自己PRの「あなたらしい写真」の選び方と説明文の書き方【例文あり】

自己PRでは、「あなたらしい写真」を求められることがあります。応募者の人柄や、アピール内容を具体的に把握したいことが理由です。

この記事では、選ぶのが難しい「あなたらしい写真」の選び方を、テーマ別の例とあわせて紹介します。

また、説明文の効果的な書き方や、使える写真がない場合の見つけ方も解説しています。

自己PRに使う「あなたらしい写真」の選び方

説明しやすい写真を使う

説明しやすい写真の例
  1. サークルでのリーダー経験をアピールしたい場合
     →自分が中心となって話し合いをしている写真
  2. ピアノのコンクール実績をアピールしたい場合
     →コンクールで演奏している写真
  3. ゼミで研究した内容をアピールしたい場合
     →実験や発表している様子の写真

自己PRに使う写真には、説明文を記載することが求められます。その際、複雑な状況や経緯の説明が必要な写真は、「何についての写真なのか」がすぐに伝わりません。

例えば、グループで活動している時の写真を使う場合、専門的な説明が必要な場面はあまり適しません。単なる記念撮影のような場面の方が、説明は簡単に済みます。

また、写真についての説明は、面接の場でも求められる場合があります。その際にも長々と説明をしていると「要点を伝える能力がない」と判断されかねません。なるべく簡潔に説明できる写真を選んだ方が、様々な面で有利に働くでしょう。

アピール内容と一致する印象の写真を選ぶ

自己PRで用いる写真は、アピールしたい強みを感じさせる印象のものを選びましょう。写真の印象と、その後に続く強みのアピールが一致していないと、自己PRの軸がブレてしまいます。

例えば、「協調性」を自己PRでアピールしているのに対して、旅行先で撮った自分一人の写真などを見せても、あなたらしさは伝わらないでしょう。

あなたらしい写真は、あくまで自己PRの一部です。「一貫したアピールポイント」という自己PRの基本から外れないように選ぶ必要があります。

表情のわかるものがベスト

自分が写った写真を使う場合、表情がなるべく良く見えるものを使うのがおすすめです。横顔や後ろ姿だけでは印象がはっきりせず、あなたらしさが十分に伝えられません。

特に、近年ではグループで集まる時にマスクを付けていることも多く、顔全体が見える写真を撮る機会が減っています。

マスクを付けた写真は必ずしもNGではありませんが、マスクが無い方が表情は伝わりやすくなります。可能であれば、撮影時だけ了承を得てマスクを外すようにすると、選択肢を増やせるでしょう。

自己PRの写真の説明文の書き方

自己PR用の写真の説明文に書くべき内容

写真の説明文は、写真の内容を説明するだけでなく、写真を見た採用担当者の興味を引き、想像力を刺激するような内容にすることが重要です。

写真の説明文で指定されている文字数は、40文字〜100文字程度が多いです。「写真を撮った時の状況」「伝えたい自分の強み」を端的にまとめれば、十分に収まる文字数になるでしょう。

また、複数人が写っている写真では、自分がどの人物なのかを明確にしておきましょう。証明写真を添付していても、初対面となる採用担当者からは区別ができない場合があります。

【テーマ別】自己PRに使う写真と説明文の例8選

体育会系の部活

陸上部の練習
例文

大学の部活で練習中の写真です。目標タイムを達成する努力を重ねました。怪我した時は大変でしたが、最後の大会で目標を達成時の喜びは格別でした。この経験で目標達成をするには継続的な努力が必要だと学びました。(100字以内)

怪我を乗り越えて、引退するまでに諦めずに目標へ向かって努力した様子がわかる説明文です。特に「最後の大会で目標を達成時の喜びは格別でした」と具体的な心情を書いているのが特徴です。

可能であれば、大会時の写真を使うと更に努力のイメージがつきやすくなります。特に、自己PR文で大会でのエピソードを書くときは、大会での様子がわかる写真を使用することがおすすめです。

説明を短文でまとめるには、この例文のようにタイムの数値や大会名などはあえて省くようにすると効果的です。

ボランティア

ボランティアの様子
例文

上記の写真は大学の授業で介護ボランティアをした時の様子です。最初は緊張しましたが、笑顔で感謝されたときの喜びは忘れられません。利用者の方一人ひとりに寄り添い、心を通わせる大切さを学びました。(100字以内)

笑顔の写真は、明るくて親しみやすい印象を与えられるため、高評価に繋がりやすいです。目線を合わせている様子から、献身的な人柄も良く伝わります。

説明文では、ボランティアを通して感じたことや学んだことをはっきりと説明できており、魅力がダイレクトに伝わります。

感じ方と考え方を先に出しておくことで、それ以降の自己PRの内容にも説得力を持たせやすくなるでしょう。

アルバイト

授業をしている塾講師
例文

アルバイト先の塾で浪人生向けの授業をしている写真です。自身の浪人時代のエピソードを踏まえることで、生徒に親近感を持たせ、勉強の意欲を高める工夫をしました。大学4年間で人に教える力を身につけました。(100字以内)

「どこで誰に向けて何をしているのか」が一目でわかる写真と説明文です。会社では後輩や部下に指導することがあるため、指導している様子からは入社後に活躍しているイメージが持ちやすいでしょう。

結論では「大学4年間で人に教える力を身につけました」と身につけたスキルをアピールできているのも良い点です。

ゼミ

ゼミの様子
例文

ゼミの時間に現代社会の課題を経済学の視点から分析し、解決策を提案している様子です。積極的に議論に参加し、意見を発信しました。貧困問題に関する研究発表では、データに基づいた提言をして、高評価を得ました。(100字以内)

ゼミでの様子が伝わる写真と説明文です。ゼミでどんなことをしてきたかを簡潔に説明できていますが、発言をする上で工夫したことなどを詳しく記載をすると、より具体的な文章になるでしょう。

今回の写真は複数人が写っている写真のため、どの人物が自分なのかわかるようにすることも大切です。また、複数人の写真を使う際は、必ず写っている人全員の許可を取るようにしましょう。

留学

日本人と外国人のツーショット
例文

留学時のホストマザーの方に、お気に入りだという景色を案内していただいた際の写真です。ホストファミリーと互いの好きなものを共有できるようになり、積極的なコミュニケーションの重要性を学んだ日々でした。(100字以内)

留学先での写真は、珍しい風景よりも現地の人と撮った写真がおすすめです。打ち解けた様子の写真からは、高いコミュニケーション能力が伝わります。

説明文も当時のエピソードを想像しやすい形でまとまっており、共感の得られる内容になっています。

さらに、特別な経験から得られた学びを明確にしている点も好印象です。ただ行っただけでなく、自分の力にできたという点をアピールしてみましょう。

インターンシップ

集まっている社員
例文

貴社でのインターンシップの際、社員の方々と撮影させていただいた写真です。左端に座っているのが私で、実践的な分析手法を教えていただきました。ビジネスへ真剣な姿勢が伝わり、改めて入社意欲を抱いた経験です。(100字以内)

インターンシップ先の本選考へ応募し、当時の出来事を写真で紹介しています。自社の社員と一緒に働いている姿からは、高いマッチ度が伝わるでしょう。

また、説明文を詳しく記載することで、当時のことを良く覚えている誠実な印象が与えられます。深い経験があれば、現場の人間から期待されていることも伝わり、効果的なアピールになります。

サークル活動

写真撮影している人
例文

写真サークルのメンバーと、近隣の海まで撮影に訪れた際の写真です。中央で写真を撮っている私を、他のメンバーに撮影してもらいました。訪問の企画立案から関わっていたため、達成感のある撮影が行えました。(100字以内)

自分が背を向けている変則的な写真ですが、写真サークルというテーマとしては、撮影に没頭している様子の方が人柄が伝わりやすいでしょう。

また、説明文では企画力をアピールできており、自己PRへ繋げやすくなっています。主体的な行動と、達成感を味わった成功体験を持つことは、企業から評価されやすいポイントです。

趣味

キャンプをしている男性
例文

友人と趣味のキャンプに訪れた際の私の写真です。この時は遠方まで足を伸ばし、本格的なキャンプ泊を行いました。協力して準備を重ねたことで滞りなく楽しむことができ、綿密な準備の大切さを学びました。(100字以内)

趣味は考え方や性格を伝えやすいテーマです。この写真のようなアウトドアの趣味からは、活発さや行動力の高さがアピールできるでしょう。

また、ただ楽しんだだけでなく、そこから得た学びも明記している点が好印象です。趣味の写真を使う際は、楽しかった思い出だけで説明が終わらないようにしましょう。

自己PR用の写真を撮る時の注意点

大人数の集合写真は避ける

10人以上の集合写真を使わない方がいい理由

10人以上のような大人数での集合写真は、避けた方が無難です。基本的に一人ひとりが小さく写るため、表情や雰囲気が掴みにくく、あなたの印象がはっきりとしません。

また、あなたの周囲だけズームして使う場合でも、画質の低下や不自然な構図になることが予想されます。

そのため、集合写真は5人前後までを写したものに限り使用するようにしましょう。

過度な加工はしない

写真の加工のNG例とOK例

就職活動の自己PRで使う写真として、プリクラや過度に加工ができる写真アプリを使用したものは不適切です。

あなたらしい写真は、人柄や価値観、誠実さなどの判断材料になります。そこで加工された写真を提示すると、本当の姿を見せず、誠実さに欠ける印象を与えてしまうでしょう。

ただし、背景の明るさを調整したり、顔のニキビを消す程度の自然な加工であれば問題ありません。あくまで、写真と本人の印象が大きく異ならないことが重要なポイントです。

なるべく高画質でブレのないように撮る

ブレない写真を撮る方法

写真はスマホで撮ることも多いですが、自撮りのような撮り方では手ブレで写りが悪くなったり、ぼやける可能性があります。

どれだけあなたらしさが出ている写真でも、綺麗に撮れていなければ粗雑な印象に繋がります。スマホ用の三脚を使ったり、他の人に丁寧に撮ってもらったりして、綺麗な出来栄えの写真を用意しましょう。

自己PRに使える写真がない場合の対処法

写真がない時の見つけ方

  1. 友人や先輩に、自分を撮影した写真がないか確認してもらう
  2. 友人や家族に撮影してもらう
  3. SNSに投稿した自分らしい写真を探してみる

自己PRに使える魅力的な写真が手元にない場合は、上記のような方法がおすすめです。

普段から意識して自分の写真を撮らない人でも、他の人の写真はよく撮るということは多いです。周囲の人に撮ってもらった写真を見せてもらえば、自分らしさが良く表れた写真が見つかりやすくなります。

また、自分では大したことのない写真だと思っていても、第三者からは十分魅力的な写真に見える可能性もあります。友人や家族に手持ちの写真の候補を見てもらい、一緒に考えてもらうのも良いでしょう。見逃していた自分自身の魅力に気付くことができるかもしれません。

自己PRの写真についてよくある質問

自分が写っていない物や風景の写真はあり?

自分の姿が写っていなくても、自分自身の性格や考えが伝わるような写真であれば問題ありません。

例えば、留学先で感動した景色や、自分の故郷の好きな風景などを見てもらうことで、ダイレクトに自身の感性を伝えることができます。もしくは、趣味で作った物も十分にアピールになります。

ただし、風景の場合はあくまで自分で撮影したものを使いましょう。他の人に撮影してもらった風景を使ってしまうと、あなたの個性が正しく伝わらなくなります。

カジュアルすぎる写真は避けるべき?

あなたらしさを伝える写真とはいえ、応募書類の一部でもあるので、選考にそぐわない雰囲気のものは避けるべきでしょう。

ありがちなミスとしては、テーマパークで奇抜なアクセサリーを付けた写真や、恋人とのツーショットです。これらは公私混同な印象を与えてしまい、逆効果となります。

また、飲み会の様子や、鏡越しの自撮り写真なども原則NGです。採用担当者に「遊びで撮った写真」と思われないように選びましょう。

古い写真は使えない?

基本的には、容姿や雰囲気も変わらない直近1年以内の写真がベストです。しかし、自己PRで扱うエピソードに関連するものであれば、1~2年前までの写真は許容されるでしょう。

特に、大会出場や長年続けてきた活動の写真は、直近でなくとも十分に強いアピールになります。

ただし、当時の容姿と現在の容姿に大きな違いがある場合は、別の写真にするべきです。現在と異なる印象を与える写真では、正しく魅力が伝わりません。

自分らしい写真で魅力的な自己PRを作ろう!

企業が自己PRに写真を求める理由は、応募者の人柄や価値観、誠実さなどを判断するためです。

「あなたらしい写真」からは、文章だけでは伝えきれない情報を伝えられます。特に人柄や印象は、企業との相性を左右する重要な要素となるため、良く伝わるものを選ぶことが大切です。

わかりやすい説明を添えて写真を提示し、あなたらしさと強みを同時にアピールしましょう。

自己紹介と自己PRの違いとは?例文でわかる書き方のポイントとコツ【例文あり】

エントリーシート(以下、ES)に書く、自己紹介と自己PRの内容の違いをしっかり理解できていますか?

自己紹介と自己PRには明確な違いがあります。この違いを理解せずに書いてしまうと、企業側が求めていた回答と異なる内容になってしまったり、自分の強みが全く伝わらない内容になってしまいます。

この記事では、自己紹介と自己PRの違いをわかりやすく説明します。記述のポイントや上手な書き方、注意点などもふまえ、自己紹介・自己PRそれぞれに、豊富な例文も記載しています。ポイントを押さえ、企業にしっかり伝わるESを仕上げましょう。

ESにおける自己紹介と自己PRの違い

ESの自己紹介は、あなたの基本情報を企業に端的に伝えるものです。普段のあなたについてしっかり記述します。

一方、自己PRは、あなたの強みが入社後の活躍につながることを示すものです。採用のメリットを分かりやすく伝えなければなりません。

採用担当者は、ESで「知りたいことがきちんと書けているか」を確認します。両者を混同していると、知りたい情報を得られず、良い評価を得ることができません。違いを理解した上でESを作成していきましょう。

自己紹介では基本情報を簡潔に伝える

自己紹介は、志望企業への挨拶です。あなたの基本情報を簡潔に伝えます。長々と書く必要はありません。素性意気込みを示せれば十分です。

記述する内容は以下のとおりです。

  1. 大学、学部、学科
  2. 氏名
  3. 大学での研究内容
  4. これまでの人生で注力したこと(学業での成果、部活動やサークル、アルバイト、ボランティア活動、趣味や特技、夢への取り組みなど)
  5. 仕事への意気込み

学生の本分は勉強である以上、③は必須です。④はあなたの個性を表すのに最適な内容を選びましょう。もちろん、あなたを紹介するのに欠かせない内容(例:留学や一人旅の経験など)があれば、テーマに据えても構いません。

大切なのは、簡潔に伝えることです。一般的には300字程度で書く場合が多いようです。強みや能力への言及は、自己PRやガクチカで詳しく説明します。あくまでも最初の挨拶であることを意識しましょう。

自己紹介を通して、企業は「あなたが何を経験してきたか」「どのような人柄か」を大まかに把握します。あなたの最初のイメージができ上がります。

自己PRではスキルや強みを企業にアピールする

自己PRはあなたが持つスキルや強みを、的確に企業に伝える項目です。能力が仕事につながり、採用のメリットがあることをアピールします。

主な記述内容は以下のとおりです。

  • スキルや強みの具体的内容
  • スキルや強みを獲得したきっかけ
  • スキルや強みを発揮したエピソード
  • 就職後の仕事に活かす方法

自己PRは掘り下げて書く必要があるものの、欄におさまらないほどの文章量は不要です。長すぎると要点が伝わりません。300〜400字程度を目安に、できるだけ簡潔に記述します。きっかけやエピソードが冗長にならないよう、注意しましょう。

自己PRの内容から、企業は仕事への適性や、「社風に合うか」を判断します。採用にメリットがあると判断されれば、内定を引き寄せられるでしょう。

表で確認!自己紹介と自己PRの違い

<自己紹介と自己PRの違い>

自己紹介自己PR
ESでの役割基本情報の伝達スキルや強みの伝達
企業が読み取ること・応募者の基本情報・人柄(大まかに)・仕事への適性・社風への適合
記述で留意すること・簡潔に書く・他項目との重複を避ける・スキルや強みは掘り下げる・きっかけやエピソードは簡潔に
文字数目安200〜300字300〜400字
面接との違い・印象を決定づけるものではない・簡潔にまとめる要点が伝わるよう、論理的かつ簡潔に

自己紹介では基本情報だけを伝え、自己PRで仕事につながる能力をアピールします。

ESには、ガクチカや趣味・特技などさまざまな記載欄があります。内容の重複に注意しながら、各項目でしっかり自己アピールするよう工夫しましょう。

なお、自己紹介・自己PRとも、面接の下書きのようにならないよう注意が必要です。ESと面接は同じ内容に合わせる必要があるものの、表現方法は大きく異なります。文章では内容が端的に伝わるよう、簡潔で論理的な構成を心がけなければなりません。

【自己紹介】ESに自己紹介を簡潔に書くポイント

基本情報と人柄を伝える

ESにおける自己紹介の役割は、企業にあなたの基本情報と人柄を伝えることです。

人柄と言っても、「私は〇〇な性格です」と直接記述するわけではありません。基本情報を読み進めるうち、自然と大まかな人柄が伝わります。

たとえば部活の主将として部をまとめ上げた情報からは、リーダーシップや面倒見の良さが想像できます。ボランティアに長年携わった情報なら、決めたことを継続する真面目さや、他人の困難に手を差し伸べる優しさが想像できるでしょう。

ポイントは、基本情報にあなたの「人となり」を示す事柄を入れることです。部活動でもボランティアでも、内容は問いません。あなたに良い印象を抱いてもらえるよう、取り上げる内容を選択します。

ES全体を見て自己アピールをどこまで含ませるか決める

自己アピールは「自己PR欄」で行います。自己紹介での自分の強みなどをアピールすることは不要です。

ただし、ESに自己PR欄がない場合は、自己紹介の中でアピールもおこないます。

たとえば部活で主将を務めた経験があるなら、次のように書くとよいでしょう。

例文

「私は〇〇部で主将を務め、チームを関東大会優勝に導きました。先輩後輩の隔てなく切磋琢磨したおかげだと思います。誰にでも如才なく接し、集団をまとめ上げる力には自信があります」

冗長にならないよう、簡潔にアピール内容を記述します。自己紹介は基本情報の伝達が主軸です。長々と書きすぎないように注意しましょう。

入社への意気込みと選考への挨拶で結ぶ

自己紹介の最後は、入社への意気込み選考への挨拶で結びましょう。意気込みを示すことで、企業はあなたのやる気を汲み取ります。ESを丁寧に見てもらえるでしょう。

意気込みを書くときは、基本情報とうまくつながるように工夫しましょう。

たとえば部活やサークル活動を仕事につなげる場合、協調性を前面に押し出す手法が考えられます。「部活動(サークル活動)で培った協調性を活かし、先輩方や同僚と力を合わせ仕事に邁進します」と記述すれば、決意の内容も自然です。

仕事に結びつけるには、協調性、問題解決能力、継続力、忍耐力など、社会人として不可欠な能力を挙げると良いでしょう。技術の向上など、部活やサークル内でしか通用しない能力は、取り上げないようにしてください。

【自己紹介】簡単な自己紹介でもしっかり伝える書き方

  1. 大学名・学部・学科、氏名
  2. 大学での研究内容、専門分野
  3. あなたが注力した内容(学業での成果、部活動やサークル、アルバイト、ボランティア活動、趣味や特技、夢への取り組みなど)
  4. 活動で実感した強み
  5. 強みを仕事に活かす決意と挨拶

自己紹介は上記の5ステップで書くとうまくまとまります。

全体の字数は200〜300字が目安です。字数から考えると、内容を情報伝達に絞り、簡潔に書く必要があります。特に④は、自己PRやガクチカで詳しく記述する内容です。軽く触れる程度で構いません。

大切なのは、採用担当者に「この人のESなら、じっくり読もう」と思わせることです。③〜⑤を自然な流れで書くことで、これまでの人生を精一杯頑張ってきたことや、仕事へのまっすぐな想いが伝わります。

【自己紹介】ESで自己紹介を効果的に記入した例文5選

学業(研究)

例文

〇〇大学△△学部□□学科の〇〇〇〇(氏名)です。大学での研究テーマは比較文化学です。アメリカの少数民族を対象に、生活の実態や文化への影響を調べています。

研究を深めるため、夏休みにはミネソタ州でフィールドワークをおこないました。聞き取りや行事の見学を通し、失われつつある文化を必死で守ろうとする人々の取り組みを知り、感銘を受けました。現代の常識にとらわれず、多様な価値観を受容する大切さを実感しています。

貴社に入社したら、諸外国を渡り歩く社員として、現地文化への学びを深めていきます。そしてさまざまな価値観に合わせた営業を行います。選考をよろしくお願いいたします。(字以内)

大学での研究内容のみで構成された自己紹介です。研究が今のあなたに大きく影響しているなら、無理に他の要素(部活動やアルバイトなど)を挙げる必要はありません。学業での成果を大きくアピールしましょう。

文章は「研究の内容→研究にまつわるエピソード→仕事につながる学び→仕事への決意」の順に、論理的に構成されています。「研究にまつわるエピソード」から「仕事への決意」に至る流れが自然で、説得力があります。

仕事に向き合う姿勢や、成し遂げたい夢も分かりやすく、やる気が存分に伝わります。採用担当者も「この人のESなら詳しく読みたい」と思うでしょう。

部活動

例文

〇〇大学△△学部□□学科の〇〇〇〇(氏名)です。大学では金融学を専攻し、企業の資金集めや投資について学んでいます。

学業と並行し、駅伝部員として日々汗を流しています。昨年の全日本駅伝では地区大会止まりでしたが、チームの総合タイムで過去最高記録を達成するなど、成長を実感できました。駅伝はチームの命運を背負うプレッシャーと、思うように走れない苦しみとの戦いです。責任を全うするために、自分に打ち克つ努力を続けてきました。

就職後は、貴社の一員として自分の役割を全うします。苦しいときこそ、自分に打ち克つ強さを発揮したいです。

選考をよろしくお願いいたします。(300字以内)

部活動に打ち込むことで、肉体的にも精神的にも鍛えられたことが分かる文章です。コツコツと練習を積み重ねる真摯な姿勢も窺えます。強みだけでなく、人柄も伝わる良い自己紹介です。

