【例文5選】ガクチカで研究活動を効果的に伝える書き方とは?

ガクチカとは、学生時代に力を入れたことを指す言葉で、就活用語として使われています。

ESに頻出する質問の1つであり、企業が学生のさまざまな要素をチェックするために重要な判断材料となります。その分、どのように作成すればいいのか悩んでしまう学生が少なくありません。

本記事では、ガクチカで研究活動を伝えるメリットや書き方、ポイントについて解説します。アピールポイント別の例文も紹介しているので、ガクチカで研究活動をアピールする人はぜひ参考にしてください。

企業がガクチカでチェックしているポイント

人間性や自社とのマッチ度

企業は、ガクチカから学生の人間性や価値観、自社にマッチしている人材かを見極めています。

採用にはスキルも大切ですが、人間性や人柄も同じくらい重要な要素です。人間性を確認することで、自社の一員として問題なく業務をこなせるかをチェックしています。

また、新規採用において、自社とのマッチングを重視する企業は少なくありません。マッチしていない人材を採用した場合、入社後の短期離職のリスクが高くなります。コストをかけて採用をしたにもかかわらず、入社後すぐの退職は企業にも大きな損失です。

そのため、自社に馴染めるのかという視点においてガクチカは重要な判断材料となります。

ポテンシャル

ポテンシャルとは将来性を意味する言葉であり、採用後の活躍を期待して採用を決める企業も非常に多いです。ガクチカは、学生のポテンシャルを判断するための材料にもなります。

企業はガクチカから、経験によって学んだことや今後どのように活かせるのかを見て、学生のポテンシャルを判断しています。また、困難を乗り越えて成長した経験は、企業で活躍できる可能性を見極めるポイントの1つです。

そのため、ガクチカを作成するときは、困難を乗り越えるために模索した点やアイデアについてを記載することが大切です。

論理的に伝える力

論理的に伝える力は、社会人としても非常に重要な能力です。ESにおいても論理的に説明できていない場合、仕事ができないとマイナスに捉えられ、採用に影響を及ぼす可能性があります。

ガクチカに記載されている文章がわかりやすく伝えられているのであれば、企業は学生に論理的に伝える力があると判断し、有能な人材と考えます。

論理的に伝えるためには、CREC法を取り入れて作成することがポイントです。CREC法は、結論から伝えるため、分かりやすく論理的にかつ簡潔に伝えることができると言われています。

下記の表に沿ってエピソードをまとめることで、簡潔で説得力のある内容になるでしょう。

<CREC法>

  1. C 結論(Conclusion)
  2. R 根拠(Reason)
  3. E 事例(Example)
  4. C 結論(Conclusion)

ガクチカで研究を伝えるメリット

努力をわかりやすく表現できる

研究活動で取り組んできたことは、学業の集大成ともいえます。大学で勉強してきたことを具体的に言語化しやすいため、努力をアピールしやすいメリットがあります。

学生のなかには、ガクチカが思いつかずに無理やりエピソードを探すこともあるかもしれません。研究活動に本気で力を入れてきた学生なら、無理なく説得力のあるガクチカを作成できるでしょう。

ガクチカで努力をアピールするためには、困難に立ち向かったことについて明確にする必要があります。研究活動を行ったエピソードだけでは魅力が十分に伝わらないため、研究のプロセスで起こった問題や課題をしっかりと記載することが必要です。

研究活動を説明する際は、目標を明確にし、達成するための取り組みや課題を説明しましょう。発生した問題から、自分なりの対応や努力を詳しく説明することで、頑張った経験が伝わるガクチカになります。

研究内容=実績として判断される

応募先企業に研究内容を活かせる場合、研究内容=実績として判断されることがあります。特に、理系学生で専門的な研究をしているなら、研究内容と実際に業務がつながる可能性があるため、実績があれば評価につながります。

もちろん結果だけでなく過程も大切なので、研究の課題や困難から得た学びを伝え、企業にどのように活かしていくのか伝えることが大事です。

研究活動は専門性の高い分野のため、専門スキルを求めている企業にとって求められる人材です。研究内容と業務がつながっているのなら、入社後すぐの活躍が期待できることもあり、就活が有利に進められます。

結果が出てなくても過程をアピールできる

結果が出ていない場合でも、研究活動であれば過程をアピールしやすいメリットがあります。

研究活動では結果はどうであれ、どんな研究内容でも自分なりに考えた行動の記録が残ります。そのため、問題解決のために起こした行動を説明しやすいのです。

ガクチカで結果が出ていない研究活動を記載する際は、失敗から得た経験について詳しく伝えることがポイントです。分析や努力について自分なりに取った行動を説明することで、企業は学生の人柄やポテンシャルを見ることができます。

ガクチカで研究をアピールするときの書き方

①結論

ガクチカで研究をアピールするときは、まず結論を記載します。ここでいう結論は、研究内容を指します。取り組んだ研究テーマを簡潔に伝えることで、企業はどのような内容なのか理解できます。

研究について書くときは、難しい表現にならないようにしましょう。例えば「私は大学で、SNSの利用とその心理について研究をしています。」のように、研究が専門外でも理解できるよう複雑な説明は避け、かみ砕いた表現にすることがポイントです。

動機

次に、研究を始めた動機や意義を説明します。なぜ研究を始めようと思ったのか、研究テーマを選定した理由などについて記載しましょう。

企業は動機や意義から、学生がどのようなことに興味を持つのか、学生の価値観、ポテンシャルなどを見ています。研究の動機が明確でない場合、企業は学生の研究にかける熱意が読み取りにくくなるので注意してください。

目標・困難

研究テーマ、動機の次は、研究の目標を述べましょう。目標とは、求めている成果やどのような結果を目指していたかの記述を指します。目標は具体的に表現し、数値化することでわかりやすく伝えられます。

目標の次に困難の紹介です。研究活動中はすべてがスムーズではなかったはずです。研究の過程で直面した課題や困難のなかで、印象強く残っている辛かったことを記載しましょう。困難は大きなものがいいわけではなく、小さなトラブルでも問題ありません。

取り組み・結果

努力した結果を伝えるために取り組みの説明を行います。立てた目標に対して、どのように取り組んできたのかを記載しましょう。

また、困難を述べただけでは頑張りが伝わらないので、どのように乗り越えたかを説明します。何を考えてどのような対応をしたのかを述べることで、レベルの高いガクチカになります。

取り組みで得られた結果を伝えることで、企業は入社後に活躍できるかイメージしやすくなります。結果に説得力をもたらすには、取り組み前と後の心境の変化を記載することがポイントです。

学び

最後にまとめとして、研究活動から学んだことや今後の展望を記します。学びや気づきは重要であり、採用担当者は学生が経験から何を学び、これからどのように活かしていくのかを注目しています。

