ガクチカでサークル活動をアピールするには?ポイントを紹介【例文あり】

ESのガクチカでサークル活動をアピールする学生は少なくありません。しかし、中には「大した実績がないからアピールにならないのでは?」「役職についていないため、書けることがない」「部活をしてきた人に比べて不利なのでは?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

この記事では、そんな就活生に向けてガクチカでサークル活動について書く時のポイントや基本の文章構成などを解説。シチュエーションごとに例文も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

企業がガクチカを尋ねる理由

ガクチカはESで頻出の質問事項のひとつです。採用を勝ち取るためには、企業がガクチカを尋ねる理由を把握しておくことが近道となります。

そこでまずは学生の回答から企業が何を判断しようとしているのかを解説します。

問題・課題への向き合い方を知りたい

学生時代に力を入れたことへの回答は、単に過去の経験を伝えるだけでなく、学生の問題・課題への向き合い方や、様々な能力、スキルを総合的に評価する貴重な判断材料となります。表面的な問題だけでなく、潜在的な課題を見抜く洞察力や、問題の本質を見極める分析力は、社会人として活躍するために不可欠です。

また応募者がどのような解決策を考え、それをどのように実行に移したのか、その過程から論理的思考力計画性実行力などを評価することもできます。企業は、これらの情報を参考に、自社に貢献できる人材かどうかを判断します。

仕事への意欲を知りたい

企業は学生時代の経験を通して、応募者が仕事においても意欲的に貢献できる人材かどうかを知りたいと考えています。仕事への意欲が高い学生は、自分が将来どのような仕事をしたいのか、どのように成長したいのかといった明確な目的意識を持っていて、それに繋がる行動を計画的に行うことができます。

また、自ら積極的に行動し、新しいことに挑戦しようとするのも特徴です。力を入れたことの対象は部活動でも授業での研究でも何でも構いません。「熱意を持って仕事に取り組んでくれそうか」「主体的に努力を継続できるかどうか」が企業にとって重要なポイントです。

人柄を知りたい

人は自分が興味や関心を持っていることに時間と労力を費やす傾向があるため、学生時代の経験からその学生がどのような価値観興味・関心を持っているのかを推測できます。

また、学生時代に力を入れたことを通して、学生の行動特性人との関わり方などを推測することもできます。例えば目標達成のために努力を惜しまない学生は、責任感や粘り強さといった性格を持っているといえるでしょう。チームで何かを成し遂げた経験があれば、コミュニケーション能力や協調性があると判断されます。

企業は学生の人柄や行動パターンを知ることで、学生がその仕事に必要な能力やスキルを持っているかどうかを判断し、将来的にどのような人材に成長していくかを予測しようとしているのです。

自社との相性を知りたい

企業は「学生時代に力を入れたこと」から、学生と自社との相性を判断しようとします。ガクチカのエピソードからは上記の通り学生の人柄や価値観、能力、スキル、仕事への適性、成長可能性などを推測できます。

企業はそれらを総合的に評価し、学生が自社の求める人物像に合致しているか、自社で活躍できる人材かどうかを判断しているのです。企業が求める人物像と、学生の強みや価値観、考え方などの面で一致が多いほど双方の相性がいいといえるでしょう。

ガクチカでサークルについて話すメリット

他の就活生と差別化できる

多くの大学生がサークルに所属していますが、所属しているだけの人や参加頻度の低い人なども多いです。その中で、代表や副代表だけでなく会計などの役職を任せられることは大きなアピールポイントになるでしょう。

特に大人数の学生が所属しているサークルでは「人をまとめる力」が必要になり、採用担当者に好印象を与えることができます。

また、サークルで取り組んでいることは自分が熱中できるものであるため、継続して取り組んだ内容や理由を深堀りすることで、より採用担当者に熱意が伝わるでしょう。

組織における役割や行動をアピールできる

サークルは、内容に関わらず組織で活動することが多く、その中で自分がどのように振る舞い、組織に貢献してきたかをアピールすることができます。ガクチカとして書く際には、自分の行動やその理由をできるだけ具体的に書き、採用担当者が場面を想像しやすいように心がけましょう。

入社してからも組織の中で円滑なコミュニケーションをとることは必要不可欠であるため、応募者の人柄を把握するという意図もあります。

面接官がイメージしやすい

サークルは多くの学生が経験するため、状況が理解しやすいというメリットがあります。文章だけでその状況を伝える必要のあるガクチカは、分かりやすさが大きなポイントになります。さらに、採用担当者が学生時代にサークルに所属していた可能性も高く、面接などで話を深掘りされる話題になるかもしれません。

経験したことは具体的にイメージしやすく、伝えたい内容やアピールポイントも伝わりやすいでしょう。

ガクチカを書く時の基本的な構成

結論

まずは学生時代に力を入れたことがサークル活動であることを述べましょう。はじめに結論を書くことで、読み手がその後の展開を理解しやすくなります。

続いて、それに力を入れた理由や動機を説明しましょう。企業はあなたの行動の原動力となっているものや価値観、興味・関心を知りたいと考えているからです。入社後の配属先を決定する際の参考にする企業も少なくありません。

サークルに入った段階では活動内容にあまり関心が無かったとしても、それを継続できた理由があるはずです。自己分析を欠かさずに一貫性のある内容を書きましょう。

課題

次に、サークル活動をする中で直面した課題や設定した目標を述べます。ここでは当時の状況を採用担当者に具体的に伝える必要があるため、文章をしっかり練りましょう。

まずは前提となる当時の状況を説明し、次にその中で生じた問題を記載します。「沢山」など、個人によって解釈の分かれる言葉を使うのは避け、できれば数字などを交えて具体的にしましょう。

取り組み・結果

次に、課題に対して自分が考えて行動したことを書きます。ここでもできるだけ具体的に、自分の行動だけでなく、なぜその行動をとろうと思ったのかの理由まで掘り下げて書きましょう。

ESの文字数が余っているなど余裕のある時は、行動してみたけれどうまくいかなかった挫折経験なども盛り込むと良いです。ただし、なぜ失敗してしまったのか、自分なりの分析も含めましょう。

ここが企業がもっとも知りたいポイントです。問題発見・問題解決の能力や目標設定から達成までのプロセスは、企業に入社してからの人事評価でも重要視されます。

成果・学び

最後に、その結果として得られた具体的な成果を書きます。成果自体は1〜2文に収めるようにします。

その経験から自分が学んだことや成長したこと、それらを仕事にどう活かしていくのか、企業にどう貢献するのかを説明して締めくくります。活動内容の報告に終始せず、企業にとって「この学生に会ってみたい」「採用したい」と思える内容になっていることを確認しましょう。

ガクチカでサークル活動をアピールする時のポイント

行動に焦点を当てる

ガクチカでサークル活動をアピールする時には、自分の行動に焦点を当てましょう。役職や活動内容を羅列するだけでは、単なる自慢話に聞こえてしまい、説得力のないエピソードになってしまいます。

より効果的に自身の強みや経験を通した学び・成長を伝えるために、活動の中で自分がどのような行動をとり、どんな成果を得たのか具体的に説明することが大切です。

第三者の評価を交える

サークル活動での成果を書く上では、第三者の評価を盛り込むことがポイントです。自分自身の経験を語る場合、どうしても主観的な視点が入り込み、客観的な評価が難しい場合があります。単に「精一杯頑張った、努力した」というだけでは企業に評価してもらえません。

例えば「他のメンバーからリーダーシップを評価されてサークルの代表に選ばれた」「イベント参加者からの満足度が高く、第二弾の開催を依頼された」のように第三者の声を交えることで、自身の経験を客観的に裏付け、説得力のあるアピールに繋げることができます。

成果はなるべく数値で具体的に伝える

サークル活動での成果を示す際には、客観的な指標である数値を用いて伝えることがベストです。「SNSを活用した広報活動でフォロワーを100人から300人に増やした」「新入生の加入者を前年から5%増やした」など、具体的な数値の変化を示すことで成果をより説得力をもって伝えられます。

中には成果を数値化することが難しいエピソードもありますが、その場合でも目標の設定から達成までの過程や、活動中に直面した課題と解決策など、第三者目線でも評価できるような具体的な事例を伝えるようにしましょう。

希望する職種や業界での再現性を意識する

多くの学生がサークル活動に参加しているため、サークル活動で得た経験や学びをアピールするだけでは、差別化が難しい場合があります。そこで、希望する職種や業界でどのように活かせるのかを具体的に説明しましょう。自身のスキルや経験が企業のニーズにどのようにマッチしているのかを明確に示すことで、他の応募者との差別化を図ることができます。

サークル活動での経験や学びが必ずしも希望する職種や業界に直接関連しているとは限りませんが、それでも問題解決能力コミュニケーション能力リーダーシップなど、企業が求めるポータブルスキルを評価してもらうことは可能です。

エピソードはひとつに絞る

ガクチカでサークル活動をアピールする際、複数のエピソードを盛り込むと話が複雑になったり長くなりすぎたりします。また、ESの文字数には限りがあるため、エピソードが多すぎると一番伝えたいことが伝わらなくなり、企業の印象に残らない可能性があります。

エピソードは1つもしくは2つに絞り、起承転結を意識してそれぞれを簡潔かつ具体的にまとめるのがおすすめです。また、「一番伝えたいメッセージ=自分の強み」を明確にし、それに沿ったエピソードを選びましょう。

サークルのエピソードは成果や役職がなくてもOK!

「自慢できるような大きな成果がない」「何の役職にもついていない」「頑張っていたけど諸事情があって途中で辞めてしまった」という理由から自分のサークルの話題はガクチカに使えないと思っている学生もいるのではないでしょうか。

しかし、そんなことはありません。企業が注目しているのは、成果の大きさや役職の有無ではないからです。自身の経験に応じてクローズアップすべきポイントをみつけていきましょう。

大きな成果がない

企業は実績の大きさをそれほど重視してはいません。課題解決や目標達成のために自分がどう働きかけ、その結果どんな変化があったのかというプロセスを伝えることが大切です。

サークル活動を通して新たに得た知識や学び考え方の変化があれば、それを伝えることで自分の成長をアピールできます。

仕事の大半はチームで協力して行うものがほとんどですので、チームで活動した経験から協調性コミュニケーション能力を伝えるのも効果的です。

役職についていない

役職につくこと自体に特別性があるわけではなく、企業は集団の中でのあなたの振る舞いや立ち回り方を知りたいと考えています。皆を引っ張るリーダータイプでなくとも、自分なりに努力したことに目を向けましょう。

チーム内での役割はリーダーだけでなく、リーダーの補佐役やメンバー同士の調整役、アイデアマン、ムードメーカーも必要です。集団の中で自分の立場や役割をしっかり理解して行動に移せることは、自己分析ができていることの証です。

実際の仕事においても「社内外の人とうまく連携を取りながら円滑に業務を進めてくれそうだ」と思ってもらうことを意識してください。

途中でサークルを辞めた

サークル活動を途中で辞めてしまっても、1年以上など一定の期間活動した実績があり、自分が活動に貢献したことや活動を通して学んだこと、成長したことなどを具体的に説明できるのであればガクチカでアピールしても問題ありません。

ただし、ほぼ確実に理由を聞かれることになります。そこで「マイナスの印象を持たれるのでは?」と事実を誤魔化したり、理由を隠したりすることはかえって企業の信頼を損ねることに繋がるためNGです。「他にやりたいことができた」「留学に向けて勉強に専念するため」など、限られた時間を有効活用するための選択であったという前向きで企業が納得する理由を伝えましょう。

なお、採用担当者から聞かれない限りはサークルを辞めた事実を自分から話す必要はありません。

【活動内容別】ガクチカでサークル活動をアピールする例文6選

ここからは、文化系と運動系、役職の有無、サークルでの経験内容ごとにガクチカに使える例文6パターンを紹介します。

例文の評価ポイントや改善点、アドバイスも紹介しているので、自身の経験に近いものを参考にしてみてください。

文化系サークル×役職あり

例文

私は大学時代、アニメーション研究会に所属しリーダーを務めました。ある作品制作においてスケジュールが予定より大幅に遅れるアクシデントが起こりました。私は各メンバーの状況を把握するために個別に面談をして進行スケジュールの問題点を掘り下げ、制作工程の見直しと役割分担の再調整を実施し、なんとか全国自主制作アニメーション上映会の応募期限に間に合わせて作品を完成させることができました。これらの経験を通して、リーダーとしてチームをまとめ、目標達成に導くことや、状況に応じて柔軟に対応し、問題解決に取り組むことの重要性を学びました。貴社でも、これらの経験を活かして、新規プロジェクトの立ち上げや社内外とのコミュニケーションなどに貢献したいと考えております。(350字以内)

個別面談による状況把握、制作工程の見直し、役割分担の再調整など、問題解決に向けた具体的な行動を説明しています。

メンバーをまとめ、目標達成に導いたリーダーシップもアピールできているし、企業にどのように貢献していくかも明言できていて、企業に採用してみようと思わせられる内容です。

改善するのであれば、作品完成だけでなく、上映会での評価や他の成果も具体的に示すと、より効果的です。文字数に余裕があれば、スケジュール遅延の原因をより詳しく分析することで、問題解決能力をより明確にアピールできます。

文化系サークル×役職なし

例文

私が大学時代に力を入れて取り組んだのは、演劇サークルでの活動です。役職には就いていませんでしたが、様々な役柄を演じる中で、柔軟な対応力とチームワークの重要性を学びました。ある公演では、本番直前に主要キャストが体調不良で降板するというアクシデントが発生しました。急遽代役を務めることになった私は、限られた時間で役作りと練習に取り組みました。また、急な変更に対するメンバーの不安を払拭するために全体ミーティングの実施を提案し、練習風景を動画で共有することで、チームワークを強化し、公演を成功に導きました。私は、状況に応じて柔軟に対応し、チームメンバーと協力することで、目標達成に貢献できる人材であると自負しています。貴社でもこの経験を活かして、プロジェクトチームの一員として活躍したいと考えております。(350字以内)

具体的なエピソードを通して、柔軟な対応力チームワークをアピールし、企業への貢献意欲を示しているところが評価ポイントです。

文章構成がややわかりにくいので、起承転結を意識し、各パートで伝えたい内容を明確にして全体の流れを整理するとよいでしょう。代役としてどのように役作りをしたのか、チームワーク強化のためにどのようなミーティングを実施したのかを説明するなど、アクシデントへの対応を具体化するとリアリティが向上できます。

運動系サークル×役職あり

例文

私は大学時代、登山サークルで2年間代表を務めました。サークルが所有する山小屋は老朽化が進み、改修が必要な状態でしたが、資金不足という課題がありました。そこで私はメンバーと会議を開いて改修の資金調達目標と具体的な計画を策定し、クラウドファンディングや地域住民への協力依頼など、様々な方法で資金を集めました。木材や工具などの資材は地域住民に提供してもらうことでコストを抑えました。その結果、業者に依頼する場合と比較して約5割の費用で安全で快適な山小屋に改修できました。この経験から、リーダーとしてチームを目標達成に導く力と、状況に応じて柔軟に対応し、問題を解決する力を養うことができました。貴社に入社できた際には持ち前の行動力とリーダーシップを活かし、困難な課題も乗り越えていきたいと考えています。(350字以内)

具体的な活動内容と成果を明示しており、説得力のあるエピソードに仕上がっています。リーダーシップや計画性、問題解決能力など、企業で活かせるスキルもきちんとアピールできているので非常にわかりやすいです。

より良い内容にするためには、利用者の増加やサークル活動の活発化など改修によって得られた成果を説明すると、企業にどう貢献できるかのアピールに繋がります。また、自身の強みや個性的なエピソードを追加すると他の学生と差別化ができてベターです。

運動系サークル×役職なし

例文

大学時代はテニスサークルに所属し、サークルのイメージ刷新とメンバーの募集に努めました。当時のメンバーはテニス経験者の割合が多かったために初心者にはハードルが高いというイメージをもたれ、新入生が集まらない状況でした。私はテニス経験がない人も気軽に参加できるよう、テニスの基本的なルールやラケットの握り方、打ち方などをレクチャーする体験イベントや、コートの半分を使って行うミニゲーム大会の開催を提案しました。SNSも活用し、テニスの練習方法や上達のコツ、実際の練習風景を紹介するショート動画を積極的に発信しました。結果として、多くの新入生にテニスに親しんでもらうことができ、その年の新入生の数を前年の3人から15人に増やすことができました。(350字以内)

特に役職についていなくとも、サークルのイメージ改善に向けて自分にできることとして未経験者向けのイベント開催や、テニスに親しんでもらうための情報発信に取り組んだ事例です。

新入生が集まらない原因を分析し、具体的な対策を考えて行動に移しているところから、自主性や問題解決能力、行動力などもアピールできています。文字数に余裕があれば、その経験を仕事にどう活かすのかという採用のメリットも伝えられるとよいでしょう。

サークル設立

例文

大学時代、私は大学に芸術系のサークルが少ないことに気づき、自ら設立に挑みました。 私は子供のころから映画が好きだったため、同じ趣味を持つ仲間と集まり、映画研究サークルの設立を決意しました。まず、大学の許可を得るために活動内容や目的をまとめ、学生課に書類を提出しました。同時に、チラシやSNSでサークル設立を告知し、メンバー募集を行いました。当初はメンバーが少なく、活動内容も限られていましたが、積極的に映画鑑賞会やセル画体験会、映画制作ワークショップを開催し、メンバー同士の交流を深めました。設立から1年後、サークルメンバーは当初の3人から20人にまで増えました。大学内でも認知されるようになり、学内広報誌で今注目のサークルとして取り上げてもらうことができました。(350字以内)

このエピソードからはゼロからサークルを作り上げてメンバーを増やす行動力が伝わりますし、設立から1年でメンバーを20人にまで増やしたという具体的な成果が示されている点が評価できます。

改善点として、単に「子供の頃から好きだった」という理由からさらに一歩踏み込み、「映画サークルを通して何を実現したかったのか」という動機を説明すると、モチベーションの源泉が明確になり、あなたの人間性をより深く理解してもらえるでしょう。

イベントの企画・運営

例文

大学時代は写真サークルに所属し、地域住民との交流を深める写真展の企画・運営に力を入れていました。当時は学内での活動に留まっていたため、地域に貢献できる活動として「街の魅力を再発見する」ことをテーマに写真展の開催を発案しました。
まず、メンバーと協力して市内各地を巡り、様々な角度から街の風景を撮影しました。それらを大学内の掲示板や地域情報誌などにチラシを掲載し、SNSで情報発信も行いました。また、地域イベントへの参加や地元メディアへの取材依頼など、積極的な広報活動を行いました。写真展当日は、作品解説や写真撮影体験コーナーを設け、来場者との交流を深めました。
その結果、学生約50名、地域住民約100名と多くの方々が来場し好評を博し、地域活性化への貢献が認められ、地元新聞にも掲載されました。(350字以内)

大学のサークルは自分達の趣味の範囲での活動に留まるケースが多い中、活動の幅を広げて地域貢献に意義を見出している点から、他者の役に立ちたいという利他精神や、周囲を巻き込む力がアピールできています。

来場者数の明示や地元新聞への掲載など、具体的な成果も盛り込まれているところも高評価です。活動報告で終わらずに、そこで培った学びや経験を仕事でどう再現していくかもアピールしましょう。

ガクチカに使えないサークル活動のエピソード

場合によってはガクチカとしては使えないサークル活動のエピソードもあります。自身の経験から企業への貢献度をアピールできるかどうか、企業が求める人物像に合致しているかどうかを確認しておきましょう。

社風と合わない

サークル活動で学んだことや経験が、必ずしも企業の社風と合致するとは限りません。例えば、サークル活動でリーダー経験などがない場合、企業が求めるリーダーシップやマネジメント能力などをアピールできない可能性があります。企業が協調性を重視する一方、サークル活動が個人プレー中心である場合、協調性のアピールは難しいかもしれません。

しかし、社風と経験の内容が直接一致しなくても、共通点を見つけてアピールすることができます。例えば、社風が「挑戦」を重視する企業であれば、サークル活動で新しい企画に挑戦した経験を、社風が「協調性」を重視する企業であれば、サークル活動でチームワークを発揮した経験をアピールできます。

自分なりに努力したと言えることがない

自分なりに考えて課題解決や目標達成のために努力したといえる経験がないのであれば、企業へのアピールにつなげることはできません。

企業は、サークル活動を通してあなたが何を学び、どのように成長したのか、あなたの持つスキルや能力をどう自社で活用できるのかを知りたいと考えています。もしそれに該当するようなエピソードが探せない場合は、他の題材を検討した方がよいかもしれません。

ただし、周囲からは気づかれないような地味な努力や、結果は伴わなくても目標達成に向けて努力したプロセスをアピールすることは可能です。アピールできることがすぐに思い浮かばない時には、一度視点を変えて考えてみるのがおすすめです。

ガクチカでサークルについて書くときは自身の行動や学びをアピール!

ガクチカでサークル活動について書く時には、活動の中で直面した課題や自分が設定した目標、それに対する自分の行動結果・成果活動を通して得た学び成長仕事への再現性を意識することがポイントです。

成果はなるべく具体的な数値で示し、第三者の評価を盛り込むと効果的です。役職についていなかったり、派手な実績がなかったりしても問題ありません。自分なりに考えて行動したこと、努力したことを探し、自分なりの成長や学びをアピールしましょう!