部活動では、結果よりも精神的な学びに重点を置くと書きやすくなります。頑張ることで得られた学びを、働く姿勢に結びつけます。仕事へのやる気を示せれば、採用担当者に想いが届くでしょう。

この文章も地区大会止まりの結果ですが、仕事を全うし、苦しみに打ち克とうとする姿勢を魅力的に感じてもらえるでしょう。

アルバイト

例文

〇〇大学△△学部□□学科の〇〇〇〇(氏名)です。大学では児童心理学を専攻しています。特に情緒障害の子ども達への接し方や、教育ノウハウの構築が専門です。

子どもと関わる仕事を経験するため、学業と並行し学習塾でアルバイトを続けてきました。研究で教育ノウハウを構築しても、実際に子どもを前にすると個性に対応しきれません。一人ひとりとしっかり向き合う大切さを実感しました。

就職後も、子ども達の個性と向き合いながら仕事をしたいです。また障がい児教育を通し、多様性に対応できるよう自己を高めていきます。

選考をよろしくお願いいたします。(300字以内)

アルバイトを挙げるときに注意したいのは、学業を疎かにする印象を与えないことです。学生の本分は勉強です。生活の中心がアルバイトだと思われないよう注意しましょう。

この文章のように、学業に通じるアルバイトは高く評価されます。自分で決めた道を極める努力の一部とみなされるからです。

執筆者は教育関連の就業を希望しています。進む道にブレがありません。しっかりした軸を感じられるため、仕事にも強い想いで取り組むことが分かります。企業も採用しやすいでしょう。

ボランティア活動

例文

〇〇大学△△学部□□学科の〇〇〇〇(氏名)です。大学では社会政策を専攻しています。特に地方自治体の政策課題の研究が専門です。

私は学業の合間を見て、ボランティアで地域活性化プロジェクトに参加しています。観光資源を取材し、ブログで取り上げる仕事です。地方発の取り組みを体感でき、研究にも役立ちます。

多くの人に魅力を伝えるには、見せ方や表現に工夫が必要です。集客できたときには、大きな喜びを実感します。広報の仕事に興味を持つきっかけになりました。

就職後は、貴社のノウハウを学びながら、人に伝える技術を深めていきます。多くの人に貴社商品の魅力を伝えられたらと思います。

選考をよろしくお願いいたします。(300字以内)

ボランティアは社会的な役割が大きく、さまざまな学びを得られます。ただし非営利で活動する性格上、企業の価値観とは異なる部分があることに注意が必要です。「無償で働く尊さ」「奉仕精神」などを前面に出すと、企業の方針にそぐわない可能性があります。

この文章では「人に伝える楽しさ」に焦点を当てています。ボランティアを企業活動につなげた良い事例です。ボランティアも仕事である以上、企業活動に通じる部分があります。両者の接点を考えながら記述すると良いでしょう。

この内容なら、広報だけでなく、営業や商品企画の仕事にもつなげられそうです。

夢への取り組み

例文

〇〇大学△△学部□□学科の〇〇〇〇(氏名)です。大学ではグラフィックデザインを専攻しています。広告や雑誌など、印刷物のデザインが専門です。

幼い頃から絵を描くのが好きで、デザイナーを志すようになりました。大学で専門知識を学んでからは、デザインコンテストにも定期的に応募しています。〇〇賞では準優勝を獲得できました。

コンテストで学んだのは、プロに必要な姿勢です。お客様の要望に合わせた臨機応変なスタンスが必要だと感じました。

就職後は、さまざまなデザインスタイルを学びたいです。お客様の要望に応えられるデザイナーになれるよう努力します。

選考をよろしくお願いいたします。(300字以内)

これまで一直線に夢を目指してきた人や、自慢できる才能がある人は、取り組みの事例を挙げるのも良いでしょう。賞を受賞した実績や出版物があれば、強いアピールになります。

ただし、ESには必ず「学び」を入れてください。企業が欲するのは、才能がある人ではなく、会社で活躍できる人です。学びを仕事に活かす決意を表明するのは、他のテーマを取り上げる人と同じです。

この文章では「臨機応変なスタイルの必要性」を学び、それを会社で深めたいと結んでいます。経歴におごらず、社会人として努力する姿勢が感じられ好印象です。

【自己紹介】ESで自己紹介を失敗しないために意識すること

就活では面接の自己紹介との違いも理解する

自己紹介の失敗を避けるには、面接との違いを理解することが大切です。面接の感覚でESに記述すると、文章量が多すぎます。要点を掴みづらく、まとまりがなくなるでしょう。ESは面接の下書きではありません

ESも面接も、伝える内容は同じです。異なるのは伝え方です。

面接では目の前に面接官がいます。場の空気をつくるのはあなたです。面接官の反応を見ながら、丁寧に一つひとつ話をします。

一方、ESは限られた文章量で、あなたの基本情報を漏らさず伝えなければなりません。簡潔で分かりやすいことを最優先に取り組む必要があります。

ES内の整合性に気をつける

多くの場合、自己紹介はESの最初に記述します。自己紹介で触れた内容は、後々自己PRやガクチカでも取り上げるかもしれません。他の記述と矛盾しないよう注意が必要です。

矛盾があると、「嘘を書いているのではないか」「誇張ではないか」と疑われる可能性があります。記述の不注意で信用を失うことにもなりかねません。

たとえば自己紹介で、学費を稼ぐためにアルバイトを頑張った話を挙げるとします。その場合、自己PRやガクチカの内容も、生活を支えるための頑張りに焦点を当てるのが自然でしょう。旅行やお金のかかる趣味の話を挙げたら、「学費が足りないのに、旅行や趣味?」と不審がられます。

一歩引いて自分の文章を見直し、他人に誤解されないか確認する癖をつけましょう。可能なら、他人に文章を校正してもらうことをおすすめします。

ガクチカや長所など他の項目との重複に留意する

自己紹介と自己PR、ガクチカ、長所などの内容が重複しないよう留意しましょう。自己紹介は簡潔に基本情報を伝えるだけで十分です。自己PRをしすぎたり、エピソードを過剰に入れたりすると、他の項目で同じ内容を繰り返すことになります。

繰り返しがあると、記述の効果が薄れます。せっかくのPRが嫌味や押しつけになりかねません。

ただし自己PRやガクチカの内容に、自己紹介でまったく触れないわけではありません。おすすめは、自己紹介で軽く話題に出すことです。詳しい内容は、自己PRやガクチカを読んでもらいます。自己紹介で興味を引き、他の項目に誘導する意識を持つと良いでしょう。

【自己PR】企業がESに自己PRを書かせる目的とは?

求めるスキルや能力に合致するか端的に知りたい

企業がESに自己PRを書かせるのは、応募者が求めるスキルに合致するか、入社後の活躍が期待できるか判断するためです。

自己PRには所有するスキルや能力が端的に書かれます。企業にとって、自社のニーズとの適合を確認しやすい項目です。

ただし「企業のニーズ」=「即戦力になる技能」ではありません。必要とされるのは、仕事への情熱や業務にあたる真摯な姿勢だと考えましょう。

あなたがこれまでの人生で獲得した、課題解決能力や、継続力、忍耐力、論理的思考力などを仕事への決意につなげて書くと良いでしょう。

社風にあう人材か見極めたい

自己PRには、あなたが社風にあう人材かを見極める目的もあります。

主張の内容からは、人柄も読み取れます。たとえば仲間との協調性を強くアピールしていれば、普段から仲間を大切にし、和をつくるのがうまい人柄が窺えます。和を重んじる社風の会社なら、最適な人材だと判断できるでしょう。

企業が人柄を重視するのは、業務の遂行や業績向上に社員の連帯が欠かせないからです。どんなに能力が高くても、人柄が社風に合わなければ連帯できません。ミスマッチにより、採用してもすぐに離職しかねないのです。

自己分析力や論理的な表現力を問いたい

短い文章で自己PRを書かせることで、自己分析力論理的な表現力も確かめられます。

自己PRの文章は、長くても400字程度です。400字に収めるには、PRポイントを的確に捉え、簡潔に書く力が必要です。自己分析が浅いと、複数のポイントが列挙され、一つひとつが深堀りされない状態になります。

論理的な表現力も確認できます。採用担当者を納得させるには、取り上げた内容が本当に強みになるか、客観的な事実で証明しなければなりません。論理的に構成する力がなければ、うまくまとめるのは困難でしょう。

自己分析力も論理的な力も、業務の遂行には必須です。仕事で困難に直面したとき、自己分析ができなければ成長できません。原因と結果を結びつけて考える論理的な力がなければ、課題解決への道筋を見出せないでしょう。

自己PRの記述を通し、企業は業務に必須の能力も確認しているのです。

【自己PR】ESに自己PRを書くときのポイント

企業のニーズを知ることから始める

自己PRを書き始める前に、必ず企業のニーズを探りましょう。

企業は自己PRを通し、あなたの保有するスキルや能力がニーズに合致するか確認します。自己PRはあなたの強みを端的に伝えるため、ニーズへの適合を判断しやすいのです。

リサーチは、ホームページパンフレット説明会、その会社に就職した先輩の話などを参考に行います。特に先輩からの話は、大きな武器になるでしょう。会社がどのような人材を欲しているか、会社内部の実感を聞き出せるからです。

仕事につながる強みを見極める

企業のニーズが分かったら、あなたが持つ強みを見極めます。ニーズに合致するもの近いものを選ぶと良いでしょう。

その際、PRポイントが仕事につながることを確認します。仕事につながらないと、自己PRの効果がありません。

たとえば企業のニーズが「今ある技術を進化させ、時代に即した技術へ発展させること」だとします。ここで「独創性」をPRすると、仕事に結びつけるのに苦労します。独創性は独自の考えに基づくもので、創作に近いニュアンスがあるからです。

企業が求めるのは、目の前の技術を観察し、問題点を見つけ、改良していく力です。必要なのは、課題を発見する観察力や分析力、アイデアを生み出す柔軟な発想力でしょう。

あなたが独創性に優れていても、仕事につながらなければ記述できません。PRする強みは慎重に選ぶ必要があります。

強みは客観的な事実をもとに詳しく掘り下げる

自己PRに説得力をもたせるには、アピールする内容が仕事で強みになることを証明しなければなりません。データや数字などの客観的な事実を元に掘り下げないと、独りよがりだと思われてしまいます。

たとえば問題解決能力をアピールする場合、抱えていた問題があなたの力で解決し、改善した事実を証明できなければなりません。可能ならば、数字をもとに事実を述べるとよいでしょう。

客不足に困っていた飲食店をあなたが救った話題なら、客数の変化を数字で示します。「一日30人だったお客様が、100人に増えた」と書くだけで、一気に説得力が増します。採用担当者はあなたの問題解決能力を信頼し、仕事への期待を寄せるようになるでしょう。

入社後強みをどう活かすか決意を書く

入社後に強みをどう活かすか、決意を忘れずに書きましょう。あなたが活躍する未来を示すことで、採用担当者の心を動かします。

問題解決能力をPRするなら、入社後の困難を見据えるのがおすすめです。

「入社後も困難にぶつかったときは、学生時代に培った力を活かし、目の前の問題をしっかりと見つめ、一つひとつ乗り越えていきます」

と記述すれば、経験を仕事に活かし、業務に邁進する強い決意が伝わります。企業も積極的に採用する気になるでしょう。

【自己PR】ESで企業に魅力が伝わる自己PRの書き方

自己PRを論理的に仕上げる5つのステップ
  1. 受験する企業を研究し、求められる人物像を探る
  2. あなたの強みと企業のニーズを照合し、合致する内容でPRポイントをつくる
  3. アピールポイントを書く(結論ファースト)
  4. アピールポイントの具体的エピソード(学業や部活、アルバイトで強みを発揮した話)を書く
  5. 入社後、強みをどう活かすか決意を書く

自己PRで大切なのは、①②です。ここを疎かにすると採用担当者の心に響きません。急いで執筆しようとせず、じっくりと企業研究をおこなう必要があります。

④を書くときには、簡潔な記述を心がけましょう。字数には限りがあります。長くても400字で話をまとめなければなりません。数字やデータなど客観的な事実を交え、強みを証明することも忘れないでください。

最後に⑤で入社後の決意を示します。PRだけだと単なる自慢話です。今後の仕事に活かす意志を忘れずに伝えましょう。

【自己PR】ESで企業に注目された自己PRの例文4選

課題解決能力

例文

私の強みは課題解決能力です。目の前の課題を分析し、適切な方法で解決に導く自信があります。

私がアルバイトしているプログラミングスクールでは、小学生の生徒の退会が相次ぎ、売上が減少していました。生徒が定着しないのは難しい内容を難しく教えていることが原因だと考えました。

そこで私は、思い切ってプログラミングも学べるゲームソフトを教材にし、遊びの中で自然と興味が向くよう工夫しました。ゲームを進めるために子ども達は新たなスキルを次々と知りたがります。テキスト頼りの教え方も改め、実際に作業しながら興味に応える授業に切り替えました。

その結果、退会はゼロになりました。生徒は皆一様に「楽しい」と口にします。この経験は、私の大きな自信になりました。入社後も原因にしっかりと向き合う中で、貴社に貢献できるよう力を伸ばしたいです。(400字以内)

課題を適切に解決する能力は、どのような仕事にも必要です。しかし説得力のある経験を提示するのは簡単ではありません。

企業の求める課題解決能力とは、問題点を見つけて分析し、有効な解決策を示す能力です。明らかな困難でなくても、「何となく商品の人気が落ちた」「消費者の反応に違和感がある」など、気になることがあれば、原因を突き止め改善点を見出さなければなりません。高い能力が要求されがちです。

この文章では、アルバイト先で直面した売上減少の問題を、自分なりに分析し解決しています。評価できるのは、原因を自分なりに分析し、明確な改善策を打ち出していることです。退会者を減らした事実を示すことで、分析と行動が間違っていなかったことも証明できました。企業への強いアピールになります。

アルバイト先に貢献した経験があるからこそ、入社後の決意は上から目線にならないよう注意が必要です。この文章のように、「貴社の力になれるよう、課題解決能力をさらに伸ばしたい」と結べば、現在の力におごらず嫌味がありません。会社でも意欲的に課題解決にあたる意志を示せます

継続的な努力

例文

私の強みは継続的に努力を続けられることです。宅地建物取引士の資格取得を通し、目標に対し努力し続ける習慣がつきました。

私は経済学が専門のため、宅建は畑違いの分野です。大学の勉強とは別に、資格取得の時間をつくる必要がありました。しかし、一日2時間しか勉強時間が取れなかったため、継続的な取り組みが必要となりました。

長期的に努力を続けるために、集中力の強化と徹底的なスケジューリングを行いました。自分の行動特性を研究し、集中しやすい環境をつくりました。さらに取り組みを続けるために、学習計画を細かく作り、1つずつ達成感を感じながら勉強を行いました。

一年間の継続的な勉強の甲斐があり、試験には一度で合格しました。資格取得で学んだ姿勢は、勉学の力にもなっています。

保険市場は変化が激しく、常に情報を更新し、学び続ける必要があります。就職後の業務においても、じっくりと腰を据えて継続的に努力を重ねていきます。(400字以内)

継続的に努力を続けられる人は企業に求められます。継続力がない人は離職につながりやすい傾向にあります。仕事にじっくりと取り組む姿勢は、最低限の採用条件といえるでしょう。

しかし、最低限の条件だからこそ、「継続的に努力しています」と伝えるだけではアピールが弱いです。資格試験合格のように、努力を証明する事実が必要です。

この文章の良いところは、継続性を証明する事実を示した上で、入社後の具体的な努力にも触れていることです。継続性を挙げておきながら、入社後に努力を継続する話が出ないのは不自然です。具体的な取り組みに言及することで、説得力が増します。

柔軟性

例文

私は柔軟な考え方を持っています。ものごとを一つの価値観で決めつけず、多角的な観点から判断できます。

柔軟性は世界中を旅する中で得ました。旅で実感したのは、文化の多様性です。日本の常識が通用しない場面が多々あり、驚きの連続でした。自分の価値観の狭さを痛感し、現地の文化を積極的に吸収するようになりました。徐々に物事を多角的に捉えられるようになり、世界が広がっていく実感を持てました。

あらゆる視点で物事を考えるようになったことで、ものづくりの幅が広がったように感じます。建築のデザインを考えるとき、今までの倍以上のイメージを引き出せるようになりました。

良い建築士になるためには柔軟性が必要だと考えます。お客様の要望を多角的に捉えられれば、提案するデザインにも幅が出ます。仕事でもさまざまな価値観を貪欲に吸収したいです。(400字以内)

仕事に行き詰まったとき、他の観点で対処したら簡単に解決できるケースがあります。柔軟性がある人は、企業にとって大きな魅力です。

ただし、柔軟性を証明するのは大変です。この文章では、建築のデザインを考えるときに「倍以上のイメージを引き出せた」ことを根拠に挙げています。旅の話から学業の話へうまく転換することで、主張に説得力が生まれました。仕事への活用方法も具体的に示されており、努力や意気込みが明確です。企業から良い評価を得られるでしょう。

「柔軟性」は抽象的な言葉です。エピソードに具体性がないと、イメージが湧きません。実際にどのような場面で柔軟性を実感できたのか、学業やアルバイトに落とし込んで記述すると良いでしょう。

協調性(リーダーシップ)

例文

私の強みは仲間と互いに力を発揮し合う協調性です。

私は飲食店のバイトリーダーとして働いています。お客様が多く忙しいときには、協調性が欠かせません。ポイントは、一人ひとりの得手・不得手を理解し、適材適所で仕事を割り振ることです。スタッフとよく話し、性格の把握に努めました。性格が分かれば、向いている業務も判断できます。得意な分野は信頼して任せ、苦手な分野は協力し合う体制をつくり上げました。

その結果、お互いを各分野のプロフェッショナルとして尊重し、困難に手を差し伸べ合う協力関係が築かれました。どんなに忙しくても、協調関係で仕事を乗り切れています。

この経験から、私は仲間と協力しながら仕事を進める大切さを学びました。就職後は先輩方が築いたチームの一員として、協調性を大切に真摯に業務に取り組みます。(350字以内)

協調性の中でもリーダーシップを前面に出した文章です。難しいところは、入社後すぐには能力を発揮する場がないことです。ただし、将来的には組織を束ねる人材になり得るため、リーダーシップがある人は重宝されます

この文章はエピソードが具体的に記されています。リーダーシップは、具体性が欠けると独りよがりになりがちなテーマです。このエピソードならば、採用担当者に能力を的確に伝えられるでしょう。

文章を書くときには、上から目線にならないよう注意します。「入社後もリーダーシップを発揮したいです」と書くと、上司の立場がありません。この文章のように、「協調性を大切に頑張ります」と収めるのが無難でしょう。

【自己PR】ESの自己PRで失敗しがちなポイント

取り上げるエピソードに具体性がない

取り上げるエピソードに具体性がないと、あなたの強みを証明できません。ESは面接とは異なり、文章ですべてを表現します。具体性がないと場面を想像できず、根拠のないアピールが悪目立ちするでしょう。

たとえば高い統率力を示す場合、統率した経験を具体的に書かなければなりません

「合唱チームのリーダーとして関東大会出場を果たしました」と書いても、統率力の根拠は分からないままです。

「合唱チームの目標を地区大会突破に設定し、忙しくてもメンバーが参加できる余裕あるスケジュールをつくりました。メンバーの得意・不得意を見極めながら、長所を活かすパート分けをおこなったところ、地区大会を無事突破し、関東大会まで出場できました」と書けば、統率力を発揮する姿が目に浮かびます。

具体的な記述を心がければ、説得力のあるエピソードを書けるのです。

アピールする能力に客観的な根拠がない

アピールする能力は、データや数字で客観的な根拠を示します。根拠がないと、独りよがりだと思われる恐れがあります。

たとえばボランティアで街の情報をPRするブログの執筆に携わったとします。「ブログ配信後は、街に興味を持つ人が増え、観光促進につながりました」

と書いても、「本当に興味を持つ人が増えたの?」「観光が促進された根拠は?」と突っ込まれてしまうでしょう。

説得力をもたせるには、数字データを入れ込みます。「ブログを執筆した結果、一日平均200名の閲覧者を抱えるサイトになりました」と書けば、興味を持つ人が増えた証拠になります。「一日数件だった問い合わせが、多い日には30件近く来るようになりました」と続ければ、観光促進効果も裏付けられるでしょう。

多くの会社は、日々データや数字を分析しています。採用担当者にとって、客観的な根拠の提示は当然のことです。常に明確な根拠を示せるよう意識することがポイントです。

ガクチカと内容がかぶる

内容の重複にも注意が必要です。特にガクチカとは内容がかぶりやすいです。同じ内容を書くと、効果が薄まってしまいます。エピソードが充実している内容はガクチカに回し、自己PRには主張が強い内容を書くと良いでしょう。

ガクチカではエピソードをメインに据えます。エピソードの中で自己PRを行う形です。一方、自己PRは主張がメインです。強みがはっきりとわかる文章を心がけましょう。

以下を強く頭に入れ、内容を選別して書きましょう。

  • 自己PR→主張がメイン。主張から入り、入社後の決意で終わる
  • ガクチカ→エピソードがメイン。エピソードを述べる中で自己PRをおこなう。最後は仕事への活用につなげる

自己紹介・自己PRはあなたを紹介する2つの軸!

自己紹介と自己PRは、あなたを企業に紹介する2つの軸です。

ESの導入にあたる自己紹介では、あなたの基本情報をきっちりと伝えます。あなたの人柄を読み取ってもらえるよう、しっかりと内容を記述しましょう。会話のように長々と書くことはできません。200〜300字を目安に、簡潔にまとめましょう。

自己PRは、あなたのスキルや強みを最も端的に企業に伝える項目です。企業はニーズへの適合を見極め、応募者を比較検討します。まずは企業のニーズを探り、ニーズに合う強みを押し出せば失敗がありません。

エピソードは具体的に書き、データや数字を用いて強みを客観的に証明してください。

自己紹介と自己PRがしっかりしていれば、あなたの魅力が伝わります。内定をぐっと引き寄せられるでしょう。伝わりやすい文章を念頭に置き、執筆を始めましょう。

自己PRで継続力をアピールする!効果的な書き方とコツ【例文あり】

自己PRで「継続力」を効果的にアピールするには、まず企業が求める人物像を理解し、必要とされる継続力を明確に把握することが欠かせません。

この記事では、企業がどんな「継続力」を求めているのかに焦点を当て、自己PRの基本構成や言い換え方法、具体的な例文を解説しながら、採用担当者の印象に残る自己PRの書き方を紹介します。

「継続力」は、多くの就活生が自己PRのテーマとして選びますが、単に「◯◯を△年間続けた」と述べるだけでは、強みをアピールできません。企業に評価してもらえる「継続力」のポイントをおさえることが肝心です。

この記事を参考に、自己PRで「継続力」を最大限アピールし、選考突破目指しましょう。

企業が求める「継続力」とは?