経験から学んだことを業務に活かせるガクチカであれば、能力やスキルが備わっている学生だと採用担当者に判断してもらえるでしょう。

【アピールポイント別】ガクチカで研究をアピールする例文

計画力

例文

私は大学3年次に、〇〇の研究活動に注力しました。〇〇については子供のころから興味があり、いつか研究をしてみたいと思い、〇〇が学べる現在の大学を選びました。

私の所属する研究室では、1つのテーマにつき2ヵ月以上の研究期間がかかるという課題がありました。目標達成のためには計画力と実行力が必要だと考え、実験計画を立てることにしました。まず、日々の目標を設定し、それを達成するための計画を練りました。また、他の研究者の方々とコミュニケーションをとり、自分の考えを伝えることで、より良い結果が得られるよう努めました。

その結果、1ヵ月で研究を終えることができ、目標としていた以上の成果を得ることができました。就職後も目標達成のために所要時間を考え、計画性を発揮して結果を出していきたいです。(350字以内)

最初に何の研究なのかを伝えることで、採用担当者が内容について理解しやすい構成になっています。研究の動機や目標を達成する取り組みについても簡潔にまとめられています。

また、結果についても数値化して表しているのでわかりやすくなっています。

計画力は社会人にとって必要なスキルなので、魅力的な強みと評価されやすいです。入社後の活躍を記載することで、入社後に活躍できるイメージを持ってもらいやすいでしょう。

粘り強さ

例文

私は、学生時代〇〇の研究開発に取り組みました。研究を始めた当初は、技術的な知識や経験が乏しいため、成果を出せませんでした。しかし、諦めることは選ばず、持ち前の粘り強さを発揮して、基礎から鍛え直そうと決意しました。着実なステップアップのため、研究にかける時間を増やし、基礎研究を何度も実施しました。失敗したときは課題を洗い出し、その都度担当教官や研究室のメンバーに相談し、解決することを繰り返しました。

その結果、研究をやり遂げることに成功しました。この経験で、コツコツと努力し続けることや、根気強くやり遂げることの重要性を学びました。社会人になると、うまくいかないことが多いかもしれません。しかし、私の粘り強さを発揮して貴社に貢献できる社員を目指したいです。(350字以内)

目標達成のために自分の強みをどのように活かしたのかを具体的に記載しているため、学生の粘り強さが伝わる例文になっています。専門用語もなく、研究が専門外の採用担当者でも理解しやすい仕上がりになっています。

研究活動のガクチカは他の学生と差別化しやすいため、採用担当者が興味を持ってくれる可能性が高いです。粘り強さのアピールはポテンシャルがあると捉える企業もあるので、ガクチカを作成するときにおすすめのアピールポイントです。

協調性

例文

私は、大学3年次に運動リハビリテーションの研究をしました。作業療法士になることが目標なので、研究テーマに選びました。

研究を始めた当初は、研究がうまくいかず、1人の力で続けることに限界を感じました。そこで、研究室の仲間と協力し、1つの目標に2チームで成果を出すことにしました。仲間と協力して課題解決に取り組むことで、研究に対するモチベーションも上がりました。

その結果、学会発表や論文執筆など、様々な活動に挑戦することができました。この経験から、協調性を持って物事に取り組むことの大切さを学びました。

作業療法士の仕事では他のスタッフとの連携が重要だと考えています。貴社に入社後は協調性を活かして企業活動に貢献していきたいです。(350字以内)

作業療法士の選考に向けたガクチカの例文です。協調性をうまくアピールした例文になっています。

仕事も1人ですべて対応することはできないため、協調性やコミュニケーションスキルといった社会人に必要なスキルをアピールできています。

また、志望動機とつながりのあるガクチカになっているので、説得力が増しています。強みの活かし方についても応募先に必要なスキルだとわかりやすいため、採用担当者に良い印象を与えるでしょう。

論理的思考力

例文

私は大学で、SNSの利用とその心理について研究をしています。SNSの利用で精神面に影響を及ぼした経験があり、SNSが与える影響について気になり始めました。

研究では選択式の質問紙による調査方法を考えましたが、オンラインツールを利用するか街頭調査をするかで意見が割れました。どちらかの方法を選ぶと、選ばれなかったメンバーの士気が下がると考え、双方が納得するために両方の調査方法を実施するといった、お互いの意見を取り入れた解決策を提案しました。

その結果、さまざまな意見や有効性の高い回答を得ることができ、お互いのメリットをうまく取り入れることができました。このように、私は課題に直面したときでも、柔軟な対応で解決策を見出すことができます。

社会人になると多くの課題が待ち受けていると思いますが、課題の本質にいち早く気づき、解決のために行動を起こしていきたいです。(400字以内)

論理的思考力は面接や選考の過程で伝わるものなので、アピールするときは論理的思考力を言い換えてアピールしましょう。

今回の例文では、論理的思考力を課題の本質に早く気づける強みとして言い換えています。他にも、分析力や課題解決力も、論理的思考力の言い換えとして使える強みです。

また、論理的思考力を伝えるには、課題の解決策を論理的に道筋を立てて説明することが大切です。例文では課題に対しどのように考え、何を行動したかが明確になっているため、論理的思考力があると判断されるガクチカになっています。

課題解決力

例文

私は、以前からアプリ開発に興味があり、近年増加している「〇〇アプリ」を研究テーマに選び注力しました。

しかし、実験でなかなか仮説どおりの結果が出ず続けることに苦労しました。結果が出ない原因を追究するために、実験結果が出る度に教授に相談したり、研究室の仲間に意見をもらったり、新たな情報を得るために何度も参考文献の確認も行い、新たな課題と解決策を洗い出し、繰り返し実行に移しました。

その結果、7回目の実験でようやく納得のいく結果を出すことができました。この経験により、起こっている問題を解決するためには、視野を広げ、試行錯誤を繰り返すことの大切さを養うことができたと感じています。

入社後に課題に直面しても、課題点を探り問題解決に向けて試行錯誤できる社員を目指し、アプリ開発に貢献したいと考えています。(350字以内)

研究のガクチカでは、課題解決力を伝えやすいメリットがあります。企業にとっても課題解決力が強みの学生は、仕事の成果につながりやすいと感じ、ポジティブな印象を受けるでしょう。

また、問題解決のために周囲を巻き込むことで、コミュニケーションスキルの高さもアピールできています。最後は応募先と絡めた学びを記載しているところも、高評価につながります。

ガクチカで研究をアピールするときのポイント

専門用語は使わない

研究活動では多くの専門用語がありますが、ガクチカで多用するのは避けましょう。採用担当者がわからない場合は、研究内容が入ってきづらく評価が悪くなる恐れがあります。

ガクチカを作成する際はかみ砕いた表現を意識して、専門外の人にも伝わる表現をすることが大切です。しかし、普段から専門用語を使い慣れている場合、無意識のうちに使ってしまう可能性があります。

そうならないために、ガクチカを作成した後に、一度研究を専門外の人に確認してもらうと安心です。また、どうしても専門用語を使用する必要がある場合は、補足として簡単な説明を入れるようにしましょう。

企業でどのように活かせるかを記載する

ガクチカの重要なポイントは、企業で活かせる強みやスキルを伝えることです。企業は学生が自社にとって、採用するメリットがあるのかを判断する必要があります。

ガクチカで企業に活かせる強みをアピールするには、企業の仕事内容と経験からの強みがつながっていることを示します。アピールポイントがずれてしまわないように、企業研究を念入りに行ってから作成することをおすすめします。

志望動機とつなげる

ガクチカと志望動機がつながっていると、根拠のある志望動機になり説得力がプラスされます。研究内容が志望業界とつながっている場合は、研究経験を志望動機にするのがおすすめです。

その場合、応募企業の業界や業務に対する基本的な知識があることもアピールできるため、採用側の印象は良くなるでしょう。

研究内容と志望業界が完全に一致していなくても、研究から得られた強みを志望動機とつなげてアピールすると好印象につながります。

異なっている場合は、業界を志望した理由や企業を応募した理由について具体的に説明できると採用側も納得できるでしょう。

研究経験をガクチカにする際のよくある質問

研究活動に実績がなくてもアピールしていい?

