に残りやすい写真を選ぶようにしましょう。

ガクチカであなたの個性をわかりやすくアピールしよう

多くの企業は、ガクチカの提出において文字数を設定するケースが多い傾向です。中には、300文字などの文字数で指定する企業も存在しますが、文字数の幅にかかわらず、対策をしておかなければ、慌ててしまうものです。

ガクチカの提出において、どのような文字数を指定されたとしても、落ち着いて本文を書き出せるように準備しておくことがポイントです。

初めてガクチカを作る際は、まずは文字数や体裁を気にせずに、大学生活における具体的なエピソードを書き出すところからスタートさせましょう。その上で、「もっともアピールしたいことは何か」という視点で要点をまとめられれば、あなたオリジナルの簡潔かつわかりやすいガクチカが出来上がるはずです。

自己PRで趣味をアピールする書き方を解説|NGな趣味は?【例文あり】

あなたの趣味は、あなたの個性スキルを反映する重要な要素です。ESでの自己PRでは、その趣味を活かして自己分析を行い、自己アピールを強化することが大切です。

本記事では、自己PRのテーマとして適している趣味の選び方や、趣味をテーマにした自己PR文を作成する際のポイントを解説します。さらに、記事後半では趣味別の自己PR例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

自己PRは趣味を活かした内容でも問題ない!

そもそも、趣味をテーマに選んでも良いのだろうかと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。自己PRで、趣味について言及することはむしろ効果的です。なぜなら、趣味はあなたの個性情熱を表現する素晴らしい手段だからです。

趣味を通じて培ったスキルや経験、そしてその中で得た喜びや成果は、あなたの独自性をより明確に示し、志望企業に印象付けるのに役立ちます。企業は、自己PRを通してただの経歴や資格だけではなく、あなたがどのような人間であるかを見ています。そのため、あなたの個性をより鮮明にアピールし、印象を深めることができます。

ただし、趣味を楽しく伝えるだけでは自己PRにはなりません。趣味を通して学んだことや身につけた強みなどを交え、ポイントを押さえてアピールしていくことが大切です。

趣味を活かした自己PRがおすすめな理由

人間性

趣味がテーマの自己PR文では、人間性を深く表現する機会となります。企業は、自己PRを通して学生の人間性を掴もうと考えています。

趣味を通じて示される情熱や興味は、あなたの好奇心や粘り強さ、そして自己成長への意欲をアピールすることができます。また、趣味に対する姿勢やその活動を通じて得られる人間関係やコミュニケーション能力も、あなたの人間性をより豊かに表現する重要な要素です。

趣味を活かした自己PRでは、これらの人間性を明確にアピールすることができます。

モチベーションの源泉

趣味をテーマとした自己PRでは、モチベーションの源泉を明らかにする重要な要素となります。

趣味に対する情熱や興味は、あなたの内面から湧き出る動機や目標を反映しています。そのため、あなたがどのような目標に向かって積極的に取り組んでいるのか、またそのためにどのようなエネルギーを注いでいるのかを明確に示すことができます。

趣味を通じて得られる喜びや達成感は、あなたのモチベーションの源泉となっているはずです。自己PRを通じてその熱意を伝えることで、企業や組織に対する真摯な取り組みや姿勢をアピールすることができます。

志望企業とのマッチ度

趣味がテーマの自己PRでは、あなたの興味や関心が志望企業とのマッチ度を示す重要な指標となります。

趣味には個々の価値観志向性が反映されており、その趣味が企業の文化や価値観と一致している場合、志望企業との相性が高いとみなされます。自己PRで趣味を取り上げることで、あなたが志望企業の理念やビジョンに共感していることを示し、企業に貢献する意欲や熱意をアピールできます。

また、趣味を通じて得たスキルや経験が、志望企業の業務や職務に有益であることを示すことも可能です。自己PRを通じて、志望企業とのマッチ度を明確に表現し、共通の目標に向けての共感をアピールできます。

自己PRのテーマに適している趣味

スポーツ

自己PRのテーマに適している趣味の一つがスポーツです。スポーツは、体力や健康を維持するだけでなく、チームワークやリーダーシップ、忍耐力など多くの価値を育むことができます。

自己PRでスポーツを取り上げることで、そのスポーツを通じて培ったスキルや経験、そしてチームプレイや競争への情熱をアピールすることができます。また、スポーツは自己成長目標達成に向けた意欲を表す素晴らしい手段でもあります。

よって、自己PRでスポーツを取り入れることで、積極性向上心を強調し、企業や組織に対する貢献意欲を示すことができます。

音楽

学生時代からバンド活動などといった、音楽を楽しんできた方も多いでしょう。音楽は、創造性表現力を高めるだけでなく、感情を表現し、共有する力を持っています。

自己PRで音楽を取り上げることで、その音楽を通じて培ったスキルや経験、そして感性や情熱をアピールできます。また、音楽は協調性集中力自己鍛錬の手段としても機能します。

自己PRで音楽を取り入れることで、あなたの創造性を強調し、企業や組織におけるチームワークやイノベーションへの貢献意欲を示すことができます。

アート

アートは、創造性感性を発揮し、独自の世界を表現するための貴重な手段です。

自己PRでアートを取り上げることで、そのアート活動を通じて培った観察力や表現力、そして問題解決能力や創造性をアピールできます。また、アートは自己表現コミュニケーションの手段としても機能します。

自己PRでアートを取り入れることで、あなたの個性独創性を強調し、企業や組織における創造的なアプローチや問題解決への貢献意欲を示すことができます。

読書

読書もESの自己PRにおいて、適切なテーマやエピソードとなります。読書は、知識や情報を得るだけではなく、思考力表現力を高める重要な手段です。

自己PRで読書を取り上げることで、その活動を通じて培った洞察力や理解力、そしてコミュニケーション能力をアピールできます。また、読書は創造性や想像力を刺激し、批評的思考論理的思考を促進します。

自己PRで読書を取り入れることで、あなたの知的好奇心学習意欲を強調し、企業や組織における問題解決や戦略的なアプローチへの貢献意欲を示すことができます。

アウトドア

キャンプや登山などアウトドアな趣味を持っている方も多いでしょう。このようなアウトドアな活動は、自然とのふれあいやアクティブな運動を通じて、多くの価値をもたらします。

自己PRでアウトドアな趣味を取り上げることで、その活動を通じて培ったリーダーシップ、協調性、そして問題解決能力をアピールできます。また、アウトドアはストレス解消や健康増進にも効果的であり、その精神的な側面もアピールできる内容です。

自己PRでアウトドアな趣味を取り入れることで、あなたのアクティブな姿勢チャレンジ精神を強調し、企業や組織における柔軟性や適応力を示すことができます。

料理

大学生になり一人暮らしを始め、料理が新たな趣味になったという方も多いのではないでしょうか。料理は、創造性や忍耐力を養い、自己表現や人間関係の構築にも役立ちます。

自己PRで料理を取り上げることで、その活動を通じて培った計画性やチームワーク、そして問題解決能力をアピールできます。また、料理は食文化栄養に対する理解を深めることにも繋がります。

食品や料理関係の企業を志望する場合は、特に役立つでしょう。自己PRに料理を取り入れることで、あなたの創造性柔軟性を強調し、企業や組織における新しいアイデアやアプローチへの貢献意欲を示すことができます。

趣味がテーマの自己PRを作成するポイント

簡潔にまとめる

趣味をテーマにした自己PRを作成する際は、ダラダラとただ長い文章にならないように注意しましょう。趣味について書くと、つい思いや熱量が高まってしまい、気付いたら枠に入らないぐらいの長文になってしまったということもあるかもしれません。

自己PRを作成する際は、簡潔な表現で要点をまとめることが重要です。読み手が簡単に理解できるように、ポイントを明確に伝えるようにしましょう。冗長な表現や余計な言葉を省くことで、自己PRの効果を最大限に引き出すことができます。

強みや成長できた趣味を選ぶ

強みや成長できた趣味を選ぶことは、高い評価を受ける自己PRを作成する上で重要なポイントです。なぜならば、自己PRを通じて自然にアピールできるため、自信を持って表現することができるからです。また、成長できた趣味は自己成長を示す証になり、志望企業に対して貢献できる態度を示すことができます。

自分が情熱を持ち、積極的に取り組んできた趣味を選ぶことで、自己PRを強化し目標や貢献意欲を的確に伝えることができます。

将来の展望や入社後にどう貢献できるのか伝える

志望企業に対して印象付ける自己PRを作成するためには、最後の一文が肝心です。趣味をテーマにした自己PRの最後は、将来の展望入社後の貢献意欲を明確に伝えることを意識しましょう。

趣味を通じて培ったスキルや経験を活かし、企業や組織にどのように貢献できるかを具体的に示します。そうすることで、志望企業に対してより好感度の高い印象を残すことができます。

将来の目標や志向性、そして入社後の展望について率直に表現し、自らのポテンシャルを最大限にアピールしましょう。

【テーマ別】趣味を活かした自己PRの例文

例文1:スポーツ

例文

私の強みは、趣味のバスケットボールで身につけたリーダーシップとチームワーク力です。大学時代、バスケットボールのチームのキャプテンを務めた経験があります。チームメイトと協力して目標に向かって努力する中で、リーダーシップの重要性やチームワークの力を痛感しました。ある試合で、我々のチームは大差をつけられ苦しい状況に立たされましたが、私はチームメイトを鼓舞し、ゲームの流れを変えるための戦略を提案しました。結果として、チーム全体が一丸となって逆転勝利を収めることができました。このような結果から、私は困難な状況下でも冷静さを保ち、チームを率いるリーダーシップと、チームメイトとの協力関係を築く能力を身につけました。貴社でも、この能力を活かして組織内外でのチームの成功に貢献したいと考えています。(350字以内)

スポーツといっても、様々な種目や種類があります。読み手がイメージしやすいような文章を作成することが大切です。例文の中では、バスケットボールチームのキャプテンとしての経験を具体的かつ簡潔に説明しています。

自己PR欄では、自身の強みであるリーダーシップやチームワーク力が、どのように発揮されたかを明確に示すことがポイントです。最後は、入社後にどのような貢献ができるのか、将来への展望も示し貢献意欲をアピールしましょう。

例文2:音楽

例文

私の強みは、趣味のバンド活動で培った創造性です。大学時代、友人たちとバンドを組みあらゆる場所で演奏活動を行っていました。ある時、私たちは学内のコンテストに出場する機会を得ましたが、短い準備期間の中で曲のアレンジや演奏の調整に苦戦していました。そこで、私は逆にチャンスと捉え、今までに行なったことのない創造的なアイデアを提供しました。例えば、新しい編曲や演奏スタイルの導入など、挑戦的なアプローチを積極的に提案しました。結果として、私たちは素晴らしいパフォーマンスを披露することができました。この経験から、私は目標に向かって努力する大切さと、あらゆる角度から問題に対してアプローチする問題解決能力を身につけました。私がバンド活動を通じて身につけた創造性は、チームの一員としての貢献や新しいアイデアの発想において、貴社に大きな価値をもたらすと確信しています。(400字以内)

音楽が趣味といっても幅広く考えられるので、具体的にどのような活動をしていたのかを簡潔に説明しましょう。

例文の中では、短い準備期間の中で困難に直面した状況を描き、どのように創造的な解決策を提案し、成功に導いたのかを示しています。そして、将来においても、培ったスキルが志望企業で、どのように貢献できるのかをアピールしています。

具体的なエピソード貢献意欲を伝えることで、より良い印象を与えることができます。

例文3:アート

例文

私の強みは、趣味のアート活動で得た創造性と表現力です。私は、幼少期から絵を描くことが好きで、大学時代も様々な作品を制作していました。たくさんの作品を制作する中で、自身のアイデアや感情を豊かに表現する方法を学びました。特に、ある展覧会で自分の作品が入賞した際は、自分の表現が他者にも共感される喜びを味わいました。この経験から、私は自らの感性や視点を大切にし、他者との共感やコミュニケーションを図る姿勢を身につけました。また、アート制作の過程での試行錯誤や挑戦を通じて、柔軟な発想力や問題解決能力も養われました。私は貴社の業務においても、創造性を活かして新しいアイデアやアプローチの提案に貢献し、表現力を活かして情報や意見を明確かつ魅力的に伝えることを心がけていきたいと考えています。(350字以内)

アート活動を通じて得た創造性と表現力を具体的に示し、自身の成長と学びを強調しています。さらに、志望企業での業務においても創造性を活かし、新しいアイデアやアプローチの提案に貢献したいという意欲を明確に表現しています。

具体的なエピソードを交えることで、自己PR文の説得力を高めることができます。企業が求める人物像に合致するように、自身の経験やスキルを強調しましょう。

例文4:読書

例文

私の強みは、読書によって養われた洞察力とコミュニケーション能力です。私は幼少期から読書が大好きで、様々なジャンルの本を読んできました。大学時代では特に、心理学や人間関係に関する書籍に興味を持ち、その知識を活かして日々の生活や人間関係を深く理解してきました。また、小説やエッセイを通じて、様々な人生観や価値観に触れ、異なる視点から物事を捉える能力を養いました。このような経験から、私は他者とのコミュニケーションにおいて理解力や共感力を発揮し、円滑な人間関係の構築に貢献することができます。さらに、読書を通じて得た知識や情報を元に、的確な意見やアイデアを提供することができます。私の洞察力とコミュニケーション能力は、貴社におけるチームの協力やプロジェクトの推進に大きく寄与できると考えています。(350字以内)

読書も就活の自己PRにおいて、有効なアピール材料となります。読書は、読むジャンルによってあらゆるスキルが身につきます。

例文の中では、洞察力とコミュニケーション能力を具体的な経験を交えて説明しており、読書を通じて得た知識や視点の広さを示しています。最後には、読書で培ったスキルがチームの協力やプロジェクトの促進にどのように寄与するのかを具体的に述べ、自己PR文としての説得力を高めています。

例文5:アウトドア

例文

私の強みは、キャンプを通じて培った問題解決能力です。私は自然の中で過ごすことが大好きで、キャンプをすることが趣味です。キャンプでは、天候や環境の変化に柔軟に対応し、食料やシェルターを手配するなど、自己の生活を管理する必要があります。また、困難な状況下での対処や危機管理も求められます。私はキャンプでの経験を通じて、問題解決能力を養うことができました。例えば、あるキャンプで突然の雷雨に遭遇した際には、周囲の安全確保やテントの設営方法の見直しを迅速に行いました。このような経験から、私はプレッシャーや困難な状況にも冷静に対処し、柔軟かつ効果的な解決策を見出す能力を身につけました。私のキャンプで培った問題解決能力は、貴社においてもチームの一員としての貢献や組織の更なる成長に不可欠な要素であると考えています。(400字以内)

アウトドアの代表的なキャンプを取り上げていきましょう。例文の中では、キャンプでの具体的なエピソードを挙げて、自らの行動や判断力を示し、その結果として得られたスキルを強調しています。

キャンプは、問題解決能力の他にチームワーク力や、ストレス耐性、冷静な判断力などあらゆるスキルが身につきます。また、特に自然環境を大切にする企業や組織においては、自然環境への愛着をアピールできるので、プラスの印象を与えるでしょう。

