ホテル業界の志望動機の書き方|業界の基礎と評価されるコツ【例文あり】

ホテル業界へ就職したいけど、「どんな風に志望動機を書けばよいかわからない」「人事担当はどんなポイントを重視するか知りたい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

ホテル業界の志望動機を書く上でポイントとなるのは、「自分だけ」具体的なエピソードを絡めた志望動機を書くことです。

本記事では、ホテル業界の志望動機を書く際のポイントや周囲と差別化するためのポイント、注意点などについて解説しています。

ホテル業界とは

ホテル業界とは、利用者へ宿泊用の客室を提供する業界の総称です。ホテル業界におけるサービスは、宿泊施設やレストラン、ホテル内のレジャー施設、結婚式場など、様々なものが挙げられます。

ホテル業界の主な収益源は、客室販売です。客室販売の方法は、自社のウェブサイトや電話予約などを通じて、顧客に直接客室を販売する「直接販売」と、旅行会社や旅行代理店、旅行予約サイトなどに客室販売を委託する「委託販売」という2種類が存在します。

その他、レストランやバーなどの飲食施設や結婚式場や宴会場、スパやフィットネスなどの施設利用もホテル業界の重要な収入源です。コロナ禍では宿泊事業が大きな打撃を受けたことを機に、様々な収益源を確保し、経営リスクを減らしたホテルが一気に増えました。

ホテル業界は、収益源の多様化新サービスの開発などが、さらに強まっていく意向です。

ホテル業界の職種

フロント

ホテルの玄関口であるフロントは、お客様との最初の接点であり、ホテルのイメージを左右する重要な役割を担っています。

フロントの主な業務内容は、予約受付、チェックイン・アウト、各種案内、会計など、多岐にわたります。お客様から忘れ物や落とし物などの問い合わせがあった際の対応などもフロントが行います。

フロントの仕事において求められるスキルは、明るく丁寧な対応ができること、迅速かつ正確な業務処理能力、臨機応変な対応力や語学力などが挙げられます。

フロントは、お客様とのファーストコンタクトに携わる仕事であるため、求められるスキルは多岐に渡りますが、もっとも重要なことは「お客様目線に立った気持ちのよい接客ができること」です。

ベルパーソン

ホテルに到着したお客様を笑顔で迎え、荷物を預かり、客室まで案内するのがベルパーソンの仕事です。

ベルパーソンの主な業務内容は、チェックイン手続き後のスムーズなご案内や、ホテル設備の説明や館内案内など、お客様の快適な滞在をサポートする重要な役割を担っています。お客様から問い合わせを受けた場合は、丁寧かつ迅速に対応するのもベルパーソンの重要な仕事です。

ベルパーソンは、ホテルの第一印象を左右する存在として、明るく親しみやすい笑顔を心がけることや、丁寧な言葉遣い、気品のある振る舞いなどが求められます。

ベルパーソンは、お客様に心温まるおもてなしを提供し、ホテル全体の印象を大きく左右する重要な役割を担っています。

ドアパーソン

ドアパーソンは、ホテルの正面玄関に立ち、出入りするお客様を管理する職種です。

ドアパーソンの主な業務内容は、車両の誘導や荷物の一時預かり、タクシーの手配、安全確認など、ホテルを代表してお客様の荷物や車の手配を進めるなど、責任の大きい仕事です。

ドアパーソンに求められるスキルは、落ち着いた立ち振る舞いや迅速かつ的確な判断力、外国人観光客にも対応できる語学力などが挙げられます。また、ホテル周辺の施設などについてお客様から相談を受けた場合、迅速に回答できる土地勘なども必要とされるでしょう。

ドアパーソンは、ホテルで利用客を最初に出迎える役割を担うため、ホテル全体のイメージに関わる重要なポジションといえます。

コンシェルジュ

コンシェルジュは、お客様のあらゆる要望に応えるホテルの案内人です。

コンシェルジュの主な業務内容は、レストランの予約や観光案内、チケットの手配など、幅広い知識と経験を活かして、お客様に満足してもらえるようなサービスの提供が求められる仕事です。

コンシェルジュに求められるスキルは、豊富な知識と情報収集能力、臨機応変な対応力、問題解決能力、語学力などと多岐にわたります。

近年のホテルは、海外からの利用客も多いため、日本の風習や言語への対処や体調の急変、ビジネス文書の作成、結婚記念日の演出など、コンシェルジュに届く相談内容は多岐にわたります。

ハウスキーピング

ホテル滞在において、清潔で快適な客室は欠かせません。その快適空間を作り上げるのが、ハウスキーピングと呼ばれる清掃スタッフです。

ハウスキーピングの仕事は、単に掃除をするだけではありません。客室の清掃、備品のチェック、品質管理に加え、お客様の要望に応じたアメニティの提供など、多岐にわたります。さらに、電球交換や水漏れ対応など、トラブル対応の窓口となることもあります。

ホテルの顔とも言える客室を美しく保ち、お客様に快適な空間を提供することは、ハウスキーピングの重要な役割です。丁寧な清掃はもちろん、お客様目線での心配りが求められます。

ホテル業界が求める人物像

観察力がある人

ホテル業界では、お客様が浮かべた表情や小さな様子に目を向け、「目の前にいるお客様はどんなサービスを求めているのか?」を見落とさず、スピーディに対応することが求められます。そのため、周囲をよく見渡せる観察力がある方は、ホテル業界で活躍できるでしょう。

なお、お客様へ目を向けるだけではなく、客室やロビーなどの各施設のチェックも怠ってはなりません。清掃状況のチェックや、設備に問題が生じていないかを把握することも重要な仕事です。

観察力があれば、お客様が抱える要望・ニーズを取りこぼすことなくキャッチアップできますし、お客様が満足できるようなサービスを提供できます。目の前にいるお客様に興味の目を向け、行動に移せる方は観察力がある人といえるでしょう。

語学力がある人

近年、グローバル化が進むホテル業界では、海外からの観光客やビジネスマンの宿泊がますます増加しています。そのため、語学力がある人材は、ホテル経営を支える重要な存在として強く求められています。

世界共通語である英語はもちろん、中国語や韓国語などの語学力を兼ね備えている人材が必要とされています。「英語は話せる」という人材は一定数いますが、複数言語に精通した人材は絶対数が少ないため、高い語学力をもっていれば、ホテル業界への就職において非常に有利といえます。

今後のホテル業界は、海外からの観光客をターゲットとしたサービスを強化する動きが加速すると言われています。そのため、語学力がある方は、ホテル業界においてなくてはならない存在として重宝されるでしょう。

チームワークが得意な人

お客様へ円滑にサービスを提供する上で、チームワークを重視して働く姿勢が求められます。ホテルの仕事は、フロントやコンシェルジュ、ハウスキーピングを始めとした複数の仕事が連携し合って回されます。自分が担当する仕事の役割を正しく理解し、責任感を持って業務に取り組むことが大切です。

自分の仕事にのみ取り組むのではなく、他部署にも目を向けて、業務が滞りなく進行しているかを気遣う姿勢も求められます。たとえば、あなたがハウスキーピングの仕事に就いており、「部屋の鍵をなくした」という相談をお客様から受けた場合、速やかにフロントへ共有しなければなりません。

他部署と円滑なリレーションを取れる方は、チームワークを意識して働ける人材として重宝されるでしょう。

ホスピタリティがある人

お客様に最高のサービスを提供するためには、ホスピタリティ精神が欠かせません。多くのお客様は、宿泊施設や食事、ホテル周辺のレジャー施設を堪能するために、ホテルへ宿泊します。お客様がよりよいひと時を過ごせるか否かは、お客様へサービスを直接提供する、ホテルスタッフのホスピタリティによって決まります。

お客様へホスピタリティを示す上で、お客様に対して常に笑顔で接し、親切丁寧に対応することは当たり前の行動です。そこにプラスして、お客様の要望や気持ちを正しく汲み取り、期待を超えるようなサービスを提供することが求められます。

お客様一人ひとりに寄り添い、心を込めたおもてなしを提供できる方は、ホスピタリティがある人材として重宝されるでしょう。

コミュニケーション能力が高い人

お客様や同僚と円滑なコミュニケーションを取る能力は、ホテル業界で働く上で必須事項です。

宿泊施設へ足を運んでくれるお客様の年齢や性別、性格や住んでいる場所などは、一人ひとり異なります。お客様ごとに相手に合わせた話し方や言葉遣いを意識しなければ、円滑なコミュニケーションを図ることはできません。

また、先輩上司、同僚や部下との関わり合いにおいても、コミュニケーション能力が必要です。前述した通り、ホテルの仕事は周りと連携し合って進めるチームワーク業ですので、職場の仲間とも意思疎通を図りながら、業務を進めていかなければなりません。

お客様や職場の仲間の話にしっかり耳を傾け、自分の考えや意見を分かりやすく伝えられる方は、コミュニケーション能力が高い人材として重宝されるでしょう。

ホテル業界の志望動機を書く構成

志望動機の結論を書く

志望動機の冒頭で、「なぜホテル業界を志望するのか」という結論を簡潔に書きましょう。

例:「私がホテル業界を志望する理由は、お客様に心からのおもてなしを提供し、特別な時間を過ごせる空間づくりに貢献したいと考えたためです。」

簡潔ではありますが、まずは冒頭で「なぜホテル業界を志望するのか」という要点を伝えておくことが重要です。先に結論を伝えれば、その後に続く文章をスムーズに書けるようになるためです。

志望動機は、最初から終わりまで全て一文となって完成されるものですので、冒頭で述べた志望動機の結論とその後の文章に矛盾がないように、しっかりとした筋道を立てて書くようにしましょう。

志望理由の裏付けとなるエピソード

次に、なぜホテル業界なのかを具体的なエピソードを交えて説明します。

例:「幼い頃から旅行が好きで、様々なホテルに宿泊した経験があります。そこで出会った温かいおもてなしに感銘を受け、私もお客様に感動を与えられるような仕事に就きたいと考えるようになりました。」

このように、ホテル業界を志望する理由を肉づけする際は、具体的なエピソードを取り入れることが重要です。取り入れやすいエピソード例は、旅行好き・語学力を磨いている・そのホテルでの宿泊経験などが挙げられます。

重要なのは、「あなただけのエピソードを具体的にアピールすること」ですので、先入観にとらわれず、自身の言葉でホテル業界を志望する理由を書き上げましょう。

そのホテル・職種を選んだ理由を書く

続いて、「なぜそのホテル・職種を選んだのか」を具体的に掘り下げていきましょう。

例:「貴社は、伝統と革新を融合させたホスピタリティで世界中から愛されています。特に、客室乗務員の細やかな心配りには定評があり、私も貴社でホスピタリティあふれる最高のおもてなしを学び、お客様に最高の思い出を提供したいと考えています。」

このように、そのホテルや職種を選んだ理由を具体的に書くためには、ホテルや職種についてしっかりと研究を重ねておく必要があります。企業ホームページや採用ホームページ、ホテル業界に関する情報サイトなどを通じて、ホテルや職種に対する理解を深めておくことが大切です。

入社後どのように貢献したいのかを書く

最後に、入社後にどのように貢献したいかをアピールしましょう。

例:「私は語学力に自信があり、海外からの旅行客も安心してホテルを利用できるよう、多言語でのコミュニケーションに積極的に取り組んでいきます。また、常に新しい知識を学び、お客様一人ひとりに寄り添ったサービスを提供できるよう努力いたします。」

志望動機の終わりでは、入社後に描く理想の働き方について書き上げましょう。最後に、志望動機全体を見通して、「記載内容に矛盾や飛躍している部分はないか」「ひとつの文章として読みやすい構成になっているか」を確認しましょう。これらのステップを参考に、自身の経験や想いを盛り込んだ、説得力のある志望動機を作成してください。

ホテル業界の志望動機の例文6選

人の笑顔を直接見れる仕事が好きだから

例文

私がホテル業界を志望する理由は、人の笑顔を直接見れる仕事に就きたいからです。
私は、人と接することが好きであり、人の笑顔を見ることにで喜びを感じます。ホテル業界は、お客様一人ひとりに寄り添い、最高のサービスを提供することで、笑顔を生み出せる仕事です。特に、フロント業務は、お客様の要望に耳を傾け、臨機応変に対応することで、感謝の言葉をいただけるお仕事だと考えています。
私は、自分の行動が誰かの役に立っていることを実感できた時に大きなやりがいを感じます。貴社は、お客様とのコミュニケーションを大切にする企業文化を掲げており、私の目標に合致すると考えています。
入社後は、お客様一人ひとりへのホスピタリティを忘れず、お客様一人ひとりに寄り添ったサービスを提供することで、笑顔あふれるホテルづくりに貢献したいです。(400字以内)

この志望動機のポイントは、「人の笑顔を見れる仕事に就きたい」という意向がフロント業務とマッチしている点です。

プラスすべき内容を言うのであれば、自分の行動が誰かの役に立っていることを実感できたエピソードを簡潔に伝えることです。

文字数の制限上、全て書くことは難しいかもしれませんが、「アルバイトを通じて誰かの役に立つことが喜びであると学びました」などのように要点だけ記載すれば、具体的なエピソードを自己PRでアピールしやすくなるでしょう。

ホテルへの宿泊時に素敵な対応をされたから

例文

私がホテル業界を志望する理由は、ホテルへの宿泊時に素敵な対応をされたからです。
私は大学1年生の頃、旅行中に貴社の青山リゾートホテルを利用したことがあります。その際、スタッフの方々による丁寧な対応と温かいおもてなしに感動しました。
フットマッサージャーや女性用のアメニティの準備を始めとした数々の心配りに、旅の疲れも忘れ、心からリラックスすることができました。この経験を通して、私も青山リゾートホテルのいちスタッフとして、お客様に最高の思い出を提供したいと考えるようになりました。
貴社は、「お客様第一主義」を掲げ、常に質の高いサービスを提供しています。そのような企業理念に共感し、私も一員として貢献したいと考えています。入社後は、常にお客様目線に立ち、細部まで気を配ったサービスを提供することで、青山リゾートホテルのさらなる発展に貢献したいです。(400字以内)

この志望動機のポイントは、ホテルを利用した中で感動したおもてなしについて、わかりやすく具体的に記載されていることです。

志望動機でホテルの利用経験をアピールする就活生は決して少なくありませんが、内容が抽象的すぎる場合、「この子は本当にホテルを利用したのか」という疑問を人事担当が浮かべる恐れがあります。

この例文のようにわかりやすくアピールされていると、志望動機の説得力が増すでしょう。

快適に過ごせるホテルづくりに貢献したいから

例文

私がホテル業界を志望する理由は、快適に過ごせるホテルづくりに貢献したいからです。
私は旅行が大好きで、様々なホテルに宿泊する経験を重ねてきました。その中で、快適な空間と行き届いたサービスは、旅の満足度を大きく左右すると感じました。私はこれまでの経験を活かし、快適に過ごせるホテルづくりに貢献したいと考えております。
貴社が運営する各リゾートホテルは、「おもてなしの心」を大切にし、お客様にとって非常に心地よい空間を提供しています。そのような企業理念に強く共感し、私も一員として貢献したいと考えております。
入社後は、お客様目線に立ったよりよいサービス提供を徹底し、お客様が快適に過ごせる空間づくりに貢献したいです。(350字以内)

この志望動機のポイントは、旅行が大好きであり、それらの経験を活かしたいというプロセスがアピールされている点です。

様々なホテルの宿泊経験を通じて、ホスピタリティあふれるホテルで働きたいという想いが生まれ、その中でこの企業への就職を決意したというバックボーンが見えるような志望動機です。

豊富な旅行経験は、ホテル業界で働くうえでも大いに役立つものですので、志望動機でも十分にアピールすることをおすすめします。

語学力を活かしたサービスマンになりたいから

例文

私がホテル業界を志望する理由は、語学力を活かしたサービスマンになりたいからです。
私は、大学で英語を専攻しており、海外旅行に行くことが趣味です。大学での勉強と海外旅行で培った語学力を活かして、外国人のお客様に質の高いサービスを提供したいと考えております。
長野トラストホテルは、国際的なホテルチェーンであり、多くの外国人のお客様が利用しています。「グローバルホテル Award 2023」では、第1位にランクインした実績も拝見しました。そのような環境で、自分の語学力を活かして、お客様と円滑なコミュニケーションを図ることで、より満足度の高いサービスを提供したいと考えています。
入社後も積極的に語学力を磨き、様々な国籍のお客様に対応できるように努力していきます。(350字以内)

この志望動機のポイントは、「語学力」というホテル業界において求められる強力な武器をアピールできている点です。

海外旅行以外にも、大学では英語を専攻している点から、語学力のレベルは確かなものであるという印象を与えられる志望動機です。

語学力の高さをアピールする際は、志望動機以外の経験・資格にて、TOEICの点数などの目に見える数値で説得性を強調することをおすすめします。

ホテルを発展させて観光業を盛り上げたいから

例文

私がホテル業界を志望する理由は、ホテルを発展させて観光業を盛り上げたいからです。
私は、生まれ故郷である気仙沼が大好きで、観光業の発展に貢献したいと考えております。ホテルは、観光客にとって大切な滞在場所であり、かつ地域の魅力を発信する役割も担っています。気仙沼グランドホテルは、地域に根差したホテルとして、観光客に愛されています。私も気仙沼へ旅行に行った際は、必ず気仙沼グランドホテルを利用しているので、サービスの良さは実感しています。
私が大好きなホテルで働くことで、地域の魅力を発信し、観光業の発展に貢献したいです。入社後は、地域の歴史や文化を学び、お客様に魅力を伝えられるよう、知識を深めていきます。(350字以内)

この志望動機のポイントは、自身が宿泊客である点をダイレクトにアピールしている点です。

また、生まれ故郷である点もアピールできているため、入社後は土地柄に詳しい知識豊かなサービスマンとしての活躍を期待できるような志望動機です。

ホテルの利用経験がアピールされた志望動機は、人事担当目線で見ても魅力的に映る内容ですので、他の就活生と差別化を図ることができる理想的な志望動機です。

ホテルの接客を通じて経験を積みたい

例文

私が貴社を志望する理由は、ホテル業務を通じて幅広い経験を積み、お客様に対するサービススキルを磨きたいと考えているからです。私はこれまで接客業に興味を持ち、人と直接関わる仕事にやりがいを感じてきました。その中で、ホテル業界は単にサービスを提供するだけでなく、お客様一人ひとりに合わせた特別な体験を創り出すことが求められる仕事だと感じています。

貴社は、幅広い業務を一貫して学べる環境が整っており、フロント業務からレストラン運営、イベント企画まで多岐にわたる経験を積むことができる点に魅力を感じました。また、「お客様の期待を超えるサービス」を理念に掲げておられる点に共感し、接客スキルだけでなく、お客様視点に立ったサービスを提供する力も養えると確信しています。

貴社の一員として現場で努力を重ね、経験を重ねながら、信頼されるサービスの提供に貢献したいと考えています。(400字以内)

自身のキャリアアップという明確な目標をもとに、ホテルならではの理由も挙げられている志望動機です。企業の業務内容に触れながら、自身の成長に繋げられるというビジョンを明確に打ち出しているため、仕事の場で努力する姿を想像してもらいやすい内容になっています。

経験を積むことを軸にする場合は、その企業をキャリアの踏み台のひとつとして捉えられないように注意しましょう。経験を積みながらも、確かな貢献を果たしたいという気持ちを伝えることが重要です。

ホテル業界の志望動機を書く上での注意点

他の企業や業界でもいい理由は書かない

ホテル業界の志望動機として「お客様の役に立ちたい」といった理由を挙げることに問題はありませんが、そういった表現しかしていないと、そのホテルや業界である必要性が感じられない志望動機になってしまいます。

他のホテルや接客業ではなく、志望先のホテルを選ぶ理由が必ずあるはずです。自己分析や企業研究を念入りに行い、そのホテルならではの志望動機が書けるようにしましょう。

サービスの感想だけで終わらない

以前に志望先のホテルを利用したことがあるというエピソードは有効ではあるものの、その経験を軸に志望動機を組み立てるのは危険です。憧れだけの理由は多くの企業では通用せず、内容が薄いように感じられる原因になります。

そのため、あくまで自身の目標や考えを軸とし、それらに影響を与えた要素のひとつとしてサービスへの感想を述べるようにしましょう。そのホテルのサービス内容について適度に触れることで、高い理解度があることを効果的に示せます。

志望部署を限定しすぎない

ホテル内にはさまざまな職種があり、携わりたいと考えている特定の職種や部署があることは自然なことです。しかし、志望動機でひとつの部署についてのみ書いていると、企業はその部署以外へ配属した場合のモチベーション低下などを懸念します。

興味を持ったきっかけとして特定の職種を挙げるのは問題ありませんが、入社後の目標や意気込みに「〇〇(部署)で活躍したい」といった記載をするのは避けましょう。

ホテル業界の志望動機は他の就活生との差別化を図ろう!

本記事では、ホテル業界の概要や志望動機の書き方、例文・ポイントなどについて解説しました。

ホテル業界は、人々の旅を支える重要な役割を担っています。お客様から「ありがとう」の言葉をもらえるような、ホスピタリティあふれる魅力的なホテルで働きたいという夢を持つ就活生も多いでしょう。

しかし、内定を獲得するためには、熱意や意欲を伝えるだけではアピールとして弱いとみなされます。なぜなら、人気ホテルであればあるほど、応募倍率が上がって他の就活生との競争が激化しますし、具体的なエピソードを交えた志望動機をもった就活生のほうが人事担当の目には魅力的に映るためです。

採用担当者に「なぜホテル業界なのか」「なぜそのホテルなのか」を明確に伝えた上で、入社後にどのように貢献できるのかをアピールしましょう。

志望動機に「社風」はあり?書く際のポイントや注意点を解説【例文付き】

志望動機として「社風」を挙げるのは珍しいことではありません。社風が合わなければ働き始めてから負担になることもあり、そのような事態は企業としても望んではいません。そのため、事前に企業研究をして社風を理解し、その上で社風を理由としているのであれば、良い印象を与える材料にもなるでしょう。

この記事では、志望動機で社風を盛り込む際のポイントや注意点を解説します。記事の後半では、実際に社風を志望動機にした例文を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

社風を志望動機に挙げてもいいのか

企業が持つ独自の文化や風土、価値観といった要素を総称して「社風」と呼びます。従業員の行動様式や意思決定の基準、コミュニケーションの方法といった社内のあり方が反映されることで、企業ごとに違った独自の社風が形成されます。

こういった社風を志望動機として挙げるのに問題はありません。企業を選ぶ際、製品やサービスの魅力はもちろん、社風は非常に重要な要素であると言えます。応募者にとって、自分が働く環境が自己の価値観キャリアプランに合致しているかどうかは、長期的に仕事で成果を上げ続けるための鍵となります。

経営理念や社員の働き方、チームワークの様子など、自分が重視する社風のポイントを志望動機に盛り込むことは、積極的な姿勢をアピールする上で有効でしょう。社風を盛り込むことは人事担当者に対し、入社後にその企業の一員として貢献したいという真摯な気持ちを伝える絶好の機会でもあります。

ただし、社風に惹かれた点だけをアピールするのは逆効果です。それ以外にも企業独自の事柄などを挙げ、多面的な志望動機にするようにしましょう。

志望動機に社風を盛り込むメリット・デメリット

メリット

他社との最別化がしやすい

志望動機に社風を取り入れることで、他社との差別化を図れます。同じ事業をしている企業でも社風は違ってきます。社風を取り入れることによって、他社と違った内容の志望動機を作成できるでしょう。

例えば「業界内でも〇〇があるところに魅力を感じている」など、多くの企業がある中でどうしてこの企業を選んだのか、といった内容をアピールすると他社と差別化を図れます。社風を挙げることで、志望度の高さをアピールできるでしょう。

企業をしっかりと理解している

志望動機に企業の社風を盛り込むことで、企業をしっかりと理解しているといった印象を残すことができます。企業の社風を分かっているということは、その企業のビジョンや価値観に共感していることを意味します。

企業を理解することで、志望動機を具体的に述べることができるでしょう。また、企業の社風に合った働き方や人間関係を求めることができるため、自分にとって理想的な環境を見つけることができます。ほかにも企業をしっかりと理解することで、自身の熱意や関心を示すことができます。

入社した後のミスマッチを防げる

入社前に企業の文化価値観を理解し、それに合致する志望動機を示すことで、自身がその企業で働くことに適性や意欲を持っていることをアピールできます。社風と自己イメージが合わない場合は、入社後のモチベーション低下やストレスの原因になる可能性があります。

ほかにも、もし入社してすぐに退職となっては、企業にとっても採用した意味がなくデメリットでしかありません。

社風を分かっていると、人事担当者は適切な人材を採用することができ、入社後のミスマッチを減らせます。

デメリット

ビジョンが不明確

企業側は学生の働くビジョンを確認したい場合が多いです。社風を志望動機に盛り込むと、そういった学生のビジョンを把握しにくいでしょう。例えば「チームワークの良さが魅力的だと思い貴社を選んだ」だと、内容が抽象的過ぎてビジョンが分かりません。

どのような環境で働きたいのか、どのような価値を提供したいのかを明確にすることで、志望先企業との相性将来の可能性を見極めることができます。社風を取り入れる場合、具体的なビジョンを絡めながら書くと好印象のアピールに繋がるでしょう。

ほかの学生と差別化を図るのは難易度が高い

志望動機に社風を取り入れるデメリットとして、多くの学生が同じような志望動機を持っているため、ほかの学生と差別化するのが難しい場合が多いです。志望動機に社風を盛り込むなら、ほかの学生が思いつかないようなことを書くのが重要です。

例えば、企業説明会での感想や社風についての感想を取り入れるのが効果的でしょう。ほかの学生と差別化を図るためにも、まずは企業説明会などに参加して話を聞いてみるのをおすすめします。

社風を志望動機に盛り込む際のポイント

社風に対する具体的な内容を盛り込む

社風を志望動機に盛り込む場合は、具体的な内容を記載することが重要です。単純に「貴社の社風に共感した」のみでは、抽象的すぎて分かりにくいでしょう。社風をどのように分析して解釈し共感したのか、具体的に記載するのが大切です。