採用担当者はガクチカに成果や実績は重要視していないため、実績がなくても自信を持ってアピールしましょう。大事なのは過程であり、人間性や価値観を見極める内容であるかが重要です。

実績がない場合は取り組んだ内容を重点的に記載し、活動によって得た学びをしっかりと記してください。続いて、経験からの学びを業務にどのように活かすかを記載しましょう。

研究活動が途中の場合でもいい?

研究が途中の場合でも、過程を具体的に記載できるのなら差し支えありません。前述したとおり過程が大切なので、研究活動の意義や困難、乗り越えたときの行動を記してください。

現時点での研究成果と、今後どのような結果を求めているのかを記載すると、採用担当者が研究内容についてわかりやすくなります。

研究内容がほかの学生と被ってるときはどうする?

研究内容が被っていても、研究への取り組み方や困難の乗り越え方まで同じことはないはずです。活動経験は1人1人異なるので、研究内容の被りは気にする必要はありません。

過程の違いで個性がでるため、自分の取り組んできた姿勢をアピールしていくことが重要です。研究活動で意識したことや、学んだことについて自分なりの考えを加えることで、さらにオリジナリティのあるガクチカになるでしょう。

研究活動のガクチカはさまざまなスキルのアピールが可能!

研究活動はガクチカでさまざまなスキルや強みをアピールできます。他の学生との差別化もできるため、研究活動の経験があるのなら積極的にアピールしていきましょう。

研究は専門的な内容が多いため、ガクチカにする際はわかりやすい言葉選びが大切です。伝え方を工夫するだけで、レベルの高いガクチカの作成ができます。

たとえ研究に実績がない場合や途中の段階でも、研究活動の過程は十分なアピールポイントになります。自分自身が得た経験や取り組んだ姿勢について、本記事を参考にしながら作成してみてください。

ガクチカと自己PRの違いとは?書き方のポイントと例文を徹底解説!

企業に対して自身の魅力をアピールするためには、ガクチカと自己PRを分かりやすく伝えることが大切です。しかし、これらの明確な違いが分からず、何を伝えると効果的なのか悩んでしまう学生も多いようです。

本記事では、ガクチカと自己PRがどのように異なるのか、またそれぞれの例文を紹介しています。いずれも企業へのアピールに役立つ内容なので、違いを理解した上で効果的なアプローチをしていきましょう。

ガクチカと自己PRの違いをしっかり押さえてる?

ガクチカとは「学生時代にどんなことに注力していたか」のこと

ガクチカは「学生時代に力を入れてきたこと」を省略している言葉です。

たとえば「部長としての自覚を持ち、部員たちをまとめてきた」「検定試験合格を目指して勉強を続けてきた」などの内容は、ガクチカとして考えられます。

ガクチカは、その学生が物事に対してどのように取り組んできたのかが明確化される内容です。そのため、学生時代に何を努力してきたのかが明確化される内容となっています。

自己PRとは「自分の長所や人柄、アピールポイント」のこと

ガクチカは「学生時代に何を努力してきたのか」という内容だったのに対し、自己RPは自分の長所や人柄など、「内面的なアピールポイント」を伝える必要があります。

たとえば「ポジティブ思考ですぐに気持ちを切り替えられる」「目標に向かって努力をすることが楽しい」などです。

ガクチカと自己PRは、どちらもエントリーシートで尋ねられることが多いため、違いを明確に理解したうえで分かりやすく説明しなくてはなりません。

ガクチカと自己PRを企業が尋ねる理由

ガクチカを訪ねてくる企業の狙い

ガクチカは、学生の仕事に対する取り組み方や、アプローチ方法などが表れるものです。そのため企業は、「自社でどのように活躍できる人材なのか」を見極めるためにガクチカを尋ねます。

学生時代にリーダーシップを発揮していた場合は、職場でも同様に従業員を引っ張っていく存在になれるでしょう。

また、スケジュール管理を徹底しつつ勉強に励んでいた場合は、職場においても計画的に仕事を学びながらスキルアップできると判断されます。

自己PRを訪ねてくる企業の狙い

自己PRは、学生が何を強みとしているのかが表れるものです。そのため企業は、学生の強みと自社の相性を見極めるために自己PRを尋ねます。

魅力的な強みを持っているように見える学生でも、ある企業とは社風との相性が悪く、入社できてもキャリアアップしづらくなるケースは少なくありません。入社後のミスマッチを防ぐという意味でも大切な質問です。

企業は自己PRを尋ねることで、その学生が入社後に強みを活かして輝けるか、自社に貢献してくれるかなどを検討しています。

ガクチカと自己PRを考えるときのポイント

ガクチカの場合

学生時代に取り組んできたこと、目標にしてきたことを考える

部活動や勉強など、学生時代に力を入れて取り組んできたことを考えてみましょう。そのときに何を目標にしていたのかを考えると、よりガクチカが明確になります。

ガクチカはあくまでも、学生時代に努力してきたことをアピールする内容です。そのため、目標が達成できていなくても力を入れて取り組んできたことであれば、ガクチカとしてアピールしても問題ありません。

目的・目標に向かって一生懸命に努力したことを、企業に伝えられるように考えてみましょう。

趣味・アルバイト・ボランティアなど学校外のことでもOK

ガクチカは「学生時代」の話なので、学校外での経験でも問題ありません。たとえば趣味や、アルバイトやボランティア活動、習い事などでも充分にアピールできます。

たとえばアルバイトは、実際に社会に出て働けるため、職場ならではの経験ができます。接客の楽しさや、職場での人間関係構築など、さまざまな経験ができたことをアピールすると効果的です。

学校外のことでも、「どのような姿勢で物事に取り組んでいたのか」は企業に伝わりますので、まずは過去を遡ってみましょう。

自己PRの場合

自分が考える強みがどんな風にその企業で活かせられるかを考える

企業に活かせそうな強みをアピールすると効果的です。企業は自己PRを通して、「学生が強みを発揮し社内で活躍できそうか」を考えます。

そのため、「この学生なら自社で能力を発揮してくれる」「強みを活かして貢献してくれる」という印象を与えられれば、採用されやすくなるでしょう。

また、企業がどのような人材を求めているのかを理解することも大切です。企業理念が「努力」だった場合は、目標達成に向けて一生懸命になれる強みをアピールできると効果的です。