例文6:料理

例文

私の強みは、趣味の料理で培った計画性と創造性です。大学に入学した当初から料理をすることが趣味になり、常に新しいアイデアを取り入れながら様々な料理を楽しんでいます。計画性を活かして、料理の準備や調理工程を段取りよく計画し、効率的に進めることができます。また、創造性を発揮して、既存のレシピをアレンジしたり、オリジナル料理を作り出すことができます。例えば、季節の食材や地域の特産品を活かした料理を考案し、新しい味わいを生み出すことができます。このような私の能力は、チームのプロジェクトやイベントの企画立案においても役立ちます。私は、貴社に入社できた際には、これらの能力を活かし、組織の目標達成やチームの更なる成功に貢献したいと考えています。私は、自らの経験を通じて、新しい課題にも前向きに取り組み、常に成長し続けることを約束します。(400字以内)

料理は、個々の好みや文化、バックグラウンドを反映することができる趣味です。そのため、自己PRで取り上げることで、個性独自性を企業にアピールできます。

また、料理は常に新しいアイデアやレシピを試すことができるため、自己PRのテーマに挙げることで、成長と挑戦への意欲を表明する機会も得られます。このような要素を上手く組み合わせることで、自己PRで料理を取り上げるメリットを最大限に引き出すことができるでしょう。

自己PRのテーマにおすすめできない趣味

お酒に関すること

自己PRのテーマとしておすすめできない趣味の一つがお酒です。お酒は、過度な飲酒が健康や社会生活に悪影響を及ぼす可能性があります。

自己PRでは、健康や安全を尊重し、企業や組織における貢献意欲や専門性を強調することが求められます。よって、お酒に関連する趣味や活動を取り上げることは、就活の選考の場においては適していないと言えます。

代わりに、健康的な趣味や活動を通じて、自身のポジティブな側面や価値観をアピールすることを意識しましょう。

ギャンブルに関すること

競馬やパチンコなどのギャンブル系の趣味もおすすめできません。ギャンブルは、金銭的なリスクを伴い、依存症財政問題を引き起こす可能性があります。

自己PRでは、健全なライフスタイルや責任ある行動を重視し、企業や組織における安定性や信頼性をアピールすることが求められます。ギャンブルに関連する趣味や活動は、あなたの信頼や専門性を損なう恐れがあります。

代わりに、健康的社会的な趣味や活動を通じて、自身のポジティブな特性や価値観を強調することを意識しましょう。

自己PRに使える趣味が見つからない場合の対処法

自分の休日を振り返る

空き時間に取り組んでいることであれば、十分に趣味として扱うことができます。そのため、休日にしていることを振り返り、自分は何に時間を使っているのかを確認してみましょう。

また、することが当たり前になっていることは趣味として認識しにくく、意識から外れている可能性があります。客観的に時間の使い方を振り返ってみることで、そういった隠れた趣味を再発見できることがあります。

周囲の人に聞いてみる

趣味がないと思っていても、自身の友人や知り合いには趣味を持っていると思われていることがあります。

会話でよく話題に上がることや、無意識にしていることなど、他人の目でなければ気付かない趣味がある可能性もあります。

そのため、周囲の人に「自分は何が趣味に見えるか」を尋ねることが、趣味を見つける手がかりになります。

趣味以外のテーマで書けないか再考する

自己PRは趣味以外にも多くのテーマで書くことができます。趣味について書くことを指定する企業は多くはないため、それ以外の自分の強みを探すのも一つの解決策になるでしょう。

無理に絞り出した内容は、中身が薄かったり少なかったりと、良い印象を与えにくいものになってしまいがちです。それよりも、明確に強みであると認識しているテーマを軸に自己PRを作成した方が選考では有利に働くでしょう。

趣味の自己PRを通して自分の強みを上手く伝えよう!

自分の趣味や興味を活かし、自身の強み良さを的確にアピールすることが重要です。趣味は個性を反映する重要な要素であり、その中で培ったスキルや経験は、自己PRを作成する際において、大きなアドバンテージとなります。

自己PRを通じて、自分の強みや良さを自信をもって表現し、目標への積極性や貢献意欲を的確に伝えることができます。趣味を通じて培った経験やスキルを活かし、自己成長企業への貢献に繋げることができるでしょう。

【例文あり】志望動機で「貢献したい」を伝える書き方|効果的な言い換え表現

「貢献」という言葉を志望動機に使うと、仕事への熱意や自信を伝えやすいイメージがあります。文章の締めくくりに用いる人も多いのではないでしょうか。

しかし、安易に「貴社に貢献したい」と書くのは危険です。使い方によっては具体性を欠いたり、話が大きすぎたりと、狙いどおりに意志を伝えられない恐れがあります。使い方を正しく理解した上で、想いを的確に表現できる場合にのみ使用するべきです。

ここでは「貢献」を志望動機に用いるメリットや、使用を避けるべき場面を分かりやすく説明します。言い換え表現も紹介しますので、的確な表現を探してみましょう。

効果的な構成の作り方や職種別の例文を参考に、自分の想いに当てはまる表現を用いて、採用担当者の心を動かせる志望動機を作成しましょう。

社会人に必要な2つの貢献

社会人に必要な貢献には、「社会貢献」「会社への貢献」の2つがあります。

このうち、新入社員には「会社への貢献」が求められます。会社員にとっての社会貢献は、会社に貢献することで実現するからです。両者の関係性をしっかりと理解しましょう。

どのような仕事にも必須の「社会貢献」

社会貢献はどのような仕事にも必須です。従業員一人ひとりが直接行うわけではなく、会社全体で取り組みます。

「社会貢献」という言葉からは、環境への配慮や災害時の物資・技術の提供、地域ボランティアへの参加などを想像するかもしれません。しかしより大きな視点に立てば、日々の企業活動こそが立派な社会貢献だと言えるでしょう。

会社が提供する商品やサービス、技術が社会で役立つからこそ、企業活動を継続できます。活動が途絶えれば、営利を追求できません。社会貢献は企業が生き残る大前提です。

したがって、社会貢献を行う主体は会社(法人)です。そして、会社の運営を支えるのは一人ひとりの従業員です。あなたが頑張ることで、会社は社会での役割を全うできます。環境への取り組みや公共福祉といった大きな目標を掲げなくても、仕事で日々努力することが社会貢献につながります。

給与所得者が心得ておきたい「会社への貢献」

従業員には、会社に貢献する姿勢も求められます。これは会社と従業員の関係を考えれば分かりやすいでしょう。

従業員は会社の目的達成のために、必要な力を提供します。会社はその対価として給与を払い、日々の生活を保証する義務を負います。両者は互いの需要を満たす平等な関係です。従業員が会社に貢献するのは、平等性を保つための責務です。

「貢献」という言葉には、へりくだった印象があります。しかし会社員にとっての貢献には、「会社に求められる力を提供する」以上の意味はありません。給与所得者の基本的姿勢だと認識しましょう。

新入社員に求められるのは「会社への貢献」

新入社員に求められるのは、会社への貢献です。一人ひとりが自分の役割を自覚し、必要な仕事を全うすることで、会社は社会に貢献できます。会社への貢献が、社会貢献につながるのです。

職種によっては、仕事と社会貢献を結びつけて考えづらいかもしれません。例えば事務や人事は、直接顧客のために働く職種ではありません。しかし企業活動の継続には不可欠です。事業を継続できなければ、会社は社会的役割を全うできません。

どのような職種でも社会に貢献できることを自覚し、仕事に邁進する意識が大切です。

志望動機に「貢献したい」と書いても良い?

書いて良いのは会社への貢献のみ

志望動機に書けるのは「会社への貢献」のみです。「社会への貢献」は、会社が事業の目的に据える内容です。

例えば、福祉事業に従事する場合、「障がいを持つ人が安心して暮らせる世界を実現できるよう、社会貢献したい」と書くと、志望動機としては不適切です。「障がい者が安心して暮らせる世界の実現」は、企業や業界全体のテーマだからです。

新入社員に問われるのは、「会社が掲げる目標の実現に、どのように貢献するか」です。「障がい者の身体の動きをサポートする専門家として貴社に貢献したい」「緩和ケアで貴社の事業に貢献したい」など、具体的な貢献内容を書かなければなりません。

志望動機の最後の締めにふさわしい

「貴社に貢献したい」という表現は、志望動機の最後に使うと良いでしょう。「貢献したい」と書くからには、力を発揮する具体的な内容や、成し遂げたい仕事が明確でなければなりません。書くべき内容を整理する必要があるため、論理的な構成を意識しやすくなります。

段階を踏んで論理的に記述することで、強みや熱意が伝わりやすくなります。うまく「貢献」につなげられれば、採用担当者を納得させられる文章になるでしょう。

「貢献いたします」など丁寧すぎる必要はない

「貴社に貢献したい」と書くときには、過剰に丁寧にならないよう、注意が必要です。「貢献させていただきたい」「貢献いたします」などの表記はかえって不適切です。

「貢献」には、へりくだったイメージがあります。必要以上に丁寧に書くと、打算的な印象を持たれる恐れがあります。「アピールできる強みがないから堂々とできないのでは?」と邪推されるのです。

「貢献」を用いるときは「文体は丁寧なほど良い」という考えを改めなければなりません。打算的に受け取られないか、書いた文章を確認する癖をつけましょう。

志望動機で「貴社に貢献したい」と表現するメリット

強みや自信を示しやすい

「貴社に貢献したい」と堂々と書けば、強み自信を示すことにつながります。「貢献できる根拠がある」と読み取れるからです。スキルや経験、保有する資格などへの自信を強化できるでしょう。

逆を言えば、何の強みもなく「貢献」を持ち出すべきではありません。仕事を教えてもらう立場で「会社に貢献したい」と書いても、「いったい何で貢献するつもりだろう」と疑問を持たれます。

「貢献」は、強みや自信を裏付ける語として認識しましょう。自己アピールできる内容が多い人ほど、有効に使えます。

仕事への熱意を伝えられる

仕事への熱意を伝える役割も果たします。「貴社に貢献したい」という表現からは、求められる仕事に全力を尽くす熱意が感じられます。会社で頑張る姿勢をストレートに表現できるでしょう。

志望動機の最後には、就職後の抱負決意を書くのが一般的です。しかし書き方に気をつけなければ、「うちの会社を踏み台にしてキャリアップを図るつもりでは?」「他社でも実現できる内容では?」と曲解される恐れがあります。

「貴社に貢献したい」と表せば、当該企業で頑張る以外の解釈はできません。志願者が使いやすい表現なのです。

協調性を持ち働く姿勢を示せる

「貢献したい」と伝えることで、協調性を持ち働く姿勢も示すことができます。協調性がない人は社風に馴染めず、すぐに離職する恐れがあります。協調性は企業にとって大切な要素です。

「貴社に貢献したい」という表現からは、会社の一員になる強い意志が読み取れます。協調性を持ち、会社と同じ方向を向いて頑張れると期待されるでしょう。安易に離職しにくく、内定も出しやすいのです。

社風への適合を判断される以上、記述前には企業研究が必須です。自分に合う会社だと明確に判断できれば、「貢献したい」は大きなメリットがある表現だと言えます。

「貴社に貢献したい」と志望動機に書くために準備すること

<事前準備>

①企業研究で求められる人物像を理解する

②自己分析で仕事に活かせる強みを知る

③企業のニーズと自分の強みを照らし合わせる

志望動機に「貴社に貢献したい」と書くには、貢献できる根拠がなければなりません。十分な根拠をつくるには、順を追って強調するポイントを見定める必要があります。

①②はどちらを先に行っても構いません。大切なのは③の照合です。企業が求める人物像と適合する強みを見つけなければなりません。事業推進を後押しでき、はじめて「貢献できる」と断言できます。

①企業研究で求められる人物像を理解する

「貴社に貢献したい」と書くならば、十分な企業研究を行いましょう。求められる人物像をはっきりさせるためです。

企業研究で軸に据えるのは「会社の現状」「事業計画」「社風」の3つです。

会社の現状から必須の力を理解する

まずは会社の現状を把握します。主軸の事業だけでなく、現在行っている全ての事業を確認しましょう。会社パンフレットやホームページが情報源として期待できます。

可能であれば、業績も調べると良いでしょう。ホームページ上で決算書類を閲覧できる場合があります。損益計算書を見れば、前年度の収益や利益が読み取れます。同じ規模の競合他社と比較するのも良い方法です。

事業の遂行に必要な力が、新入社員に求められる能力です。特に業績が芳しくない場合、改善に向けた高い能力を要求されるでしょう。

企業の展望から今後の事業計画を知る

今後の事業計画も大切です。これから注力する事業に適した人材を育てようと考える会社も多いからです。将来活躍できる可能性が重要視されます。

事業計画は、ホームページや業界誌のインタビュー記事などで把握できます。特に業界誌では、執行部の展望を読めるかもしれません。

情報が一切得られない場合は、業界全体の流れを把握しましょう。明確な方向性があるなら、当該企業も多かれ少なかれ影響を受けるはずです。

社風を把握する

社風も確認しましょう。仕事に適応できても、会社の雰囲気に馴染めなければ勤務を継続できません。同じ事業を手がけていても、会社によって社風は異なります。

情報源は主にホームページです。特に代表者の言葉は雰囲気を掴みやすいでしょう。会社全体で思想を共有し、それが社風を形成するケースが多いからです。

就職情報サイトや求人サイトの口コミも強力な情報源です。社員や離職者からの生の声が聞けるかもしれません。

②自己分析で志望する会社に貢献できる強みを知る

自己分析も慎重に行いましょう。自身の強みを知らなければ、会社に貢献する未来像を描けません。

仕事に直接つながる研究内容や資格があれば、それが企業にアピールできる強みです。特筆すべきことがない場合は、これまでの人生を振り返ってください。主体的に人生を歩み始めた中学生頃から現在までを顧みて、印象的だった出来事を列挙します。簡単な自分史をつくるイメージです。

どんな物事に感銘を受けたか、どのように向き合ってきたかが認識できるでしょう。特に困難への向き合い方には、価値観性格が強く現れます。自分を正確に捉えやすくなるでしょう。

人生を振り返ることで、自分の性格や得意分野、長所を見出だせます。仕事に必要なのは、スキルや資格だけではありません。「論理的な思考力」や「課題解決能力」「協調性」なども必須です。発見した固有の能力こそ、あなたが誇るべき強みです。

③企業のニーズと自身の強みを照らし合わせる

企業研究自己分析ができたら、企業のニーズとあなたの強みを照らし合わせましょう。ぴったり重なる部分があれば、当該企業の大きな戦力になれます。会社に貢献できることを堂々と伝えましょう。

完全に適合できなくても、歩み寄る努力が可能なら強みに据えて問題ありません。就職を見据え、スキル習得や資格取得、価値観の構築を行えば良いのです。日々努力を重ねていれば、必ず会社に貢献できる人材になれます。努力を積む経験は、就職後の業務でも活きるでしょう。

志望動機で「貢献」という言葉を使わない方が良い場合

具体性を欠いた内容や、目標が大きすぎる場合は、「貢献したい」と伝えることで、逆にマイナスな印象を与えてしまうかもしれません。

「貢献したい」という言い回しが適切かどうか、判断していきましょう。

内容に具体性がない

ありがちなのが、貢献する内容が具体化されないケースです。「貢献」は便利な言葉です。「貴社に貢献したい」と書けば、あらゆる内容が想定できます。

業務の即戦力になるのも、新たなアイデアで事業を立ち上げるのも全て貢献と言えます。だからこそ、捉えどころのない内容になりかねません。

企業が求めるのは具体性です。どのような力を持ち、会社のために何ができるかを明確にしなければ、内定はもらえないでしょう。曖昧な志望動機では、採用のメリットを見出だせないのです。