ガクチカで学んだことを効果的にアピールする書き方を解説【例文あり】

「ガクチカ」こと、学生時代に力を入れたことは、就活では必ずといっていいほど尋ねられる項目です。ガクチカによって学んだことを適切に述べることで、自分の魅力をアピールできます。

企業がガクチカで知りたいこと、求める人物像を十分に把握し、文章に盛り込むことが大切です。他の志望者と差別化するために、自分らしさを発揮したエピソードを具体的に述べることも必要です。

本記事では、ガクチカの例文とともに、ガクチカの作り方、企業がガクチカで知りたいこと、押さえるべきポイントを解説します。

「ガクチカ」とは

「ガクチカ」とは、「学生時代に力を入れたこと」を指します。ガクチカはエントリーシートや面接で必ずといっていいほど尋ねられる定番の質問です。

後述するように、企業はガクチカで志望者の能力価値観課題に取り組む姿勢を知りたいと考えています。企業の質問の意図を汲み取ってガクチカを作成することが大切です。

ガクチカのテーマは、サークル活動、留学、アルバイトなど、なんでも構いません。自分の魅力を十分に発揮できたエピソードを述べましょう。

ガクチカと自己PRの違い

学生時代に力を入れたことを、ガクチカだけでなく自己PRでも述べなければならないケースが多くあります。ガクチカと自己PRの違いがわからず困っている人も多いでしょう。

ガクチカと自己PRの違いに明確な定義はありませんが、企業はガクチカで志望者の能力、価値観、課題に取り組む姿勢を知ろうとします。一方で、自己PRでは志望者が積極的にアピールしたい長所強みを知りたいと考えています。

ガクチカと自己PRをどちらも述べなければならないときは、エピソードが重複しないように気を付けてください。また、可能な限り異なるアピールポイントを盛り込みましょう。

企業がガクチカで知りたいこと

志望者の能力やスキル

企業はガクチカで、志望者の能力スキルを知りたいと考えています。ただし、ガクチカで問われる能力やスキルでは、経験によって得られた「学び」が重要視されます。

周囲の仲間と課題に取り組んだことで協調性を学んだエピソードがあれば、チームワークを重んじる企業に高く評価されるでしょう。スケジュールを適切に管理して目標を達成した経験で計画性を学んだのであれば、プロジェクト管理能力をアピールできます。

自分自身がこれまでどんな経験をして、どんな学びを得たのか洗い出してみましょう。

課題に取り組む姿勢

自ら進んで課題に着手したエピソードであれば、自発性積極性をアピールできます。周囲の人を巻き込んで課題に取り組んだエピソードであれば、コミュニケーション能力リーダーシップ協調性などを魅力的に伝えられるでしょう。

実際に働き始めると、日々多くの課題に取り組まなければなりません。問題の解決策に正解があるとは限りません。課題を与えられるだけでなく、自ら発見する力も求められます。

課題に取り組む姿勢を十分にアピールすれば、あなたが企業で実際に働く姿を採用担当者にイメージしてもらえるでしょう。

志望者の考えや価値観

志望者が力を入れたことから、志望者の考え価値観が読み取れます。

いくら優秀な志望者がいても、その志望者を企業が採用するとは限りません。優秀な人材が不採用となる理由のひとつが、志望者と企業の価値観のミスマッチです。ミスマッチがあると入社後すぐに辞めてしまうリスクが高いため、担当者はミスマッチの人材の採用を見送ろうとするでしょう。

企業の公式サイト、募集要項、会社説明会などで企業の価値観を確認し、自分の価値観と照らし合わせて応募することが大切です。

学んだことを伝えるガクチカの構成

  1. 取り組んだことの概要
  2. 目標や問題
  3. 目標達成や問題解決のために実施したこと
  4. 実施した結果
  5. 学んだこと
  6. 学んだことの企業での活かし方

①取り組んだことの概要

冒頭で取り組んだことの概要を簡潔に述べます。結論を最初に述べることで、話の道筋が明確になり、聞き手が話に集中しやすくなります。上司への報告、顧客との商談、企画のプレゼンテーションなどで実際に多く使われる手法です。

後述するように、どんなテーマを選べばいいか迷っている人は、自己分析をしてガクチカを洗い出してください。優れた成果を残した経験がなくとも構いません。自分らしさを発揮したエピソードを見つけましょう。

②目標や問題

ガクチカでは、目標や問題を明確に述べることが重要です。

目標や問題が不明瞭だと、あなたが取り組んだことや、取り組みの動機が採用担当者に十分に伝わりません。可能な限り具体的に、設定した目標や解決したい問題を説明しましょう。

ビジネスシーンでは、目標や問題が人から与えられるとは限りません。自分で目標を設定したり、何が問題なのか見つけたりすることが求められます。実際に働き始めると、目標や問題を説明する機会は多くあるので、今のうちに慣れておきましょう。

③目標達成や問題解決のために実施したこと

目標達成や問題解決のために何を実施したのかを述べます。

斬新なアイデアを実現した場合は、柔軟な発想力をアピールできるでしょう。一方で、一見地味な取り組みであった場合でも、コツコツと誠実に取り組む姿勢をアピールできます。自分の個性が如実に現れるので、十分に説明しましょう。

また、同じエピソードでも着眼点や伝え方によってアピールポイントが変えられます。応募先が求める人物像に合わせて、アピールポイントを使い分けてください。

④実施した結果

実施した結果を簡潔に述べます。

ガクチカでは、実施した結果自体はあまり重視されません。どのような想いや考えで物事に取り組んだのか、取り組んだ結果どのようなことを学んだのかが大切です。

望んでいた成果が得られなかったエピソードでも問題ありません。失敗した経験から何を学んだのかを述べましょう。前向きに努力する姿勢をアピールできます。

一方で、素晴らしい成果が得られた場合、ガクチカが自慢話にならないよう気を付けましょう。

⑤学んだこと

物事に取り組んだ結果、どんなことを学んだのかを述べます。

前述したように、単純なテストの点数や取得した資格ではなく、経験で得られた学びを述べてください。チームワークの重要性やコミュニケーションの大切さなどを学んだこととしてアピールしましょう。

学んだことも着眼点によって見せ方を変えられます。例えば、周囲と協力して期限内に目標を達成したエピソードであれば、チームワークの重要性やプロジェクト管理の必要性などを学んだこととしてアピールできます。企業が求める人物像に合わせて変えることが大切です。

⑥学んだことの企業での活かし方

学んだことを応募先の企業でどのように活かすのかを述べます。

経験で得た学びの活かし方を述べることで、実際に働く姿を採用担当者にイメージしてもらえるでしょう。入社後の活躍を期待してもらえるように、十分にアピールすることが大切です。

前述した項目と同様に、企業が求める人物像に合わせてアピールします。企業ごとに求めている人材は異なります。応募先の公式サイトや募集要項を見て、求める人物像を十分に把握しましょう。

ガクチカで学んだことの例

チームワーク

ガクチカで学んだことの例のひとつに、チームワークが挙げられます。サークル活動やアルバイトなどで周囲の人を巻き込んで課題に取り組んだエピソードがあれば、チームワークをアピールできます。

実際の業務では、自分ひとりで取り組める仕事はほとんどないでしょう。大きな目標を達成するためには、多かれ少なかれ誰かと協力しながら業務を進めなければなりません。

チームワークの大切さを学んだ経験がないか考えてみましょう。

コミュニケーション

コミュニケーション能力は、ガクチカでアピールするテーマの定番です。

企業で求められるコミュニケーション能力は、ただ友達を作ったり会話を盛り上げたりすることではありません。相手の意見を十分に傾聴して理解する力論理的に考えて相手を説得する力などがコミュニケーション能力として求められます。

コミュニケーション能力をガクチカでアピールしようと考える志望者は多くいます。他の志望者と差別化するために、自分が経験した具体的なエピソードを述べることが大切です。

問題解決

学生時代に問題を解決に導いた経験があれば、エピソードとして用いることをおすすめします。

周囲を巻き込んで問題を解決したエピソードであれば、前述したチームワークやコミュニケーションなどをアピールできます。問題の要因を分析して原因を突き詰めたエピソードであれば、自発性や論理的思考などを問題解決力として伝えることも可能です。

ただ問題解決をした結果を述べるだけではなりません。問題解決に至るまでに、どのように考えたのか、どのような姿勢で行動したのかを述べることが大切です。

自己管理

自己管理を徹底して目標を達成した経験があれば、ガクチカに利用できます。

働き方改革により、長時間働くことよりも、限られた時間で効率的に成果を出すことが求められます。また、テレワークが普及した現在、プライベート空間で仕事に取り組むためには、集中力やモチベーションを維持する力が必要不可欠です。

モチベーションを維持して毎日決まった時間に勉強した経験や、飽きないよう工夫しながら効率的に課題に取り組んだ経験などがあれば、自己管理能力をアピールしましょう。

プロジェクト管理

プロジェクト管理を実施して課題に取り組んだ経験も、ガクチカでアピールできます。

大規模なプロジェクトほど、スケジュール管理やタスク管理が重要です。プロジェクト管理を怠ると、ごく一部の仕事の遅れが原因でプロジェクト全体が遅れ、顧客の信頼を失うかもしれません。

スケジュール調整をして締め切りまでに課題に取り組んだエピソードがあれば、プロジェクト管理能力をアピールできます。ひとりひとりの課題を明確にして目標を達成した経験があれば、プロジェクト管理の重要性を学んだエピソードとして利用できます。

チャレンジ精神

困難な目標に挑戦した経験があれば、チャレンジ精神をアピールできます。

目まぐるしく変化するビジネスシーンでは、新たな分野に果敢にチャレンジする姿勢が大切です。新しいことでなくとも、苦手な分野を克服しようとする姿勢は高く評価されます。チャレンジを繰り返すことは自分自身の成長につながります。

新しいことや苦手なことに挑戦したことでチャレンジ精神の大切さを学んだ経験があれば、チャレンジ精神をテーマとしたガクチカの文章を作ってみましょう。

学んだことをアピールするガクチカの例文

アルバイトで学んだこと

例文

私は学生時代に飲食店でのアルバイトに力を入れました。

アルバイトで働き始めた当初は、マニュアルがなく、誰もが仕事を見て覚えなければなりませんでした。仕事を覚えられずすぐに辞めてしまう人も多かったため、私はマニュアルの作成を社員に提案しました。

日頃から忙しい社員の方々は難色を示しましたが、のちのち教育が楽になることを粘り強く伝え、マニュアルを作成していただくことを了承してもらいました。私の意見も取り入れていただきながら完成したマニュアルによって、アルバイトで働く人が多く定着するようになりました。

この経験から、課題を解決するために積極的に提案することの大切さを学びました。貴社でもお客様に喜んでもらえるような提案を心掛けて働きます。(350字以内)

アルバイト中に問題点を見つけ、積極的な提案によって解決したエピソードをもとにした例文です。提案力以外に、周囲に積極的に働きかけるコミュニケーション能力や交渉力も魅力的に伝わります。

営業職や企画職といった文系総合職だけでなく、開発職や研究職といった理系総合職でも提案力は重要です。どんな企業や職種でも好印象に映るでしょう。

例文のように、学んだことを企業でどう活かすのかを必ず述べてください。実際に働く姿を採用担当者にアピールできます。

部活動で学んだこと

例文

私が大学で最も力を注いだことはテニス部の活動です。テニス部の活動でコミュニケーションの大切さを学びました。

私が入部した当初は、先輩は先輩同士、後輩は後輩同士というように学年ごとに集まることが多くありました。練習に支障はありませんでしたが、部全体が成長することは難しいと感じました。

そこで私は、先輩と後輩が集まって練習する時間を設けることを提案しました。さらに学年を超えて積極的に話しかけるよう心掛けたことで、部内の交流が盛んになり、互いにアドバイスし合うことが増えました。

目標の全日本大学対抗テニス王座決定試合出場は達成できませんでしたが、部全体の成長を実感しています。

テニス部で学んだコミュニケーションの大切さを活かし、お客様に満足してもらえるような営業活動をしたいと思います。(350字以内)

テニス部の活動をする中で、何を感じたのか、何に取り組んだのか、何を学んだのかがわかりやすく述べられています。周囲を巻き込んで部全体のコミュニケーションを活性化したことが十分アピールされています。

「目標の全日本大学対抗テニス王座決定試合出場は達成できませんでした」とあるように、誇らしい成果を残せなかったとしても構いません。自分らしさを十分に発揮したエピソードを述べることが大切です。

大学で学んだこと

例文

私は学生時代、中国語の勉強に最も注力しました。地元に中国人の友人がいることから中国語に興味を持ちました。中国語について調べた際に、将来中国語を話す人が世界で最も多くなるかもしれないと知り、本格的に学び始めました。

学び始めた当初は、馴染みのないイントネーションに苦労し、大学の授業についていくだけで精一杯でした。

そこで私は、1日2時間の中国語の勉強をしながら、中国人留学生に交渉してレッスンをしてもらうようにしました。勉強を続けた結果、中国語検定2級を取得できました。

私はこの経験から、継続することの重要性を学びました。今後も常に学び続けるよう心掛け、グローバル展開する貴社で活躍したいと考えています。(300字以内)

大学で中国語の勉強に継続的に取り組んだことが魅力的に伝わる例文です。部活動やアルバイトなどの経験がなくても、大学生の本来の目的である学業に懸命に取り組んだ経験があれば、ガクチカでアピールしましょう。

中国語は中国以外にシンガポールとマレーシアでも使われます。英語圏以外の国に拠点を持つ企業も多いので、中国語を習得している人は重宝されます。中国人留学生と積極的にコミュニケーションをとったことも高く評価されるでしょう。

ガクチカを作成する際に押さえるべきポイント

自己分析をしてガクチカを洗い出す

ガクチカが思いつかず悩んでいる人には特に、自己分析をしてガクチカを洗い出すことをおすすめします。

社会のモラルに反することや採用担当者が不快に感じるようなことでなければ、ガクチカのテーマはなんでも構いません。周囲に誇れるような成果が得られなかったとしても問題ありません。

懸命に取り組んで望む成果を得られた経験、試行錯誤したが成果を得られなかった経験、何気なく実施した経験などをすべて洗い出して、アピールできそうなエピソードを見つけましょう。

エピソードを具体的に述べる

他の応募者と差別化したガクチカを作成するためには、エピソードを具体的に述べることが重要です。具体的なエピソードを述べることで、自分らしさをアピールできます。

話をあまりにも誇張したり、嘘の成果を述べたりする必要はありません。誇張や嘘が多いと、深掘りされたときに回答できない恐れがあります。

後述するように、自分がどう考えたのか、学んだことを企業でどう活かすかを具体的に述べることが大切です。派手でなくても、自分らしさを発揮したエピソードを述べましょう。

自分がどう考えたのかを述べる

ガクチカを作成する際には、自分が考えたことを必ず盛り込みましょう。自分がどう考えて物事に取り組んだのか、取り組んだ結果どんなことを学んだのかを述べることが大切です。

実際に働き始めると、行動する前の計画や考えを聞かれる場面が多くあります。行き当たりばったりの行動をすると、たとえ優れた成果が得られても、業務の取り組み方の評価が下がるかもしれません。

ガクチカのテーマを決めたら、自分が何を考えていたのか思い出して整理しましょう。

学んだことを企業でどう活かすかを述べる

あなたが働く姿を採用担当者にイメージしてもらうために、ガクチカで学んだことを企業でどう活かすかを述べてください。

学んだことを企業でどう活かすかを、後述するように、企業が求める人物像に合わせることが大切です。会社にぴったりの人材だとみなされて、評価が上がるでしょう。

学生時代に望み通りの成果を得られなくても、学んだことは貴重な財産です。チームワークの大切さ、コミュニケーションの重要性、身に付けたプロジェクト管理能力などを、企業で活かす方法を述べましょう。

企業が求める人物像に合わせる

ガクチカで述べる内容を、企業が求める人物像に合わせることも重要です。

例えば、営業職に応募するのであれば、傾聴する力や周囲を説得する力などが求められます。

常識にとらわれない柔軟さや臨機応変さを求める企業もある一方で、ルールを守ってコツコツと取り組む姿勢を求める企業もあります。

企業の公式サイト、募集要項、会社説明会などで、志望先が求める人物像を十分に把握してください。企業が求める人物像に合わせてアピールポイントの伝え方を変えながらガクチカを作成しましょう。

専門用語を多用しない

ガクチカで学んだことを書く際は、専門用語の使用に注意しましょう。ゼミや勉強など、自分が専門的に学んだことに関して専門用語を含めて書いてしまうと、相手に内容が伝わりにくくなってしまいます。

また、知らない単語がたくさん含まれていることで読みにくく、ストレスになってしまう可能性もあります。自分が学んだことと志望する企業の関連があり、専門が似ている場合は多少含んでも問題ない場合もありますが、基本的には専門用語の記載は控えるようにしましょう。

ガクチカで学んだことをアピールしよう

ガクチカでは企業が求める人物像に合わせて、自分らしさを発揮したエピソードを述べることが大切です。自分が何を考えて行動したのか、何を学んだのか、学んだことを企業でどう活かすのかを具体的に述べましょう。

ガクチカのテーマ選びに困ったときは、自己分析をして自分の経験を洗い出してください。

ぜひ本記事を参考にして魅力的なガクチカを作成していきましょう。

アルバイト経験を自己PRで魅力的に伝える書き方と注意点【例文あり】

アルバイト経験は自己PRに効果的なエピソードです。ただし、強みが明確にアピールできる経験を選択する必要があります。例えば、成果を出した経験や長期的に取り組んでいるアルバイトなど、アピールにふさわしい題材を選ぶのが大切です。

自己PRでは、行った取り組みよりも得た学び今後にどう活かすかが重要視されます。アルバイト経験で得たことを中心に自分の強みをアピールしていきましょう。

本記事では、自己PRで効果的にアルバイト経験をアピールする書き方とコツを解説しています。例文を参考に担当者の目を惹くガクチカを作っていきましょう。

自己PRにアルバイト経験が効果的な理由

そもそも自己PRにアルバイト経験を題材にしてもいいのだろうかと、疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。実は、就活の自己PRに有効なエピソードです。

企業は自己PRを通して学生の人柄や仕事に対する熱意、入社後の可能性といった部分を重視する傾向にあります。アルバイトに関するエピソードが自己PRに効果的である理由を理解しておきましょう。

仕事への向き合い方・考え方が伝わりやすいから

アルバイト経験を自己PRの題材として選ぶことで、仕事への向き合い方や考え方を明確に伝えることができます。例えば、アルバイトを通じて学んだ責任感やチームワーク、お客様や上司とのコミュニケーション能力などは面接官に高評価を得られるポイントです。仕事に対する向き合い方や考え方は、個人の業務の質や効率性に直結します。

また、組織の成功においても非常に重要となります。仕事に対する真摯な態度やプロフェッショナルな姿勢は、長期的な関係性を築いていくために必要不可欠な要素です。

入社後の働き方をイメージしてもらいやすいから

アルバイトは実際に仕事をした経験であるため、ゼミや部活など大学内でのエピソードよりも、入社後の働き方がイメージしやすいです。例えば、アルバイトリーダーの経験がある場合は、チームを統率する力やリーダーシップがあるというアピールができます。売上を上げるために新しいメニューや施策を提案した場合は、問題解決のために行動できる人物であるというアピールになります。

アルバイトを通じて得た業務上のスキルや経験は、入社後も生かされる可能性が大いにあります。したがって、面接官は就活生の入社後の働き方をよりリアルにイメージすることができます。

自己PRの題材に最適なアルバイトは?

自己PRにアルバイト経験は有効ではありますが、アルバイトならなんでもいいというわけではありません。あくまでも就活の場であるため、面接官に高く評価してもらうことが重要です。

そのため、自己PRの題材にふさわしいアルバイト経験を選択することが他の就活生と差を付けるポイントとなります。

成果を挙げたことがあるもの

アルバイトのなかでも成果を挙げたことがあるエピソードは、自己PRに適した題材です。例えば、店舗スタッフの中で売上1位となったことや、バイトリーダーに昇格したことなどが挙げられます。他にも、お客様から感謝の言葉を頂いたというエピソードも効果的です。

自分が接客や対応したお客様から、直接感謝の言葉あるいは手紙を貰ったことはありませんか?面接官は、成果の規模を評価するわけではありません。成果が現れるまでのプロセスを重視しています。これまで経験したアルバイトの中で、成果を挙げたエピソードがあるものを選びましょう。

長期的に継続していたもの

高校生のときから続けていた、あるいは大学生の間ずっと同じアルバイトをしていたという方は多いのではないでしょうか。このように長期的に継続している場合は、自己PRに最適です。

長期的に所属しているアルバイトスタッフは、他のアルバイトスタッフとは違い、より専門的で知識が必要な業務を任されることが多いです。業界や職種における専門性やリーダーシップ能力がある人材であるというアピールをすることが可能です。

また、仕事を長く続けられるという部分も企業側にとっては魅力的な要素となります。同じ職場や業種で一定期間働いた経験があるということは、責任感があり信頼できる人物であるという印象を与えることができます。

企業の特性と合致しているもの

より入社後の働き方や活躍をイメージしてもらうために、できるだけ企業の特性と合致しているアルバイトを選びましょう。例えば、サービス業界を志望する場合は接客・サービスのアルバイトが、営業職を志望する場合はテレアポやテレマーケティングといったアルバイトが効果的です。

具体的に取り組んだ業務や経験が、今後の目標や方向性と一致していることを示しやすくなります。また、アルバイト経験を通じて得たスキルや成果を挙げることで、自己PRの信頼性を高めることができます。

自己PRでアルバイト経験を上手く伝えるポイント

自己PRの題材とするアルバイトが決まったら、どのような内容にまとめるかを決めていきます。アピールする内容がまとまっていないと、一体何を伝えたい自己PRなのかがわからなくなってしまいます。

上手く伝えるためには、自己PRで企業側が何を知りたいのかを理解することが重要です。企業側が求める内容を意識しながら、自己PRの文章をまとめていきましょう。

アルバイト経験を通して得た学びをアピールする

ただアルバイトの経験があるという自己PRにするのではなく、そこから何を学んだのかをアピールすることが大事なポイントです。企業が知りたいことは、アルバイト経験があるということではなく、その経験によってどのような学びを得たのかということです。

例えば、飲食店でのアルバイト経験があるとします。この場合、飲食店でのアルバイト経験があることをアピールするのではなく、アルバイトを経て身についたコミュニケーション能力や判断力、臨機応変に対応する力が自己PRに適したアピール内容となります。経験したアルバイトについて説明するのではなく、その経験を通して得た学びをアピールしましょう。

アルバイト経験がどのような場面に活かせるのか伝える

アルバイト経験を経て身につけた学びを入社後、どのような場面に活かせるのかを伝えることも大切です。自己PRとして、過去の経験から得た自分の強みやスキルをアピールすることも効果的です。