例えば「この会社のビジョンである世界をより良い場所にするという目標に大きく共感しました」などのように具体的に記載すると、人事担当者に分かりやすく最後まで目を通してもらいやすくなります。

社風に対しての自分の考え方を盛り込む

志望動機を書く際、社風に対しての自分の考え方を盛り込むのも大切です。社風を交えつつ自分が入社したらどのように活躍できるかを記載するといいでしょう。具体的には「コミュニケーションを大切にし、チームワークを重視する風土は私の価値観と合致しており、積極性を発揮できる」といった内容をアピールするようにしましょう。

また、自身の考え方や価値観についての自己分析をしっかり行うことが重要です。自分がどんな風に働きたいのか、どのような環境で成長したいのかを明確にしておくと、より志望動機を具体的に記述することができます。

社風によってどのように活躍できるかを記載する

活躍できる社風を見つけるには、自分とマッチした社風の理解と見極めが重要です。まずは、どのような社風が自分にとって合っているのかを明確にする必要があります。これには、自己分析が役立ちます。自分の強みや価値観を把握し、それに合う企業の社風を見つけることが重要です。

具体的には「社員を思いやる環境の中で、自分のコミュニケーション能力を発揮し、良い雰囲気作りができるよう取り組んでいきたい」といった書き方にすることで、人事担当者に伝わりやすくなるでしょう。

社風と事業内容の関連性を図る

「この会社だと自分のしたいことができる」このようにアピールするには、社風と事業内容の関連性を図ることが重要です。社風は企業のミッションやビジョン、従業員の考え方や行動指針に大きな影響を与えます。

具体的には、社風が顧客に対する姿勢や品質意識に関わり、事業内容の品質サービス水準に反映されることがあります。例えば「従業員が協力し合い、チームワークを重視する社風」を持つ企業は、製品の開発やサービスの提供においても、効率的で高品質な成果を生み出すことができるでしょう。また社風は企業のブランドイメージとも関係し、顧客の信頼にも影響を与えます。

社風は、企業の目指す方向性や事業内容から作られている場合が多いです。それらの社風は、必ず事業内容と何かしら関係があります。そうした関連性に目を向けることで、充実してより密度のある志望動機が出来上がるでしょう。

企業を研究した結果を取り入れる

社風を志望動機に盛り込む場合、自分が企業について研究した結果を取り入れることも大切です。社風は設立当初から精神や理念、これまでの成果や実績と結びついていることが多いです。なぜ今の社風になったのか、自分なりに研究してアピールすることで、企業への興味の度合いが人事担当者に伝わるでしょう。

具体的には「御社は創業以来顧客を大切にする、といったことを掲げておりその結果、現在では全国に〇〇店舗までお店が増えたように思う」などと記載すると分かりやすいです。

社風を志望動機に盛り込む際の構成の作り方

  1. 一番最初に結論を伝える
  2. 結論を裏付ける理由を伝える
  3. 具体性のあるエピソードを伝える
  4. エピソードの中にある問題点を伝える
  5. 問題を解決するためにとった行動を伝える
  6. 行動した結果どうなったかを伝える
  7. 最後は経験を通してどう活躍できるのかを伝える

社風を志望動機に盛り込む場合は、結論から書いていきましょう。結論から書くことで、倫理的な思考ができる人といったイメージを持ってもらいやすいです。次に結論を裏付ける理由を書くことによって、読み手の興味を惹きつけたり、結論の説得力を高められます。

また自分の過去の経験など、具体性のあるエピソードを盛り込みましょう。ここでの注意点として、話は脱線することなく根拠に基づくことを書くのが大切です。関連したエピソードでなければ、相手の興味が薄れ、評価につながらないので注意が必要です。

エピソードの中には、経験してきた中での課題点やぶつかった壁もあるでしょう。そのような状況を改善した結果を取り入れることで、人事担当者に良い印象を与えることができます。具体的な課題点を記載し、問題解決のために自分がどのような行動をとったかを伝えましょう。具体的なプロセスを記載することで、自分自身の人柄を知ってもらえるきっかけになります。行動した結果に具体的な数字を入れて記載すれば、よりイメージしやすくなります。

そして例文の最後には、その経験をどのように活かしたいか必ず書きます。経験からの学びを社風に絡めることによって、人事担当者に入社したい意欲が伝わるので、軸を押さえ簡潔にまとめていきましょう。

志望動機に社風を盛り込んだ例文

例文1:挑戦できる環境

例文

私は貴社の「挑戦できる社風」に惹かれ、志望いたしました。学生時代、私は県が主催する「地域活性のための学生アンバサダー」に挑戦した経験があります。これは地元の農産物の魅力を全国に広めるため、学生が主体となってイベントやラジオ・テレビへの出演といったPR活動を行うものです。当時は人前に出る経験が少なく不安もありましたが、大好きな地元の役に立ちたいとの思いから思い切って応募しました。地域の方々の協力を得ながら様々なアイデアを形にしていく過程で、大きな達成感を得ることができ、挑戦することの大切さを学びました。

貴社はAIを活用した農業支援サービスという先進的な事業にいち早く挑戦しているベンチャー企業です。そのような環境で学生時代に培った挑戦力と企画力を活かし、貴社の成長と社会に貢献したいと考えております。(400字以内)

「挑戦できる社風」に惹かれたという具体的な理由を最初に説明することで話の趣旨が明確になっています。

学生時代の「地域活性のための学生アンバサダー」の経験が事業と関連している点や、アンバサダー経験を通じた自分の変化や成長にも触れられている点も評価ポイントです。

企業の成長と社会に貢献したいという意欲をアピールする文章で締められており、企業に採用してみたいと思わせる説得力が感じられる内容になっています。

例文2:風通しが良い

例文

私は貴社の社員間や上下間のコミュニケーションが活発な風通しのよさに魅力を感じ、志望いたしました。大学時代にイベントサークルに所属していた際、企画段階で意見が衝突し、プロジェクトが停滞してしまった経験があります。その際には先輩が積極的にメンバーと意見交換の場を設け、互いの意見を尊重しながら解決策を導き出してくれました。その経験から、コミュニケーションの重要性と、上下に関係なく誰もが積極的に意見を提案できる環境の大切さを学びました。

貴社は全社員参加型会議や1on1ミーティング、シャッフルランチなど、様々なコミュニケーション活性化の取り組みを実施していると伺っております。そのような環境で、大学で培った企画力を活かして自分のアイデアを積極的に提案し、チームの一員として貢献したいと考えております。(350字以内)

「風通しが良い」という表現は抽象的な印象になりがちです。しかし、この例文では「上下間のコミュニケーションが活発」と具体的に述べ、企業が実施している取り組みについても説明されているため、学生がきちんと企業研究をしていることがわかります。

また、ただ上下関係が良好というだけでなく、大学時代の自分の経験と結びつけていることで、コミュニケーションの重要性を説得力を持って伝えられているところも評価できます。

例文3:実力主義

例文

貴社の評価制度が明確で実力を重視する社風に魅力を感じて志望いたしました。貴社のインターンに参加した際、2学年しか離れていない社員の方がプロジェクトの中心メンバーとして活躍している姿を見て強い憧れを抱きました。

私は大学のサークルやゼミでもリーダーを務めた経験があり、チームの課題解決に自信があります。この経験から、社会人になっても自ら率先して動き、チームの目標達成に貢献したいと考えています。貴社には努力次第で性別や年齢に関係なく管理職に挑戦するチャンスがあり、能力のある社員はより難易度の高い仕事に挑戦できる環境があると伺いました。

貴社に入社できた際には営業職として個人の業績目標を達成することはもちろん、入社3年以内に若手リーダーを目指し、チームのマネジメントや後輩の育成にも携わっていきたいです。(350字以内)

実力主義の社風に共感する姿勢からは仕事に対する意欲の強さが感じられ、インターンに参加していることから志望度の高さも読み取れます。入社後の目標ややりたいことが明確なので、企業としても「将来活躍してくれそうだ」というイメージを描くことができそうです。

ただし、若手リーダーやマネジメントを目指すのであれば企業にリーダーとしての素質をアピールすることも必要です。リーダーを務めた事実だけでなく実績も説明できるとより説得力が増し、魅力的な志望動機となるでしょう。

例文4:顧客を優先して考える

例文

私は、貴社の「とことん顧客の悩みに寄り添う」という顧客最優先の経営理念に共感し、志望いたしました。私は大学時代、化粧品原料の研究に取り組んでいました。多くの文献を読み、様々な実験を繰り返す中で、敏感肌の方の肌悩みの深さを実感しました。そして、人々の肌の悩みに寄り添い、化粧品を通して肌質が変わる喜びを届けたいという思いを抱くようになりました。

貴社は、長年にわたる研究開発によって敏感肌の方でも安心して使える化粧品を数多く生み出してきました。この実績は、まさに「とことん顧客の悩みに寄り添う」という経営理念を体現していると感じます。

私も貴社の一員として自分の知識と経験を活かし、お客様の肌悩みに真摯に向き合い、一人ひとりに最適な化粧品を提供することで、美しさを引き出すお手伝いをしたいと考えております。(350字以内)

大学での研究内容と応募職種に関連性があり、志望動機が非常に明確です。化粧品に関する専門知識があるだけでなく、研究を通して顧客ニーズを理解しているのは他の学生と差別化を図る上で強力なアピールポイントになります。

企業の強みを具体的に挙げ、自分の知識と経験をどう活かせるかを説明できている点も好評価です。敏感肌の人の悩みの深さを実感した出来事をもう少し詳細に描写するとリアリティが増し、より説得力のある志望動機になるでしょう。

志望動機に社風を挙げる際の注意点

具体的なエピソードを書く

志望動機を作るには過去の実体験など、具体的なエピソードを盛り込むことが重要です。例えば、大学生時代に行ったアルバイトでの成功体験や、困難な場面を乗り越えた経験などが挙げられます。これにより、自分の能力や経験を証明することができ、企業に対して自信を持ってアピールできます。

また、入社後に実現したいキャリアプランを具体的に盛り込むことも大切です。具体的な目標や成長を描くことで、将来への意欲をアピールすることができます。

ネガティブな内容は避ける

人間関係のようなネガティブな内容を書いてしまうと、人事担当者に「もし入社しても、人間関係のストレスに耐えられないかもしれない」といった印象を与えてしまいます。そういったエピソードを記載してしまうと不採用となる可能性も高くなるでしょう。

人事担当者からは、良好な人間関係の構築能力や円滑なコミュニケーション能力が求められますので、ネガティブな印象を与えることは避けるべきです。

社風のみのアピールは避ける

社風のみをアピールするのは避けてください。理由として、意欲に欠けているイメージを持たれる可能性があります。理想的なのは、社風と社風以外の志望動機を盛り込むようにしましょう。

具体的には「自身の価値観や人格と企業の文化がマッチしていることが強調できる」「私自身がこの企業の社風に共感し、積極的に働きたいという意欲を持っている」といったことを記載するといいでしょう。

志望動機に社風を盛り込む場合は自分の言葉で書くのが大切!

志望動機に社風を盛り込むのは問題ありません。しかし社風のみを盛り込むのではなく、社風と社風以外の志望動機を結びつけて書くことが重要でしょう。またテンプレートのような例文ではなく、社風に対して感じたことなどを自分の言葉で記載するのが大切です。

またエピソードを記載する場合は、具体的に書くようにしましょう。そのほうが、人事担当者の興味を惹くことができます。志望動機に社風を盛り込むためには、具体的なエピソードや今後の目標などと絡め、企業が印象に残るエントリーシートにしていきましょう。

【例文あり】志望動機に「企業理念」を挙げる書き方と注意点を解説

企業理念を盛り込んだ志望動機を書く際に、「どんなポイントを押さえて書けばいいかわからない」「実際の例文がないとどうしてもイメージしにくい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

企業理念を盛り込んだ志望動機を書く上でポイントになるのは、「あなたの具体的なエピソードを絡めて、他の就活生と被らないようにすること」です。

本記事では、企業理念を盛り込んだ志望動機を書く際のポイント周囲と差別化するためのポイント注意点などについて解説しています。

他の就活生との差別化を意識して志望動機を書こう

志望動機を作成する際は、多くの就活生が企業理念への共感をアピールします。多くの方にとって取り入れやすいアピール方法であるため、自分自身を他の就活生としっかりと差別化しなければ、あなたの印象を残すことができません。

一般的に、企業理念は明確な表現ではなく、抽象的に表現されている場合が多い傾向です。抽象的な企業理念に対して、「共感しています」とアピールするだけでは説得力が弱いため、具体的な内容でアピールする必要があります。

一方、「企業理念」とは就活を始めるまで触れる機会が少ない要素であるのも事実です。「そもそも企業理念は聞きなじみがないから、どんなものなのかイメージできない」という方もいるでしょう。

次項目では、企業理念の基本概要について解説していきます。企業理念について初めて調べる方も既に理解を深めている方も、まずは目を通してみてください。

企業理念の基本概要

企業理念とは

企業理念とは、企業が大切にする価値観や考え方をあらわすものです。

下記では、企業理念を主に構成する4つの要素をそれぞれまとめました。

  • 存在意義:企業がなぜ存在するのか
  • ミッション:企業がどのような事業をおこなうのか
  • ビジョン:企業がどのような未来を目指しているのか
  • バリュー: 企業が大切にしている価値観

このように、企業理念は企業の存在理由や会社経営の目的、どんな社会貢献を目指すのかをわかりやすく示し、社内外に伝える重要な役割を担っています。

経営理念との違い

経営理念は企業理念と混同されやすいですが、概念はそれぞれ異なります。

経営理念とは、経営者としての考え方や価値観を表したものであり、主に経営層が会社を経営していく際の判断基準として用いる指針です。一方、企業理念とは社長・経営層、そして従業員を含めた組織全体で共有する価値観や考え方を表したものです。

いわば、経営理念は一般社員が触れることのない、社長・経営層のみが携わる経営判断の指針であるといえます。基本的には、志望動機を書く際に触れるのは経営理念ではなく、企業理念の方であると頭に入れておきましょう。

社是や社訓との違い

社是や社訓も、企業の理念を表す言葉ではありますが、以下のような違いがあります。

  • 社是:企業の基本的な方針や信条をあらわしたもの
  • 社訓:従業員が守るべき心得や規範をあらわしたもの

一般的に、企業理念は抽象的なかたちで表現されることが多い傾向にあります。企業理念をよりわかりやすく具体的に表現するために、社是や社訓が別途設けられます。ほとんどの場合、志望動機を書くにあたって、社是や社訓を参考にすることはないため、企業理念への共感に留めることが多い傾向です。

いわば、社是や社訓は入社した後に意識することが求められる要素であるといえます。

志望動機に企業理念を加えるメリット

価値観への共感をアピールできる

企業理念は、その企業が大切にしている価値観ビジョンを示すものです。志望動機に企業理念を盛り込めば、その企業の理念に共感し、共に歩んでいきたいという強い意志を伝えられます。

面接官は、入社後のミスマッチを防ぐために、あなたの価値観や人柄が企業理念とマッチしているかどうかを重視します。志望動機に企業理念への共感を加えれば、あなたが企業とカルチャーマッチしていることをアピールできます。

企業理念への共感は誰にでもできる

企業理念は、企業のコーポレートサイトや採用ホームページ、採用動画などで公開されているので、企業理念を知り、共感することは決して難しくありません。あなたがエントリーする企業の理念をしっかりと理解し、自分自身の価値観と照らし合わせて共感できる部分を見つければよいのです。

企業理念への共感は、必ずしも特別な経験やスキルが必要ではありません。あなたが少しでも共感できるポイントを積極的に見つけることが重要です。

他企業の志望動機に応用できる場合がある

多くの場合、企業理念には多くの企業にも共通するようなキーワードが含まれています。

たとえば、「顧客第一主義」「社会貢献の追求」などのキーワードが挙げられます。これらのキーワードは、特定の企業のみではなく、複数社の志望動機に共通して使用できる場合があります。

しかし、単にまったく同じキーワードを羅列するのみでは、テンプレートのような内容になってしまうため、人事担当にとって魅力的な志望動機ではありません。だからこそ、企業が掲げる理念をしっかりと理解し、どんな部分に共感しているのかを具体的に説明することが重要です。

企業理念を志望動機に取り入れる際の鉄則

自己分析をする

企業理念を志望動機に取り入れるにあたって、まずは自分自身の価値観や強みをしっかりと理解する必要があります。なぜなら、自己分析を通じて自分を知らなければ、あなたが「なぜその企業を志望するのか」という筋道を書けないからです。

自己分析においては、あなたが仕事において大切にしたいことや理想の働き方、どんな社会貢献をしたいのかなど、仕事におけるあなたの価値観を明らかにしましょう。

自己分析をおこなう際は、自分自身に自問自答しながら進めていくのが鉄板ですが、誰かに相談しながら進めたい場合は、大学の就活課キャリアカウンセラーの力を借りるのもひとつの手です。

徹底的に企業研究をおこなう

企業理念は、企業の根底にある思想や行動指針を表しています。企業のホームページに目を通せば、企業理念の概要はある程度理解できますが、そこに至った社長・経営層の考えや価値観などを具体的に知ることはできません。

企業理念を十分に理解するためには、企業のホームページ採用動画インタビュー記事などのあらゆる情報に目を通すことが大切です。また、近年ではSNSを運用する企業も多く存在し、経営層や人事担当が企業理念について発信しているケースもあります。

さまざまな方向から企業理念への理解を深めれば、志望動機を書く際の材料を得られるでしょう。

インターン・OB訪問・説明会に参加する

実際に企業へ足を運べば、企業の雰囲気やカルチャー、どんな従業員が働いているのかを実感できます。企業を直接見ることで、企業への理解がより深まり、最終的には入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。

企業が実施するインターンOB訪問説明会などに参加して、どのようなかたちで企業理念が従業員の行動に落とし込まれているのかを体感しましょう。より企業への理解を深めるのであれば、従業員に対して「どのようなシーンで企業理念を意識しているのか」を質問してみるのもひとつの手です。

志望動機に企業理念を加える際のポイント5選

差別化を図る

企業理念への共感は、多くの就活生が取り入れるアピール方法であるため、人事担当へ強い印象を与えることは難しい傾向です。そのような前提の下、具体的なエピソードや独自の視点をエッセンスとして加え、志望動機の差別化を図るための工夫が重要です。

下記では、他の就活生と被りにくいオリジナリティのある志望動機の一例を紹介します。

貴社が掲げる『顧客第一主義』という理念へ深く共感しました。大学時代には、アルバイトで接客業を経験し、お客様一人ひとりに寄り添ったサービスを提供することの重要性を学びました。

貴社では、お客様一人ひとりに対するサービス向上のために、顧客満足度を可視化できる独自のクラウドサービスを取り入れていることを知りました。入社後は、この経験を活かして、お客様が喜んでくださるサービスを追求し、常に相手にとって最高のサービスを提供したいと考えております。

このように、企業理念へ共感した理由と、どのように貢献できるのかを明確に説明すれば、説得力のある志望動機に仕上げることができます。

ファン目線に立たない

企業理念への共感をアピールする際は、ファン目線に立ってはいけません。なぜなら、企業理念への共感を伝える目的は、ファンアピールではなく、「あなたを採用したい」と企業に思ってもらうことであるためです。

たとえば、「貴社の製品・サービスが大好きで、いつも愛用しています。」というような内容では、入社後に貢献できることを示していないため、評価されにくい可能性があります。人事担当へ刺さる志望動機を書き上げるためには、企業理念への共感が、どのようなかたちで入社後の貢献へつながるのかをあなた自身の言葉でアピールする必要があります。

企業理念への共感を志望動機へ盛り込む際は、あくまでも「企業理念に共感し、どのように貢献できるか」という点にフォーカスを当てましょう。

具体的なエピソードを含める

企業理念への共感を表現するためには、具体的なエピソードを含めることが重要です。なぜなら、具体的なエピソードがなければ、企業理念に共感した道筋がハッキリせず、「なぜ企業理念へ共感したのか」という裏付けを用意できないためです。

例として、「〇〇という企業理念に共感しました」と書くよりも、「大学時代に〇〇という経験を通して、〇〇という企業理念の大切さを学びました」と書いた方が、企業理念へ共感した理由がわかりやすいため、人事担当へ印象を残せます。

企業理念への共感をアピールする志望動機を書く際は、あなたが経験した具体的なエピソードを交えれば、より説得力のある志望動機に仕上がるでしょう。

仕事への意欲もアピールする

志望動機を書く際は、企業理念への共感だけではなく、仕事への意欲もアピールしましょう。なぜなら、企業が新入社員へ主に求めることは、「入社後にどのような貢献をしてくれるのか」という将来への期待であるためです。

具体的には、「貴社の〇〇という事業に携わりたいと考えております」というように、具体的な事業名職種を挙げれば、仕事に対する熱意を明確に伝えられます。事業名や職種に触れれば、「会社のことをよく調べているな」という好印象を残せるというメリットもあります。

志望動機を書く際は、企業理念への共感と仕事への意欲をセットでまとめることを意識しましょう。

価値観に対する共感を強調する

企業理念とは、企業の価値観を具体的に表現するものです。下記のような志望動機を書けば、あなたの価値観が企業理念と合致している点をアピールできます。

貴社の『挑戦を恐れない』という理念に共感しました。私も大学時代には、〇〇ということに挑戦し、失敗を乗り越えながら成長してきました。入社後も、このチャレンジ精神を活かして、貢献したいと考えております。

このように、ただ漠然と「共感しました」と書くのではなく、具体的なエピソードを交えながら、価値観に対する共感をアピールしましょう。

志望動機に企業理念を加える際の5ステップ

企業理念に共感している結論

最初に、あなたが企業理念へ共感していることを明確に伝える必要があります。なぜなら、志望動機の冒頭は人事担当が最初に目にする部分であり、もっとも印象に残る要素であるためです。最初に一番伝えたい結論を述べた方が、文章構成を意識している点もアピールできます。

たとえば、「貴社の『〇〇』という企業理念に深く共感し、志望いたしました。」のように、簡潔かつ力強く表現する方法がおすすめです。

この書き方を取り入れる際は、企業理念の概要をそのまま記すため、書き間違いがないように気を付けましょう。

共感に至った経験やエピソードを具体的に書く

企業理念への共感に至った具体的な経験やエピソードを盛り込みましょう。企業理念への共感を伝えるのみでは、「どんな道のりを歩んだ結果、企業理念へ共感したのか」というプロセスがわからず、志望動機全体に説得性を持たせられないためです。

たとえば、学生時代に力を入れた活動やアルバイトでの経験などと企業理念を結びつければ、企業理念への共感を具体的にアピールできます。志望動機に取り入れる経験やエピソードは、できるだけ企業理念への共感に関連しやすいものを取り入れましょう。

これまでの経験から得た自身の価値観を書く

続いて、これまでの人生で培ってきたあなたの考えや価値観を書きましょう。あなたの考え価値観を明確にアピールすれば、あなたがどのような人柄なのかを人事担当へアピールできます。

具体的には、学生時代に頑張ったエピソードやアルバイトでの経験を通して学んだことなどエピソードを交えながら、自身の価値観を書くのがおすすめです。エピソードを絡めずに考えや価値観のみ書いてしまうと、説得性のない内容になってしまうので気を付けましょう。

自身の価値観と企業理念の共通ポイントを書く

続いて、あなたの価値観と企業理念における共通点を明確に示しましょう。企業理念をただ羅列するのではなく、共感したポイントを具体的に説明し、自身の価値観とどのようにマッチしているのかをアピールすることが大事です。

あなたの価値観とマッチしているところをアピールすれば、人事担当へよい印象を残せるはずです。企業は人と同様に、自分と同じ考えを持つ相手へ歩み寄ろうとしてくれます。企業はお互いのミスマッチがないように、書類選考や面接試験などを経て、学生の考えや価値観を慎重に見極めます。価値観が合うことをアピールできれば、「長く一緒に働ける仲間になってくれそう」と企業から思ってもらえるでしょう。

今後どのように貢献していきたいかで締める

最後に、入社後はどのように企業へ貢献していきたいのかを明確に書きましょう。あなたの強み経験を活かして、どのように貢献できるのかを具体的に示せば、仕事への熱意や意欲をアピールできるはずです。

志望動機の締め部分は、文章全体を締めくくる重要な箇所であり、冒頭の文章と同じくらい印象に残る要素です。前向きな文章で締めくくれば、人事担当へプラスの印象を持ってもらえる可能性が高まります。「会社へどのように貢献したいのか」という意欲をしっかりと表現できれば、仕事への熱意をアピールできるでしょう。

企業理念を用いた志望動機の例文5選

①「顧客満足度を追求する」サービス企業のケース

例文

私は、貴社の「顧客満足度を追求する」という企業理念に深く共感し、志望いたしました。
大学時代には、アルバイトで接客業をしており、お客様に喜んでいただけるサービスを提供することにやりがいを感じていました。この経験を通じて、私はお客様に喜んでいただき、笑顔になってもらえるようなサービスを追求できる仕事に就きたいと考えました。
貴社が実施されている「お客様サンクス制度」では、接客力の高さをお客様目線で評価していることを知り、ぜひ私もそのような環境で接客力を磨きたいと思いました。入社後は、これまで培ってきた接客経験を活かし、お客様一人ひとりに寄り添ったサービスを提供することで、顧客満足度向上に貢献したいと考えております。(350字以内)

この志望動機のポイントは、アルバイト経験を通じて得た価値観と企業理念が非常にマッチしている点です。

「顧客満足度を追求する」という企業理念は抽象的であるため、顧客満足度を高めるために何らかの経験を積んでいなければ、成果を残すことは難しいでしょう。そのため、接客業という顧客とのコミュニケーションを主におこなう仕事を経験したエピソードは、企業理念を体現してくれる学生として期待してもらえるでしょう。

②「採用のミスマッチをなくす」人材企業のケース

例文

私は、貴社が掲げる「採用のミスマッチをなくす」という企業理念に共感し、志望いたしました。
大学生活では、キャリアコンサルタントの資格取得を目指し、インターンシップに参加しました。そこで、多くの方々が希望と異なる職種に就職した結果、入社後のミスマッチを感じ、転職せざるを得ないという現状を知りました。
貴社の人材紹介事業では、入社後のミスマッチを防ぐことを目的とした独自のマッチングイベントを開催していることを知り、感銘いたしました。入社後は、これまで培ってきたキャリアコンサルティングの知識と経験を活かし、一人ひとりの適性やキャリア目標に合った企業を紹介して、採用のミスマッチをなくし、社会貢献していきたいです。(350字以内)