「継続力」とは、仕事において、目標を達成するために長期的な取り組みや努力を続ける力で、仕事をする上で必要不可欠な能力の1つです。継続力は、さまざまな業界や職種で評価される能力なので、ESや面接でアピールすれば好印象に繋がります。

しかし、ひとくちに「継続力」と言っても、業界や企業、職種によって継続力に対するイメージや、必要とされる継続力の種類は異なります。そのため、ただ単に「継続力があります」とアピールしても採用担当者の印象に残りません。

そこで、「継続力」を軸に自己PRを作成するときは、志望企業で求められる継続力のタイプを分析することで、自分がどのような継続力を持っているのか分析することが重要です。

企業が求める人物像にマッチした「継続力」をアピールできれば説得力が高まり、他の就活生とも差別化することもできます。

自分の「継続力」が志望企業でどのように活かせるのかイメージしながら、自己PRを練ってみましょう。

自己PRで企業から評価される4つの「継続力」

困難を乗り越え最後までやり抜く「継続力」

困難な状況に直面しても、最後まで責任もって取り組むことができる能力はどんな業界・業種でも求められます。

特に、業務量が多く、仕事の難易度が高い業界・職種では高く評価されます。

例えば、高い売上目標のある営業職、デッドラインに追われながらも成果物のクオリティが求められるマスコミ出版業界、複雑なプロジェクトに長期的に取り組む金融業界コンサルティング業界などです。

問題を解決しながら粘り強く取り組む力は、チャレンジ精神や忍耐強さをアピールすることにも繋がります。

「困難に立ち向かい、最後までやり抜ける人物」であることをアピールしましょう。

何があっても動じない「継続力」

突発的なトラブルや変化に対し、冷静に対処できる能力は、仕事を安定的に着実に進めていく上で重要なスキルです。

特に、仕事内容や環境の変化が激しい業界や職種で、このようなスキルが求められる傾向にあります。

例えば、システムの障害などの問題に迅速な対応が求められるIT業界、市場の動向や競合他社の動きを常に意識しなければならない金融業界商社、顧客との突然の問題に対処することが不可欠なサービス業などです。

問題が起きても慌てずに的確な判断を下しながら物事を進められる人は、「セルフコントロールができる」「論理的思考ができる」というイメージも持ってもらえるでしょう。

コツコツと積み上げる「継続力」

仕事で活躍するためには、スキルや知識の積み上げが欠かせません。そのため、コツコツと努力できる能力はどんな仕事でも求められる力です。

特に、専門的な知識やスキルを要する業務や、知識のアップデートが頻繁に必要な業界や職種で求められる傾向にあります。

代表的な仕事として、技術開発研究職などが挙げられます。また、法令や規定をチェックする業務や、経理や労務などの事務職も当てはまります。

地道に努力できる力は、「計画性がある」「粘り強い」といった印象にも繋がります。

特に新入社員の場合は、未経験からスタートし、業界や職種に必要な知識やスキルを習得するため、「継続して学ぶ姿勢」もアピールしましょう。

より良い質や関係をキープできる「継続力」

商品やサービス、スキルなどを、常に一定のクオリティで保つスキルも重要な能力です。

何事も継続的な見直しや努力をつづけなけば、質を担保することはできないからです。

この継続力は、業務品質の担保や継続的な人間関係の構築が求められる仕事で評価される傾向にあります。

例えば、インフラ官公庁、正確な文書作成やデータ入力・管理が求められる事務職、顧客との信頼関係を築きながら商品やサービスの品質を維持する営業職、などが挙げられます。

目立つような結果や成果はないかもしれませんが、「安定感がある」「信頼できる」といった印象を持ってもらえるでしょう。

自己PR「継続力」の基本構成

① 結論:強みが「継続力」であることを端的に述べる

② 具体的なエピソード:「継続力」を発揮した経験を書く

③ 結果:経験から学んだこと・身につけたスキルを書く

④ 入社後の目標:「継続力」を入社後どのように活かしたいのかを書く

①強みが「継続力」であることを端的に述べる

自己PRの冒頭では、まず「結論」を明確に述べます。

この場合、自分のアピールポイントは「継続力」であることを端的に示しましょう。

最初に結論を述べることで、これから継続力に関する話をすることがわかるので、採用担当者も内容の理解がスムーズです。

一方、結論が後回しの自己PRは、理解するのに時間がかかり、読み飛ばされてしまう可能性が高くなります。

結論ファーストを心がけ、ひと目で内容がわかる文章に仕上げましょう。

②「継続力」を発揮した経験を書く

結論の後には、具体的なエピソードを書きます。

継続力が強みとなった背景・理由を、過去の経験談を通して分かりやすく説明します。

特に、困難や課題を乗り越え、最後まで継続した経験は説得力があるのでおすすめです。

継続年数回数などを具体的に書き、継続するために努力したこと工夫したことを具体的に掘り下げて書くとより伝わりやすくなります。

具体例は就活生それぞれの個性が出る部分なので、インパクトのあるエピソードを自己分析で洗い出しましょう。

③経験から学んだこと・身につけたスキルを書く

次に、具体的なエピソードで挙げた経験から得た成果や結果を述べます。

継続力を発揮したことで得た学びや身につけたスキルを具体的に示しましょう。

数値で表せる結果取得した資格などがあれば、それを挙げることで説得力が増します。

しかし、大切なのは結果そのものではなく、経験を通じてどれだけ成長できたか、価値観にどんな影響を与えたかという点です。

特に新卒採用の場合は、応募者の人物像に注目しているので、人柄が伝わる内容を意識しましょう。

④「継続力」を入社後どのように活かしたいのかを書く

自己PRの最後は、入社後の目標抱負を述べて締めくくります。

これまで述べてきた「継続力」を業務の中でどのように活かしたいのかを述べましょう。

この時、志望企業の求める人物像とマッチした内容で書くことで、採用担当者は応募者が自社で活躍する姿をイメージしやすくなります。

自己PRの締めくくりは、入社への意欲ややる気をアピールする部分でもあります。

「強みを活かして働きたい」という思いをしっかりアピールしましょう。

「継続力」を魅力的にアピールするポイント

具体的な数字でアピールする

継続力をアピールする際は、何をどのくらい続けてきたのか、具体的な期間や回数などを数字で表しましょう。

継続力を発揮したことで得た成果が数値化できる場合も、積極的に取り入れましょう。

具体的な数字は客観的な証拠となり、採用担当者に自分の継続力をより強く印象付けることができます。

例えば「6ヶ月間、週に10回時間以上のペースで自主学習の時間を確保し、TOEICのスコアを300点から800点に向上させました。」のように数字の情報が入ることで説得力が高まります。

ただし、数字の情報が多すぎると内容が分かりにくくなってしまうケースもあるので、ポイントを絞って盛り込むのがおすすめです。

「継続力」を他の言葉に言い換える

「継続力」はよくある自己PRのキーワードであり、他の就活生と被ってしまうリスクがあります。

そこで、継続力をアピールする際に、他の言葉に言い換えることで、自己PRをより魅力的にブラッシュアップすることができます。

例えば、「学び続ける向上心がある」、「ポジティブに行動し続けられる」、「責任感を持って最後までやり抜く」、「どんな場面でも乗り越える忍耐力」などの言い回しも「継続力」をアピールできる文章です。

言い換えることで、「継続力がある」と一言で言い表すよりも、読み手に自分の継続力を分かりやすく伝えることができます。

どのように継続力をアピールしたいのか掘り下げて、しっくりくる言葉に置き換えてみましょう。

仕事に活かせる「継続力」を選ぶ

自己PRは、「自分の強みを企業でどう活かすのか」をアピールすることが肝心です。

これまで解説してきた通り「継続力」にはさまざまな種類がありますが、その中でも志望企業の求める人物像に合致した「継続力」をアピールしましょう。

思いついた「継続力」が仕事で活かせるかどうかは、業務内容や職種、経営理念や社風など企業ごとに異なります。

そのため、業界・企業研究をしっかり行った上で自己PRを作成すれば、自己PRにも説得力が出ます。

自分の「継続力」が、志望企業でどのように役立てられるのか、イメージしながら自己PRを作成しましょう。

「継続力」をアピールする例文

アルバイト

例文

私の強みは、どんな些細なことでも、コツコツと努力を積み重ねる「継続力」です。大学に通いながら、2年間、コールセンターでアルバイトをしています。

始めた当初は、電話応対に慣れておらず、お客様に満足いただける対応をすることができませんでした。しかし、そこで諦めずに、先輩の対応を参考にしながら、隙間時間にロールプレイングを繰り返し行いました。また、お客様との会話内容をメモし、改善点を探しました。

こうした努力を継続した結果、電話応対のスキルが向上し、開始当初70%だった顧客満足度を90%にアップできました。この経験を通して、継続的な努力は必ず結果に繋がることを学びました。

貴社に入社後も、強みである継続力を活かし、一つ一つ課題をクリアしながら顧客に満足してもらえる提案をしていきます。(350字以内)

アルバイトの経験を例に挙げ、継続力をアピールしている例文です。

アルバイトを続けている学生はたくさんいるので、続けるためにどんな努力や工夫をしているかがポイントになります。

この例文では、「ロールプレイングを繰り返す」「会話内容をメモする」など、スキルアップのための具体的な取り組みが示されており、応募者の仕事への前向きな姿勢が感じ取れます。

また、顧客満足度を具体的な数字で記載することで、経験から得られた成果や応募者の成長が伺えます。

このように、経験をより具体的に描写することで、「コツコツと努力できる人」という応募者の人柄が採用担当者にも伝わるでしょう。

サークル活動

例文

私の強みは、困難な状況でも諦めずに目標を達成する「継続力」です。大学時代は2年間、テニスサークルで副キャプテンを務めました。

当時、部員不足により練習試合の相手が見つからず、チームの士気が低下していました。そこで、私は積極的に他大学との交流を図り、練習試合の機会を増やすことに尽力しました。

断られることも何度もありましたが、諦めずに粘り強く交渉を続け、最終的には10チームと定期的な練習試合を行うことを実現しました。

その結果、部員の練習へのモチベーションが向上し、チーム全体のレベルアップにつながりました。また、積極的に行動することでコミュニケーション能力も磨き、リーダーとしての責任感も身につけました。

貴社に入社後も、この継続力を活かし、どんな課題にも粘り強く取り組んでいきたいです。(350字以内)

サークル活動の経験を例に挙げ、継続力をアピールしている例文です。

単にサークルに所属していた年数をアピールするのではなく、どんな目標を持って参加してきたかがポイントになります。

この例文では、「部員不足でチームの士気が低下していた」という課題に対し、「諦めずに他大学に交渉を重ね、練習試合を実現させた」という困難を乗り越えたエピソードが含まれていることによって、説得力の高い内容に仕上がっています。

挫折しそうになった経験は継続力を語る上で武器になるので、積極的にエピソードに盛り込みましょう。

趣味(筋トレ)

例文

私の強みは、理想を維持するための「継続力」です。大学時代から筋トレを趣味としており、週に3回のペースでトレーニングを続けています。

筋トレを始めた当初は、筋肉痛や疲労感で思うように結果が出せず、挫折しそうになったこともありました。しかし、トレーニングメニューを見直し、食事内容にも気を配ることで、徐々に成果が現れ始めました。

現在では、体重を5kg増量し、体脂肪率を5%減らすことに成功し、目標としていた体型をキープできています。さらに、筋トレを通して精神的な強さも身につけ、困難な状況にも動じない心を育むことができました。

この経験を通して、理想を実現するためには、継続的な努力が不可欠であることを学びました。入社後も、この継続力を活かし、貴社のブランドイメージを高める戦略を立案したいです。(350字以内)

趣味を通じて得たことを例に挙げ、継続力をアピールしている例文です。

趣味は自己PRの題材にしにくいと感じる人もいるかもしれません。

しかし、その趣味を通してどのような経験や学びを得たのか、それをどのように仕事で活かせるのかを具体的に説明することができれば立派な自己PRになります。

この例文では、「理想の自分を維持するために努力してきた」という内容と、「志望企業のブランドイメージを高める仕事がしたい」という内容に繋がりが感じられます。

自己PRを作成するときは、仕事に活かせる内容かどうか、アピールポイントの着地点をしっかり吟味しましょう。

「継続力」をアピールするときの注意点

エピソードは1つに絞る

自己PRを書くときは、アピールする内容を1つに絞るのが鉄則です。

例えば「ダンスを5年、アルバイトを2年、を継続してきました。」とアピールしても、1つひとつの内容が薄くなってしまい、印象に残りにくくなってしまいます。

特に、ESのスペースには限りがあるため、1つの内容にスポットを当てて深堀りして伝えた方が効果的です。

継続力を発揮したエピソードをいくつかピックアップし、自分らしさが最も伝わる内容、志望企業に刺さる内容を厳選しましょう。

「短所」と矛盾しないよう注意

自己PRで「継続力」をアピールする際には、「長所・短所」などで述べている短所と矛盾しないように注意が必要です。

例えば、自己PRで「継続力」を強調する一方で、短所で「飽きっぽい」などと書いてあると、本当に継続力がある人物なのか信憑性がなくなってしまいます。

逆に、短所に「諦めが悪い」と書いていれば、強みが「継続力」であることも納得できます。

矛盾が生じてしまうと応募者の人物像がはっきりせず、「自己分析ができていない」と判断されてしまいます。

「強み」と「短所」が互いに補完し合うように工夫し、応募書類全体を通して人柄に一貫性があるようにしましょう。

事実ではなく「成長・学び」をアピールする

「継続力」をアピールするときは、「何年間◯◯◯を続けた」と、かけてきた時間や事柄だけを強調するのではなく、継続する過程で得られた成長や学びをアピールするのがポイントです。

成長したこと、学んだことを伝えることで、採用担当者に応募者の人柄や価値観も伝わりやすくなるからです。

特に、困難に直面したときにどのように対処したか、どのような工夫や努力をして乗り越えたかを説明すると、「仕事でも継続力をかして、課題を乗り越えてくれそう」、「成長意欲がある人」とプラスのイメージを持ってもらえます。

自己PRで「継続力」をアピールするときは、継続してきた「過程」を深堀りしてみましょう。

志望企業にマッチした「継続力」で自己PRを完成させよう!

就職活動において、「継続力」は企業から評価されやすいアピールポイントの1つです。

継続力のある人は「仕事を長く続けてくれる人」というイメージだけでなく、「仕事に熱心に取り組める人」、「努力を続けられる人」というイメージがあります。

しかし、単に「継続力があります」と主張するだけでは、説得力に欠けてしまい、他の就活生と差別化することはできません。

大切なのは、企業が求める「継続力」を理解すること、そして自分の「継続力」がどのような継続力なのか分析することです。

それぞれの内容がマッチした自己PRは説得力があり、採用担当者にも好印象を与えられます。

また、継続してきた結果に囚われ過ぎず、挫折しそうになった経験や、過程の中で学んだことを加えれば、応募者の人柄が伝わるオリジナリティのある文章に仕上がります。

自信を持って「継続力」をアピールするためにも、企業研究自己分析が欠かせません。

自分自身も、企業も、納得できる自己PRを作成して、書類選考を突破しましょう!

自己PRがない時の対処法は?アピールできる題材を解説【例文あり】

「自己PRでアピールすることがない」と書けずに悩んでいる就活生は非常に多いです。「成功体験や実績、大きな結果がなければアピールにならないのでは?」と思っている人も多いですが、自己PRはそのような経験がなくても十分にアピールすることができます。

この記事では、自己PRが書けないと思い込んでいる人の原因や対処法、自分の強みをアピールする自己PRの書き方を解説しています。

例文を参考に自分の長所を活かした自己PRを作成していきましょう。

自己PRがない・書けないと感じる理由

自分のことを過小評価してしまっている

自分のことを過小評価していると、自分にはアピールできることや強みがないと考えたり、「こんなことを書いても意味がないかもしれない」と決めつけてしまって、自己PRが書けないことも多いです。

しかしながら、自分は当たり前にこなしていることが、実は他の人にとっては難しいということもあります。

自分では自然とできていることなので、アピールできる材料だという自信が持てないかもしれませんが、他の人からは立派な強みであると判断してもらえることもあるのです。まずは、自分ができること、得意とすること、褒められたことがあることなど、広く書き出してみることが大切です。

自己分析が足りていない

これまでの経験を振り返っても、自己PRすることがないと感じる場合、自己分析が不足していると考えられます。

過去の経験をただ振り返るのではなく、壁にぶつかったときに何を考え、感じ、どのような行動をとって乗り越えたのか、深く掘り下げ、自分の発揮した力や思いを言語化していく必要があります。

強みになる要素は柔軟性、リーダーシップ、傾聴力、協調性、忍耐力など、他にもたくさんあります。深く自分の内面を知っていくと、アピールしたいポイントが必ず出てくるはずです。

派手なアピールでなくてはならないと考えている

企業が自己PRを通して知りたいのは輝かしい実績や採用担当者をアッと驚かせる経験ではなく、就活生の人柄や価値観です。

どのような思考で物事に取り組んでいるのか、モチベーションの源泉、自分の思いといったものを通して伝えることができるので、立派で派手な実績は必須ではありません。

実績を使った方がより伝わるので、数字を用いられる場合は積極的に取り入れます。特殊な結果でなくとも自分の魅力が伝わるエピソードを選びましょう。

自己PRが見つからないときの対処法

他の人に聞いてみる

学校の先輩や友人、アルバイト先の先輩・社員、家族、など自分以外の人に強みを聞いてみるという方法があります。他の人に聞く最大のメリットは、自分では全く気が付かなかった強みを知れることができるという点です。

学校からアルバイト先まで聞ける範囲が幅広いので、複数の人に聞いてみると良いでしょう。同じ意見が何度も出てきた場合、自信を持ってアピールすることができるはずです。特に既に社会に出て働くサークル・部活の卒業生、アルバイト先やインターン先の社員の人の意見は就活で活かしやすいのでおすすめです。

小さなエピソードでも自信を持つ

特別な経験や実績でなくても、自己PRとしては十分な内容になりえます。企業が知りたいのは就活生の人柄や、その企業とのマッチ度です。

求めている人物かどうかを確かめてもらう上で、立派な実績は必須ではありません。むしろ、小さなエピソードであっても、自分の人柄が良く出ている内容であれば、十分に魅力をアピールすることができます。

そのため、これまでの経験から特に自分自身の個性が出せたと感じているものを抜き出し、深堀りしてみましょう。自信を持って堂々とアピールすれば、そのエピソードが派手なものでなくとも好印象を残せるでしょう。

失敗経験や短所を掘り下げてみる

「成功体験がない」「長所が浮かばない」と思っている人は、失敗経験や短所から見つけてみると良いでしょう。自己PRで求められるのは成功経験があるか否かではありません。失敗したからこそ学べたことや、得たこともあるはずです。

また、これらを自己PRに取り入れることで、ネガティブなことからも学び取れる力がある人材だというアピールにも繋がります。長所が浮かばない人は、短所の方が浮かびやすい傾向にあります。短所に感じるところにも、良い一面が隠れています。

自分の良くない所だと思っていたことを、深く追求すると「最後までやり遂げられる力がある」「物事を自分ごととして捉えられている」など、自己PRで使えるプラスの面が見えてきます。自己PRが見つからないときは、失敗経験や短所から気づけるポイントを振り返りましょう。

応募先企業の求める人物像から見つける

自己分析を深めてもアピールできることがないと思ったときは、企業が求める人物像を自分に照らし合わせてみるのもおすすめです。

求める人物像は企業のHPの採用ページや就活サイトに記載されていることが多いので、まずはHPを読み込みましょう。中には明確に人物像を公開していない企業もありますが、社員紹介ページや企業理念などからヒントを得ることはできます。活躍している人材の特徴や、行動指針をチェックすると良いでしょう。

また、社長や人事担当者に対するインタビュー内で求めている人材について触れられているケースもあります。気になっている企業に該当する記事がないか検索してみてください。

情報を調べ、浮き上がってきた求められる人物像と自分との共通点を探すことで、自己PRに取り入れることができます。ただし、求める人物像に無理に合わせたり、虚偽の内容にするのはやめましょう。

自己PRの書き方

自己PRを効果的に伝える書き方

①自分の強み・アピールしたいことから書く

②経験した時の背景・状況を伝える

③課題と解決策を書く

④応募先企業で強みを活かして働きたい意志を伝える

①自分の強み・アピールしたいことから書く

分かりやすい自己PRにするためのコツは先に結論を伝えることです。

文章の最後に強みが分かる構成の場合、読み手側は序盤では強みを推察しながら読み進める必要が出て来ます。途中の内容の印象が薄まってしまったり、整理するためにもう一度読み直す手間が発生してしまうため、避けるのが無難です。

「結論から書く」を意識することで、最も伝えたいキーポイントの書き漏れを防ぐこともできます。また結論が簡潔に述べられていると、文章をまとめられる力論理的思考力のアピールにも繋がるのです。

自己PRにおける結論とは「自分の強みやアピールしたいこと」。したがって、自己PRの書き始めにはこれらの要素を持ってくるようにしましょう。

この時、企業が求める人物像と近しい強みを優先的に選ぶようにすると効果的です。ただし、内容を偽るのではなく、自分の強みの中から近しい要素を選び、応募先企業に相応しい人材であるアピールをしましょう。

②経験した時の背景・状況を伝える

自己PRでアピールしたい力が発揮された時の状況について触れることで、自己PRの内容が読み手により伝わりやすくなります。

ゼミでの集まり、アルバイトでの接客中、後輩への指導中、留学先の学校やホームステイ先など、さまざまな場面があります。

長々と細かな説明をする必要はありませんが、どのようなシチュエーションで力を発揮したのかイメージしやすい一文があると良いでしょう。応募者の解像度が上がり、自己PRの内容がより伝わります。

③課題と解決策を書く

その状況で自分が直面した課題・問題はどのようなものだったか、そしてどんな行動によって解決したのか記載しましょう。課題を見つけ出す力、問題を解決できる力のアピールにも繋がります。

自己PRの内容に説得力を持たせるコツは、できる限り具体的な内容にすることと、客観的な評価を取り入れることです。目の前の課題についてどのように考え、どんな行動をとったのか、簡潔にまとめましょう。