ただし、他の就活生と差を付けるためには、入社後にその強みがどのような場であるいは業務で発揮できるのかを伝えられるかが鍵となります。

注意点としては、企業の求める人物像に無理矢理合わせないことです。志望企業の特徴をリサーチし、自分の強みがどのような場面で活かせるのかを分析しましょう。

自己PRで重視したい文章構成・書き方

できるだけ読みやすく、わかりやすく書くということも面接官に高く評価される自己PRの特徴です。人事の方は1日に多くの書類に目を通します。そのため、書き方を工夫して目に留まる自己PRを作成する必要があります。

書類選考では内容だけでなく、文章構成書き方にも注目されているため、読みやすさやわかりやすさを意識して作成しましょう。

最初に結論を簡潔に書く

自己PRを作成する際は、文の冒頭に結論を置くこと尚且つ簡潔に書きましょう。「PREP法」と言い、「結論」を先に述べて「理由」「具体例」と続きそして「結論」で締め括る手法です。ビジネスシーンなどでよく用いられており、文章や会話の説得力を高める効果があります。ダラダラと長い文章はとても読みづらく、せっかくアピールしたいことが伝わりにくいです。就活の自己PRにおいては、アピールしたい部分を強調することが重要であるため、結論を先に述べるという書き方を覚えておきましょう。

具体的なエピソードで強みをアピールする

自分の強みを裏付けるためには、具体的なエピソードが必要です。面接官は具体的なエピソードから入社後の活躍、今後の可能性を見出しやすくなります。ただし、先に述べた結論とエピソードの関連性が重要です。アピールしたい内容とエピソードの内容の辻褄が合う文章であるかを確認しましょう。実体験のエピソードを交えることで、自分の強みが増します。自分の強みがよりアピールできるような体験や機会はあったか思い出してみましょう。

数字を用いて成果を伝える

やり遂げたことや継続して行ったことなど、成果に関する内容を伝える際は数字を用いるとより効果的です。アルバイト経験でどの程度すごいことを成し遂げたのかがはっきりと伝わりやすくなります。

例えば、「長年飲食店でのアルバイト経験がある」と述べるより、「3年間飲食店でアルバイトをしていた」という風に具体的な数字がある方が、どれだけ頑張ってきたのかがイメージしやすいです。

また、その成果を出すためにどのような行動を取り、どのような工夫をしたのかを述べることで、仕事に対する考え方や性格などが伝わります。

入社後の活かし方で文章を締める

最後は、冒頭と同じ「結論」で締め括ります。大事なポイントは、その経験をどのように活かしていくのかという内容に繋げることです。冒頭にアピールしたい内容を、続けて強みが活かされた具体的なエピソードを書きます。最後にどのようなことを心がけていきたいのか、どのように仕事に取り組みたいのかという文章で締める構成を意識しましょう。

このような構成にすることで、まとまりのある文章になり、人事の方の目に留まる自己PRが完成します。

業種別|アルバイト経験を伝える自己PRの例文5選

①飲食店

例文

私の強みは、相手の表情や行動から気持ちを察する能力があることです。大学当初から3年間続けてきた飲食店でのアルバイトでは、常に先を見据えたサービスを提供することを心がけていました。具体的には、ベビーカーや車椅子で来店されたお客様を移動しやすい通路へ案内したり、メニューとお酒の特徴やおすすめの組み合わせを提案するなどを積極的に行い、満足度の高いサービスを提供してきました。
このような経験から、当たり前のサービスだけでは他店との差別化を図ることは難しいということ、そして相手の表情や行動をしっかり捉えながら、先を見据えた接客サービスをすることが顧客満足度向上につながるのだと学びました。この経験で得た力は、社内外問わずあらゆる人と信頼関係を築いていく上で、活かすことができると考えています。(350字以内)

飲食店でのアルバイト経験を題材とした例文です。飲食店では、コミュニケーション能力を求められる場面が多くあります。コミュニケーション能力は学生に選ばれやすいテーマではありますが、伝え方次第ではありきたりな自己PRになってしまいます。そのため、コミュニケーション能力を具体的にすることがポイントです。言いたいことを伝える力だけでなく、聞く力読み解く力などあらゆるスキルがアピール材料となります。

②アパレルショップ

例文

私の強みは、アパレルショップでのアルバイト経験を通して身につけた、柔軟性とポジティブな考え方です。具体的には、商品のディスプレイや陳列方法の変更が必要となった際には、即座に対応し、新しいアイデアや視点を取り入れました。例えば、季節ごとのトレンドに合わせて商品の位置を変えたり、新商品を目立たせるようなディスプレイを工夫しました。また、お客様から問い合わせや質問を受けた商品が売り切れていた際に、代替え案を提案したり、次回の入荷予定を伝えるというようにお客様の期待に応える努力をしました。このような経験から、新しい状況や課題に対して、臨機応変に対応し困難をチャンスに変えることで、顧客満足度を高めるだけでなくチーム全体のモチベーション向上にも貢献できるのだと実感できました。今後も、ポジティブな姿勢と柔軟性を活かし、成長と貢献を重ねていきたいと考えています。(400字以内)

アパレルショップでのアルバイト経験を題材とした例文です。アパレルショップも接客業であるため、コミュニケーション能力が発揮できる仕事です。しかし、短時間に売上を出すことを求められ、商品の入れ替えも多く、意外と体力が必要なアルバイトです。そのため、柔軟性や忙しくてもポジティブに捉えられる能力が身につきます。

ポジティブな姿勢柔軟性は、社会に出て働いていく上で非常に大切なスキルです。

③コンビニ

例文

私の強みは、コンビニでのアルバイト経験で身につけた臨機応変に対応する力です。夜間や早朝のシフトでの勤務中に、急な商品の配送やトラブルの対応が必要となることがありました。このとき、私はチーム全体で情報を共有し、迅速に棚から商品を取り出してレジや陳列棚に補充し、複数のレジを活用して待ち時間を分散させるといった効率的な対応を行いました。アルバイトを始めたころは先輩の指示に従うことで精一杯でしたが、2年間継続してきたことにより、次第に臨機応変に対応する能力が鍛えられました。さらに、困難な状況や予期せぬ出来事にも、柔軟に対処しチームとして問題を解決することで、お客様に安心感と信頼を提供することができました。今後も、変化する環境に適応し、ポジティブな姿勢で業務に取り組んでいきます。(350字以内)

コンビニでのアルバイト経験を題材とした例文です。コンビニでは、接客だけでなくレジや配送、陳列など非常に幅広い業務を行います。また、顧客の年齢層も幅広く、臨機応変に対応する力が鍛えられるアルバイトです。あらゆる場面で対応力を求められたことがある方は、多いのではないでしょうか。コンビニで鍛えられたスキルは、サービス業営業職流通業界など様々な業種・業界で活かすことができます。

④塾講師

例文

私の長所は、塾講師のアルバイト経験で発揮した問題解決能力です。ある生徒が、数学の理解できない課題に直面していた際に、様々な方法でアプローチしました。一つは、図や実例を使ったわかりやすい説明、もう一つは生徒の興味や学び方に合わせたアプローチです。また、生徒が特定のトピックに対して苦手意識を持っている時は、その原因を探り、生徒に合った学習プランを提案し、自信を持てるようにサポートしました。その結果、数学の楽しさを実感してもらうことができ、最終的には10名中7名の志望校合格者を輩出することが叶いました。これらの経験を通じて、問題解決能力や個別対応力が飛躍的に向上しました。今後も、複雑な課題に直面した際には、冷静且つ効果的なアプローチを取り、成果を最大限に引き出すことに尽力してまいります。(350字以内)

塾講師のアルバイト経験を題材とした例文です。塾講師のアルバイトは、受験生を合格へ導くこと、結果が求められる仕事です。そのため、生徒のために力を尽くしたという方が多いでしょう。志望企業が教育関連である場合は、特に効果的な自己PRとなります。先述したように、数字を用いた成果を書くことでより説得力が増します。自分が取り組んだことによって、どのような結果を出すことができたのか具体例を挙げてみましょう。

⑤スーパー

例文

私の強みは、スーパーでのアルバイト経験で身につけた状況把握力です。忙しい売り場やレジ業務において、常に周囲の状況を把握し、適切な対応が求められていました。例えば、店内が混雑する時間帯や特定の商品が売り切れている場合、すぐに補充しお客様を待たせることなくスムーズな買い物体験を提供する必要がありました。そこで私は、商品配置や価格などを全て覚え、常に売り場を見渡しながら業務に取り組むようにしました。その結果、商品がどこに置いてあるのかわからなくて困っているお客様のお買い物を手助けすることができるようになりました。お客様からも「案内がわかりやすくて助かる」とお褒めの言葉もいただきました。今後、新しい環境においても素早く状況を把握し、適切な行動を取ることでチームの一員として貢献していきたいと考えています。(400字以内)

スーパーでのアルバイト経験を題材とした例文です。スーパーでのアルバイトは、スムーズな店舗運営のために状況を瞬時に把握し、適切な対応が求められます。また、チームワークが求められる仕事です。日々の業務で、どのようなことを意識していたか、どのような工夫を行ったのかを振り返ってみましょう。お客様やスタッフから感謝されたことも伝えると尚、自己PRを読んだ担当者にも好印象を与えます。

自己PRでアルバイト経験を書く際の注意点

アルバイト先の内部情報を引用しない

自己PRでアルバイト経験を書く際に最も注意すべきことは、アルバイト先の内部情報を引用しないということです。例えば、経営戦略や新製品情報、人事情報などがあります。アルバイトであっても、従業員として所属している以上、機密性の高い情報は取り扱いに注意しなければなりません。もしも、自己PR文に加えてしまうと、「この学生を採用したら外部に情報を漏らされるかも」と信頼を損なう可能性が高いため、注意しておきましょう。

社会人として当たり前の行動は記載を控える

アルバイト経験で得た能力はアピール材料として適していますが、社会人として当たり前の行動は自己PRに適していません。例えば、元気よく挨拶していた、遅刻をしないようにしていたというような行動が挙げられます。このような内容は、就活の場では効果的ではありません。就活生に問われているのは、その経験からどのような学びを得て、どのように活かしていくことができるのかということです。社会人として当たり前の行動を記載することは控えておきましょう。

アルバイト経験は仕事への向き合い方や強みをアピールできる!

アルバイト経験では、部活やサークル活動など学校内での活動とは違い、仕事ならではの人間関係や体験があります。仕事をする場で培ってきた能力はもちろん、仕事への向き合い方考え方をアピールする絶好のチャンスです。これまでのアルバイト経験のなかで、成果を得たもの長期的に継続したもの企業と合致しているものはないか振り返ってみましょう。今回紹介した例文を参考に、多くの書類を見ている面接官の目に留まる自己PRを作成を仕上げましょう。

資格取得をガクチカでアピールする書き方|おすすめの資格【例文あり】

所有する資格をガクチカでアピールできるか、悩んでいる人もいるでしょう。結論から言えば、資格をガクチカに書くのは「あり」です。

取り上げる資格は、必ずしも就職後の業務に直結する必要はありません。努力で合格を掴み取った成功体験や、困難に果敢に挑戦する姿勢こそが、企業で評価されます。

ただし、記述する資格の選択を誤ったり、注意点を見落としたりすると、せっかくの努力が伝わりません。頑張りを効果的に記述するには、コツが必要です。

この記事では、ガクチカに資格を書くときの注意点と、ポイントを押さえた書き方を説明します。ガクチカにおすすめの資格も例文も交えて紹介しているので、しっかりと対策し、企業にアピールできるガクチカに仕上げましょう。

ガクチカのテーマに資格取得を選ぶメリット

目標達成に向け努力し成功した経験を示せる

ガクチカに資格取得を取り上げる大きなメリットは、努力し成功した経験を示せることです。

資格を取得するときには、試験までの道筋を立てます。定められた勉強時間の中で必死に努力し、自分をコントロールすることで合格を勝ち取ります。目標設定と勉強方法が適切だからこそ、合格できたのでしょう。

会社で業務に従事するときも、基本的な姿勢は同じです。仕事に対する適切な目標を立て、達成に向け努力します。努力の方向性が間違っていたり、甘い見通しを立てたりすると、業務を完遂できません。

資格取得で「目標の設定→適切な努力→目標達成」という一連の流れを経験していることは、あなたの大きなアドバンテージです。企業は、あなたの成功体験を高く評価します。

困難にも継続的に取り組む姿勢が評価される

資格取得の経験により、困難にも継続的に取り組む姿勢を証明できます。資格試験は、大多数の受験者にとって大きな挑戦です。絶対に受かるレベルの試験を、わざわざ受ける人は稀でしょう。努力し力を伸ばせるからこそ、難しくても挑戦します。

挑戦には、多くの困難が伴います。あなたが合格できたのは、困難にめげず継続的に努力したからです。じっくり頑張る姿勢は、就職活動の大きな武器になるでしょう。

新入社員にとって、就職後の仕事は初めての連続です。困難や取り組みづらさを感じる場面も、多々あるかもしれません。早々に投げ出していては、仕事になりません。目標達成まで継続的に努力することは、仕事に必須の条件です。

資格取得まで努力を積み重ねた人なら、困難に立ち向かう経験があります。早々に辞める可能性が低く、企業も採用しやすいのです。

資格によっては就職後の業務への情熱と能力が伝わる

就職後の業務に直結する資格を所有している場合、仕事への情熱と能力も示せます。

業務に直結する資格とは、あなたの希望する職種・業種に欠かせない資格を指します。たとえば不動産業界なら宅地建物取引士、技術系の職種なら第二種電気工事士や第三種電気主任技術者などが該当します。

業務に不可欠な資格を持っていれば、就職後の仕事を見据え努力した証拠になります。「この業界で頑張りたい」「プロフェッショナルになりたい」といった熱い想いにも、説得力が増すでしょう。資格を保有している事実が、あなたの情熱を裏付けるからです。

業務に必要なスキルを満たす証明にもなります。企業も就職後の見通しを立てやすく、重宝するでしょう。

ただし、単なる資格自慢にならないよう注意が必要です。就職後に目指したいこと、伸ばしたい力をはっきり記述するよう心がけます。就職後は能力をさらに高め、存分に会社に貢献することを求められます。

ガクチカに取り上げる資格を選ぶときのポイント

努力した経験が仕事につながることを念頭に置く

ガクチカに取り上げる場合、努力した経験が仕事につながる資格を選びます。

ガクチカで企業が知りたいのは、「努力や経験を仕事に活かせるか」です。資格自体が評価されるわけではありません。取得できて当たり前の資格や、困難が伴わない資格は、評価の対象にならないでしょう。

たとえばあなたが帰国子女で英語がペラペラの場合、英語系の資格には重みがありません。「もともと英語が堪能なのだから、取得に努力はいらないだろう」とみなされるからです。資格欄でのアピールに留め、ガクチカには別の内容を書くようにしましょう。

取得の難易度より努力から得た学びが多い資格を選ぶ

ガクチカに書くには、経験からの学びが多い資格を選びます。必ずしも、難易度が高い資格が良いわけではありません。企業が求めるのは、資格取得の経験を仕事に活かすことです。学びが多いほど、仕事で活きる場面も増えるでしょう。

たとえば計算が苦手な人が、理数系の資格を取得するのは容易ではありません。苦手を克服する中で、計算を速くするコツを見つけたり、論理的な思考方法が身についたりと、多くの学びを得るでしょう。試験に合格できれば、苦手なものにも地道に取り組む大切さや、自分を成功に導くマインド形成も学べるかもしれません。

苦手の克服で得られた学びは、仕事にも応用できます。資格の難易度が高くなくても、努力と学びがアピールになります。

将来の仕事に直結する資格があれば優先する

就職後の仕事に直結する資格があれば、優先して記述すると良いでしょう。ただし、「取れて当たり前の資格」「困難が伴わない資格」は除きます。努力が読み取れないからです。

ガクチカはあなたの努力を表現する場です。就職に有利な資格を列挙する場でも、自慢する場でもありません。記述から努力を想像できなければ不適切です。有利な点が多い資格だからこそ、書き方には注意しましょう。

取得の努力と、就職への熱意がしっかりと伝わるよう工夫しなければなりません。

ガクチカで資格取得への努力を効果的に伝える書き方

<ガクチカの効果的な書き方>

①アピールする資格の詳細

②資格に挑むきっかけ

③取得までの努力や苦労

④経験を仕事にどう活かすか

努力したことを効果的に企業に伝えるには、コツがあります。ポイントはきっかけから論理的に文章を構成することです。

上記の順番で組み立てると、読みやすい文章になります。採用担当者に伝わりやすく、説得力が増すでしょう。

資格取得で貴重な経験を積んでも、企業に伝わらなければ意味がありません。構成を頭に入れて執筆しましょう。

アピールする資格を説明する

まずはアピールする資格を説明します。業務に関連する資格であれば、簡単にで構いません。業務と関連しない資格の場合は、簡単な解説が必要なこともあります。

特に合否ではなく点数形式の資格(例:TOEIC)を書く場合は、注意が必要です。採用担当者に知識がないと、困難を想像できない可能性があるため、誰が読んでもわかるように説明しましょう。

また資格内容説明に文字数を多く取らないよう注意が必要です。大切なのは、努力のアピールと仕事への活用です。後半に多くの行数を割く必要があるので、資格説明は完結にしましょう。

資格取得のきっかけを書く

なぜその資格を取得したのか、きっかけを記述します。特に業務に直結する場合、丁寧な記述を心がけます。仕事への熱意も示せるからです。

たとえば電気設備会社に就職する人が、電気工事士の資格を書くとします。「高校の頃から家の配線を修理できる技術者が夢でした。将来は電気設備の仕事をしたいと考え、資格取得の勉強を始めました」と書けば、就職後を見据え取得に臨んだことを明確に示せます。

就職に向け懸命に努力する姿勢が企業に伝わるでしょう。

取得するまでの努力や苦労を挙げる

勉強中に直面した苦労と、苦労を乗り越えた方法を記述します。企業が知りたいのは、あなたの努力と仕事への活用です。努力の内容が曖昧ではアピールになりません。資格取得を通して学んだことを、詳しく記述しましょう。

困難や失敗も、恥ずかしがらずに書き出します。ガクチカでは、ネガティブな要素があった方がかえって良い文章をつくれます。克服の努力をする分、学べることも多いからです。仕事への活用にもつなげやすくなるでしょう。

努力の記述は、ガクチカで最も大切な部分です。力を入れて記述してください。

資格取得の経験を仕事にどう活かすか記述する

最後に学んだことを仕事にどう活かすか、決意を表明します。資格取得を通して学べることは、困難の克服や、自分を成功に導く方法など、仕事に活かせる要素が多くあります。就職後に「なりたい自分」を想像し、適切な決意を書きましょう。

学んだ内容を考えるとき、専門的なことばかりが浮かんでくる人もいるかもしれません。語学系の資格の場合、「速読の方法を理解した」「日本語と英語の文化的差異を実感した」などです。

しかし、これらの学びは、仕事にはつながりません。より一般的な内容に切り替える工夫をします。「要点を素早く掴める論理的な理解力を高められた」「さまざまな価値観を学び、多角的な視点を手に入れた」などと転換すれば、仕事への決意が書きやすくなるでしょう。

ガクチカで努力をアピールしやすいおすすめの資格

パソコンを使うさまざまな職業に活かせるMOS

Microsoft Office Specialist(以下、MOS)はWord、Excel、PowerPointなどマイクロソフト製品の操作スキルを証明する資格です。

現在はほとんどの仕事でパソコンを使用しています。中でもWordやExcelは使用する場面が多く、日常的に使う職業も少なくありません。MOSは仕事に直結しやすく、努力を表現しやすい資格です。

使用する企業が多いからこそ、「社会人に必要なスキルの習得に努めている」「業務を円滑に進める準備をしている」といった前向きな印象を企業に与えられます。

学生でも日常的に使う人が多いため、成長も実感しやすいでしょう。新たなスキルを習得する喜びを感じながら、勉強を進められます。ガクチカには、努力をすれば日々成長できる実感を、仕事に結びつけて書くと良いでしょう。

事務や経理に必須の簿記

簿記もおすすめの資格です。日商簿記、全経簿記、全商簿記の3種類があり、それぞれ1〜3級に分かれています。中でも日商簿記は社会人に広く知られており、努力が伝わりやすい資格です。

簿記は暗記一辺倒ではありません。読解力論理的思考力が必要です。資格取得には、知識以上にこれらの能力が求められます。勉強で得られる能力は、さまざまな職業で応用が効くでしょう。業務と関連しなくても、簿記の勉強は仕事に良い影響をもたらします。

もちろん、事務や経理で就職を目指す人には必須の資格です。就職後の業務を見据え取得に挑んだことを、順序立てて説明しましょう。あなたの情熱と能力を証明できます。

グローバルな働きかたを支えるTOEIC

TOEICも就活でアピールしやすい資格です。実用的な英語に重点が置かれ、聞く力と書く力をテストされます。

資格と言っても、合格・不合格が存在するわけではありません。点数を高めることで、あなたの英語力を証明します。一般的に履歴書には600点以上で記載できると言われています。ガクチカでは努力を強調するため、さらに高い点数を基準に据えると良いでしょう。

外国語学習はあなたのスキルを高めるだけでなく、さまざまな気づきをもたらします。文化や価値観の多様性や、円滑なコミュニケーションの取り方などです。学びが多い分、仕事に結びつけやすい資格と言えます。

魅力あるガクチカにするための資格取得をテーマにした例文

MOS(Microsoft Office Specialist)

例文

私はMOSに挑戦し、WordとExcel、PowerPointの資格を取得しました。貴社の業務では、ソフトを円滑に使用できなければなりません。操作を極め、苦手をなくしたいと考えました。

私はパソコンの知識が浅いため、勉強期間に半年を要しました。知らないことばかりで愕然としましたが、一つひとつスキルがつく実感を持てました。Excelの関数には苦労したものの、身につく喜びも格別でした。努力の甲斐があり、各試験に一度で合格しました。

この経験から、私は知らないことに挑戦し身につける喜びを学びました。挑戦には必ず困難が伴います。困難が大きいほど、知識にできた喜びも大きいと感じます。入社後も新しいことに積極的に挑戦し、困難にぶつかったときも乗り越えた先に大きな喜びがあることを思い出し、仕事に邁進したいです。(400字以内)