内容を具体化できない場合は、「貴社に貢献したい」と使わず、適切な締めを模索しましょう。

仕事で実現できる枠を超えて大げさになる

「貢献」という言葉を大げさに捉え、社会貢献まで含めた目標を掲げる人もいます。立派な志望動機に見えても、大きすぎる目標は不適切です。

大きな目標は、個人では成し遂げられません。一人ひとりの頑張りをもとに、会社全体で達成することです。新入社員に求められるのは、「会社で何ができるか」です。会社で頑張る内容を具体化できない限り、志望動機として評価されません。

目標を見直すには、掲げた大きな夢を最終目標に据えるとよいでしょう。そのためにどうキャリアを積むか考えます。キャリアパスをもとに会社で頑張る内容を考えれば、具体的な行動が明確になるでしょう。

意外と多い!志望動機で使える「貢献したい」の言い換え表現

「貴社に貢献したい」を言い換える例

  • 貴社の力になりたい
  • 貴社業務に尽力したい
  • 貴社の利益に寄与したい
  • 貴社のお役に立ちたい
  • 貴社の戦力になりたい
  • 貴社のご期待に沿いたい など

内容が具体的でも「貢献」がしっくりこない場合もあります。「貢献」のへりくだったイメージが、文脈にそぐわない場合などです。他の表現に置き換えることで、納得のいく文章を書けるでしょう。

上記のような表現を使うと、「貢献」を置き換えて同じ内容を表現できます。ただし、「お役に立ちたい」「ご期待に沿いたい」は、へりくだったイメージに変わりありません。根本的に表現を変えた方が良い場合もあります。

「貴社で頑張ります」を言い換える例

  • 〜を通して結果を残したい
  • 〜で成功を収めたい
  • 貴社の業績を上げる一助になりたい
  • 〜で功績を挙げたい
  • 〜に邁進したい
  • 〜に真摯に取り組みたい など

上記のように意欲を伝える場合は、「頑張ります」という言葉を使わず、具体的にやりたいことを結びつけて締めるのが相応しいです。

「貢献」の持つイメージを避けつつ、会社で頑張る意欲を端的に伝えることができます。「貢献」を持ち出すよりも自然な文章をつくれるので、おすすめです。あなたの気持ちをストレートに伝えられる、最適な表現を探してみましょう。

志望動機で貢献する内容を分かりやすく伝える構成

「貢献する意欲」を伝える構成
  1. 仕事での明確なビジョンを示す
  2. 夢を持つきっかけやエピソードを挙げる
  3. 当該企業に的を絞った理由を説明する
  4. 会社に貢献する意志を伝える

「貴社に貢献したい」とまとめる場合、会社に貢献できることを明確に示さなければなりません。

上記の流れを意識することで、説得力のある文章を組み立てられます。

①仕事での明確なビジョンを示す

まずは仕事での明確なビジョンを示します。あなたが成し遂げたいこと、辿り着きたい夢を端的に書きましょう。

可能であれば、企業が主たる事業に掲げる内容、今後大きく事業展開する内容を選ぶと良いでしょう。企業と同じ方向を向いていれば、「貢献」につなげやすくなります。

注意したいのは、当該企業で実現可能な内容を書くことです。競合他社で実現できても、当該企業が事業化しているとは限りません。企業研究を念入りに行いましょう。

②夢を持つきっかけやエピソードを挙げる

夢を持つきっかけエピソードを挙げます。ここで説得力のある内容を書ければ、仕事にかける熱意や、まっすぐな気持ちが伝わりやすくなります。

学問や研究、アルバイト、ボランティア活動など、内容は問いません。経験をもとに構成できれば、強い想いを示しやすいでしょう。

ただし嘘や捏造はご法度です。ESは面接にも使われることを前提に、何を聞かれても答えられるよう留意しましょう。

③当該企業に的を絞った理由を説明する

①で掲げたビジョンを達成するために、当該企業が最適であることを示します。優位性を強調すると書きやすいでしょう。そのためには事前の企業研究が必須です。

企業研究で優位性を把握しづらい場合、社風企業風土に焦点を当てましょう。ホームページで公開しているブログ記事や、X(Twitter)の呟きは、雰囲気や思想が現れやすく、社風の把握に最適です。SNSを通じてブランディングしているケースもあります。優位性を探すヒントが得られるでしょう。

④最後の締めで「貴社に貢献したい」意志を伝える

就職後の業務遂行への意志決意を具体的に示します。その際「貴社に貢献したい」と表現すると、熱意が伝わりやすくなります。

大切なのは、具体的な業務内容に言及することです。「〇〇部(部署や課)に所属し、〜の仕事に取り組みたい」「〜の業務で成功を収め、プロジェクトを成功させたい」など、会社で達成したい目標を詳細に表明してください。具体的であればあるほど、企業からの評価は高くなります。

ここでも企業研究が必須です。会社の中身を隅々まで知らなければ、具体的な目標を掲げられません。具体性のない志望動機にならないよう、注意してください。

志望動機で貢献したい気持ちを強く示した例文7選

営業職

例文

〇〇産椎茸の魅力を広めたいと思い、貴社営業部を志望しました。〇〇市で育った私にとって、椎茸は肉厚でジューシーなものが普通でした。しかし東京に出て安価で売られる椎茸を食べ、認識を改めました。椎茸は〇〇市が世界に誇る逸品です。

現在、〇〇産椎茸は首都圏でほとんど知られていません。貴社は〇〇産椎茸の生産業者でありながら、流通網を拡充する努力を続けています。日本各地での販売に向け、展示会や商談会に出席されていることを知り、私も一員になりたいと強く思うようになりました。

貴社に入社できたら、首都圏での販路開拓に努めたいです。安価な椎茸にはない魅力を訴求できるよう、先輩方から営業手法を貪欲に学びます。サークルの代表を務めた経験により、人との関係構築には自信があります。新規お取引先と良好な関係をつくり上げ、販路開拓で貴社に貢献したいです。(400字以内)

「貴社に貢献」を締めの言葉として使った例文です。貢献する内容が具体的で、やりたいことを明確に示しています。

主張の根拠に「人間関係構築への自信」を挙げており、「貢献」を持ち出しても不自然さがありません。何より、地元産椎茸への愛着が文章全体から滲み出て、就職への並々ならぬ想いを感じさせます。採用担当者も心を動かされるでしょう。

事務職(法務事務)

例文

大学で学んだ法律の知識を活かし、法務事務に携わりたいと考え貴社を志望しました。私は課外活動でNPO法人に参加し、立ち上げを補助しました。苦労したのが定款の作成です。

企業活動に対応するには広範な知識が必要だと実感しました。一方で法律の知識を実務に活かす魅力を知り、法務事務に携わりたいと思うようになりました。

不動産業界は法律に関連した書類を作る機会が多く、身につけた知識を実務で活かしやすい環境です。特に貴社は法務のスペシャリストが多数在籍し、書類作成や登記の情報をブログで分かりやすく公開しています。社員のキャリアパス形成にも力を入れており、貴社でなら法務事務で大成できると考えました。

入社後は不動産業界の商慣習を全力で学びます。その上で法務の経験を広げていきたいです。先日宅建を取得し、就職準備を着々と進めています。知識を実用的な力に変え、貴社に貢献できるよう努めます。(400字以内)

「貢献できるよう努める」という表現を使った例文です。新卒では、知識を仕事で活用する自信を持てない人も多いでしょう。「貴社に貢献する」と言い切らず、努力する姿勢を前面に出すのは賢い書き方です。

努力することを強調する場合も、目標を明確にする必要があります。「努力します」という表現も、あらゆる物事に適応できます。努力する内容がはっきりと伝わらなければ、評価に結びつかないため注意が必要です。

販売職

例文

シニアのお客様に似合う服を提案するショップ販売員になりたいと考え、貴社を志望しました。年老いた母と服を買いに行くと、服選びの難しさを実感します。身体は老いても心は若く、しっくりくる服が少ないからです。困ったときに適切なアドバイスを得られる店の必要性を強く感じ、私自身が店員になり、喜んで欲しいと考えるようになりました。

貴社はシニアブランドの老舗で、50代から80代まで幅広い年齢層をターゲットにしています。色合いが明るく、シニア服のイメージを覆したのも魅力です。貴社でならシニアのお客様に本当に似合う服を提案しやすいと考えました。

入社後は服についての知識を広く身につけ、〇〇のブランドで活躍したいです。長年のアルバイトで、接客技術には自信があります。お客様にとって気軽に話せる販売員になり、売上とブランドイメージの向上に貢献したいです。(400字以内)

この文章の強さはきっかけ部分です。実体験から業界の課題を見つけ出し、自ら解決に向け歩み出す決意をしています。課題解決には幅広い年齢層に対応する当該企業が最適で、選択に迷いがありません。迷いのないまっすぐな気持ちは、採用担当者にもはっきり伝わるでしょう。強い意志を持ち仕事にあたると予測でき、会社も安心して迎えられます。

この志望動機であれば、「貢献したい」という表現に違和感はありません。顧客のために一生懸命になり、会社で活躍する未来を想像できます。「会社に貢献するに違いない」と思わせる、強い志望動機です。

技術職

例文

学校や保育施設で使う顔認証技術の開発に携わるため、貴社を志望しました。顔認証システムは多くの企業で導入され始めたものの、教育現場では十分な活用が進んでいません。安全性の観点から、教育現場でこそ導入が必須だと考えます。導入には膨大な個人情報の管理システムも同時に構築し、誰もが安心して利用できる工夫が必要です。貴社は児童の登下校見守りサービスや、塾での入退室管理システムなど、先進的な技術を多数開発しています。学校での導入に向け技術開発を続けていることを知り、私もプロジェクトに参加したいと考えました。

私は大学で顔をデジタル化する人工知能技術を研究してきました。入社が叶った暁には、貴社開発部門に所属し、研究成果を実際の技術に反映させたいです。全国の学校に貴社の技術を導入できるよう、プロジェクトの一員として貢献します。(400字以内)

技術職を目指す人が「貴社に貢献したい」と書く場合、それ相応のスキルを持っていなければ説得力がありません。スキルは経験によって培われるため、新卒では限界があります。

この文章のように大学で該当分野の研究をした人や、独自に技術を積み重ねた人なら、不自然さはありません。一直線に夢を目指す強い志が伝わるでしょう。

スキルが足りない場合は、「邁進したい」「真摯に取り組みたい」など、他の表現を選んだ方が自然に仕上がります。状況を見極め、適切な表現を心がけましょう。

介護職

例文

高齢者の介護に携わり、在宅介護の負担を少しでも減らしたいと思い貴社を志望しました。私は幼い頃から母が祖母の介護をする様子を見てきました。祖母は認知症で、体力的にも精神的にもつらい介護だったと思います。正社員で働き続けるのは難しく、アルバイトをしながら自力介護を続けていました。私も介護の資格を取得し、少しでも力になりたいと思うようになりました。

貴社は〇〇町で唯一、認知症向けのデイサービスを実施しています。認知症介護は大変だからこそ、意義のある仕事になると考えます。

介護職を目指すようになってから、認知症介護士と認知症ライフパートナー2級の資格を取得しました。入社後は学んだ知識を現場で活かせるよう、先輩方を見習い、いち早く活躍できる人材を目指します。認知症介護のエキスパートを目標に据え、貴社に貢献したいです。(400字以内)

介護は体力的にも精神的にも大変な仕事です。就職後すぐの離職を防ぐためにも、どれだけ使命感を持ち志望しているかが問われます。

この文章では、身内の介護を間近で見たことが使命感につながりました。大変な認知症介護に敢えて取り組む理由が明白で、熱意を持ち志望していると分かります。在学中から資格取得の努力を続けていることも、高評価のポイントです。

介護は「社会貢献」につなげやすい分野です。最後のまとめに持ってくるのは、あくまでも会社への貢献です。社会貢献を軸に考えないよう、注意してください。

企画開発職

例文

季節に応じた男性向けスキンケア商品を企画するため、貴社を志望しました。男性向け商品は、「しっとり」「さっぱり」など大まかな区分で市販されていることがほとんどです。肌のコンディションは気温や湿度で変化します。現在の区分だけでは適切な商品を選べません。季節ごとに細分化した商品を提案することで、ニーズを喚起できると考えます。

貴社は年齢別の男性用化粧品を市販した実績があります。特にシニア向け商品は画期的で、私の祖父も愛用しています。貴社の企画力は卓越しており、私も貴社で夢を叶えたいと思うようになりました。

私はこれまでさまざまな化粧品を試した、いわゆる「美容男子」です。日々化粧品を使う中で、さまざまなアイデアが生まれます。入社後はマーケティング技術を身につけた上で、柔軟な企画を出していきたいです。季節に応じたスキンケア商品を筆頭に、革新的な商品で貴社の躍進に貢献します。(400字以内)

やりたいことを明確に示した例文です。男性向けスキンケア商品に焦点を当てた上で、「季節ごとに細分化した商品をつくりたい」と目標を具体化しています。

業界全体の課題を見つけ出し、解決に必要な商品を提案する姿勢は、まさに企画開発職を目指す人ならではです。

ただし、この志望動機を好意的に受け取るかどうかは、企業の姿勢次第です。将来の事業計画と、志願者の夢がぴったり一致することは現実的ではありません。

「男性向けスキンケア商品の裾野を広げたい」「男性向け化粧品の拡充のために、さまざまなアイデアを募りたい」など、現状を打破する気持ちが強ければ、志願者の発想も好意的に受け取られるでしょう。そうでない場合、「見当外れの夢を語っている」と思われかねません。企業研究をしっかりと行い、事業計画や社風、企業風土を確認しましょう。

掲げた目標が受け入れられるなら、「貴社の躍進に貢献します」とまとめるのは良い判断です。事業に邁進する覚悟を感じてもらえるでしょう。

クリエイティブ職

例文

心に残るコピーで、商品の魅力が強く伝わる広告を制作するために貴社を志望しました。近年は紙媒体だけでなく、動画広告でも興味を惹くコピーライティングが求められます。そのせいか、一瞬で視聴者に訴求するキャッチーなコピーが多いように感じられます。私は商品とじっくり向き合い、長く心に残るコピーを制作したいです。

貴社が手がけた広告は、商品特性を的確に表しており、コピーが心に残り続けます。特に「各駅停車の旅」のポスターは、美しい写真と詩情豊かなコピーで大好きな作品です。貴社でなら、私の目指す作品を制作できると考えました。

大学では広告研究会に属し、さまざまな広告を研究しています。広告の多様性は理解しているつもりです。入社後は取材のノウハウをしっかりと学びながら、どんな商品でも的確に魅力を表現できるよう努力します。心に残る作品を生み出すコピーライターとして、貴社に貢献したいです。(400字以内)

クリエイターが注意したいのは、企業の方向性とのズレです。広告代理店は営利企業です。作品制作を極める姿勢で就職すると失敗します。企業の方向性を正しく見定めなければなりません。

それには当該企業の制作物を見るのが一番です。この文章のように、制作物に憧れて就職するのなら、企業とのズレは生まれないでしょう。

この文章では、企業と同じ方向を向き制作を行う姿勢を明確に示しています。広告研究会で鍛えた目が自信の根拠となり、「貢献」を持ち出す不自然さがありません。取材のノウハウを学ぶ姿勢も、高評価のポイントになるでしょう。

就活を通し「貢献」の意味を深く考えよう

「貢献」は奥深い言葉です。安易に使用すると、主張が具体化されなかったり、目標が大げさすぎたりと、かえって悪い印象を与える恐れがあります。へりくだったイメージもあり、使い方次第で卑屈に感じられることもあるでしょう。

構成をよく考え、適切に使わなければなりません。うまく使いこなせない場合は、代わりの言葉を用いた方が良い文章になるかもしれません。

今後、面接でも「貢献」を持ち出す場面があるでしょう。就職後も頻繁に使われるかもしれません。しかし言葉の深さを考えると、安易な使用はおすすめできません。

社会人の発言には責任が伴います。「貢献できる明確な根拠」を持たずに発言すると、責任を取りきれなくなります。

志望動機の作成を機に、「貢献」という言葉を一度深く考えてみましょう。あなたの就職活動、そして来るべき社会人生活の糧になるはずです。

【例文9選】自己PRで「協調性」をアピールする方法|言い換えで差別化しよう!