この志望動機のポイントは、企業理念への共感に加えて、キャリアコンサルタントを目指す意欲が伝わる点です。

「採用のミスマッチをなくす」という企業理念は、何らかのかたちで人材採用・育成などに携わった経験がなければイメージしづらい傾向です。この例文では、キャリアコンサルタントになるための勉強やインターシップへの参加を通じて、「採用のミスマッチ」という課題を見つけたことが筋道立ててまとめられています。

キャリアコンサルティングに関する知識も兼ね備えていることから、仕事に対して高いモチベーションを持っていることが伝わる内容です。

③「デジタル化で生活を豊かにする」IT企業のケース

例文

私は、貴社の「デジタル化で生活を豊かにする」という企業理念に共感し、志望いたしました。
大学時代には、情報工学を専攻し、プログラミングのスキルを磨きました。その中で、IT領域は人々の生活をより豊かにする力があり、今後もますます拡大し続ける分野であるという確かな確信を得ました。
私は、貴社が手がける独自のクラウドサービスを世の中に広め、多くの方々が便利で効率的な生活を送れる未来を実現したいです。入社後は、これまで培ってきたプログラミングスキルを活かし、人々の生活を便利で豊かにするような革新的なサービス開発に貢献したいと考えております。(300字以内)

この志望動機のポイントは、「デジタル化で生活を豊かにする」という企業理念への共感だけでなく、既にIT領域を勉強しているため、即戦力としての活躍を期待できる部分です。

近年、IT領域は私たちの生活に深く浸透しているため、IT領域が今後さらに発展していくことは誰もが知っていることです。しかし、大学での専攻を通じてIT分野を深く勉強している場合、実体験をふまえてIT領域の発展性を理解しているといえます。

この例文は、入社後もIT領域において即戦力となれる将来像をアピールできるといえます。

④「成果を重視する」コンサルティング企業のケース

例文

私は、貴社の「成果を重視する」という企業理念に共感し、志望いたしました。
大学時代には、テニス部に所属し、副キャプテンを務めました。チーム目標達成のために、自ら積極的に練習に取り組むとともに、メンバーの士気を高めることに努めました。その結果、チームで掲げていた全国大会優勝という目標を達成できました。
貴社では、個人の成果をフラットに評価する独自の評価制度を新たに取り入れていることを知り、成果にコミットしたコンサルティングを体現したいと思っています。入社後は、これまでの経験を活かし、目標達成に向けて全力で努力し、成果を出すことで貢献したいと考えております。(300字以内)

この志望動機は、コンサル会社がもっとも大事にする「成果を重視する」という仕事のスタイルを、部活動の経験を通じて体現している部分が良い点です。

「成果を重視する」という企業理念を掲げている企業の多くは、プロセスよりも結果を重視している傾向です。達成した結果が大きいものであるほど、目標達成への意識を持っているとみなされるでしょう。

その視点でいうと、全国大会優勝という結果を残したエピソードは非常に魅力的であり、入社後の活躍も期待できるような例文です。

⑤「顧客のベストパートナーとなる」保険会社のケース

例文

私は、貴社の「顧客のベストパートナーとなる」という企業理念に共感し、志望いたしました。
大学時代には、ボランティア活動に参加し、地域の高齢者の方々と交流しました。その中で、多くの方が将来への不安を抱えていることを知り、自分も誰かの支えになりたいと思うようになりました。
そのような中で、貴社では子どもからお年寄りの方まで、幅広いお客様が安心した生活を送れる独自のライフサポートの提供に力を入れていることを知りました。入社後は、お客様一人ひとりのニーズに丁寧に寄り添い、最適な保険商品を提案することで、顧客のベストパートナーとして貢献したいと考えております。(300字以内)

この志望動機のポイントは、「将来の不安を抱えている人の支えになりたい」という価値観が企業理念、事業軸とともにマッチしている点です。

企業理念への共感に至るまでのエピソードにおいても、ボランティア活動という社会貢献度の高い取り組みをおこなっていた点も好印象です。

ボランティア活動を通じて、人が抱える将来への不安を解消するために、「保険」が有効な手段であると捉えた学生自身の考えも読み取れるような志望動機です。

オリジナリティあふれる志望動機で志望動機への共感をアピールしよう

本記事では、志望動機に企業理念を絡める際のポイントや注意点を詳しく解説しました。

エントリーシートの提出において、志望動機はほとんどの企業から問われる質問のひとつです。人事担当は膨大な数のエントリーシートをチェックするため、書類選考を通過するには、人事担当の目に留まるような印象的な志望動機を書くことが重要です。

企業理念は企業の根幹そのものであるため、企業理念をしっかりと理解していることをアピールすれば、「この子はうちの会社を知ってくれている」というプラスの印象を持ってもらえます。そのためには、人事担当が「必ず見る」であろう志望動機を有効活用しない手はありません。

あなただけの言葉で、企業理念への共感に至ったエピソードを企業へアピールしましょう。

【例文10選】広告業界の志望動機の書き方|選考を突破するコツ

広告業界は就活生から絶大な人気を誇ります。志望者が多く、難易度が高い会社も少なくありません。

内定を得るには、しっかりと自分の強みをアピールする必要があります。特に志望動機は差別化が必須です。

記述のポイントは、綿密に業界研究企業研究を行うことです。広告業界は学生の憧れを集めやすい反面、ビジネスモデルはあまり知られていません。業界研究で詳細を知り、「具体的にどのような仕事がしたいか」を明確にしましょう。

さらに企業研究で、あなたのビジョンに最適な会社を見つけ出します。ビジョンが適合する会社なら、熱意が伝わりやすく、内定を得やすくなります。

この記事では効果的な志望動機を作成するために、広告業界を深堀りします。広告業界の概要から志望動機の書き方、コツ、職種別の例文まで、徹底して解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

高倍率で厳しい?広告業界の実態

高年収の企業が多く華やかなイメージがある

広告業界は華やかで、年収も高いイメージがあります。しかしすべての会社がイメージどおりに運営されているわけではありません。就活に臨む場合、業界研究・企業研究で実態を見極める必要があります。

広告代理店は、緻密なマーケティングにより、時代を先取りした独創的な広告をつくり出します。「新たな流行を仕掛ける」と考えれば、時代をリードする仕事です。外部から見れば華やかに映るかもしれません。

しかし実際の職場環境は社風次第だと言えます。全ての会社が華やかな雰囲気で仕事をしているわけではないのです。

年収も同様で、イメージの域を脱しません。国税庁の「民間給与実態統計調査(令和4年分)」(※参照1)によると、広告業界が属する「学術研究,専門技術サービス業」の平均給与額は564万円です。全職種平均の465万円よりは高いものの、突き抜けた額を期待できるわけではありません。実際に「金融・保険業」や「情報通信業」など、より高い平均額を示す業種もあります。

高年収のイメージは、電通や博報堂など巨大企業のイメージが強いためです。両社の平均年収は1,000万円を超えると言われ、入社すれば高年収を期待できるでしょう。

広告業界は大手企業ばかりではありません。業界全体を単一のイメージで見ず、自分が広告業界の中でもどんな分野で活躍したいのか、企業の特徴や強みをしっかり調べましょう。

実態は意外と知られておらず業界研究が必須

広告業界はイメージが先行する反面、実際の業務内容は意外と知られていません。企業を相手にするビジネスモデルのため、学生には縁遠い世界だからです。明確な目標を立てるためには、業界研究が必須です。

業界研究では、ビジネスモデルの把握から始めます。事業の全体像を掴むことで、各職種の役割も理解できるでしょう。

研究を重ねるうちに、徐々に夢を具体化できます。「CMの企画を出すプランナー」「キャッチコピーをつくるコピーライター」など、特定の職種を目標に据えられるようになるでしょう。

高倍率のため企業研究・自己分析で差別化を

広告業界は高倍率のため、志望動機の差別化が必須です。志願者に埋もれる志望動機では、企業は歯牙にも掛けません。

マイナビが2024年卒の大学生向けに実施した「業界イメージ調査」(※参照2)によると、「広告・芸能業界」は「就職先として検討したことのある業界」の第5位(全40業界中)に選ばれています。文系の女子学生に絞れば「官公庁・公社」を凌ぐ第1位で、30%以上が検討対象に挙げる人気ぶりです。実績があり業績も好調な会社は、相当な志願倍率が予想されます。

差別化を図るには、志望動機に具体性を持たせ、説得力のある内容にしなければなりません。ポイントは企業研究と自己分析です。

企業研究では、当該企業を選ぶ強い理由を示します。具体的であるほど熱意が伝わり、採用担当者の心を動かせるでしょう。

自己分析では、キャリアパスをつくることと、強みを見つけ出すことに集中しましょう。企業での目標を明確に掲げ、あなたの強みを押し出せば、志望動機は自ずと説得力のあるものになります。

取引先との関係で理解する広告業界のビジネスモデル

広告代理店と取引先との関係性

広告業界には、制作から掲載までの一連の流れを請け負う「広告代理店」と、制作のみを請け負う「広告制作会社」があります。後者は経験とスキルを問われることが多く、新卒採用を積極的に行いません。新卒では一般的に広告代理店に就職します。

広告代理店のビジネスモデルは、取引先との関係性で捉えると分かりやすいでしょう。

メディア企業とは、広告を掲載する新聞やテレビ、ラジオ、雑誌、Webサイトなどの広告枠を持つ企業を指します。自社が取り扱う広告枠を広告代理店や企業に販売し利益を得ています。

広告代理店は広告主の多様なニーズに応えるため、さまざまなメディア企業とつながりを持ち、広告枠を用意します。

同時に広告主となる顧客の話に耳を傾け、最適な出稿媒体・広告枠を提案します。媒体に応じたPRができるよう、慎重なマーケティングも欠かせません。マーケティングに基づき立案し、顧客の合意を得て広告や販促物、イベントで使用するものなどを制作します。制作は自社のクリエイターが引き受けるだけでなく、下請けの制作会社やに依頼する場合もあります。

広告代理店の収益は、顧客から支払われる発注費用です。発注費用全体からメディア企業に支払う広告費や制作会社への手数料などを差し引いたものが利益となります。

安定した利益を得るには、顧客の満足度が重要です。クリエイターの能力はもちろん、優れたマーケティング技術や、正確なヒアリングなど、社員一人ひとりの力が問われます。

志望先の絞り込み必須!広告業界の種類

会社選びの前提として理解したいのが、広告業界の種類です。広告業界は「総合広告代理店」「専門広告代理店」「ハウスエージェンシー」に大別されます。あなたのビジョンの達成に、どの形態が適切かを見極めましょう。

さまざまな媒体を手がける「総合広告代理店」

総合広告代理店は、広告枠を仕入れるメディアを限定せず、あらゆる広告を請け負う企業です。幅広い制作物をつくれる企業力が必要で、大手が多い傾向にあります。

広告を出稿する顧客にとっては、一度に複数の媒体を利用できるメリットがあります。消費者の目に留まりやすく、高い効果が期待できるでしょう。

さまざまな媒体の広告に携わりたい人や、規模の大きな仕事を経験したい人、大企業との取り引きを学びたい人に向いています。

一方で、特定の職種にこだわる場合は注意が必要です。大手総合広告代理店では「総合職」で採用されることが多く、就職後に配属先が決定されます。必ずしも希望が通るわけではありません。

子会社や関連会社を複数有し、制作を任せているケースもあります。クリエイター志望の場合、出向を命じられる可能性があることも肝に銘じておきましょう。

<代表的な企業>

電通

博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ

ADKホールディングス

特定媒体・分野が得意な「専門広告代理店」

専門広告代理店は、特定の媒体に特化した企業です。得意分野を活かし、専門性の高い広告を制作します。ローカルメディアへの出稿に専門的に対応する企業など、特定地域で活躍する事例も多く見られます。出稿媒体が限定される分、メディア企業と良好な関係を築きやすいのが特徴です。

顧客目線で見れば、安価で専門性の高い広告を依頼できるメリットがあります。「高齢者向けにテレビ広告だけ流したい」「YouTube向けの動画広告をつくりたい」など範囲を限定する場合に便利です。

特定の媒体での専門性を高めたい人や、職種を限定して頑張りたい人、地域に根ざした事業に従事したい人におすすめです。

<代表的な企業>

サイバーエージェント(Web)

ジェイアンドユー(紙媒体)

ライドアウト(雑誌)

親会社の仕事を請け負う「ハウスエージェンシー」

ハウスエージェンシーは大手企業が設けた広告専門の子会社です。大手メーカー、新聞社、鉄道会社、通販会社などが設立した事例が多く見られます。

一般的には親会社からの依頼を専属で引き受け、「広告・宣伝部門」のような役割を果たします。経営は安定する傾向が強いものの、親会社の業績に引きずられるのが難点です。

親会社が広告枠を持つ場合、メディア企業から仕入れる必要がありません。たとえば鉄道会社のハウスエージェンシーは、駅の看板広告や電車の車内広告を自由に使えます。利益を上げやすいビジネスモデルだと言えるでしょう。

大企業の関連会社で働きたい人や、親会社のファン(〇〇電鉄が好き、〇〇自動車の広告をつくりたい等)、特定業界に特化したクリエイターを目指したい人におすすめです。親会社の広告なら媒体を問わず請け負うため、幅広いスキルを身に着けるにも良いでしょう。

<代表的な企業>

ジェイアール東日本企画(親会社:鉄道)

トヨタ・コニック・プロ(親会社:自動車メーカー)

インターワールド(親会社:テレビ通販)

広告業界の代表的職種と具体的な業務内容

広告業界の代表的な職種
  • 営業
  • マーケティング
  • クリエイティブ
  • 事務

ニーズを聞き出し広告の提案を行う「営業職」 

顧客に広告の提案を行うのが営業の仕事です。制作を受注するだけでなく、顧客の要望を細かく聞き取り、適切な提案をします。営業が正しくヒアリングしない限り、マーケティングが進まず効果的な広告案を出せません。広告制作は、営業から始まると言っても過言ではないのです。

営業の仕事は、受注して終わりではありません。顧客と広告の効果を共有し、制作陣にフィードバックします。広告業界は結果が全てのシビアな世界です。だからこそ、結果を冷静に分析し、より良い広告をつくる姿勢が大切です。顧客に継続的に寄り添うことは、長期的な取引関係の構築にもつながります。

さらに広告業界ならではの特徴と言えるのが、コンペの対応です。広告案を比較検討し、最良の会社に制作を依頼するため、広告主が開催することがあります。受注を目指す場合、他社に勝てる広告案を提示しなければなりません。高度なプレゼン能力と、自社の魅力を分かりやすく伝える資料作りが求められます。

市場調査をもとに広告を立案する「マーケティング職」

営業がヒアリングした内容を受け止め、市場調査を行うのがマーケティング職です。効果的な広告をつくるには、市場のニーズを正確に把握しなければなりません。市場調査に基づき、ターゲットに確実に届く広告案を立案します。

マーケティングの結果は広告の方向性を左右します。デザインやキャッチコピーも、マーケティングの決定に柔軟に対応しなければなりません。マーケッターは、広告制作の舵取り役でもあるのです。

広告を熟知し、分析結果から「良い広告案」を導き出せる経験豊かな人材がふさわしいでしょう。新卒の場合、先輩社員からノウハウをきっちり学ぶ必要があります。

人を惹き付ける広告をつくる「クリエイティブ職」

マーケティングの結果をもとに、実際に制作にあたるのがクリエイティブ職です。役割を分担しながら制作を進めます。いずれの職種もスキルと経験を問われるため、新卒で活躍するのは難しいかもしれません。少しずつ経験を積み、一人前のクリエイターを目指します。

主な職種は次のとおりです。

クリエイティブディレクター

全体の進行を統括する役職です。具体的な制作案を決定し、職員の配置から進行管理、制作中の顧客とのやりとり、納品までを責任を持って行います。制作現場の総監督のような仕事です。十分な制作経験を持つ人が適任です。

アートディレクター、映像ディレクター

制作する広告の種類により、配置されるディレクターは異なります。アートディレクターは、紙媒体やWeb広告の画像など、グラフィックに関わる全般を指揮する役割を担います。映像ディレクターは、動画広告における映像全般の指揮が仕事です。

両者とも決定した制作方針とズレがないか監督しながら、クリエイターに指示を出します。さまざまな作品をつくり上げた経験はもちろん、制作全体を俯瞰できる能力が必要です。

デザイナー

デザイン業務の担当者です。アートディレクターの指示に従い腕を振るいます。独創性があれば良いわけではなく、「いかにターゲットに訴求するか」「商品の魅力を伝えるか」が大切です。指示を的確に形にする力が求められます。

コピーライター

広告のコピーをつくる役職です。顧客の要望を最大限に汲み取り、商品の魅力を端的に言い表す短文を考案します。記憶に残る名文も、一目で惹き付けるキャッチーなワードも、コピーライターの腕にかかっています。

大切なのは顧客のニーズと広告の方向性を的確に捉えることです。豊かな発想力と、卓越した言語感覚も求められます。

CMプランナー

テレビコマーシャルの企画・演出の担当者です。顧客の要望やマーケティングの結果に基づき、どのようなCMが効果的か判断し、提案します。ストーリーをつくるのも、起用するタレントを挙げるのもCMプランナーの役割です。

アイデアを形にする発想力と、顧客への高いプレゼンテーション能力が求められます。

事業の進行を支える「事務職」

広告業界にも事務職が存在します。経理、総務、人事など他業界と役割は変わりません。ただし会社によっては制作物のチェックやスケジュール管理、企画書づくりなどに関わることもあります。

気をつけたいのはスケジュール管理です。広告には納期があります。納期を守らないと、会社の信用に影響します。クリエイティブディレクターと進捗を共有しながら、管理を慎重に行わなければなりません。

また案件によっては、経理処理に最大限気を配る必要があるでしょう。イベントのプロモーション全般を手がけるような場合には、億単位のお金が動くことも珍しくありません。他業界以上に厳格さが求められます。

広告業界に向いている人は?求められる人物像

話を聞き出す能力に長けている人(営業職)

営業職に求められるのが、話を聞き出す能力です。聞き役として、相手の要望を正確に捉えられる人が向いています。

広告の制作は、顧客のニーズを正確に見極めることからスタートします。ニーズに基づき市場分析を行い、市場分析の結果に基づき制作を行います。営業のヒアリングがなければ何も始まりません。

普段から相手の話に耳を傾け、言いたいことをまとめる能力を培っておくと良いでしょう。とりとめのない話をまとめるには、頭の中で筋道を立てなければなりません。論理的に物事を捉える習慣もつけておきましょう。

鋭い分析力を持ち論理的に考えられる人(マーケティング職)

マーケティング職に求められるのは、鋭い分析力論理的に物事を考える力です。分析だけでなく、広告効果を最大限に高める筋道を立て、顧客とクリエイターに提示します。「何をどうするか」を分かりやすく示すことで、説得力のある広告案を作成できます。

マーケティング職を目指す人は、日頃から分析に慣れておくと良いでしょう。自分でできる練習方法としては、Googleのサーチコンソールアナリティクスが便利です。簡単なホームページを作成し、サービスに申し込めば、誰でも無料で利用できます。分析結果をもとに、どうすればアクセスが伸びるかを考え、改善策を実行しましょう。マーケティング職に求められる仕事の流れを大まかに体感できます。

昨今はWebが中心の専門広告代理店が増えています。Webの解析経験は、業務に直接的なメリットをもたらす強みになります。

柔軟な発想力で物事を捉えられる人(クリエイティブ職)

クリエイティブ職に求められるのは、柔軟な発想力です。広告の良し悪しは、最終的にはクリエイターの制作手腕にかかっています。視聴者をあっと驚かせるCMや、一瞬で目を引くキャッチコピー、記憶に残り続ける演出など、良い広告には柔軟な発想力がつきものです。一を聞いて十の案を出せる人が歓迎されます。

柔軟な発想力を培うには、普段からさまざまな世界に触れる癖をつけると良いでしょう。一つの視座に凝り固まると、柔軟な発想は生まれません。さまざまな観点から制作にあたれるよう、興味の幅を広げましょう。

専門的なIT技術に長けた人(クリエイティブ職)

Web広告が増えている現状を鑑みると、クリエイティブ職にはIT技術に長けた人が求められるでしょう。

昨今は、ユーザーの動きに反応して動くバナーや、アニメーションを使用した広告など、Webの特性を利用した「リッチメディア広告」が増えています。Web広告の進化は日進月歩で、今後もより複雑な技術が取り入れられるかもしれません。

どの広告代理店も、変化に対応できる専門的な技術に長けた人材を欲しがるでしょう。IT業界と同等の専門性を求められるかもしれません。

情報収集が得意で世の中の動きに敏感な人(全職種)

広告業界では、職種を問わず情報収集が得意で、世の中の動きに敏感な人が求められます。大衆に広く訴求する広告をつくるには、世の中の動きを無視できません。社会の変動を見越して、一歩先を見据える姿勢が大切です。

クリエイティブ職はもちろん、広告を提案する営業職や、広告効果を測定するマーケティング職にも、時代の流れを読み取る力が等しく求められます。

時流に敏感になるには、社会を俯瞰する癖をつけると良いでしょう。過去から現在に至る社会情勢、政治、世相などの流れを観察します。原因になる出来事があり、後に結果がもたらされていることが分かります。

世の中の流れは原因と結果の連続です。現状をつぶさに観察すれば、未来の社会を変えるトリガーが見つかるかもしれません。

広告業界への就職に有利な資格やスキル

マーケティング職はWebの認定資格にチャレンジ

マーケティング職を志望する人は、Webマーケティングに役立つ資格を取得すると良いでしょう。Webアナリスト検定や、GoogleAnalytics個人認定資格、Google広告認定資格などがあります。

Webアナリスト検定は、日本Web協会が主催するGoogleアナリティクスの資格試験です。5時間程のオンライン講座を受け、アナリティクスの使い方をきっちり身につけた上で受験します。知識に自信がある人は、検定試験だけを受けることも可能です。

Google社が直々に行っている認定資格もあります。GoogleAnalytics個人認定資格(GAIQ)です。初級者向け・上級者向けの準備講座を受講した後、Googleアカウントをスキルショップに登録すれば試験を受けられます。講座、試験共に無料です。

同社はGoogle広告認定資格も実施しています。こちらは広告に関する専門知識を問う試験です。検索広告、ディスプレイ広告、動画広告などジャンルが細分化され、得意分野の試験が受けられます。アナリティクス同様、スキルショップに登録すれば受験できます。

これらの資格を取得しておけば、専門性をアピールする大きな武器になるでしょう。

クリエイティブ職はAdobeのソフトに慣れておこう

クリエイティブ職にはスキルが問われます。独学で少しでも身に付ければ、大きなアピールになります。

グラフィックデザインを手がけるには、Adobeのillustratorphotoshopが必須です。月額3,000円(/1本)前後で使用できます。プロ仕様のソフトではあるものの、操作は直感的で難しくありません。良い参考書も多数出版されています。本を片手に、チラシやパンフレットなどを制作してみましょう。

動画では、同社のPremier ProAfter Effectsをおすすめします。手持ちの機材で動画を撮影し、Premier Proで簡単な編集をしてみましょう。慣れてきたら、After Effectsで高度なエフェクトにも挑戦します。でき上がった動画に自信があれば、動画共有サイトで公開するのも、スキルアップに役立つかもしれません。

プロのクリエイターから見ると、素人の独学は未熟に映ります。しかし制作の下地づくりは良いアピールになることも事実です。伸びしろを感じやすく、クリエイターとしての心構えもでき上がります。自分が真につくりたいものを見極めるきっかけにもなるでしょう。

志望先を考える前に知りたい広告業界の展望

Web広告は加速を続ける

現在広告の中心になっているのはインターネット上のWeb広告です。電通が公開する「日本の広告費2023」(※参照3)を参照すると、「インターネット広告費」は広告費全体の45.5%を占めています。「地上波テレビ」は22.0%、テレビとラジオ、雑誌、新聞を合わせた「マスコミ四媒体広告費」が31.7%であることを鑑みると、いかにWeb広告の需要が高いか理解できるでしょう。

この傾向は年々高まっており、調査結果が示されている2010年以降、Web広告は毎年堅調な伸び率を示しています。2021年はコロナ禍で自宅で過ごす人が増えたこともあり、前年比121.4%の圧倒的な伸び率となりました。

これまでの堅調な推移を見ると、簡単にマイナスに転じるとは考えづらく、今後も加速を続けると予想されます。今以上に多くの広告代理店が、Webに事業の軸を移すようになるでしょう。

参照:日本の広告費2023|電通

Web広告の中でも動画を使用した広告が全盛

Web広告には、検索結果に連動して表示される広告や、バナータイプの広告などさまざまな種類があります。現在最も高い伸び率を示しているのが、ビデオ(動画)広告です。

電通による「2023年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(※参照4)によると、2023年には前年比115.9%の伸び率で、Web広告全体の25.5%を占めています。同社はインターネットに接続したテレビが普及したことにより、テレビメディア関連の動画広告が増えたこと、Webサイト上の静止画バナー広告が動画形式にシフトしていることの2点を要因に挙げています。

動画制作能力に長けたクリエイターのニーズが増えることが予測されます。

参照:「2023年インターネット広告媒体費」解説|電通報

広告のパーソナライズがビジネスモデルを変える可能性も

Web広告の大きな特色として、広告のパーソナライズ(パーソナライズド広告)が挙げられます。これは個人の検索履歴や訪問サイト、居住地域、性別や年齢などに応じて最適な広告を表示させるシステムです。

必要な人に必要な情報が直に届くため、広告主にとっては画期的だと言えます。広告効果が大きいことから、今後利用が拡大していくでしょう。

パーソナライズド広告は、以下のプラットフォームで利用できます。

  • Google
  • Yahoo!
  • Amazon
  • X(旧Twitter)
  • LINE
  • TikTok
  • Facebook
  • Instagram など