取得のきっかけから書き始め、勉強中に感じた苦労や学び、仕事への決意までうまく表現されています。流れが自然で読みやすく、仕事への結びつけ方に強引さがありません。

社会人にとって、マイクロソフト社のソフトは身近な存在です。「できて当たり前」と捉える会社もあるかもしれません。資格そのものは大きなアピールにならない可能性があります。取得に向かうきっかけと、勉強中に感じた学びをしっかりアピールしましょう。

今回の文章では、就職後を見据え「苦手を克服するために努力した」と書いています。不利をなくそうとする努力は、前向きな姿勢として受け取られるでしょう。

学びに挙げた「知らないことに挑戦する喜び」も、適切なアピールです。就職後は困難を伴う挑戦がたくさんあります。挑戦に喜びを感じられる人なら、企業も安心して採用できます。

日本商工会議所簿記検定

例文

私は日本商工会議所簿記検定2級を取得しました。経理職に簿記の知識は必須です。就職後に少しでも早く仕事に貢献できるよう、できる限りスキルアップしたいと考えました。

初めはかなり難しさを感じました。長文から仕分けすることや、適切な計算を判断する応用力がなかったためです。大学の講義で得た知識だけでは対応できないと痛感しました。読解力と応用力をつけるのに、一年ほどの時間を要しました。

無事合格を手にした今、実感するのは「知識を自由に扱う大変さ」です。自由に知識を扱うには、長い時間がかかります。努力を継続することで、徐々に力が身につきます。

仕事でも新しいことを覚えたら、継続的に努力しなければ自分の力にできないと考えます。知識を得るだけで満足せず、日々活用しながら自分の力に変えていきたいです。(400字以内)

事務や経理での就職を目指す場合、簿記の資格は業務に直結します。仕事を見据えたきっかけを挙げ、熱意のアピールを忘れずにおこないましょう。

仕事に直結する資格を記述する場合、上から目線にならないことに注意が必要です。「資格を持っています。だから貴社業務を余裕でこなせます」といった論調だと、採用担当者は「仕事を馬鹿にしている」と感じます。学びを仕事に活かすストーリーもつくれません。

この文章のように、困難を説明した上で謙虚に業務にあたる姿勢を示すのが賢明です。実際、資格の取得は始まりに過ぎません。就職後は仕事への活用と、さらなるレベルアップが求められます。就職への決意として表明する「継続的な努力」は、最適なアピールと言えるでしょう。

TOEIC

例文

私は大学入学以来、TOEICに継続的に取り組んでいます。日本と海外をつなぐ役割を果たすには、実用的な英語能力が必須です。継続的な勉強により、550点だったスコアを820点まで伸ばしました。

辛かったのは、スコアの伸び悩みです。一時は焦りばかりを感じていました。状況を打破するため、成績を徹底的に分析しました。スコアの低い分野を明らかにし、不足を洗い出します。対策をピンポイントで行うことでスコアが取れるようになり、効果的な勉強ができました。800点に達したのも、分析のおかげです。

この経験から、困難に直面したときに、原因を徹底的に分析する大切さを学びました。努力の方向を見定めるためにも、分析から入るべきだと考えます。入社後も困難にぶつかった時には、まずはしっかりと原因を分析し、対策に取り組んでいきたいです。(400字以内)

この文章では、「日本と海外をつなぐ役割を果たす」ためにTOEICに取り組んでいます。資格が仕事に直結しない場合、無理につなげる必要はありません。きっかけ部分よりも、学びを仕事に活かすことが重要です。

語学系の学習から得られる学びは、語学の範囲で終始しがちです。仕事につながらないときには、学んだ内容を一般的な内容に転換しましょう。

転換が難しい場合は、この文章のように困難を突破する方法に焦点を当てると良いでしょう。困難を解決するノウハウは、どのような仕事にも役立ちます。

ガクチカで資格取得を書くときに注意すること

アピールする資格は一つに絞り、意見も絞り込む

ガクチカに挙げる資格は一つに絞ります。複数書くと経験から学んだ内容を絞りづらく、うまく仕事に結び付けられません。保有する資格の数や難易度をアピールするのは資格欄です。ガクチカには、仕事につなげて書きやすい資格を一つだけ選びましょう。

学んだことも、一つに絞り込むよう心がけます。一つの学びを強調した方が、文章に説得力が増すからです。さまざまな学びを入れすぎると、本当に伝えたいことが分かりづらくなります。

ガクチカの文章は、最終的に学びを仕事につなげる意志を表明しなければなりません。強い想いを伝えるには、テーマも意見も絞り込むべきです。

勉強中の資格はガクチカで書くのは難しい

現在勉強中の資格は、ガクチカでは避けることをおすすめします。成否がはっきりしないからです。ガクチカに書くのは、合格してからにしましょう。

企業が求めるのは、失敗から学び、困難を克服し、設定した課題をクリアした成功体験です。努力だけでは評価を得られません。仕事では、どんなに努力できても最終的に成功しなければ価値がありません。

資格習得を通し、成功までの行動様式と心の持ち方を習得している人なら、仕事でも力を発揮できると考えます。まだ途上の人は、他のテーマを探した方が良いでしょう。

資格取得の努力があっても落ちた資格は評価されづらい

試験に落ちた資格も、成功体験を得られないため評価されづらいでしょう。「たとえ落ちても、努力したのだから書こう」は通用しません。企業は努力の結果を冷静に判断するからです。成功に結びつかなければ無意味だと考えましょう。

ただし、例外もあります。司法試験など難関であることが知れ渡っている資格です。努力で着実に点数を伸ばしていることが証明できたら、ガクチカに書けないこともないでしょう。難関の資格は「点数を取れなくて当たり前(落ちて当たり前)」という前提で見られます。点数のアップを合格の代替にできる場合もあるので、資格の難易度についても調べてみましょう。

資格取得で経験した頑張りを仕事へのアピールにつなげよう!

「資格取得は就職活動に有利」と漠然と捉え、さまざまな資格を取得してきた人もいるかもしれません。しかし、本当に大切なのは資格取得で得られた学びの内容です。努力を仕事につなげられなければ、企業からは評価されません。ガクチカには、あなたが最も力を注いだ資格を取り上げましょう。

記述の際には、書き方に注意をはらいます。資格の内容と挑戦するきっかけから書き始め、直面した困難、困難を乗り越え成功した経験の順に記述すると、伝わりやすいストーリーになります。仕事への決意にも説得力が増すでしょう。

資格取得の努力を無駄にしないためにも、記述での失敗は避けなければなりません。要点を押さえた書き方で、採用担当者に伝わるガクチカに仕上げましょう。

ESを締め切り直前に提出するのは不利?ギリギリに提出するデメリットと対策法

ESの提出が締め切り直前になってしまい焦った経験や、間に合わずに提出するのを諦めてしまった経験がある人は多いのではないでしょうか。特に多くの企業にESを提出する人は、各締め切り日を把握し、しっかりとスケジュール管理することが重要です。

締め切りギリギリでも間に合えば問題ないと思われがちですが、実は直前の提出には多くのデメリットがあります。

この記事ではESを締め切りギリギリに提出するデメリットを解説しています。ギリギリにしないための対処法や対策についても焦点を当てているので、参考にしてください。

ESは締め切りギリギリに提出しても選考に影響はない?

ESの提出が締め切りギリギリだったからといって落ちる理由にはなりませんが、企業に好印象を与えるには早めの提出をおすすめします。

企業のなかには一次募集だけではなく、二次・三次募集があることがあります。しかし、志望度が高い企業にはなるべく一次募集で提出することで、志望度の高さをアピールすることができます。具体的には提出開始日から1週間以内に提出することがポイントです。

また、ギリギリに提出する場合はさまざまなデメリットがあるので注意しなければいけません。応募企業が決まったらESの提出日を確認し、余裕を持って作成するようにしましょう。

ESを締め切りギリギリに提出するデメリット

応募意欲を感じてもらえない

提出期限の終了間際にESが届くと、「第一志望じゃない」「熱意のある応募じゃない」と採用担当者に捉えられる可能性があります。

採用側は「応募意欲があるなら早めに提出するだろう」と考えるため、たとえ第一志望だったとしても提出がギリギリだと熱意が伝わりにくいのです。

精度の高いESにするために提出が遅れたとしても、企業にとってはESの提出が遅い事実しか伝わりません。また、二次や三次募集と比べると、一次募集で提出した応募者のほうが熱意を感じてもらいやすいでしょう。

スケジュール管理力がないと判断される

提出期限ギリギリに提出すると、スケジュール管理力がないと判断されることがあります。スケジュール管理力は社会人において重要なスキルであり、時間の見積もりや段取りなどを考えて期限に間に合うように行動するスキルです。

ESに期限を設けているのは、基本的なルールが守れるのか判断するためと考える企業もあります。そのため、期限ギリギリに提出すると、スケジュール管理をする能力に欠けると判断され、不採用になってしまうリスクもあります。

期限に間に合っているとしても、ギリギリだと基本的なスキルがあるのか不安視される恐れがあることを覚えておきましょう。

提出順に選考が始まる可能性がある

自分が納得できるESを提出したいとギリギリまで粘ってしまう応募者もいますが、ESの提出順に選考を始める企業もあります。そのため、期限ギリギリに提出した場合、最後のほうまで確認してもらえません。

応募数が多い場合、締切期限に間に合ったとしても選考を締め切ることがあります。作りこんだレベルの高いESでも、採用担当者に見てもらわなければ意味がありません。早めにESを提出することで、そのような心配はなくなります。

早めに提出すると有利なルートを案内される場合がある

企業によっては、ESの先着順でリクルーター面談特別イベントに招待することがあります。ギリギリに提出した場合は招待してもらえないため、大きなデメリットといえます。

リクルーター面談とは応募企業の「リクルーター」と呼ばれる社員が、通常よりもアットホームな雰囲気で学生と面談を行うものです。リクルーター面談は選考の一環になるため、内定獲得の重要な第一歩となります。

また、企業のイベントなどに招待してもらえると、入社前にさまざまな情報を得られるメリットがあります。このようなチャンスを逃さないためにも、ESは早めに提出するべきです。

選考に迷ったときに落とされやすくなる

採用側としては、ESをギリギリに提出する応募者に熱意を感じられないため、採用に対してネガティブな判断をしやすくなります。同じレベルのESがあった場合、期限に余裕を持って提出した応募者と比較すると、ギリギリに提出した応募者を落としてしまう企業がほとんどでしょう。

ESの提出が早い応募者は、それほど企業に対して入社意欲が高いと判断してもらえます。また、入社後の活躍や早期離職の懸念について考えても、早くESを提出した応募者を選びたいと考えるものです。

トラブルが起こると間に合わなくなる

ESが締め切り前に完成した場合でも、スムーズに発送まで完了できる保証はありません。締め切りに余裕があるならトラブルが起きても対応する時間がありますが、締め切りギリギリの提出となると何かあったときに締め切りが過ぎてしまうことが考えられます。

郵送で発送するケースだと、封筒や切手の購入忘れや発送ミスが予想されます。また、悪天候などによって配達遅延になることもあるでしょう。メールやインターネットなどのWebで提出するケースでも、通信エラーや機械トラブルで送れない可能性があります。

そのようなリスクを回避するためにも、早めに提出することが求められます。

ESの精度が低くなる可能性がある

ESの提出が期限ギリギリになる場合、応募者は期限に間に合わせるために焦った状態でESを作成することがあります。書き終えてすぐに提出をした場合、ESの精度が低い可能性があるため注意が必要です。

焦って作成すると、ESを入念に見直しする余裕がなく、質問への回答が矛盾している・文脈が不自然で読みにくいなどといったミスが発生する恐れがあります。大丈夫だと思っていても、冷静な目で確認しないとミスをしてしまうものです。

質の高いESを作成するためには、誤字がないか複数回読み直して確認する・一晩明けて文章をチェックするなどの時間に余裕を持った姿勢が大切です。

Webテストの締め切りに影響する

新卒の採用では、オンラインで適性検査を行う「Webテスト」を実施する企業があります。Webテストにも締め切りがあり、企業によってはESの提出締切日と同じ日にしているところがあります。

そのため、ESの提出がギリギリになるとWebテストの受験に影響が及ぶことになります。ESが期日内に間に合ったとしても、Webテストの受検ができていなければ選考に進むことができません。先にWebテストを受けたくても、ESの提出後にしか受けられない企業もあるので注意しましょう。

ESの締め切りがギリギリになる場合の対処法

締め切りの種類を確認する

締め切りには「必着」「消印有効」の2種類があり、郵送のタイミングが異なるため注意が必要です。締め切りに間に合わない恐れがある場合、まずは企業が示している締め切りの種類を確認しましょう。

必着の場合

指定日までに郵便物が届いている必要がある。遅くとも指定日の3日前には郵送手続きを行わなければいけない。

消印有効の場合

郵便物を出した日が提出日でも問題ない。しかし、ポストに投函した場合は集荷時間を過ぎていると翌日の消印になるため注意が必要。

上記の通り、必着と消印で締め切りの捉え方は異なります。注意して確認しましょう。

速達を利用する

郵便局のサービスをうまく活用すると、締め切り前にESを提出できる可能性があります。

「速達」は追加料金を支払うことで、郵便物をスピーディーに届けてもらうサービスです。速達を利用すると翌日に届けることもできるため、間に合いそうにない場合は利用を検討しましょう。

追加料金は以下を参考にしてください。追加料金は基本料金に加算します。

重量追加料金
250gまで+260円
1kgまで+350円
4kgまで+600円

ESの締め切りに間に合わない場合の対処法

次の選考があるか確認する

一次締め切りに間に合わなかった場合は、次の選考があるのか確認してみましょう。二次募集の締め切りに間に合うのなら、ESに目を通してもらえるため、選考に通過できる可能性が残っています。

二次募集に応募する際は、期限や提出方法が一次募集と同じなのか確認しましょう。企業によっては変更するところもあるので、間違えた方法で行わないように注意が必要です。

また、二次募集の締め切りまで時間に余裕があるなら、ESに不備や誤りがないのか再度チェックすることをおすすめします。

採用担当者に連絡をする

ESの作成はできている状態で、配達遅延や通信トラブルで締め切りに間に合わない場合は採用担当者に連絡してみましょう。事情を伝えることで、締め切りが過ぎても提出を受け入れてもらえる可能性があります。

連絡をする際は、遅れてしまったことを謝罪し、マナーのある対応を心がけてください。締め切りが過ぎて提出フォームを締め切られた場合は、企業の電話番号やメールアドレスにて連絡をします。受け入れてもらえるなら、添え状を一緒に郵送して誠意を伝えましょう。

ESの提出を締め切りギリギリにしないための対策

ESの提出期限は必ず確認しておく

大学4年生ともなると、いくつもの企業にESを提出する学生が少なくありません。締め切りを把握できていないと、提出日ギリギリに慌ててしまい、ミスや不備の多いESを提出してしまう恐れがあります。

締め切りに焦らないためには、各企業ごとにESの提出期限を確認し、余裕を持ったスケジュール管理をすることが重要です。スケジュール管理が不安な方は、一目見てわかるように就活のスケジュール表を作ってみましょう。また、スマホのリマインド機能を併用するなど、忘れないための工夫が大切です。

事前に質問の回答を考えておく

余裕を持ってESを提出するには、ES作成にかかる時間を短縮することがカギとなります。事前に質問の回答を考えておくと時間をかけなくて済むため、提出期限が短くても十分間に合う可能性があります。

一般的にESには以下の質問が頻出される傾向があります。

  • 自分の強み
  • 学生時代に力を入れたこと
  • 志望動機

事前に各300~400字で考えておくと、ESを作成するときに役立ちます。また、就職活動期間の早い時期に自己分析をして、自分の強みやアピールポイントを整理しておきましょう。

別で準備したESの回答を使いまわせるか確認する

今回のESが初めての提出でない場合、ほかのESで回答した内容を使いまわすことで効率的にESを作成できます。

ESで質問される内容は似ているため、うまく活用して余裕を持って提出しましょう。前述した頻出される質問はほとんどの企業において聞かれます。本格的に就活が始まる前に、あらかじめ考えておくことをおすすめします。

使いまわすといっても、まったく同じ内容で提出するのはおすすめできません。企業の求める人材を調査し、企業にマッチした強みや長所をアピールするようにしましょう。

ESを締め切りギリギリに提出するときの注意点

郵送するときの注意点

郵送でESを発送する場合、締め切りに間に合うこと以外にも注意点が2点あります。

①必ずコピーを取る

②白色の封筒を使う

①選考通過した場合、その後の面接はESの内容から質問されることがあります。そのため、どれだけ急いでいても提出するESのコピーは必ず取るようにしましょう。

②ESの提出では、A4サイズ・白色の封筒で郵送することが一般的なマナーです。茶色も一般的ですが、白色だとより一層フォーマルな印象を与えます。そのため、郵送時はA4のクリアファイルにESをまとめて、白い封筒に入れて発送しましょう。

メールで送るときの注意点

メールで送るときの注意点は以下の2点です。

①指定がない限りPDFで送る

②パスワードを付けて送信をする

①メールでESを送信する場合、WordやExcelで作成したESはPDFに変換して送りましょう。企業側に指定があれば、指定のファイルで送信します。

②ESには個人情報が多く含まれているため、メールで提出する場合はパスワードを付けます。パスワードを送る際は1通目のメールでESを送信し、2通目にパスワードを送りましょう。

分けて送るのは情報セキュリティの観点から、誤って他人に届いて見られてしまうリスクを避けるためです。2通送ることで、マナーを心得ていると良い印象を与えることができるでしょう。

ESは締め切りよりも早く準備しよう!

ESは提出期限ギリギリよりも、早めに提出したほうが企業に良い印象を与えることができます。締め切り間近では企業にマイナスな印象を与えるだけでなく、トラブルに対応できない・ESの質が落ちるなどのデメリットがあるので注意が必要です。

多くの企業に提出する際は、就活のスケジュール表を作成して締め切り忘れを防ぐことが重要です。あらかじめESで質問される解答を考えておくことで、効率的にESの作成が可能です。提出開始日から1週間以内には提出できるように、余裕を持った行動を心がけていきましょう。

【例文5選】ブライダル業界で評価される志望動機の書き方とポイント

ブライダル業界は人気の高い職種です。そのため、単なる憧れだけでは選考を突破することはできません。志望企業の特徴や、その職種で必要とされるスキルを理解したうえで、自分の強みを効果的に伝える必要があります。

しかし、企業研究の方法や自己分析の仕方によって、志望動機の説得力は大きく変わってきます。

本記事では、ブライダル業界で評価される志望動機の書き方を例文とともに解説しています。業界特有の職種理解から、実践的な志望動機の作成方法まで徹底的に紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

ブライダル業界とは?

ブライダル業界とは、「挙式・披露宴」「結婚情報サービス」「ブライダルジュエリー」など、婚礼や結婚に関するサービスを提供している業界です。ブライダル業界を広域で考えると、ハネムーン事業や新婚家具の販売、結納式・結納品の販売なども含まれます。

ブライダル業界は華やかなイメージですが、時代の流れや景気、流行やトレンドに左右されやすい傾向があります。移り変わりの激しい業界なので、業界についての実態を見定めるためにも、業界の動向や基本的な知識を深めておくことが大切です。

ブライダル業界の主な職種

職種名主な役割
ウエディングプランナー結婚式全体のプロデュース
ドレスコーディネーターホテル衣装の提案とフィッティング
フラワーコーディネーター会場装飾・ブーケの制作
ヘアメイクアーティスト新郎新婦のヘアメイク
バンケットスタッフ披露宴の料理・飲物提供
アテンダー式当日の新郎新婦のサポート
フォトグラファー写真撮影
音響・照明スタッフ会場演出

ブライダル業界は幅広く、さまざまな職種に分かれています。まずは、ブライダル業界にどのような職種があるのかを知っておくことが、自己アピールの重要なポイントです。

ブライダル業界の職種についての理解を活かすことで、「入社後、どの業務に携わりたいのか」「その業務でどのような強みを活かせるのか」を具体的にわかりやすく志望動機で伝えることができます。

また自身が志望する職種以外の理解も深めておきましょう。ブライダル業界では、結婚式当日までに多くの職種の人と連携を取りながら作業を進めていきます。ブライダル業界全体の流れを理解するためにも、職種についての理解はマストです。

ウエディングプランナー

ウエディングプランナーは、新規のお客さまへの営業から、打ち合わせによる式の内容決め、そして結婚式当日の運営統括まで、結婚式の成功に向けて幅広い業務を担います。

企業によって一人のプランナーがすべての業務を担当する一貫制と、営業・打ち合わせ・当日統括などを分担する分業制があり、それぞれ求められる適性が異なります。

就職活動では、自分が得意とする分野や特に携わりたい業務は何かを明確にしたうえで、それぞれの企業の体制を必ず確認しましょう。

ウエディングプランナーの魅力
  • 好きな演出やアイデアを活かしながら、新郎新婦の人生で最も大切な1日をプロデュースできる
  • 新郎新婦の夢を叶えながら、家族や友人など参列者全員に笑顔と感動を届けられる
  • 打ち合わせから当日までかかわった結果、お客さまから直接「ありがとう」という言葉をもらえる
  • 一から作り上げた結婚式が無事に終わった時の達成感とやりがいが感じられる
  • コミュニケーション力や提案力、問題解決力など、人生で役立つ多くのスキルが身につく
ウエディングプランナーの大変なところ
  • 完璧を求められる責任の重さから、精神的にも体力的にも負担が大きい
  • 新郎新婦の希望に沿いながらも、予算や時間、人数などの現実的な制約のなかでプランを立てる必要がある
  • 土日祝日が主な勤務となり、プライベートの時間が取りにくい
  • 急な要望の変更や当日のトラブルなど、想定外の事態が起きた時にも冷静な判断と臨機応変な対応が求められる