ESの自己PRで「協調性」を強みとしてアピールする就活生にとって、「上手くアピールできるエピソードが思いつかない」「そもそも協調性はアピールできるスキルなのだろうか」などの悩みは付き物です。

「協調性」は多くの企業が重視するスキルであるため、就職活動において非常に有効な強みです。しかし、上手くアピールするためには、企業が求める特性を理解することがポイントとなります。

本記事では、協調性をより効果的にアピールするためのポイントやコツを解説します。さらに、大学での経験別や希望職種に応じた例文も合わせて紹介しますので、参考にしてみてください。

就活の自己PRで協調性をアピールしても良い?

結論から述べると、就活の自己PRで協調性があることをアピールすることは問題ありません。社会では、これまでの学生生活よりもさらに価値観が異なる人々と出会う機会があります。

どのような業界においても、自己中心的に物事を進めていては仕事を効率的に進めることは難しいです。そのため、アピールすることでチームに貢献できる人材だと高く評価されます。

業務を円滑に進められると評価される

協調性を持つ人材は、職場でスムーズな業務遂行が期待される存在です。周囲のメンバーと良好な関係を保つことができ、意見の衝突を回避しながら必要な場面ではサポート役になれる人材であり、全体の生産性を高められると評価されます。

特に、プロジェクトが複数部門にまたがる場合や、協力して成果を出すことが求められる現場で重視されます。万が一、意見の対立が生じても柔軟に対応できるため、結果として安定したパフォーマンスを発揮できる人材だと期待されるでしょう。

コミュニケーション能力が高いと期待される

自己PRの強みとすることで、状況に応じて柔軟にコミュニケーションが取れる人と捉えてもらいやすいです。実際、協調性とは相手の状況や意図を冷静に汲み取り、臨機応変に対話できる人のことを指します。

そのため、あなたの強みが伝わることで、採用担当者に「対話力があり、柔軟に対応できる人」といった印象を与えられるでしょう。

大きな成果をもたらす人材だと思われる

協調性があることをアピールすることで、企業から「大きな成果を生み出す人材」としての期待が寄せられます。協調性がある人は、周囲の人と話し合いながらチーム全体の力を引き出し、結果的に大きな成果へと導くことができるためです。

たとえ困難なプロジェクトであったとしても、他のメンバーと密に連携し、効率的なサポートを行うことで、目標達成に向けた実行力を発揮できます。このように、組織全体の成果にできる人材は、企業から「チームにとって欠かせない存在」として大きな評価を得られます。

企業が求める「協調性がある人」とは

企業は、チームの成果を最大化するために積極的に取り組み、周囲の意見を尊重しつつ柔軟に行動できる人を求めています。企業がどのような「協調性」を求めているのかを理解することで、自己PRをどのように書くべきかが見えてきます。

周囲の意見を聞きながら力を発揮できる人

企業は周囲の意見をよく聞きながら、自分の力を発揮できる人材を求めています。多くの職場では、チーム単位で仕事を進めることが多いですが、ときには意見が合わないという事態も起こります。

そこにしっかりと周りの意見を聞く人がいれば、さまざまな考えやアイデアを融合でき、結果として、より優れた成果をもたらすことができます。自分だけでなく、全体を見渡しながら貢献できる人は、チームメンバーとして重要な存在だと評価されるでしょう。

異なる意見も取り入れて解決策を提示できる人

一般社会では、メンバーの意見がバラバラなときでも柔軟に対応し、それぞれの意見を協議して解決策を考えられる人を高く評価します。つまり、多くの企業は、ただ意見を受け入れるだけでなく、チームの意見をまとめ、全員が納得のいく方法を見つけられる人を求めているのです。

これまでの学生生活で、メンバー同士の意見がぶつかる場面で、冷静に話をまとめてトラブルを乗り越えたというような経験があれば、十分に企業が求める協調性の条件を満たしていると言えます。

チーム内での役割を把握して行動できる人

企業が評価する協調性がある人とは、自分の役割をきちんと把握したうえで行動に移せるです。例えば、状況に応じてリーダー役になったり、サポート役に回ったりできる柔軟性のある人は、企業にとって有益な存在です。

リーダーとしての強みや、サポート役としての重要性をしっかり考えつつ、チーム全体のために自主的に行動を起こせる人は、現場で大きな信頼を獲得できます。

協調性をアピールする自己PR文のポイント

キャッチコピーをつけてインパクトを与える

最初にインパクトのあるキャッチコピーをつけることで、採用担当者の印象に残りやすくなります。例えば、「仲間を繋ぐパイプ」や「成果を生む架け橋」といった具体的なキャッチコピーから書き始めましょう。

キャッチコピーをつけることで、強みがどのような場面で発揮されるものなのか、より効果的に伝わります。最初の文で印象を強めることが、選考を勝ち進めるためのポイントです。

協調性を発揮した具体的なエピソードを交える

協調性があることをアピールするためには、実際にそのスキルが発揮されたエピソードを盛り込むことが大切です。例えば、サークルやゼミといった大学の中だけでなく、アルバイト先などで周囲と協力して困難を乗り越えた経験、成果を挙げた経験なども自己PRとして有効です。

エピソードがあることで、自己PR文としてより説得力が増します。自己PR文を作成する前に、これまで協調性を発揮できたエピソードをいくつか思い出してみましょう。

企業が求める「協調性」をアピールする

「協調性がある」ということは、自己PRとして有効なスキルではありますが、企業によって求めている「協調性」の特徴が異なる場合があります。

例えば、IT企業では、プロジェクトの進行が早く、フレキシブルな対応が求められます。一方、サービス業では、顧客との接点が多いため、スタッフ間で支え合うことが大切です。

それぞれの業界で求められる協調性の特徴は、業務の内容や性質、求められる成果などに応じて異なります。自身の強みをより効果的に伝えるために、業界や企業研究が必須です。あなたの強みがその企業で活かせるものであることを、強くアピールしましょう。

「協調性」を別の言葉に言い換える

「協調性」という言葉をそのまま使うのではなく、「チームワーク力」「柔軟性」「素直」など、連想できる他の言葉に変換すると、自己PR文がより印象的になります。

また、「他者の意見を尊重しながら目標達成に貢献できる力」や「異なる考えをまとめて実行に移す力」など、具体的な行動や成果を表す言葉を使うのも効果的です。このように、言葉を工夫することで、あなたの強みがよりリアルに伝わりやすくなるでしょう。

自己PRの「協調性」を言い換えて差別化しよう!

「協調性があります」という自己PR文は、他の就活生と被ってしまう可能性があります。そのため、「協調性」を別の言葉に言い換えてアピールすることが大事なポイントです。

協調性の表現パターンを理解しておくことで、あなたの人間性や個性がよりダイレクトに伝わります。自分の経験を振り返ってみて、下記のスキルを発揮したエピソードを盛り込んでみましょう。

チームワーク力

メンバーが共通の目標に向かって進むために必要不可欠なスキルです。企業によっては、社内だけでなく外部の人たちと連携しながら、業務を進めていく場合もあります。そのため、チームワーク力が高い人材を求める企業は多いです。

大学生活の中でも、部活やサークル活動などチームワーク力が求められる場面は多々あります。チームワーク力がある人材がいると、各メンバーが自分の強みを活かせる環境が整います。

ただし、協調性があることをチームワーク力が高いと言い換えることは、よくあるパターンでもあります。そのため、具体的なエピソードを交え、オリジナリティを意識した自己PR文を作成しましょう。

ヒアリング力

意見やアイデアを効果的に交換し、相手の考えを理解するための重要なスキルです。特に、「相手が今、何を求めているのか」ということを考える力が必要な営業職やコンサルティング職などは、非常に重視されるでしょう。

また、ヒアリング力が高い人材がいると、チーム内のコミュニケーションが円滑に進みます。職場の仲間たちが積極的に意見を交わしやすくなり、よりクリエイティブな解決策を見出すことができます。

柔軟性

あらゆる変化に対応し、異なる意見や状況を受け入れられるスキルです。自身の意見やルールに固執しすぎず、その場の状況に応じて適切に判断し、行動できるスキルであるため協調性があると捉えられるでしょう。

このスキルを持つ人材を採用することで、チームは新たな挑戦や予期せぬ問題に対しても冷静に対処できます。そのため、柔軟性がある人は、新しい状況や変化に迅速に対応できると期待され、企業にとって魅力的に映ります。

場をまとめる力

職場内での議論や意見交換をスムーズに進めるために必要とされるスキルです。就職すると、会議やディスカッションに参加する場面は多くあります。

そういった場面に、場をまとめることが上手な人がいると、チームは必要なタイミングで適切な対応ができ、無駄な対立を避けられます。場の雰囲気やメンバーの状態・状況を読むことが得意な人は、場をまとめる力を積極的にアピールしていきましょう。

人間関係構築力

人間関係構築力は、信頼関係を築くための基盤となります。このスキルがあることで、メンバー同士の絆が深まり、協力しやすい環境を作ることができます。

強固な人間関係は、チームのモチベーションを高め、より良い成果を生み出す原動力となります。また、人間関係を築くことが得意ということは、入社してすぐに場に馴染むことができるでしょう。

洞察力・観察力

周囲の状況や人々の気持ちを敏感に感じ取る能力です。洞察力や観察力が高い人は、メンバーの潜在的なニーズや課題を早期に発見し、適切なサポートができます。

また、広い視点から新たな発想を生み出したり、変化に対応することも可能です。人間関係においては、本質的な意図に気づくことができるため、良好な関係を築いていけます。

これらは、ビジネスシーンにおいて重要なスキルとなるため、日頃から「周りをよく見ているね」「気が効くね」と言われる人は、洞察力や観察力の高さをアピールしていきましょう。

素直

素直さは、他者の意見やフィードバックを受け入れる姿勢を指します。新入社員として働き始めると、学生の頃とは勝手が違う場面も多く、わからないことがたくさん出てきます。そこで素直に、「ここがわからないので、教えてください」と質問できることは、非常に大切です。

素直に学ぶ姿勢は、他者からのサポートを得やすく、協力的な環境を生み出すことに繋がります。協調性をどのように言い換えればいいのかわからないという場合は、自分の素直さを見つめ直してみましょう。

協調性を効果的にアピールする自己PR文の基本構成

協調性をアピールする自己PRの構成
  1. 冒頭で「強み」を端的に伝える

  2. 強みの根拠となるエピソードを加える

  3. そこから得た成果や学びを書く

  4. 入社後にどのように強みを活かすのを伝える

強みを端的に伝える

まず、あなたの強みである「協調性」をシンプルかつ端的に伝えましょう。自己PRを作成する際は、冒頭に強みを書くことがポイントです。

そうすることで、あなたがどのようなスキルや特性を持っているのかを明確にアピールできます。文章の途中に一番伝えたいことが入っていると、読みづらい内容になってしまうため、文章の流れを意識して作成しましょう。

根拠となるエピソードを加える

次に、協調性を発揮した具体的なエピソードを書きましょう。例えば、ゼミの活動で意見が対立した際に、仲介役となり、全員の意見を尊重して解決策に導いた経験などがあれば、その流れをよく説明すると良いです。

具体的なエピソードがあることで、協調性があるということが、単なる自己評価でないことを証明できます。

成果や学んだことを伝える

エピソードに続いて、その経験から得られた成果や学びを伝えます。チーム全体で目標を達成したり、プロジェクトがスムーズに進んだりした結果を挙げると効果的です。

協調性を発揮した結果、自分がどのように成長できたのかを含めて説明することで、より魅力的な自己PR文になります。

入社後に強みをどう活かすのかを伝える

最後に、入社後に協調性をどのように活かしていくのかをアピールしていきましょう。コツとしては、企業側に採用するメリットを強く感じさせることが大切です。

企業は、「この人はどのような活躍ができるだろうか」と考えています。企業に入ってからの協調性の活かし方を書き出してみましょう。

【経験別】協調性をアピールする自己PR例文

①アルバイト

例文

私の強みは、みんなの力を集めて目標達成に導く、チームワーク力の高さです。私は大学時代に飲食店でアルバイトをしていました。しかし、働き始めた頃は、忙しい時間帯にスタッフが少なく、業務が滞りがちでした。
その際、私は積極的に周囲に声をかけ、効率的に業務を分担することを提案しました。具体的には、厨房とホールの連携を強化するために、注文の流れを整理し、スタッフ間での情報共有を徹底しました。
その結果、業務がスムーズに進み、顧客満足度向上も達成できました。この経験から、仲間と協力し合うことの大切さを学びました。私は、チームワーク力を活かしてどのような環境でも円滑なコミュニケーションを図り、成果を上げる自信があります。貴社でも、チームの一員として励み、さらなる成果達成へと貢献していきたいと考えています。(350字以内)

大学時代にアルバイトをしていた人も多いでしょう。アルバイトでは協調性を発揮できる場面が多々あります。

そのため、「チームワーク力の高さ」というように、別の言い方に変えることで差別化ができます。具体的にスキルを発揮した場面を簡潔に伝え、独自性のある自己PR文にすることがポイントです。

②部活

例文

私は、他者を説得して連携を図る力を持っています。大学時代、サッカー部に所属し、チームの一員として多様なメンバーと共に目標を追い求めました。特に、全国大会を目指す際、練習時間が限られている中で、メンバー間の役割分担を明確にすることが重要でした。
そこで私は、各自の得意なポジションやプレースタイルを把握し、個々の強みを活かした練習メニューを提案しました。この取り組みにより、メンバーのモチベーションが向上し、チーム全体のパフォーマンスも飛躍的に向上しました。実際、私たちは大会で好成績を収め、チームの結束力が一層強まりました。
この経験を通じて、他者とのコミュニケーションを大切にし、意見を尊重し合うことで、より良い結果を生み出せることを実感しました。貴社においても、連携力を活かしてどのような環境でも、目標達成に向けて尽力していきます。(400字以内)

この例文では、協調性を連携力と言い換えて伝えています。部活動のチームで効果的に協力して物事を進めていった経験は、社会に出たときにも役立ちます。経験を通じて何を学んだのか、今後の活かし方とあわせてしっかりと述べることが大切です。