自分の強みとは? 性格面から考える

「そもそも自分の強みが何か分からない」という人は少なくありません。もし自己PRできそうな強みが分からない場合、まずは自分を客観的に観察してみましょう。

たとえば性格面に着目して考えたとき、「真面目」「前向き」などの強みを見つけられます。

また、人をまとめるのが得意な場合は「リーダーシップを発揮できる」、反対に誰かの指示に従うことが得意な場合は「協調性がある」などのアピールが可能です。じっくりと客観的に考えてみると、強みとしてアピールできそうな要素が見えてきます。

ガクチカと自己PRの構成を作る上で大切なのは「エピソード」

ガクチカの場合はどんな過程で注力してきたかのエピソードを

ガクチカはただ力を入れて取り組んできたことを伝えるのではなく、その過程についてのエピソードを踏まえてアピールしましょう。エピソードを加えることで内容に説得力が生まれ、自身がどのように物事へ取り組んできたのかが分かりやすく伝えられます。

エピソードでは、何を目標にしていたのか、また目標を達成するために何を実践したのかを伝えるのがおすすめです。

実践している最中に起こった出来事や、実際に物事に取り組んでどのように感じたのかなどを考え、エピソードを膨らましましょう。

自己PRの場合はその性格面がどんな風に役立ったかのエピソードを

自己PRでは、「自分の性格が周囲にどのような影響を与えるのか」を伝えることで、企業に長所をアピールできます。長所を端的に伝えるだけよりも、具体性のあるエピソードを加えることで、ガクチカと同様に説得力が生まれます。

もし自分の性格面によって、他者から感謝されたり褒められたなどの経験がある場合は、それらもアピールして内容を明確化してください。

どのようなシーンで誰を助けられたのか、どのような影響があったのかなどを考えれば、エピソードの内容がより深いものになります。

ガクチカと自己PRを考える際に注意しておきたいこと

エピソードはなるべく重複させない

ガクチカと自己PRのエピソードを考えるとき、これらが重複しないよう気を付ける必要があります。重複してしまうと、それぞれの内容において差を付けられなくなり、せっかくのアピールチャンスを無駄にしてしまいます。

ガクチカと自己PRの内容が異なれば、企業に対して自分の魅力をさまざまな角度から伝えられるため、好印象につながりやすいものです。

どうしても内容が重複してしまう場合は、もう一度自身を客観的に観察し、自己分析を行いましょう。

ガクチカはSTAR法で構成しよう

<STAR法>

・Situation(状況):Aという物事に取り組んだ

・Target&Talk(目的・課題):それはBが目的・課題だった

・Action(行動):Bを達成するためにCを行った

・Result(結果):Dという結果になった

STAR法は、Situation(状況)、Target&Talk(目的・課題)、Action(行動)、Result(結果)の頭文字で構成されています。ガクチカはこのSTAR法を意識すると、分かりやすい内容にまとまります。

STAR法でガクチカがまとまると、エピソードが伝わりやすくなります。順序立てることで簡潔にガクチカが伝わり、企業に好印象を与えられるでしょう。

自己PRはPREP法で構成しよう

<PREP法>

・Point(結論):私はAだと考える

・Reason(理由):なぜならBだからである

・Example(具体例):たとえばCという事例がある

・Point(結論):だから私はAと考える

PREP法は、Point(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Point(結論)の頭文字で構成されています。自己PRは上記のように、ガクチカと全く異なる方式でまとめましょう。

このように最初と最後に結論を伝えることで、Aという内容を強調できます。企業により印象強く自己PRの内容が伝わり、自社でその強みを活かせるか検討してもらいやすくなるでしょう。

ガクチカのESテンプレート・例文

部活の場合

例文

私が学生時代に力を入れたことは部活動です。

私は子どものころから音楽が好きで、中でも楽器を演奏することが楽しいと感じていました。部活動では吹奏楽部でフルートを担当し、コンクールで金賞を取ることを目標に部活へ取り組んでいました。

金賞を取るために放課後の自主練習を徹底的に行いました。練習をする際は得意・不得意を明確化するためノートにまとめて、スケジュールを細かく立てながら練習を行いました。また、長期の休みも練習を行い、勉強と部活動の両立を図りました。

結果は銀賞でしたが、計画を立てて物事にチャレンジするスキルを得られました。貴社へ入社後も、目標達成に向けて計画的に取り組みたいと思っています。(300字以内)

吹奏楽部での経験によって「計画を立てて物事にチャレンジするスキル」を得たことがアピールできています。計画的に取り組むスキルは多くの企業で求められることなので、よいアピール方法となるでしょう。

ただ学生時代に力を入れたことを伝えるだけではなく、その結果どのような結果を得て企業に貢献できる状態になったのかが、分かりやすくまとめられています。エピソードも分かりやすく、採用担当者の記憶に残りやすいです。

アルバイトの場合

例文

私が学生時代に力を入れたことは接客販売のアルバイトです。

私は元々コミュニケーションスキルに自信がありませんでした。人と話す際に緊張してしまうことが多いことが悩みだったため、接客販売を通してコミュニケーションスキルを向上させようと考えたのが、アルバイトを始めたきっかけです。

アルバイトではお客様との会話において、緊張せずにリラックスしてコミュニケーションを取ることを意識しました。お客様から話しかけられるのを待つのではなく、自分から積極的に声をかけることも意識して、徐々にコミュニケーションに慣れていきました。また、お客様だけではなく職場の先輩にも質問・相談を積極的に行い、人見知りの克服を目指しました。

その結果、私は初対面の人に対しても、自然にコミュニケーションが取れるようになりました。人との会話に緊張することも無くなり、むしろ今では接客業が楽しいと感じています。貴社に入社後も、接客業の楽しさややりがいなどを忘れず、相手の立場に立った接客ができればと考えています。(450字以内)

接客業はアルバイトの中でも、非常に多い分野です。そんな接客業に取り組んだきっかけや、その結果何を得たのかなどが明確になっています。

接客販売のアルバイトを通してスキル向上を実現できたことだけではなく、接客販売そのものが好きという気持ちもアピールできています。

接客業が楽しいと感じられたこともアピールできていますが、この点についてもエピソードを加えると、より記憶に残るガクチカになるでしょう。

ボランティアの場合

例文

私が学生時代に力を入れたことはボランティアサークルでの活動です。

私は幼いころから自然が大好きだったため、近年問題視されている環境問題に対して深い関心を持っていました。何か自分でも地球環境のためにできることはないかと考えた結果、ボランティアサークルでの活動に行きつきました。

ボランティアサークルではゴミ拾いをしていました。あるとき学校近くにある海のゴミを拾っていた時、それを何かに活用できないかと考え、日用品やアクセサリーなどの材料にすることを思いつきました。集めたゴミで新たな制作物を生み出し、学校祭での販売を行った結果、地元のニュースでも取り組みが取り上げられました。

ボランティアサークルを通して、環境問題について改めて考えさせられたと同時に、問題解決のためにアイデアを考えることの重要性を学びました。貴社に入社後も、ただ仕事に取り組むのではなく、自ら問題解決のためのアイデアを考えたいと思っています。(450字以内)