ドレスコーディネーター

ドレスコーディネーターは、新郎新婦の理想の衣裳選びをサポートし、当日の着付けまでをトータルでプロデュースする仕事です。

式場やホテルに併設されたドレスサロンで館内の新郎新婦に関わる場合と、独立したドレスショップで提携先や一般のお客さまの衣裳をコーディネートする場合があります。

お客さまの希望を丁寧に聞き出すヒアリング力、体型や雰囲気に合わせた提案力、そしてトレンドを押さえた情報収集力が必要とされるでしょう。

新郎新婦の魅力を最大限に引き出す重要な役割を担います。

ドレスコーディネーターの魅力
  • 新郎新婦の人生最高の晴れ姿を創り出せる
  • ウェディングドレスや和装など、美しい衣裳に囲まれて働ける
  • 体型や好みに合わせた提案で、お客さまの「理想」を実現できる
  • トレンドやファッションの最新情報に触れながら感性を磨けるお客さまの喜ぶ姿を間近で見られ、幸せを感じられる
ドレスコーディネーターの大変なところ
  • 土日祝日が主な勤務となり、プライベートの時間が取りにくい
  • 立ち仕事が多く、着付けなど体力的な負担が大きい
  • 常に最新のトレンドやデザインの情報収集が欠かせない
  • 予算や体型など、デリケートな話題にも適切な対応が必要
  • 一着何十万円もする衣裳を扱うため、細心の注意が求められる

アテンダー

アテンダーは、結婚式当日に新郎新婦の最も近くで寄り添い、細やかなサポートで式を成功に導く重要な役割です。

プランナーと事前に式の流れを確認し、当日は挙式や披露宴での立ち居振る舞いを丁寧にサポートします。また、プランナーやヘアメイクアーティストと兼任するケースもあります。

新婦のドレスの裾さばきや、新郎新婦の移動のタイミング、席次の案内など、目立たない場所で式全体の進行をスムーズにする、まさに縁の下の力持ちといえるでしょう。

アテンダーの魅力
  • 新郎新婦の最も近くで、特別な一日に立ち会える
  • 細やかな気配りで、人々の幸せな時間を支えられる
  • 裏方として式を支える、やりがいのある仕事ができる
  • 気配りや全体を把握して立ち回れるスキルが身につく
アテンダーの大変なところ
  • 常に気を抜けず、細心の注意を払い続ける必要がある
  • 立ち仕事が多く、長時間の緊張状態が続く
  • 予期せぬトラブルへの臨機応変な対応が求められる
  • 土日祝日が主な勤務となり、休日が不規則になる
  • 黒子に徹する精神力と、的確な状況判断力が必要

ブライダル業界の企業が求める人物像

ブライダル業界は、お客さまの人生における最も大切な1日に携わる仕事です。そのため、技術やスキルだけでなく、人間性も重視される傾向にあります。

これらの要素は、志望動機を作成する際の重要なポイントとなります。ブライダル企業が特に重視する6つの人物像について詳しく確認していきましょう。

ホスピタリティ精神がある人

ブライダル業界は、人生で最も大切な1日をプロデュースするため、高いホスピタリティ精神が不可欠です。お客さま一人ひとりの想いに寄り添い、新郎新婦はもちろん、ご家族やゲストの期待に応える姿勢が求められます。

また、式場スタッフや業者など多くの関係者と円滑なコミュニケーションをはかり、理想の結婚式を共に作り上げていくことも重要です。特に新郎新婦は準備期間中、さまざまな不安や緊張を抱えます。その気持ちに寄り添って、お二人の個性や要望を丁寧に聞き取り、オリジナリティあふれる提案をすることが求められるでしょう。

ブライダル業界では、お客さまの心に寄り添い、かけがえのない瞬間を支える人材が求められています。

コミュニケーション能力に長けている人

ブライダル業界では、新郎新婦だけでなくご家族や列席者、そして社内の各部署との緊密な連携が求められます。そのため、相手の立場や状況を理解し、適切にコミュニケーションを取る力が必要です。

具体的には、相手の話をしっかり聴く力、自分の考えをわかりやすく伝える力、そして状況に応じて柔軟に対応できる力が必要とされるでしょう。さらに、新郎新婦にとって最高の日にできるよう、コミュニケーションからお二人のニーズをくみとったり、緊張や不安を解消したりすることも求められます。

ブライダルという特別な1日を成功に導くために、コミュニケーション能力は欠かせません。

営業スキルのある人

ブライダル業界では、サービス業でありながら営業力も大切です。特にウエディングプランナーには、会場の案内から契約に至るまで、お客さまに満足していただける提案や交渉が求められます。

ここで必要な営業スキルとは、単に商品をすすめることではなく、お客さまの希望や予算を把握しながら、自社の利益とお客さまの満足をバランスよく調整できる力です。お客さまのニーズに応えつつ、柔軟で心に響く提案ができる営業スキルは、ブライダル業界に必要な能力でしょう。

忍耐力・ストレス耐性がある人

ブライダル業界において、忍耐力やストレス耐性は非常に重要です。

結婚式は新郎新婦にとって一生に一度の特別な日です。必然的に希望や期待も高くなるでしょう。その成功を任されたプランナーやスタッフには大きな責任がかかります。失敗が許されないプレッシャーのなかでも冷静に対応できる忍耐力が必要です。また、繁忙期には多くの結婚式を短期間で担当するため、体力的にも精神的にも負荷がかかります。

このような環境のなかでも安定したパフォーマンスを発揮するためには、忍耐力やストレス耐性を持ち、自分をうまくコントロールできるスキルが必要です。

責任感があり信頼できる人

ブライダル業界では、責任感があり信頼できる人が重要視されます。結婚式は新郎新婦にとって一生に一度の大切な日であり、やり直しがきかないからです。新郎新婦はその大切な1日を思い出深いものにするべく、プランナーやスタッフに依頼しているので、信頼できる人に任せたいと思うのも当然のことでしょう。

ブライダルに関わるスタッフとして、その期待を裏切るようなことは許されません。約束した納期や時間を守ることはもちろんですが、細部に配慮してあらかじめミスを防ぐことや、予期せぬトラブルに冷静に対応する責任感の強さが必要です。

責任感と信頼性は、ブライダル業界にとって必須のスキルといえるでしょう。

協調性・チームワーク力のある人

結婚式は、一人で作り上げるものではありません。プランナー、ドレスコーディネーター、フローリスト、料理人、音響スタッフなど、多くの専門スタッフの協力があって初めて実現します。

そのため、他部署のスタッフと円滑にコミュニケーションを取りながら、自分に課せられた役割を理解し、確実に遂行する力が求められます。また、個々の業務に注力するだけでなく、チーム全体の目標を常に意識し、協力していく姿勢も大切です。

さらに、繁忙期や予期せぬトラブルが発生した際には、自分の担当業務以外でも必要に応じて他のスタッフをサポートできる柔軟性も必要です。

このように、周囲と協力しながら全体の成功を目指せる人材が、ブライダル業界では高く評価されます。

ブライダル業界の志望動機を書く前に行う3つの準備

1.業界研究を行う

志望動機を書く前にブライダル業界全体の研究を行うことは、説得力を高めるためにも非常に重要です。

業界が求めるサービスや顧客のニーズを理解することで、「自分がどのように貢献できるか」を具体的に伝えられます。

自分がどのように貢献できるかを伝えることで、採用担当者に「長期的な視野を持ち、業界の変化に対応する意欲がある」と感じてもらいやすくなるでしょう。

現在のトレンドと市場動向

近年のブライダル業界は、「多様化」がキーワードです。

最近の結婚式では、形式よりも「自分たちらしさ」を重要視する傾向があります。そのため、従来の教会式や神前式に加え、少人数での家族婚やフォトウェディング、オンラインを活用したハイブリッド形式の結婚式など、新しいスタイルが次々と生まれています。

こうしたトレンドの変化は、新たなビジネスチャンスを生み出す一方で、従来の結婚式場やサービスの在り方については、考え方を変えなければならないタイミングであるともいえるでしょう。

今後、新しいスタイルのウエディングが誕生することも考えられますので、常に新しい情報を入手できるよう、チェックしておきましょう。

ブライダル業界の将来性と課題

ブライダル業界は現在、大きな転換期を迎えています。婚姻件数は減少傾向にあり、結婚式自体を行わない「ナシ婚」の増加など、少子化による市場縮小が大きな課題となっています。

しかし、ゼクシィ結婚トレンド調査2020によると、コロナ禍以降の結婚式一件あたりの費用は上昇傾向にあります。これは、結婚式をするなら質の高さにこだわろうと考える新郎新婦が増加していることを示しています。

現状では、少人数婚やフォトウェディングやオンラインを活用したハイブリッド形式など、多様な形態の結婚式への需要が高まっています。エコフレンドリーな結婚式や個性的な演出を求める声も増加しており、時代のニーズに合わせた新しいサービス展開が、今後の業界発展のカギとなるでしょう。

結婚式でどのようなサービスを行えば、近々結婚しようとしている人たちに響くのかについて、自分なりに考えてみるのもおすすめです。

参考:ゼクシィ結婚トレンド調査2020|リクルート

2.企業分析を行う

企業理念や企業方針を理解する

企業理念や方針の理解は、志望動機作成において重要な要素となります。

それぞれの企業には独自の理念や方針があります。たとえば「一生に一度の思い出づくりに徹底的にこだわる」という企業もあれば、「より多くの方に結婚式を挙げていただく」ことを重視する企業もあります。

企業の理念や方針をしっかり理解することで、入社後のミスマッチを防げます。また、自分がその企業でどのように貢献できるかを具体的に示すことで、採用担当者の心に響く説得力のある志望動機を作れるでしょう。

企業の理念や方針は、通常ホームページや会社案内で確認できます。また可能であれば、会社説明会やインターンシップに参加してみるとよいでしょう。

企業の強みや特色を把握する

各ブライダル企業には、他社にはない強みや特色があります。神前式に特化した企業、海外ウェディングを得意とする企業、ゲストハウスウェディングに力を入れる企業など、結婚式のスタイルや形式にも違いがあるでしょう。

また、新入社員研修を1年かけてじっくり行う企業もあれば、早期から実践経験を積ませる企業もあります。「上質なおもてなし」を重視する高級路線の企業や「リーズナブルで理想の結婚式」を提供する企業まで、サービスの方向性もさまざまです。

これらの特徴を理解したうえで、「自分が目指す結婚式のスタイルと合っているか」「キャリアプランが実現できる環境か」など、自分の価値観や目標との接点を見出すことが、説得力のある志望動機を作るポイントです。

3.自己分析と強みの活かし方を知る

自分の資質がどのようにブライダル業界で活かせるかを具体的に示すためにも、自己分析をしっかり行い、自分の強みを知っておく必要があります。

自己分析を通じて自分の価値観や得意分野を理解することで、ブライダル業界が求めるスキルや姿勢と自分がマッチしている点を見つけられるでしょう。また、強みを知っておくことで、志望動機に説得力が増し、「自分ならではの貢献」を明確に示せるため、採用担当者にもあなたがどのようにブライダル業界で活躍できるかが伝わりやすくなります。

志望動機につながる経験の棚卸しをする

ブライダル業界の志望動機作成では、自分のこれまでの経験から活かせる要素を見つけ出すことが重要です。まずは、自分が今まで経験したことの棚卸しを行いましょう。特に学生時代に最も力を入れた経験(ガクチカ)は、志望動機の重要な要素となります。

ここで大切なのは、単なる経験の列挙ではなく、その経験を通じて「何を学び」「どのような能力が身についたか」を整理することです。

以下はガクチカなどの経験から得られる強みの例の一覧です。このように経験と培った強みを併せて書き出してみましょう。

経験培った強み(例)
アルバイトでの接客経験ホスピタリティ精神臨機応変な対応力コミニュケーション能力
サークルやゼミでのイベント企画チームマネジメント力クリエイティブな発想力
ボランティア活動協調性主体性
写真や音楽の趣味美的センス
学園祭の実行委員企画力プロジェクトマネジメント能力
部活動のキャプテンリーダーシップチームマネジメント力

ブライダル業界で活かせる強みを見つける

ブライダル業界で活躍するには、自分の強みを深く理解し、職種ごとに求められるスキルと結びつけることが重要です。

棚卸しした経験から、特にブライダル業界で活かせる強みを見極めましょう。目指す職種の特性を研究し、自分の経験や能力がどのように役立つかを具体的に照らし合わせてみてください。実際のエピソードとともに、あなたのスキルがどのように貢献できるかを明確に示すことで、より説得力のある志望動機を作り上げることができます。

ブライダル業界に効果的な志望動機の構成

ブライダル業界に効果的な志望動機の構成

【結論】なぜその企業なのか

【具体的なエピソード】ブライダル企業を選んだきっかけ

【入社後の展望】自分の強みをどのように活かして貢献できるのか

ブライダル業界に効果的な志望動機は、上記のように構成するとよいでしょう。

最初に結論を述べることで、採用担当者はあなたの志望理由をすぐに理解できます。さらに、具体的なエピソードを話すことで「この人は本当にこの仕事がしたいんだな」という説得力が生まれます。

最後に入社後の展望を伝えることで、「この人は将来どのような活躍ができそうか」を企業側がイメージしやすくなります。

採用側の立場に立って考えると、この構成が最もあなたの「熱意と将来性」が伝わりやすいといえるでしょう。

【結論】なぜその企業なのか

ブライダル業界全体に通用するような志望動機ではなく、「なぜ同業他社ではなくその企業なのか」を明確に伝えましょう。

同じ職種でも、企業によって特徴が違います。その企業の提供する独自のサービスや理念に共感したポイント、特定のブランドイメージや取り組みなど、魅力を感じた理由について具体的に述べると、企業への理解と強い志望意欲が伝わるでしょう。

企業ごとに要点をまとめ、企業が最も強みとしているポイントをしっかり把握しておくことが大切です。

【具体的なエピソード】ブライダル企業を選んだきっかけ

次に、ブライダル業界に関心を持つようになった背景やきっかけを具体的なエピソードと共に考えましょう。

たとえば、友人の結婚式を通して感動した経験や、自身がかかわったイベントで得た喜びなど、業界に対する強い興味を示すエピソードが効果的です。

また、会社説明会やインターンシップでの経験がある場合は、実際に企業の理念や現場の雰囲気に触れたことで、より深くその企業の魅力を実感していることが伝わり、志望動機に説得力が増します。

具体的な経験を交えることで、単なる憧れ以上の深い思いをアピールできるでしょう。

【入社後の展望】自分の強みをどのように活かして貢献できるのか

最後に、入社後に自身のスキルや強みをどのように活かして企業に貢献できるかを述べます。

たとえば、顧客に対する提案力や柔軟な対応力、イベントのスムーズな運営をサポートする調整力など、職務に関連するスキルを具体的に挙げ、自身が将来的にその企業でどのように役立てるかをアピールします。

もしくは、今後のブライダル業界の市場動向を分析し、どのようなサービスが求められるかについての見解を伝えてもよいでしょう。

企業があなたを採用することで得られるメリットについて、しっかりアピールすることが大切です。

ブライダル業界の志望動機例文【職種別3選】

志望動機例文①|ウエディングプランナー

例文

私は、ブライダル業界が大きな変革期を迎え、多様化するニーズに応えることで新しい価値を創造し続けている点に魅力を感じています。少人数婚やハイブリッド形式の結婚式が増えるなか、貴社が『一生に一度の思い出づくり』を使命として新たなスタイルを積極的に導入し、ホスピタリティを重視されている点に強く共感しました。
私がウエディングプランナーを志望するきっかけは、学園祭実行委員としてイベント企画を担当し、チームと共に目標達成へ導いた経験です。多くの人の期待に応えて成功を収めた経験から、人々の大切な思いを形にすることの素晴らしさを実感しました。
アルバイトで培った接客経験を通じて、臨機応変な対応力とお客さまへの気配りも身につけました。入社後は、これらの経験で得たプロジェクトマネジメント能力を活かし、カップル一組一組の思いを大切にしながら、最高の一日を実現できるプランナーを目指します。(400字以内)

企業のホスピタリティや新たなスタイルの導入への共感を述べることで、企業研究がしっかりできていることがわかり、志望意欲が伝わりやすくなっています。また、学園祭やアルバイトの経験を用いて、自分の強みを具体的にアピールしている点も好印象です。

改善点としては、接客経験や気配りの表現が少し抽象的で、より具体的なエピソードを加えることで、信憑性と説得力が高まるでしょう。たとえば、アルバイトで実際にどのような状況で柔軟に対応したかを示すと、能力がさらに明確に伝わります。

企業の取り組みをよく理解し、自分のエピソードと関連づける工夫が必要です。

志望動機例文②|ウエディングプランナー

例文

私は、お客様の喜びをやりがいにできるブライダル業界を志望しています。6カ月間のインターシップでは貴社のプランナーさんに付き、式の準備から当日までの仕事を体験させていただきました。

新郎新婦から難しい要望が出されたにも関わらず、どうしたら要望を叶えられるのか、解決策を必死に模索し、1つずつお客様に納得していただきながら進めていく姿勢に感銘を受けました。式当日、長期間にわたる準備のひとつひとつが、このひと時のために積み重ねられてきたものであることを実感しました。そしてこのひと時が新郎新婦の心に残り続ける幸せな時間になることを痛感しました。

これほどまでにやりがいのある職業はないと考えます。私はインターシップで感じた感動を忘れることなく、貴社でお客様に寄り添えるプランナーになりたいです。(350字以内)

インターンシップやアルバイトなどでブライダル業界を体験した人は、積極的にアピールしましょう。業界の雰囲気や業界内の常識を体験していることは大きなアピールポイントになります。参加した企業が違っていても問題はありません。

しかし憧れや感動が志望動機の根幹になってしまうとアピールが弱くなってしまいます。体験から学んだことや感じたことを動機につなげ、力強く志望度の高さをアピールすることが重要です。

志望動機例文③|ウエディングプランナー

例文

私は結婚した夫婦が結婚式を諦めることなく、自分たちらしく輝ける結婚式を提案したいと考え、プランナーを志望しました。

近年は結婚式を行わない新郎新婦も増えており、背景には金銭的な負担やゲストへの負担を避けたいといった要因があります。しかし、マイクロウェディングやカジュアルパーティー形式など、従来とは異なる方法を提案することで思い出に残る1日を過ごしていただけると考えています。時代とともに結婚式に対する考え方は変化しています。そのため、求める結婚式の形も人によって異なると思います。

貴社のオーダーメイド結婚式のサービスの良さを最大限に引き出し、お客様に「貴社に頼んで良かった」と心から喜んでいただけるような結婚式を提供していきたいです。(350字以内)

数ある企業の中から、その企業を志望する理由が明確に示されており、志望度の高さがアピールできています。また企業の強みと自分の思いがリンクしており、企業が求める人物像とのマッチ度も強調できています。

ブライダル業界全体の現状や動向にも目を向けているところが、業界への理解度も示せており好印象につながるでしょう。

その企業を志望する理由がまとまらない時は、その企業が得意分野や特徴に注目すると見えてきます。志望動機を作成する際は、企業研究をしっかりと行ったうえで取り掛かりましょう。

志望動機例文④|ドレスコーディネーター

例文

私は、ブライダル業界が変化する顧客ニーズに対応し、独自のスタイルで個性を引き出すサービスを展開している点に魅力を感じています。貴社は神前式やフォトウェディングなど、多様なスタイルに合わせたトータルコーディネートを提供し、新郎新婦の個性を引き出すことに力を注いでおられる点に大変共感しました。
私がドレスコーディネーターを目指すきっかけは、友人の結婚式準備に同行した際のことです。コーディネーターが友人の好みや体型にぴったりなドレスを提案し、友人が自信を持ってそのドレスを着る姿を見て、コーディネーターが新郎新婦にとって特別な存在であることを実感しました。
アルバイトでの接客経験を通じて、顧客のニーズに応じた柔軟な対応力とファッションセンスを磨いてきました。貴社に入社後は、私のクリエイティブな発想力を活かし、貴社の理念である「一生に一度の特別な日を最高の形で演出する」ことに貢献したいと考えています。(400字以内)

志望動機に自分の経験を盛り込むことは、他の応募者との差別化において非常に重要です。具体的なエピソードが加わることで、単なる意欲表明にとどまらず、実際に経験を通じて得た強みや学びを企業に伝えられます。

特に、企業が求めるスキルや価値観と、自分の経験で培った要素をリンクさせると、志望理由に説得力が生まれ、企業にとっても入社後の活躍がイメージしやすくなるでしょう。

経験をもとにした志望動機は、単なる「やりたい」ではなく「やれる」人物像を描き、信頼を得るための大きなポイントになります。

志望動機例文⑤|アテンダーの志望動機

例文

私は、親族の結婚式でアテンダーの姿に深く感銘を受けました。緊張で不安そうな新婦に寄り添い、さりげない声かけと柔らかな表情で落ち着かせていく姿からは、確かなプロ意識が感じられました。
その経験から、新郎新婦の心に寄り添うブライダル業界、特に一人ひとりの要望に丁寧に応える貴社でアテンダーとして働きたいと強く感じています。
学園祭実行委員の経験で培った、状況を瞬時に察知し柔軟に行動する力は、アテンダーとして新郎新婦の不安に寄り添う際に大いに活かせると確信しています。
入社後は、新郎新婦が人生最良の日を心から楽しめるようサポートすることを第一に、臨機応変な対応力とコミュニケーション力をさらに磨き、貴社のサービス向上に貢献してまいります。(350字以内)

親族の結婚式での感動からブライダル業界を志望した理由が具体的に伝わり、学園祭で培った判断力や柔軟性をアテンダー業務に活かしたいという姿勢が好印象を与えます。

さらに説得力を持たせるためには、志望動機に「入社後の具体的な貢献」を加えると良いでしょう。自分がどのように成長し、どのように貢献できるかを詳しく書くと、入社後のビジョンが見え、企業側も入社意欲を感じ取りやすくなります。

志望動機を書く際は、「なぜこの業界・企業で働きたいのか」「どのような力を発揮したいのか」「そのためにどう成長するか」を意識することで、より印象的な内容になります。

ブライダル業界の志望動機を伝える際の注意点

ブライダル業界でなければならない理由を伝える

ブライダル業界における志望動機では、他の業界でも応用できる内容ではなく、ブライダル業界特有の理由を明確に伝えることが大切です。

結婚式という一生に一度のイベントにかかわる仕事だからこそ、顧客の期待を超える体験や、特別な思い出を創り出す意義が強調できます。たとえば、「結婚式を通じて人々に幸福を届けたい」という具体的な思いを述べることで、ブライダル業界への強い熱意と理解が伝わるでしょう。

こうした志望理由は、自身の意欲や業界への理解度を採用担当者にアピールでき、競争の激しい選考で他の応募者との差別化につながります。

ブライダル業界への憧れだけを伝えない

志望動機でブライダル業界への憧れだけを述べるのは、具体性に欠けるだけでなく、「ブライダル業界のよいところしか見えていない」と採用担当者に判断される恐れがあります。

ブライダル業界を志望する人の多くが「人の幸せに貢献したい」という思いを抱いています。他の応募者との差別化をはかるためにも、具体的な経験やスキルを交え、業界特有の課題に応じた自分の強みを伝えることが重要です。

また、ブライダル業界の現状やトレンドを理解していることを示すと、実際の仕事に対する熱意や職務への適性を伝えやすくなり、志望理由に説得力が加わるでしょう。

志望動機にこだわってブライダル業界の内定をつかみ取ろう!