③ゼミ

例文

私の強みは、柔軟性があることです。大学のゼミでの研究プロジェクトを通じて、このスキルを発揮しました。私たちのゼミは、さまざまな専門分野の学生が集まっており、各自の意見やアプローチが異なるため、時には意見が対立することもありました。
その際、私は柔軟に対応することを心掛けました。具体的には、メンバーの意見を尊重しながら、問題解決のために新しい視点を提案し、他のメンバーと協力してアイデアを融合させました。また、研究の進行中に新しい情報やデータが入った場合にも、計画を見直し、即座に対応することで最良の結果を追求しました。
このように、柔軟な思考を持つことで、私たちは最終的に質の高い発表を行うことができ、ゼミ内で高い評価を得ました。この経験を通じて、変化に適応しながらも前向きに取り組む姿勢の重要性を学びました。貴社でも、柔軟性を活かして変化に対応し、チームに欠かせないメンバーになりたいと考えています。(400字以内)

固定概念にとらわれず、適切に判断できるスキルであるため、柔軟性があることも協調性があるという特性に繋がります。

ゼミでは様々な人が集まるため、柔軟な対応を求められることもあります。小さなエピソードでもいいので、柔軟性を発揮して結果を出せた出来事を書き出してみましょう。

④ボランティア

例文

私は、物事の状況や変化を敏感に感じ取ることが得意です。大学時代、地域の清掃活動や福祉施設でのボランティアに参加する中で、この力を発揮しました。特に、清掃活動では多様な年齢層のボランティアが集まり、それぞれの意見やニーズが異なるため、スムーズに進行しない場面が多々ありました。
そこで私は、まず参加者の意見や感情を敏感に察知することに努めました。具体的には、作業を始める前にメンバーと話し合い、各自の得意な作業や希望を聞くことで、皆が快適に参加できる環境を整えました。このアプローチにより、メンバー同士のコミュニケーションが活発になり、協力して作業を進めることができました。
この経験を通じて、周囲の状況やメンバーの気持ちを理解し、適切に対応することの重要性を学びました。貴社でも、この洞察力を活かして顧客のニーズに正確に応えていきたいと考えています。(400字以内)

ボランティア活動は、あらゆる人と関わりながら、普段とは違った経験ができます。協調性がないと経験できない活動の一つであるため、エピソードとして書きやすいことも特徴です。

他の就活生とできるだけ差をつけるために、その経験を活かして入社後にどのように貢献したいのかを具体的に表現しましょう。

⑤サークル

例文

私の強みは、場をまとめる力があることです。大学のサークル活動では、イベント企画を担当し、メンバーとの連携を深めることで成功に導きました。特に、昨年の文化祭では地域企業とのコラボレーションを初めて実現しました。
このプロジェクトを進めるにあたって、メンバー全員の意見を尊重するために、定期的にミーティングを開催しました。役割分担を明確にし、お互いの得意分野を活かすことでスムーズな進行が可能になりました。意見が対立した際には、冷静に話し合いの場を設け、全員が納得できる解決策を見つけることに注力しました。その結果、文化祭は大成功を収め、多くの来場者に楽しんでもらえました。この経験を通じて、周囲の意見を尊重しながら組織を束ねていく難しさと重要性を学びました。今後もこの力を活かし、新しい環境でも円滑なコミュニケーションを心掛け、チームの目標達成に貢献していきたいと考えています。(400字以内)

協調性があるという強みは、場をまとめることが得意と言い換えることも可能です。サークル活動で何か企画をしたことがある、リーダー的な役回りを担当したことがあるという経験は、自己PRとして書きやすいエピソードです。

読み手がイメージしやすいように、どのようにメンバーをまとめて、成果を出せたのかを簡潔に記載しましょう。

【職種別】協調性をアピールする自己PR例文

①営業

例文

さまざまな意見や価値観を受け入れ、チームの和を保つことが私の強みです。私は学生時代野球部のキャプテンをしており、部活内の問題解決に尽力しました。メンバー同士が対立した際は、お互いの意見を取り入れるために、1対1で話す機会を設けて本音を聞き出しました。話を聞くとお互いが誤解している点があったので、真実を伝える役割を担い関係修復に努めました。
メンバー内の関係が良好になると、試合でも声かけを積極的にするようになり部員同士の意図をすり合わせることができました。その結果、試合に勝つことが増え、県大会への出場を果たしました。この経験から、チームの和をよくすることで、成果にもつながることを学びました。貴社の営業でもお客様の意見を積極的に取り入れ、取引先と良好な関係を保てる社員を目指したいです。(350字以内)

営業職はお客様の意見を聞き取り、ベストな提案をしていくスキルが求められます。そのため、さまざまな意見や価値観を受け入れて、良好な関係性を築いていける人材は非常に魅力的です。入社後にどのような社員になりたいか、目標やビジョンを伝えることでより好印象な内容になります。

②事務

例文

私の強みは相手に気遣いができ、思いやりのある対応ができるところです。大学時代に同じ講義を取っている友人が右手にけがをしており、ノートを取ることが難しい時期がありました。そこで私は、自分のノートをコピーしたり、移動の際に荷物を積極的に持ってあげたりなど思いやりのある行動を心がけました。
私が手伝うことで、他の友人も手伝ってくれるようになり、けがをした友人は問題なく大学生活を送れました。友人にはとても感謝され、私自身も気持ちの良い経験をしました。営業事務は営業担当の方のサポートが主な仕事なので、私の気遣いや思いやりを持った行動が活かせると考えています。強みを活かし、コミュニケーションを積極的に取り、成果につながる仕事をしていきます。(350字以内)

事務職では、他の人のサポートをすることが求められます。そのため、相手を気遣い、思いやりのある対応ができる点は、強力なアピールポイントとなるでしょう。

また、思いやりのある人は、集団行動にも適しており、入社後も周囲と調和しながら働いていけると期待されます。あなたの優しさが伝わるようなエピソードを盛り込みましょう。

③販売・サービス

例文

私の強みはチームワークを高めるために行動できることです。私は学園祭の運営委員長を務めていました。運営委員にはたくさんのメンバーが集まったため、異なる意見が多く出て、話が進まないことがありました。
全員で同じ方向を向くにはコミュニケーションを取ることが重要だと考え、意見交換ができる時間を設けたり、1人ひとりにヒアリングを行いました。その結果、メンバー同士の意思疎通がスムーズになり、全員が納得できる形で学園祭の運営を進めることができました。
販売職でも、スタッフ同士のチームワークが重要だと考えています。貴社に採用された際は、同じ店舗のスタッフはもちろん、売り場の違うスタッフとも積極的にコミュニケーションを取り、情報を共有・交換して仕事で成果を出したいです。(350字以内)

販売職やサービス業では、スタッフ間のチームワークが重要です。積極的にコミュニケーションを取る場面が多い職種だからこそ、協調性の高さが活かせます。学生生活でチームワークの重要性を意識した出来事を交えながら、どのように貢献していきたいかを明確にアピールしましょう。

④エンジニア

例文

私は、問題解決に向けて、他者と深く関わりながら協力的に行動することが得意です。大学時代に参加したプログラミングコンテストでは、チームでの開発が求められました。メンバーそれぞれの得意分野を活かし、役割分担を行うことで、限られた時間内に高品質なプログラムを完成させることができました。この経験を通じて、チーム内での意見交換の重要性を実感しました。
エンジニアリングの現場では、さまざまなバックグラウンドを持つ人々と連携することが不可欠です。私は、他のメンバーの意見をしっかりと受け止め、柔軟に対応することで、より良い成果を生み出すことができると考えています。技術的なスキルはもちろん重要ですが、チームワークを大切にしながらプロジェクトを成功に導く姿勢を大切にし、社会に貢献していきたいと考えています。(350字以内)

エンジニアは、技術的なスキルも求められますが、協調性も重要視される職種です。新卒者がエンジニアを目指す場合は、モチベーションの高さや人間性をアピールすることが効果的になります。チームのことを考えながら行動できる人は、企業にとっても魅力的な人材ですので、協調性の高さをしっかりアピールしましょう。

⑤公務員

例文

私の強みは、柔軟なコミュニケーション能力です。大学時代に参加した地域ボランティア活動では、多様なバックグラウンドを持つ人々と共に目標を達成することの大切さを学びました。特に、地域のイベントを企画した際には、メンバーの意見を尊重し、役割分担を明確にすることで、円滑な進行を実現しました。この経験を通じて、チームとしての一体感を高めることができました。
公務員の仕事は、地域住民と密接に関わるため、他者との協力が不可欠です。私は、相手の意見に耳を傾け、共通の目標に向かって柔軟に対応する姿勢を大切にしています。市民の信頼を得るためには、柔軟なコミュニケーション能力をもって業務に取り組むことが重要です。私は、この能力を活かしながら、地域の課題に真摯に向き合い、より良い社会の実現に貢献していきたいと考えています。(400字以内)

公務員は柔軟性やコミュニケーション能力を求められる場面が多くあります。地域住民に寄り添う存在であることを理解していること、どのようなスキルが求められているかを把握することでより効果的な自己PRが作成できます。

協調性をアピールする自己PR文の注意点

「消極的な人」と捉えられるエピソードを選ばない

協調性があるという強みを伝える際に、「相手の意見をよく聞く」「周りに合わせる」と表現すると、「消極的な人なのだろうか」と思われる場合があります。自主的に動けないと捉えられると、就活においてはマイナスな評価になってしまいます。

もちろん組織で働く以上、協調性は大事なスキルの一つです。上手く強みを伝えるためには、エピソード選びがカギとなります。協調性があり、自主的にもしっかり動けるという部分を強調し、自分の強みをより効果的に伝えましょう。

「誰とでも仲良くできる」ことが協調性ではない

協調性は、誰とでも仲良くできるという単純な人当たりの良さを言い表すスキルではありません。ビジネスシーンにおいては、業務上の目標を達成するために、適切なコミュニケーションを取り、成果を生み出すための協調性が求められます。

よって、「私の強みは誰とでも仲良くできることです」という内容は、協調性の高さをアピールすることには繋がらないため、伝え方を工夫するようにしましょう。

エピソードは1つに絞る

自己PR文に書くエピソードは、1つに絞りましょう。協調性をアピールするために多くのエピソードを詰め込むと、自己PRの内容がぼやけてしまう恐れがあります。

また、企業によっては自己PR文に文字数を指定する場合もあるため、エピソードが複数あると文字数がオーバーしてしまいます。文字数を守っていない書類を提出した場合、ルールを守れていないという評価を受けてしまうため、しっかりと強みが伝わるようなエピソードを選定しましょう。

「協調性」の伝え方でより魅力的な自己PRになる

自己PRで協調性をアピールする就活生は多いため、より自分の強みが伝わるような言葉に変換することが大切です。また、説得力を高めるために、オリジナリティのあるエピソードを盛り込むようにしましょう。

伝え方次第で、よくある協調性をアピールする自己PR文から、他の就活生とは違うアプローチが可能となります。自分の経験や目指す職種に応じて、求められている協調性の高さを上手くアピールしていきましょう。

【例文あり】800字の志望動機の書き方とは?コツや注意点を徹底解説!

800字の志望動機を作成できず困っている人も多いでしょう。800字の志望動機を作成するには多大な労力がかかります。途中であきらめてしまう人もいるかもしれません。

しかし手間がかかる分だけ、自分の想いや魅力を企業にアピールできます。志望度の高さを企業に伝えるために、自己分析業界・企業研究を十分に実施することが大切です。

本記事では、例文とともに、企業が800字の志望動機で知りたいこと、800字の志望動機の構成、作成するコツや注意点を解説します。

企業が800字の志望動機で知りたいこととは?

その企業への志望度

企業は800字の志望動機を志望者に課すことで、志望度の高さを知りたいと考えています。

800字の志望動機を作成することには多大な労力がかかります。志望度が低い人は、800字の志望動機を課されただけであきらめてしまうでしょう。反対にいえば、800字の志望動機を作成するだけで、志望度の高さをアピールできます。

800字の志望動機を課しているにもかかわらず応募者が多い企業は、特に人気が高いといえるでしょう。応募する際は、志望度の高いライバルが多いことを念頭に置いて、丁寧に志望動機を作成しましょう。

応募者の強みや弱み

応募者の強み弱みといった特徴も、800字の志望動機で企業が確認したいことです。

800字の志望動機を作成する志望者だけでなく、志望動機を読む採用担当者にも多大な労力がかかります。800字の志望動機を課す企業は、手間をかけてでも志望者の強み・弱み、スキル、経験、価値観などを詳しく知りたいと考えています。

薄い内容を引き延ばすのではなく、自分のアピールポイントを多く盛り込んで、企業に自分の魅力を知ってもらいましょう。

800字の志望動機の構成

結論をはじめに述べる

志望動機に限らず、ESを作成する際には、結論をはじめに述べましょう。結論をはじめに述べることで、どのような話が続くのかが読み手に伝わりやすくなります。800字もの文字数がある場合、冒頭に要旨がないと冗長に感じられるでしょう。

特にビジネスシーンでは、結論をはじめに述べることが好まれます。入社後にも結論をはじめに述べるよう注意されるかもしれません。今のうちに意識しておきましょう。

自分がなぜその業界や会社を選んだのか、どのようなことを達成したいのかを簡潔に述べることが大切です。

その業界と企業を選んだ理由を説明する

自分がなぜその業界と企業を選んだのか説明しましょう。詳細に説明することで、志望度の高さをアピールできます。

十分に業界・企業研究をしたうえで、業界、企業、職種を選んだ理由を説明することが大切です。業界・企業研究が不十分だと、採用担当者に熱意が伝わりません。志望度が低いのではないかと採用担当者に疑われるでしょう。

業界誌、企業の公式Webサイト、募集要項、採用説明会などで情報を収集し、整理して志望動機に盛り込みましょう。

志望動機の基となるエピソードを述べる

その業界、企業、職種を選んだ理由に説得力を持たせるために、志望動機の基となるエピソードを述べることが大切です。具体的なエピソードを述べることで、志望動機の信憑性が高まります。

自分が経験したこと感じたことを可能な限り具体的に述べましょう。珍しい経験があれば周囲と差別化できますが、独自の経験でなくとも構いません。ありがちな経験でも、自分がどう感じたのか、何を学んだのかを述べることで、自分の特徴を伝えられます。

十分に自己分析をして、エピソードを洗い出してみましょう。

自分の強みをアピールする

400字では難しいかもしれませんが、800字もの多くの文字数があれば、自分の強みをアピールできます。

大学で学んだスキルや取得した資格があれば述べましょう。応募先の企業に適したスキルや資格をアピールすることが重要です。優秀な人材でも、応募先が求める人物像と合っていないと、自社には合わないと採用担当者にみなされる恐れがあります。

やはり十分に業界・企業研究をして、応募先の企業が求める人物像を把握しましょう。

入社後に成し遂げたいことを述べる

最後に、入社後に成し遂げたいことを述べます。入社後に自分がどのように活躍するのか、どのように社会に貢献するのかを述べることで、志望度の高さをアピールできます。具体的にキャリアプランを述べることで、熱心に業界・企業研究をしたことも伝わるでしょう。

可能であれば、志望する業界や企業で実際に働く人の話を聞くことをおすすめします。実際に働く人の想いや考えを知ることで、自分が実際に働く姿を想像できるかもしれません。