ボランティアサークルで機械的に活動を続けるのではなく、自ら新しい発想ができたことが強調されています。

このようなアピールは、自主性や柔軟性などを重視している企業に対して、好印象を与えられるでしょう。「指示されたことだけしかできない」「自分から積極的に動けない」というマイナスイメージを与えず、むしろ積極的に行動できるスキルを持っていることを伝えられます。

地元のニュースでも取り上げられたというエピソードも、自分の取り組みによって実績を残せたというアピールになっています。

自己PRのESテンプレート・例文

部活の場合

例文

私の強みは最後まで諦めずに物事へ取り組めることです。

野球部での活動では、試合に負けそうな状況になっても、諦めずに努力していました。冷静に状況を観察し、現状を打破できる方法はないか考えたり、チームで勝つための戦略を練ったりなどしていたため、途中で試合に勝つことを諦めたことはありません。

練習試合で相手チームに追い込まれていたときも、まだ勝てるチャンスがあると考え、戦略を立て直すことを提案しました。また、自分が打席に入った際も、勝つために全力を振り絞った結果、逆転勝ちを果たせました。

このような結果を出せたのは、私の強みである最後まで諦めないという精神が生きた結果だと思います。(300字以内)

部活動での経験から、最後まで粘り強く努力できるという強みが明確に伝わっています。

「まだ勝てるチャンスがあると考え」という感情を伝えることで、負けそうな状況になっても希望を捨てずに努力したという印象を与えられています。

また、ただ「諦めずに頑張る」という精神論だけではなく、その結果試合で勝てたというエピソードも伝えられているので、好印象につながりやすいでしょう。企業での活かし方についても言及できるとより良い自己PRになるでしょう。

アルバイトの場合

例文

私の強みは相手の気持ちに寄り添えることです。

飲食店でのアルバイトでは、お客様が何を求めているのかを考え、行動に移すことを意識していました。お客様が周囲を見渡しているときはすぐに声をかけに行く、空いたお皿やコップなどはすぐに下げるなど、積極的に行動することを心がけました。その結果、お客様から「気が利いていて助かる」「ありがとう」など、お礼を言われる機会が多くありました。

また、お客様からだけではなく、一緒に働くスタッフの気持ちにも寄り添いました。悩んでいる後輩を見つけたら、積極的に相談に乗ったり、仕事でフォローしたりしました。その結果職場で表彰を受けたり、お客様からお喜びの声がメールで寄せられたこともあります。

どのような仕事をするにしても、相手の気持ちに寄り添うことは大切だと考えています。自分の強みを活かして、貴社に貢献したいです。(400字以内)

お客様だけではなく、スタッフから評価された経験も伝えられており、エピソードが分かりやすいです。相手の気持ちに寄り添うために、具体的に何に取り組んだのかも明確になっています。

また、表彰を受けたことや、お客さんからメールがきたことなど、自分の強みによって結果を出せたこともアピールできています。

相手の気持ちに寄り添うために何を努力したのか、より深く掘り下げられると好印象につながるでしょう。

ボランティアの場合

例文

私の強みは、分かりやすく物事を伝えられることです。

私はボランティア活動で、学校支援に取り組んでいました。そこでは小学生に勉強を教えていましたが、分かりやすいと言われることが多かったと感じています。

小学生はまだ幼いため、難しい言葉や言い回しなどを理解できません。そのため、最初は勉強を教えていても、中々理解してもらえず苦労していました。その結果自分なりに教え方を考え、物事をシンプルな言葉で簡潔に伝えることにしました。

たとえば小学生でも理解できるように、専門用語を使用しないように心掛けました。また、ときには絵や動画なども使用して、視覚的に学べるよう工夫していました。

すると、教えていた小学生が、テストで満点を取れるようになりました。小学生が苦手を克服できて喜んでいる様子を見て、とても嬉しかったです。今後も相手の立場に立って、分かりやすい説明を心がけたいと思います。(400字以内)

小学生が相手だと、専門用語や遠回しな表現などが伝わりません。この自己PRのエピソードから、この学生が分かりやすい簡潔な説明が得意であることが伝わってきます。

分かりやすい説明のために何をしたのかが明確であり、小学生が満点を取ったという実績につながっています。

「分かりやすく伝える」というスキルは、指導者に欠かせないものです。企業によっては、今後指導者として輝ける人材だと認識してくれるかもしれません。

ガクチカと自己PRを明確化してアピールしよう

ガクチカと自己PRに違いを持たせることで、企業により多くの魅力をアピールできるようになります。また、どちらにもエピソードを加えると、より内容が印象強く残ります。どちらも似たり寄ったりな内容にならないよう、注意しながら構成を考えましょう。

いずれも自分を客観的に分析し、内容を分かりやすくまとめることが大切です。学生時代のことと現在のことを踏まえて、何か企業にとって好印象につながる要素はないか考えてみましょう。

【例文7選】ゼミ経験をガクチカに書く方法|アピールできる強みや注意点

ガクチカでゼミ経験をアピールするとき、「どう書いたら内容が伝わるのか」「他の人とどうしたら差別化できるのか」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

ゼミでの経験はガクチカとして取り上げる就活生が多いため、ポイントを押さえ、企業の目に留まる文章で書くことが大切です。

本記事では、ガクチカでゼミ経験を効果的にアピールするコツや差別化するためのポイント、参考になる例文を紹介します。

ガクチカでゼミを取り上げるのは効果的?

結論として、ガクチカでゼミを取り上げるのは効果的です。ゼミでは学生生活で学んできた内容から、興味のある分野やテーマを絞り、深く研究します。最終的には、研究結果を論文やプレゼン資料にまとめて発表するケースもあるため、学生時代に最も注力したこととしてアピールできるのです。

アルバイトやサークル活動、資格取得などをアピールするのも1つの考えですが、実績を残していない場合はアピールしにくい欠点があります。ゼミの活動なら、規則正しい学生生活を送ってきた証明にもなるため、面接官や採用担当者に好印象を与えられるでしょう。

以上の理由から、ガクチカでゼミの活動を取り上げるのは効果的といえます。

ガクチカでゼミを取り上げる4つのメリット

興味・関心を伝えやすい

ガクチカでゼミを取り上げることで、どのようなことに興味や関心を持っているのかを伝えやすくなります。なぜなら、「数あるゼミの中から、所属したいものを1つ選択した」という背景があるからです。

ゼミの活動は、研究テーマについて専門的な知識を深める活動であるため「◯◯◯について興味・関心がある」という姿勢のアピールに繋がります。面接官や採用担当者にも「◯◯について興味・関心がある人」というイメージを与えやすくなるのです。