志望動機は、採用担当者の印象に強く残るものでなければなりません。そのためには、ブライダル業界全体の動向をよく理解し、今後のブライダル業界に何が求められているのか、自分の考えをしっかりとまとめておくことが重要です。

そのうえで、「企業ならではの特徴」と「自分がその企業で活かせる強み」をうまく組み合わせてアピールしましょう。志望動機の内容には、なるべく具体的なエピソードを入れ、他の応募者との差別化をはかるのがポイントです。

職種研究・企業研究・自己分析をしっかりと行い、採用担当者に想いが伝わりやすい構成で志望動機を作成しましょう。

こだわりの志望動機を作り上げて、人気の高いブライダル業界の内定をつかみ取ってください。

自己PRにリーダーシップを書くコツは?基本の構成と例文を紹介

「自己PRでリーダーシップをアピールしたいけれど、ESに書けるような立派なエピソードがない」「ありきたりな内容になってしまう」と悩んでいる学生は多いのではないでしょうか。

リーダーシップの形はひとつではありません。「自分らしいリーダーシップとは何か」を考えることで、他の学生とかぶらない魅力的な自己PRを作ることができます。

この記事では、企業に好印象を与えるリーダーシップのアピール方法を解説していきます。

企業に評価されるリーダーシップとは

自ら問題解決や目標達成に向けて行動できる

自らが先頭に立って問題や課題の解決に向けて動き、チームのメンバーに行動指針を示すことはリーダーシップの条件のひとつです。それによってチームの方向性が明確になり、一体感を向上させることができます。

指示がないと動かない、もしくは指示された以上のことはしない人がチーム内にいると、上司は自分の仕事を中断して、逐一指示を出さなければならず、結果としてチームの生産性が落ちてしまいます。リーダーという立場ではなくとも、人に言われる前に自ら問題や課題を見つけ、解決に向けて考えて動けるメンバーが多い方がチームの生産性が高まります。

学生時代に明確にリーダーというポジションを経験したことがなくとも、何事にも当事者意識を持ち、主体性を発揮してくれる人材であれば企業から高く評価されるでしょう。

他のメンバーの意思を尊重できる

他のメンバーの意見や意思を尊重することもリーダーシップの条件のひとつです。チームは異なる経験やスキル、バックグラウンドを持つメンバーの集まりです。それぞれの意見を尊重することで、異なる視点からのアイデアが生まれ、問題に対する多様な解決策が得られます。

また、リーダーがメンバーの意思を尊重する姿勢を示すことで信頼関係が生まれ、チーム内でのコミュニケーションがよりオープンになり、協力や連携が促されて業務効率が高まります。

チームを鼓舞して結束や士気を高められる

問題を抱えているメンバーを放置している職場では、メンバー間での助け合いが生まれず、結束が弱まります。チームに貢献しようという気持ちも生まれてこないでしょう。リーダーシップのある人は、自分の仕事だけでなく他人の状況にも目を配り、必要があれば励ましてチームの結束や士気を高めることができます。

チームのモチベーションを維持する上で、仕事に関して悩んでいるメンバーを適切にサポートしたり、励ましの言葉をかけたりすることは不可欠です。リーダーはチームメンバーのモチベーション管理も自分の仕事として引き受けることができるのです。

人を巻き込んで動かすことができる

目標を達成するためにはリーダー1人だけがやる気満々ではダメで、他のメンバーや関係者を積極的に参加させ、協力を得なければなりません。人を巻き込んで動かすためには、目標達成への熱意がなければ不可能です。

また、日頃からメンバーとコミュニケーションを重ね、信頼を築いておくことも必要です。視野が広く、周囲への気遣いができる人には信頼が寄せられ、メンバーもその人の意見を受け入れやすくなります。そうしたリーダーが提示する目標であれば、メンバーは共感を示し、その達成に向けて自分も努力しようという気持ちが生まれるでしょう。

リーダーシップを効果的に伝える構成

リーダーシップを伝える構成

①最初にリーダーシップが強みであることを述べる(キャッチフレーズで言い換えられると尚良し)

②リーダーシップを発揮したエピソードを紹介

③リーダーシップがどのような成果・結果につながったか

④リーダーシップを仕事にどう活かすか

一番始めに「リーダーシップ」が強みであることを述べましょう。結論を最初に持ってくることで、言いたいことが明確に相手に伝わります。シンプルに「私の強みはリーダーシップです」と書いても構いませんが、キャッチフレーズをつけたり、他の表現で言い換えたりすると、読み手にあなたのことを強く印象付けることができるでしょう。

次に、学生時代の経験でリーダーシップを発揮した具体的なエピソードを書いていきます。直面した困難についての記述はなるべく簡潔にまとめ、その解決に向けてあなたが考えて行動したこと、行動の結果として得られた成果の部分に厚みを持たせて書くようにしてください。可能であれば具体的な数値で成果をアピールできると説得力が増します。

最後に、あなたのリーダーシップをどう仕事に活かしていくのかを述べて全体をまとめましょう。

自己PRでリーダーシップをアピールする時のポイント

企業が求めるリーダーシップのあり方を把握する

一口にリーダーシップと言っても、自分が率先して動いて周りを引っ張っていくタイプのリーダーシップと、メンバーが意見を出しやすい環境を整備してチームの方向づけをするタイプのリーダーシップがあります。企業がどちらのリーダーシップを求めているかによって、自己PRに書くべきエピソードの中身も変わってきます。

経験した事実はひとつでも、どこにフォーカスを当てるかによってエピソードの印象を変えることができます。企業の求める人物像を事前にしっかりと把握し、企業のニーズに応じてエピソードをアレンジするようにしましょう。

挫折や失敗から得た学びを踏まえる

自己PRのエピソードには、成功談だけでなく挫折や失敗、そしてそこから得た学びも盛り込めるとあなたの人間性が伝わりやすくなります。

ESの記入欄に収まりきらなければ無理に書く必要はありませんが、面接ではESの内容を掘り下げた質問をされる可能性があるので、スムーズに答えられるよう準備しておくとよいでしょう。

リーダーシップを言い換えて差別化しよう

チームを統率するためのアプローチの仕方はさまざまあり、リーダーシップのとり方も人によってさまざまです。他の学生と差別化し、オリジナリティを出すために、リーダーシップを別の表現で言い換えてみましょう。

リーダーシップの言い換え表現としては、次のようなものがあります。

  • 周囲を巻き込んで物事を進められる力

  • メンバーの意見をまとめてチームの方向性を統一できる力

  • 物事を俯瞰して捉え、重要な意思決定ができる力

  • チームのモチベーションを管理できる力

  • イレギュラーな事態にも臨機応変に対処できる力

  • 集団をまとめる力

  • チームを引っ張る力

  • 統率力

  • 指導力

  • マネジメント力

  • 実行力

  • 決断力

学生時代の経験を深掘りしていくと、自分らしいリーダーシップのあり方が見えてくるはずです。チームをまとめる上で自分がどんな手段を取り入れてきたのか振り返ってみましょう。

【経験別】リーダーシップの自己PR例文

部活

例文

私は大学の演劇部での経験から、全体の課題解決に向けて自ら率先して動くこと、部員の意見を尊重して取り組むことの大切さを学びました。練習では部員たちから脚本の内容に対する不満の声が頻繁にあがり、演技練習が中断してしまうことが少なくありませんでした。そこで私は脚本のレベルを高めるため、地元の劇団の方に講師をお願いして脚本作りについての勉強会を開催しました。また、部員の意見を反映した脚本を完成させるために10回以上のミーティングを開催し、企画や構成を練り直しました。その結果、脚本のクオリティが劇的に向上し、部員の士気が高まったことで、学内演劇大会で優勝を果たすことができました。商品企画の仕事においても、周囲の意見を尊重し、チームで協力しながら目標を達成した経験を役立てられると考えております。(350字以内)

課題解決のために率先して行動する姿勢や周囲の意見を尊重して物事を決定する姿勢はリーダーシップの条件のひとつであるため評価できます。

ただし、商品企画という仕事と、周囲の意見を尊重してチームで協力しながら目標を達成するという経験の結びつきがやや弱い印象です。商品企画のプロセスにおいて、それらの強みをどう役立てられるのか、実際の仕事での再現性を意識して考え直してみましょう。

アルバイト

例文

私は大学時代、居酒屋のアルバイトで新人教育を任されたことをきっかけにリーダーとして必要なことを学びました。新人は仕事に慣れていないため、ミスをしてしまうことが多々ありました。そこで、私は本人の性格や飲み込みの早さに合わせた指導を心がけました。また、新人が仕事に早く慣れるように、先輩や同僚と協力して新人がミスをした際はその原因と改善策を一緒に考えてフォローしました。その結果、新人は1ヶ月程度で仕事に慣れ、ミスも大幅に減りました。自信がつくにつれて仕事へのモチベーションも高まり、常連のお客様からお褒めの言葉をいただけるようにもなりました。貴社に入社できた際には、リーダーとして相手の立場に立って考え、適切な指導を行う経験を活かし、周囲から信頼され、慕われる販売員を目指して仕事をしてまいります。(350字以内)

自分の功績よりも後輩である新人の成長に焦点を当てている点に好感が持てるエピソードです。本人への指導を工夫するだけでなく、先輩や同僚など周りの人も巻き込んで新人が早く仕事に馴染めるように尽力する姿勢からリーダーとしての素質が読み取れます。

新人教育において苦労した点や、新人が仕事に慣れるまでの期間をどの程度短縮できたのかなども盛り込めるとより具体性が高まるでしょう。

ボランティア

例文

私の強みはどんな時でもリーダーシップを発揮して臨機応変に対応できることです。大学のボランティアサークルに所属し、地域の小学生を対象とした野外イベントを担当した際、当日に台風が直撃し、プログラムを変更する必要に迫られたことがあります。私は参加者の安全を第一に考え、室内でできる企画を提案し、子供の興味や関心を把握するためのアンケートを実施しました。すると、全体的にYouTubeへの関心度が高かったことから、動画の制作や編集方法を学ぶワークショップの開催を決定しました。その結果、子供たちや保護者から「楽しくて勉強にもなった」という声をもらうことができました。貴社でのイベント運営においても、想定外の問題が起きた際でも状況を多角的に判断し、お客様にとって常にベストな対応をしていきたいと考えています。(350字以内)

イベント当日に台風が直撃して十分な準備期間も取れなかったにもかかわらず、機転を利かせて無事にイベントを成功させたのは立派な成果です。

イベントの運営者として参加者の安全に配慮し、子供たちの希望も踏まえた上で代案を提案している点から、物事を俯瞰して見るスキル他者の意見を尊重するスキルもアピールできており、リーダーシップを伝える自己PRとしては模範的な例文といえるでしょう。

ゼミ

例文

私は人を巻き込んで動かすことが得意です。大学のゼミでゼミ長を務めることになった際、メンバーのやる気が低く、活動が低迷していました。そこで、私は全員参加のミーティングを開き、ゼミの今後の方向性を統一するために「学会での最優秀賞獲得」を自分達の目標に設定しました。また、授業とは別に互いの進捗状況を報告しあう短時間のミーティングを2週間に1回実施し、交流の機会を増やしました。その結果、メンバーが主体的に活動に参加してくれるようになり、ゼミの雰囲気も明るく活発になりました。最終的に最優秀賞は逃したものの、優秀賞を獲得することができました。このように周囲を巻き込んで目標を達成した経験を活かし、貴社では皆を引っ張る頼れる営業マンとして活躍していきたいです。(350字以内)

ゼミのリーダーとしてチームの課題を分析し、共通の目標設定とコミュニケーションの活性によって停滞しているチーム活動を盛り上げたエピソードです。

やる気のないメンバーに働きかけるのは勇気のいることですが、短時間のミーティングを重ねてコミュニケーションを増やすことは信頼関係の構築につながっていきます。面接での深掘り質問に備え、メンバーの足並みを揃える上で苦労したことなどにもスムーズに答えられるように準備しておきましょう。

文化祭の実行委員会

例文

私の長所はチームをゴールに導くリーダーシップです。私の大学の文化祭は例年来場者数が前年を下回っており、今年は来場者数を前年から10%増やすことが目標でした。実行委員会の委員長としてメンバーと会議を重ねたところ、ステージ企画のマンネリ脱却が課題との結論に至りました。そこで私は新企画として大学OBのお笑い芸人の誘致を提案しました。OBの多忙さから話が難航し、諦めムードが漂う時期もありましたが、日々メンバーを説得し、OBが所属していた研究室の教授の協力も得て、なんとか誘致を実現できました。この企画が学内で話題を集め、最終的な来場者数は前年の15%と目標も達成できました。貴社に入社できた際には、持ち前のリーダーシップを活かし、困難にぶつかっても諦めず目標達成に向けて貢献していきます。(350字以内)

このエピソードでは、計画の途中で困難にぶつかっても諦めず、周囲のメンバーを励まし、第三者にも協力を要請して目標達成まで漕ぎ着けた点が評価ポイントです。数値でアピールできる成果を伴っているため、説得力もあります。

改善点としては、士気が低下している周囲のメンバーにリーダーとしてどう働きかけ、モチベーションを維持させたのかがもう少し詳しく書けると、あなたらしいリーダーシップのとり方が伝わるでしょう。

自己PRでリーダーシップをアピールする際に注意すること

協調性もアピールする

チーム内ではどうしても声の大きい人の存在感が大きくなりがちですが、自己主張が強いだけではリーダシップがあるとは言えません。リーダーがメンバーの意見に耳を傾けないワンマンな姿勢がチームに浸透すると、メンバーは仕事に対する意欲を失ったり、チームで対立や不協和音が生じたりします。

他のメンバーの意見を尊重してチームの結束を高めたエピソードなども盛り込み、協調性を兼ね備えていることを同時にアピールすることを心がけましょう。

チームの功績を自分だけの手柄にしない

自分の行動がチームの目標達成に貢献したとしても、たった一人で成し遂げられることはないはずです。自分の功績だけに焦点を当てると自信過剰、傲慢と思われる可能性があります。目標達成のためにチームのメンバーにどのように働きかけて、その結果チームがどう変わったのかをアピールするようにしてください。

メンバーがそれぞれの強みを発揮できるように準備や調整をしたエピソードがあれば、リーダーシップに加えてマネジメント力や指導力もアピールできて効果的です。

肩書きよりも成果を伝える

役職や立場をアピールしても行動が伴っていなければ意味がなく、かえって採用担当者の印象を悪くするおそれがあります。

公式にリーダーという肩書きが与えられていなくとも、自分がイニシアティブを発揮して他の人のために考えて動いた経験があれば、それも立派なリーダーシップです。肩書きだけに捉われず、成果を伝えることが大切です。

社風や業務内容を意識してリーダーシップを自己PRしよう!

熱意や情熱で人を動かすだけがリーダーシップではなく、「周囲の意見を尊重して問題の解決策を考える」「困っている人を励ましてモチベーションを維持させる」こともリーダーシップのひとつです。

どのようなリーダーシップが企業に求められているのかを分析し、社風や業務内容に合わせたエピソードを考えることが大切です。

自分らしいリーダーシップの表現方法を探し、他の学生に埋もれない魅力的な自己PRを完成させましょう。

志望動機で「魅力を感じた」を効果的に伝えるポイント【例文5選】

就職活動で志望動機を伝える際、「魅力を感じた」と表現することは多いですが、漠然とした表現では企業への熱意が十分に伝わらないことがあります。企業に対する共感や惹かれた理由について述べ、自分の経験や価値観と関連づけることで、採用担当者に強い印象を残せます。

本記事では、他の応募者と差別化するためのポイントや例文を紹介し、説得力のある志望動機の書き方を解説します。

企業が志望動機に注目する理由とは?

企業は志望動機について注目します。その理由は、応募者が会社に対してどの程度の関心や理解を持っているかを見極めるためです。志望動機は、単なる応募の動機を伝えるだけでなく、応募者が企業文化やビジョンに共感し、自らの価値観やスキルをどのように活かせるかを示す重要な要素です。

特に長期的な就業意欲が伝われば、将来の貢献度を採用担当者は予測しやすくなります。また、企業が求める人物像に合致しているかどうかも志望動機からは読み取れるため、採用の際の決め手にもなり得ます。

こうした点から、志望動機は単なる「理由」以上の意味を持ち、企業と応募者のマッチングを図るための重要な判断材料となるのです。

志望動機を書くときの4つのポイント

企業が求める人物像を理解する

採用担当者に伝わる志望動機を書くためには、まず企業が求める人物像を理解することが大切です。企業のウェブサイトや採用ページ、または募集要項などから、企業がどのような価値観やスキルを重視しているのかを調べましょう。

特に企業が掲げるビジョンやミッション、求めるスキルや経験に注目し、自分の特徴と照らし合わせます。そうすることで、採用担当者にも「この人なら活躍してくれそうだ」と感じてもらいやすくなります。

自分の強みと企業の魅力を関連付ける

志望動機には、自分の強みと企業の魅力を関連付けて書くと効果的です。例えば、企業が求めるスキルや経験と自分の持つ強みが一致する場合、それを具体的に言及し、どのように役立てられるかを伝えましょう。

企業が行っている事業や自身が行ったことについて、共感・一致していれば、それと自分の強みを結びつけて表現するのも良い方法です。こうした工夫により、採用担当者に「この企業だからこそ働きたい」という意欲がよりリアルに伝わります。

具体的なエピソードを交える

志望動機に具体的なエピソードを交えることで、説得力が増します。たとえば、自分が過去に成し遂げたことや取り組んだゼミの研究、インターンなどで経験したプロジェクトの中などで、企業の価値観や業務内容に関連するものがあれば、それを紹介しましょう。

エピソードがあることで、応募者の実績やスキルが言葉以上に信憑性が高まり、強い印象を採用担当者に与えることができます。また、エピソードがその企業に合った内容であれば、実際の業務での活躍も想像しやすくなります。

簡潔で分かりやすい表現を心がける

志望動機を書く時は簡潔で分かりやすい表現が重要です。採用担当者は多くの応募書類に目を通すため、冗長な表現や曖昧な表現は避け、ポイントを絞って伝えることを意識しましょう。例えば、自分の強みや企業に惹かれた理由を短い文章でまとめ、要点が伝わりやすいよう工夫することが大切です。

また、分かりやすい言葉を選び、構成にも注意することで、読み手の理解が深まり、企業への熱意もしっかりと伝わります。

志望動機で「魅力を感じた」と伝えるときのコツ

「魅力を感じた」はよく使われるフレーズですが、それだけでは採用担当者に十分な印象を与えるのは難しいです。どこに魅力を感じ、なぜ惹かれたのかを志望動機に反映することで説得力が増します。ここでは、「魅力を感じた」ことを上手に伝えるための書き方のコツをご紹介します。

魅力を感じた点を具体的に伝える

「魅力を感じた」と書く場合には、具体的な内容を含めて伝えることが重要です。例えば、企業の社会貢献活動や業界におけるリーダーシップなど、具体的な取り組みや特徴に触れ、それが自分にとってどう魅力的に映ったのかを詳しく説明しましょう。

さらに、その魅力を感じた背景や理由についても触れると、より説得力が増します。自分の経験や価値観と関連づけて、「自分ならこの企業で成長できる」と感じたエピソードや視点を盛り込むことで、採用担当者にとっても印象に残りやすくなります。具体性が加わることで、企業への深い理解や興味が伝わり、好印象を与えることができます。

企業研究をしっかりと行う

「魅力を感じた」ことを伝える際は、企業のウェブサイトや採用ページ、ニュース記事などを活用し、企業の理念や業界でのポジション、独自の強みを理解しましょう。

さらに、企業の強みが自分のキャリアビジョンや価値観とどのように一致するのかを考えることも大切です。また、企業の最新の取り組みや目指す方向性を調べておくことで、面接でもその理解を深めた発言ができ、志望動機に説得力を加えることができます。

企業研究を通して得た具体的な情報をもとに、「なぜこの企業なのか」を自信を持って説明することが、他の応募者との差別化にもつながるでしょう。

エピソードに合った表現に言い換える

具体的なエピソードに基づいて適切な言葉に言い換えることで、より説得力が増します。例えば、挑戦したいと感じた場合は「新たな技術に挑戦し、自己成長を目指したいと考えています」や、共感した活動に対しては「貴社の地域貢献活動に心を動かされ、同じ目標に向かいたいと感じました」などの表現に置き換えましょう。

「魅力を感じた」と一言で伝えるよりも、エピソードに合った言葉を上手に選べば、イメージがより深く伝わります。

志望動機における「魅力を感じた」の言い換え例

志望動機で「魅力を感じた」と伝える際は、他の表現に言い換えることで、より具体的で印象に残る内容にすることができます。例えば、「挑戦したい」「貢献したい」「成長できる」「実現したい」といった言葉を使うと、自分の志望度やキャリアの方向性が明確になります。

また、「心を動かされた」などの表現を取り入れると、企業の理念や活動に対する深い共感が伝わりやすくなります。言い換えによって、熱意と意図がよりクリアに採用担当者に届くため、積極的に活用しましょう。