800字の志望動機を作成するコツ

十分に自己分析をする

800字の志望動機を作成する前に、十分に自己分析しましょう。800字もの多くの文字数がある場合、自分が経験したことや感じたことを詳しく述べる必要があります。自己分析が不十分だと、内容が濃い800字の志望動機を作成することは難しいでしょう。

自分の強み・弱み、スキル、経験、感じたことなどを少しでも多く書き出し、それぞれの内容を深掘りしましょう。大変な作業ですが、十分に自己分析をすることで就活の方針が定まります。

志望動機を箇条書きで洗い出す

志望動機を箇条書きで洗い出すことも、800字の志望動機を作成する前に実施しましょう。

1つの志望動機では、800字もの文字数を埋められないかもしれません。複数の視点での志望動機があれば、無理なく800字の志望動機を作成できるでしょう。

また、志望動機を箇条書きで洗い出しておけば、どの志望動機が最も魅力的か客観的に判断できます。わかりやすく一覧にしておけば、周囲に相談しやすいでしょう。

800字の志望動機にふさわしいかどうかは考えずに、思いつく限り志望動機を箇条書きで羅列してみましょう。

応募先の情報を整理する

800字の志望動機を書き始める前に、応募先の情報を整理することも大切です。応募先企業のどこに魅力を感じたのかを詳細に述べることで、志望する想いの強さをアピールできます。800字あれば、詳しく説明する余裕は十分にあるでしょう。

業界誌、企業の公式Webサイト、募集要項、採用説明会などで応募先の情報を十分に収集しましょう。可能であれば、志望業界・企業で実際に働く人の生の声を聞くことをおすすめします。

文字数を気にせず書き始める

自己分析や応募先の情報収集が十分にできたら、志望動機を作成し始めます。前述した構成に沿って、まずは文字数を気にせずに書き始めましょう。

800字の文字数を超えてしまった場合は、冗長な表現を少しずつ削除することで、容易に志望動機を完成させられます。文字数が800字より少なかった場合は、箇条書きで洗い出した志望動機や、整理した応募先の情報を追加しましょう。

後から追加、削除、段落変更などの編集をしやすいように、手書きではなくスマホのメモやパソコンのワープロソフトで作成することをおすすめします。

【業界別】800字の志望動機の例文

IT

例文

私は、スマートシティの実現によって人々の暮らしを快適にしたいと考え、貴社を志望しました。

私の祖父母が住む地域では、高齢化と過疎化が進んでおり、不便な暮らしを強いられている人が多くいます。路線バスが運行している時間や停まる駅が限られており、スーパーや病院に行くのも一苦労だと聞いています。

しかし近年、祖父母が住む地域で、貴社のAI技術により自動で最適な経路を判断してくれるスマートタクシーのサービスが始まりました。効率の良い乗合いを実現したため、通常のタクシーよりもお手頃な価格で利用できます。格段に外出が楽になったと祖父母が喜んでいました。

また、専用車両が家まで来てくれて、オンラインで診療してくれるモバイルクリニック事業もあり、病院に行かずとも医療を十分に受けられます。自宅のテレビリモコンを操作して商品を注文すると、当日中にドローンで配達してくれるサービスもあります。日頃の買い物も困難な高齢者にとって、非常に便利なサービスです。

この経験から、人々の暮らしを情報通信技術で快適にする仕事に就きたいと思いました。私は、各地域が抱える課題に適したスマートシティ案を積極的に提案している貴社に魅力を感じています。

私は大学で、自動車の自動運転技術の研究をしています。自車がどこを走っているかを正確に把握することは、安全な自動運転の実現のために不可欠です。しかし、ビルの谷間やトンネル内などではGPSの電波を受信できないことがあります。したがって、GPSのみに頼らず、高い精度で位置情報検知をしなければなりません。そこで私は、レーザー光を用いた「LiDAR(光による検知と測距)」技術による高精度な位置情報検知に取り組んでいます。

大学で学んだ情報通信技術の知識を活かし、エンジニアとしてスマートシティの実現に向けて精一杯取り組みます。

(763文字)

スマートシティ事業に取り組んでいるIT企業への800字の志望動機です。地元の人々が情報通信技術の恩恵を受けているエピソードを、IT業界への志望動機につなげています。志望動機の基となるエピソードが具体的に述べられているため、信憑性があります。

情報通信技術を大学で学んでいることも、応募先に適したアピールポイントです。自動車業界はもちろん、通信業界や電子機器業界でも強みとしてアピールできるでしょう。800字あれば、自分が取り組んでいることの詳細な内容を十分に説明できます。

教育

例文

私が貴社を志望した理由は、貴社が教育を通じて社会の未来を形作るという理念に深く共感し、その実現に携わりたいと考えたためです。教育は個人の成長を促すだけでなく、社会全体をより良い方向へ導く力を持つものです。その中で、貴社が提供する質の高い教育サービスと、利用者に寄り添った独自のアプローチは、多くの人々の人生にポジティブな影響を与えていると感じています。

大学時代、私は学習支援ボランティアとして、子どもたちの学びをサポートする活動に従事しました。その中で、教育の重要性を痛感するとともに、個々の生徒に適した教え方を模索する難しさとやりがいを経験しました。この経験を経て、単なる知識の伝達ではなく、生徒一人ひとりの可能性を引き出す教育の重要性を強く意識するようになりました。そして、貴社の取り組みは、こうした私の価値観と一致していると感じました。

特に、貴社が展開する新しい学習プログラムや、最新技術を活用した教育サービスに大きな魅力を感じています。これらのサービスは、生徒たちが自主的に学ぶ意欲を喚起し、多様な才能を開花させるものだと確信しております。私自身、教育の力で子どもたちの未来を切り開く一助となりたいと考えており、貴社の一員として、その実現に貢献したいと考えています。

さらに、貴社が社員一人ひとりの成長を重視し、教育のプロフェッショナルを育成する環境を提供している点にも共感しました。私もそういった環境の中で自己研鑽を積み、貴社の理念を体現する教育者として成長したいと強く感じています。

今後は貴社の一員として、教育を通じてより多くの人々に希望と可能性を届けるために努力し、常に成長を続けたい所存です。(703文字)

この志望動機では、学習支援ボランティアの経験をもとに志望企業との関連性を持たせ、志望理由に強い説得力を与えられています。

また、企業の取り組みについて言及することで、企業研究の成果が感じ取れる点も印象的です。ただし、今後の抱負が少し漠然としており、具体的にどのように活躍をしてくれるのかがわかりにくいところは改善点でしょう。

製造

例文

私が貴社を志望した理由は、製造業を通じて社会の基盤を支える仕事に携わりたいと考えたからです。製造業は、生活に欠かせない多くの製品を生み出し、日々の暮らしを支える重要な役割を担っています。特に、貴社が掲げる「高品質な製品を通じて社会貢献する」という理念に共感し、私もその一員として働きたいと強く感じました。

大学時代、私はエンジニアリングの基礎を学びながら、製造業の現場でインターンシップを経験しました。この経験を通じて、製品が生産される過程や、その品質管理の重要性を深く理解しました。特に、生産ラインの効率化や品質保証の取り組みがどれほど製品の品質やコストに影響を与えるかを学び、ものづくりに対する情熱が高まりました。私は、その中で得た知識と経験を活かし、貴社の製造工程をさらに効率化し、品質向上に貢献したいと考えています。

また、貴社が取り組んでいる先端技術の導入や、環境への配慮を重視した製造プロセスにも強い関心を抱いています。特に、持続可能な製品づくりを目指す姿勢は、私自身の価値観と合致しており、これからの社会において非常に重要だと感じています。私も、製造業の現場で環境負荷を低減させる取り組みを推進し、社会全体に貢献したいという強い思いを持っています。

貴社は、社員一人ひとりの成長を支援し、チームワークを大切にする企業文化が魅力的です。私もその一員として、製造技術をさらに深め、貴社の製品やサービスの品質向上に貢献できるよう努力していきたいと考えています。

製造業は、直接的に社会に影響を与える業界であり、ものづくりを通じて社会に貢献できる点に大きな魅力を感じています。私も貴社の一員として、ものづくりの力で社会に貢献できるよう、日々成長を重ねていきたいと考えています。(737文字)

この志望動機では、志望企業の理念に共感したという部分が明確に伝えられています。特に、製造業が社会に与える影響をしっかりと理解しており、自身の経験や学びをもとに活躍のイメージを具体的に述べている点が好印象です。

さらに、先端技術や環境への配慮など、企業が取り組む重要な分野にも触れており、志望理由に説得力があります。

不動産

例文

私が貴社を志望した理由は、不動産業界が提供する価値が人々の生活の質を大きく向上させることに魅力を感じているからです。人々の生活基盤である住まいやオフィスなどの不動産は、単なる物理的な空間を超えて、心地よい暮らしや仕事の環境を提供し、その人々の人生に多大な影響を与えます。中でも貴社が目指す「人々の生活をより良くする」という理念に強く共感し、その実現に貢献したいと考えました。

私は大学時代に不動産関連の研究を行い、またインターンシップで不動産業界に触れる機会を得たことで、この業界の深い魅力に気づきました。特に、物件選びから取引、管理に至るまでの一連のプロセスを通じて、いかにしてお客様に最適な空間を提供するかに多くの知恵と努力が必要であることを実感しました。この経験から、不動産が持つ可能性と影響力に魅了され、貴社のように多角的なサービスを提供し、社会に貢献する企業で働きたいという思いが強まりました。

また、貴社が取り組んでいる地域密着型の事業や、持続可能な不動産開発に対する姿勢にも強く共感しています。社会的責任を意識した事業運営は、今後ますます重要になると感じており、私もその一翼を担うことで、地域社会に貢献できると確信しています。
加えて、貴社の社員一人ひとりが専門性を高め、成長できる環境が整っていることにも魅力を感じています。私自身もそのような環境での業務を通じて、より高度な知識とスキルを身につけ、不動産業界におけるプロフェッショナルとして成長していきたいと考えています。入社後はこれまでに学んだことや経験を活かして、地域社会により貢献できるような仕事ができるよう尽力する所存です。

(696文字)

志望企業の理念や取り組みへの共感を中心に志望理由を述べている例文です。特に、学びやインターン経験を通じて得た業界の理解を具体的に示している点が効果的です。

また、企業の地域密着型の事業や持続可能な開発に関する部分にも触れ、社会貢献に対する意識を明確に表すことで、実現したい目標や志望動機の説得力を強めています。

改善点としては、もう少し企業の特色を具体的に挙げ、その強みや独自性をさらに強調することで、他の企業との違いを際立たせると良いでしょう。

商社

例文

私が貴社を志望する理由は、貴社が持つグローバルなビジネスの可能性と、さまざまな産業の発展に直接貢献できる点に魅力を感じているからです。商社は、単に物品を取引するだけでなく、世界中の企業や国々とのネットワークを駆使し、経済や社会に大きな影響を与える事業を展開しています。私はその中で、多様な業界を繋げる役割を果たし、国際的な視野を持ちながら貢献できる仕事に魅力を感じ、貴社で働くことを強く望んでいます。

大学では国際関係学を専攻し、海外との取引における商業戦略や国際的な経済動向について学びました。この学びを活かして、商社業界が行っているグローバルなビジネスに携わることで、より多くの国や企業を繋げ、互いに利益をもたらすプロジェクトを実現したいと考えています。また、インターンシップでは、貿易やロジスティクスの実務経験を積む中で、商社が行う複雑で多岐にわたる取引の重要性や、国際的なネットワークを活かした事業展開の面白さに触れることができました。この経験から、商社という業界に対する関心がさらに深まり、貴社のような大手商社でこそ、その可能性を最大限に活かすことができると確信しました。

貴社は、世界中で事業展開をしているだけでなく、製造業からエネルギー、化学、ITなど、多岐にわたる分野に携わっている点が非常に魅力的です。私は、そのような多様な業界を支え、発展させる商社の役割に深く共感しています。特に、貴社が推進している持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みは、今後の企業活動においてますます重要になっていくと考えており、私もその一環として貴社で社会的責任を果たす仕事に携わりたいと強く感じます。貴社でビジネススキルを磨き、グローバルな視点を持ちながらキャリアを築いていきたいと考えています。(746文字)

この志望動機は、グローバルな視点と多業界にわたるビジネスの幅広さをしっかりと捉えており、志望先の企業に対する理解が深いことが伝わります。

特に、国際関係学を専攻した背景やインターン経験を通じて業界に触れたことを具体的に示しており、これらが志望動機をより具体的かつ説得力のあるものにしています。

さらに、企業の具体的な特徴や強みについてさらに詳しく触れることで、他の商社との違いをより際立たせることもできるでしょう。

金融

例文

私が貴社を志望する理由は、金融業界が提供する多様なサービスを通じて、企業や個人の成長を支える重要な役割を果たしている点に深い魅力を感じているからです。金融は単にお金の流れを扱うだけでなく、社会全体の経済基盤を支え、投資を通じて新しい事業やイノベーションを生み出す力を持っています。その中でも、貴社は安定した基盤を持ちながらも革新に積極的に取り組んでいる企業であり、私もその一員として、社会的な価値を創造する業務に携わりたいと考えました。

大学時代、私は経済学を専攻し、特に金融市場や投資に関する研究に力を入れてきました。この中で、企業の資金調達方法や、個人がどのように資産形成を行っているのかといった具体的な仕組みに興味を持ち、金融が経済成長に与える影響について深く学びました。また、インターンシップを通じて、実際の金融商品や投資戦略がどのように企業の発展に寄与するのか、またリスク管理や資産運用の重要性を体験し、金融業界に対する関心がさらに強まりました。

その中でも、貴社が提供する包括的な金融サービスには非常に魅力を感じています。特に、資産運用や投資銀行業務における専門性が高く、多様な顧客層に対して的確なアドバイスを行っている点に強い関心を抱いています。貴社が持つ広範なネットワークや、グローバルな視点での業務展開に携わることで、私は自身の知識やスキルを最大限に活かし、成長していけると確信しています。さらに、貴社が強調している社会貢献活動やESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みには共感し、これらの価値観を実現するために貢献したいと思っています。私は貴社での経験を通じて、金融業界における知識と実践力をさらに高め、社会に対して積極的な貢献をしていく所存です。(734文字)

学問的な背景と実務経験をうまく組み合わせており、非常に論理的で説得力があります。大学での学びとインターンシップの経験を具体的に説明しているため、志望動機が現実的で実行可能なものであることが強調されています。また、企業の強みや取り組んでいる分野について触れており、その企業に対する理解と共感が伝わる内容です。

金融業界全体における現状や動向についても少し言及できていると、業界全体への理解が深いことを印象づけることができるでしょう。

広告

例文

私が貴社を志望する理由は、貴社の持つ影響力と創造性の両立に強く魅力を感じたためです。広告は単なる製品やサービスの宣伝にとどまらず、企業のブランドを形作り、消費者の意識や行動に大きな影響を与える力を持っています。私は、その力を活かして、社会に対してポジティブなインパクトを与えられる仕事に携わりたいと考え、広告業界を選びました。中でも、貴社は革新的なアイデアを駆使して広告キャンペーンを展開し、多くの人々に感動を与える実績を持っています。このような環境で、自身の創造性を最大限に発揮し、価値のある広告を生み出すことに挑戦したいと考えました。