特にゼミでの経験や研究テーマが、志望する企業の職種と関連性のある内容なら、より説得力を持たせられるでしょう。

ガクチカを通して、自身の興味・関心をアピールするできるので、ゼミ活動のテーマはおすすめといえます。

文章構成を考えやすい

文章構成を考えやすくなることも、ガクチカでゼミを取り上げるメリットの1つです。「どのような努力をしてきたか」について、ストーリー性を持たせやすいからです。

面接官や採用担当者はガクチカを通して、目標達成に向けた努力の過程をチェックしています。目標達成のために不足していたスキルの取得や、課題解決まで試行錯誤した過程などを、時系列を追って説明しやすいのです。

また目標達成に向けてた行動は、仕事で結果を残すためにも重要な姿勢です。「企業で活躍できる人材」というアピールにも繋げやすいため、ゼミの活動をガクチカでアピールするのは有効といえます。

エピソードに独自性が出る

ガクチカでゼミの経験を取り上げることは、エピソードに独自性を生み出せるメリットがあります。一括りに「ゼミ活動」と表記できても、研究テーマや取り組み方は、学生によって異なるからです。

例えば、同じゼミに所属する2人の学生が「林業」に関する研究に取り組んでいたとします。1人の学生が「バイオマス」について、もう1人の学生が「植林」を研究テーマに設定していたならば、異なるゼミ活動のエピソードが生まれます。

万が一、2人の学生が同じ「バイオマス」について取り組んだとしても、過程や研究結果は異なるため、瓜二つのガクチカが生まれるとは言い切れません。

以上のことから、ゼミ活動はオリジナリティが生まれやすくなるため、面接官や採用担当者の目に留まりやすくなるのです。ガクチカの文章に独自性を出すなら、ゼミ活動をアピールする方向で、作成に取り組みましょう。

組織内での役割を伝えることができる

ゼミ活動では、必ずチームで行動することが求められます。そのため、集団の中で自分がどのような役割で力を発揮できるのかを伝えることができます。

業務を行う際にもチームで行動することがほとんどであり、入社後のイメージがつきやすいため、採用担当者に好印象を与えることができます。

例えば、ゼミでリーダーを務めていた経験をアピールすれば、入社後も人を引っ張る存在に成長することが期待できるでしょう。

ガクチカでゼミを取り上げるデメリットとは?

ガクチカでゼミを取り上げるデメリットは、他の学生とテーマが被りやすいことです。説得力や独自性を持たせやすい分、ガクチカのテーマに取り上げられやすい傾向があります。

特に、情報量が少ない文章を作成してしまうと、企業から「真面目に取り組んでいない印象」を抱かれ、信頼感を削いでしまいます。

オリジナリティ説得力を出すには、取り上げるエピソードや伝え方などを工夫して作成することがポイントです。

一括りに「ゼミ活動」と表記できたとしても、テーマや研究過程は学生によって異なります。活動内容を具体的に深掘りして、被りにくいゼミ活動のエピソードに繋げましょう。

ゼミに関するガクチカでアピールする強みの例

個人研究の場合

  • 計画性
  • 対応力
  • 忍耐力
  • 探究心
  • 情報整理力
  • チャレンジ精神
  • 課題発見・解決力

個人研究は、ご自身1人でテーマの決定から研究結果のまとめまでを行います。全ての工程を1人で遂行する経験から、上記の強みをアピールしやすいでしょう。

ぜひ上記の内容を参考にして、ご自身の強みを棚卸ししてみてください。

グループ研究の場合

  • 主体性
  • 傾聴力
  • 協調性
  • リーダーシップ
  • コミュニケーション能力

グループ研究は、チームの一員として研究に取り組むことが特徴です。

チームとして円滑に取り組むためにも、メンバーの意見をまとめたり、進捗を管理したりなど、個人研究とは異なる活動が生じます。

グループ研究に打ち込んできた方は、ぜひ上記の内容を参考にガクチカを作成してみてください。

研究内容をそのまま仕事に活かせる場合

理系専門職など、ゼミや研究室での研究が入社後の業務にそのまま活かせる場合には積極的にアピールします。そのためにも、まずは業務内容をしっかりと確認し、関連のある研究をしているかどうかを吟味する必要があります。

実際に書く際には、専門用語を適度に使いながら簡潔に研究内容を伝えることで、採用担当者にも即戦力になることが伝わるでしょう。また、この場合は研究内容への理解が深い面接官も多いと考えられ、多少の専門用語であれば使っても問題ありません。

ただし、研究内容を詳しく書くというよりも、わかりやすく伝えることを意識して書くようにします。

ゼミに関するガクチカの構成と書き方

結論

まずガクチカの冒頭は、結論から述べるように構成しましょう。結論を提示せずに文章を展開してしまうと、読み手は焦らされている感覚に陥ってしまうからです。

冒頭から、ゼミの活動内容や研究テーマを述べてしまうと「結局、何を伝えたいんだろう?」と、結論がわかりにくくなってしまいます。

しかし、冒頭で結論を提示しておくことで「◯◯について説明しているんだ」と、ガクチカの全体像を把握しやすくなります。

さらに冒頭で結論を言い切ることで、読み手は「どうして?」と理由や解説を意欲的に知りたくなるのです。

そのため、ガクチカの冒頭には結論を記載しましょう。

背景・動機

ガクチカの結論を作成できた後は、ゼミ経験の背景や動機を記載しましょう。「ゼミを選んだ理由」を明記することで、ご自身の興味関心を読み手に理解してもらいやすくなります。

なお「感覚で選んだ」「先輩に誘われて選んだ」などの場合は「配属後、何に力を入れようと思ったのか」を伝えましょう。

また、ゼミを選択する背景・動機には、他の学生と差別化を図る効果もあります。「何を基準にしてゼミを選択したのか」を分析してみましょう。

目標・困難

ゼミに関するガクチカには、目標や困難を含めた文章を含めましょう。

目標や困難を洗い出すことで、入社後も目標や課題と向き合いながら仕事できる人材だとアピールに繋がるからです。

壁にぶつかった経験や、苦しかった経験を明記することで、読み手が情景を思い浮かべやすくなります。

「研究過程や実習で失敗した」「チームメンバーの作業分担に頭を抱えた」など、些細なエピソードでも構いません。失敗経験と併せて「何を努力したか」に触れることで、より説得力のある文章にできます。

目標と困難の深掘りをすれば、唯一無二のガクチカに近づくため、ぜひ一度振り返ってみてください。

対策・結果

ガクチカの説得力をアップするためには「困難に対して、どのような対策を取ったか」や「どのような結果を残したのか」を明記しましょう。

研究テーマについて努力した内容や、工夫した内容を関連させ、成果を伝えると効果的です。 

しかし、目標を達成できているかは重視されないことを覚えておきましょう。なぜなら企業側は、志望者がどんな人なのかを把握したいからです。

目標を立てた経緯や、研究に取り組む姿勢などを通して、志望者の考え方や価値観などが確認されます。

ガクチカを考える際は、研究結果の有無にとらわれないようにしつつ、対策や結果を具体的に明記しましょう。

発揮した強み

ゼミ経験に関するガクチカを作成する際は、活動を通して発揮した強みを明記しましょう。

発揮した強みは、長所や得意なこととも捉えられ、 自己分析を踏まえて書き出すことがポイントといえます。

また長所については、面接でも質問されやすい内容のため、面接対策としても大切な手順なのです。

なお、ご自身の強みを把握するためには、自己分析を行う必要があります。1人で考えるのが困難な場合は、友人や教授、家族などに確認するのもおすすめです。

まずは、ゼミでの活動の中で、どんな働きかけをして「感謝されたか」「貢献できたか」を振り返り、書き出してみましょう。

得た学び

ゼミについてガクチカを作成する際は、経験を通して得た学びを文章の最後に記載しましょう。

ゼミ経験のストーリーと合わせて強みをアピールすることで、より印象に残るガクチカに仕上がるからです。

得た学びを棚卸しする際のポイントは、研究に打ち込む前後で「自身の何が変わったのか」を振り返ることです。

また、学びを通して「企業や職種にどう貢献できるか」を明記するのも有効です。「入社後にどんな活躍ができるか」と説明できれば、企業にマッチする人材として印象に残りやすくなります。