多くの人が日常的に利用するサイトが多く、認知が拡大するほどに利用者も増えることが予想されます。文字ベースであれば個人運用も可能で、広告代理店を通さない利用も増えるでしょう。

広告代理店は、コンバージョンにつなげる技術的支援を強化するなど、ビジネスモデルの変革を迫られるかもしれません。求められるスキルの変化に、社員も対応する必要があります。

海外市場で新たなビジネスモデルが拡大する

大手総合広告代理店は、日本国内にとどまらず、海外展開も活発です。電通はM&Aを基盤に海外進出を続けており、今や売上構成の6割が海外です。アメリカやヨーロッパ、アジア太平洋地域にネットワークを広げ、「世界の広告会社」(※参照5)として活躍しています。

背景にあるのはデジタル分野の拡大です。海外のWebメディアやデータマーケティング会社を買収することで、国や地域に適したWeb広告を展開しやすくなります。また同社が掲げる「カスタマートランスフォーメーション&テクノロジー」(※参照6)を強力に推進できます。

これは企業が顧客・潜在顧客のパーソナリティに寄り添った事業を展開できるよう、事業基盤を提供するビジネスモデルです。顧客データの維持管理、ユーザーに最適なサービスを提供する仕組みづくり、そのためのプラットフォーム構築などが含まれます。

海外を視野に世界的な広告展開を考えたとき、電通のように現地法人を買収する動きが活発になるかもしれません。

参照:電通グループ統合レポート 2022|電通グループ

About us|電通

紙媒体広告ならではの長所を活かす

Web媒体が活発になる一方、苦戦を強いられているのが紙媒体です。「日本の広告費2023」(※参照3)によると、広告費全体に占める新聞の割合は4.8%、雑誌は1.6%です。新聞は前年比-5.0%で規模が縮小しています。雑誌は2.0%の増加が見られるものの、紙の出版物販売金額が前年比94.0%と減少しています。広告効果は高くないでしょう。

出版社はデジタル事業やコンテンツ事業に軸足を移しており、広告主からすると出稿のメリットを見出しにくいのが現状です。

しかし少ないながらも需要があるのは事実です。特に雑誌は該当ジャンルのコアなファンに訴求しやすい長所があります。広告代理店には、ファン心理に訴えかける広告の作成や、インターネットやSNSと連動した広告展開など、誌面広告の価値を高めていく努力が求められます。

志望動機を作る前に必ず行う3つのこと

広告業界を選ぶ理由を明確にする

効果的な志望動機をつくるために最初に行うのが業界研究です。広告業界の現状と展望を知り、「現在の課題を解決するために何が必要か」「展望の実現にどのような働きを求められるか」を考察します。求められる人物像が理解できるでしょう。

業界全体の方向性が分かったら、あなた自身の夢と照らし合わせて考えます。思い描く夢を、広告業界で実現できるか冷静に判断しましょう。華やかな仕事で憧れを持ちやすい業界だけに、想像と現実が乖離している可能性があります。

求められる人物像に近づく努力ができるかも、自身の適性や性格から判断しましょう。努力ができるなら、就職までにスキルや能力を可能な限り高めると良いでしょう。

業界研究に役立つのは、業界誌や大手企業が発行する業界レポートです。業界全体を俯瞰する内容の記事を見つけ、研究を進めてください。

広告業界の中で当該企業でしか実現できないことを知る

業界研究の次に企業研究を行います。業界全体を一つのイメージで捉えるのは危険です。企業ごとに異なる特色があります。社会で活躍する企業は、「自社でしか実現できない特色」を持ち、それを強みに据えています。志望する企業の強みと、あなたの夢を照らし合わせて考えましょう。

最も自然なのは、志望する企業の強みとやりたいことが適合する状態です。あなたにとって、当該企業はオンリーワンの存在と言えます。志望動機に悩むことはないでしょう。

完全に一致しなくても、やりたいことにプラスになる場合や、新たな気づきを得られる場合は、選考を受ける理由を比較的簡単につくれます。

問題は、やりたいことが当該企業の強みとかけ離れているケースです。企業に歩み寄ったところで、志望動機に弱さが露呈します。倍率が高い業界だからこそ、自分のビジョンに適合する企業を慎重に選ぶべきでしょう。

企業研究には、会社ホームページやパンフレット、業界誌の企業インタビューが参考になります。ブログやSNSで発信している情報をチェックするのも良いでしょう。

大切なのは、ネームバリューやブランドイメージにとらわれず、冷静に企業を分析することです。憧れる会社がある場合も、「ファンの贔屓目」を捨て、評論家になったつもりで分析してください。

自己分析で差別化できる強みを見つけ出す

あなた自身が明確なビジョンを持ち就職活動に臨まない限り、企業選びはできません。志願倍率が高い広告業界では、明確なビジョンは最低条件です。ライバルに差をつけるには、他者にはない強みを持ち、それを軸に据えることが大切です。

強みを見つけるには、自己分析を繰り返します。専門的なスキルや資格だけが強みではありません。これまでの経験から得た学びが、あなたの人格を形成する精神的な強みになります。

「課題解決能力がある」「論理的な思考力に優れる」など、学びを書き出しましょう。学びを得たストーリーに説得力があれば、軸に据えられます。アルバイトや部活動・サークル活動、旅行などどんな経験でも構いません。

何も思い浮かばない人は、これまでの人生を振り返り、印象に残ったこと、学びがあったことを挙げてください。そのときの心の動きや解決法には、あなたの「人となり」が現れるはずです。自分の良い部分、悪い部分があぶり出され、強みを見つけやすくなるでしょう。

広告業界の志望動機におすすめの構成

<志望動機の4ステップ>

①広告業界で成し遂げたいビジョンを端的に書く

②広告業界に興味を持ち、この業界を選んだ理由を説明する

③受験する企業を選んだ理由を明確にする

④自分の強みに触れながら、入社後の意志や抱負を示す

志望動機を書くときには、上記の流れを意識すると良いでしょう。②③で選考を受ける企業を強く志望していることに説得力を持たせ、④で強い意志を示します。論理的な流れで採用担当者を納得させる志望動機がつくれます。

①広告業界で成し遂げたいビジョン

まずは広告業界で成し遂げたいビジョンを明確に示しましょう。具体的に何をやりたいか、何を目指すかをはっきり記述します。企業研究の成果を踏まえ、当該企業で達成できる目標を書いてください。

総合職で採用される場合も、具体的な記述を心がけます。広告業界の中で明確にやりたいことがなければ、志望する意志が感じられません。採用後に配属が決定されるとしても、具体的なビジョンは全員に求められます。

②広告業界に興味を持った理由

広告業界に興味を持ち、ビジョンを掲げるに至った理由を具体的に記述します。単なる憧れではないことを証明しなければなりません。採用担当者が納得できるストーリーを書きましょう。

大学での研究内容や従事してきた活動が、広告業界の仕事と直結する場合は記述がしやすいでしょう。そうでない場合は、業界が抱える課題の解決やビジョンの達成に、あなたが貢献できることを考えてください。広告業界の課題を発見し、それを解決するために就職するストーリーがつくれます。業界のニーズを理解し就職を希望するのなら、仕事への強い意気込みを感じられるでしょう。

③競合の中から当該企業を選んだ根拠

あなたのビジョンを実現するために、当該企業が最適であることを示します。企業研究をしっかりと行い、当該企業ならではの特色を見つけ出しましょう。その特色があなたの夢を後押しすることを証明すれば、当該企業を選ぶ大きな理由になります。

企業研究が不十分だと、競合他社との差別ポイントを明確にできません。入社への意志を強く示しても白々しく感じられます。明確な理由がある人に、内定を取られてしまうでしょう。

どの企業も「自社を選ぶ明確な理由」を求めます。「他の会社でも良い」と思われないよう、注意を払い記述しましょう。

④自己の強みと入社後の意志や抱負

最後は入社後の意志や抱負で締めくくります。企業研究をもとに、具体的な業務内容に言及しましょう。内容が具体的であればあるほど、評価が高くなります。社内での目標が明確な人は、強い意志を持って仕事にあたると予想できるからです。企業も安心して採用できます。

意志や抱負を伝える際には、自己の強みにも触れると良いでしょう。たとえば「困難を乗り越え仕事に邁進する」意志を示すとき、「バイトリーダーで、店のさまざまな問題解決にあたった経験があるため、課題解決能力に自信がある」とアピールすれば、説得力が増します。根拠を持ち意志や抱負を述べていると伝わるでしょう。

広告業界の職種別志望動機の例文10選

総合広告代理店の営業職

例文

私はスポーツイベントの認知を高めることで地域に貢献したいと思い、貴社を志望しました。

私は学生サッカーのファンです。しかし、箱根駅伝や甲子園のように一般的には浸透していません。学生らしい溌剌とした動きは、プロに引けを取らない面白さで、プロモーション次第で大衆に支持される存在になると思っています。

このようにまだまだ世に知られていないスポーツを盛り上げることで、学生団体や地域の活性化ができると考えています。

貴社は多くのスポーツに関するプロモーションを手がけており、〇〇大会などの運営にも携わっていることから、貴社でなら自身の目標を達成できると考えました。

私は学生委員会に所属しており、課題を発見し提言する経験を積んできました。入社後はクライアントの課題や要望を叶えられるように尽力するとともに、スポーツプロモーションに関われるよう積極的にイベント運営や企画を提案したいと考えています。(400字以内)

大手総合広告代理店向けの例文です。

総合広告代理店の場合、「規模の大きな仕事がしたい」「世界を股にかけたい」など、抽象的な記述をしがちです。この例文のようにやりたいことを明確にし、しっかりと志望理由を説明できれば、評価は高くなるでしょう。構成も論理的で、最後の決意表明が強く感じられます。

一点注意したいのは、掲げる目標と事業内容とのずれです。この場合、スポーツプロモーションが当該企業でできることを確認しましょう。企業ごとに得意分野は異なるため、企業の特色をしっかり把握した上で作成することが大切です。

総合広告代理店のマーケティング職

例文

地域特性を分析することで、世界中の人に届く広告作成に携わりたいと思い貴社を志望しました。

私は学生時代に世界中を旅しました。価値観や生活様式の多様性に触れることで、自己の世界が広がる喜びを感じられました。

マーケティング職は地域特性を深く分析し、購買行動へつなげる職業です。強く興味を惹かれ、広告業界を志すようになりました。

貴社は海外に多くの拠点を持ち、世界中の広告を手がけています。貴社でさまざまな地域を分析し、地域に即した広告案を提案したいです。

これまでの経験で英語とドイツ語には自信があります。入社したら、マーケティングのノウハウをしっかりと学びます。その上で、地域特性を活かした分析業務を行いたいです。(350字以内)

マーケティングは、具体的な業務内容が想像しにくい職種です。だからこそ、業界研究に基づき、取り組みたい仕事を明確に示すことが重要です。ここでは「さまざまな地域の特性を分析し、購買行動につなげる(広告手法につなげる)」ことを目標に掲げています。具体化の良い例だと言えそうです。

この例文でも、当該企業で目標を完遂できることを確認しなければなりません。海外展開をしていても、現地に子会社を作り、人員も現地で雇っている可能性があります。日本にいながら世界中のマーケティングを手がけられるのか、あるいは出向する形なら就業可能なのか、あらかじめ確認しておきましょう。

総合広告代理店のクリエイティブ職

例文

紙媒体のデザインをベースに、さまざまなメディアに対応する広告を作成するために貴社を志望しました。

現在多くの企業が広告でクロスメディア戦略をとっています。メディアごとに訴求ポイントが異なることに魅力を感じ、デザインの差別化を意識するようになりました。

貴社はメディアごとに手法を分けた広告展開を行っています。ハイボールの魅力を若い世代に伝えた広告展開は見事でした。私も貴社でグラフィックデザインの幅を広げたいです。

学生時代にフリーペーパーのデザインを経験し、紙媒体のデザインは得意です。入社後はWebの特性や訴求ポイントをしっかりと学び、消費者の心に響く広告を作成していきたいです。(300字以内)

総合広告代理店の良さは、多彩な広告手法を学べることです。さまざまなメディアに対応できるデザイナーを目指す姿勢は、総合広告代理店ならではと言えます。当該企業の成功事例を挙げることで、目的とするデザイン像も明確に感じられます。

注意したいのは、クリエイターとしての姿勢がぶれないようにすることです。あくまでもグラフィックデザイナーの範囲内で、できることを広げる意志を示します。「動画も手がけたい」「Webサイトも学びたい」と書いてしまうと、何のプロを目指しているのか分かりません。強い意志が伝わらなくなるので注意しましょう。

専門広告代理店の営業職

例文

Web広告を通して地元企業の魅力を世界中に発信したいと考え、貴社を志望しました。

〇〇市は伝統工芸の焼き物を始め、古くからの産業が息付く地域です。多くの企業が紙媒体を宣伝に利用しているものの、Web広告の認知が進まないのが現状です。

貴社は地元密着を掲げ、〇〇市で広告のデジタル化に取り組んでいます。貴社の姿勢に賛同し、私も営業に参加したいと強く思うようになりました。

私は生まれも育ちも〇〇市です。特に焼き物店に詳しく、顧客の開拓には自信があります。入社後は、対外的なアピールが弱い企業を中心に、効果的なWeb広告をつくれるよう提案したいです。Web広告の効果を広めることで、〇〇市の産業を発展させられればと思います。(350字以内)

専門広告代理店は事業範囲が狭まるため、目標も掲げやすくなります。反面、周りの志願者も似た目標を掲げるため、差別化を図るのは難しいかもしれません。

「地元企業の魅力を発信したい」という目標も、悪く言えば「ありがち」です。だからこそ、明確な根拠が必要です。ここでは市の事業者が直面する課題を発見し、その解決にWeb広告が最適だと説明します。仕事の目的が明確で、当該企業を目指す根拠が十分に伝わります。営業社員として働く姿が想像できるため、採用担当者に良い印象を与えることができるでしょう。

専門広告代理店のマーケティング職

例文

広告代理店ならではの質の高いパーソナライズド広告を提案するため、貴社マーケティング職を志望しました。

パーソナライズド広告は個人で挑戦できるため、広告代理店の介入が弱く感じられます。プロの制作集団だからこそ、分析結果を活かしたより良い提案ができると考えます。

貴社はパーソナライズド広告に関する情報をブログで広く発信しており、分析の活かし方を熟知しています。貴社ならば質の高い広告を提供できると考えました。

現在GoogleAnalytics個人認定資格を取得し、マーケティング職として円滑に就業できるよう努力しています。入社後は分析結果を広告に落とし込む手法を学び、お客様に有効なアドバイスをしていきたいです。(350字以内)

業界の課題を見つけ、自分なりのアプローチを考えていることが窺えます。解決に向けた熱い意志は、マーケッターとしての適性とやる気を感じさせ、良い評価を得られるでしょう。

就職に向けた準備として、資格取得に励む姿勢も高評価です。業務に向けた強い意志を証明する材料になります。

一点注意したいのは、業界の課題を提言するときに上から目線にならないことです。プロ集団であれば、生じる課題に気づかないことはありません。何らかの手を打っていると考えられます。気づいていないことを前提に論を進めないようにしてください。

専門広告代理店のクリエイティブ職

例文

商品の魅力を引き出すデザインを探求し、雑誌向けのファッション広告をつくりたいと思い貴社を志望しました。

良いファッション広告はコンテンツと見紛うくらい、商品の魅力を強く伝えます。さまざまな広告を見ているうち、私も制作者になりたいと思うようになりました。

貴社は鮮烈なコピーで購買意欲を高める広告を多数制作しています。特に〇〇の広告には強く惹かれました。貴社でデザインに携わりたいとの気持ちが、日に日に高まっています。

私はこれまで学祭のポスターや掲示物のデザインを手がけてきました。入社後は、スキルを商用で通用するレベルへ高めたいです。しっかりと技術を身につけた上で、さまざまなブランドのファッション広告を制作したいです。(350字以内)

ファッション関連の広告デザイナーを目指す熱い意志が感じられる例文です。当該企業の広告に強い憧れを持っており、企業を絞り込む必然性も伝わります。一人のファンとして制作物を熟知しているため、入社後も同じ方向を向き仕事ができると期待できます。会社も雇いやすいでしょう。

ただし特徴ある有名企業であれば、ライバルが多いことも認識しなければなりません。差別化を図るには、「当該企業の広告の何が良いのか」「自分だけの強みは何か」を明確に示す必要があります。特に自己の強みは、選考の大きなポイントです。この文章のように短くても構いません。アピールを忘れないようにしましょう。

ハウスエージェンシーの営業職

例文

スーパー〇〇の商品をより多くの人に知ってもらうために、販促物を提案したいと思い、貴社を志望しました。

〇〇は地産地消を目指し、地元産の野菜を大々的に並べるなど仕入れにこだわっています。しかし消費者は安さばかりに着目することが多く、特色が伝わっていないと感じます。魅力を伝える店内POPやパンフレット、フリーペーパーなどが必要です。販促物を提案する営業社員になり、〇〇を盛り上げたいと考えるようになりました。

私はアルバイトで書店の運営に携わり、販促物の大切さを身にしみて実感しています。POPの作成を行ったこともあります。この経験を活かし、貴社に入社できた際には営業社員として、本社に販促企画をどんどん提案したいです。(350字以内)

ハウスエージェンシーは取引先が決まっているため、いかに効果的な提案を行い、グループ全体の売上を上げるかがテーマです。この例文のように、親会社をアピールするために何を提案したいか、どのような効果を期待できるかに焦点を当てると良い志望動機が仕上がります。

ハウスエージェンシーは親会社の規模が大きく、ネームバリューに惹かれる人も少なくありません。そのような中で、親会社のファンになり、経営上の課題を自分なりに発見する姿勢は高く評価されるでしょう。会社を盛り上げるために働く姿が想像できるからです。「ぜひ面接で話してみたい」と思わせる力があります。

ハウスエージェンシーのマーケティング職

例文

〇〇電鉄の広告効果を検証し、△△鉄道に勝てる広告を立案するため貴社を志望しました。

〇〇電鉄はダイヤ改正で空港アクセスが格段に改善されました。△△鉄道よりも短時間で辿り着けることを知らせるポスターは、インパクトがある会心作だったと思います。しかし利用者が思うようにシフトせず、不思議に感じました。私自身が原因を分析し、広告をより効果的にする手法を探りたいと考えました。

私はホームページでWeb解析を行っており、Googleアナリティクスを普段から使用しています。原因分析と改善案の提示には自信があります。貴社入社後は、紙媒体の分析手法を全力で学びます。そして今以上に効果的な広告を提案し、認知度向上に努めたいです。(350字以内)

親会社への熱い想いから会社が抱える課題を見つけ、解決に尽力する意志を示しています。会社が直面する課題を新入社員も共有できるなら、同じ方向を向き仕事ができます。協調性を持ち働ける人材だとみなされるでしょう。

身につけたスキルを提示し、現在できること、入社後に努力することを端的に記述しているのも評価ポイントです。紙媒体の効果を解析するには、企業が保有するノウハウに頼るしかありません。勤務経験のない新卒だからこそ、強い学びの意志を示すことが大切です。

ハウスエージェンシーのクリエイティブ職

例文

〇〇自動車の魅力を伝える映像制作にクリエイターとして参加したく、貴社を志望しました。

貴社の映像広告は車の魅力が十二分に伝わるだけでなく、車への愛情や深いこだわりが感じられます。特に車の誕生ストーリーを追うシリーズ物は、強く記憶に残っています。私も車の魅力をとことん追求し、貴社のように深く表現できるクリエイターになりたいと思い、入社を夢見るようになりました。

私はこれまでYouTube向けの動画を制作してきました。映像制作の基礎は独学で学び、オンライン講座などを活用し、より知識を深めてきました。貴社に入社したら、制作の腕を上げ、ストーリー物の広告など長編にも挑戦したいと思います。同時に車の魅力を深く探求することで、広告の表現を深めていきたいです。(350字以内)

ハウスエージェンシーのクリエイターは、一つの会社に特化できる分、深い表現を追求できます。「より良い物」「より効果的な作品」をつくれる環境にあります。商品の魅力をとことん追求できる点を志望理由に挙げるのは、クリエイターにとって順当です。良い志望動機ではあるものの、多くの志願者が似た内容を書くことも想定しなければなりません。

差別化のポイントは、つくりたいもの、成し遂げたい目標をいかに明確にできるかです。ここでは「長編のストーリー物に挑戦したい」と目標を掲げています。業務で実際に達成し得る内容を挙げると、高評価を得やすいでしょう。

事務職(広告業界全体に適応)

例文

経理の知識を活かし、事務職として広告制作を支えたいと思い貴社を志望しました。

貴社の広告と出会ったのは、愛読している『〇〇』の誌面です。イラストレーターの優れた絵と、詩情豊かなキャッチコピーが、毎回心に残りました。制作しているのが貴社だと分かり、憧れを持つようになりました。私にできることで貴社の運営を支え、素晴らしい広告を作り続けてほしいと考え、事務職での入社を希望するようになりました。

私は大学で経営学を学んでいます。日商簿記2級も取得し、就職準備を進めているところです。貴社に入社できたら、経理を中心に業務にあたりたいです。また広告のスケジュール管理や校正にも携われるようであれば、進んで仕事を覚えます。(350字以内)

事務職はどの業界にも存在します。そのため、「広告業界でなければならない理由」「当該企業を選ぶ理由」が勝負の分かれ道です。いかに説得力のある内容を書けるかが問われます。この例文のように、制作物のファンであることを示すのは、最も効果的な方法だと言えるでしょう。

企業によっては事務職がスケジュール管理や校正などを担うこともあります。「経理しかやらない」「人事しかやらない」と狭めるよりは、求められる仕事に応じる姿勢を示した方が、良い評価を得られます。

未経験だからこそ注意!広告業界の志望動機での留意点

曖昧な夢を語らずやりたいことを具体化する

広告業界の志望動機で特に注意したいのが、ビジョンの具体化です。曖昧な夢を書くと、「かっこいい」「面白そう」といったイメージだけで受験していると思われます。業界研究すらできていない人だと認識されるでしょう。

ありがちなのが、「人の役に立つ広告を作りたい」「広告でWebの世界を変えたい」など、理想を掲げることです。企業のホームページでは、しばしばこのような記述が見受けられます。企業は事業を通して社会を変革する立場です。事業を遂行することで人の役に立つのも、Webの世界を変えるのも、おかしくはありません。

理想を掲げるのは、あくまでも会社です。社員に求められるのは、その理想の実現に何をするかです。具体的な目標を立て、ビジョンを掲げるべきです。

当該企業でしか実現できない強みを明確に

志望先を当該企業に絞った理由を、具体的に説明しているかも確認しましょう。書き上がった志望動機を見直し、「本当に当該企業でなければできないことか」を自問します。他社に流用できそうな志望動機だと感じたら、もう一度検討し直しましょう。

ポイントは、当該企業の強みを明確に掴むことです。企業研究の結果を踏まえ、差別ポイントを書き出しておくと良いでしょう。ホームページやパンフレットで明確に打ち出している特色はもちろん、社風も大きな要素です。社風が自分にぴったりなら、当該企業を選ぶ明確な理由になります。

広告業界を深く知り高倍率に負けない志望動機を作ろう!