私は大学ではメディア学を専攻し、広告やコミュニケーションに関する理論を学びました。特に、消費者心理やメディア戦略の研究に取り組み、広告がいかにして消費者の心を動かし、行動を促進するのかについて理解を深めました。また、インターンシップでは、実際の広告制作現場において、クライアントの要望に応じたクリエイティブな提案を行ったり、広告キャンペーンの効果を分析したりする経験を積みました。この経験から、広告業界に対する関心が一層強まり、貴社のようなクリエイティブで革新的な企業で働くことが、自分の成長にとって最良の環境であると確信しました。

貴社は、最新のデジタル技術を駆使した広告キャンペーンの立案や、消費者の心に響くメッセージを届けるクリエイティブな手法を得意としており、その点に強い魅力を感じています。特に、貴社が行うマーケティングリサーチやデータ分析を基にした広告戦略は、消費者のニーズを正確に捉え、最大限の効果を発揮することができると感じています。私もその一員として、データに基づいた効果的な広告キャンペーンの立案に携わり、ブランド価値を向上させる仕事をしたいと考えています。(757文字)

この志望動機は、自分の学びやインターンシップの経験を踏まえ、実際に広告業界での仕事にどう活かせるかを具体的に説明している点が印象的です。また、企業の強みをしっかりと理解し、それに対する自分の意欲を表現しているため、説得力があります。

特に、大学で業界と直接的な関係のある分野を学んだという経験は、非常に有利な要素になりえます。より印象的に仕上げたい場合は、その部分をもっと掘り下げて記載すると良いでしょう。

800字の志望動機を作成する際の注意点

1文を長くしすぎない

800字の志望動機を作成する際には、1文を長くしすぎないよう注意しましょう。800字もの多くの文字数があると、少しでも多くの情報を詰め込もうとして、1文が長くなりがちです。1文が長いと、採用担当者が読みにくさを感じるでしょう。志望動機の内容を十分に理解してもらわないと、あなたの魅力が採用担当者に伝わりません。

目安として、1文の長さが80字以上になることは可能な限り避けましょう。

一方で、1文を短くして「それ」や「これ」といった代名詞を多く使うと、代名詞が指す内容を読み手が誤解する恐れがあります。代名詞の指す内容がわかりにくいと感じたら、代名詞の使用を避け、名詞をそのまま書きましょう。

志望動機を書き終えたら、周囲の人に読んでもらい、読みにくさを感じないか確認してもらいましょう。

指定文字数の9割以上を埋める

志望動機を作成する際には、指定文字数の9割以上を埋めることをおすすめします。800字の場合は、720文字が9割です。9割以下だと文字数が少なく、志望度が低いのではないかと疑われるかもしれません。

800字の志望動機を作成することには労力がかかります。一方で、志望動機を800字近く述べることで、自分の志望度の高さを伝えられます。

自分の魅力をアピールできる絶好のチャンスなので、少しでも多くの内容を盛り込みましょう。

志望動機が800字に足りない時の対処法

志望動機が800字に足りないときは、応募先の企業の特徴を具体的に述べることをおすすめします。企業の特徴を詳しく述べることで、その業界や企業を志望する強い想いが伝わるでしょう。その企業にとっては当たり前の特徴でも、魅力を感じたという想いを伝えることが大切です。

また、自分の強みや想いを詳しく説明することも、志望動機が800字に足りないときに検討しましょう。企業は800字の志望動機で応募者の人柄や特徴を詳しく知りたいと考えています。自分の強みや想いの説明が不足していると、志望度が低いと思われるでしょう。

十分に自己分析を行い、自分のスキルや経験、感じたことを多く書き出しておけば、簡単に文字数を増やせるでしょう。書くことが見つからない場合は、改めて自己分析をしましょう。

志望動機が800字を超えてしまう時の対処法

書きたいことが多すぎて志望動機が800字を超えてしまう場合、まずは不要な内容が無いか確認しましょう。無くても志望動機が成り立つような文章を削ることで、大幅に文字数を減らすことができます。

また、言い切りを変えてみるのも一つの手です。志望動機に限らず、応募書類は基本的に「です・ます調」で言い切るものですが、「だ・である調」で書いても問題はありません。

「だ・である調」は力強い印象を与えるだけでなく、丁寧な言い回しを省くことができるため文字数の削減に繋がります。ただし、言い切りは志望動機の印象を大きく左右するため、自身の志望動機の内容に合うかをよく検討してから変更しましょう。

自己分析と業界・企業研究をして800字の志望動機を作成しよう

例文とともに、企業が800字の志望動機で知りたいこと、800字の志望動機の構成、作成するコツや注意点を解説してきました。

800字の志望動機を課す企業は、応募者の人柄や特徴を十分に知りたいと考えています。応募者にとっても、志望度の高さや自分の強みをアピールするチャンスです。

志望動機を書き始める前に、自己分析業界・企業研究を十分に実施しましょう。志望動機を少しでも多く書き出しておくことも大切です。十分に準備すれば、800字の志望動機を完成させられるでしょう。

ぜひ本記事を参考に、800字の志望動機を作成してみましょう。

志望動機を200字以内で書くコツは?業界別の例文8選も紹介

エントリーシート(以下、ES)に記載する志望動機は、企業により指定される文字数が異なります。意外と厄介なのが、「200字以内」「200字程度」などと短く指定された場合です。指定文字数に収まらず、四苦八苦する人も少なくないでしょう。

文字数が少ないからといって、志望動機に書くべき内容は変わりません。志望理由を整理し、熱意が伝わるよう記述しなければなりません。

この記事では、志望動機を短く記述する方法を具体的に説明します。内容の絞り方や、表現の工夫を理解できるでしょう。業界別の例文も多数記載していますので、参考にしてください。

文章を端的に書くスキルは、ESの他項目でも活かせます。就活を円滑に進められるよう、しっかりと力をつけましょう。

志望動機を「200字以内」「200字程度」と指定された場合の文字数は?

同じような指定に見えても、「200字以内」と「200字程度」では、許容される文字数が異なります。

「200字以内」の指定では、文字数オーバーは厳禁です。指定範囲に収める手間を惜しむと、「ルールを守れない人」と思われかねません。企業によっては読んでもらえない可能性もあります。

逆に文字数が少なすぎるのも不適切です。一般的には指定の8割以上が好ましいとされますが、200字の場合は9割(180字)を目指しましょう。短い文章でも、可能な限り内容を濃くするためです。

「200字程度」と指定された場合は、オーバーしても問題ありません。ただし、長すぎるのは不適切です。超過可能な量は1割程度(20字)と考えてください。180字〜220字の間に収まるよう、工夫して記載しましょう。

<文字数目安>

指定200字以内200字程度
許容文字数180字〜200字180字〜220字

短いほど書きづらい!志望動機の作成で陥る困難

入れたい情報がありすぎて長くなってしまう

志望動機は「しっかり想いを伝えよう」「もっと分かりやすく」と思うほど、文章が長くなります。あれもこれも詰め込みたくなるからです。

200字を指定された場合、詳しい説明は不可能です。書くべき内容を整理し、「志望理由」「入社への意志」を端的に伝えられるよう留意しなければなりません。

足りない部分はESの他の項目で補えます。志望動機に何もかもを詰め込む必要はありません。厳選し絞り込むイメージを持ちましょう。

箇条書きを使うとわかりづらくなってしまう

文章を短くするため、箇条書きを活用する人もいるかもしれません。要素をつなぎ合わせ、一つの文章に仕上げる方法です。この書き方は、2つの理由からおすすめしません。

1つは、想定以上に短くなりがちなことです。多くの場合、箇条書きに書くのは結論や主張です。説明が含まれないため、200字を満たすのは困難でしょう。要素を増やそうとすると、結論を羅列した状態になります。何が言いたいのか、主題を掴みづらいのです。

2つめは、論理的な文章にならないという問題もあります。通常、志望動機を書くときは構成を考えて書き始めます。箇条書きは思いついたまま挙げるため、構成が整いません。流れが悪く、ちぐはぐな印象を持たれがちです。

200字で志望動機を仕上げる書き方のコツ

200字の記述で大切なのは、あらかじめ内容を厳選することと、文章を短くするための表現の工夫です。
内容の厳選では、「これだけは絶対に伝えたい」ポイントを絞り込みます。「仕事で成し遂げたい夢」と「夢を持つきっかけ」は、長くなりがちです。冗長にならないよう留意して記述します。

また、文章を短くする上で特に意識したいのが「接続詞」「冗長表現」です。これらは無意識に使うことが多く、注意深く添削しないと気づけません。留意すれば文字数を減らせるだけでなく、読みやすい文章に仕上げられます。

仕事で成し遂げたい夢は一つに絞り短く書く

仕事で成し遂げたい夢は一つに絞り込み、できる限り短くまとめます。複数思い浮かんでも、書くのは一つだけです。

絞り込みを行うのは、主張を強くするためです。主張が複数あると、一つひとつが弱まります。最も大きな想いを熱く語った方が、採用担当者に伝わりやすいでしょう。

夢を選びきれないときには、企業の方向性から考えます。事業内容や将来の事業計画から、実現の可能性が高い夢を選びましょう。企業の方向性に沿う形となり、好印象を与えられます。

記述する際には、説明を加えすぎないよう注意します。説明的になると、200字の枠に収まりません。結論部分だけを伝えるイメージを持つとうまくいくでしょう。

夢を持つきっかけは省略、または端的に

200字の場合、夢を持つきっかけは省略しても構いません。どうしても必要な場合は、端的な記述を心がけます。

志望理由に必要なのは、「当該企業を選んだ理由」です。きっかけ部分を書く場合は、最低限に止めます。具体的には「当該企業を選んだ理由」につなげるだけで構いません。

たとえば、化学の知識を活かし化学メーカーを受験する場合、「大学で専攻する〇〇の知見を活用したい」と書けば十分です。「〇〇の知見」企業の業務内容、特に得意分野につながるなら、当該企業を選ぶ十分な志望理由になります。

説得力を持たせようと、化学に興味を持った出来事や、細かな研究内容を書くと、すぐに200字を超えてしまうので注意が必要です。

文章は「である調」で書く

基本的に志望動機を書く際はどちらかに統一されていれば、「です・ます調」・「である調」どちらでも書いても問題ありません。しかし、短い文章で志望動機を書かなければならない時は「です・ます調」ではなく、「である調」で書くことをおすすめします。

「です・ます調」で書くことで、丁寧な印象を与えたいと感じる人もいるかもしれませんが、200字という短い文章で書かなければならない時は「である調」で書くことで、余計な文字数を減らすことができます。また、「である調」は断定的な表現であるため、力強く、説得力のある文章となるでしょう。

志望動機を書く上で最も大切なのは自分をアピールすることです。200文字など字数制限がある中で志望動機を書く必要がある場合は、「です・ます調」ではなく、「である調」で書くことで内容を充実させられるようにしましょう。

結論は簡潔に述べる

志望動機など文章を書く場合に限らず、面接の場も含めて、就活では簡潔に結論を述べることが大切です。結論を簡潔に述べた上で具体的な理由付けをします。

文字数に制限がある場合、内容を充実させるためにも結論は簡潔に書くことがベストです。

結論から書くことで、読み手も何を言いたいのか一発で理解することができます。そのため、相手にとっても読みやすい文章となるでしょう。

特に、人事の人は1日に何人ものESや志望動機を読むことになります。履歴書を書く場合は結論を簡潔に伝えることで、何を伝えたいのかが明確になるように心がけましょう。

なくても良い接続詞の消去

接続詞は論理的な文章に必須と思われがちです。しかし、省いても不自然でないことも多々あります。私達は話の流れから論理展開を理解できるからです。

次の文章をご覧ください。

<接続詞がある例文>

山沿いの道に大きな木が一本倒れていた。しかし倒木は乗り越えられる高さだった。だから私達はそのまま進んだ。

 

<接続詞を省いた例文>

山沿いの道に大きな木が一本倒れていた。倒木は乗り越えられる高さだった。私達はそのまま進んだ。

接続詞を削除しても意味が通じます。話が時系列で流れており、接続詞に頼らなくても論理展開を理解できるからです。

助詞を使うことで、接続詞を省けるケースもあります。「また(接続詞)」が代表例です。「も(助詞)」の使用により削除できます。

<「また」を使った例文>

彼は人への気配りを欠かさない。また、常に控えめの姿勢を心がけている。

 

<助詞「も」を活用した例文>

彼は人への気配りを欠かさない。常に控えめの姿勢も心がけている。

接続詞で省ける文章量は微々たるものかもしれません。しかし1文字でも減らしたい場面では、効果を発揮します。

よくある冗長表現への注意

不要な言い回しで文章が読みにくくなる「冗長表現」も避けましょう。よくある冗長表現は以下のとおりです。

  • 〜に行くことができる。 →「〜に行ける。」
  • まず最初に〜 →「まず、〜(最初に〜)」
  • 今後も〜をしていきます。 →今後も〜をします。
  • 〜は明日までが期限です。 →「〜の期限は明日です。」

文章制作では、無意識に冗長表現が混ざりがちです。意識的に見直すことで、回りくどい表現がなくなり、文章量を減らせます。

長文を削っていく方法がおすすめ

おすすめしたいのは長文を削る方法です。構成を決めたら、字数を決めずに書き上げます。でき上がった文章を見直し接続詞や冗長表現を削除すると良いでしょう。

特に文章を書き慣れていない人は、最初から細かな部分に意識を向けてもうまくいきません。時間をかけるより、書くことを優先してください。添削を繰り返すうち、自分の癖が分かり、不要な接続詞や冗長表現を減らせるでしょう。

長文を削る方法は、内容を絞り込めないときにも有効です。執筆中は「今書いている部分」に集中するため、全体像を把握しづらい状態です。書き上げた後なら、全体像を見渡せます。不要な部分を冷静に判断できるのです。

志望動機で企業が確認するポイント

  • 仕事への熱意
  • 入社後のビジョン
  • 人物像
  • 社風との適合

企業が志望動機で確認するポイントは、上記のとおりです。

字数が短くても、ポイントが変わるわけではありません。詳しい説明ができないからこそ、企業が求めるものを理解し、内容を厳選する必要があります。

仕事への熱意が感じられるか

志望動機で一番に伝えるべきものは、仕事への熱意です。「この会社で仕事がしたい」という熱い想いを示します。

あなたに求められるのは、成し遂げたい夢をしっかりと持ち、夢の実現のために受験企業を選ぶ姿勢です。「他の会社でも良いのでは?」と思われると、気持ちが強い人に内定を奪われるでしょう。

200字の枠では、説明を尽くすことはできません。端的に書くには、自己分析で成し遂げたい夢を明確にします。同時に企業分析を念入りに行い、企業の強みとあなたの夢が、重なる部分を見つけ出しましょう。

あらかじめ強く主張する内容を明確にしておけば、短くまとめられます。

入社後の明確な目標があるか

志望動機の結びには、入社後の明確な目標を示します。企業が欲するのは、「何がしたいか」「どうなりたいか」がはっきりしている人です。目標があれば、入社後の行動に迷いが生まれません。仕事の成果が期待できるのです。

短く書くために、受験企業の業務内容を詳しく調べておきましょう。どのようなキャリアプランを積めるか明確にし、その中で夢を実現するビジョンを構築します。具体的な行動目標を定め、1〜2文でまとめると良いでしょう。