客観的な評価とは、例えば、上司やお客様、周囲の人たちから得た評価を指します。時給が上がった、教育係を任された、表彰された、実際にいただいた言葉などが挙げられます。自分だけでなく周囲から認めてもらったという事実が伝わる内容が理想的です。

④応募先企業で強みを活かして働きたい意志を伝える

最後に、入社後は自己PR内で語ってきた強みを企業で活かして貢献したい気持ちをアピールして締めくくりましょう。文章の最後に改めて自分の強みに触れることで、読み手の印象にも残りやすくなります。

選考中は書類や面接を通して、企業に対して入社したい気持ちを伝えることが大切です。自己PRの最後に、応募先企業で活躍したいというアピールをするのはおすすめです。

【パターン別】自己PRの例文4選

勉強

例文

私には諦めずに続ける力があります。
入学当初「1年生の間に英検準1級に合格する」という目標を掲げましたが、2回の試験に落ちていました。
2回目に落ちた際には、諦めてTOEIC受検に切り替えようかと考えましたが、どうしても合格したい気持ちが強く、原因を追及して勉強法を変えました。
語彙力アップのため、隙間時間に1日平均15単語を覚えることと、1週間かけて数問の長文問題への理解を深めていくことを約1年間行い、3回目で合格に至りました。
着実に目標に近づいている感覚に喜びを感じていたため、コツコツと毎日勉強を積み重ねていくことが苦ではありませんでした。
この経験を通して、今では「継続は力なり」が私のモットーです。
入社してからも、困難な状況になった時にも決して簡単に諦めることなく一歩ずつ歩みを進めていける人材となれるよう努めていきます。(400字以内)

大学に関連した内容以外の物事でも、自己PRでアピールできます。自己PRが思い浮かばないときは、プライベートで自分が頑張っていることは何か振り返ってみても良いでしょう。

また、行ったこと伝える際には数字を入れるのもおすすめです。上記の場合「1日」「15単語」「毎日」「1週間」などが挙げられます。他には「〜%」「〜割」「円」なども分かりやすい数字です。

量や時間などの客観的な数字が分かると、自己 PRの内容がイメージしやすくなります。

部活

例文

私は挑戦を恐れない人間です。学生時代は「やらなかった後悔は一生残る」という思いから、未経験ながらチアリーディング部に入部しました。
運動部出身でもなかった私は入部当初、基礎練習に着いていくのもやっとだったため、帰宅後には走り込みと筋トレを行なって体力と筋力アップを図りました。また休日にも基礎練習を行い、柔軟体操は毎日欠かさず、ダンスレッスンにも通うようにしました。努力を続けた結果、他校の方から「幼少期からチアをしているのかと思った」と言ってもらえるまで上達する事ができました。
自分だけができないという辛い時期もありましたが、毎日充実感を感じており、新しいことへの挑戦が人生を豊かにしてくれるのだと学びました。今後も新しいことに臆せずトライしていく姿勢を活かして、貴社で活躍したいです。(350字以内)

上記の部活を使った例文では、アピールしたい要素が「挑戦・チャレンジ精神」となっていますが、挑戦にもさまざまなタイプがあります。

分かりやすく分けると【新しいことへの挑戦】【苦手なものごとに対する挑戦】【難しい状況を打破しようとする挑戦】です。

それぞれ結果に辿り着くまでのプロセスや考え方に違いが出てくるので、自己PRで使う際は注意しましょう。自己PRの文章をまとめる際には、違いがあることを意識しておくと書きやすくなります。

サークル

例文

私の強みはみんなを繋げられるバランサーであることです。
立ち上げたサークルでは当初、他サークルと活動場所を共用していました。しかし準備と後片付けの範囲や、使用日を巡り険悪なムードが漂っていました。
両サークル内で不満が留まっていることが問題だと考えた私は、相手サークルの代表者に意見交換を打診しました。
意見交換にあたって下記2点を意識しました。

 

・自分の意見に偏らないよう、サークルメンバーに必ず相談しながら進めること

・相手サークルのメンバーも心置きなく活動しやすい条件にすること


譲れない条件と妥協ポイントを徹底的に突き詰め調整した結果、両サークルの雰囲気は次第に穏やかになり、サークル活動で交流できるまでに変化しました。
入社してからも、様々な立場の人のことを尊重しながら主体的な行動をとっていきたいです。(350字以内)

複数の物事を説明したい場合、最初に「2つあります。」「2点です。」のように数を伝えておくのも良いでしょう。

説明したいパートを単語や短い文章で表現できないときは、どれくらい列挙されるのかあらかじめ分かっていた方が読み手は読みやすくなります。

また、一目で分かりやすい箇条書きを取り入れるのもおすすめです。とくに一文が長くなるときは、箇条書きでまとめた方が分かりやすくなるでしょう。

自己PRは読みやすさも大切なポイントなので、内容に合わせて書き方に工夫をこらしましょう。

アルバイト

例文

私は常に目の前のことに意欲的に取り組みます。
近所の小さなレストランでアルバイトをしているのですが、「客層を広げたい」というオーナーにSNSの活用を提案し、SNSを任せてもらうようになりました。
注文や会計時に「来店のきっかけ」を聞いてみると、想像以上にSNS投稿がきっかけのお客様が増加していることがわかり、もしかしたら売り上げアップに繋がるのでは、と考えました。
そこで、イベントや季節に合わせた高価格帯のコースの紹介や、団体予約ができることをアピールした投稿を取り入れることで、単価アップを試みました。
最終的に若年層の集客と平均単価のアップに繋がり、単価を上げたいと目標を設定された訳ではありませんでしたが、自分で考えたことがお店の売り上げに反映されていくことにやりがいを感じました。
貴社においても課題に対し、主体的に取り組み、売り上げに貢献していきたいです。(400字以内)

アルバイトを使った自己PRは、実際に仕事をする時の考え方や価値観が伝わるのでおすすめの題材です。

ただしアルバイトで売り上げアップに貢献したことを伝える場合、ただ単に「売り上げが2.5倍になりました。」と言った数字だけをアピールした自己PRで終わってしまってはもったいないです。

採用担当者が知りたいのは応募者の人間性なので、自分がとった行動や考え方が伝わる文章は必ず入れるようにしましょう。自己PRで使う際は注意しましょう。

どんな題材でも自信を持って自己PRしよう

自己PRがないと思っている人でも、自己分析を深めたり周囲の人に聞いてみると、必ず1つはアピールできること・したいことが浮かんでくるはずです。

立派な成果や大きな実績やがなくても問題はありません。むしろ大きな結果を残しても、結果にしか触れられていなかったり、自分の価値観が伝わらない内容だとマイナスの印象にもなりかねません。

自分がどんな思いで取り組んだのか、得たことは何かが伝わるように深掘りし、自信を持って自己PRを作成していきましょう。

自己PRで性格をアピールする書き方は?言い換えの一覧も紹介【例文あり】

ESでの自己PRで「性格」をアピールする際には、押さえておくべきポイントがいくつもあります。この記事では、性格をアピールする自己PRの書き方や、段階ごとのポイント、言い換え表現の例を解説しています。

また、強み別の例文もあわせて紹介していますので、性格をどのようにアピールしたらいいか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

ESの自己PRで「性格のアピール」が求められる理由

企業がESの自己PRにおいて性格のアピールを求める理由は、大きく分けて2つあります。

  1. 就活生の自己理解への深さを知りたいため
  2. 自社とのマッチング度の高さを見極めたいため

人事担当は就活生からもらった性格に関する自己PRを通じて、就活生自身の「自己分析能力」を知ることができます。

自分自身がどんな性格なのかを解釈し、文字としてアウトプットする力は、仕事においても必要となる「自ら考え、表現するスキル」に通ずるものがあります。いわば、企業はESという選考における最初の関門で、就活生の「自己分析能力」を判断したいのです。

また、人事担当は就活生の自己PRをふまえて、自社が求める人物像と就活生の性格がマッチしているかどうかも見極めています。

ESの自己PRで性格をアピールするメリット

人柄を企業へダイレクトにアピールできる

ESで性格をアピールすれば、あなた自身の人柄をダイレクトに表現できます。

たとえば取得資格、勉強の成績、アルバイトの実績、部活動の成果などは個人のスキル・能力を知る手がかりにはなりますが、その人の性格が分かる要素ではありません。

本記事の冒頭でもお伝えしたように、企業は「就活生の性格は自社が求める人物像にマッチしているか?」を慎重に見極めます。そのため、書類選考の段階から、あなたのパーソナリティを分かりやすくアピールすることが重要です。

あなたの性格をアピールする際は、まず「自分はどんな人間なのか?」を自問自答し、十分な自己分析を行うことが重要です。その上で、企業へもっともアピールしたい性格をピックアップしましょう。

エピソードを交えて具体的にアピールできる

実際のエピソードを交えた性格のアピールは、具体性のある自己PRとして高評価を得やすい傾向にあります。

たとえば「責任感があります」という長所のアピールで終えてしまった場合、どのようなシチュエーションで責任感の強さが発揮されたのかがイメージできません。

ES提出の段階では、人事担当は書類でしかあなたという人間を知ることができないため、「いかに相手が具体的にイメージしやすい内容なのか」を意識して自己PRを書くだけで、あなたのアピール力は大きくアップします。

具体的なエピソードの例として、アルバイト、ゼミ研究、部活動などの大学生活における取り組みが挙げられます。高校生以前の実体験などは年数をさかのぼりすぎてしまうため、大学生活のエピソードをピックアップしましょう。

入社後の活躍像を人事にイメージしてもらえる

自己PRを通じて人事担当へ性格をアピールすれば、あなたの入社後の活躍像をイメージしてもらえます。

具体的なエピソードも交えて自己PRを行えば、「あなたの性格はどんな状況で発揮されたのか」という点も想像しやすく、実際の仕事におけるシチュエーションに落とし込んで考えてもらえるでしょう。

そのために、自己PRの文末を締めくくる一文として、あなたが目標とする入社後の活躍像を書くのをおすすめします。人事担当は明確にあなたの入社後の活躍像をイメージできますし、あなた自身にとって入社後目指すべき「抱負」を得られるはずです。

自己PRで性格をアピールする構成

最初に結論を述べる

自己PRは結論から始めるのが基本です。最初に「〇〇が強み」だということを明記しておくことで、自己PRが何についての内容なのか、どのような点がアピールポイントなのかが伝わりやすくなります。

基本的には率直かつ簡潔に書くのが好印象を与えやすいですが、「私の強みは継続力です」など、単純すぎるものはインパクトに欠けるおそれがあります。そのため、強みの内容に少し具体性を持たせた表現でオリジナリティを出しましょう。

理由や根拠となるエピソード

次に、結論に至った理由や根拠となるエピソードを書きましょう。ここではなるべく具体性を持たせる必要があります。

具体的なエピソードがないと、採用担当者はその強みが実際にどのように働くのかをイメージできません。そのため、「どんな場で、どんな事があった」かを明記し、自身の強みに説得力を持たせることで、好印象を残せるでしょう。

ただし、強みをアピールしたいからといって、過度な誇張はNGです。採用担当者は多くの就活生を見てきているため、明らかに誇張していたり、内容を偽っていたりするものには必ず気付きます。派手でなくとも、自分の強みがよく表れているエピソードを書けば問題ありません。

入社後に強みをどう活かすか

最後は、入社後にその強みを活かしてどう活躍・貢献するかという意気込みで締めましょう。新卒の場合は特に、企業が就活生に求めているものは将来的な成長です。将来的なビジョンがない人は、成長した姿も想像しにくく、採用に後ろ向きになる可能性があります。

また、意気込みを述べる上では、企業研究も欠かさないようにしましょう。実際にどんな場で役立てると考えているのかは、その企業の事業内容を詳しく知っていなければ書くことはできません。

将来の成長と同時に、企業への理解も示すことができれば、選考を有利に進めることができるでしょう。

ESで性格をアピールするポイント

好印象を与えられるような性格を選ぶ

人事担当へ好印象を与えられそうな性格をチョイスすることがポイントです。

具体的には、「継続力が高い」や「リーダーシップをとれる」「責任感が強い」などの性格は、仕事においてもプラスに働くイメージが浮かびやすいため、人事担当へ刺さりやすいと言えます。

自己PRへ性格を盛り込む前に、あなたの性格傾向をザッと箇条書きでまとめてみましょう。その上で、「どの性格が一番好印象を与えやすいのか」を考えてみることがおすすめです。

その際のコツは、「仕事の場で活かせそうな性格はどれなのか」を判断すること。さらに、具体的なエピソードを交えたアピールができそうな性格をピックアップするとより良いでしょう。

求める人物像にマッチする性格をアピールする

自己PRとは、あなたの人柄をダイレクトに伝えられる項目です。

自己PRでアピールした性格が企業の求める人物像にマッチしない場合、選考に進むことはできません。しかし、求める人物像にマッチしていれば、選考通過の可能性を一気に開くことができます。

多くの場合、企業の求める人物像は、就活サイト・採用ホームページなどに詳しく明記されています。そこから逆算して、求める人物像にマッチしそうなあなたの性格を自己PRでアピールしましょう。

長所を言い換えて伝える

性格自己PRの書き方(例)
真面目真摯な姿勢で仕事に取り組める
几帳面仕事の細部まで丁寧に取り組める
優しい思いやりをもって仕事に取り組める
聞き上手相手の話に耳を傾けることができる
好奇心旺盛新たな仕事にも積極的にチャレンジする
感受性豊か相手の気持ちを考えて接することができる
責任感が強い自分の仕事を最後まで諦めずに取り組める
協調性があるチームプレーを意識して仕事に取り組める
継続力がある結果が出るまでコツコツと仕事に打ち込める
計画性がある段取りをしっかり立てて仕事に取り組める

このように、「長所」を実際の仕事に置き換えて表現すれば、より具体性のある性格のアピールが可能です。

ただし、具体性を持たせすぎるあまり、本来アピールしたい性格が伝わりにくくなってしまうのはNGです。あくまで簡潔に表現することが望ましいということを前提に、こうした言い換えの表現を探してみましょう。

短所でも言い換え方次第で強みにできる

短所自己PRの書き方(例)
心配性仕事の課題発見力を行える
気が短い物事をスピーディに進められる
気が強い自分の軸をぶらさずに仕事に取り組める
おせっかい困っている方がいたら手を差し伸べられる
理想が高い向上心をもって目標達成のために取り組める
考えすぎる慎重な姿勢で、仕事一つひとつに取り組める
面倒くさがり日々の仕事を振り返りながら効率化を目指せる
周りに流される周りの意見を聞き入れながら柔軟に取り組める
ネガティブ思考マイナス要素を想定して十分な対策を準備できる
人の目を気にする規律性を重視し、決まり・ルールを守って働ける

上記のように、見方を変えれば「短所」も「長所」へ変わります。

「自分の長所がなかなか思いつかない」という方は、あえて短所を振り返ることで自己PRをつくる際のヒントが見つかる可能性があります。自分自身で導き出せない場合は、長所と同様に周囲の方々からヒントをもらうのもOKです。

また短所を長所に変換すれば、「短所だと思っていたけど、長所でもあるんだ」という気づきにもつながり、あなたが自信をもてるきっかけになるかもしれません。

ESの自己PRで性格をアピールする例文5選

慎重さ

例文

私の長所は慎重に物事へ取り組めることです。慎重に行動することで、ミスを事前に発見して改善する能力を持っています。
その強みを発揮できた具体的なエピソードは、大学生活における居酒屋でのアルバイト経験です。週末・土日は非常に混み合い、オーダーミスなどが多発する店舗だったため、忙しい状況でもチェックを怠らず、お客様に完璧な料理を提供することを心がけました。
その結果、料理へのトッピングミスや髪の毛の混入を事前に発見し、クレーム発生を回避することができました。 店長からも、私の慎重な姿勢に対して感謝の言葉をいただくことができました。
貴社に入社できた際は、何事にも慎重に取り組み、ミスやトラブルを事前に回避し、周りから信頼される存在となるべく頑張りたいと思います。(350字以内)

この自己のポイントは、自らの慎重さを活かしてクレームを防止できたという点です。

お店が抱える課題を分析し、改善策を講じて実践したという実行力の高さも伝わる自己PRといえます。

このような自己PRが刺さりやすい職種は、事務職・経理財務職などのオフィスワークです。仕事のミスが大きな損失につながりやすい分野にこそ、慎重さはプラスに働くと判断されやすいでしょう。

前向きさ

例文

私の長所は、太陽のように明るくて前向きなことです。
私は、大学ではテニスサークルのマネージャーを務めています。昨年の試合では、過去の成績が下がっていたため、チーム全体の士気が低下していました。
そこで、練習への参加率が低いメンバーに積極的に声をかけ、参加率を改善しました。 また、練習中は各メンバーに対して「良かった点」を直接伝え、大きな声で応援し、チーム全体を盛り上げました。
徐々にメンバー同士がお互いに指摘しあうようになり、チーム全体が優勝にむけて真剣に練習へ取り組むようになりました。最終的に、大会では優勝を収めることができました。
困難にぶつかっても周囲を明るくさせ、前向きに乗り越えて成果を上げたいです。(350字以内)

この自己PRのポイントは、テニスサークル全体の士気を上げるために明るい声がけを自発的に行った点です。

さらに相手の良かった点を褒めるなど、相手のモチベーションを上げられるような気配りができる点も人柄の良さが分かるポイントです。

このような自己PRは、どのような職種においても魅力的に映る傾向です。しかし、企業規模や社風にもよりますが、個人のスキルが重視されやすい営業職・コンサル職などにはややマッチング度が低い可能性があります。

前向きに取り組む

例文

私の長所は、物事に対して前向きに取り組めることです。
私は大学1年生から、飲食店のホースタッフとしてアルバイトをしています。ある日、ホールスタッフが急遽辞めてしまったため、私の役割がホールスタッフに変わることになりました。私は「接客スキルを培うチャンスだ」というプラス思考を働かせ、他のホールスタッフへ積極的に相談しながら、配膳スキル、お客様とのコミュニケーション能力を身に着けました。
お客様から「素敵な接客だね」という声をいただく機会も増え、その成果が評価されてアルバイトリーダーに昇格しました。この経験から、どのような物事でも前向きに取り組むことの大切さを学びました。
私は前向きな姿勢で仕事に取り組み、仕事の幅を積極的に広げて誰よりも成長していきます。(350字以内)

この自己のポイントは、一人前のホールスタッフになるために積極的にスキル習得を行った点です。

新しい領域でもマイナス思考にならず、プラス思考で取り組むことで自己成長や評価のチャンスを得られたという前向きな性格がうかがえます。

このような自己PRが刺さりやすい職種は、営業職などが挙げられます。営業成績のプレッシャーがかかる仕事でも、プラス思考を働かせることで多くの成長機会を得られるでしょう。

リーダーシップ

例文

私の長所は、リーダーシップをもって周囲を牽引できることです。
私は大学生活において、映画研究会の部長を務めました。私の代で2年目の研究会ということもあり、映画制作の実績も1作品しかなく、チーム内の制作スキルも高くありませんでした。
しかし、「映画コンテストに入賞する」という目標をチーム内で掲げた日を機に、映画制作の勉強会や制作作品のディスカッションなどを積極的に行いました。徐々にメンバー内のモチベーションも高まり、全員一丸となってコンテストへの入賞を目指し始めました。
その結果、映画コンテストでは第3位にランクインすることができ、文化祭でも入賞作品を上映する機会をいただくことができました。
私のリーダーシップを活かして、目標達成にむけて周囲を牽引する人材として成長したいと思います。(350字以内)

この自己のポイントは、目標達成にむけて全員を牽引したリーダーシップの高さです。

チームの士気が低い中でも、全員共通の目標設定を図り、行動に移したエピソードが周囲に影響をもたらすリーダーシップの高さを強調しています。

思いやりがある

このような自己PRが刺さりやすい職種は、営業職・コンサル職になります。目標達成にむけて粘り強く行動できる印象をもたれやすく、かつチームを引っ張るマネージャー職としての成長も期待できそうな自己PRです。

例文

私の強みは、相手に対して思いやりのある行動が取れることです。
私は大学生活で、バスケットボール部のマネージャーを務めました。ある日、主力メンバーがケガによって試合へ出場できなくなったのを機に、選手の体調に気を配るのはマネージャーである私の仕事だと強く後悔しました。
そこで、選手達の特徴・日々の変化をノートに細かく書き、毎日のチームMTGで共有しました。また、個人のコンディションに合ったストレッチ方法を調べ、一人ひとりへレクチャーしました。
その結果、全員がベストコンディションを意識するようになり、試合の成績も大きく伸ばせました。部長からは、「選手第一の気持ちで動いてくれてありがとう」という言葉を受け、マネージャーの卒業日には全員から感謝状をもらいました。
私は、思いやりのある行動ができるビジネスパーソンとして成長したいと思います。(400字以内)

この自己のポイントは、人に対して思いやることで相手から感謝の言葉をもらえた点です。

思いやりのある対人コミュニケーションを意識することで、周りから信頼され、感謝される人間になれたという人柄の良さがとても伝わりやすいエピソードです。

このような自己PRが刺さりやすい職種は、介護・福祉・販売などのサービス業です。営業職などの成果を追求する職種の場合、ホスピタリティが強すぎるためミスマッチと捉えられる可能性があります。

自己PRで性格をアピールする時の注意点

複数の強みを挙げない

自己PRでアピールする性格は1つに絞りましょう。複数の強みを挙げていると、根拠や説得力も分散してしまい、結果としてアピールポイントがよくわからない自己PRになってしまいます。

もし、複数の強みをアピールしたい場合には、それらを含む1つの性格としてアピールするのがいいでしょう。例えば「分析力」と「コミュニケーション能力」をアピールしたい場合には、「リーダーシップ」としてまとめて表現するなど、内容をわかりやすくすることが重要です。

志望企業に合わせた表現にする

伝え方次第で、同じ性格でも与える印象が異なります。そのため、志望企業の社風に合わせて、言い回しや表現を変えることが効果的です。

特に、企業が提示している「求める人物像」などがあれば、それを参考にするとより良い自己PRに仕上がるでしょう。

ただし、あくまで表現方法を変えるまでに留め、本来の性格とは異なる性格は書かないようにしましょう。

短所も理解しておく

あらゆる性格には長所だけでなく、短所もあります。そういった面に目を向けずに長所だけをアピールしていると、自分を客観視できていないような印象を与えます。

そのため、強みだけでなく、性格ゆえの失敗や苦労の経験も内容に取り込めると、印象的な自己PRになります。

指定の文字数が少ない場合は省略しても構いませんが、面接で短所を尋ねられる可能性もありますので、一度は考えておくことをおすすめします。

自己PRで性格をアピールして、あなたにしかないオンリーワンの魅力を表現しよう!