挑戦したい

「挑戦したい」は、企業の新しいプロジェクトや急成長している分野への取り組みを知り、それに携わりたいという強い意欲がある場合に、この表現が適しています。

例えば、「御社の革新的な技術に挑戦したいと思っております」というように、自身の経験に沿って新たな課題に向き合いたい気持ちを示しましょう。

「挑戦したい」には向上心が含まれており、採用担当者に対して成長意欲が強い人物であると認識してもらうことができます。この表現を使うことで、企業が求める新しい価値を創出できる可能性を示し、意欲的な印象を与えられるでしょう。

実現できる

「実現できる」は、具体的なビジョンがあり、それを志望企業で実行したいという気持ちを伝える際に有効な表現です。

例えば、「貴社のグローバル展開に参加することで、自分の経験を活かして新市場開拓に貢献し、目指すビジョンを実現できると感じました」という形で、自分のキャリアビジョンと企業の成長方向が一致している旨をしっかりと伝えましょう。

「実現できる」という言葉は、ただの興味や憧れではなく、具体的な目的とその手段を示唆しており、志望動機に信念と行動力が備わっていることを印象づけます。

貢献したい

「貢献したい」は、ビジョンや社会的使命に共感しており、その実現に自分が役立ちたいという気持ちを表します。例えば、「貴社の地域社会への貢献活動に強く共感し、自分のスキルを活かしてその取り組みに貢献したいと考えています」と伝えると、社会貢献への意識が高いことが伝わります。

この言い換えは、単なる自己実現だけでなく、企業と社会に対する価値提供を目指している姿勢を示し、採用担当者に「他者への貢献意識がある」という好印象を与えることができます。

成長できる

「成長できる」は、自身のスキルアップやキャリアアップのために伝える言葉です。企業の研修制度やチャレンジングな環境に魅力を感じ、それを通じて成長したいという思いがある場合に適しています。

例えば、「貴社の充実した研修制度により、さらに専門知識を深め、成長できると感じました」と述べると、自身の向上心と学ぶ意欲が伝わります。「成長できる」を使うことで、入社後も継続的に努力する姿勢をアピールできます。

心を動かされた

「心を動かされた」は、理念や活動に感銘を受け、自分もその一員として働きたいと感じた場合に適しています。例えば、「貴社が行う環境保護活動に心を動かされ、自分もその取り組みに加わりたいと感じました」と伝えることで、深い共感が伝わります。

この表現は、企業の理念や社会的使命に対して賛同していることを示し、単なる興味を超えた「共感の深さ」をアピールできます。

「魅力を感じた」を効果的に伝える志望動機の例文

企業理念や社風に共感した例文

例文

私は貴社の『人と人とのつながりを大切にし、社会全体の発展に貢献する』という企業理念に強く共感しています。これまで、私は人とのコミュニケーションを重視しながら部活動やアルバイトなどに取り組んできました。特に大学時代にはボランティア活動に力を入れ、地域の方々と協力し、信頼関係を築くことの大切さを学びました。この経験を通じて、人と人のつながりがいかに社会にポジティブな影響を与えるかを実感しています。貴社の社員が協力し合い、同じ目標に向かって前進する社風にも魅力を感じており、自分もその一員として社会貢献に携わりたいと考えています。私自身の価値観と貴社の理念が一致していることから、より積極的に関わり、自分の成長を図りながら貴社に貢献したいという強い意欲があります。(350字以内)

企業理念に共感した具体的な理由を自分の経験と関連づけて述べており、説得力があります。また、社風にも触れて入社後の意欲を示している点も良いです。

改善点としては、やや長くなりがちなため、ボランティア経験と企業理念の関係を簡潔にまとめると読みやすくなります。企業の最新情報や独自の取り組みに触れると、さらに理解度が伝わる志望動機が書けるでしょう。

企業の成長性や将来性に惹かれた志望動機例

例文

貴社がAI技術を活用し、次世代のデジタルソリューションを提供することで業界内で急成長している点に非常に魅力を感じています。私は大学でAI技術を活用したデータ分析のプロジェクトに携わり、その技術がもたらす社会的な影響力の大きさを実感しました。貴社がAIを用いた新規事業やデジタルイノベーションに挑戦し続ける姿勢に共感し、私もその一員として、技術を通じて社会に価値を提供したいと強く思っています。また、貴社が今後拡大を予定している新興市場でのビジネス展開にも関心があり、グローバルに展開する貴社の成長戦略に貢献することで、私自身もキャリアの幅を広げ、スキルを更に向上させていきたいと考えています。貴社の成長に伴い、共に新たな未来を切り開いていく挑戦に携わりたいという思いで、今回応募させていただきました。(350字以内)

企業の成長性と将来性に魅力を感じる理由を具体的な経験と結びつけ、説得力がある点が良いです。AIプロジェクトでの経験が企業の取り組みに共鳴しているため、熱意が伝わりやすくなっています。

さらに良くするためには、入社後に自分が担う役割具体的な貢献方法に触れると、より実践的な志望動機になります。成長性に惹かれる場合、企業の未来像と自分のキャリアビジョンを一致させることがポイントです。

企業の独自の強みに魅力を感じた志望動機例

例文

貴社の強みである独自の環境保護技術に大きな魅力を感じています。私は大学で環境科学を専攻し、卒業研究では地球環境に負荷をかけない持続可能なエネルギーについて研究しました。その中で貴社の技術が注目されていることを知り、業界でのリーダーシップに感銘を受けました。貴社が提供する『環境と共存する技術』は、社会に必要な価値であり、私もこの分野でスキルを磨きながら貢献していきたいと考えています。また、貴社が環境保護活動を事業の柱に据え、長年の技術開発で確立したノウハウを新たな市場にも広げている点に共感しました。自分もこの一員として、環境保護と企業の成長を両立させる未来を共に築いていきたいと思っています。(300字以内)

企業の強みである環境保護技術に対して具体的な共感ポイントを述べ、自分の研究内容と関連づけているため、志望理由の一貫性が出ています。企業の独自技術に対する理解と、その分野での自己成長の意欲が伝わりやすいです。

また入社後に自分が具体的にどのように関わりたいかを明示すると、より一層の説得力が増します。企業の強みに関する情報を調べ、自身の強みと結びつけることで具体性が増し、魅力的な志望動機になります。

研修などの制度に魅力を感じた志望動機例

例文

貴社の充実した研修制度に非常に魅力を感じ、応募いたしました。私は、仕事を通じて自分のスキルを継続的に磨き、成長したいと考えていますが、貴社の研修制度は新入社員からリーダー候補まで段階的にスキルを高めるカリキュラムが整っていると伺い、大変心強く思いました。特に、他部署の業務も学べるジョブローテーション制度に興味を持っており、多角的な視点を身につけることで、広い視野を持って業務に取り組む力を培いたいと考えています。貴社の研修環境でスキルを着実に高め、将来的にはプロジェクトのリーダーとして貢献し、企業の成長にも貢献したいと考えています。このような長期的なスキルアップの場を提供してくださる貴社で、自己成長を目指したいという思いが強くなり、今回志望いたしました。(350字以内)

この例文では、研修制度の具体的な内容と自分の成長意欲を関連付けている点が良いです。ジョブローテーションに関心を持ち、その学びをどう生かしたいかまで述べているため、入社後のビジョンが伝わりやすくなっています。

もう少し入社後の具体的な貢献内容に触れると、より説得力が増すでしょう。制度の理解と自分のキャリア計画をリンクさせるのは難しいかもしれませんが、具体的に書くことで強い印象を与える志望動機になります。

社員の人柄に魅力を感じた志望動機例

例文

貴社の会社説明会に参加した際、社員の皆様の温かい人柄と協力的な社風に強く惹かれました。説明会で感じた、どんな質問にも親身に応じてくださる姿勢から、社員の方々が互いを尊重し合いながら働いている環境が伝わり、私もその一員として成長したいと感じました。私は学生時代にプロジェクト活動に参加し、仲間と信頼関係を築きながら目標達成に取り組む大切さを学びました。貴社のような温かい人柄を持つ社員の皆様と共に、私も周囲をサポートしながら協力し、チームの成功に貢献したいと考えています。貴社で働くことで、他者と協力し合いながら成果を上げる力をさらに強化し、社会に価値を提供するプロフェッショナルとして成長したいと強く志望しています。(350字以内)

この例文は、会社説明会での具体的なエピソードを交え、社員の人柄に感銘を受けた点をよく表現しています。また、自分のプロジェクト経験と社員の人柄が合致することも記されており、入社後の活躍がイメージしやすくなっています。

入社後に何の職種で、どのように貢献できるかを具体的に伝えることで、志望動機がさらに明確になります。企業文化と自己経験を結びつけることで説得力が増します。

「魅力を感じた」を志望動機で使うときに気をつけるべき点

抽象的にならないよう具体性を持たせる

「魅力を感じた」と伝える際に抽象的すぎると十分に伝わりません。たとえば「御社の成長性に魅力を感じました」というだけでは、何が具体的に魅力的だったのかが分からず、単なる表面上の理由と思われる可能性があります。

魅力を感じた背景や具体的な取り組みについて触れることで、志望動機に説得力が増します。自分の経験や価値観と結びつけ、「なぜ自分にとって重要か」を伝えることが、具体性を持たせるポイントです。

独自のエピソードなどで他の応募者と差別化を図る

「魅力を感じた」という表現は広く使われるため、他の応募者と内容が似てしまい、差別化が難しくなってしまいます。多くの応募者が同じような理由を述べると、採用担当者に印象が残りにくくなるでしょう。

そのため、自分ならではの視点や経験をもとに、「なぜこの企業でなければならないのか」を強調すると良いでしょう。独自のエピソードや実績を交えて志望動機を説明することで、他の応募者との差別化が図れます。

自己分析に基づいた志望動機を作成する

「魅力を感じた」だけで終わると、自己分析が不十分な印象を与えてしまう可能性があります。魅力を感じる理由を掘り下げずに書くと、企業に対する理解が浅いと思われたり、自分の強みや価値観が明確でないと判断されたりすることがあります。

自己分析をしっかり行い、自分がなぜ企業の理念やビジョンに共感し、それがどのようにキャリア形成に繋がるのかを考えることが大切です。深掘りすることで、志望動機がより一貫性のある内容になります。

志望動機で企業に対して効果的にアピールしよう

「魅力を感じた」と伝える際は、具体性を持たせ、他の応募者との差別化を図ることが重要です。魅力を感じたことをただ述べるだけでは不十分で、なぜ企業の強みや理念に共感したのか理由を添え、自分の経験や価値観と関連づけて具体的に伝えると、説得力が増します。

また、自己分析をしっかりと行い、自分がその企業で成し遂げたいことや貢献したい意欲を明確にすることで、採用担当者に好印象を与えられます。志望動機を通じて、自分の強みと企業への本気度を伝え、効果的なアピールを目指しましょう。

【例文あり】自己PRの箇条書きはあり?就活生と差別化してアピールする方法

「自己PRに箇条書きを使ってもいいの?」「箇条書きだと、採用担当者に悪い印象を与えてしまうのでは?」と、自己PRの書き方に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

箇条書きはひと目で強みを伝えることができ、他の就活生と差別化することができるので、上手に活用できれば、採用担当者の目を惹く自己PRを作成することができます。

本記事では自己PRで箇条書きを使うメリットや注意点について解説していきます。また、箇条書きを使うステップや箇条書きを使った自己PRの例文も紹介するので、自己PR作りに苦戦している方は参考にしてみてください。

自己PRは箇条書きでも問題ない?

自己PRは1つの文章にまとまっているイメージがあるので、箇条書きにしてもいいのか悩む方もいるでしょう。結論として、自己PRに箇条書きを使うのは問題ありません。

自己PRは学生の強みをどのように業務で活かせるのかを確認することが目的なので、わかりやすく伝えることが重要です。箇条書きは効果的に使うと読みやすく、他の就活生との差別化も図れるため、適切に使うと自己PRのクオリティが上がることもあります。そのため、箇条書きで自己PRを作成しても、印象が悪くなることはありません

しかし、箇条書きの使い方を間違ってしまうと、印象が悪くなってしまう場合もあります。箇条書きを使う場合は、ポイントを押さえ、採用担当者の目を惹く文章を心がけ作成していきましょう。

自己PRを箇条書きにする3つのメリット

内容がダイレクトに伝わりやすい

自己PRは採用担当者にとって読みやすく理解しやすい文章にすることが大切です。

文章のみで作成した場合、学生のアピールしたい強みを理解するためには、1文すべて読み終える必要があります。長い文章の自己PRだと、内容を誤解して読み進めてしまうこともあるでしょう。

箇条書きで作成するメリットは、強みがはっきりするので内容がダイレクトに伝わることです。注目して欲しい部分を箇条書きにすることで、誤解することなく正確に伝えることができます。

採用担当者の目を惹く

自己PRを箇条書きで作成すると、読みやすさだけでなくパッと目を惹く文章になります。採用担当者は多くの応募書類に目を通していることもあり、長い文章の自己PRだと読む気が削がれてしまうこともあります。

内容は魅力的でも読みづらい自己PRだと、読み飛ばされてしまう恐れがあり、アピールポイントが十分に伝わりません。

箇条書きは視覚に訴える効果があるため、採用担当者の目に止まり、興味を持ってくれることが期待できます。他の学生と差別化もできるので、印象の残る自己PRになるでしょう。

文章にリズムが生まれ読みやすい

文字だけの長い文章が続いている自己PRでは、採用担当者が読みづらさを感じることがあります。一部を箇条書きで作成すると、文章にリズムが生まれるため読みやすくなります。

ESでは限られた文字数で、魅力が伝わる文章を作成しなければいけません。箇条書きで作成した自己PRは、文章にメリハリがつくことで、淡々と長い自己PRよりも好印象を持たれることがあります。

また、学生のなかには自己PRの文章がうまくまとまらないと悩む方もいるでしょう。自己PRを書きやすくするためにも、箇条書きを使うことが効果的です。

自己PRを箇条書きで書くコツ

アピールする強みは3つ以内に絞る

自己PRを箇条書きで作成するときは、アピールする強みを3つ以内に絞りましょう。複数の魅力をアピールすると、1つ1つの強みの印象が薄くなり、自信のある強みを担当者が理解できません。

強みが多いから評価されるのではなく、説得力のある強みを伝えることが大切です。強みを厳選できない場合は、自己分析を行い自己理解を深めてみましょう。

また、箇条書き部分を長くし過ぎないよう注意が必要です。強みを絞ったにも関わらず、箇条書き部分を長くしてしまうと、コンパクトに物事を表現できないとマイナスに評価される恐れがあります。注意しましょう。

企業に魅力が伝わる内容にする

箇条書きで目を惹き理解しやすい文章にしても、企業の求める人材や内容にマッチしていないければ、採用担当者に魅力を感じてもらえません。自己PRは、自分の強みを応募先企業にどのように活かせるのかを伝えることが重要です。

そのためには、企業研究を行い、企業が求める人材を理解する必要があります。企業研究は時間をかけて念入りに行うことで、求められるスキルやその企業の求める人物像がわかるようになります。

また、入社後のミスマッチを防ぐことができ、志望動機の作成にも役立ちます。企業の新卒採用サイトや公式ホームページ、内定者の口コミサイトなどを確認してみましょう。

エピソードも記載する

箇条書きはあくまでも軸となるポイントを伝えるために使います。箇条書き部分だけでは、強みは理解できても学生がどのような人物なのか理解できません。

採用担当者は採用するメリットだけでなく、学生の人柄価値観についても自己PRから知りたいと考えています。そのためには、具体的なエピソードを記載して、文章を補足することが重要になります。

箇条書きにしたポイントとエピソードはそれぞれ異なるもので用意するのがポイントです。3つの強みにそれぞれ違うエピソードを説明することで、より学生の人間性が伝わり、採用担当者がイメージしやすくなるでしょう。紹介できるエピソードが思いつかない場合は、他の強みを探すのも方法の1つです。

自己PRに箇条書きを使う4つのステップ

1.始めに結論として強みを伝える

自己PRの作成では、まず始めに結論として強みを記載します。箇条書きにする場合は、以下のように伝えます。

  • 「私は接客のアルバイト経験から、以下の3つの強みを培いました。」
  • 「私の長所は行動力です。この強みから以下の3つの成果を得ることができました」

最初にどのような内容の強みなのか、いくつのアピールポイントがあるのかを伝えることで、採用担当者が内容を理解しやすくなります。文章の流れを明確にすると、論理的に文章を作成する力があると示すこともできます。

2.アピールポイントを箇条書きにする

続いて、アピールポイントを箇条書きにしていきます。企業が求めているスキルにマッチする強みは、1番最初に書くことで採用担当者の目に入りやすく印象アップにつながります。アピールしたい強みが1つの場合は、エピソードや説明文を箇条書きにします。

箇条書き部分は長文にするのではなく、わかりやすく簡潔に伝えることがポイントです。箇条書き部分を強みとする場合、エピソードを箇条書きの下に後述するので、詳細に記載しないようにしましょう。

3.強みを発揮したエピソードを紹介する

箇条書き部分だけではアピールポイントに具体性がないため、強みを発揮したエピソードを付け加えます。強みの根拠となる経験や、行動についてのエピソードは、採用担当者が学生を採用するにあたって重要な判断材料となります。

そのため、エピソードの内容は具体的であるほど、説得力のある強みになります。ゼミの活動、アルバイト、サークルなど、さまざまな場面から強みにマッチするエピソードを選びましょう。

とはいえ、自己PRには文字制限もあるため、文章量を多くし過ぎないように注意が必要です。

4.強みをどのように活かしていくかを記載する

自己PRの最後は、強みをどのように活かしていくのかで締めくくります。入社後の展望を述べることで、学生のポテンシャルや採用するメリットを判断できます。応募先の企業に貢献できる人材だと評価されると、前向きに採用を考えてもらえるでしょう。

どう活かしていくか言及する際は、企業研究で得た企業の将来性課題などに触れられると、自社への志望度が高いという良い印象につながります。

ここでは「企業の利益に貢献できること」を意識した回答がおすすめです。

自己PRで箇条書きを使った例文

例文①

例文

私の長所は以下の3つです。

  • 主体性:自ら積極的に行動する力がある
  • 課題解決力:課題を冷静に分析できる
  • 協調性:周りの意見を取り入れることができる

私は映画館のオープニングスタッフとしてアルバイトした経験があります。スタッフ全員が未経験のため、わからないことは自分で解決する必要がありました。仕事を覚えるためにも社員に積極的に質問を行い、お客様にとって良い環境を整えられるよう様々な提案や課題解決に努めました。

また、所属していた軽音サークルでは、メンバー内で異なる意見が出ることもありましたが、全員が納得できる妥協点を探すことができました。

貴社に入社した際は、チームワークを大切にしながら、何事にも積極的に取り組み、業績に貢献できる社員を目指したいです。(350字以内)

アピールポイントを複数紹介する際の例文です。結論→アピールポイント→エピソード→活かし方といった順番で構成できているので、読みやすく理解しやすい自己PRができています。

アピールポイントが長文だと、強みが伝わりづらくなるため、例文のように簡潔に伝えるようにしましょう。

2つのエピソードから説明することで、強みに具体性が増した内容になっています。最後の活かし方では、企業の特徴について触れるとさらに熱意が評価される可能性があります。

例文②

例文

私は部活動で、以下3つの強みを学ぶことができました。

  • リーダーシップ:チームメンバーを引っ張る力がある
  • チームワーク:団結力を高めることができる
  • 実行力:課題を解決するために実行できる

私は高校・大学時代にサッカー部で部長を務めました。大学ではチームワークの欠如により負けが続いていました。改善するにはメンバーの目指す方向を一緒にすることが重要だと考えました。1人1人に意見を聞き、全体ミーティングも頻繁に行うことで、メンバー共通の目標を掲げることができました。その結果、チームワークが向上し、試合では勝率を11%上げることができました。

このように、私はリーダーシップを発揮し、チームワークを改善するために実行できる人間です。貴社はチームワークを大切にする企業だと説明会で伺ったので、部活動で培った強みは十分活かせると思います。(400字以内)

部活動のエピソードで培った強みをアピールする例文です。箇条書き部分で強みを簡潔かつ具体的に伝え、エピソードで具体的に補足した説明を書きます。

強みのエピソードを後述することで、箇条書き部分の内容が頭に入りやすく、すっきりとした印象を与える構成になります。少々長い印象があるため、削れる部分は削除すると、さらに読みやすい自己PRになるでしょう。

最後の部分は企業の説明会について触れているので、企業への理解度を示せる文章になっています。

例文③

例文

私の強みは継続力です。この強みがあることで、大学時代に以下3つの成果を上げることができました。

  • TOEIC450点を勉強を続けて700点まで上げた
  • 家庭教師のアルバイトで生徒の英語の成績を40点アップさせた
  • ゼミの研究活動のために1年間欠かさず調査を実施

私は学び続ける力を大切にしているので、自分が求める結果を出すまで努力を続けることができます。最初はうまくいかなくても、コツコツ続ける努力は結果になって現れると信じて前向きに行動できます。

ITエンジニアの仕事は日々進化し続けるIT技術を学び続ける必要があります。この学び続ける強みを活かし、貴社の業務において新しいことを吸収しながら目標に向かって努力していきたいです。(350字以内)

ITエンジニアに応募する例文です。伝える強みは1つで、強みに関するエピソードを簡潔に箇条書きで紹介しています。1つの強みを強調して伝えたい場合は、こちらの例文を参考にしてください。

強みではなくエピソードを箇条書きで作成すると、エピソードが全体に埋もれないため、採用担当者に理解してもらいやすくまります。

1つの強みしかアピールしない場合は、必ず企業が求めるものにマッチしているかを考えましょう。

自己PRを箇条書きにする際の注意点

箇条書きのみはNG

読みやすく理解しやすい箇条書きですが、箇条書きのみの自己PRはNGです。箇条書きしかない自己PRは、内容が薄く事務的な印象を与えてしまい、人間味を感じることができません。また、採用担当者に「手を抜いている」「やる気がない」と思われる恐れがあります。

自己PRでは応募先に対する熱意を示す必要があるため、箇条書きのみではポテンシャルが伝わらないでしょう。箇条書きはわかりやすく伝える手段の1つなので、ピンポイントで使用し、必要な文章は加筆を行いましょう。

強みに矛盾はないか確認する

アピールポイントを決めるときは、矛盾した強みを選ばないように注意しましょう。例えば、「仕事をスピーディに進められる」「物事を丁寧に確実にこなす」といった強みでは矛盾が生じるため、どちらを本質だと思っていいのか困惑してしまいます。

伝えたい強みを厳選した後は、矛盾がないか確認してから作成を続けましょう。強みを言い換えて対処できる場合もあるので、以下を参考にしてください。

「仕事をスピーディに進められる」→「行動力がある」

「物事を丁寧に確実にこなす」  →「正確性がある」

このように言い換えると、矛盾なく伝えることが可能です。

無理やり箇条書きにする使う必要はない

箇条書きを使うメリットはありますが、無理やり箇条書きに当てはめて考える必要はありません。100~200字の文字数制限があったり、伝えたい強みにストーリー性がある場合は、箇条書きを使うことで却って読みづらい文章になってしまうこともあります。

箇条書きは複数のアピールポイントを伝えるときや、長い文章をコンパクトにまとめるときに効果のある方法です。伝えたい強みやエピソードが1つしかない場合や、文章だけでもまとまっているのなら、箇条書きを使わずない自己PRを作った方ほうが良い印象を与えます。

必ずしも箇条書きを使う必要があるわけではないので、必要に応じて正しく使うようにしましょう。

箇条書きを使って目を惹く自己PRを作成しよう!