企業に求められる人材やスキルに応じて、ゼミ経験のエピソードを締めてみましょう。

【アピール要素別】ゼミに関するガクチカの例文3選

リーダーシップをアピールする場合

例文

大学時代はゼミ長として「リーダーシップ」を発揮し、ゼミ生の意見交換を活発化させることに尽力しました。

具体的には、誰でも参加しやすい研究室内でのオリエンテーションの場を設けるという方法です。研究室以外のイベントやスケージュールなどの関係で、ゼミ生の交流が少ない状況でした。

そのため、ゼミ活動の初日や出席率が高い日にオリエンテーションを行った結果、壁を感じない交流の活性化を実現できました。

ゼミ生や教授との距離感が近くなり、積極的に意見交換しながら研究に取り組めるようになりました。

貴社に入社した後も「リーダーシップ」の発揮および向上に注力し、前線で活躍できる人材として貢献いたします。(300字以内)

上記の文章は、主体的に取り組んだゼミ長の経験を深掘りし「リーダーシップ」としてアピールしています。

リーダーシップに関するガクチカを作成する際は「役割を担った後の行動」に視点を置いて、文章を構成してみましょう。

また上記の文章は、「意思決定力」「積極性」を交えてアピールできると、よりリーダーシップがある人材であることを印象付けられます。

志望する企業が、複数人で1つのプロジェクトに取り組む方針を取り入れている場合に有効なアピール方法といえるでしょう。

協調性をアピールする場合

例文

大学時代はゼミ活動に注力し、円滑なグループ研究の実現に貢献しました。

グループ研究の開始当初は役割分担が漠然としていたため、個人研究に近い状態が続いており、このペースでは研究発表に間に合わないと不安を感じました。

そこで、ゼミ生ごとの得意分野を分析し、作業分担する方法を提案しました。また進捗の報告会を定期的に設け、お互いにフォローしながら進めることで全体の効率化を測りました。

結果、研究発表よりも1週間前に完成し、本番では教授からお褒めの言葉をいただくことができました。

この経験からチームで作業を進めるときは周囲と協力し、適切な役割分担と同じ目的に向かうことを意識した取り組みが大切なことを学びました。この協調性を仕事においても発揮していきます。(350字以内)

上記のように、チーム単位で課題解決に取り組んだ行動は「協調性」としてアピールするのをおすすめします。協調性は、社会人になってからも求められるスキルの1つですので、職種を問わずアピールしやすいメリットもあります。

また、協調性をアピールする際は、ゼミ生との関わりを通して「結果を出すために何をしたのか」「どんな影響を与えたのか」を説明しましょう。エピソードの深掘りに繋がるため、より説得力のある文章に仕上がります。

最後の企業で協調性をどう活かすかについて、もう少し具体性を持たせられると、働いている姿を想像してもらいやすく、よりアピールに繋がります。将来性も伝えられるように意識しましょう。

行動力をアピールする場合

例文

私はゼミ活動において、強みである行動力を発揮し、効率的な議論のサポートを行いました。

私が所属しているゼミでは意見交換を重んじてるため、議論が活発に行われているのですが、そこで出た意見や考えを記録していないため、同じテーマを繰り返していることが度々あり非効率であることに気がつきました。

 

そこで自ら記録係を担当することを提案し、議論の振り返りと取りまとめに努めました。記録を行うことで重複した議論を防ぎ、論点がズレているときには過去の議事録をもとに軌道修正するようフォローすることで、1回の議論の時間を15分短縮することができるようになりました。

入社後も失敗を恐れずに、現状の改善に取り組む姿勢を大切に積極的に行動したいと考えています。(350字以内)

上記では「率先して行動できる」という強みを、ゼミでの取り組みに絡めながらアピールしています。

なぜ議論の内容を記録しようと思ったのか、背景が書かれているため、チーム全体のことを考えた取り組みであることがわかります。

また記録を取ることで、「同じテーマの議論の重複を防ぐ」「軌道修正のフォローをする」といった、具体的な改善点をあげているのもポイントです。結果として、議論時間を15分短縮できたことも、取り組みの結果としては十分にアピールできるできる要素となっているでしょう。

抽象的にな印象にならないためにも、具体的なアクションの前後にストーリー性を持たせた表現を意識してみましょう。

【文字数別】ゼミに関するガクチカの例文2選

400字で構成する場合

例文

大学時代は「ゼミ活動」に注力し、ゼミ対抗の研究発表で特別賞を受賞できました。

研究テーマには、◯◯地区の自然災害対策を取り上げ「少子化が懸念されながらも、どのような取り組みを実施しているのか」を研究しました。

現地の首長や住民、自治体へのインタビューを通して、ヒアリング調査を実施し、実地調査から得た情報を元に、課題解決のプロジェクトを考案しました。

しかし実地調査の結果をまとめる際、メンバーの間で意見が割れ、円滑な意見交換が難しい局面に陥ったのです。

そこで私は、異なる意見を否定せずに受け入れる姿勢を意識して、メンバーと向き合うようにしました。結果、少しずつ意見の擦り合わせが進み、納得のいくプロジェクトを考案できました。

この経験がなければ、研究発表で特別賞を受賞できていなかったと実感しています。

以上を踏まえて、相手の意見を尊重しながら、チームの一員として貢献することの大切さを学びました。(400字以内)

400字のガクチカを構成する場合は「ストーリーが300字」「入社後の意気込みが100文字」を目安に記載しましょう。

特にガクチカの目的は、企業側に「採用したい」と感じてもらうことです。経験した事実だけを伝えるのではなく、入社後に貢献する情景をイメージしてもらえるように伝えましょう。

また、自身の強みが「どの場面で生まれたのか」を具体的に伝えて、企業側の理解度を高めるように意識することが大切です。

200字で構成する場合

例文

私はゼミ活動のゼミ長として、リーダーシップを発揮しました。

1つの研究に対しメンバーの得意不得意に合わせ担当を振り分け、進捗の確認を行いながら、遅れやミスが発生しないよう配慮することに努めました。また定期的に意見交換の場を設け、チームの雰囲気作りを心がけました。