ESの自己PRで性格をアピールすることは、あなただけの魅力を企業へ全面的に表現できる方法です。

本記事において、長所・短所別に自己PRに活かしやすい性格を紹介しましたが、どの性格をチョイスするのかは、選考を受ける企業が掲げる「求める人物像」から逆算して考えましょう。

採用のミスマッチを防ぐと同時に、自分の性格が企業のカルチャーにマッチしているのか、あなた自身が分析できる側面もあるためです。

ESは企業の選考を受けるスタートラインではありますが、ここでいかにあなた自身をアピールできるかが「内定」を勝ち取るための鍵となります。

満足のいくかたちで就職活動をフィニッシュさせるために、ぜひ自己PRを通じてあなたにしかないオンリーワンの魅力を表現しましょう。

自己PRでゼミ経験を効果的にアピールする書き方は?【例文あり】

自己PRを作成するとき、ゼミの経験を取り上げてもいいのか悩んでいる就活生も多いのではないでしょうか?

ゼミでの経験は学びも多く、自己PRでアピールするには良い題材です。しかし、一方で多くの就活生が同じような経験をしているため、ポイントを押さえてインパクトのある文章に仕上げる必要があります。

本記事では、自己PRでゼミを取り上げる際のポイントや注意点、各テーマごとの例文を紹介します。

自己PRにゼミを取り上げるのはあり?

結論から言うと、自己PRでゼミに関することをアピールしても問題ありません。なぜならゼミでの活動は、就職後も求められる経験やスキルが含まれているからです。

例えば、ゼミ生と協力して目標を達成したり、課題解決のために試行錯誤したりなどの経験が挙げられます。また、ゼミへの配属から結果を成し遂げるまでのストーリーを追えるため、説得力がある自己PRを作成しやすいメリットがあります。

企業側が求めている情報を網羅しやすいため、ゼミでの経験を自己PRのテーマに設定するのは有効だといえるでしょう。

企業が自己PRを求める理由とは?

強みを把握したい

企業は自己PRを通じて、志望者の強みを把握したいと考えています。なぜなら、事業の成長に必要な強みを持つ人材を採用したいからです。

例えば、チーム単位での業務遂行に尽力している会社なら、協調性やリーダーシップ、コミュニケーション能力に長けた人材を求めるでしょう。

また企業側は、採用に時間や費用を割いて行うため、慎重に吟味したいと考えています。長期的に活躍してくれる人材かを判断するためにも、自己PRは重要な判断材料になっているのです。

人柄や価値観を知りたい

企業は志望者の強みに加えて、人柄や価値観も知りたいと考えています。会社を形成する雰囲気や働きやすさは、社員の人柄や価値観で成り立っているからです。

そして志望者の人柄や価値観は、自己PR内のエピソードから判断されます。特にゼミをテーマにしているなら、ゼミを選んだ動機や活動内容から、自社で活躍してくれる人材かを汲み取るでしょう。

したがって企業は、志望者の人柄や価値観を知るために、自己PRの提出を求めるのです。

自社とマッチするか知りたい

企業は自己PRを通じて、志望者の強みと自社がマッチするかを判断します。入社後に相違が生じた場合、会社の雰囲気を壊したり、業務が円滑に進まなかったりするからです。

また悪影響が生じるのは、企業に限らず、志望者本人にも考えられるでしょう。最悪の場合、早期退職や転職せざるを得ない状況に陥る可能性もあります。

お互いが納得いく形で業務を遂行するためにも、自己PRの提出が求められることを押さえておきましょう。

ゼミに関する自己PRの書き方

効果的な自己PRの書き方

①強みを端的に言い切る

②ゼミに入った動機・活動内容を提示する

③ゼミの経験・結果を深掘りする

④どのように貢献するかを述べる

①強みを端的に言い切る

まずは冒頭で、自身の強みを端的に言い切りましょう。結論を先んじて提示することで、読み手が自己PRのテーマが把握しやすくなります。

仮に、冒頭からゼミでの経験や結果を説明し始めた場合、読み手に「何について説明したいんだろう」と疑問が生じてしまいます。

先延ばしにされた印象を受けてしまうため、自己PRの冒頭には「結論」つまり「自身の強み」を記載するのが良いでしょう。

②ゼミに入った動機・活動内容を提示する

自身の強みを根拠づけるために、結論の後には、ゼミに入った動機や活動内容を記載しましょう。

なお動機や活動内容を記載する時のポイントは、簡潔にまとめることです。ゼミの活動内容や魅力を深掘りした場合、自身の強みが伝わりにくくなってしまいます。

採用担当者が知りたいのは、志望者の人柄や価値観であるため、ゼミの概要は深掘りしすぎないことが大切です。ゼミの概要や活動内容は、1〜2文ほどを目安に記載すると良いでしょう。

③ゼミの経験・結果を深掘りする

ゼミに入った動機や活動内容の後には、ゼミでの経験や結果を記載しましょう。抽象的なエピソードは、読み手に理解しにくい印象を与えてしまうため注意が必要です。

動機や活動内容を詳しく提示することで、自身の強みに説得力を持たせられます。「この背景が今の強みに繋がっているのか」と、読み手の理解度を高め、記憶に残りやすくなるのです。

ゼミに関する自己PRを作成する際は、具体的な経験や結果を提示して、強みに結びつける構成にしましょう。

④どのように貢献するかを述べる

自己PRの最後には、ゼミでの経験や強みをどのように活かすかを明記しましょう。なぜなら、仕事への活かし方を記載することで、読み手に入社後のイメージを伝えられるからです。

また、将来のビジョンを明記することで、採用担当者は「この人なら、自社が目指す将来を実現できそうだ」と感じやすくなります。自身の強みに説得力を持たせる効果もあるため、概念的な展開にならないように注意して、仕事への活かし方で文章を締めくくりましょう。

自己PRにゼミ経験を書くポイント

自己分析を念入りにする

自己PRを作成する際は、自己分析を入念に行いましょう。自身の性格や価値観、強みを理解し、自己PRの方向性や内容が決めやすくします。

特におすすめなのは、ゼミでのエピソードから棚卸しすることです。強みから決定した場合、適切なエピソードを取捨選択する手間が生じます。

しかし、エピソードを先んじて考えることで、自身の強みを裏付ける根拠が明確になります。努力した過程や、強みを発揮した経験などを振り返りましょう。

エピソードで差別化を狙う

ゼミに関する自己PRは、エピソードで印象づけるように意識して作成することが大切です。なぜなら、他の志望者とテーマが重複する可能性が高いからです。

抽象的なエピソードは、読み手に「その他の志望者」として認識され、自己PRが埋れてしまいます。ありきたりな印象になるケースも考えられ、採用担当者の印象に残りづらくなってしまうのです。

インパクトを与えるためにも、ゼミに関する自己PRは、エピソードや伝え方などを工夫しましょう。

ゼミに関する自己PRの例文

協調性

例文

私の強みは「協調性」であり、ゼミ活動の討論を円滑に進めるために発揮しました。
ゼミでは「小学生教育のデジタル化」について研究し、ゼミ生4人で討論を行う機会がありました。「完全にデジタル化するべき」「今後も教師と対面で授業をするべき」と意見が割れ、両者の意見を肯定するのではなく、全うから否定し合う討論が続きました。
しかし私は「両者にメリットとデメリットがある」と考えたため、まずは意見の棚卸しをするように提案しました。また意見を掛け合わせたり、補足したりとお互いの理解を深める流れで討論が展開されるようにも努めました。
結果、ゼミ生全員が納得する結論を導くことに成功し、プレゼン発表会ではA判定をいただくことができました。入社後も、社員1人ひとりが納得のいく提案を通して貢献していきたいと考えています。(350字以内)

上記の例文では、協調性として円滑に人間関係が築けることをアピールしています。「ゼミ活動をスムーズに進めるために何をしたのか」や「どのような役割を担ったのか」が具体的に明記されています。

また、討論の内容や当時の心情が「」で強調されているのもポイントです。「入社後どのように貢献できるか」も提示されているため、企業側が志望者と働く未来像が想像しやすい構成になっています。

行動力

例文

私の強みは「行動力」です。大学時代は生物学科に所属していましたが、ゼミ活動を数理学科で実施しています。2年次に履修した数学の講義で、生物を数学の観点から分析することに興味を持ち、深く知りたいと思ったからです。
私は数理学科と生物学科の教授にコンタクトを取り、単位変換やゼミ配属への希望を申請しました。当初は、生物学と異なる分野であったため、知識を研究に落とし込むことに苦戦しました。そこで講義外でもゼミの教授に質問をしたり、数学科の友人にアドバイスを求めたりしました。また、通学前にも勉強時間を設け、研究に向けて尽力しました。
結果、プレゼン発表会で優勝することができ、前例のない課題にも恐れず行動する大切さを学びました。入社後は、貴社の方針である「海外進出」のために貢献していきたいと考えています。(350字以内)

上記の例文は「行動力を発揮したことで、前例のない事例を実現した」というテーマで展開されています。

別分野の知識を落とし込む過程が具体的に記載されているため、より理解しやすい内容だといえるでしょう。採用担当者にも「この人となら目標を達成できそう」と感じさせやすい文章構成になっています。

なお、自己PRの文字数に余裕があるなら、研究テーマを併せて深掘りして差別化を狙うのもおすすめです。

継続力

例文

私の強みは粘り強く継続する力です。行動経済学に関する研究に取り組む過程で、強みを発揮しました。
日本の研究や論文を通して分析を進めていく中で、根拠を提示するのに限界があることが課題でした。海外の文献も探索しましたが、サイトによって解釈が異なるため、検索意図がまとめきれず、悩む日々が続いていました。
教授から研究テーマを変更する助言ももらっていましたが、ゼミ内でも未開拓のテーマだったため、諦めたくありませんでした。
そこで私は、中学時代お世話になった英語教室の講師を通じて、海外教授とコンタクトをとり、詳しい話を聞くことに成功しました。結果、教授から高い評価をもらい、目標達成に向けて努力する大切さを学びました。
入社後も強みを活かして、試行錯誤を繰り返しながら、粘り強く業務に取り組んでいきたいです。(350字以内)

上記の例文では、独自性のあるエピソードを交えて、根気強く研究に打ち込んだ過程がアピールされています。「諦めたくない」という当時の心情も明記されているため、説得力が増しているのもポイントです。

継続力をアピールする際の注意点は「継続した」という事実のみを提示しないようにすることです。読み手に「行為そのものに意味があったのだろうか」と疑問を持たれてしまうため「継続したからこそ結果を得られた」とアピールできるように構成してみましょう。

気配り

例文

私の強みは、気配りを通して雰囲気づくりに徹せられることです。ゼミでの映像制作を通して発揮しました。ゼミ生の中で5人ずつチームを組んで30分の作品を制作し、模擬コンテストを行いました。
当初は消極的なグループの雰囲気から、映像の方向性が決まらず、なかなか撮影に移れない日々が続いていました。そこで私は、メンバー1人ひとりと綿密なコミュニケーションを取り、メンバー同士が意見を出しやすい雰囲気づくりに努めました。
また指示通りに動くだけではなく「他にも効果的な撮影方法はないか」と、メンバーに声をかけ、積極的な意見交換に取り組みました。
結果、メンバー全員が主体的になれるチームを形成でき、模擬コンテストでは優秀賞をいただきました。入社後も強みを活かして、プロジェクト成功に向けたチーム形成に貢献していきたいです。(400字以内)

上記の例文では活動内容に加えて、メンバーの中心になり気配りを発揮したことにも触れています。実際に声をかけたセリフも明記され、読み手が感情移入しやすくなっているのもポイントです。

さらに「5人」「30分」と、数字が盛り込まれているため、具体的かつ印象的に内容が伝わる工夫がされています。読み手の信頼を得るためにも、効果的な自己PRに仕上がっているといえるでしょう。

コミュニケーション能力

例文

私のゼミでは、地域活性化をテーマにしたグループ研究に取り組みました。10名ほどのメンバーと活動する中で、私は意見の調整役を務めました。意見が対立した際には、それぞれの立場や背景を丁寧に理解し、共通点を見出して全員が納得できる解決策を提案しました。また、発表に向けた資料作成の際も、メンバーと密にコミュニケーションを取りながら視覚的に伝わりやすい構成を工夫しました。その結果、地域の方々や教授からも高い評価をいただくことができました。この経験で培ったコミュニケーション能力を活かし、貴社でもチームの調整役として貢献したいと考えています。(300字以内)

この自己PRは、チーム活動の中でコミュニケーション能力を発揮した具体的なエピソードが記載されています。意見調整や資料作成といった具体的な行動を挙げているため、説得力があります。

結論部分で、具体的にどのような場面でその能力を役立てるのかをさらに具体的に述べることができると、より魅力的になるでしょう。

課題解決力

例文

私のゼミでは、地域商店街の集客増加を目的としたプロジェクトに参加しました。調査の結果、高齢化やデジタル化の遅れが課題であると分かりました。そこで私は、地元住民が利用しやすいリアルイベントを企画しつつ、デジタル技術を活用したオンライン情報発信を組み合わせるという解決策を提案しました。実施後、イベントには多くの参加者が集まり、商店街の活気が大幅に向上しました。この経験を通じて、複雑な課題を整理し、解決策を実行に移す力を磨きました。この能力を活かし、貴社でも多面的な問題解決に貢献したいと考えています。(300字以内)

この例文では、具体的な問題提起とその解決策がわかりやすく示されています。さらに、その結果を具体的に示している点も説得力を高めています。

自身が果たした役割の詳細を補足することができると、さらにエピソードのインパクトをさらに強めることができるでしょう。

柔軟性

例文

私のゼミでは、急なテーマ変更を余儀なくされる状況がありました。当初の研究内容が外部要因で進められなくなったため、新しいテーマの選定から計画立案、データ収集を短期間で進める必要があったためです。周囲のメンバーが不満や困惑を抱く中、私はすぐに情報収集を行い、グループの意見を取りまとめることで、新しいテーマを提案しました。また、それまでの研究手法とは異なる手法を採る必要がありましたが、私は柔軟に対応し、研究が滞らないよう最善を努めました。その結果、短期間ながら質の高い研究成果を発表することができました。この経験で培った柔軟性と即応力を活かし、変化の多い環境でも結果を出していきたいと考えています。(300字以内)

状況の変化に対する柔軟性を示したエピソードで、迅速な行動と具体的な成果をアピールできています。特に短期間で新しい状況に対応した点は強いアピールポイントになります。仕事の場でも、理不尽な変更などは付き物であるためです。

変更前後の研究テーマや、成果の内容を具体的に記述すると、より想像してもらいやすく、理解を得やすい自己PRになるでしょう。

計画力

例文

私のゼミでは、年間を通じた研究プロジェクトの進行管理を担当しました。私はプロジェクトリーダーとして、全体のスケジュールを策定し、メンバー一人ひとりに役割を適切に分担しました。また、進捗状況を常に把握するために、定期的なミーティングを開催し、計画に遅れが生じた場合には迅速に課題を共有し、対応策を講じました。さらに、発表資料の作成スケジュールを事前に調整することで、完成度の高いプレゼンを行えるよう工夫しました。その結果、プロジェクトは無事に予定通り完成し、学会での発表では高い評価を得ることができました。この経験で培った計画力を活かし、貴社でも効率的かつ質の高い業務推進に貢献したいと考えています。(300字以内)

この自己PRは、計画力を明確にアピールしつつ、具体的なエピソードで説得力を持たせています。スケジュール管理や役割分担といった実務的な要素を取り入れることで、採用担当者に業務への適応力を感じさせる内容です。

スケジュールの調整がどのようにプロジェクト成功に直結したのか、もう少し具体的な成果を示すとさらに印象的になるでしょう。

リーダーシップ

例文

私のゼミでは、地域経済に関する研究プロジェクトに取り組みました。10名のグループで活動する中、私はリーダーとして全体をまとめる役割を担いました。メンバーそれぞれの得意分野を考慮し、最適な役割分担を行うことで、各自が最大限の力を発揮できる環境を整えました。また、議論が停滞した際には自ら意見を提案し、チームの士気を高めるよう心掛けました。さらに、研究の方向性に迷いが生じたときは、外部の専門家に意見を仰ぐなど、積極的に情報を集めて問題解決に導きました。結果として、全員が主体的に取り組むプロジェクトとなり、学内発表でも高い評価を得ることができました。この経験で培ったリーダーシップを、貴社でもチーム全体の力を引き出す形で活かしたいと考えています。(350字以内)

リーダーシップを示すエピソードとして、役割分担や士気の向上といった工夫が具体的に述べれており、チーム全体を導く能力が伝わります。

特に、「外部の専門家への相談」といった大胆なアプローチを率先して行えるという点は好印象となるでしょう。加えて、どのような成果が得られたのかを数値などで補足できると、さらに説得力が増します。

向上心

例文

私のゼミでは、地域経済の動向を分析する研究テーマに取り組みました。研究を進める中で、データ分析のスキル不足を痛感した私は、ゼミ外で統計学や統計ソフトの操作を独学で学び直すことに決めました。オンライン教材や専門書を活用し、短期間で基礎から応用までのスキルを習得しました。その結果、新しい分析手法を研究に取り入れ、研究の精度と説得力を大幅に向上させることができました。さらに、ゼミ内では自分が学んだ知識をメンバーに共有し、チーム全体の成果向上にもつなげました。このように、課題に直面しても諦めずに学び続ける姿勢と実行力を武器に、貴社での業務でも成長し続け、貢献したいと考えています。(300字以内)

向上心をアピールするエピソードとして、課題解決に向けた努力が具体的で好印象です。特に「独学で学び直したスキルをゼミ全体に共有し、成果向上につなげた」という部分が、個人の努力に留まらずチーム貢献にもつながっている点で好印象です。

改善点として、学んだスキルが仕事でどう活用できるか、汎用性を補足することで、さらに採用担当者の関心を引きやすくなるでしょう。

ゼミについての自己PRを作成する際の注意点

専門用語を使わない

自己PRは、専門用語を用いた文章を盛り込みすぎないよう注意してください。専門用語は限られたコミュニティでしか通じない言葉であるため、ゼミの活動やテーマに精通していない採用担当者は、理解しにくいと感じてしまいます。

なお専門用語は、自身がゼミで学んできた内容について知識がない人でも理解しやすいよう、噛み砕いて記載する必要があります。言い換えの表現が思いつかない場合は、専門用語の補足を追記して、読み手に優しい文章へ近づけましょう。

肩書きをアピールし過ぎない

自己PRを作成する際は、肩書きを羅列した文章が続かないように注意しましょう。企業側は、志望者の人柄や価値観がマッチしているかを知りたいからです。

「大学時代に◯◯や◯◯、◯◯の資格を取得しました」と明記した場合、採用担当者は「資格を持っているから、何なんだろう」と感じるでしょう。最悪の場合「自慢したいだけの人」や「自己中心的な人」と認識されてしまいます。

自己PRに肩書きを記載する際は「実勢を踏まえて、どのように貢献できるか」までを明記して、説得力を持たせましょう。

自己PRが思いつかない時の対処法

万が一、自己PRが思いつかない場合は、同じゼミの学生と作成すると良いでしょう。あるいはゼミの教授に直接相談するのも1つの手段です。第三者からの視点やアドバイスをもらえるため、自身では気づかなかった強みやエピソードを知れるからです。

また情報交換を交えるため、頭の中を整理しながら効率よく作成できるメリットもあります。

しかし、ゼミ生と共に自己PRを作成する際は、文章表現や内容が重複する可能性があります。オリジナリティに欠ける自己PRにならないよう注意して取り組みましょう。

自己PRでゼミを取り上げて内定を狙おう!

自己PRでゼミ活動を取り上げる際は、アピールするテーマや、入社後のビジョンに結びつけて展開する必要があります。

また、経験を深く掘り下げたり、数字やセリフを明記したりして、独自性のある自己PRに近づけましょう。ただし、専門用語の多用や肩書きの羅列は控えることが大切です。

本記事で紹介したポイントや例文を参考にして、まずは自己分析を入念に行い、ゼミについて自己PRを作成してみましょう。

自己PRの最適な文字数は? 書き方や注意点を徹底解説【例文つき】

就活に向けて自己PRを作成する際「文字数の目安がわからない…」「うまく書ける自信がない」と悩みますよね。

魅力的な自己PRを作成するには、文字数を考慮しつつ読みやすい文章に仕上げるポイントを抑えておく必要があります。

本記事では、自己PRの文字数の目安や、強みを効果的にアピールするポイント、各文字数ごとの例文を紹介します。

自己PRの文字数の最適な目安とは?