人気の広告業界で内定を勝ち取るには、業界研究・企業研究が必須です。曖昧な夢を抱いている人は、広告業界のビジネスモデルや展望を知り、具体的な目標を持つことから始めましょう。目標を持てれば、その実現に適した会社を選べるようになります。ネームバリューではなく、あなたの目的に適った会社を選ぶことが大切です。

目標と会社の強みが一致することで、強い志望動機が仕上がります。高倍率でも恐れることはありません。

人気がある業界だからこそ、しっかりと自分の軸を持つことが大切です。自分を見つめ、強い意志で就活を勝ち抜きましょう。

ガクチカの締め方は2パターン!効果的な書き方と例文を解説

就活のESや面接で必ず問われる「ガクチカ」。テーマやエピソードは決まったものの、最後をどう締めくくるべきか迷っている方は多いのではないでしょうか。ガクチカは締め方によって、企業への印象を大きく左右します。

本記事では、ガクチカの締め方のパターンや意識するポイントに焦点を当て、自信を持って企業にアピールできるガクチカを作成するためのヒントを詳しく解説します。さらに、記事後半では例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ガクチカの締め方は2つのパターンがある

ガクチカの締め方①その経験から得た学びを書く

ガクチカの締め方の1つ目のパターンは、文章の終わりで、その経験から得た学びや成長を強調するという書き方です。例えば、「私はこの経験から、◯◯ということを学びました」というような書き方で締めくくります。

その経験がどのように自分自身を変え、成長させたのかを明確に示すことで、ガクチカの内容がより効果的に演出できます。ただ経験したことを伝えるのではなく、そこから何を学んだのかを伝えることを意識して作成しましょう。

ガクチカの締め方②入社後にその経験をどう活かすのかを書く

2つ目のパターンは、入社後、学生時代に力を入れていた経験をどのように活かすのかについて具体的に書きます。例えば、「この経験を活かし、貴社でも◯◯の業務で貢献したいと考えています。」というような書き方で締めくくります。

自身の経験がどのような点で会社に貢献できるのかを示しましょう。そうすることで、仕事に対して意欲的であることや企業への志望度をアピールすることができます。

企業がガクチカで見ているポイント

論理的な思考ができるか

課題に対してどのような取り組みをどのような理由で行ったのかという点からは、論理的な思考力や分析力を読み取ることができます。これらは社会人として必須の能力であるため、多くの企業はそれがどの程度備わった人材かを知りたいと考えています。

そのため、曖昧であったり、根拠に乏しい理由が書かれていると、それだけで能力不足であると判断されかねません。

経験から学びを得ているか

ガクチカを経て学んだことは、必ずしも企業の業務と一致するわけではありません。しかし、企業が知りたいのは「どんな知識や能力を身に着けたか」ではなく、「どんな姿勢で物事に取り組む人か」という点です。

ガクチカの内容が事業と関係なくとも、取り組みやその結果に対する姿勢は、入社後の仕事に対する姿勢に通じるものがあります。企業はそこから就活生がどのように働いてくれる人材かを判断しています。

コミュニケーション能力があるか

ガクチカのほとんどは、複数の人間との関わりが必要となるテーマです。課題解決のための取り組みに他の人との協力や協調がみられない就活生は、「独善的」「協調性がない」と判断される可能性があります。

仕事の場では、個人の能力だけでなく他者と適切なコミュニケーションが取れるかどうかが重要です。取り組みの内容が素晴らしく、能力の高さがうかがえるものだとしても、コミュニケーション能力に欠けている人材は敬遠される傾向にあります。

そのため、取り組み自体は成功を収めていなかったとしても、その過程で話し合いや意見の出し合いなどを十分にしたことが伝われば、高い評価を得ることができるでしょう。

自社に合った人柄か

人柄や考え方に良し悪しはありませんが、社風によっては人柄がその企業に合わない場合もあります。ガクチカの書き方によって印象を多少変えることもできますが、基本的にはありのままの人柄をアピールすることが重要です。

性格の合わない人と働くことは、職場にいる人にとっても、新しく入社する人にとっても負担となります。選考の場だけ取り繕ってその後に無理をするよりも、自分には合わなかったのだと気持ちを切り替えて、次の企業に挑戦することをおすすめします。

評価されるガクチカの書き方と締め方

①学生時代に力を入れたこと

ガクチカの冒頭は、学生時代に力を入れて取り組んだことを明確に記載します。「私が学生時代に力を入れていたことは、◯◯です。」「私は、◯◯の活動に力を入れて取り組みました。」という文章で書き始めます。

ここは、ガクチカのテーマとなる部分です。例えば、サークル活動やゼミ、アルバイト活動などが挙げられます。最初に何を取り組んだのか結論を伝えることで、読み手が文章の方向性を理解しやすくなります。

②その活動に興味を持った理由や背景

取り組んだことを伝えた後は、その活動になぜ興味を持ったのか、理由や行動に移すに至った背景について説明します。例えば、サークル活動やゼミをテーマとするのであれば入ったきっかけを伝え、趣味をテーマとするのであれば、その趣味をなぜ始めたのかを伝えます。

興味を持ったきっかけを伝えることで、人間性価値観などをアピールすることができます。また、努力をし続けられた理由を記載するのも良いです。頑張って取り組めたことを伝えることで、どのようなことをモチベーションにするのかを理解してもらえます。

③その活動における目標や課題

力を入れて取り組んだ活動において設定した具体的な目標や、達成するために直面した課題について述べます。例えば、期限や技術的な困難、チーム内の意見の不一致などが挙げられます。

読み手が同じような経験をしたことがない場合でも、具体的な目標や課題を伝えることで、当時の状況をイメージしやすくなります。また、読み手に対してどのように粘り強く取り組んできたのか、努力の過程を理解してもらうことができるでしょう。

④目標達成や課題解決のために起こした行動

目標や課題に対する戦略やアプローチ、具体的な行動、実行したタスクやプロジェクトについて述べます。例えば、目標達成のために設定したタイムラインやスケジュール、役割分担の方法、必要な資源の確保などの戦略などを明確に示します。

また、困難に直面した際の対処法や柔軟な判断、他者との協力やコミュニケーションについて触れるのも良いです。起こした行動を説明することで、主体性課題解決能力チームワークスキルなどをアピールすることができます。

⑤起こした行動によって得られた成果

実際の行動によってどのような成果をもたらしたのかを具体的に述べます。例えば、プロジェクトの成功や目標の達成、課題の解決、チームメンバーとの協力関係の構築など、様々な面での成果を挙げましょう。

ガクチカは、あくまでもどのようなことに対して力を入れて取り組んでいたのかをアピールする項目です。そのため、成果の大小が問われているわけではありません。努力の過程がしっかり伝われば、企業から高い評価が得られます。

⑥取り組みを通して成長できたこと

ここからは、ガクチカの「締め」の部分に入っていきます。この部分では、どのような点で自分が成長できたのかを具体的に述べます。

例えば、新たなスキルや知識の獲得、問題解決能力やリーダーシップの向上、困難に対する柔軟な対応力やチームワークスキルの向上などが挙げられます。さらに、取り組んだ活動を通じて築いたコミュニケーションスキルや対人関係の構築なども挙げることができます。

学生時代に力を入れて取り組んだことで、何を学びどのような部分が成長できたのかを洗い出してみましょう。

⑦志望企業や職種での活かし方

経験から得た学びや成長できたことと、志望企業や職種での活かし方を結びつけることで、より好印象を与えることができます。例えば、リーダーシップ能力が向上したのであれば、志望企業でチームを率いてプロジェクトを成功に導くことができると述べることができます。

また、コミュニケーションスキルが向上した場合は、その企業やクライアントとの関係構築に貢献できると説明します。志望企業や職種に応じて、自身の成長と貢献を具体的に説明することが大切です。これにより、自分の経験が企業のニーズとマッチし、価値ある貢献が期待できることが伝わります。

ガクチカの締め方の参考に!テーマ別の例文5選

例文①サークル活動

例文

私は学生時代、「自然愛好家」のサークルに所属し、積極的に自然保護活動に参加しました。定期的な清掃や植林活動に加え、地元の小学校やコミュニティセンターと協力して自然環境に関する啓発イベントを企画しました。しかし、時にはメンバー間での意見の対立や意思統一の困難がありました。そこで私は、サークル内でリーダーシップを発揮し、活動の計画や運営に積極的に関わり、メンバーのモチベーションを高めるためのミーディングやワークショップを開催しました。これらの経験を通じて、リーダーシップやチームワーク、計画力を身につけるとともに、地域社会への貢献や持続可能な未来への取り組みの重要性を理解しました。貴社の業務においても、身につけたリーダーシップやチームワークのスキルを活かし、プロジェクトの推進やチームの効率的な運営に貢献していきたいと考えています。(400字以内)

ここでは、サークル活動をテーマにしたガクチカの例文を挙げています。サークル活動に注力していたという方は多いでしょう。最後の締めの文は、志望企業での業務でどのような貢献をしていきたいのかについて言及しています。サークル活動で得た経験や学びをまとめ、それが自己成長やキャリア形成にどのように貢献したかを簡潔に述べましょう。最後に、今後の展望や目標を述べるとガクチカを適切に締めくくることができます。

例文②ゼミ

例文

私が学生時代に力を入れて取り組んだことは、経済学のゼミに積極的に参加し、研究活動に没頭したことです。私が経済学のゼミに参加した理由は、将来のキャリアに関連する専門知識を習得するためでした。経済学は、社会やビジネスの仕組みを理解するための基盤であり、私はその分野に興味を持っていました。ディスカッションや研究発表への積極的な参加を通じて、経済理論やデータ分析手法を習得しました。また、チームでの共同研究を通じて、チームワークやコミュニケーションスキルも向上しました。入社後も培ったチームワークやコミュニケーションスキルを活用し、チームの効率的な運営やプロジェクトの推進に貢献したいと考えています。さらに、経済学の専門知識や研究経験を活かし、市場動向の分析や競合調査にも貢献し、貴社の更なる成長や競争力強化に寄与したいと考えています。(400字以内)

ここでは、ゼミでの活動をテーマにしたガクチカの例文を挙げています。サークル活動と同じでゼミの活動は、様々なジャンルがあるため簡単にどのような活動に参加していたのかを言及すると良いでしょう。締め方としては、ゼミで学んだことを今後のキャリアにどのように活かしていきたいのかを述べます。自分の目標や志向に沿って、ゼミで得た知識やスキルをどのように活用していきたいのかを示しましょう。

例文③アルバイト

例文

私が学生時代に力を入れて取り組んだことは、カフェでのアルバイト経験です。私は大学時代、地元のカフェでバリスタとして働いていました。カフェでの仕事は忙しくて大変な時もありましたが、そのなかで様々な経験を積むことができました。例えば、コーヒーの淹れ方やメニューの知識を身につけるだけでなく、接客やコミュニケーションスキルも向上しました。お客様との円滑なコミュニケーションを通じて、サービス業における顧客満足度の重要性を学びました。最も重要なことは、責任感や時間管理の重要性を学んだことです。アルバイトと学業の両立は容易ではありませんでしたが、しっかりと仕事をこなすことで、自己管理能力を向上させることができました。私は、このような経験を通じて培ったスキルと価値観を活かし、貴社の更なる成長や顧客満足度の向上に貢献していきたいと考えています。(400字以内)

ここでは、アルバイト経験をテーマにしたガクチカの例文を挙げています。サークル活動やゼミだけでなく、アルバイト経験もガクチカのテーマとして選択する方が多いです。全体の締め方としては、アルバイト経験で得た成果や学びをまとめ、将来のキャリアや人生にどのように活かしていきたいのかを述べます。志望企業や業界の特徴や事業内容などに合わせて、ガクチカの内容を考えるとより高い評価が得られます。

例文④趣味

例文

私が学生時代に力を入れて取り組んだことは、趣味であるバンド活動です。しかし、バンド活動ではメンバーとの意見の相違やスケジュール調整など、チーム内でのコミュニケーションの調整が難しい時がありました。また、個々の技術や表現力の向上には時間と努力が必要でした。これらの課題を解決するために、私は定期的なミーティングの開催を呼びかけ、メンバー間の意見のすり合わせやスケジュール調整を図りました。また、個々の技術向上のために、楽器の練習や音楽レッスンを継続的に行い、メンバーとコミュニケーションを取りながら成長し続けることに注力しました。私は、このような経験を通じて、耐久力や集中力といったスキルを身につけることができました。入社後も、継続的な努力と集中力を持って、あらゆるプロジェクトにおける作業に最後まで貢献し続けることを心がけたいと考えています。(400字以内)

ここでは、趣味をテーマにしたガクチカの例文を挙げています。趣味もガクチカのテーマとして選択することができます。具体的にどのような趣味に取り組んでいたのかを簡潔に述べることで、読み手がイメージしやすくなります。締め方としては、趣味を通して得た経験や成果を振り返り、それが自己成長にどのように貢献したのかをまとめます。楽しかったことだけでなく、趣味で経験した困難や課題についても言及することで、大変だったことやそれに向けてどう努力したのか伝えることができます。

例文⑤留学

例文

私は大学時代に海外留学プロジェクトに参加し、異文化の中で学び、成長する機会を得ました。私が留学プロジェクトに参加した理由は、社会人になるまでに海外経験を積み、世界で活躍できる人材になることを目標にしていたからです。留学中は、言葉の壁や文化の違いに直面しました。私は、まず言語の壁を乗り越えるために、現地の言語学校での授業や言語交換プログラムに積極的に参加しました。また、文化の違いに対する理解を深めるために、地元の祭りや伝統行事に参加し、日常生活における習慣を学びました。これらの取り組みにより、徐々に言語の理解と表現力が高まり、たくさんの友人ができました。このような経験を通じて、柔軟性や忍耐力が身につき、自信の向上に繋がりました。それらは、私の将来のキャリアにも活かされ、国際的な視野や対人スキルを活かした貢献をすることができると考えています。(400字以内)

ここでは、留学をテーマにしたガクチカの例文を挙げています。大学時代に留学を経験した方も多いでしょう。なぜ留学プロジェクトに参加しようと思ったのか、どのような困難や課題が合ったのか、それに対してどう努力をしたのかを述べます。そうすることで、留学に対する思いやどのぐらい大変な経験をしたのかが伝わりやすくなります。締め方としては、留学経験で得た学びやスキルを、将来どのように活かしていきたいのかを述べます。自己目標や将来のキャリア、社会への貢献を示しましょう。

ガクチカの締め方で意識するポイント

エピソードと締めの内容に一貫性を持たせる

ガクチカを作成する際は、エピソードと締めの内容に一貫性を持たせることを意識しましょう。エピソードで述べた経験や成長を締めの内容に結びつけることで、読み手により深い印象を与えることができます。

例えば、エピソードでリーダーシップ能力の向上について述べた場合、締めの部分ではそのリーダーシップ能力が志望企業や職種で、どのように活かせるのかを具体的に示します。このように、エピソードと締めの内容が一貫していることで、企業に自分の成長や経験の意義をより明確にアピールすることができます。

熱意や意欲を強調する

ガクチカの締めの部分では、自分の熱意や意欲を強調することが大切です。志望企業や職種に対する自分の熱意を明確に示すことで、志望度や強い意志を伝えることができます。

また、将来のキャリア目標に対する意欲を具体的に示し、そのためにどのような努力をし続けるのかという意志を示すことも重要です。締めの部分で熱意や意欲を強調することで、信念や情熱が伝わり、好印象を与えることができます。

再現性のある学びやビジョンを伝える

ガクチカの締め方としては、学びや入社後の活かし方を伝えますが、再現性があるということが大事なポイントです。再現性とは、同じ条件や状況下において何度でも同様の結果を生じることができる性質を指します。

社会人になると、信頼性や品質を保ち、効果的に組織を運営するためなどあらゆる理由で、再現性が求められます。再現性のある学びやビジョンを伝えることは、自分の経験や学びが信頼性があり、将来においても有益であるということを示すことに繋がります。

ポジティブな言葉で締めくくる

ガクチカの締めくくりの部分では、ポジティブな言葉を用いて結論を述べるようにしましょう。自分の学びや経験を振り返りながら、将来への希望や自信を示すことで、読み手に印象を残します。

課題や困難に直面した経験でも、そこから得た学びや成長をポジティブな視点でアピールしましょう。また、志望企業や職種への熱意や貢献意欲を表現し、明るい未来への展望を示します。

ポジティブな言葉で締めくくることで、企業に自身のポジティブなエネルギーや自信を伝えることができます。

締め方を意識して魅力的なガクチカを作成しよう

高い評価を受ける、魅力的なガクチカを作成するためには適切な締め方が重要です。全体の主要なポイントをまとめ、今後の目標や計画などを述べることで、印象に残るガクチカが作成できます。

経験から得た学びや入社後にどう活かすのか貢献していきたいと考えているのかを意識して締めくくることで、志望企業に対して自分の意思や志望度といった気持ちが伝わりやすくなります。ガクチカの締め方が分からないという方は、今回の内容を参考にしてガクチカを作成してみてください。

ESで強みをアピールする書き方を解説!ジャンル別の例文付き

ESでよく聞かれる「強み(長所)」と「自己PR」の違いとは

ESでよく聞かれる「自己PR」「あなたの強み(長所)は何ですか?」という質問には明確な違いはありません。どちらも企業に向けて、仕事に活かせる自身の強みをアピールする文章です。そのため、両者はほとんど同じものと考えても、特に問題はありません。

しかし、ESでどちらの質問も聞かれるという場合もあるでしょう。そのような場合には、それぞれで異なる強みをアピールできると良いでしょう。このとき、「コミュニケーション能力の高さ」と「協調性があること」などのように、重なる部分がある強みを書くことは避けた方が好ましいです。

明確に異なる強みを述べることで、あなたが多様な能力を身に付けていることをアピールできるでしょう。

ESの強みから企業が見ているポイント

仕事で活かせるスキルを持っているか

応募者の強みについて聞いているということは、もちろん仕事に活かせるスキルを有しているかということを第一に確認していることでしょう。専門的なスキルが必要な職種の場合、企業はまず仕事に活かせる専門的なスキルを持っているかということを知りたがります。

仕事に活かせる専門的なスキルを有している場合には、そちらを優先してアピールすることをおすすめします。例えば、プログラマー職に応募する場合には、高度なプログラミングスキルを積極的にアピールするというようなことです。

専門的なスキルを持っていないという場合でも、アピールする強みは仕事で活かせるものにしましょう。例えば、チームで取り組む仕事であれば、人付き合いが重要となります。

そのため、専門的なスキルではないコミュニケーション能力も大いに歓迎されることでしょう。

応募者の人柄と社風のマッチ度

強みをアピールする際、それが活かされた具体的なエピソードや入社後の活かし方を語ることがセオリーとなっています。

そこからは応募者の人柄物事に取り組む姿勢を汲み取ることができます。企業にはそれぞれ社風があり、人柄と社風のマッチ度が高ければ、先輩社員とも上手に付き合っていけるでしょう。

反対に、マッチ度が低ければ、会社に上手く馴染めず、先輩社員も応募者も気持ちよく働けなくなってしまいます。このことは、折角時間とコストを掛けて採用した社員が早期に辞職してしまうことにも繋がります。

そのため、企業にとって応募者の人柄が自社のカラーに合っているかを確かめることは非常に重要なことであり、強みも大事な判断材料となるでしょう。

自己理解ができているかどうか

自分の強みについて詳細に語るためには、自己分析・理解が欠かせません。しっかりと自己理解ができている応募者のアピール文は、より正確で信頼に値する情報であると言えるでしょう。正確である程に、その情報は適性の判断にもより有効であるということになります。

先述の通り、企業は社風と応募者の人柄の適性を重要視します。そのため、企業は強みを聞く際に、応募者がしっかりと自己理解をできているかということにも着目しているでしょう。

ESで強みを伝えるときの構成

結論

ESで強みを伝える際、まずは「私の強みは○○です」という結論から文章を始めましょう。これは「これから○○についての話を展開します」という宣言の代わりとなります。

最初に話の軸が分かることで、読み進めていく際にもどこに着目すべきかが分かりやすく、内容をすんなりと理解しやすくなります。

強みに限らず、ESで読み手に分かりやすい文章を書きたいという場合には、結論から始めるようにすることをおすすめします。

強みを発揮したエピソード

持っている強みが何かを伝えられたら、次はその根拠を述べましょう。なぜなら、本当にその強みを持っているということに読み手に納得してもらわなければいけないためです。

実際に強みを発揮したエピソードを具体的に伝えて、強みの裏付けをしましょう。この際、強みを活かした過程を段階を踏んだ構成で伝えることをおすすめします。

いつどんな「課題」に遭遇したか、それに強みをもってどう「対処」し、どのような「結果」となったのかというようなものです。内容が整理されて理解しやすくなり、また話の具体性も高めやすくなるでしょう。

入社後に強みをどのように活かすか

最後に、持っている強みを入社後にどのように活かすかを述べて、文章を締めましょう。意気込みを述べて入社意欲を示すだけでなく、強みが仕事で確かに活かせるものであるということのアピールを行うことができます。

また仕事への強みの活かし方が分かることで、企業側は応募者が実際に働くイメージを抱きやすくなります。自社に貢献してくれそうだと思える人材は、高く評価してもらえるでしょう。

おすすめの強み一覧

  • 協調性
  • 計画性
  • 思いやり
  • 気配り
  • コミュニケーション能力
  • 課題解決力
  • 行動力
  • 継続力
  • 忍耐力
  • 観察力
  • 傾聴力
  • 臨機応変な対応力
  • 向上心
  • 好奇心
  • チャレンジ精神
  • 責任感
  • 真面目さ
  • リーダーシップ

上記は、ESに書く上でおすすめの強みの一覧です。いずれも幅広い職種で活かしやすいものであるため、多くの企業で有効なアピールとして用いることができるでしょう。

ただし、これらのような汎用性の高い強みをアピールする場合でも、必ず応募先に歓迎される強みであるかということの確認を怠らないようにしましょう。

より良いアピールのためには、企業が特に求める人物像がどのようなものかを理解し、それに合わせたアピールをすることが重要です。

ESで「強み」を伝える例文

行動力

例文

大学時代は持ち前の行動力を活かして途上国の教育支援活動に取り組みました。きっかけはボランティア団体主催の講演会で途上国の教育問題を知ったことです。そこで、自分たちにできることを模索し、仲間と協力して現地の子供たちに学習教材を届けるプロジェクトを立ち上げました。
新品の教材を用意する資金的な余裕がなかったため、古本屋を回ったり、企業や団体に寄付を依頼したりして必要な教材を集め、仲間と分担して現地の学校に届けました。現地滞在中は子供たちと一緒に勉強したり、遊んだりしました。言葉は通じなくても笑顔で接することで心を通わせることができ、活動を通して教育が子供たちの未来を大きく左右することを実感しました。
貴社に入社後はこの行動力を活かし、積極的に新しいことに挑戦し、社会に貢献したいと考えております。(350字以内)

自分達でゼロからプロジェクトを立ち上げ、資金が限られる中で知恵を絞り、教材を確保して海外の学校まで届けるというエピソードからは相当な行動力が伝わります。

困難に直面した時、それを乗り越える方法を自ら考えて実行する力は社会に出てからも役立つ能力です。プロジェクトを通して教育の重要性を実感した、という具体的な気付きに触れている点も評価できます。

ただし応募職種とプロジェクトとの関連性がわかりません。プロジェクトでの学びや経験をどう仕事で活かすのかも説明しましょう。

協調性(コミュニケーション能力)

例文

私の強みは協調性です。大学の国際交流サークルのイベントで伝統的な料理をテーマにしたブースを設けることになった際、文化や価値観が異なるメンバーが集まっていたため、どの国の料理を取り上げるべきかで意見が対立しました。

私は妥協点を探るため、まずは各国の食文化をそれぞれが紹介し合うことを提案しました。どの国の料理も「家庭料理」という共通点があることがわかり、最終的に各国の家庭料理を紹介するブースにするという全員が納得できる内容にまとめることができました。この経験から、異なる意見を尊重し、積極的にコミュニケーションを取ることで、より良い結果を生み出すことができることを学びました。
貴社に入社後は、この経験を活かし、多様な価値観を持つ人々と協力しながらチーム全体の目標達成に貢献したいと考えております。(350字以内)

立場や価値観の異なる人同士が集まって働いている会社の中では、意見が衝突してまとまらないことは少なくありません。そのような場面ではそれぞれの意見を尊重し、落とし所を探る必要が出てきます。

学生時代に多国籍のメンバーが集まるサークルで協調性や調整力を磨いた経験は、社会に出てからも役に立つはずです。具体的にどのような業務で協調性が活かせるかもアピールできるとよいでしょう。

計画性

例文

私の強みは計画性です。大学時代にアルバイトをしていたカフェは人手不足で、週末は特に混雑していました。そこでスムーズな商品提供を目標にオペレーション改善に取り組みました。

過去の売上データとスタッフのシフト状況を分析し、人員配置の最適化を店長に提案。混雑する時間帯は経験豊富なスタッフを配置し、新人はベテランとペアを組めるようにしてもらいました。また、前日のうちに仕込みの8割を終わらせるようにし、テイクアウト用のメニューを増やすなど臨機応変な対応も行いました。その結果、提供時間が短縮され、顧客満足度も向上して売上も前年比10%増加しました。

この経験から、目標達成には計画性が不可欠であることを学びました。貴社に入社後はこの経験を活かして業務オペレーションの改善に取り組み、業務の効率化に貢献したいと考えています。(400字以内)

計画性という強みがしっかりとアルバイトでの経験を通して裏付けられています。人手不足による混雑という課題に対し、人員配置の最適化と仕込みの充実によって提供時間の短縮や顧客満足度・売上の向上という具体的な成果を出すことができており、計画性だけでなく問題発見能力や課題解決能力の高さも伝わってきます。

入社意欲を伝えるために、この会社を選んだ理由をもう少し詳しく説明するとよいでしょう。

粘り強さ(継続力)

例文

私の強みは粘り強さです。大学時代は英語力を向上させるため、毎日2時間以上の英語学習を継続しました。単語帳や参考書を使った学習だけでなく、映画や音楽、ニュースなど、様々な英語コンテンツに触れるようにしました。また、週に2回、大学の英会話カフェに参加し、ネイティブスピーカーと会話練習を行いました。

最初は思うように話せず何度も挫折しそうになりました。しかし、諦めずに努力を続け、徐々に英語力が向上していくことを実感しました。留学経験はありませんが、継続的な努力によって、TOEICスコアを600点から900点台まで上げることができました。

この経験から、目標達成には継続が必要であることを学びました。
貴社に入社後は、この強みを活かして、困難な課題にも粘り強く取り組み、目標達成に貢献したいと考えております。(350字以内)

挫折しそうになりながらも諦めずに毎日努力を続け、TOEICのスコアを600点から900点台まで向上させたという具体的な成果を示すことで粘り強さを証明しているエピソードです。

日常的な学習方法が例を挙げて説明されており、英語力向上という目標達成のために必要なアクションを逆算して実行できている点から、計画性も読み取ることができます。

英語学習に力を入れた背景や、入社後に実現したいことにも触れて、自信の強みと関連性を持たせられるとよりよいアピールになります。

好奇心

例文

私の強みは物事の本質や仕組みを知りたいという好奇心の強さです。子供の頃から植物に興味があり、大学では植物学を専攻し、研究室に所属して植物の光合成メカニズムを研究しました。自宅でも様々な種類の植物を育てる過程で、光合成の仕組みをより深く理解することができ、研究に役立てることができました。

さらに学んだ知識を多くの人に伝えたいという思いから「園芸学部生が教える植物栽培の豆知識」というInstagramアカウントを開設しました。日々の研究で得た自分なりの発見を分かりやすいイラストや写真を使って発信したところ、多くの人の共感を呼び、フォロワー数は1万人を超えました。

貴社に入社後はこの好奇心と向上心を活かして新しいことを常に学び続けながら、花や野菜の品種改良に貢献していきたいと考えております。(350字以内)

好奇心は仕事に活かすのが少々難しい強みではありますが、この例文では子供の頃からの植物への興味が大学での専攻、そして応募職種にまでつながっており、一貫性があります。プライベートでも植物の栽培に勤しみ、研究に役立てているところから勉強熱心な姿勢も読み取れます。

自分の知識を外部に発信して1万人ものフォロワーを獲得していることからは研究一筋ではなく、さまざまな能力を備えていることが伺え、入社後も幅広い分野で活躍してくれることが期待できる例文といえるでしょう。

チャレンジ精神

例文

私の強みは、困難なことでも諦めずに挑戦し続けるチャレンジ精神です。学生時代は人前で話すことが苦手でした。しかし、将来は商品企画の仕事に就きたく、業務の一環でプレゼンテーションの機会も多いことから人前で話すことへの苦手意識を克服する必要がありました。

そこで、プレゼンの多い授業やゼミ、学外のスピーチコンテストなどに積極的に挑戦しました。最初は緊張で声が震え、うまく話せませんでした。しかし、何度も練習を重ね、話の構成や発声方法を工夫しました。徐々に人前で話すことに慣れ、自信もつけることができました。これらの経験を通して、どんな苦手なことでも、努力すれば克服できることを学びました。