企業が求める人物像に適合するか

企業が求める人物像に適合するかも見られます。もっとも、これは志望動機だけで判断するわけではありません。ガクチカや長所短所、資格など、ES全体を通しての判断です。

志望動機で見られるのは、あなたが目指す方向性と、企業の事業計画に乖離がないかです。どんなに熱意があっても、企業が欲する人材とかけ離れていれば内定はもらえません。例えば動画広告を強みに事業を推進する広告代理店を受験するのに、紙媒体の夢を熱く語っても門前払いを食らうでしょう。

事業内容との乖離は、企業研究を行うことで防げます。あらかじめ受験企業の事業計画を、細部まで理解しておきましょう。

社風にあわせ仕事を進められるか

あなたの人柄が社風に合うかも判断されます。ガクチカや趣味、長所短所など、ES全体に判断材料があるうちの一要素と考えてください。

志望動機では、大まかな「人となり」を見られます。200字の文章でも、夢へ向かう姿勢や仕事の誠実さ、真面目さなどは伝わります。詳細を他の項目(ガクチカや趣味など)で確認し、「この人なら協調して仕事を進められる」と判断されれば、内定の確率がグッと上がるでしょう。

企業にとって、社風への適合は重要な要素です。不適合は離職を引き起こす原因になります。社員の早期離職を防ぐためにも、企業はあらゆる項目で適合を確認します。200字の志望動機も、判断材料の一つになると認識しましょう。

志望動機を端的に伝えるために準備すること

業界研究・企業研究で記載するポイントを絞る

志望動機を作成するには、業界研究はもちろん、受験企業を詳しく研究する必要があります。必要なポイントを的確に押さえることで、文章を短くまとめられるようになります。

業界研究からは、現状と将来像を判断します。「業界全体が現状抱える課題を、各企業がどのように解決しようとしているか」「将来はどのように事業展開するか」を知ることで、必要な人物像を見出だせるはずです。

例えばWeb制作では、WordpressなどCMSの進化により、プロとアマの垣根がなくなりつつあります。今後は、デザイン力やより高度なプログラミングで差別化を図らなければ、生き残れないでしょう。実情を知れば、「デザインへの自信と向上心」「Webプログラミングへの幅広い知識」を持ち、変化に対応できる人材が求められると判断できます。

企業研究からは、「受験企業が力を入れていること」「将来の事業計画」を読み取ります。業界研究の結果をもとに、受験企業の具体的な動きを探求すると良いでしょう。さらに、社風も研究します。スキルでニーズを満たしても、社風に合わなければ内定に至りません。

業界研究、企業研究で得られた情報をもとに、受験企業が挙げる事業計画に沿うように「仕事で成し遂げたいこと」を絞り込みます。また受験企業の優位性から「志望理由」を導き出し、ビジョンを達成する場に最適なことを示しましょう。

自己分析で強い想いを明確に打ち出す

自己分析も大切です。「本当にやりたいこと」を明確にしない限りは、入社後の具体的な行動を示せないからです。短くとも強い想いを打ち出すには、自分を深く理解する必要があります。

自己分析で重要なのは、具体化行動の策定です。漠然とした夢を具体的なビジョンに変え、実現に向けた行動を策定します。

例えば「子どもと関わる仕事がしたい」という夢なら、掘り下げて「児童指導員として障がいを持つ子どもの世話を行い、療育計画の策定にも携われるようになりたい」と具体的なビジョンに変化させます。児童発達支援管理責任者へのキャリアパスがある会社で、さまざまな個性を持つ子どもと向き合うのが、具体的な行動になるでしょう。

行動が策定できたら、入社後の強い意志を書き出しましょう。会社の中で頑張ること、目指すものが明確なため、迷いなく書けるはずです。

志望動機が200字におさまるおすすめの構成

<200字で伝える!おすすめの構成>

①仕事で成し遂げたいことを提示する

②志望理由(当該企業を選んだ理由)を明記

③入社後の意志の表明

200字の場合、長い文章量を前提にした論理構成はできません。よく言われるPREP法(結論→理由→例示→結論)で構成すると、文章量がオーバーする可能性があります。具体的なエピソード(例示部分)は無理に入れず、ビジョンや意志を優先しましょう。

①仕事で成し遂げたいこと(ビジョン)を明確に提示する

まずは仕事で成し遂げたいことを明確にします。自己分析で定めたビジョンを端的に書きましょう。具体的なほど評価は高くなるものの、説明を加えすぎると200字の枠に収まりません。できるだけ一文でまとめます。企業の目指す方向性と合致したビジョンなら、長い説明は不要です。

掲げるビジョンが当該企業で実現できることも、必ず確認してください。目標を実現できなければ、受ける意味はありません。見当外れのビジョンを打ち出すことは、企業に対して失礼にあたります。

②業界研究・企業研究をもとに志望理由を明記

①の実現に、当該企業が最適であることを示します。業界研究と企業研究の結果をもとに、内容を絞り込みましょう。

200字の指定では、事細かな説明はできません。きっかけ部分は省略するか最低限に抑え、「当該企業を選んだ理由」を中心に構成しましょう。

「業界を選んだ理由」はたいていの場合不要です。「当該企業を選んだ理由」で自然と説明できます。

記述のポイントは2つあります。一つは業界の将来像をしっかりと理解することです。業界が進む道の中で、あなたの描くビジョンを実現できることを確認します。

もう一つは当該企業の持つ優位性が、ビジョンの達成を後押しすることです。「この企業だからこそ、夢を実現できる」ことをはっきり示すことで、会社で働く強い意志につながります。

③会社の一員として活躍する強い意志を示す

最後に入社への強い意志を示しましょう。会社に入りどう行動するか、具体的に記述します。ここで書くのは、当該企業で実現可能なことに限られます。現在の事業内容や、今後の事業計画に掲げられている内容をよく確認しましょう。可能ならば、従事する業務内容まで詳しく説明すると良いでしょう。やりたいことが明確な人ほど、企業は受け入れやすいからです。

記述内容が①のビジョンに対応していることも、念のため確認してください。内容が異なると首尾一貫しません。論理が破綻しているように思われる恐れがあります。

【業界別】200文字以内で書く志望動機の例文

食品業界

例文

できるだけ添加物を使わない、子ども向けの即席麺を開発するために貴社を志望しました。添加物の少ない即席麺は、子ども向けにはまだ開発されていません。不要な食品添加物を使わず、有機原料を積極的に取り入れている貴社なら、夢を実現できると考えました。入社後は味を落とさずに食品添加物を減らすノウハウを、徹底的に学びます。子ども向け商品に技術を応用できるよう、たくさんの企画を出したいです。

「添加物を使わない、子ども向け即席麺の開発」という具体的な目標から始まり、夢の実現に当該企業が最適であることを示します。入社後に力を入れたい内容も明確で、意志をはっきり示せた好例です。

接続詞冗長表現もうまく省かれています。論の構成がしっかりしているため、接続詞に頼らなくても文章が自然とつながります。

卸売業界(商社)

例文

日本が誇る伝統食品を世界中に広め、日本の食文化を活性化させたいと考え、貴社を志望しました。日本各地には素晴らしい伝統食が根付いているものの、十分に伝わっていません。貴社は価値ある食文化の発掘から手がけ、世界中に広めた実績があります。貴社でなら、地方の知られざる食文化を紹介し、魅力を伝えられると考えました。入社した暁には、知られざる食文化の発掘を行い、文化的価値を世界中に訴求したいです。

食品を専門に扱う商社の例文です。商社の志望動機と言うと、「世界の発展に寄与したい」「経済を活性化させたい」など、掴みどころのないものも少なくありません。この文章は「伝統食を世界中に広めるために、知られざる食文化を発掘したい」とまとめており、やりたいことが明確です。現実をしっかりと見据え、目標を持ち受験したことが窺えます。

文字数の削減で着目したいのは、「日本各地には素晴らしい食文化があるが、十分に伝わっていない」根拠を説明していない点です。他の会社を受ける場合には、記述が必要になるでしょう。今回は「価値ある食文化を世界中に広めている」会社が相手のため、相手方企業も同じ想いを持っています。志願者と企業が認識を共有できる場合、細かな説明は不要です。空いた文字数を他の記述に回しましょう。

メーカー業界

例文

高度な自動運転を実現する農業用トラクターをつくるため、貴社を志望しました。私は農家で育ち、農業の人手不足を深刻に捉えています。AIの専門家として、自動運転の開発で力になりたいと考えました。貴社の自動操舵システムは、農家から高い評価を得ています。農家に寄り添う姿勢と卓越した技術を持つ貴社で、夢を叶えたいです。入社後は、AIを農機に活かす方法をしっかりと学び、トラクターの開発に全力を尽くします。

農業機器メーカーの例文です。メーカーの志望動機は、ものづくりへの情熱をしっかりと示すことが大切です。この文章のように、やりたいことが明確だと好印象を与えられます。

今回はあえて「私は農家で育ち〜」の一文を挿入しました。ものづくりへの情熱を伝える上で、きっかけ部分が大きな役割を果たすからです。

強い想いを伝えるために必要ならば、説明的な記述も入れなければなりません。その代わり、他の部分で文字数を削減します。接続詞と冗長表現を中心に、省ける部分がないか目を光らせましょう。

公務員

例文

〇〇市が誇る歴史遺産を多くの人々に伝えるため、博物館での学芸員職を希望します。市には多くの歴史遺産があるにも関わらず、商業的な魅力ばかりが着目されます。地元の歴史を研究する人間として、多くの人に歴史の魅力を訴求する必要性を感じます。特に博物館の展示物は素晴らしく、アピール次第で観光の目玉にできます。学芸員になれたら、歴史を楽しく伝える企画展やスクール、発行物などさまざまな提案をしていきたいです。

公務員の志望動機には、当該企業を選ぶ理由は不要です。その代わり、希望職種を選ぶ理由を端的に説明しなければなりません。

その際、「地元のために働きたい」という具体性のない目標に終始しないよう注意しましょう。「なぜ地元のために働くのか」「公務員として具体的に何をしたいのか」を示さなければ、説得力のある志望動機とは言えません。

この文章では、歴史を学び専門分野を持ったことが功を奏しています。「歴史の魅力を訴求する必要性」を実感し、「学芸員として歴史をアピールする」目標を立てました。挑戦したい業務内容を明確に示すことで、強い志望動機に仕上げられています。

教育業界(教員)

例文

不登校や発達障がいの子ども達の夢を支援するため、貴校を志望しました。私は高校で不登校を経験し、目標を持ち行動することの大切さ、大変さを理解しています。貴校はオンライン指導や個性に準拠したカリキュラムなど、通常の高校にはないプログラムで子ども達を支援しています。個性に寄り添い指導するなら、最適な環境だと考えました。教師になれたら、一人ひとりが自分の夢を見つけ努力できるよう、生徒に寄り添いたいです。

教職を目指す人は、教員免許を取得した時点で教育にかける情熱は共通します。具体的にどのような教育を行いたいか、どれだけ明確に打ち出せるかが勝負になるでしょう。

この文章では、フリースクールを志望する理由を強めるため、「私は高校で不登校を経験し〜」の一文を入れています。この文があることで、目標に説得力が生まれました。

短い枠ながら、真面目で真摯な人柄が垣間見え、高く評価できます。

広告業界

例文

人の心に残る紙媒体の広告をつくるために貴社を志望しました。Webへ発信媒体が移っていく中で、貴社は紙媒体を大切にしています。特に地元の魅力を表現する広告は素晴らしく、〇〇花火大会のポスターは、今も私の心に残り続けています。貴社の一員として広告をつくりたいという気持ちを、強く持つようになりました。入社後はお客様の要望を制作物に落とし込む方法をしっかりと学び、人の心に残る表現を追求していきます。

業界全体がWeb広告へ力を入れている潮流を理解した上で、当該企業にしかない魅力を的確に捉えています。特に制作物への憧れの表現は、当該企業を選ぶ理由を明確にします。熱意を伝えやすくなるでしょう。

クリエイティブ系の職種の場合、自分の表現を追求するニュアンスにならないよう、注意が必要です。広告の制作は、あくまでも顧客の要望に合わせて行われます。作り手の独創ではありません。ニュアンスのずれがないか確認しましょう。

金融業界(地銀や信用金庫)

例文

教育ローンを広め、近隣の子ども達が不自由なく進学できる環境をつくりたいと考え、貴行を志望しました。〇〇町は都市部から遠く、大学への進学には下宿が必須です。経済的な理由で進学を断念する子どもが多いことから、教育ローンを提案したいと思うようになりました。貴行はローン商品が豊富です。最適な教育ローンを多くの人へ届けられると考えます。金融商品の仲介業務に携わり、〇〇町の教育環境を改善していきたいです。

地銀や信用金庫も、「地元のために働きたい」という漠然とした志望動機になりがちです。具体的に何をしたいかはっきりさせる必要があります。企業研究を綿密に行い、アプローチするポイントを見定めましょう。銀行や信用金庫ごとに、「融資が強い」「ローン商品が豊富」などの特色があるはずです。

この文章では、教育ローンに焦点を当てています。「地元の教育環境を整えたい」というテーマを掲げることで、教育ローンを広める目標へつなげやすくなりました。目の付け所が良く、実現に向けた具体的な仕事ぶりが予測できます。企業も雇いやすいでしょう。

IT業界

例文

WordPressの独自テーマを開発し、多くのお客様へ提案したいと考え貴社を志望しました。ノーコードでのサイト制作が可能になったことで、今後はテーマ作成の需要が増えると予測します。貴社は古くから独自テーマを多数発表しており、開発に力を入れています。CMSの変化に対応しながら、技術者として力を伸ばせると考えました。入社後はニーズを正確に把握し、それに応じた力をつけ、信頼される技術者になりたいです。

IT業界でも「企業のDX化を推進したい」「ITで社会貢献をしたい」など、内容が不明瞭になりがちです。具体的に何をどうしたいか、一歩踏み込んだ記述を心がけましょう。

ここでは「Wordpressのテーマ作成」という狭い範囲に目標を定めています。業界研究から今後の流れを予測し、当該企業の強みを見つけ出した結果です。企業の方向性とやりたいことが一致しているため、迷いなく記述できます。入社後の意欲も明確に示せており、高評価を得られるでしょう。

目的を絞り込む際には、入社後の企業方針に注意してください。会社によっては、新人にさまざまな職種を体験させ、仕事の全体像を把握させることがあります。そういった会社では、「まずは仕事の全体像をしっかり把握することに努めます」などの記述を挟みましょう。他の分野も習得する意志を示すことで、希望することしかやらない人材だと誤解される恐れがなくなります。

200字でも想いが明瞭に伝わる志望動機で内定を勝ち取ろう!

200字で志望動機を書くのは大変です。企業研究自己分析を念入りに行わないと、要点を絞りきれません。その代わり、200字でまとめられたときには、就活に有利な力が身につきます。

身につく能力の筆頭は、ESの記述力です。企業研究や自己分析を熱心に行ったことで、どの項目も格段に書きやすくなるでしょう。企業のニーズと自分のアピールポイントが端的に分かり、迷いがなくなります。

面接の対応力もアップします。面接官から聞かれたことに対し、端的に答えられるようになるのです。要点を絞り込む練習により、解答するポイントも絞れるようになります。受け答えが円滑に進み、確かな手応えを感じられるでしょう。

200字にまとめる努力を続ければ、就活を有利に進められます。想いが明瞭に伝わる文章を目指し、納得いくまで文章を書き直してください。地道な作業に思えても、内定への近道になります。