文字数制限なしの場合は300〜400文字が目安

自己PRの文字数に指定がないなら、300〜400文字を目安に作成しましょう。300文字未満の場合、面接官や採用担当者に伝える情報量としては、少々物足りない印象を与えてしまいます。

一方、400文字を超える場合は「文章を端的にまとめる力が足りない」という印象を与えてしまいます。情報量が多いため、読み進めるハードルも高く感じさせてしまうでしょう。

つまり自己PRは、情報量が少なくても多くても、熱意が伝わりにくくなってしまうのです。実際に、面接で話すことを想定しても、300〜400文字なら約1分ほどで回答できます。

以上のことから、自己PRは300〜400文字に収めるのが最適といえるでしょう。

文字数制限ありの場合は8〜9割を埋める

自己PRの文字数に指定がある場合は、記入欄の8〜9割を埋めましょう。なぜなら文字数を指定することで、志望者の要約力がチェックされているからです。

加えて、自己PRでは「志望者がルールを守れる人か」という点もチェックされています。文字数が大幅に超えてたり少なすぎたりした場合「理解力がない人」「決まりを守れない人」と判断されてしまうでしょう。

したがって自己PRの文字数は、指定があるなら8〜9割を埋めることが大切です。また、自己PRの内容だけではなく、書き方や文量など様々な点で評価されていることを覚えておきましょう。

自己PRを書く時の基本構成

自己PRの基本構成

①結論(自分の強み)

②裏付けるピソード

③目標や課題と達成向けた取り組み

④結果・学び

⑤入社後にどう活かすか

①結論(自分の強み)

自己PRの冒頭には、自身の強みを言い切る文章を提示しましょう。「私の強みは〇〇です」と提示することで、読み手が文章の主軸を把握しやすくなります。

冒頭からエピソードを展開し始めてしまうと、読み手は「何の話をしているんだろう」と、悩みながら読み進めることになってしまいます。最悪の場合、焦らされている印象を与え、最後まで文章を読んでもらえない可能性もあるでしょう。

印象に残る自己PRにするためにも、冒頭には結論を提示することが大切です。

②裏付けるエピソード

印象に残る自己PRを作成するためにも、強みを発揮したエピソードを具体的に提示しましょう。企業側は、志望者の強みに偽りがないかを知りたいと思っています。

例えば「私の強みは行動力です」と伝えただけでは、背景や根拠がないため、どのような場面で強みを発揮できるのか想像できません。しかし、「率先してチームリーダーに立候補した」と続ければ「強みを活かして貢献できる人材だ」と、イメージしやすくなるのです。

自己PRの結論を述べた後は、強みを証明する背景やエピソードを具体的に伝え、興味関心を惹きましょう。

③目標や課題と達成向けた取り組み

自己PRのエピソードを深掘りした後は、経験の中で生まれた目標や課題を書きましょう。なぜなら、結論とエピソードに説得力を持たせられるからです。

採用担当者は、志望者と企業の価値観がマッチしているかをチェックしています。「なぜ目標や課題に向き合ったのか」についても併せて展開し、自身の人柄や価値観をアピールしましょう。

目標や課題に向き合った過程は、志望者の心情や考えなどが含まれやすいため、より説得力を持たせる効果があります。唯一無二の自己PRにも繋がるため、目標や課題を含めた文章を作成するようにしましょう。

④結果・学び

自己PRで目標や課題を提示した後は、達成するために行った努力や工夫を具体的に振り返ります。自身の強みを具体的にアピールするうえで、他の志望者と差別化できるからです。

例えば「資格取得に向けた学習に尽力した」という表記は抽象的であり、アピールとしてはやや弱い印象を与えてしまいます。「50分勉強・10分休憩を繰り返した」「教科書の音読を3ヶ月続けた」など、努力や工夫を具体的に提示することで、オリジナリティが生まれます。

採用担当者は、志望者の努力や工夫を聞くことで「この人は◯◯の努力ができるから、仕事を任せても問題ないだろう」と、再現性を持って貢献できるかを見極められるのです。

目標や課題を達成するための努力や工夫は、文字数が許す限り具体的に書くように意識しましょう。

⑤入社後にどう活かすか

最後に、入社後のビジョンがわかる文章を記載しましょう。強みに自信があったとしても、企業に貢献できる内容でなければアピールには繋がりません。

例えば「強みである〇〇を活かして、貴社のプロジェクトでは~~~のように貢献します」と、具体的に提示できると良いでしょう。「どのような業務で活かせるか」に触れて作成すれば、実際に働いている姿をイメージさせやすくなり、企業研究への尽力もアピールできます。

以上を踏まえて、自己PRを作成する際は「入社後どのように貢献できるのか」に関する文章で締め括りましょう。

限られた文字数で効果的な自己PRを作る構成のポイント

自己PRに文字数の制限がある場合、PREP法を用いた構成を意識することでより要点を掴んだ文章を書くことができます。文章がうまくまとまらない場合には、以下の順序で書くようにしましょう。

PREP法

P:Point(結論)⇨R:Reason(理由)⇨E:Example(具体例)⇨P:Point(まとめ)

P:Point(結論)

まずは、結論として自分の強みが何なのかを書きます。例えば、「私の強みはリーダーシップです」という一文で十分です。1番最初に自分の強みを一言で書き表すことで、内容の要点を掴むことができます。

R:Reason (理由)

ここでは、自分の強みの根拠となる理由を書きましょう。理由がないと、根拠のない強みになってしまいます。「私はリーダーシップを活かし、高校のダンス部で県大会出場を果たしました」など、簡潔に理由や背景を述べましょう。

E:Example(具体例)

具体例では、理由にまつわるエピソードを書きます。「40人いる部員をまとめるために、個別面談やミーティングを定期的に行いました」など、簡潔にまとめます。また、具体的な数字を含めることもポイントです。文字数に余裕がある場合には、複数のエピソードを用いたり、より具体的に書くなど、文字数に合わせて調整するようにしましょう。

P:Point (まとめ)

最後に再度、自分の強みを書きます。「以上より、私の強みはリーダーシップです。入社後は強みを活かし、〇〇に貢献します」など、入社後にどのように活躍するかまで合わせて書くことで効果的なアピールに繋がります。

自己PR作成における7つの重要ポイント

①印象に残るエピソードを盛り込む

自己PRを作成する際は、印象に残るエピソードを盛り込みましょう。なぜなら、他の志望生との差別化に繋がるからです。例えば、2人の志望生が自己PRを作成し、エピソードとしてサークル活動を取り上げたとします。

1人の学生が「イベントへの参加」について、もう1人の学生が「サークルの創立」を経験していたならば、後者の方が貴重な経験として印象に残るでしょう。

自身の強みをアピールしても、エピソードが弱ければ「よくあるエピソード」として埋もれてしまうのです。自身の魅力を引き出すためにも、企業の目に留まりやすくなるエピソードを棚卸しましょう。

②一文を簡潔にまとめる

自己PRは、一文一文を簡潔にまとめて作成することも大切です。情報量が多い文章は、読み手にストレスを与えてしまいます。

自己PRを「あれもこれも伝えたい」と作成した場合、読み手としては「いや、知りたいのはそこじゃない…」と、相違が生まれやすくなるのです。また、企業が求めている情報や、伝えたいポイントが目立ちにくくなってしまいます。

自己PRでは、伝えたい内容を精査してまとめる力も問われますので、一文一文は簡潔かつシンプルにまとめるように意識しましょう。

③エピソードは複数用意する

自己PRに盛り込むエピソードは、複数用意しておきましょう。なぜなら、複数の話題を求める企業も存在するからです。例えば「リーダーシップ」が自己PRのポイントである場合は、リーダーシップをアピールできるエピソードを複数準備しておきます。

裏付けるエピソードを複数用意していることで、強みに一貫性が生まれ、信憑性説得力が増す効果もあります。 また、企業によって求められる人材も異なるため、複数のエピソードを用意しておくと安心です。

さらに面接対策にも繋がるため、面接を控えている方や、複数の企業に応募する方は、2〜3個を目安にエピソードを準備しておきましょう。

④強調する際は「」でくくる

自己PR内で強調したい言葉や表記、セリフは「」でくくりましょう。記号を用いることで、直感的に内容を理解しやすくなるからです。

「」を用いずに表記するのも可能ですが、文章に埋もれて、重要性が伝わりにくくなってしまいます。しかし、「」でくくった場合は「これが伝えたいことです」と、視覚的に捉えられるため、読み手がパッと理解しやすくなります。

文章から浮立たせる効果があるため、特にアピールしたい内容は「」で名詞化すると良いでしょう。

⑤企業が求める人物像を把握する

企業側は、会社と志望者の価値観がマッチしているかを確認しています。

自己PRは、志望する企業が求めている人材に結びつけるように作成することで、自身が活躍しているイメージを伝えやすくなります。

企業研究を通して、志望する企業が求めている人物像を把握したうえで、自己PRの作成に取り掛かりましょう。

⑥文章前後でアピールする内容を明記する

自己PRは、冒頭と締めでアピールしたい内容を繰り返し提示しましょう。繰り返し書くことで説得力を持たせ、読み手が理解しやすくなるからです。

まず冒頭で「強みは○○です」 と説明することで、最も伝えたい内容が文章に埋もれずに、印象づけられます、。その後に、具体例やエピソードを説明していく流れなら、読み手も「この背景が冒頭に繋がっていたのか」と、展開を理解できます。

また、最後に再び結論を述べることで「たしかにその通りだ」と、改めて納得しやすくなります。重要なポイントを強調するのに有効なため、自己PRを作成する際は、冒頭と締めで結論を書きましょう。

⑦作成した自己PRを添削する

作成した自己PRは、内容に誤字脱字などの不備がないかを添削して確認します。また詳しく伝えたい内容やエピソードの深掘りなどを、総合的にチェックすることが大切です。

抽象的な表現や情報の抜け、文章のねじれなどが多く見受けられます。修正が乏しい場合は、企業側に「結局何を伝えたいんだろう」と疑問を抱かれてしまいます。自己PRが伝わらない事態を防ぐためにも、一文一文を具体的に書きましょう。

また添削は自身のみで行うのではなく、友人や家族、教授などの第三者に確認してもらうのが有効です。客観的な視点からアドバイスをもらえるため、効率よく自己PRの修正・加筆に取り組めます。

文字数に合わせた自己PRを作成するときの4つの注意点

①ネガティブな表現を使わない

自己PRの文章は、ネガティブな表現を使わないのが基本です。なぜなら面接官や採用担当者に仕事を任せられないと判断されてしまう可能性があるためです。

素直さや謙虚さを伝えるのも大切ですが、卑下しすぎた場合「自信がなさそう」「すぐに退職しそう」と、マイナスな印象を与えてしまいます。過去の失敗や苦労を盛り込むとしても、否定的な言葉や表現は控えましょう。

万が一、マイナスなエピソードについて述べる際は、得た学びや教訓などを併せて紹介して、前向きな内容で文章を締めましょう。

②誇張した表現を使わない

多くの学生が自己PRで内容を大げさに書いてしまいます。あまりに大げさな表現は読み手に「自己主張が強い」「協調性がない」などのマイナスな印象を与えます。万が一、事実と異なることが発覚した場合は、採用を取り消される可能性も考えられるでしょう。

自己PRで重要視されるのは「結果」ではなく、志望者の人柄や価値観です。「第三者をどれだけ圧巻させられるか」は気にせずに、偽りなく真実を記載しましょう。

自己PRの文章を書く際は、大げさな表現を使わない文章を心がけることが大切です。

③履歴書・ESとの相違をなくす

自己PRに記載する内容と、履歴書やES(エントリーシート)の内容との相違が発覚した場合、信憑性に欠ける印象を与えてしまいます。そのため、自己PRと履歴書、ESで統一感を持たせることが大切です。

履歴書やESと相違があることで、一貫性がなく、読み手に「嘘をついているのではないか」と感じさせてしまいます。自身が伝えたい強みが伝わりにくくなる可能性もあるでしょう。

以上を踏まえて、自己PRの作成は、履歴書やESと相違がないことを確認しながら行いましょう。

④抽象的な文章表現を使わない

自己PRの文章は、抽象的な表現を使わないように記載しましょう。抽象的な表現は、読み手にアピールしたい内容を十分把握してもらいにくくなります。

例えば「責任感の強さ」をアピールすると想定します。一言で「責任感が強い」と、まとめた場合「どのように責任感が強いのだろう」と、読み手に考える手間を与えてしまいます。「任された仕事を最後まで真っ当する」や「苦手な課題に対して努力できる」など、責任感が強いと感じた背景まで深掘りするのが大切です。

また、深掘りして情報を明確にすることで、他の志望者との差別化にも繋がります。自己PRを作成する際は、一文一文が具体的に記載されているかを意識しながら取り組みましょう。

【文字数別】自己PRの例文

文字数100文字の自己PRの例文

例文

私の強みは向上心が高いことです。中学から大学時代にかけて、英検1級取得に向けてスキルアップに励み、大学3年生で英検1級を取得しました。入社後も、高い目標に向けて成果を出し続ける人材として貢献します。

上記の例文では、英検1級取得に向けて努力する向上心だけではなく、継続力や目標達成力にも繋がっています。また、「英検1級」という具体的な数字を用いることで努力した過程を具体的に想像することができます。

文字数が少ない場合でも、簡潔かつ具体的に書くことで効果的なアピールをすることができます。

文字数200文字の自己PRの例文

例文

私の強みは継続力です。大学時代に友人とダンス愛好会を創立し、大学内外のダンスイベントを通して、認知度を上げるための活動をしました。結果、1年後には部員を40人まで増やし、2年後の夏には◯◯球場でのダンスパフォーマンスのオファーをいただくことができました。0からのスタートでしたが、挑戦し続ける大切さを学びました。入社後は、継続力を活かし、長期プロジェクトの立案や実行リーダーとして貢献していきます。

単に継続したというだけではなく、継続の結果、どのような成果を挙げることができたのかまで書かれているため、短いながらも説得力のある自己PRとなっています。

成果をしっかりとアピールすることで、入社後にどのような活躍をしそうか企業側も想像しやすくなります。

文字数400文字の自己PRの例文

例文

私の強みは「柔軟な対応力」です。大学時代、飲食店でのアルバイトを通じて、さまざまな状況に柔軟に対応するスキルを身につけました。特に、ピーク時にお客様が集中し、スタッフが足りないときは、料理の提供だけでなく、清掃やレジ対応など、他の業務を積極的にサポートしました。その結果、業務がスムーズに進行し、お客様への対応も迅速に行うことができました。

また、急なトラブルにも柔軟に対処しました。例えば、商品の在庫切れでお客様に迷惑をかけた際には、他のメニューを提案し、お客様の納得を得ることで、クレームを未然に防ぎました。こうした経験を通じて、どんな状況でも臨機応変に対応する力が養われました。

私は、どんな業務環境においても状況に応じた最適な行動を選択し、冷静に問題解決に取り組むことができます。この「柔軟な対応力」を活かし、御社でも即戦力として貢献できると考えています。

自己PRを400字で作成する際は、冒頭と文末にアピールポイントを記載し、エピソードを深掘りするのがポイントです。上記の例文でも、冒頭と文末で「柔軟な対応力」が盛り込まれ、印象に残りやすい構成に仕上がっています。

さらに、エピソードの描写が細かく提示され「自分が何を考えて行動したのか」がより伝わりやすくなっています。具体的な表現が盛り込まれていることで「志望者の人間性」が伝わりやすくなるでしょう。

文字数500文字の自己PRの例文

例文

私の強みは、相手を問わずと打ち解けられる「コミュニケーション力」です。大学2年生で1年間のアメリカへの留学を経験しました。初めは、自分の言語力に自信がなく、現地の学生と打ち解けられずにいました。現状をホストファミリーに相談したところ「自分から話しかけることが大切だよ」とアドバイスをもらい、次の日から実践し始めました。性別や年齢を問わず自分から声をかけるよう徹底した結果、コミュニティの一員として歓迎してもらえる機会が増えました。現地の友人や知人と対話を繰り返したことで、自分の英会話スキルにも自信がつきました。

以上の経験から、主体的なコミュニケーションの大切さを学び、帰国後もコミュニティに参加する時は、自ら声をかける習慣が身につきました。

入社後は積極的なコミュニケーションを意識して、プロジェクトメンバーとの信頼関係を構築することに努めます。また、言語力を活かし、海外への事業展開に貢献したいと考えております。

自己PRを500字で作成する際は、端的にまとめようとし過ぎないことが大切です。文字数が不足する可能性があるため、エピソードの部分を具体的に記述しつつ、活躍する姿を伝えるように意識しましょう。

留学経験のエピソードは独自性が強く、自己PRに適しています。特に、海外事業を展開している企業などで効果的です。

文字数600文字の自己PRの例文

例文

私の強みは「リーダーシップ」です。大学のサークルで、文化祭の実行委員長として問題解決力やチームをまとめる力、そして目標達成に向けて主体的に行動する重要性を学びました。

文化祭の準備が始まった際、メンバー間で意見が対立し、プロジェクトが停滞していました。そこで、全員の意見を丁寧に聞き、それぞれの優先事項を理解することから始めました。個別にミーティングを重ね、それぞれがどの点に重点を置いているのかを把握し、共通のゴールに向けて整理しました。

次に、チーム全員が自分の役割を理解し、協力し合える環境作りに力を入れました。定期的な進捗確認を行い、各メンバーの貢献を可視化することで、モチベーションを高めました。さらに、イベント当日は予想を上回る来場者数となったことで現場は騒然としていましたが、臨時会議を開き、対応策を指示しました。事前に準備していたフローに従い、スタッフを再配置し、スムーズな運営を実現しました。結果として、来場者数は過去最高を記録し、無事にイベントを成功させました。

この経験を通じて、私はリーダーシップの本質を学びました。それは、指示を出すことではなく、メンバー1人ひとりの強みを活かし、信頼関係を築きながらチームを牽引することだと実感しました。また、問題が発生した際には柔軟に対応し、冷静に解決策を見つけることの重要性も学びました。これらの経験は、今後の職場で必ず活かせる強みであると自信を持っています。

「リーダーシップ」は内容によっては「自己中心的」「協調性がない」などと捉えられてしまう場合もあります。しかし、リーダーシップをアピールしつつもメンバーとの協力姿勢や信頼関係を示すことで短所をカバーした効果的なアピールとなります。

文字数が多い場合には、1つの出来事から複数のエピソードを取り上げることで情報量を増やすのもおすすめです。

文字数800文字の自己PRの例文

例文

私の強みは、失敗を恐れず取り組む「主体性」です。4年間勤めた花屋のアルバイトでは、お客様へのアプローチに尽力し、売上アップに貢献することができました。

私の勤めている店舗は、2021年から売上が約15%落ちており、「お客様へのアプローチ不足」が原因とされ「お客様とのコンタクトを増やすこと」が店舗目標として設定されました。

私はこの目標を達成するために、1回の出勤につき、10人以上のお客様に声がけをする」、「出勤日は、おすすめの商品を1人以上に購入してもらう」という2つの目標を立てました。

目標を設定した当初は自分から声をかけるのに緊張してしまい、5人のお客様に声をかけるのも厳しい状態でした。なぜ声がけすることに抵抗があるのかを分析した結果、商品の魅力を把握しきれていないため、自信が持てないことが原因だと気付きました。そこで社員の方にヒアリングをしたり、花の特徴などを調べ、商品の魅力を1つひとつノートにまとめました。

また商品の知識が増えたことで、聞かれた質問にも答えられるようになり、お客様に声をかける不安や抵抗が解消されていきました。「気になる商品がありましたら、いつでもお尋ねください」と、お客様からも話しかけやすいように声をかけ、押し売りの印象を与えない雰囲気作りも意識しました。

お客様のニーズを丁寧に聞き、商品と照らし合わせて提案することで、以前よりも多くのお客様に購入いただけるようになり、担当マネージャーから「社員よりも、売上に貢献してくれている」と、嬉しい言葉をいただくことができました。

結果として、3か月後の店舗売上は前年比1.3倍を記録し、目標も達成することができました。

以上の経験から「主体的に行動する大切さ」を学び、第三者に賞賛されるほど売上に貢献できたことが自信になりました。貴社に入社した後も「主体性」を活かして、お客様1人ひとりにベストな提案ができるよう、貢献していきます。

自己PRが800文字に指定されている場合は、600文字よりもさらに具体性のある文章を作成するのがポイントです。特にエピソードの具体性を高め、他の志望者との差別化に繋げましょう。

上記の例文では、課題解決に向けた明確な目標、達成に向けた取り組み、成果が「主体性」を軸にまとめられています。文字数が多いと、自分をアピールしたいという気持ちから内容や方向性にばらつきが出やすくなるため、注意が必要です。

文字数が足りない・オーバーする場合の対処法

ですます調とである調を使い分ける

自己PRでは「ですます調」か「である調」のどちらかに統一されていれば、どちらで書いても基本的に問題ありません。そのため、文字数に合わせて使い分けるのも一つの手です。

文字数が超過する場合は「である調」、文字数が不足するような場合には「ですます調」を用いることで文字数の過不足に対処することができます。しかし、ですます調とである調が混同しないように注意する必要があります。もし、書き換えを行った場合には見直しをすることを徹底しましょう。

エピソードの深堀りをする

文字数が不足するような場合は、エピソードを深掘りすることで内容の加筆をすることができます。自己分析と企業研究を徹底することで深掘りできるところがないかを探してみましょう。

特に、エピソードの説明や成果を書く時に具体的な数字を用いることがおすすめです。例えば、「留学に行く前はTOEICが530点だったが、留学後は860点まで上げることができた」などとすることでどれくらい英語力が上がったのかが伝わりやすくなります。

文字数が不足している時は、より具体的に書くことができる部分がないか、どのくらい目標を達成できたのか、課題解決に向けて工夫した点など自己PRのエピソードを改めて振り返ってみましょう。

単語を言い換える

言い換えられる単語例
  • エピソード ⇨ 出来事
  • テクニック ⇨ 技術
  • ボランティア ⇨ 奉仕活動
  • チャレンジ ⇨ 挑戦
  • リーダーシップ ⇨ 統率力

上記のように、文字数の過不足は単語を言い換えることでも対処することができます。特にカタカナの単語は、日本語に言い換えることで文字数を減らし、逆にカタカナにすることで文字数を増やすこともできるでしょう。

同じ意味合いで伝えることができれば、単語の言い換えをしても問題はありません。言い換える際は、意味合いが変わらないよう言い換えに用いる単語には十分に注意しましょう。

削れる修飾語を探す

「とても」「すごく」「大変」「しっかりと」などはよく使われる修飾語です。しかし、修飾語を使わなくとも文章の内容が伝わることが多いです。文字数が超過する場合には削れる修飾語がないか読み直してみましょう。

文字数が足りない時に修飾語をつけるのも一つの手ですが、多用したり、必要のない箇所にまでつけ足してしまうと「書くことがない」「内容が足りない」ということに気づかれてしまいます。そのため、文字数が足りない時は修飾語を用いるのではなく内容を加筆することを心がけましょう。

最適な文字数で自己PRを作成しよう!

自己PRは、文字数の規定に沿って作成するとともに、順序立てて簡潔にまとめる必要があります。

また経験を深く掘り下げることで、他の志望者と被りにくい自己PRを作成できます。なお、嘘や大げさな言い回しは用いないこともポイントです。

本記事で紹介した内容や例文を参考にして、自己分析の結果を元に、自己PRに記載する強みや経験を明確にしてみましょう。

志望動機の文字数は何割が目安?多い・足りない場合の対処法も【例文あり】

履歴書の志望動機は文字数を指定されることが多いです。適切な文字数で志望動機をまとめ、志望理由やアピール内容を伝えることができれば、内容以上の評価を得られるでしょう。

この記事では、志望動機を文字数に沿って書く方法を解説します。また、文字数別の例文もあわせて紹介しています。

さらに、「文字数が多すぎる」「内容が足りない」などの悩みの対処法も必見です。完成度の高い志望動機を作成するために、ぜひ参考にしてください。

志望動機の文字数に過不足はNG?