貴社に入社できた際には、このチャレンジ精神とプレゼン能力を活かして、商品開発に貢献していきたいと考えております。(350字以内)

単にチャレンジ精神があると主張するだけでは説得力に欠けます。具体的なエピソードを用いてどんな困難に直面し、それをどう乗り越えたのかを説明することがポイントです。

この例文では人前に立つことへの苦手意識を克服するためにチャレンジしたことが複数例示されています。結果として人前でも自信を持って話せるようになるという目標を達成できており、将来の夢を実現させるために今の自分に欠けているものを分析する能力計画性も読み取れるところが評価点です。

問題解決能力

例文

大学では陸上部のキャプテンとして問題解決能力を磨きました。私が所属していた長距離部門は、選手の記録の伸び悩みという課題を抱えていました。

私はキャプテンに就任した当初、練習メニューを見直し、個々の選手に合わせた指導を行うことにしました。大学のトレーニング施設にある測定機器を活用し、選手のフォームや体力を詳細に分析しました。分析結果に基づき、個々の課題克服のためのトレーニングメニューを作成し、指導を行いました。また、外部コーチを招いて講習会を開催するなど、選手強化に力を入れました。

その結果、昨年はインカレ出場者がゼロだったところ、その年は5名がインカレに出場し、2名が入賞を果たすことができました。

貴社に入社後は、この問題解決能力を活かして、事業部の売上アップに貢献していきたいと考えております。(350字以内)

問題を解決するためには、現状分析、原因の特定、解決策の立案、実行といったプロセスが必要です。

この例文では練習メニューの見直しから測定機器を利用した分析、分析結果に基づいたトレーニングメニューの作成と、きちんとそれら一連のプロセスが踏まれていることがわかります。外部コーチを招いた講習会を開催するなど、リーダーシップもアピールできています。

事業内容と自身の能力をどのように結びつけるか、入社後どのように貢献したいかも明確に示されている理想的な自己PRといえるでしょう。

ESで強みを書くときのポイント

一文は短くわかりやすく伝える

文章を構成する一文一文は、可能な限り短くしましょう。一つ一つの文が冗長だと、要点を掴むことに時間が掛かり、読みにくく、理解しにくい文章になってしまいます。

一文を短くする方法は大きく分けて2つあります。

1つは無駄を省き、簡潔な表現でまとめるという方法です。必要性の高い情報だけで文を形作ることで、内容をすんなりと理解しやすくなります。もう1つは、意味が通じる範囲で長い文章を区切るというものです。

以下は長い一文を二つに分割した例です。

学生時代には野球部に所属していましたが、大会では一度も勝てたことが無く、その状況を打破するために、練習メニューの見直しを行いました。

学生時代には野球部に所属していましたが、大会で一度も勝てたことがありませんでした。

そこで、この状況を打破するために、練習メニューの見直しを行いました。

短い区切りごとに文章の内容を整理しながら読むことができるようになるため、要点を把握しやすくなります。

ESの文章を書く際には、一文を短くするということを意識することをおすすめします。

強みとエピソードが一致しているか確認する

先述の通り、強みをアピールする際には、その根拠となるエピソードを伝えることがセオリーとなっています。この際、エピソードが本当に強みと関連しているかということをしっかりと確認しましょう。

強みとエピソードがずれているエピソードの例は以下の通りです。

例文

私の強みは高いコミュニケーション能力を持っていることです。この強みは学生時代の飲食店でのアルバイトで磨きました。

ホールスタッフとして働いていたのですが、新商品が発売された際にはお客様に「今月のおすすめの〇〇はいかがですか?」と積極的に声掛けを行いました。

この結果、新商品の売り上げは好調で、店長にも「〇〇さんの声掛けのおかげで助かっている」と嬉しい声をいただくことができました。

貴社に入社後もこの強みを活かして、業務に貢献していきます。

上記の例文では、「コミュニケーション能力」をアピールするはずが、自ら声掛けをしているだけでお客様とコミュニケーションをとっている様子が伝わりません。

またこの文章から「コミュニケーション能力」が強みであることが伝わらず、何を伝えたいのかわからない文章になってしまっています。

このように伝えたい強みとエピソードにズレが生じていると、強みの裏付けが出来ず、説得力の無い文章になってしまいます。文章を書き終えたときには、強みとエピソードの内容が一致しているかをしっかりと確認しましょう。

仕事で活かせるものを選ぶ

いかに優れた強みであっても、仕事との関連性が低ければ、企業には歓迎されないでしょう。そのため、強みをアピールする際には、応募先での仕事で活かせるものを選ぶ必要があります。

アピールに適切な強みを選ぶためには、企業研究をして応募先への理解を深めることが不可欠です。企業の公式サイトや就活情報サイトから、求める人物像や社風を知り、企業に魅力的に思ってもらえる強みを見つけましょう。

採用担当者の目を惹く強みの書き方

修飾語を用いて強みを印象付ける

ESで強みを伝えるとき、「私の強みは○○です」と結論から始めることが一般的とされています。

このとき、「私の強みは粘り強さです」というように、単純な表現を用いると、個性が無く、採用担当者の印象に残りにくいでしょう。「私の強みは困難にぶつかっても諦めない粘り強さです」というように強みを修飾する表現を加えることで、他者との差別化がなされ、より印象的に伝えることができます。

また強みの具体性が高まり、どのように活かせるかをイメージしてもらいやすくなるでしょう。ただし、修飾語があまり冗長にならないように、注意する必要があります。サッと読んだだけで、すぐに理解できる表現を用いることを心掛けましょう。

エピソードに第三者の評価や数字を添える

強みの裏付けとして、それが活かされたエピソードを語る際、可能であれば、第三者からの評価や数字を混ぜてみましょう。

強みに対する客観的な評価が加わることで、話の信憑性が高まり、その強みが第三者から見ても確かなものであることをアピールできます。

第三者からの評価や数字を添えた例は以下の通りです。

第三者からの評価を添えた例
  • 店長から「○○さんがお客様に明るく接してくれるから、店内の雰囲気も明るくなっている」と言われました
  • サッカー部の後輩から「○○さんの丁寧な指導のお陰で、シュートの成功率が上がった」と言われました
数字を添えた例
  • テニス部の都大会で3位を獲得しました
  • TOEICテストの点数が200点上昇しました

ESと履歴書の両方で「強み」を求められたときはどうする?

ESと履歴書の両方で強みについてのアピール文を求められたとき、取るべき方法は大きく分けて2つあります。

1つ目は、多くの文字数を書ける方の書類に、より詳細な文章を書くという方法です。つまり、両方で同じ内容について書きつつ、上限となる文字数の違いによって、深掘りの具合に差を付けるというものです。

2つ目は、それぞれの書類で全く異なる内容を書くという方法です。余裕がある場合には、こちらの方法を取ることをおすすめします。

アピールできる内容が増えるだけでなく、採用担当者には多彩な能力を身に付けていることを印象付けられるでしょう。

自分の強みや長所が見つからないときの対処法

自己分析ツールを使う

強みが見つけられない場合には、自己分析ツールを使用することをおすすめします。自己分析ツールは大手の就活情報サイトなど、複数のサービスで提供されています。サービスへの会員登録が必要な場合があるものの、基本的にはWeb上で無料で利用することが可能です。

形式としては、回答者自身に関する短い質問に「当てはまる」から「当てはまらない」までの複数の段階が用意された選択肢を選んで答えていくものが多いです。質問数が多い場合が基本ですが、簡単に答えられる質問で構成されているため、数分で回答し終えられるものが多いでしょう。

回答結果を基に回答者の分析がなされ、導き出された性格強み・弱みなどがフィードバックされます。ただし、分析ツールは回答者の詳細なデータを基に分析を行うものではありません。

また回答は回答者の主観的な評価により行われます。そのため、結果は真に受け過ぎず、あくまで参考にする程度に留めておきましょう。

しかし、簡単に短時間で自己分析を行えるため、強みを探したいときには、まず利用してみると良いでしょう。

家族や友人に自分の強みを聞く

強みが見つからない場合には、家族や友人など、あなたをよく知る人物に自身の強みが何かを聞いてみると良いでしょう。あなたが気付いていない強みを見つけられるかもしれません。

またそのときに、それが強みだと考えた根拠を聞くことで、あなたの強みが表れたエピソードも一緒に見つけられるでしょう。見つけられた強みは、客観的に評価されているものであるため、確かな強みと言えるでしょう。

異なる視点からの評価を得やすいため、家族、友人、学校の先生、アルバイト先の先輩など、様々な立場の人に強みを聞いてみることをおすすめします。

弱みを強みに言い換える

自分が弱みだと思っていたものが、ある場面では強みとして発揮できるものだった、ということもあるかもしれません。そのため、強みが見つからない場合には、弱みを強みに言い換えることができないか試してみましょう。

言い換えで強みを見つけられたら、それが本当に自身の持つ強みなのか、具体的なエピソードを伴って説明できるかを必ず検証しましょう。

弱みを強みに置き換えた例は、以下の通りです。

弱み強み
頑固芯が強い、他者に流されない
暗い穏やか、落ち着きがある
心配性慎重
神経質几帳面、丁寧
お節介世話焼き、思いやりがある

このように弱みから考えると、短所・長所の両方を見つけることができます。また長所・短所に一貫性を持たせることができるので、弱みをあらゆる角度から見直してみるのもおすすめです。

自分の強みを理解してESを効果的に仕上げよう

強みとしてアピールできる能力は数多くありますが、その中から志望企業に合ったものを選び、内容を考える必要があります。特に、仕事で活かせる強みは積極的にアピールしましょう。

また、強みを説明する上では具体的なエピソードが欠かせません。これまでの経験を振り返り、説得力の高いエピソードを深掘りすることで、より良いESに仕上がります。

こちらの記事で紹介したポイントや例文を参考に、選考を有利に進められるESを作成しましょう。

エントリーシートでゼミの活動内容を効果的にアピールするコツ【例文あり】

ESでは自己PRや志望動機とは別に、「ゼミの活動内容」を書く必要があります。ゼミは学生時代に興味・関心のあった分野を明確に表すため、企業はそこから就活生の個性を知りたいと考えています。

企業の意図を理解して内容を書き進めなければ、効果的なアピールは見込めません。そこで、この記事ではESにゼミの活動内容を書く際のポイントを例文付きで解説します。ゼミに入っていない場合に書くことについても取り上げていますので、ぜひ参考にしてください。

ESでゼミでの活動内容について聞かれる理由

学生の興味・関心について知りたい

ゼミの学習や研究の内容は場所によって様々です。学生は自分の興味・関心に応じて所属したいところを自ら選び、志願する場合が多いでしょう。

希望したゼミに必ず入れる訳ではありませんが、その場合でも配属先でどのような研究テーマを選んだのかという点には興味・関心が影響するはずです。

つまり、エントリーシート(ES)でゼミについての質問を聞くことで、企業側は応募者の興味・関心について知ることができます。

興味・関心は人柄や仕事のモチベーションにも関連するため、知りたがる企業が多い事柄です。

ゼミの場合、研究の内容が仕事に直接関連するという応募者も少なくないため、そこでの活動について聞かれることが多いのでしょう。

物事に取り組む姿勢を知りたい

学部卒の学生であれば基本的には1年ほど、大学院卒の学生であればもっと長い年月を研究に費やします。

そのため、企業側はゼミでの活動について知ることで、長期的な活動に取り組む姿勢についても知ることができます。

これらは仕事にどのような姿勢で取り組んでくれそうかということを判断するための有用な材料になります。

企業側は採用に多大な時間とコストを掛けているため、内定を出した応募者にはなるべく長く働き続けて欲しいと考えるものです。

それ故に、応募者が長期間の仕事でも真面目に、熱心に取り組むことができそうかという点を重視しているでしょう。

入社後に活かせる知識・スキルを知りたい

ゼミでは専門性の高い研究をするため、それが仕事と強く関連を持っている場合があります。企業や職種によっては、入社前の段階で応募者に一定の専門的な知識・スキルを求めることもあるでしょう。

そのため、ESでゼミでの経験について聞くことで、企業側は仕事に活かせる専門的な知識・スキルをどれほど有しているかということを確認できます。応募者からしても、自身の知識・スキルをアピールできる絶好の機会と言えるでしょう。

専門的なもの以外にも、ゼミでの経験からは活動に対する自主性の高さ、研究には付き物である課題への取り組み方や解決力論理的思考力などが伝わります。

いずれも多くの仕事で求められる能力であるため、研究と仕事に直接の関連性が無くても、ゼミでの経験は注目されやすいのです。

ゼミ活動をわかりやすく伝えるESの書き方

ゼミや研究テーマの概要と選んだ理由

まずは何を専攻とするゼミに所属し、どのような研究テーマに取り組んだのかという概要を簡潔に述べましょう。そこから専攻のイメージができる場合には、研究テーマだけを説明しても構いません。

また、研究テーマには専門用語が入っていることが多くありますが、それが読み手に伝わるとは限らないため、簡単な表現に言い換えるなど、誰に対しても分かりやすくなるように工夫することが大切です。

次に、そのテーマを選んだ理由を簡潔に説明しましょう。研究の分野に対して、魅力的に感じたことや気になったこと、解決したかった課題などがあるはずです。

なんとなく選んだのではなく、きちんとした理由があってそこを選んだという、ゼミ活動に対して意欲的である姿勢を見せられると良いでしょう。

具体的な取り組み

研究テーマに関して簡潔に伝えることが出来たら、具体的な研究の取り組みを説明しましょう。

採用担当者はゼミでの経験から、主に物事に取り組む姿勢や人柄、スキルを知りたいと考えています。

そのため、ただ取り組みについて伝えるのではなく、取り組みの中で直面した課題、そして課題にどう対処したかということを軸に話を広げられるとより好ましいでしょう。

採用担当者の知りたいことが色濃く表れるこの部分が、最もアピールに有効な場面であると言えるため、時間をかけて推敲することをおすすめします。

経験から得られたものを入社後どう活かすか

ゼミでの経験について具体的に述べられたら、そこで得られたものについて述べましょう。何らかの学びを得たり、伸ばすことができたスキルがあるはずです。

企業は仕事を通してスキルアップし、将来的に会社により大きく貢献してくれる人材を求めています。

得たものを示すということは、経験を通してしっかりと成長していける人材であるというアピールをすることに繋がります。

可能であれば最後に得られたものを入社後にどう活かすかを示し、文章を締めましょう。

ゼミ経験に関する記入欄は、応募者のアピール欄の一つでもあります。そのため、最後までアピールが重要となります。

得たものを仕事で活かすことができるならば、企業にとって書き手はより魅力的な存在に思えるでしょう。

ESでゼミを伝えるときのポイント

専門用語は使わない

ゼミでは専門分野を扱う関係上、活動について専門用語を用いて説明したくなることもあるでしょう。しかし、ESは読み手が疑問に感じたことをその場で書き手に確認するということはできません。

そのため、どのような人が読み手になったとしても理解してもらえるように内容を書かなければいけません。

専門用語を使わずに別の分かりやすい表現に置換するようにしましょう。

専門用語を用いた方が内容を書きやすいという場合には、簡単な説明を添えるようにすると良いでしょう。

例えば、「採用選考応募者の人柄やスキルを知るための質問用紙であるエントリーシート」というようなイメージです。

分かりやすく書くということはゼミに関する質問に限らず、ES全体を書くうえで意識しましょう。

内容は簡潔にする

ESにおける文章での回答は、基本的には数百文字を要します。すなわち、冗長だと読みにくく、内容を掴みにくい文章になってしまいやすいです。

そのため、内容は簡潔にし、何を伝えたいのかという要点が明確に分かる文章にすることが好ましいです。

簡潔で分かりやすい文章を書く方法として、「PREP法」というものがあります。

これは以下のような展開で文章を構成していくものです。

①Point(結論):「私の長所は○○です」のような最も伝えたい要点

②Reason(理由):①の結論に至った理由

③Example(具体例):①と②について納得させる具体的な事例

④Point(結論 / まとめ):①の要点の表現を変えた再提示

構成が非常にシンプルであるため、話の流れを掴みやすく、要点が分かりやすいというメリットがあります。

自己PRや志望動機など、ESや面接への回答で幅広く応用できるため、おすすめの方法です。

企業が求める人物像を意識する

ESでゼミ経験を書く際のアピール内容、及びそれを裏付ける具体例は企業が求める人物像に合わせることで魅力がより伝わるでしょう。

例えば、「活発で何事にも積極的な人材」を求める企業に「黙々と作業を続けられる」という強みはあまり響かないかもしれません。

そのため、より良いアピールのためには企業研究をしっかりと行い、どのような人材が求められているかを把握しておく必要があります。

企業側は公式サイトや求人サイトで「求める人物像」を明確に提示している場合があります。

そうでない場合には、社員インタビューなどを読んで社風や実際に働く人の人柄を掴むことで求める人物像を推測することができます。

ESのゼミでの活動内容の例文

100字以内の場合①

例文

ジャーナリズム論のゼミに所属し「ソーシャルメディアにおける情報の拡散と信頼性」について研究しました。情報源が多様化する中、情報の真偽を見極め、信頼できる情報を発信することの意義と重要性を考察しました。(100字以内)

ゼミ活動に関する設問の文字数制限が100字以内と少ないこともあります。テーマ選定の理由や詳しい研究内容までを記載することはできないため、構成としては例文のように、ゼミの専攻や研究テーマを短く述べ、研究内容を大まかに説明する程度で問題ありません。

詳細は面接で深掘りされる可能性が高いため、取り組みの内容や得た学びやスキルに関して、具体的に話せるように準備をしておくことをおすすめします。

100字以内の場合②

例文

地域社会における観光資源の活用をテーマに研究しました。地元企業や自治体との連携を通じて具体的な提案を行い、観光促進策の実現可能性を探求しました。(100字以内)

この例文では端的に研究テーマの説明を行い、取り組みについても具体的に述べられています。取り組み内容が手広いことから、研究への積極性がうかがえる点が印象的です。

①の例文と同様に、100字以内に収める場合はゼミの概要と取り組みの簡単なまとめだけを伝えれば問題ありません。

200字以内の場合①

例文

私は犯罪心理学ゼミで犯罪率減少のための社会的な取り組みについて考察しました。重大事件の加害者は幼少期に置かれた社会環境が劣悪であった場合が多いと知り、犯罪心理学に興味を持ったからです。統計分析やアンケート調査の結果、地域コミュニティが活発な地域では少年犯罪発生率が低い傾向がありました。このことから犯罪は個人の問題だけでなく社会全体の問題であり、青少年を見守る社会気運の情勢が必要であると感じました。(200字以内)

文字数制限が200字以内の文章は依然としてコンパクトですが、100字以内の文章と比べて記載できる内容は増えています。この場合、例文のように、研究テーマを選んだ理由、活動経験から得た学びに関する記載を入れると良いでしょう。

選んだ研究テーマから、企業は応募者の興味・関心人柄を読み取ろうとします。文字数に余裕があればゼミでの活動を通して自分が学んだこと成長したこともあわせてアピールしましょう。

200字以内の場合②

例文

ゼミでは食品ロス削減をテーマに研究しました。飲食店や消費者へのアンケート調査を通じて、食品ロスの主な原因を分析し、具体的な削減案を提案しました。提案の一つであるメニュー最適化のアイデアは、協力いただいた飲食店で実験的に導入され、廃棄量の減少という成果を得られました。この活動を通して、多様な視点を踏まえた課題解決の重要性と、現場との連携の大切さを実感しました。(200字以内)

この例文では食品ロスについての研究をアピールしており、特に食品や飲食系の業界で効果的な内容となっています。100字以内の場合よりも多くの内容を盛り込めるため、学びを書くことで活かせている点は高評価を得やすいでしょう。

300字以内の場合①

例文

私は人間環境学部のゼミで都市部にありながら豊かな自然環境を維持する街づくりについて研究しました。環境問題が深刻化する中、人と自然が共生できる社会を実現することは喫緊の課題となっているからです。研究ではドイツのフライブルク市の事例から、市民参加型の都市計画の在り方や、公共交通機関の充実、再生可能エネルギーの導入の方法などを考察しました。
研究を通して、人と自然が共生する街づくりには、行政、市民の意識、企業の活動が三位一体となって推進することが重要であると学びました。この研究で培った分析力、問題解決能力、そして人と自然を繋ぐ情熱を活かして、貴社でサステナブルな社会の実現に貢献したいと考えております。(300字以内)

300字になると、研究テーマ、そのテーマを選んだ理由、研究内容、研究で得た学び、それをどう仕事で活かすか、という企業側が知りたいであろう情報を一通り説明する余地があります。研究内容は200字の時よりも少し厚めに記述してOKです。

この例文では理想の社会を実現するために何が必要なのかを研究を通して自分なりに考察できているほか、研究内容と応募企業で実現したいことに関連性があり、企業側に自社との適性をアピールできています。

300字以内の場合②

例文

ゼミでは、地方都市の過疎化対策をテーマに研究しました。特に若者の移住促進に注目し、地域資源を活用した起業支援策の提案を行いました。現地調査では、自治体職員や住民へのヒアリングを通じて、若者が抱える課題を具体的に把握しました。また、他地域の成功事例を分析し、それをもとに独自の移住支援プログラムを設計しました。提案内容の一部は自治体の広報活動に採用され、若者向けのイベント企画にも反映されました。さらに、提案実現に向けた自治体との定期的な会議を通じて、課題解決に必要な合意形成や調整力を学ぶことができました。この経験から、現地の声を反映した解決策を立案する力を養いました。(300字以内)

この例文はテーマや取り組みの説明から、成果と学びを述べられています。①と比べて、企業でどのように活かすかという部分が入れられていませんが、その代わりに取り組み内容をさらに具体化させている部分がポイントです。

企業の業務と関連性があるなど、特に内容を厚くしたい箇所がある場合には、この例文のように優先度の低い項目を省くことも検討しましょう。

400字以内の場合①

例文

現代社会において共働き家庭の増加や核家族化により、親子間のコミュニケーション不足が深刻化しています。そこで私は理工学部のゼミで、遊びを通して親子のコミュニケーションを促進するゲームについて研究・開発しました。

ゲーム開発にあたり、親子へのアンケート調査やインタビューを行い、ニーズを分析しました。開発段階では、実際に親子を対象としたテストプレイを行い、子供の反応や親子の会話内容を詳細に観察しました。また、心理学の専門家やゲームデザイナーと意見交換を重ね、子どもたちの興味関心を高め、親子の共感を生み出すゲームデザインを追求しました。試作品を製作し、親子を対象としたテストを実施した結果、ゲームを通して親子の会話が活発になり、互いの理解が深まったという評価を得ました。

この研究で培った、ユーザーのニーズを分析し、創造的なソリューションを開発する能力は、貴社の事業開発においても活かせると考えております。(400字)

文字数制限が400字以内ともなると、アピール文としての機能を十分に果たせるようになります。具体的な活動内容や研究を通して得たものをしっかりと説明し、それがどう仕事に役立つのか企業にアピールすることを意識しましょう。

また文章が長くなるため、読みやすくするために構成にはより気を遣う必要があります。

構成は「ゼミや研究テーマの概要」と「選んだ理由」から始め、「研究内容」を具体的に述べ、「得たもの」についての話で締めるのが好ましいでしょう。

400字以内の場合②

例文

ゼミでは、環境問題と持続可能な社会の実現に向けた研究を行いました。特に企業の環境への影響を最小限に抑えるための経済的インセンティブを中心に探求しました。企業活動が環境に与える負荷を軽減するために、企業のコスト削減と環境保護を両立させる施策を提案することを目指しました。まず、企業が行う環境負荷の調査を実施し、温室効果ガスの排出量やエネルギー消費量を数値化しました。その上で、環境に優しい技術の導入やエネルギー効率化のための投資に対する経済的インセンティブについて分析し、具体的な施策を提案しました。最終的には、環境対策と経済的利益が両立する企業戦略を提案し、実際に一部の企業に対して提案を行うことができました。この研究を通じて、持続可能な社会づくりに貢献するための実践的な知識と課題解決能力を養うことができました。(400字以内)

この例文では研究の目的と取り組みを重点的に説明しており、深い研究の成果が感じられる内容となっています。

一方で、企業でどのように活かしていくかという部分を少しでも取り入れることができると、より充実した内容になるでしょう。

ゼミに入っていない場合は何を書けばいい?