自己PRは箇条書きを使ってアピールすることができますが、適切に使うことがポイントです。採用担当者が受け取る印象が大事なので、読みやすさを重視して文章を作成しましょう。

箇条書きを使うことでパッと目を惹き、文章にリズムが生まれ読みやすくなります。また、他の学生と差別化できるため、印象に残る自己PRができるでしょう。

ポイントを押さえ、自分の強みが最大限に伝わる自己PRを作成しましょう。

【例文あり】ボランティア活動をガクチカで効果的にアピールする書き方

ボランティア活動はあなたが自らの意志で行います。目標達成に向け主体的に動く姿勢は、企業で高く評価されるでしょう。活動を通して学べることも多く、ガクチカに書くには最適な題材です。

しかし、書きやすいからこそ、ガクチカのテーマに据える学生も少なくありません。ライバルとの差別化なしには、効果的に自己アピールできないでしょう。題材の選択や強調ポイントを誤ると、意図が十分に伝わらず、曲解されることもあります。

ここではガクチカにボランティア活動を取り上げるときに意識したいポイントや、注意点を説明します。また実際の例文を交えながら、企業にあなたをアピールする効果的な書き方をお伝えします。

ガクチカにボランティア活動を挙げる4つのメリット

物事への主体的な姿勢を示せる

ガクチカにボランティア活動を取り上げると、物事への主体的な姿勢を示しやすくなります。

ボランティア活動は、強制されておこなうものではありません。参加するのも、活動内容を決めるのも、あなた自身です。課題を見つけ、目標に向けて行動します。あなたの主体的な姿勢は、企業に高く評価されるでしょう。

企業が欲するのは、主体的に動き、会社を成長させられる人材です。与えられた仕事をこなしているだけの人材に成長は見込めません。主体的に課題を見つけ、アイデアを出しあってこそ成長が望めます。

ボランティア活動は、主体性を求める企業のニーズと合致しているため、評価に結びつきやすいメリットがあります。

目標達成に向けた継続的な努力は評価が高い

ボランティア活動は、あなたの継続的な努力をアピールできます。課題に真剣に取り組み、努力を続ける姿勢は、企業に好意的に捉えられるでしょう。

どのような仕事でも、継続性は不可欠です。すぐに投げ出しては業務を遂行できません。成功を収めるまで、辛抱強く取り組む姿勢が求められます。

長期にわたり継続的にボランティア活動に取り組む人は、問題解決や目標達成に向け地道に努力しています。仕事においても、課題や目標に向け腰を据えて取り組めるとみなされ、安心して仕事を任せられる人材であると判断されます。

仕事に活かせる能力を論理的に説明ができる

ボランティア活動は、学んだことや仕事に活かせる能力を、論理的に説明しやすいというメリットがあります。

ボランティアが必要とされるのは、何らかの困難に直面している場面です。解決方法は、あなた自身で見つけ出さなければなりません。工夫して困難を解決しているうちに、たくさんの学びが生まれます。

ガクチカで書きたいのは、活動から得た学びを、仕事につなげるストーリーです。ボランティア活動は困難となっている問題が明確にあることが多く、学びを得やすい環境です。体験をそのまま書くことで、苦労せずにストーリーを組み立てられるでしょう。

問題解決能力、コミュニケーション能力を証明できる

ボランティア活動は、問題解決能力コミュニケーション能力の証明にも役立ちます。ボランティアは、直面する課題に自分自身で対峙します。試行錯誤しながら対処するうちに、高い問題解決能力が身につきます。

また人を手助けする場合、困っている人のニーズを正確に把握しなければなりません。真剣に人と接することで、コミュニケーション能力も高められるでしょう。

さらにボランティアどうしの協力でも、コミュニケーションの機会があります。ボランティア活動は、自然とコミュニケーション能力が高まる環境なのです。

問題解決能力・コミュニケーション能力は、社会では必須の力です。ボランティア活動の経験者は、社会人としての基盤ができているとみなされるでしょう。

ガクチカにボランティア活動を挙げるときのポイント

人柄が見えるよう記述する

ガクチカにボランティア活動を挙げるときは、あなたの人柄を表現できるよう工夫しましょう。ボランティアはガクチカで取り上げやすい題材です。仕事に直結する能力を説明するだけでは、差別化を図れない可能性があります。

ポイントとしては、話の随所にあなたの想いをしっかりと書き入れることです。人柄は、物事にどのような想いを抱くかで判断できます。取り組みのきっかけを書く段階から、自分の想いを入れ込みましょう。

採用担当者は、能力を誇示するだけの文章より、人柄が見える文章を好みます。社風に合う人材か判断しやすくなるためです。人柄が見えない文章だと、印象に残りません。数あるESに埋もれてしまうので注意しましょう。

ボランティア期間が長く学びの多い活動を選ぶ

ガクチカに取り上げるボランティア活動は、従事期間が長い活動を選ぶのがポイントです。期間が長ければ、継続的な頑張りを示せます。また活動から得られる学びも多くなり、仕事にもつなげやすくなるでしょう。

ただし、何ヶ月も続けているにも関わらずやりがいを見出だせない活動は、ガクチカには不向きです。やりがいのない仕事には、学びがありません。ボランティア活動は、実績を書けば評価されるものではありません。

大切なのは、実績よりも活動から得た学びです。学びに重点を置き、活動を選びましょう。

ボランティア活動で学んだことを仕事につなげる

ボランティア活動での学びを、仕事につなげることも大切です。ガクチカで企業が見たいのは、学生時代の経験が就職後にどう活きるかです。仕事に直結しない内容は不向きです。

「仕事につながらない」と感じられる場合は、学びの内容を一般化してみましょう。例えば、教育系のボランティアで、「子どもに伝わる英語の教え方」を学んだとします。しかし、そのままでは教育業界に就職しない限りは役に立つとは言えません。

ガクチカで書く場合は、「どんな人にも伝わる効果的なものの伝え方」「人をやる気にさせ、場の雰囲気を盛り上げる方法」学びを転換させ、内容を洗い出してみましょう。そうすることで、コミュニケーション能力や、協調性に話をつなげやすくなるでしょう。

どんなに考えても一般化できない場合は、活動内容がガクチカに不向きだと割り切り、別のエピソードを考えてみましょう。

ガクチカにボランティア活動を挙げるときの効果的な書き方

ガクチカにボランティア活動の内容を書くときには、以下の4つのステップで進めます。

①活動内容の詳細

②取り組む動機

③取り組みで感じた困難への対処法

④活動を通して学んだことと、仕事への活用

この順番で記述することで、論理的なストーリーができあがります。活動から得た学びに説得力が生まれ、採用担当者を引き込む文章を作れるでしょう。

①ボランティア活動の内容を明確にする

最初に書くのは、活動内容の詳細です。「何をするボランティアなのか」が読み取れなければ、内容は伝わりません。活動内容の説明を省かずに行いましょう。

内容が曖昧な記述も避けるべきです。例えば、災害復興支援の場合、「復興支援業務」と書いても何を行ったのか分かりません。具体的に従事した業務内容を記述しましょう。

②ボランティアに取り組む動機を書く

次に動機を書きます。ボランティア活動の強みは、主体性を示せることです。あなたがなぜ活動に取り組もうと思ったか、感じた想いや決意を書きます。動機がはっきりしているほど、取り組みに説得力が生まれます。主体的に物事に取り組み、頑張れる人だと評価されるでしょう。

動機を書くときには、できるだけ想いを論理的に表現するよう心がけましょう。使命感だけを書いても、きっかけが不明瞭なら、活動に説得力がなくなります。

例えば、学習支援活動で「好きな英語を子どもたちに教えたい」と書くよりも、「海外留学で、うまく英語を話せない自分にもどかしさを感じた。小学生から、生きた英語にふれる機会が必要だと思い、活動を始めた」と詳しく書けば、格段に説得力が増します。活動した動機や思いを入れることで、考え方に人柄が現れ、魅力的な人柄もアピールできるでしょう。

③取り組みで感じた困難をどう乗り越えたか説明する

活動開始後の内容は、学びにつながることに絞ります。業務中に感じた困難に焦点を当てると書きやすいでしょう。

困難をあえて書くのには、3つの理由があります。

1つめは、うまくいったことよりも、苦労したことのほうが学びが多いからです。壁にぶつかったときには、悩み苦しみます。それを乗り越えるために努力したり、改善するために行動したり、これらを解決することで多くの学びを得ます。ガクチカでは、経験から得た学びを仕事に結びつけます。困難を挙げた方が仕事に結びつけやすく、担当者にもイメージしてもらいやすいです。

2つめは、問題解決能力を示せることです。ボランティア活動で生じた困難は、あなた自身で解決します。問題解決能力が高いほど、企業では評価に値します。

3つめは、想いを強く書きやすい点が挙げられます。難しい課題に直面するほど、さまざまな気持ちが生じます。想いを率直に書けば書くほど、文章からあなたの人柄が滲み出ます。人柄がわかる文章は、企業にも重宝されます。

活動で生じた困難を挙げ、あなたが感じた気持ちや考えもガクチカに記述します。試行錯誤で生じた苦労、解決したときの達成感なども素直に表現すれば、人柄が伝わる良い文章になるでしょう。

④活動を通して学んだことを書き、仕事に結びつける

困難を解決したことで、さまざまな学びが生まれます。学びの中から仕事につながるものを選び、具体的に記述しましょう。あなたがいかに心を動かされたか、感動も伝えることがポイントです。

最後は、必ず仕事に結びつけ終わらせてください。企業が知りたいのは、ボランティア活動が仕事にどう活きるかです。学びの活用方法や、今後の抱負を書きましょう。

ボランティア活動で得られた学びは、そのまま仕事の能力に直結することもあります。逆に仕事に結びつかない内容は、いま一度企業にとってどんなメリットがあるのか、どう評価されるのかなど視点を変え、一般化することで書きやすくなります。

ガクチカでおすすめしたいボランティア活動の例

子どもにかかわる学習支援ボランティア

学習支援ボランティアは、学生が参加しやすい活動です。大きな特徴は、募集団体が多いことです。NPO法人(特定非営利活動法人)や、社会貢献が目的の企業が母体となり、人材を募集しています。

貧困家庭の小学生〜高校生に無償で勉強を教えたり、不登校・学校中退者を支援したりと、業務内容は簡単ではありません。しかし日々子どもと接するからこそ、高いコミュニケーション能力が培われます。子どもの成長とともに、あなた自身も成長できるでしょう。

半年〜1年にわたり従事できる活動が多く、継続性もアピールできます。

公務員とも協力しやすい地域活性化

地域を元気にする地域活性化活動もおすすめのボランティア活動です。農作業や環境保全の手助け、観光資源の発掘と発信、お祭りの企画・運営など、活動内容は多岐にわたります。

母体は地域の任意団体やNPO法人です。SNSやブログでの情報発信活動では、遠方から参加できるケースもあります。

地域活性化活動は、公務員を目指す学生に特におすすめです。公務員は地域のために働きます。直面する課題があれば、真っ先に解決に努めなければなりません。公務員的な目線で仕事をすることで、就職後の目標が明確になります。地域の一員として働く姿勢も身につくでしょう。

地域活性化に携わる団体は、行政の協力を得やすい特徴もあります。例えば「まちづくり」を行う団体なら、自治体の観光課や地域公民館の協力を仰げます。公務員の実際の働きを見る機会にも恵まれるかもしれません。

コミュニケーション能力、問題解決能力を高める災害復興支援

災害復興支援は、ボランティアの中でも緊急性が高く、すぐに人の役に立てる仕事です。被災者の声に耳を傾け、周囲のボランティアと協力しながら課題解決にあたります。高いコミュニケーション能力、問題解決能力が培われるでしょう。

ただし、どのような活動にも体力や精神力が必要です。ときには目を背けなくなるような現場もあるかもしれません。大変なぶん、大きなやりがいもあります。

留意したいのは、ボランティアのニーズを的確に見極めることです。自治体が発信する情報や、SNSの声を参考にしましょう。ニーズに合致しない活動は、かえって復興の妨げになる可能性があります。

「本当に必要な活動はなにか」「自分はニーズを満たせるか」冷静に判断するよう心がけましょう。

ガクチカでボランティア活動を効果的に伝えた例文

不登校の子ども達への学習支援

例文

私は週に2回、不登校の小中学生に勉強を教えています。私も人間関係の悩みで不登校を経験しました。他人に理解されない淋しさがわかるため、同じような子ども達の力になりたいと考えました。

しかし実際の業務では、心を開いてもらう大変さを痛感しました。まずは、一人ひとりの話をじっくり聞くことから始めようと、気持ちを新たに生徒と向き合いました。聴くことを重視してからは、子ども達と良好な関係を築けています。肯定して話を聴くことが大切だったのです。この経験から、コミュニケーションの基本は、聴く力だと学びました。相手の意見を聞くことから始めなければ、良好な関係は築けません。

入社後は、お客様とはもちろん、社内でも円滑なコミュニケーションが必要です。ボランティアで学んだ聴く力を活かし、貴社で仕事に邁進したいです。(350字以内)

活動内容から書き始め、従事するきっかけ、直面した課題、課題の解決と学び、仕事への活用と論が展開します。

コミュニケーションの大切さを結論にするのではなく、「聴く力の大切さ」まで踏み込むことで、他者と差別化しています。活動に真摯に向き合ったからこそ、主体的に得られた学びです。企業への大きなアピールになるでしょう。

きっかけや、業務で感じた困難からは、筆者の想いも感じられます。読んでいて感情移入しやすい文章です。

地域の魅力を発信する広報活動

例文

私は地元の観光情報を発信する広報活動をおこなっています。住民だからこそ知る観光資源を紹介するのが主な役割です。市が観光客の集客に困っていると聞き、私のような若い世代の人たちにも街の魅力を知ってもらいたいと考え参加しました。

取り組みで課題になったのは、ニーズの広さです。特に歴史や文化は、私の苦手分野です。できる限り現地を取材することで、学びを深めてきました。

取材を通して、視点を変えることで大きな発見があることを知りました。身近な場所にひっそり伝わる民俗芸能や祭礼を知るたびに、街の新たな魅力に気付かされました。

この経験から、私は多角的な視点の大切さを学びました。異なる視点に立つだけで、全く知らない魅力が見えてきます。

仕事でも、自分の価値観にとらわれず、さまざまな視点に立つことが必要だと考えます。この教訓を大切に、日々仕事に励みたいです。(400字以内)

取り上げた題材は、地元に根を下ろし、長期間腰を据えて取り組む活動です。継続的な努力は、企業に高く評価されるでしょう。

苦手を克服する中で学びを得たことも、大きなポイントです。工夫して困難に対処し、新たな気づきを得る姿勢は、就職後の頑張りを想像させます。企業に好印象を与えるでしょう。

​​​​「多角的な視点の大切さ」は、学びを仕事に結びつける良い結論です。「歴史を探求する楽しさ」「地域に深く入り込む大切さ」などを中心に据えると、仕事に結びつきません。このストーリーに限定される学びを、広く一般社会で使える学びに転換しましょう。

被災地での災害復興支援

例文

私は震災復興支援で、半年にわたり〇〇市の農地復旧ボランティアに従事しました。土砂崩れや地割れで被害を受けた農地を整備し、元に戻す仕事です。〇〇市は、私が小学生の頃暮らした第2の故郷です。思い出の景色をもう一度取り戻すため、できる限り力になりたいと考えました。

復旧作業は、決して楽しいものではありません。体力を大きく消耗する上に、同じことの繰り返しです。それでも農家の人たちが、日ごとに晴れやかな表情になるのを見ると、大きなやりがいを感じました。この経験から、私は働くことの意義は他人を喜ばせることだと実感しました。人を笑顔にできるからこそ、つらい仕事も頑張れるのだと思います。

就職後も、困難や課題にぶつかることが多々あるでしょう。そのときに他人を喜ばせる姿勢を思い出し、乗り越えていきたいです。(350字以内)

復興支援は、テーマが重くなりがちです。ガクチカでは、あくまでも仕事につながる学びに限定します。あなたが今後の仕事に活かす教訓を書くと良いでしょう。

この文章では、仕事の意義を学びの中心に据えています。ボランティア活動は、課題解決のために働きます。企業活動でもそれは同じです。筆者が活動で感じた仕事の意義は、今後の企業活動でも活かされます。

今回は、活動で感じたやりがいをもとに、学びの内容を記述しています。復興支援は、多くの活動が困難の連続です。内容を絞りきれず、学びの内容が複数挙がる可能性があります。

ガクチカに記述する際は、一つの学びに絞る方が適切です。集約した方が、内容が濃くなるためです。

困難からの学びに書きづらさを感じるなら、やりがいや成功例をもとに記述するのも良いでしょう。

ガクチカでボランティアが弱いと言われる3つの理由

ボランティアをガクチカに書く学生が多い

ボランティア活動は、ガクチカのテーマとして取り上げる学生が多いため、テーマとして弱いと判断する担当者もいます。他の学生と内容が被ると、インパクトが弱まってしまいます。そのため、活動内容を書いただけでは、注目されないということを認識しましょう。

差別化を図るためには、あなたの想いをしっかり伝えることが大切です。想いの伝わる文章からは、あなたの人柄が想像できます。記述するときは「想いをしっかり出せているか」を確認しながら進めましょう。

就活では1回だけのボランティアは評価されない

一度きりの活動、短期での活動は、ガクチカ向きではありません。学びのインパクトが弱い上、継続性のアピールにもならないからです。「他に頑張ったことがないのでは?」と曲解される恐れもあります。

どのような仕事でも、深く携わらないことには課題が見えてきません。短期の仕事では円滑に進んでいるように見えても、長期間従事するうちに課題に気づくこともあります。

学びを書くには、あなた自身が仕事を深く体験する必要があります。継続的に長期間従事した活動を選びましょう。

仕事につながる学びがなければガクチカには不向き

仕事につながる学びを得られていないボランティア活動も、ガクチカ向きではありません。仕事への活用を示さない限り、企業の評価は得られません。

ボランティア活動そのものがガクチカで評価されるわけではありません。活動を通した学びがあり、仕事に活用できてはじめて意味があります。

企業が知りたいのは、仕事への適性や業務遂行能力だということを意識して文章を考えましょう。

ガクチカにボランティア活動を記述する際の注意点

活動の理念より自分の想いをしっかり述べる

ガクチカにボランティア活動を記述するときに大切なのは、あなたの想いをしっかり書き入れることです。感じたこと、学んだことも自分の言葉で記述します。

ありがちなのが、所属する団体の理念をそのまま書いてしまうことです。企業が知りたいのは、あなたがなにを学び、どう仕事に活かすかです。団体のミッションやビジョンを知りたいわけではありません。

あなた自身のパーソナリティが問われていることを認識し、自分の言葉で自分の想いを書くよう心がけましょう。等身大のあなたを示すことが大切です。

非営利であることを強調しすぎない

ボランティア活動は非営利の事業です。営利を目的としないからこそ、制約なく活動ができます。しかし、ガクチカでは「非営利で働く素晴らしさ」を強調しすぎないよう注意しましょう。企業は営利を目的としているためです。

ボランティア活動も企業活動も、人のためになる、社会に貢献するという意味では共通しています。しかし企業活動は、「営利を目的に」という前提が加わります。営利を追求しない限り、会社は存続できません。企業にとって、営利追求は当たり前のことです。

企業が判断するのは、あなたが営利活動に役立つかどうかです。非営利の素晴らしさを表に出しすぎないよう、論点に注意しましょう。

ガクチカでは嘘や捏造を避ける

インパクトがあるガクチカにするため、嘘のボランティア経歴を書いたり、体験を捏造したりする人がいます。しかし嘘や捏造はご法度です。

ストーリーを上手く組み立てれば、どんな内容でも文章化できるかもしれません。しかし後に面接があることを忘れないでください。完璧にストーリーをつくりあげたつもりでも、会話ではボロが出ます。

採用面接は、仕事への適性社風との相性を慎重にはかるためのものです。ガクチカの内容は深掘りされます。答えに窮するようなら、内容の真偽を問われるでしょう。嘘が露呈し、ガクチカの評価がゼロになる可能性もあるのです。

ボランティア活動の経験がない人は、素直に他の題材を探しましょう。

ボランティア活動であなたの魅力を際立たせよう

ボランティア活動は、活動から得た学びを仕事につなげやすいことからガクチカ向きの題材です。うまく文章が書ければ、あなたの主体性や継続的な努力を伝えられます。問題解決能力や、コミュニケーション能力も示せるでしょう。

ガクチカにボランティア活動を書くときは、あなたの人柄を示せるように工夫が必要です。あなたの素直な気持ちを含ませ、想いが伝わる文章になれば、自然とあなたの「人となり」が採用担当者に伝わります。

ボランティア活動は学べることが多く、人生に与える影響も大きなものです。あなたの魅力を存分に引き出せるよう、ポイントを押さえ、採用担当者の目を惹くガクチカを仕上げましょう。