少なすぎると志望意欲が疑われる

空欄が目立つ志望動機は、それだけで見栄えが悪く、志望意欲が低いと判断される可能性が高いです。

どれだけ良い内容に仕上げても、最初から志望意欲を疑われていては有効なアピールになりません。他の志望者が文字数に沿って作成している中で、明らかに少ない文字数の志望動機があれば、必ず悪目立ちします。

また、手書きで文字を大きめにして空欄を埋めたとしても、内容としては少ないままなので、強みは伝えきれません。なるべく多くのアピールをするためにも、少なすぎる文字数では作成しないようにしましょう。

制限より多すぎるとマナーに欠ける印象を与える

指定された文字数を大きく上回っている場合、「要項を読んでいない」「常識がない」という印象を持たれる可能性があります。実際に文字数を数えている企業は少ないですが、他の志望者と比べれば一目で気付きます。

また、志望動機などの項目では、「文章をまとめる力」や「わかりやすく伝える力」も同時に見られています。いくらアピールしていることが多くても、指定の文字数にまとめられなければ能力不足を疑われるでしょう。

指定の文字数の中で情報を伝えることも、社会人として重要な力です。含める情報量や表現を工夫して、まとまった形のアピールを行いましょう。

志望動機の文字数の目安とは

文字数指定があるなら8割は埋めたい

文字数の指定があれば、まずは記入欄の8割以上を書くことを目安にしましょう。例えば、400文字指定の場合は320文字が最低ラインといえます。

そこからさらに内容を充実させ、9割以上を目指すと完成度が上がります。上限ぴったりまで埋める必要はありませんが、なるべく多く埋めていた方が一目見た時の印象は良くなります。

ただし、無理に冗長にして9~10割を埋めるよりも、充実した内容で8割程度の志望動機の方が、評価は高くなるでしょう。

文字数制限なしなら300~400字程度

志望動機の文字数が指定されていない場合は、300〜400文字程度で書くことがおすすめです。

300~400文字であれば、熱意や意欲を伝えつつ、論理的な思考力や文章構成力も示すことができます。エピソードも比較的詳しく書けるため、根拠を十分に見せられるでしょう。

また、文章のまとまりを損なわない範囲であれば、400文字を超過しても問題ありません。アピールしたいことが多い場合や、説明にもう少し文字数を割きたい場合に検討しましょう。

文字数を意識した志望動機の書き方

志望動機を書く時の文字数配分の目安

【結論】1~2文で簡単にまとめる

志望動機の結論である「なぜその企業を志望するのか」という部分は、最初に伝えるのが基本です。1~2文に収めながら、その後のエピソードとの繋がりも意識して書けると良いでしょう。

例えば、特定の分野への興味を理由として挙げる場合、その分野に関するエピソードがあると一貫性が高まります。また、成し遂げたいことを理由とする場合は、目標を定めたきっかけなどが使いやすいです。

志望理由は人によって様々ですが、「給与」「休日の数」などは直接的に伝えるのを避けた方が無難です。「安定した環境」と言い換えるなど、選考の場に適した表現を心がけましょう。

【理由】エピソードと学びを詳しく書く

エピソードや学びは、志望動機の中で一番文字数を使う部分です。ここで説得力のある理由付けができると、良い印象を残しやすくなります。企業を知った経緯や、自分自身のスキル・強みを表す経験を、できるだけ具体的に書きましょう。

エピソードの時期と場面、考えたことや取り組んだこと、得られた学びが、主な記入内容です。採用担当者が初めて読んでもわかる内容であるかを確認しながら書くことが重要です。

また、エピソードをどこまで詳細に書くべきかは文字数の指定によっても異なります。先に結論と締めの内容を固めてから、残りの文字数をエピソードに充てるという書き方をしても良いでしょう。

【締め】入社後の活躍イメージを簡潔に述べる

志望動機の最後は、入社後の目標や活躍の意気込みを簡潔に述べて締めます。ここも結論と同様に、1~2文程度にまとめられると良いです。理由は直前の部分で説明し終えているはずなので、長々と書く必要はありません。

何の強みを活かして、何の分野で貢献したいのかを自分の言葉で伝えましょう。定型的な表現よりも、個性のある締めの方が印象に残りやすくなります。

ただし、説明したエピソードと何の脈絡もない目標は混乱を招きます。学びを活かせる目標を記載し、現実的に達成できる見込みがあることを明確にする必要があります。

【文字数別】志望動機の例文

100文字指定の志望動機

例文

学生時代に広告研究会に所属し、外注のWEB広告を運用してきました。幅広いターゲットへアプローチできる貴社でなら、生活者に響く広告を届けるという私の目標を目指すことができると考え、志望しました。(96文字)

100文字以下では書ける内容が限られるため、内容を精査し、端的に書きましょう。例文は、簡単に学生時代での活動を記載した後に、志望動機と入社後の目標を96文字で上手にまとめています。

細かなエピソードは省き、取り組みのテーマと結果だけを挙げると、短くまとまります。ただし、志望理由は明確にしておく必要があるため、内容の削りすぎには注意しましょう。

200文字指定の志望動機

例文

大学4年間、広告研究会に所属し、私は外注のWEB広告制作活動に取り組んできました。この経験を通して、WEBマーケティングスキルを身につけました。幅広いターゲット層にアプローチできる貴社でなら、生活者に響く広告を届けるという私の目標を目指すことができると考え、志望しました。入社後は、WEBマーケティング職として、データ分析に基づいた戦略立案に貢献し、貴社の事業成長に貢献したいと考えています。(196文字)

200文字も100文字と同様に少ししか書けないため、端的に書く必要があります。志望理由と入社後の目標は押さえつつ、エピソードの割合を増やすことで自然に200文字に収められるでしょう。

例文では、大学時代に所属していた研究会の主な活動と、身につけたスキルを明確にしています。経験を活かして働きたいことをアピールできており、説得力が高いです。

志望職種に通じるスキルを身に着けたエピソードがある場合は、積極的にアピールしましょう。実践レベルでなくとも、理解があることから良い印象を与えやすいです。

300文字指定の志望動機

例文

私はWEB広告事業のマーケティング部に興味を持ち志望します。大学時代には、広告研究会に所属し、外注された飲食店や雑貨屋、美容室などのWEB広告の運用・分析・改善を繰り返し、閲覧数増加させる活動を中心に取り組んできました。この経験を通して、BotC向けのWEBマーケティングスキルを身につけました。貴社はBtoC企業のWEB広告の強みがあり、幅広いターゲット層にアプローチできる貴社でなら、生活者に響く広告を届けるという私の目標を目指すことができると考え、志望しました。入社後は、マーケティング職として、データ分析に基づいた戦略立案に貢献し、貴社の事業成長に貢献したいと考えています。(291文字)

300文字の志望動機では、エピソードの詳細をより多めに書くことができます。学びを得るまでの取り組み内容を細かく書けるため、考え方や物事への姿勢もアピールできるでしょう。

例文では、企業研究をしっかり行った成果を含められており、志望意欲の高さを伝えられています。その他にも、目標を定めた経緯などは追加しやすく、あなたの人柄のアピールに向いている内容です。

志望理由と入社後の意気込みは簡潔に抑えながら、エピソードを厚み付けするのが300文字の場合のポイントです。一番アピールしたいエピソードを中心に、説得力を高められる内容を付け足しましょう。

400文字指定の志望動機

例文

私はWEB広告事業のマーケティングに興味を持ち志望します。大学時代には、広告研究会に所属し、外注された飲食店や雑貨屋などのWEB広告の運用・分析・改善を繰り返し、閲覧数増加させる活動を中心に取り組んできました。この経験を通してマーケティングスキルを身につけました。貴社はBtoC企業のWEB広告の強みがあり、幅広いターゲット層にアプローチできる貴社でなら、生活者に響く広告を届けるという私の目標を目指すことができると考え、志望しました。また、OB訪問で一人当たりの担当顧客が他社よりも少ない分、担当顧客に時間をかけて貢献できるとお聞きし、丁寧に運用・分析・改善をし、より良い結果を出したい私にとって、より強く志望をするようになりました。入社後は、マーケティング職として、データ分析に基づいた戦略立案に貢献し、貴社の事業成長に貢献したいと考えています。将来はチームリーダーとして後輩を育成したいです。(399文字)

400文字は志望動機として一般的な文字数です。より具体的な志望理由やエピソードを記入できるため、アピールしたいことを十分に盛り込めます。

例文では志望理由やスキルを身に着けた経緯に加え、OB訪問に参加したエピソードを述べている点が特徴的です。積極的な行動力が、高い志望意欲を裏付けできています。

また、目標のポジションや活躍のビジョンが明確であり、長期的な貢献をイメージしてもらいやすいです。このような目標意識は他の志望者との差別化を行いやすいため、意識してアピールしてみましょう。

500文字指定の志望動機

例文

私はWEBマーケティングに関心があり、WEB広告事業が活発な貴社を志望しています。大学時代には広告研究会に所属し、外注された飲食店や雑貨屋などのWEB広告の運用・分析・改善を繰り返し、閲覧数を増加させる活動を中心に取り組んできました。特に印象に残っているのは、美容室の広告案件です。地域・年齢層ごとの反応データを基にABテストを行い、来店予約数を大幅に伸ばすことに成功しました。データ分析と仮説検証のサイクルを粘り強く回す重要性を学ぶきっかけとなり、マーケティングスキルも磨くことができました。貴社はBtoC企業のWEB広告に強く、幅広いターゲット層にアプローチしていると存じています。そんな貴社であれば、私自身の経験を活かして活躍しながら、人々の心に残る広告を届けるという私の目標へ近付くことができると考えました。入社後は、マーケティング職として、データ分析に基づいた戦略立案に貢献し、貴社の事業成長に貢献したいと考えています。さらに、将来はチームリーダーとして後輩を育成し、チーム全体で成果を出せる環境づくりに携わりたいです。(465文字)

500文字の志望動機では、志望理由やエピソードを複数紹介する余裕があります。例文ではWEB広告の運用について、特に印象的だったエピソードを追加で取り上げており、場面が想像しやすくなっています。

1つの強み・学びを示すエピソードを長くするよりは、複数の経験を紹介した方がアピールの幅が広がります。特に、「取り組みの概要」と「中でも印象的だった経験」はセットにしやすいエピソードです。

400字を超えると、書く内容の不足で悩むこともあるため、後述の対処法もあわせて確認しておきましょう。

志望動機の文字数が多い場合の対処法

削れるエピソードがないか確認する

志望動機で削りやすい内容の例

志望動機の文字数が多い場合は、重要度の低いエピソードや説明を削ることで、文字数を抑えることが可能です。

中でも、志望理由として挙げているエピソードについて、「取り組み始めた理由」をさらに重ねるのは避けるべきです。特に理由を書かずに、「〇〇に所属していた」「〇〇へ取り組んだ」とだけ記載すれば十分です。

エピソードの内容は、全てを詳細に説明すれば良いというものではありません。重要度が高く、特に伝えたい箇所に焦点を合わせて情報量を調節することが大切です。

「だ・である調」に変える

志望動機を「だ・である調」で書くメリット

志望動機や自己PRは、言い切りを「です・ます調」で書くことが多いです。しかし、きっぱりとした言い切りの「だ・である調」で書いても問題ありません。

「だ・である調」で書くメリットは、全体の文字数を少なくできる点です。丁寧な言い回しを省くことができるため、見せたい情報を端的にまとめるのに適しています。

ただし、「です・ます調」と比べると断定的な表現が増えるため、堅い印象や威圧的な印象を与える可能性があります。人柄を誤解されないためには、変えた言い切りに合った内容になるよう、もう一度見直してみることが重要です。

用語や単語を短く言い換える

志望動機で短く言い換えられるワードの言い換え例

エピソードで取り扱うテーマに関する用語や、カタカナ英語の単語は良く使われます。しかし、これらの表現は文字数を多く使いがちであるため、より短い表現に言い換えることが有効です。

例えば、具体的な大会名を単に「大会」と述べたり、「コミュニケーション能力」を「対話力」に言い換えたりすることで、文章をすっきりさせられます。

また、エピソードの根幹となる用語は言い換えず、それ以外を端的に表現したりすると、アピールしたい部分を際立たせることもできます。全ての単語を短くするのではなく、最終的に良い志望動機になるよう工夫してみましょう。

志望動機の文字数が足りない場合の対処法

企業への共感を追加する

志望動機に企業研究の結果を追加することで伝わること

志望理由やエピソードの量が不足するのであれば、企業への共感を示す内容を追加できます。企業ホームページにあるような情報だけでなく、事業内容や近年の動向から読み取れることを含めてみましょう。

企業理念に共感していることは、それだけで企業とマッチする人柄であることのアピールになります。さらに、高い企業研究や業界研究の成果が伝われば、熱心に準備を重ねる姿勢も読み取ってもらえます。

新しいエピソードを今から増やすことは難しいですが、企業研究は今から行っても間に合います。既存の内容をかさ増しするよりも内容が濃くなるため、おすすめの対処法です。

学びや経験をより詳細に書く

志望動機のエピソードや学びの文字数を増やすコツ

エピソードと学びは、詳細に書こうとすれば長くなってしまうため、ある程度情報量を抑えて書くことが通常です。しかし、全体の文字数が足りないのであれば、もっと情報を盛り込んでも問題ありません。

エピソードを改めて掘り下げて考え、結果に影響を及ぼした出来事や、工夫した点が他に無かったか確かめましょう。自己分析をもう一度行ってみることで、今まで気づかなかった強みも見つかるかもしれません。

ただし、ダラダラと引き延ばして書くのはNGです。あくまで分かりやすい文章であることを最優先として、簡潔に情報を付け加えるようにしましょう。

エピソード以外の分量を増やす

志望動機の志望理由と締めの文字数を増やすコツ

エピソードは志望動機の大部分を占める要素ですが、数十文字までであれば志望理由と締めの内容を増やすことで対処できます。

志望理由と締めは、簡潔に書くことが基本です。しかし、エピソードと合致する内容であれば、多少長めに書いても不自然ではありません。エピソードへ上手く繋ぐことができれば、文章の自然さを高められる可能性もあります。

例えば、志望理由を増やす場合、「過去に〇〇の経験があり、貴社の事業に長らく関心を持っていました」など、エピソードと関連するきっかけを書くと自然です。

志望動機は適切な文字数に収めて書こう

志望動機は内容が重要ですが、前提として文字数が適切でなければ、正しく評価されることはありません。多すぎても少なすぎても、最初から悪い印象を持った状態で読み始められるため、他の志望者よりも大きく不利になってしまいます。

志望動機の基本構成である「結論」「理由」「締め」に文字数を上手く割り振り、読みやすさと内容を両立することが重要です。また、過不足がある場合には、この記事で紹介した対処法を用いて文字数を調整しましょう。

【例文あり】ガクチカでアルバイト経験はだめ?評価に結びつく書き方を解説

「学生時代に力を入れたことは?」就活の場で必ず聞かれるこの質問に、アルバイト経験と答えていいか悩んでいませんか?アルバイトのガクチカではESや面接を突破できないと言われることもあり、不安になっている人も多いのではないでしょうか。

結論を述べると、ガクチカでアルバイト経験を伝えることは「だめ」ではありません。しかし、ポイントを押さえ効果的に伝えなければ魅力が伝わりにくいので注意が必要です。

本記事では、アルバイトをテーマとすることが問題ない理由や上手くアピールする方法について解説します。

ガクチカでアルバイト経験は「だめ」ではない!

ガクチカでアルバイト経験を伝えることをマイナスに捉える必要はありません。反対に、学生にとってアルバイトは自己成長や学びの場であるため、就活の場において十分なアピール材料となります。

実際に働いてみて、仕事に対する姿勢や責任感など学生生活だけでは得られなかった発見学びがたくさんあったのではないでしょうか。学業やサークル活動などとは違ったアピールポイントが多く、他の就活生との差別化するチャンスでもあります。

アルバイト経験で得た学びやスキルなどを上手くアピールして、採用担当者の目を惹く内容に仕上げていきましょう。

ガクチカでアルバイト経験を伝えるメリット

学業以外に熱心に取り組んだこととして個性を表現できる

アルバイト経験はガクチカの題材として弱いと思うかもしれませんが、決してそうではありません。むしろ企業にアピールしやすいテーマです。

そもそも、ガクチカとは学生時代に力を入れたことの略で、就活生の個性をアピールできる項目です。学生として学業に力を入れることは当たり前とみられてしまうため、学業以外の行動をアピールすることで、他の就活生との差別化を図ることができます。

アルバイト経験がある学生は多いですが、職種や業務、達成した目標などが異なります。つまり、アルバイト経験は学業以外に熱心に取り組んだこととして、個性をアピールできる題材だといえるでしょう。

入社後の仕事に対する姿勢をイメージしやすい

企業側はガクチカを通して、学生の人間性や価値観を知り、入社後のミスマッチを防ぎたいと考えています。アルバイトは、実際に仕事をする場であるため、仕事に対する考え方や姿勢がアピールしやすいテーマです。企業が求める人材であるかどうかを採用前に確認することができます。そのため、ガクチカでアルバイト経験を伝えることは決してだめではなく、むしろ評価されやすい題材でしょう。

アルバイトのガクチカ「だめ」なパターン5選

①仕事内容を説明しているだけのガクチカ

アルバイト経験を題材にする場合、ただ仕事内容を説明しているだけの内容はガクチカとして評価されません。企業側は、そのアルバイトがどのような仕事であるのかを知りたいわけではないからです。

特に、ESでは文字数が制限されていることもあり、仕事の説明だけで終わらないように注意しなければなりません。アルバイト経験を通じて得た経験や学んだことが伝わる内容にまとめることが大事です。上手くアピールできるように、構成や書き方のコツをしっかり抑えておきましょう。

②業務として当たり前のことを伝える

アルバイトの業務として、当たり前のことを伝える内容もガクチカとしては相応しくありません。例えば、「挨拶を元気よくしていた」「お客様を丁寧に接客した」というような行動が挙げられます。これから一緒に働く人材として評価をするには、弱いエピソードです。

また、「努力をした」「頑張った」というような曖昧な表現もエピソードが伝わりにくくなるため、避けた方が良いでしょう。ただし、決して大きな成果がなければならないというわけではありません。通常業務ではなく、プラスαの行動によって得られた成果や経験、学びはなかったか思い出してみましょう。

③成果を誇張しすぎている

アルバイト経験の中で得た成果を誇張している、あるいはを記載している場合ももちろん「だめ」なガクチカです。面接官は数多くの就活生を見てきたプロです。誇張した内容や嘘があればすぐに見抜かれてしまうでしょう。

また、ESの内容を面接で質問された時に正確に答えられないということになります。内容が正確でないことがバレてしまうと、信頼を失うことになり、採用への道は閉ざされてしまいます。アルバイト経験の中で達成した成果は正しい内容を伝えるようにしましょう。

④世間的にマイナスイメージのあるアルバイト

世間的にマイナスイメージを持たれやすいアルバイトはガクチカに書かない方が良いでしょう。例えば、ホストクラブやキャバクラというような水商売商品の転売などが挙げられます。

このようなアルバイトは、就活の場ではポジティブな印象を与えにくく、むしろ企業側に不安や懸念を与える可能性が高いです。たとえ、成果を挙げたり工夫したエピソードがあったとしても、採用担当者には評価されにくいです。

ガクチカとしてアルバイト経験を選ぶ場合は、応募する企業に適した職種や業界での経験を伝えることが重要です。

⑤短期間で退職したアルバイト

ガクチカとしてアピールするのであれば、短期間で退職したアルバイトは避けた方が良いです。数週間、数か月で辞めてしまったアルバイトあるいは単発のアルバイトでは、ガクチカとしての深みが出にくいです。

就活の面接では、ESで記載している内容を深掘りされることが多いため、短期間のアルバイトでは十分な回答がしにくいでしょう。特別なエピソードがない限りは、できるだけ長期間続けてきたアルバイトを題材にすることをおすすめします。

ガクチカでアルバイト経験を上手く伝えるポイント

成果に対するプロセスを伝える

ガクチカでアルバイト経験を上手く伝えるためには、成果に対するプロセスを重視した内容にしましょう。力を入れて取り組んだことをアピールする項目であるため、達成した成果を伝えたいと思う方が多いでしょう。

しかし、企業がガクチカにおいて最も重視していることは、成果そのものではなく達成までに至る過程です。アルバイト経験に関する内容にする際は、成果を得るまでにどのような努力をしたのかが伝わる書き方を意識しましょう。

成果や実績は数字に示す

アルバイト経験で達成した成果や実績を伝える場合は、数字にして伝えると面接官により凄さをアピールできます。例えば、「売上を上げた」よりも「売上が〇%上がった」としたほうが、「アルバイト先で評価された」よりも「〇〇賞で一位を受賞した」というように数字が明確にあるほうが内容が伝わりやすいです。

志望企業の担当者が、あなたが経験したアルバイトに関して詳しいとは限りません。どれだけ努力したのかがアピールできるため、数値を活用してエピソードに説得力を持たせましょう。

アルバイト経験で学んだこと・成長したことを伝える

アルバイト経験で学んだこと成長したことは、自分の人柄や人間性を伝えやすい内容になります。企業はガクチカを通して、学生の人間性が自社とマッチするのかを判断しています。

同じ職種でアルバイト経験がある場合も、人それぞれ体験した内容は違います。体験した内容が違えば、そこから得たものは違うものです。

また、アルバイト経験がある学生が多いなかで、ありきたりな内容にならないようにすることがポイントです。自分が得た学びや成長をエピソードとして伝えることで、オリジナル性の高いガクチカが作成できます。

志望企業での活かし方を伝える

ガクチカでは、志望先での活躍を期待してもらえるかがポイントです。ただ単にエピソードを長く説明する内容では評価されません。

ガクチカで得た学びや成長を活かして、入社後も同じように力を発揮できるのかどうかを判断されています。採用したメリットを感じてもらえることが重要です。

例えば、「今後のキャリアにおいては、〇〇に貢献していきたいと考えています」「貴社の業務でも、〇〇を提供していきたいと考えています」というようにポジティブな内容で締めると高評価を得られやすいです。

「だめ」なガクチカを脱却!アルバイト経験をアピールする構成・書き方

アルバイト経験をアピールするガクチカの構成・書き方
  1. 学生時代に力を入れたこと(アルバイト経験について)
  2. アルバイトを始めたきっかけ
  3. アルバイトを通じて何を学ぼうとしたのか(目標)
  4. 目標を達成するために起こした行動
  5. 達成した成果・目標
  6. 成果から学んだこと・今後どのように活かしていくのか