ゼミに入っていない理由を書く

ゼミへの所属が必須ではないなどの理由から、ゼミ活動の経験が無く、質問に答えられないという人もいるでしょう。その場合は、記入欄を空欄にはせず、まずはゼミに入っていない理由について書きましょう。

このとき、「興味のあるゼミが無かったから」などネガティブな内容を書くと、消極的な学生に見られ、採用担当者にマイナスの印象を与えてしまうでしょう。

そのため、できるだけ「長期インターンや留学と重なったから」などポジティブな内容を書くことをおすすめします。

ゼミの代わりに取り組んだことを書く

ゼミに入っていない理由を書いたら、それに代わる学生時代の取り組みについて伝えましょう。

企業側がESでゼミについて聞くのは、「応募者の学生時代での取り組みや得た学び」を知りたいということが大きな理由です。

この「企業側がゼミに関する質問で知りたがっていること」を意識し、それに応えられる内容を代わりに書けると良いでしょう。

ゼミの代わりに書ける取り組みの例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 部活動
  • サークル活動
  • 長期インターン
  • 留学
  • 課外活動
  • 資格勉強
  • アルバイト

ゼミの経験が無い場合には、上記を参考に、より良いアピールができる題材を選んでみてください。

ESに書くゼミ経験を効果的なアピールにしよう

ESで求められる「ゼミの活動内容」は、そのゼミのことを知りたいのではなく、そのゼミを選び、取り組みをした就活生の性格や能力を知るために設けられているものです。

そのため、ただゼミの概要を書くのではなく、そのゼミを選んだ目的や得た学びを述べることで、企業に自身のことを効果的にアピールできます。

この記事で紹介した書き方や例文を参考に、より関心を持ってもらいやすいゼミ経験を書けるように心がけましょう。

【例文あり】ESの学業で取り組んだ内容を魅力的にアピールするコツ

ESで「学業で取り組んだ内容」を企業が聞く理由

自社の専門性に合うかを確かめるため

大学や専門学校などにおいて学生が得られる知識やスキルは学科によって異なります。

そのため、企業はエントリーシート(ES)で「学業で取り組んだ内容」を聞くことで、応募者が学び、身に付けてきたものが自社の求めるスキルと合致しているのかを判断します。

特に、入社時点で一定の知識やスキルを要求する企業は、このような自社の専門性との合致度を重視するでしょう。

そのような企業に向けてESを書く際は、企業が要求する条件を満たしていることをアピールできる内容に仕上げることがより重要になります。

成長できる人材かを知るため

企業は経験を通して成長していける人材を求めています。

そのため、「学業で取り組んだ内容」から応募者が学生生活の中でどのように成長してきたかということを知ろうとしています。

ただ経験を積み重ねるのではなく、学びを見つけ、その後の糧にできる力はスキルアップにおいて非常に大切だからです。成長した人材は、その分だけ企業へのより大きな貢献が期待できる存在になります。

そのため、成長性が期待でき、将来的に自社に貢献してくれそうだと思える人材は企業にとって魅力的に映ります。

性格や人となりを知るため

「学業で取り組んだ内容」からは、応募者の性格人となりに関する様々なことを知ることができます。

例えば、物事に取り組む姿勢、どの程度努力を積み重ねられるか、モチベーションとなるやりがいや興味、価値観などです。

これらは応募者がどのように活躍してくれそうか人柄が社風とマッチするかという企業にとって重要な要素を判断するために非常に有用な情報となります。

ESを書く際には、企業の社風や求める人物像を調べ、それらとマッチしていることをアピールできると良いでしょう。

「学業で取り組んだ内容」の企業の評価ポイント

わかりやすく簡潔な内容になっているか

様々な人と関わり合い、協力していく社会人にとって、コミュニケーション能力は非常に重要なスキルです。他者と口頭で会話することもあれば、メールなどのテキストでやりとりをすることもあるでしょう。

そのため、「学業で取り組んだ内容」に限らず、ESでは基礎的な文章構成能力分かりやすく伝える力が備わっているかという点が企業によって査定されます。

例えば、一般的でない専門用語をそのまま用いた文章や冗長な文章は内容が掴みづらく、低く評価されてしまうでしょう。

反対に、専門用語を分かりやすく言い換えていたり簡潔にまとまっている文章はスラスラと読みやすく、好印象を与えることができます。

簡潔で理解しやすい文章が書けていれば、基礎的な能力に問題は無いと判断されるでしょう。

ESを書く際には、誰が読んでも理解しやすい内容にすることを意識することが大切です。

応募者の性格が企業とマッチしているか

先述の通り、企業が「学業で取り組んだ内容」について聞くのは、応募者の性格や人となりを知るという側面が大きいです。

そのため、文章に表れている応募者の性格が社風とマッチしていると判断されれば、その企業にとって魅力的な人材だと評価されるでしょう。

自身の性格に社風や求める人物像とマッチしている部分があれば、それが表れているエピソードを文章の題材にすることで、より良いアピールが可能です。

課題解決力や目標達成に向かう姿勢

「学業で取り組んだ内容」では、取り組みの過程を述べることになります。その過程には、目標達成のためのアプローチの仕方や姿勢、課題解決力が表れます。

企業はこの過程から「粘り強く頑張る姿勢」「創意工夫する力」などを見出し、評価します。

過程で得た情報は、入社後にどのように働いてくれそうかとイメージする材料になります。

そのため、企業の仕事の内容や進め方に適した特徴が見出されることがあれば、高く評価されるでしょう。

「学業で取り組んだ内容」の例文

ゼミ

例文

私はゼミで「高齢化が進む地域の買い物難民対策プロジェクト」の研究に力を入れました。住民アンケートで生活で不便な点を尋ねたところ「日々の買い物の移動手段がなくて困っている」との回答が多かったため、週1回の移動販売の導入を提案しました。

資金調達や仕入れ先確保の問題は、地元の食品会社や農協、福祉団体などに協賛を依頼。販売場所は地域の集会所や公民館を活用し、地元の食品会社や農協から商品を卸してもらうことで地域活性化にも貢献できるようにしました。また、人員は地域住民からボランティアを募ったほか、福祉団体とも連携して継続的に確保できる体制を整えました。

この経験を通し、課題解決能力や実行力が身につきました。貴社においても、周囲を巻き込みながら世の中の課題解決に向けて貢献していきたいと考えております。(350字以内)

ゼミ活動では文献調査やフィールドワーク、データ分析、議論などを通して論理的思考力問題解決能力を養うことができます。これらの能力は、多くの企業で求められているため、アピールポイントになります。

また、研究テーマには個人の興味・関心が強く反映されるものです。どのような事柄に問題意識を抱えているのかを具体的に示すことは、企業に自分の価値観を知ってもらう機会ともなります。

留学

例文

大学3年時にイギリスの〇〇大学へ1年間留学しました。留学前は英語に自信がなく、不安もありましたが、積極的に現地の学生と交流し、英語力向上に努めました。

現地の学生とグループワークやディスカッションを行う中で、異なる文化や価値観を持つ人々と協力することの重要性を学び、コミュニケーション能力や協調性を向上させることができました。また、現地の課題や社会問題について議論する機会があり、自分の視野を広げ、多様性を受け入れる柔軟性を養うことができました。

貴社はグローバルな事業展開をしており、多様な価値観を持つ人々が活躍する環境だと伺っています。この経験を活かし、異なる文化背景を持つ人々と協力しながら、海外プロジェクトで貢献したいと考えております。(350字以内)

自ら留学を決断し、計画・実行するには、主体性チャレンジ精神を備えている必要があります。これらは多くの企業が求める素質の一つです。

また、留学生活では慣れない環境や言葉の壁など、様々な困難に直面することになります。そうした困難を乗り越え、適応していく力は、企業で働く上で必要不可欠な能力といえます。

単なる活動報告で終わらないよう、留学で得た学びやスキルを明確にし、企業で活かせることもアピールしましょう。

学会

例文

大学では社会学を専攻し、「性の多様性を認める社会の実現」に向けた研究に力を入れました。特にLGBTQの人々への差別解消と社会包摂に焦点を当て、学生100名を対象に性的指向や性自認に関する意識調査を実施した結果、無知や偏見に基づく差別が依然として存在することが判明しました。

LGBTQ関係のイベントにも参加して当事者と積極的に交流し、生の声を聞くことで研究テーマへの理解を深めました。学会では調査によって明らかになった現状と社会包摂に向けての課題を発表し、大学の一般教養科目でダイバーシティ関連の講義を増やすことを提案しました。

また、発表練習を通してプレゼンテーションの手法を学び、研究者としての論理的思考力だけでなく、コミュニケーション能力も磨くことができました。(350字以内)

学会発表は自身の研究成果を他の研究者や専門家に発表する場です。限られた時間の中で論理的に研究内容を説明する必要があるため、学会発表経験があることは論理的思考力やプレゼンテーション能力が高いことをアピールするチャンスです。

この例文では「大学の一般教養科目でダイバーシティ関連の講義の充実を提案」という研究の具体的な成果が示されているほか、プレゼンスキルコミュニケーションスキルを身につけたことなど、学会参加経験を通して得られた学びもしっかりとアピールできています。

学内コンテスト

例文

大学時代、経営学部主催のビジネスプランコンテストにチームで参加し、3位入賞を果たしました。「地方創生」をテーマに過疎化に悩む地域を活性化するため、空き家を活用した宿泊施設とワーケーションスペースの複合施設を提案しました。

市場調査、収益計画、運営体制など、実現可能性を重視した計画を練り、プレゼンテーションでは、具体的な参考事例を挙げながら写真やイラストを豊富に用いた資料を作成して視覚的にも訴えるよう工夫しました。

この経験を通して、企画力、プレゼンテーション技術、チームワークの重要性を学びました。貴社では、新規事業の立ち上げに積極的に取り組んでいると伺っています。コンテストで培った企画力とプレゼンテーション技術を活かし、独創的なアイデアを形にし、貴社の事業拡大に貢献したいと考えております。(350字以内)

学内コンテストに挑戦した経験は、目標達成に向けて意欲的に努力できる人材であることをアピールするのに効果的です。さらに入賞経験がある場合、独自性創造性のアピールにもつながります。

この例文では3位入賞という具体的な成果が示されている点や、アイデアの実現可能性を重視してきちんと計画を練っているところが評価ポイントです。学生時代からプレゼンの経験を積んでいる人は多くないため、他の学生と差別化できる内容に仕上がっています。

「学業で取り組んだ内容」の書き方

結論から書き始める

「学業で取り組んだ内容」を書くときには、「ゼミで○○を学んでいました」というように、まずは結論から始めましょう。

最初に「何に取り組んだのか」を簡潔に示すことで、その後の展開で何に関する話を進めていくのかということが読み手に伝わります。

そのため、読み手が内容を理解しながらスラスラと読み進めていくことができます。

ESでは理解しやすいということが非常に重要であるため、内容のわかりやすい文章は好印象を与えられるでしょう。

エピソードを具体的に説明する

結論から始めた後は、学業で実際に取り組んだことについて具体的なエピソードを述べて説明しましょう。

学業で力を入れたことを述べる際、取り組みから得られた結果よりも過程が重要視されます。もちろん、結果が素晴らしいものであれば、その点も評価されるでしょう。

ここでの過程とは、どのような課題があり、その解決のためにどのように目標を立て、どのようなアプローチで対処したかというものです。

課題への取り組み方が具体的に伝えられると、企業に入社後の働きぶりをイメージしてもらえます。

求める人物像に合致した姿をイメージしてもらえると、魅力的な人材だと思ってもらえるでしょう。また課題解決力も評価してもらえるでしょう。

取り組みから得たものについて述べる

取り組みについて具体的に説明することができたら、続けて「取り組みから何を得たのか」を伝えましょう。

経験からスキルや学びを得られるということは、高い成長性を持っていることの証になります。企業は将来的にスキルアップして自社に貢献してくれる人材を求めています。

そのため、経験を通して確かに成長していけることをアピールできると、高く評価してもらえるでしょう。

そして最後に、「得たことを入社後にどう活かすか」を示しましょう。

得たスキルや学びは入社後に活かせるからこそ、企業にとって大きな価値が生まれ、より良いアピール材料になります。

「学業で取り組んだ内容」を書くときのコツ

企業が求める人物像に合わせてアピールする

ESで「学業で取り組んだ内容」を聞かれた際、それに関する話を通しての自己アピールを求められています。

しかし、アピールしている自己の特徴と企業の求める人物像とのマッチ度合いが低い場合、効果的なアピールにはなり得ないでしょう。

例えば、「念入りに計画を立ててから行動に移せる」ということは立派な長所です。しかし、「率先して行動を起こしていくアグレッシブな人材」を求める企業にアピールしても、魅力的に感じてもらいにくいでしょう。

そのため、「学業で取り組んだ内容」は求める人物像に合わせることが重要です。

数字を示して説得力を上げる

数字で表すことができるものがある場合には、積極的に数字で示しましょう。

例えば、「TOEICテストで高得点を取りました」という表現は抽象的であり、その凄さがいまいち伝わりにくいです。

それよりも、「TOEICテストで800点を取りました」と伝える方が具体的であり、より凄い結果を出したという印象を与えられるでしょう。

このように、取り組みの過程や結果などを述べる際には、数字を入れてアピールすることで話の説得力が大きく増します。

感情を混ぜる

「学業で取り組んだ内容」は企業にとって応募者の人柄を判断するための材料としても活用されます。

過程や結果を述べる際、そのときの感情を混ぜて伝えることで、エピソードや人柄をより印象的に伝えることができます。

例えば、「最初のプログラミング大会では入賞できなかったが、その後スキルを高め、次の大会では優勝できた」という内容は淡白な印象を受けるでしょう。

そこで、「最初のプログラミング大会では入賞できず悔しい思いをしたが、それをバネにスキルを高め、次の大会では優勝できた」というように感情を混ぜてみます。

すると、書き手のモチベーションの源泉努力のきっかけが、より分かりやすく印象的に伝えられる内容になりました。

このように、感情を上手に混ぜることで、より効果的なアピールに繋げることができます。

ただし、無闇に感情を混ぜて文章が冗長になってしまわないように注意しましょう。感情を混ぜることに何らかの効果や意味があるということが重要です。

効果的な「学業で取り組んだ内容」を書くために準備しておくこと

求める人物像を把握する

ESでは、「学業で取り組んだ内容」の項目も立派なアピール材料になります。効果的にアピールするためには、企業が求める人物像と自身がマッチしていることを伝えます。

そのため、まずは企業研究の一環として求める人物像を把握しましょう。求める人物像は企業の公式サイトなどでそのまま示されていることがあります。

また公式サイトなどに掲載されていない場合は、企業インタビューや企業の口コミサイトなどを参考にすることで推測することが可能です。

学業で取り組んだことを洗い出す

先述の通り、「学業で取り組んだ内容」で書く内容は、求める人物像にマッチしていることをよりアピールできるものにすることが好ましいです。

そのため、実際に書き始める前に学業で取り組んだことを洗い出してみましょう。

洗い出しの段階では、まだ文章として構成する必要は無いため、思い浮かんだ内容をどんどん書き起こしていきましょう。

洗い出しが終わったら、どれが企業へのアピールに効果的か、より良い文章にしやすいかという点を考慮して、実際に書く題材を決めましょう。

「学業で取り組んだ内容」をESに書く時に注意すること

伝える内容は1つに絞る

ESの各項目は文字数に制限が課せられていることが多いです。

そうでなくとも、あまりに長い文章は完読や全体への理解に時間が掛かってしまい、読み手に不親切です。

また複数の話を少ない文字数で展開しようとすると、一つ一つの話に割ける文字数が少なくなり、それぞれの内容が薄くなってしまいます。これでは効果的なアピールにはならないでしょう。

そのため、適切な文字数で具体性を持った話を書けるように、伝える内容は一つに絞りましょう。

専門用語をそのまま使わない

学業の話をする場合、ゼミ・研究室での研究に触れることもあるでしょう。その場合、専門的な話をする必要が出てくる場合もあります。

しかし、読み手が専門的な知識を持っているとは限りません。理解しにくい文章は悪印象に繋がるため、専門用語を文章中でそのまま使わないようにしましょう。

短く簡潔な説明を添えたり、分かりやすい表現に置き換えたりすることで、分かりやすく読み手に親切な文章になります。

一文は短く読みやすさを重視する

「学業で取り組んだ内容」に限らず、ESで長い文章を書く際には、なるべく一つ一つの文を短く書くことを意識しましょう。

伝えたい情報の区切りが明確になり、一つ一つの文の内容を着実に理解しながら読み進めやすくなります。

ただし、あくまで重要なのは文が読みやすい理解しやすいということです。

短く区切らない方が理解しやすい文になる場合もあるということを忘れないようにしましょう。

「学業で取り組んだ内容」がどうしても書けないときの対処法

企業が求めているスキルから内容を考える

何を書くべきか分からないときには、公式サイトなどで企業が公開している情報の中から、求めているスキルが何かを探してみましょう。

探し出したスキルの中から、自分が持っているものを見つけられたら、今度はそれをアピールできるエピソードを探します。

エピソードが見つかったら、いよいよ実際の執筆に移ります。ることができます。

企業の求める人物像に則した文章を書いていきやすいという利点もあるため、おすすめの対処法です。

内定者のESを参考にする

書くべき内容に悩んだ際の対処法として、内定者のESを参考にするという方法もあります。

どのような内容が企業に受けるのかを推測することができる点もメリットでしょう。

内定者のESは、選考参加者の口コミ体験記を集めた就活情報サイトなどで閲覧することができます。

ただし、ESを提出したい企業のESを読むことができるのは過去の内定者が情報を投稿していた場合のみです。

そうでない場合には、同じ業種の企業のESを参考にするのも良いでしょう。同じ業種の企業への内定者のESを見たい場合には、「OpenES」を活用するのもおすすめです。

OpenESは大手就活情報サイトを運営する「リクルート」が提供しているES作成・提出サービスです。

サービス利用者は内定者のESを閲覧することができます。

OpenESでは、「学業で取り組んだ内容」は「学業、ゼミ、研究室などで取り組んだ内容」という項目として存在しています。

「メーカー」などの業種と「人文系」などの学科系統で内定者を絞り込むことができ、望んだ条件のES閲覧も容易であるため、おすすめの対処法です。

ガクチカからヒントをもらう

どのような内容を書くのが適切か分からないという場合には、「学業」や「ゼミ」について書いてある「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」をヒントにするのも良いでしょう。

ガクチカは「学業で取り組んだ内容」よりも聞かれる頻度が高い質問です。

そのため、就活情報サイトなどを調べることで、よりたくさんの例文が見つかるはずです。

多くの文章に触れて、どのような内容がアピールに使えるかを知り、自身の経験の中で有用なものが無いか探してみましょう。

【例文あり】自己PRの書き出し方を解説!差別化するコツは?

自己PRの書き出しは、企業へ与える印象を大きく左右する要素の一つです。同時に自己PR本文の方向性を決めるものでもあるため、読み手の心を掴むような文面にする必要があります。しかし、「重要なものである」と意識すればするほど、どのような書き出しが適切なのか悩んでしまいがちです。

今回は魅力的な自己PRの書き出しにするためのコツ・注意点などを解説しています。例文を参考にしながら、担当者の目を惹く書き出しを考えてみましょう。

なぜ自己PRの書き出しが重要なのか?

自己PRの書き出しは、読み手の興味関心を刺激できるメリットがあります。「どのような自己PRが書かれているのだろう」と興味を持ってもらえれば、その後の文章をじっくり読んでもらえる可能性が高くなります。結果的に、他の志望者と差別化することも可能です。

また、書き出しがありきたり、意味が分かりにくいなどのマイナスポイントがあると、その後の文章の印象まで悪くなる恐れがあります。採用担当者は何枚もの履歴書やESなどに目を通すため、書き出し一つで印象に残りにくくなってしまいます。

そのため、書き出しはわかりやすく簡潔に、興味を持ってもらえるような文章を意識して作成することが大切です。

自己PRが重要視される理由

人柄を理解するため

自己PRには、志望者の考えや経験談などが細かく書かれているため、人柄を理解できるメリットがあります。採用担当者は、どのような人物なのか深く理解したうえで採用したいと思っています。

自己PRで人物像を具体的に伝えることで、担当者に企業で働くイメージをしてもらいやすくなり、結果として書類選考での判断材料になります。どのような文章にするかによって、採用担当者へ与える印象を左右するからこそ、魅力的な自己PRを書く必要があります。

入社後に貢献してくれる人物か見極める

人柄を理解するのと同時に、「入社後に貢献してくれる人物か」もチェックされています。やる気に満ち溢れていても、企業が求めているスキルに合致していなければミスマッチを招いてしまう恐れがあります。

企業は「せっかく自社で働くのであれば、長所・強みを活かして働いてほしい」と考えています。そのため、自己PRに書かれている長所・強み自社で発揮できるか、自社の発展に貢献できるかを見極めています。

自己PRの書き出しを考えるステップ

結論(長所・強み)から始める

書き出しは結論から書き、長所・強みを明確にアピールしましょう。結論から自己PRをスタートすると、考えが明確に伝わりやすいものです。また内容の方向性が定まるため、その後の文章も書きやすくなります。

結論である長所や強みなどが最初に書かれていないと、採用担当者は何をアピールしたいのかわからないまま文章を読み進めることになります。そのため、回りくどい印象を与えたり、自己PRポイントがどこなのか全く伝わらないまま読み終えてしまう可能性もあります。

結論から伝えるのは、読み手側への配慮でもあるということを意識しておくと良いでしょう。

分かりやすい文章を心がける

端的で分かりやすい文章を意識して書いていきます。回りくどい表現や適切ではない言葉遣いなどは、読み手にストレスを与えます。特に採用担当者は、他の志望者の書類にも目を通しているため、スムーズに読める文章を求めているものです。

分かりやすい文章にするためには、一文に対する情報量が多くなりすぎないよう意識してみてください。また、分かりにくい遠回しな表現も避けましょう。これらのポイントをおさえれば、端的に読み手へ意図を伝えられます。

文末は言い切る

書き出しの文は、必ず最後に言い切る形にしましょう。最初から「〇〇だと思います」や「〇〇だと自負しています」といった書き方で始めると、アピールポイントがインパクトに欠けてしまい、伝えたい内容がうまく伝わらなくなってしまいます。

「私の強みは〇〇であることです」のように、端的かつ断定する形で自己PRを始めることで、文章の読みやすさや自信の伝えやすさを向上させられます。

自己PRでの書き出しのコツと注意点

書き出しと矛盾しないようにする

書き出しと本文が矛盾していると、読み手は混乱してしまいます。結果的に何が自己PRなのかも曖昧になり、せっかくの強みをアピールできません。必ず本文を書き終えたら、書き出しと矛盾していないか確認しましょう。

たとえば書き出しで「表現力」が強みであると記載しているのに、本文で「資格取得に向けて勉強し、結果を出せるよう努力した」と書いてしまうと、目標達成力のアピールになってしまいます。

矛盾する場合は書き出しの内容に合わせて本文を書くか、もしくは本文の内容に合わせて書き出しを変更し、必ず一致する内容に仕上げましょう。

ネガティブな内容はNG

自己PRは、自分の強みや長所を採用担当者にアピールできる場です。ネガティブな内容はマイナスイメージを与え、強みや長所の印象が薄くなったり、伝わりづらくなったりします。

「人と接することは苦手ですが、一人でコツコツ作業をするのは得意です」のように、たとえ書き出し以降はポジティブな内容だったとしても、出だしのイメージは読み手に強く残ってしまいます。

せっかく自分の良さをアピールできる機会なので、ネガティブなことではなくポジティブなことから書き出しましょう。

箇条書きは使わない

箇条書きは使わず、自分の言葉で自己PRを伝えましょう。箇条書きは情報をまとめて記載するために有効な手段です。しかし自己PRでこの方法を使ってしまうと、ただ情報を羅列しただけに見えるため、採用担当者にマイナスイメージを与えてしまいます。

また、情報が羅列されているだけでは、読み手の印象に残りにくいです。アピールしたいポイントは一つに絞り、文章で的確に伝えるよう徹底しましょう。

説得力のあるエピソードを交えると効果的

強みの根拠となるエピソードがあれば、積極的に書き出しへ加えましょう。たとえばアルバイト先で売り上げナンバーワンになったエピソードなどがあれば、書き出しで簡潔に伝えるのが良いでしょう。

「私は学生時代のアルバイトで地域売り上げナンバーワンになった経験から、目標達成力が自身の強みだと考えます。」のように、エピソードが書き出しにあると読み手の印象に残りやすくなり、「その後は何が書いてあるのだろう」と興味を持ってもらえます。

他の志望者と差別化できるポイントにもなるので、エピソードがある場合は書き出しに記載するのがおすすめです。

誇張表現は避ける

自己PRは自分の良さをアピールするものですが、だからといって誇張表現をするのはNGです。あまりに誇張された内容だと、自己PRの内容が嘘になってしまいます。

どれだけ強みや長所をアピールしたくても、真実だけを的確に伝えることが大切です。誇張された内容が真実だと思われると、入社後にミスマッチが発生するリスクも高くなり、企業にとっても自分にとってもマイナスにしかならないため、注意が必要です。

企業の求めることを意識する

自己PRの内容は、応募する企業に合わせて言い回しや取り上げるエピソードを変えるのが基本です。その企業の社風や職場の雰囲気に合わないアピールポイントを前面に押し出しても、好印象は得られません。

例えば、金融系であれば「注意深さ」を、IT系であれば「粘り強さ」をアピールするなど、自分の性格や特徴を企業に合った言い回しで述べることが必要です。

もし、募集要項やホームページに「求める人物像」が記載されていれば、それを参考にして自己PRの内容を寄せることで好印象を期待できるでしょう。

自己PRの書き出し例

忍耐力を強みとする場合

例文

私は忍耐力を強みとしています。イギリスへ留学した経験がありますが、その際日本と海外では文化が違うことを知り、言葉の壁を乗り越えるため努力しました。

留学は学生時代の経験として差別化しやすいため、自己PRとして使いやすいポイントです。

しかし「海外では言葉の壁がある」という点は、誰にでも容易に想像できることのため、ありきたりな表現になりがちです。他の留学経験者が書かないような書き出しを意識すれば、自己PRの差別化ができるでしょう。

たとえば「私は道路で育つ野菜です」「石の上にも三年です」など、忍耐力を表すオリジナルのキャッチフレーズを加えると、読み手の興味関心を刺激できます。書き出し以降は留学先でどのように忍耐力を発揮したのかを書く流れを作れるため、自己PR全体の文章に統一感も与えられます。

柔軟性を強みとする場合

例文

私は柔軟性を強みとしており、カメレオンのような適応力があることを自負しています。飲食店で接客応対のアルバイトをしていましたが、そこではお客様の状況に合わせて柔軟に行動することを意識しました。

「カメレオンのような適応力」というオリジナルのキャッチフレーズを加え、個性的な書き出しになるよう工夫されています。柔軟性は「相手の状況に合わせて行動できる」というアピールにつながるため、企業に良い印象を与えられる強みでもあります。

より魅力的な書き出しにするには、具体的にどのようにバイトで行動したのかを書き加えるのがおすすめです。柔軟に行動するために何をしたのか書き出しに加えれば、その後は具体的な内容や結果などの説明につなげられます。

ポジティブさを強みとする場合

例文

私は失敗したときも前向きに考え、改善に向かって努力するポジティブ人間です。困難な状況でも落ち込まずに努力できるため、過酷な状況でも耐えられることを強みとしています。

「ポジティブ」「前向き」というワードはその人の気持ちを表す言葉のため、具体性がなく曖昧な書き出しになってしまいがちです。

そこで例文では、「失敗しても改善に向かって努力できる」「過酷な状況でも耐えられる」など、ポジティブさをイメージできるような内容が書かれています。

ポジティブさを強みとする場合、前向きに努力できることを強調するだけではなく、具体的にどのような取り組みができるのかも示しましょう。たとえば例文で「失敗したときも前向きになり」と書かれているため、改善に向かってどのようなことをしたのかも伝えるのが効果的です。

積極性を強みとする場合

例文

私の強みは積極性です。ボランティア活動でイベントを開催する際、メンバー内で意見が思うようにまとまらなかったときに、私が中心となって企画を作成しました。その結果イベントが成功し、地元のニュースでも取り上げられたことがあります。

積極性の強みとして、ボランティア活動での経験をアピールできています。書き出しの時点で、積極性が伝わるエピソードが簡単に書かれているため、何をアピールしたいのかが明確に伝わる例文です。

また、地元のニュースでも取り上げられたという結果も示すことができています。リーダーシップのある人材を求めている企業にとっては、良い印象を与える自己PRと言えるでしょう。その後の文章では、積極性があることを強調できるエピソードを深掘りすることで、説得力を持たせられます。

他の就活生と同じにならない書き出しにするためには?

キャッチフレーズを活用する

キャッチフレーズが書き出しにあると、読み手にインパクトを与えられます。また、キャッチフレーズは他の志望者の自己PRと差別化でき、印象に残りやすくなるメリットがあります。キャッチフレーズを積極的に活用すれば、ただ強み・長所を伝えるだけではなく、個性までアピールできるでしょう。

キャッチフレーズを考える際は、自身の強み・長所を別の言葉に言い換えます。たとえば吸収力があることを吸収性のあるスポンジに例えたり、縁の下の力持ちであることをサポーターであるバックダンサーという言葉で表現したりなどです。

あえてキャッチーなフレーズを付け加えることで、採用担当者の記憶に残りやすくできます。また、あえて「なぜそのキャッチフレーズなのだろう」と疑問を持たせるような言葉にするのも効果的です。

強みが明確になるよう意識する

アピールポイントとなる強みは明確に言葉にしましょう。強みが明確だと、内容の具体性が強調でき、文章全体が分かりやすくなります。

また、「なぜそれが自分の強みなのか」という理由も明確にしなくてはなりません。たとえば真面目であることを自己PRにする場合、説得力のある内容を具体的に書く必要があります。ただ「真面目に行動した」「周囲からも真面目だと言われた」と繰り返すだけでは、長所のアピールとしては弱い印象を与えます。

強みを発揮したエピソードや強みであることを裏付ける関連性のある内容紐づけて説得力を持たせることを意識しましょう。

数字・数値などの結果がある場合は記載する

数字・数値など、具体的に表せる結果を出している場合は、積極的に活用しましょう。具体性のある数字・数値は、自己PRに説得力を与えます。

たとえば、コミュニケーションスキルを磨くためにバイトで接客応対を頑張った結果、職場で評価された経験がある場合、「お客様に従業員の接客応対アンケートを取った結果1位を取ることができた」「丁寧な接客であると表彰され、バイトリーダーに昇格した」など、具体的に結果を記載すると強みがより明確になり効果的に伝えることができます。

自己PRの書き出しで印象が変わる

自己PRの書き出しをどのようにするかで、読み手に与える印象が大きく変わります。「どのような人物なのか」「何が書かれているのか」など、興味を持ってもらえる自己PRにするためには、まず書き出しを工夫しなくてはなりません。

他の志望者と同じ長所・強みだったとしても、全く異なる書き出しになるよう心掛けましょう。書き出しで差別化ができれば、採用担当者に強い印象を与えられます。キャッチフレーズを加える、数字・数値を記載するなどの工夫をして、自分だけのオリジナリティが溢れる書き出しを生み出してみてください。

ガクチカに留学経験を書く時のコツは?アピールポイントを解説【例文あり】

「留学経験をガクチカでアピールしたいけど、どのように伝えれば良いのだろうか」と悩む人も多いでしょう。留学は、企業に好印象を与えやすいテーマであり、ガクチカに選ぶライバルもたくさんいます。

そのため、何を伝えるべきなのか、どのような文章構成にするべきなのか、効果的なアピール方法を把握しておくことが大事です。

本記事では、ガクチカで留学経験を伝えるメリットアピールできるスキルより魅力的なガクチカを作成する書き方や構成について解説します。さらに、記事後半では期間や留学で身についたスキル別のガクチカ例文を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ガクチカで留学経験を伝えることは効果大!

留学のエピソードをガクチカで伝えることは、非常に効果的です。しかし、同企業を志望するライバルの中にも、ガクチカで留学経験を伝えたいと考える人がたくさんいます。

感染症対策のため、一時的に留学する学生は減少しました。しかし現在では、海外留学を希望する学生が増加しており、留学の経験をガクチカのテーマとする就活生は増えると想定されます。

そのため、志望企業により効果的にアピールするためには、他の就活生との差別化を図る必要があります。

企業がガクチカを知りたい理由

ライバルが多いと想定される留学に関するガクチカを作成する場合、企業がなぜガクチカを知りたいのかを把握することが大事です。

ガクチカは、「学生時代に力を入れて取り組んでいたこと」を指します。決して、大きな成果を伝えなければならないというわけではありません。物事に対して、どのように取り組み、どのようなことを学んだのかが重視されています。

ガクチカを通して、企業は何を確かめているのかを知ることで、より魅力的なガクチカを作成することができます。

人柄を知るため

企業がガクチカを知りたい理由の一つは、志望者の人柄を知るためです。学歴や成績などではアピールしづらい、性格や価値観をガクチカから読み取ることができます。

例えば、リーダーシップを発揮して物事を進めた経験がある人は、チームワークや問題解決能力が高いと考えられます。また、学生時代に積極的に取り組んでいた活動は、志望者の情熱や目標に対する姿勢を示す大事な指標となります。

企業はガクチカを通して、その人柄をより理解し、適切な人材を選びたいと考えているのです。

スキルや経験を確認するため

企業がガクチカを知りたい理由は、志望者のスキルや経験を確認するためでもあります。学生時代の活動や取り組みは、志望者が持つ特定のスキルや能力のアピールにもなります。

例えば、留学で身についた語学力行動力などの能力は、大きなアピール材料となります。また、ボランティア活動やインターンシップといった経験は、実践的なスキルや業界知識の有無を示す重要な要素です。

企業はガクチカから、志望者が持つスキルや経験を評価し、採用の判断材料とします。

企業とのマッチ度を確かめるため

志望者の学生時代の活動や経験は、その人の志向や興味を示す重要な判断基準となります。

例えば、留学を経験しているのであれば、グローバルな視野を持っており、海外へ向けたサービス展開や業務に対して高い関心があるとみなされます。また、企業が求める価値観や文化に合致するのかということもガクチカから窺える場合があります。

企業はガクチカを通じて、自社とのマッチ度をより正確に読み取り、採用後のミスマッチを防ぎたいと考えています。

ガクチカで留学経験をアピールするメリット

就活における一貫性を持たせることができる

ガクチカで留学経験をアピールすることは、就活における一貫性を持たせられるというメリットがあります。就活における一貫性とは、志望動機やキャリア目標について一貫したメッセージを伝えることです。

留学経験から海外展開する企業や業務に携わりたい気持ちが高まったのであれば、「留学中に経験した〇〇から、海外視点を持っている貴社を志望します。」というような志望動機が作成できます。

一貫性のあるESは、選考過程において信頼性や真剣さが伝わりやすくなり、企業からの評価も高まります。

目的や困難が具体的に伝わりやすい

留学経験をアピールするガクチカは、目的や困難を具体的に伝えることができます。留学は、自己成長や目標達成のために挑戦し、困難を乗り越える貴重な機会です。

例えば、言語や文化の違いによるコミュニケーションの壁や、新しい環境に適応する過程での苦労などが挙げられます。海外でのそのような苦労や課題は、面接官もイメージしやすい出来事です。留学の目的や直面した課題などをガクチカに含めることで、目的意識や克服力などが伝わり、志望企業に対する熱意がより強く伝わるでしょう。

グローバルな企業で必要とされる

ガクチカで留学経験をアピールすることで、グローバルな企業では特に必要とされる人材としての価値を高めます。留学経験は、国際的な視野異文化理解を深め、多様な環境でのコミュニケーション能力や柔軟性を養います。

これらは、グローバルな企業で働くうえで必要なスキルであり、その点で他の候補者と比べて優位性を持ちます。さらに、留学経験者は異なる文化価値観に対する理解が深く、国際的なチームでの協働やプロジェクトにおいて貢献できるとみなされます。

留学経験のガクチカでアピールできるスキル

コミュニケーション能力

留学経験をテーマにしたガクチカでは、コミュニケーション能力の高さをアピールできます。日本と離れた環境で生活し、異なる言語や文化を持つ人々と交流するなかで、コミュニケーション能力が磨かれたことでしょう。

言葉や文化の壁を乗り越えながら意思疎通を図り、円滑な関係を築いた経験は、就職後も大いに役立ちます。現地の人とのコミュニケーションで苦労したことや、どのように乗り越えたのか具体的な例を挙げることで説得力のあるガクチカが作成できます。

行動力

留学経験のガクチカは、行動力をアピールすることも可能です。異なる国や文化に飛び込み、新たな環境に適応するために必要な積極的な行動力が養われます。

留学では、未知の状況や挑戦に果敢に取り組んだ経験がある方は多いでしょう。また、自ら積極的にコミュニケーションを取り、異なる文化や習慣に慣れるよう行動したのではないでしょうか?

このような経験は、新しい環境やプロジェクトにおいて自ら率先して行動し、チャレンジングな状況にも果敢に取り組むことができるとアピールできます。

語学力

留学を経験して身についた語学力も、もちろんアピールできるスキルの一つです。ただし、留学前と比べて、どの程度語学力が向上したのかを伝えることがポイントとなります。

また、語学力を高めるために、どのような努力をしたのか過程について触れることも大切です。日常生活から専門的な分野まで幅広い場面で言語を活かすことができることができれば、より企業から高い評価を受けます。

高い語学力を持っている人材は、国際的な環境での仕事やビジネスにおいて重要な役割を果たします。

問題解決能力

新しい環境での生活や学習には、様々な困難が伴います。しかし、そのなかで自ら積極的に問題を解決できる能力は、アピールできるスキルです。

例えば、言葉や文化の壁に直面し、柔軟な対応力を発揮することで、効果的に問題を解決できたこと、これは問題解決能力があるというアピールになります。

企業は、自社の課題や問題に対して解決策を見つけ、実行できる人材を求めています。留学経験を通じて培われた問題解決能力を具体的な事例とともにアピールすることは、就活において有利にはたらきます。

国際的視野

異文化の環境での生活や学習を通じて、視野が広がり、世界規模での問題や課題に対する理解が深まったという方も多いのではないでしょうか。

現代のビジネス環境は、ますますグローバル化しています。そのため、国際市場で競争力を高めるために、国際的な視野を持つ人材を求める企業が多いです。

留学経験を通じて培われた国際的視野は、企業の国際発展や国際プロジェクトにおいて貴重な貢献ができるとアピールできます。また、新たなアイデアや視点を持ち込むことができるという点でも魅力的なスキルです。

留学経験を効果的にアピールするガクチカの構成

<ガクチカの構成>

①結論:学生時代に力を入れて取り組んだこと

②動機:力を入れた理由やきっかけ

③目標:留学において掲げた目標

④困難:留学中に直面した困難

⑤行動:困難に対して起こした行動と結果

⑥学び:留学から得た学びと今後の活かし方

①結論:学生時代に力を入れて取り組んだこと

読みやすいガクチカを作成するためには、冒頭に結論を述べることがポイントです。留学経験のなかでも、特に力を入れて取り組んだことを伝えましょう。

例えば、留学経験を通じて、語学力が向上したことや、問題解決能力が身についたことなどを先に記載します。結論が途中に書かれている文章だと、一体何を伝えたい文章なのかが理解しづらくなります。読み手は最初に結論を知ることで、文章全体の流れが理解しやすくなり、興味を引きやすくなります。

②動機:力を入れた理由やきっかけ

続いて、結論で述べた内容になぜ力を注いで取り組んだのか、その理由やきっかけを伝えます。留学をした理由やきっかけを簡潔に述べることで、読み手に自分の行動の意図や目的を理解してもらえます。

例えば、留学を通じて新たな文化を学び、自己成長を図りたいという思いや、将来のキャリア目標に対する熱意を述べると良いでしょう。動機を明確にすることで、自らの決断の背景や目的を明らかにし、自信と説得力を与えることができます。

③目標:留学において掲げた目標

結論と動機の次は、目的を達成するために掲げた目標を伝えます。ただし、漠然とした目標ではなく、具体的で実現可能な目標を示すようにしましょう。

例えば、「語学力の向上」を目標として伝えるよりも、「留学中に日常会話がスムーズにできるレベルに達することを目標にした」というような具体的な目標の方が、印象に残りやすいです。留学に向けて動いていた当時を振り返り、留学中に成し遂げたいと考えていたことを思い出してみましょう。

④困難:留学中に直面した困難

ガクチカは、単に学生時代に取り組んだ出来事を述べる項目ではありません。取り組んでいた物事のなかで、直面した困難や課題に対する過程を伝えることが大切です。そこで、留学において掲げた目標を述べた後は、どのような困難に直面したのかを伝えましょう。

例えば、「最初は、全然英語が通じずにコミュニケーションを取ることが難しかった」というような、自分が感じた苦労を挙げます。留学中に感じた苦労や、直面した困難や課題を書き出してみると良いでしょう。

⑤行動:困難に対して起こした行動と結果

留学中に直面した困難を述べたら、その困難を乗り越えるために自ら起こした行動と結果を伝えます。ここは、留学中に経験した具体的なエピソードを伝える部分になります。その行動によって成功に繋がったのか、失敗したのかは重要ではありません。

しかし、自分の行動によってどのような結果が生じたのかは大切です。この後の「学び」に繋がるように、順を追って分かりやすくエピソードを説明しましょう。

⑥学び:留学から得た学びと今後の活かし方

最後は、留学中の経験によって得た学びと、それを今後どのように活用できるのかを伝えます。ここは、志望企業に対して、自分自身の価値を示す重要な箇所です。留学で培ったコミュニケーション能力問題解決能力などを強調し、その経験が将来のキャリアにどのように貢献するのかを具体的に示します。

例えば、「異文化コミュニケーション能力を活かして、グローバルなプロジェクトに積極的に参加し、貴社のさらなる国際市場でのビジネス展開に貢献したいと考えています」といった具体例を挙げると良いです。ガクチカの冒頭で述べた、「結論」と矛盾する内容にならないように注意しましょう。

【期間別】留学経験をアピールするガクチカの例文

例文①:数週間〜3ヶ月程度の短期留学の場合

例文

私は、短期留学経験で環境適応力を身につけました。将来、異文化に触れる仕事に携わりたいという強い意欲を持っており、新たな視野を広げるために短期留学に挑みました。

イギリスでの2か月の留学で、初めての海外生活に挑戦しました。初めは、地元のカルチャーや食生活に戸惑いましたが、積極的に地元で開催されていたイベントに参加し、現地の友人を作る努力をしました。

この経験から、新しい環境に適応する力と、様々な文化や背景を持つ人々と円滑なコミュニケーションを取るスキルを養うことができました。

短期留学を通じて培った環境適応力やコミュニケーションスキルを活かし、貴社のグローバルな環境での業務や国際的なプロジェクトに積極的に参加していきたいと考えています。(350字以内)

短期留学でも、十分にガクチカのテーマとして効果的です。たしかに、留学期間が長いほど苦労したことも多いとイメージされやすいです。

しかし、ガクチカでアピールすべきことは、何を学びどう今後に活かすのかという部分になります。ここでは、留学先の環境に適応するよう注力したことが書かれています。短期間の間にも、自分が起こした行動やその結果身についたスキルがアピールできています。

例文②:数ヶ月〜1年程度の長期留学の場合

例文

私は、長期留学経験により、自己成長のための上昇志向を養うことができました。1年間のアメリカ留学で、新しい環境や文化に飛び込むことで、自分の限界に挑戦しました。

最初は、言葉や文化の違いに戸惑いましたが、積極的な姿勢で新しいことに取り組みました。例えば、現地のクラブや団体に参加し、自分の興味や能力を開花させる機会を積極的に追求しました。また、大学の授業やプロジェクトにも積極的に参加し、新たな知識やスキルを身につけることにも努めました。

このような経験から、自己成長のためには挑戦と積極性が不可欠であるということを学びました。

貴社へ入社できた際にも、新しい環境や課題に果敢に取り組み、成長し続ける姿勢を貫きたいと考えています。(350字以内)

留学期間が長い場合、数多くのエピソードが思い出されるでしょう。ここでは、留学当初に直面した課題に対して、どのような姿勢で取り組んだのかが書かれています。

困難や課題に対して取り組む姿勢について触れることで、志望企業に対して自身の人柄や価値観をアピールできます。ガクチカの最後の一文は、入社後の活躍をイメージさせるよう、ポジティブな文章で締めくくることがポイントです。

【スキル別】留学経験をアピールするガクチカの例文

例文①:コミュニケーション能力

例文

私は大学時代の留学経験によって、コミュニケーション能力を大きく向上させました。異文化に触れることで、世界観や考え方がより豊かになると考え、カナダでの留学を決意しました。

異文化や異なる背景を持つ人々との交流を通じて、言葉や文化の壁を乗り越え、円滑なコミュニケーションを築くことができました。他にも、地元の学生や留学生と協力してプロジェクトに取り組むなかで、異なる視点や意見を尊重し合うことの重要性を学びました。

私は留学で培ったコミュニケーション能力を活かし、チームの連携を高めて、目標達成に貢献したいと考えています。貴社の国際的なビジネス環境においても、私の経験やスキルが大きな価値をもたらすと確信しています。(350字以内)

留学をテーマにしたガクチカのなかでも、コミュニケーション能力について触れているガクチカを作成する学生は数多く存在します。そのため、他の就活生と差別化を図ることが大事なポイントとなります。

留学を決意した理由やきっかけ、コミュニケーション能力をどのような場面で向上できたのかなど、自分ならではのエピソードが採用選考において効果を発揮するでしょう。

例文②:行動力

例文

私は学生時代にアメリカでの短期留学をし、行動力を培うことができました。留学中は、現地の学生と積極的にコミュニケーションを取り、自分の意見を発信しました。

しかし、初めは上手くコミュニケーションが取れず、自分の意見を押し付けてしまいました。そこで、まずは自分の意見をしっかり伝えること、そして相手の考えを汲み取ることを意識して行動しました。その結果、相手の立場に立って考えることが大切だと学びました。

この経験から、どのような状況でも自ら率先して行動し続けることの大切さを学びました。私は、留学経験を通じて学んだこのような経験やスキルは、チームの一員として貴社での業務においても大きな価値になると信じています。

留学経験で培った行動力を活かして、変化の激しいビジネス環境においても積極的に新たな課題に取り組み、成果を上げることを目指します。(400字以内)

留学中に行動力を培うために実際に行った行動が具体的に示されています。これにより、単なる抽象的なガクチカではなく、実際の経験に基づいていると説得力を高めることができます。

また、自らの失敗を率直に認めている部分も評価できます。そこから得た経験や学びを示しているため、留学を通じて大きく成長できたことが伝わります。

例文③:語学力

例文

私は留学先で、語学力向上に取り組みました。大学2年次に、海外の人々と交流するきっかけを作りたいと考え、留学を決意しました。

しかし、当初は「英語が話せない」ことが課題でした。そこでまずは、現地の学生と積極的にコミュニケーションを取り、会話をすることで英語力を向上させました。

また、授業以外でも積極的に話しかけることで、自分の考えを伝えることに努めました。その結果、徐々に語学力が向上し、帰国後にはTOEICの点数を550点から750点まで向上させることができました。

この経験から、目標達成のために努力し続けることの大切さを学びました。

私は、貴社へ入社できた暁には、留学で培った語学力や自己成長の姿勢を活かして、多様な状況に対応し、国際的なビジネス環境での成果を上げるために努めたいと思います。(350字以内)

学習当初の「英語が話せない」という課題に対して、どのように取り組んでいたのかが明確に記されています。目標達成に向けた努力がイメージしやすく、企業に対して好印象を与えることができます。

努力の結果として、TOEICの点数など具体的な数字を示すことでよりどれだけスキルが向上したのかが分かりやすくなります。スキル向上をアピールする際には、非常に効果的です。

例文④:問題解決能力

例文

私は海外の大学へ1年間留学をし、問題解決能力を高めることができました。留学先のアメリカで、授業のグループプロジェクトに取り組む際に、言語や文化の違いから生じるコミュニケーションの課題に直面しました。

私のグループは、異なる文化やバックグラウンドを持つ人々で構成されており、お互いの意見の食い違いやコミュニケーションの取り方に苦労しました。

そこで私たちは協力し合い、コミュニケーションの課題を克服するための方法を模索しました。それぞれの意見を尊重し、お互いの視点を理解する努力を重ねながら、共通の目標に向かって解決策を見出しました。

この経験から、柔軟性や対話の重要性を理解して、課題を解決へ導くことの大切さを学びました。

留学で培った問題解決能力を活かし、グローバルな視点から新たなアイデアを提供し、貴社のさらなる発展に貢献できることを心から楽しみにしています。(400字以内)

留学先でのグループプロジェクトへの取り組みに触れることで、独自性具体性のあるガクチカになります。学生時代にどのようなことに注力していたのかが明確にアピールすることができます。

さらに、入社後の業務において価値を提供できることを示唆しています。このように、最後の一文で志望企業に対する熱意や適性をアピールすることも大切です。

例文⑤:国際的視野

例文

私の留学経験は、国際的視野を広げる絶好の機会となりました。大学2年次に、海外の大学に交換留学をしましたが、日本とは全く違う環境での生活は想像していたよりも大変でした。

私は、早く現地に馴染みたいと考え、現地の学生と協力して交流会を企画・運営しました。

その結果、異なる文化や言語に直接触れる機会が生まれ、参加者からは「日本に興味を持った」という嬉しい声を頂くことができました。

また、様々な国籍の学生との関わりのなかで、自身の視野が大きく広がったと実感しています。異なる価値観や文化に触れることで、自らの考えや行動についても新たな視点を得ることができました。

私の留学で得た経験やスキルを通じて、貴社のさらなる国際的な成長に貢献したいと強く考えています。(350字以内)

どのような経験をきっかけに、国際的視野を広げることができたのかを明確に伝えています。交流会の企画・運営といった具体的な事例に触れていることも評価されます。

また、良い成果を挙げられたことにも触れており、印象の良いガクチカとなっています。ガクチカにおいて、成果の大小を気にする必要はありません。ただし、成果について記載する場合は、自慢をしているという印象を与えないように注意しましょう。

留学経験のガクチカ作成のポイント

志望企業についてリサーチしておく

ガクチカを作成する際は、志望企業の求める人物像や価値観、ビジョンなどをリサーチしておくことが大切です。これにより、志望企業に対する熱意や理解が深まり、ガクチカを具体的かつ説得力のある形で表現することができます。具体的には、企業のウェブサイトや報道記事、SNSなどを活用して情報収集を行い、その企業の特徴や文化を把握します。

こうしたリサーチによって、志望企業のニーズに合わせて的確にアピールすることができます。

留学経験自体をアピールしない

ガクチカは、学生時代に成し遂げて得た結果をアピールする項目ではありません。そのため、留学をしたこと自体をアピールすることは避けた方が良いです。代わりに、留学を通じて培ったスキル学びを強調しましょう。

例えば、異文化理解語学力の向上など、留学によって得た価値を具体的な事例や体験を交えて伝えます。また、留学中に取り組んだプロジェクトや研究などの活動を挙げて、自身の成長学びをアピールします。

留学経験をガクチカに用いる場合は、そこから何を学び今後にどう活かすのかという中身を充実させましょう。

複数のエピソードを書き出し、厳選する

ガクチカを作成する準備段階として、いくつかのエピソードを書き出すことをおすすめします。具体的なエピソードを交えることで、ガクチカはより説得力のある内容になります。留学中の出来事を振り返り、自身の経験から興味深いエピソードを厳選しましょう。

例えば、留学先での文化の違いに驚いたり、言葉の壁を克服した経験、異なる価値観にふれて学んだことなど、自身の成長や学びに繋がったエピソードをピックアップします。これにより、自身の強みや価値観を具体的な事例を通じて示すことができ、より魅力的なガクチカを作成できます。

成果よりもプロセスを意識して作成する

留学経験のガクチカを作成する際には、成果よりもプロセスを意識して作成することが重要です。留学中に得た成果や達成したことはもちろん大切です。しかし、ガクチカではそれ以上に、その過程での学びや成長に注目されます。

例えば、異文化コミュニケーションの困難さに直面し、それを克服するために努力した経験、新しい環境に適応するために取り組んだ工夫試行錯誤したことなど、プロセスに焦点を当てた事例を取り入れましょう。

入社後に活かせる学びを伝える

ガクチカは、入社後に留学で得た学びをどう活かすかを伝えることが大切です。企業はガクチカを通して、自社が求めている人材であるかどうかを見ています。

留学経験がどのように自身の成長や能力の向上に繋がったのかを示し、その経験がどのように仕事に活かされるのかを明確に伝えましょう。そうすることで、入社後の業務において、積極的に貢献する意欲をアピールできます。全体を通して、ポジティブな文章となるため、志望企業に対して好印象を与えます。

嘘をつかない、誇張しない

テーマが留学経験に限らず、嘘や誇張した表現を含めないことが大切です。留学期間や身につけたスキルのレベルなど、正しく伝えるべきです。実際と異なる情報を伝えることは、信頼を損ない、後々大きな問題を引き起こす可能性があります。

自身の経験や成果を客観的に整理し、具体的な事実に基づいて伝えることが重要です。履歴書やESは自分のプロフィールを表す貴重なツールです。正直で客観的な情報を伝え、信頼性を高めるガクチカを作成しましょう。

留学で得た学びを伝えて、自分の魅力をアピールしよう!

留学経験をテーマにしたガクチカを作成する場合は、留学をしたことを自慢するのではなく、そこで何を学んだのかを伝えることが大切です。

これからのビジネス環境は、ますますグローバル化していくと考えられるため、留学の経験が大いに役立つでしょう。ただし、留学経験者は多いため、ガクチカに用いる際は、独自性が求められます。オリジナル性や具体性を出すことで、ライバルが多いテーマのガクチカでも、大きく差をつけることができます。