ガクチカの書き始めは、学生時代に力を入れていたこと、どのようなアルバイト経験があるのかについて記載します。例えば、「私が学生時代に力を入れたこととして、カフェでのアルバイト経験があります」と冒頭で述べることで、読み手側が理解しやすくなります。

その次に、アルバイトを始めたきっかけと最初に抱いた目標を説明します。特に、大きなきっかけや目標がなかったという場合は、勤務中に指摘されたことや発見した問題点を挙げても良いでしょう。改善することを目標と定めて行動したエピソードもガクチカとして評価されやすいです。

そして最後は、アルバイト経験を通して学んだことや入社後にどう活かしていくのか貢献できるポイントをアピールします。成果をアピールするのではなく、そこに至る過程得た学びがしっかり伝わるように意識しましょう。

アルバイト経験を伝えるガクチカ例文3選

①飲食店のキッチン

例文

私が学生時代に力を入れたことは、オープニングから携わっていた飲食店でのキッチン業務です。オープン当初、マニュアルが徹底されておらず、料理の提供時間が大幅に伸びてしまうことが多発していました。なぜ作業が効率化されないのか観察していたところ、作業場所や移動経路、食器や器具の配置に問題があることを発見しました。そこで私は、オーダーから調理、料理提供、食器を下げるまでの工程をリストアップし、調理器具や食器の配置場所の提案をしました。これにより、キッチンとホールスタッフそれぞれの作業や移動効率が改善され、料理の提供時間を10分程度短縮することができました。この経験から、課題や問題を発見し、改善するためのアイデアを提案する力が身についたと感じます。貴社の業務においても、課題に対して効果的な解決策を見出す努力をし続けていきたいと考えています。(400字以内)

飲食店でのキッチン業務のアルバイト経験をテーマとしたガクチカです。業務中に発見した課題や問題点に対し、自分が起こした行動とその経験から成長したことを説明しています。

マニュアルが徹底されていない苦労は、オープニングスタッフならではの体験です。改善のために起こした行動はガクチカとしてアピールできる内容になります。

志望先の業種がアルバイト先と違う場合でも、十分に活かせるエピソードです。先述したように、仕事内容の説明で終わらないよう注意しましょう。

②コンビニ

例文

私が学生時代に力を入れていたことは、バイトリーダーとして勤務していたコンビニでのアルバイト経験です。私が所属していた店舗では、早期退職者が多くスタッフの入れ替わりが早いという問題が生じていました。そこで私は、新人スタッフの教育体制やコミュニケーションの見直しを行いました。具体的には、マニュアルの可視化や業務チェックリストの導入、コミュニケーションの徹底を呼びかけました。その結果、新人教育だけでなく自己流になりがちであった業務の見直しや改善にも効果が発揮されました。また、スタッフ間のコミュニケーションが円滑になり、1年以上継続して勤務するスタッフが増えました。この経験から、リーダーとして仕事の効率化を図り、チームのモチベーションを維持する大変さと達成感を得ることができました。今後の仕事においても、チームの一員として協力し、円滑な運営に貢献していきたいと考えています。(400字以内)

コンビニでのアルバイト経験をテーマとしたガクチカです。コンビニに限らず、バイトリーダーを任されていたことがある方もいることでしょう。

リーダーシップ能力は、多くの職場や組織で重視されるスキルです。エピソードを添えて伝えることで、自身の価値を高めることができます。

コンビニのアルバイト経験は、業務の幅が広いだけに他にもたくさんのスキルを向上できるはずです。自分が成長できたことは何か、振り返ってみましょう。

③スーパー

例文

私が学生時代に力を入れていたことは、スーパーでのアルバイト経験です。なかでも、レジ打ちの業務改善に取り組みました。私が所属していた店舗では、お客様が多い時間帯にレジ周りが非常に混雑することが課題となっていました。そこで私は、お客様の待ち時間を短縮すべく、レジ前に誘導のステッカーやビニールテープを貼ることを提案しました。このような策を講じた結果、お客様の並ぶ位置がわかりやすく案内できるようになりました。また、お買い物途中のお客様への影響も改善され、店内の混雑が緩和されました。この経験から、お客様に対する配慮やサービス向上の提供を第一に考え行動する大切さを学びました。入社後は、顧客の声に真摯に向き合い、心地よいサービスを提供していくことを心がけたいと考えています。(350字以内)

スーパーでのアルバイト経験をテーマとしたガクチカです。この例文では、お客様サービス向上のために実施した行動に関するエピソードを挙げています。お客様を第一に考えて行動できる人材は、様々な職種・業界の採用担当者から高い評価を受けるでしょう。

特に、サービス業や営業職、マーケティング職などに効果が期待できます。ガクチカの内容を考える際は、志望企業の社風や事業内容に合わせることも大事なポイントです。企業研究を徹底することで企業について正しく理解できます。

ガクチカの構成・書き方次第でアルバイト経験を強みにできる!

ガクチカでアルバイト経験をテーマとすることは、「だめ」というわけではなく、構成や書き方が重要です。仕事をしたことがあるという証ですので、むしろ就活の場では強みにできます。志望企業の事業内容などに合わせたアルバイト経験だとなお評価が高くなりやすいです。

ただし、仕事内容を説明しているだけであったり、業務や社会人として当たり前の行動はせっかくのアルバイト経験がアピールになりません。誠実な内容を記載し、入社後の活躍を期待してもらえるようなガクチカを作成しましょう。

ガクチカで学んだことを効果的にアピールする書き方を解説【例文あり】

「ガクチカ」こと、学生時代に力を入れたことは、就活では必ずといっていいほど尋ねられる項目です。ガクチカによって学んだことを適切に述べることで、自分の魅力をアピールできます。

企業がガクチカで知りたいこと、求める人物像を十分に把握し、文章に盛り込むことが大切です。他の志望者と差別化するために、自分らしさを発揮したエピソードを具体的に述べることも必要です。

本記事では、ガクチカの例文とともに、ガクチカの作り方、企業がガクチカで知りたいこと、押さえるべきポイントを解説します。

「ガクチカ」とは

「ガクチカ」とは、「学生時代に力を入れたこと」を指します。ガクチカはエントリーシートや面接で必ずといっていいほど尋ねられる定番の質問です。

後述するように、企業はガクチカで志望者の能力価値観課題に取り組む姿勢を知りたいと考えています。企業の質問の意図を汲み取ってガクチカを作成することが大切です。

ガクチカのテーマは、サークル活動、留学、アルバイトなど、なんでも構いません。自分の魅力を十分に発揮できたエピソードを述べましょう。

ガクチカと自己PRの違い

学生時代に力を入れたことを、ガクチカだけでなく自己PRでも述べなければならないケースが多くあります。ガクチカと自己PRの違いがわからず困っている人も多いでしょう。

ガクチカと自己PRの違いに明確な定義はありませんが、企業はガクチカで志望者の能力、価値観、課題に取り組む姿勢を知ろうとします。一方で、自己PRでは志望者が積極的にアピールしたい長所強みを知りたいと考えています。

ガクチカと自己PRをどちらも述べなければならないときは、エピソードが重複しないように気を付けてください。また、可能な限り異なるアピールポイントを盛り込みましょう。

企業がガクチカで知りたいこと

志望者の能力やスキル

企業はガクチカで、志望者の能力スキルを知りたいと考えています。ただし、ガクチカで問われる能力やスキルでは、経験によって得られた「学び」が重要視されます。

周囲の仲間と課題に取り組んだことで協調性を学んだエピソードがあれば、チームワークを重んじる企業に高く評価されるでしょう。スケジュールを適切に管理して目標を達成した経験で計画性を学んだのであれば、プロジェクト管理能力をアピールできます。

自分自身がこれまでどんな経験をして、どんな学びを得たのか洗い出してみましょう。

課題に取り組む姿勢

自ら進んで課題に着手したエピソードであれば、自発性積極性をアピールできます。周囲の人を巻き込んで課題に取り組んだエピソードであれば、コミュニケーション能力リーダーシップ協調性などを魅力的に伝えられるでしょう。

実際に働き始めると、日々多くの課題に取り組まなければなりません。問題の解決策に正解があるとは限りません。課題を与えられるだけでなく、自ら発見する力も求められます。

課題に取り組む姿勢を十分にアピールすれば、あなたが企業で実際に働く姿を採用担当者にイメージしてもらえるでしょう。

志望者の考えや価値観

志望者が力を入れたことから、志望者の考え価値観が読み取れます。

いくら優秀な志望者がいても、その志望者を企業が採用するとは限りません。優秀な人材が不採用となる理由のひとつが、志望者と企業の価値観のミスマッチです。ミスマッチがあると入社後すぐに辞めてしまうリスクが高いため、担当者はミスマッチの人材の採用を見送ろうとするでしょう。

企業の公式サイト、募集要項、会社説明会などで企業の価値観を確認し、自分の価値観と照らし合わせて応募することが大切です。

学んだことを伝えるガクチカの構成

  1. 取り組んだことの概要
  2. 目標や問題
  3. 目標達成や問題解決のために実施したこと
  4. 実施した結果
  5. 学んだこと
  6. 学んだことの企業での活かし方

①取り組んだことの概要

冒頭で取り組んだことの概要を簡潔に述べます。結論を最初に述べることで、話の道筋が明確になり、聞き手が話に集中しやすくなります。上司への報告、顧客との商談、企画のプレゼンテーションなどで実際に多く使われる手法です。

後述するように、どんなテーマを選べばいいか迷っている人は、自己分析をしてガクチカを洗い出してください。優れた成果を残した経験がなくとも構いません。自分らしさを発揮したエピソードを見つけましょう。

②目標や問題

ガクチカでは、目標や問題を明確に述べることが重要です。

目標や問題が不明瞭だと、あなたが取り組んだことや、取り組みの動機が採用担当者に十分に伝わりません。可能な限り具体的に、設定した目標や解決したい問題を説明しましょう。

ビジネスシーンでは、目標や問題が人から与えられるとは限りません。自分で目標を設定したり、何が問題なのか見つけたりすることが求められます。実際に働き始めると、目標や問題を説明する機会は多くあるので、今のうちに慣れておきましょう。

③目標達成や問題解決のために実施したこと

目標達成や問題解決のために何を実施したのかを述べます。

斬新なアイデアを実現した場合は、柔軟な発想力をアピールできるでしょう。一方で、一見地味な取り組みであった場合でも、コツコツと誠実に取り組む姿勢をアピールできます。自分の個性が如実に現れるので、十分に説明しましょう。

また、同じエピソードでも着眼点や伝え方によってアピールポイントが変えられます。応募先が求める人物像に合わせて、アピールポイントを使い分けてください。

④実施した結果

実施した結果を簡潔に述べます。

ガクチカでは、実施した結果自体はあまり重視されません。どのような想いや考えで物事に取り組んだのか、取り組んだ結果どのようなことを学んだのかが大切です。

望んでいた成果が得られなかったエピソードでも問題ありません。失敗した経験から何を学んだのかを述べましょう。前向きに努力する姿勢をアピールできます。

一方で、素晴らしい成果が得られた場合、ガクチカが自慢話にならないよう気を付けましょう。

⑤学んだこと

物事に取り組んだ結果、どんなことを学んだのかを述べます。

前述したように、単純なテストの点数や取得した資格ではなく、経験で得られた学びを述べてください。チームワークの重要性やコミュニケーションの大切さなどを学んだこととしてアピールしましょう。

学んだことも着眼点によって見せ方を変えられます。例えば、周囲と協力して期限内に目標を達成したエピソードであれば、チームワークの重要性やプロジェクト管理の必要性などを学んだこととしてアピールできます。企業が求める人物像に合わせて変えることが大切です。

⑥学んだことの企業での活かし方

学んだことを応募先の企業でどのように活かすのかを述べます。

経験で得た学びの活かし方を述べることで、実際に働く姿を採用担当者にイメージしてもらえるでしょう。入社後の活躍を期待してもらえるように、十分にアピールすることが大切です。

前述した項目と同様に、企業が求める人物像に合わせてアピールします。企業ごとに求めている人材は異なります。応募先の公式サイトや募集要項を見て、求める人物像を十分に把握しましょう。

ガクチカで学んだことの例

チームワーク

ガクチカで学んだことの例のひとつに、チームワークが挙げられます。サークル活動やアルバイトなどで周囲の人を巻き込んで課題に取り組んだエピソードがあれば、チームワークをアピールできます。

実際の業務では、自分ひとりで取り組める仕事はほとんどないでしょう。大きな目標を達成するためには、多かれ少なかれ誰かと協力しながら業務を進めなければなりません。

チームワークの大切さを学んだ経験がないか考えてみましょう。

コミュニケーション

コミュニケーション能力は、ガクチカでアピールするテーマの定番です。

企業で求められるコミュニケーション能力は、ただ友達を作ったり会話を盛り上げたりすることではありません。相手の意見を十分に傾聴して理解する力論理的に考えて相手を説得する力などがコミュニケーション能力として求められます。

コミュニケーション能力をガクチカでアピールしようと考える志望者は多くいます。他の志望者と差別化するために、自分が経験した具体的なエピソードを述べることが大切です。

問題解決

学生時代に問題を解決に導いた経験があれば、エピソードとして用いることをおすすめします。

周囲を巻き込んで問題を解決したエピソードであれば、前述したチームワークやコミュニケーションなどをアピールできます。問題の要因を分析して原因を突き詰めたエピソードであれば、自発性や論理的思考などを問題解決力として伝えることも可能です。

ただ問題解決をした結果を述べるだけではなりません。問題解決に至るまでに、どのように考えたのか、どのような姿勢で行動したのかを述べることが大切です。

自己管理

自己管理を徹底して目標を達成した経験があれば、ガクチカに利用できます。

働き方改革により、長時間働くことよりも、限られた時間で効率的に成果を出すことが求められます。また、テレワークが普及した現在、プライベート空間で仕事に取り組むためには、集中力やモチベーションを維持する力が必要不可欠です。

モチベーションを維持して毎日決まった時間に勉強した経験や、飽きないよう工夫しながら効率的に課題に取り組んだ経験などがあれば、自己管理能力をアピールしましょう。

プロジェクト管理

プロジェクト管理を実施して課題に取り組んだ経験も、ガクチカでアピールできます。

大規模なプロジェクトほど、スケジュール管理やタスク管理が重要です。プロジェクト管理を怠ると、ごく一部の仕事の遅れが原因でプロジェクト全体が遅れ、顧客の信頼を失うかもしれません。

スケジュール調整をして締め切りまでに課題に取り組んだエピソードがあれば、プロジェクト管理能力をアピールできます。ひとりひとりの課題を明確にして目標を達成した経験があれば、プロジェクト管理の重要性を学んだエピソードとして利用できます。

チャレンジ精神

困難な目標に挑戦した経験があれば、チャレンジ精神をアピールできます。

目まぐるしく変化するビジネスシーンでは、新たな分野に果敢にチャレンジする姿勢が大切です。新しいことでなくとも、苦手な分野を克服しようとする姿勢は高く評価されます。チャレンジを繰り返すことは自分自身の成長につながります。

新しいことや苦手なことに挑戦したことでチャレンジ精神の大切さを学んだ経験があれば、チャレンジ精神をテーマとしたガクチカの文章を作ってみましょう。

学んだことをアピールするガクチカの例文

アルバイトで学んだこと

例文

私は学生時代に飲食店でのアルバイトに力を入れました。

アルバイトで働き始めた当初は、マニュアルがなく、誰もが仕事を見て覚えなければなりませんでした。仕事を覚えられずすぐに辞めてしまう人も多かったため、私はマニュアルの作成を社員に提案しました。

日頃から忙しい社員の方々は難色を示しましたが、のちのち教育が楽になることを粘り強く伝え、マニュアルを作成していただくことを了承してもらいました。私の意見も取り入れていただきながら完成したマニュアルによって、アルバイトで働く人が多く定着するようになりました。

この経験から、課題を解決するために積極的に提案することの大切さを学びました。貴社でもお客様に喜んでもらえるような提案を心掛けて働きます。(350字以内)

アルバイト中に問題点を見つけ、積極的な提案によって解決したエピソードをもとにした例文です。提案力以外に、周囲に積極的に働きかけるコミュニケーション能力や交渉力も魅力的に伝わります。

営業職や企画職といった文系総合職だけでなく、開発職や研究職といった理系総合職でも提案力は重要です。どんな企業や職種でも好印象に映るでしょう。

例文のように、学んだことを企業でどう活かすのかを必ず述べてください。実際に働く姿を採用担当者にアピールできます。

部活動で学んだこと

例文

私が大学で最も力を注いだことはテニス部の活動です。テニス部の活動でコミュニケーションの大切さを学びました。

私が入部した当初は、先輩は先輩同士、後輩は後輩同士というように学年ごとに集まることが多くありました。練習に支障はありませんでしたが、部全体が成長することは難しいと感じました。

そこで私は、先輩と後輩が集まって練習する時間を設けることを提案しました。さらに学年を超えて積極的に話しかけるよう心掛けたことで、部内の交流が盛んになり、互いにアドバイスし合うことが増えました。

目標の全日本大学対抗テニス王座決定試合出場は達成できませんでしたが、部全体の成長を実感しています。

テニス部で学んだコミュニケーションの大切さを活かし、お客様に満足してもらえるような営業活動をしたいと思います。(350字以内)

テニス部の活動をする中で、何を感じたのか、何に取り組んだのか、何を学んだのかがわかりやすく述べられています。周囲を巻き込んで部全体のコミュニケーションを活性化したことが十分アピールされています。

「目標の全日本大学対抗テニス王座決定試合出場は達成できませんでした」とあるように、誇らしい成果を残せなかったとしても構いません。自分らしさを十分に発揮したエピソードを述べることが大切です。

大学で学んだこと

例文

私は学生時代、中国語の勉強に最も注力しました。地元に中国人の友人がいることから中国語に興味を持ちました。中国語について調べた際に、将来中国語を話す人が世界で最も多くなるかもしれないと知り、本格的に学び始めました。

学び始めた当初は、馴染みのないイントネーションに苦労し、大学の授業についていくだけで精一杯でした。

そこで私は、1日2時間の中国語の勉強をしながら、中国人留学生に交渉してレッスンをしてもらうようにしました。勉強を続けた結果、中国語検定2級を取得できました。

私はこの経験から、継続することの重要性を学びました。今後も常に学び続けるよう心掛け、グローバル展開する貴社で活躍したいと考えています。(300字以内)

大学で中国語の勉強に継続的に取り組んだことが魅力的に伝わる例文です。部活動やアルバイトなどの経験がなくても、大学生の本来の目的である学業に懸命に取り組んだ経験があれば、ガクチカでアピールしましょう。

中国語は中国以外にシンガポールとマレーシアでも使われます。英語圏以外の国に拠点を持つ企業も多いので、中国語を習得している人は重宝されます。中国人留学生と積極的にコミュニケーションをとったことも高く評価されるでしょう。

ガクチカを作成する際に押さえるべきポイント

自己分析をしてガクチカを洗い出す

ガクチカが思いつかず悩んでいる人には特に、自己分析をしてガクチカを洗い出すことをおすすめします。

社会のモラルに反することや採用担当者が不快に感じるようなことでなければ、ガクチカのテーマはなんでも構いません。周囲に誇れるような成果が得られなかったとしても問題ありません。

懸命に取り組んで望む成果を得られた経験、試行錯誤したが成果を得られなかった経験、何気なく実施した経験などをすべて洗い出して、アピールできそうなエピソードを見つけましょう。

エピソードを具体的に述べる

他の応募者と差別化したガクチカを作成するためには、エピソードを具体的に述べることが重要です。具体的なエピソードを述べることで、自分らしさをアピールできます。

話をあまりにも誇張したり、嘘の成果を述べたりする必要はありません。誇張や嘘が多いと、深掘りされたときに回答できない恐れがあります。

後述するように、自分がどう考えたのか、学んだことを企業でどう活かすかを具体的に述べることが大切です。派手でなくても、自分らしさを発揮したエピソードを述べましょう。

自分がどう考えたのかを述べる

ガクチカを作成する際には、自分が考えたことを必ず盛り込みましょう。自分がどう考えて物事に取り組んだのか、取り組んだ結果どんなことを学んだのかを述べることが大切です。

実際に働き始めると、行動する前の計画や考えを聞かれる場面が多くあります。行き当たりばったりの行動をすると、たとえ優れた成果が得られても、業務の取り組み方の評価が下がるかもしれません。

ガクチカのテーマを決めたら、自分が何を考えていたのか思い出して整理しましょう。

学んだことを企業でどう活かすかを述べる

あなたが働く姿を採用担当者にイメージしてもらうために、ガクチカで学んだことを企業でどう活かすかを述べてください。

学んだことを企業でどう活かすかを、後述するように、企業が求める人物像に合わせることが大切です。会社にぴったりの人材だとみなされて、評価が上がるでしょう。

学生時代に望み通りの成果を得られなくても、学んだことは貴重な財産です。チームワークの大切さ、コミュニケーションの重要性、身に付けたプロジェクト管理能力などを、企業で活かす方法を述べましょう。

企業が求める人物像に合わせる

ガクチカで述べる内容を、企業が求める人物像に合わせることも重要です。

例えば、営業職に応募するのであれば、傾聴する力や周囲を説得する力などが求められます。

常識にとらわれない柔軟さや臨機応変さを求める企業もある一方で、ルールを守ってコツコツと取り組む姿勢を求める企業もあります。

企業の公式サイト、募集要項、会社説明会などで、志望先が求める人物像を十分に把握してください。企業が求める人物像に合わせてアピールポイントの伝え方を変えながらガクチカを作成しましょう。

専門用語を多用しない

ガクチカで学んだことを書く際は、専門用語の使用に注意しましょう。ゼミや勉強など、自分が専門的に学んだことに関して専門用語を含めて書いてしまうと、相手に内容が伝わりにくくなってしまいます。

また、知らない単語がたくさん含まれていることで読みにくく、ストレスになってしまう可能性もあります。自分が学んだことと志望する企業の関連があり、専門が似ている場合は多少含んでも問題ない場合もありますが、基本的には専門用語の記載は控えるようにしましょう。

ガクチカで学んだことをアピールしよう

ガクチカでは企業が求める人物像に合わせて、自分らしさを発揮したエピソードを述べることが大切です。自分が何を考えて行動したのか、何を学んだのか、学んだことを企業でどう活かすのかを具体的に述べましょう。

ガクチカのテーマ選びに困ったときは、自己分析をして自分の経験を洗い出してください。

ぜひ本記事を参考にして魅力的なガクチカを作成していきましょう。