結果、研究発表会では教授から「A評価」をいただきました。求める結果を出すためには、分業と仲間の理解を深めることが大切であることを学びました。(200字以内)

ガクチカを200字で構成する場合は「何が強みなのか」「どんな人間なのか」にポイントを絞って作成しましょう。

ゼミ経験を細かく伝えにくいですが「経験を通して学んだことを、企業でどう活かすのか」がポイントであることには変わりありません。端的に文章をまとめましょう。

さらに200字のガクチカでは、研究内容や得た学びなどを長文で記載せず、面接で話すのを想定するのがポイントです。面接の質問を通して、深堀りしたくなるような文章を意識して作成しましょう。

ガクチカでゼミの経験を伝える注意点

わかりやすい言葉を使う

ガクチカでゼミの経験を伝えるときは、わかりやすい言葉を使いましょう。研究テーマや専門的な知識がない人でも理解できる表現を意識して作成します。

特に、一般に馴染みの薄い専門用語は、面接官や採用担当者がすんなりと文章の内容を理解しにくくなってしまいます。最悪の場合、あなた自身がアピールしたい内容が伝わりにくい印象を与えてしまうのです。

ガクチカを作成する際は、専門用語や表現を噛み砕き、読み手がすんなりと理解できるよう文章を作成しましょう。

万が一、専門用語以外の表現が見つからない場合は、補足の文章を追記するのをおすすめします。

数字を積極的に盛り込む

数字を積極的に盛り込むことで、ゼミの経験を具体的かつ印象的に伝えることができます。

例えば、研究テーマに関する統計や分析の結果を説明する際「いくつかのデータを得られました」と表現するのは、少々抽象的な印象を与えます。面接官や採用担当者は「いくつなの?」と疑問を抱きながら内容を把握することになるため、ストレスに感じてしまうでしょう。

しかし、「3つのデータを得られました」と数字を使って説明することで、直感的かつ端的にイメージを伝えられます。

ガクチカの文章を作成する際は、「数字を使って伝えられる内容がないか」に着目して取り組んでみてください。

求められる人物像を意識する

ガクチカでゼミの経験を伝えるときは、企業が求めている人物像を意識した文章を作成するのがおすすめです。なぜなら、面接官や採用担当者は、企業の価値観や考え方と志望者がマッチしているかを知りたいからです。

企業側としても、人材採用は時間と労力を割く作業であるため、慎重に吟味したいと考えています。また社員が退職する際も、各種手続きや業務の引き継ぎなどが発生するため、長期的に働いてくれる人材を求めているのです。

以上を踏まえて、企業は志望者のエピソードや経験を聞き、価値観や考え方に相違がないかを知ろうとしています。ガクチカでゼミ経験をアピールするときは「企業が求めている人物像」を予め理解した上で適切にアピールしましょう。

企業との相性を考慮する

ガクチカでゼミ活動について書く際は、ゼミでの研究内容と企業での業務内容の相性がどのくらいなのかによって書く題材を変えましょう。

前述のように、研究内容を業務に活かせる場合には、研究内容を積極的にアピールしましょう。一方、研究内容と業務の関連がそれほど無い場合には、ゼミでの学びに対する姿勢や過程をアピールします。

例えば、ゼミ内での役職や成し遂げたことがあればアピールできるとともに、チームで業務を行う上で不可欠な協調性やリーダーシップなどを伝えることもできるでしょう。

結果だけを書かない

ガクチカでは、研究の実績や成果が重視されると思われがちですが、それ以上に大事なのがそれらの成果を出すまでの過程です。どのような部分に困難を感じたのか、どのように問題を解決したのかに人柄が現れるためです。

ゼミの研究内容が活かせなかったとしても、チームで協力して研究を進めるためには共通の要素が必要になります。全ての仕事に通じる要素を見つけてアピールしましょう。

専門用語は最小限に収める

ガクチカは、採用担当者に正しく伝わることが最優先です。そのため、研究内容の詳細すぎる説明は避け、専門用語もなるべく使わないようにしましょう。

ただし、理系の専門職(IT、建築、技術系など)は業務と自分の研究内容が直結するため、正しく伝える必要があります。この場合、面接官もその分野に詳しいことが多いため、分かりやすく伝えるための専門用語であれば使ってかまいません。

ガクチカでゼミを取り上げて選考通過に繋げよう!

ゼミに関するガクチカは「どのような活動をしたのか」「経験を活かして、どのように貢献できるか」を簡潔にまとめることが大切です。

また、ゼミ経験をガクチカのテーマとして取り上げる学生は多いため、独自性が伝わる構成を意識して書くこともポイントといえます。

本記事で紹介した内容や例文を参考にして、まずはガクチカに記載する情報の棚卸しから始めてみましょう。

自己PRで英語力を伝える!効果的にアピールする方法とコツを解説

グローバル展開に力を入れる企業が多い現代では、英語力は間違いなく就活で有利な能力です。

最近では、就活の段階で高度な英語力を問う企業も多くなっています。実績を積み他の人より優れた英語力を身に着けた人は、自己PRで積極的にアピールしましょう。

しかし実際に英語力をアピールするとなると「どんな英語力を企業は必要としているの」「他の人と差別化はどうすればよいの」など、わからない人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、企業側の視点を交え、ESの自己PRで英語力を魅力的にアピールする方法や書き方のコツを紹介します。

英語力は就活で有利になる?

グローバル化が進む現代において、英語力があると就活で有利になるケースが多いです。英語力がなくてもマイナス評価にはならないものの、あるとプラス評価になることは間違いないでしょう。

既に海外進出している、または、これから進出を考えている企業においては、英語力がなければそもそも応募できないケースもあります。

しかし、英語力を持つ人材の重要度が増す一方、英語力をアピールする学生も増える傾向にあります。そのため、単に英語力だけをアピールしても採用担当者の印象には残りません。

就活で英語力をアピールする場合は、他の学生と差別化を図ったり、企業に評価される英語力の種類、英語力と一緒にアピールすると効果的な強みなど、あなたの持つ英語力がより引き立つアピール方法を知っておく必要があります。

企業は、英語力がある人材に「グローバルに活躍してくれそう」という印象を持つだけでなく、「語学を習得するほどの努力ができる人材である」と評価しています。

努力を重ね優れた英語力を取得した人は、その努力を上手に説明し、あなたがいかに魅力的な人材なのかをアピールしましょう。

英語力をアピールできる基準

英検は2級以上が目安!準2級なら学習意欲をアピールしよう

ESの自己PRで評価されやすい英検のレベルは英検2級以上です。

英検では2級以上から試験項目にライティング技能が追加され、リスニング・リーディング・ピーキング・ライティングの4技能が問われます。そのため英検2級以上を自己PRに記載することで、話す・聞く・書く・読むなど総合的な英語力をアピールすることができます。

就活で有利となる英検は2級以上ですが、英語力をそれほど求めていない企業や職種では、準2級でも評価してもらえる可能性もあります。就活時に2級が取得できていなくても、今後も継続的に英語学習に取り組む姿勢をアピールできれば、準2級でもプラスに受け止められることもあります。

英検準2級を自己PRに記載する場合は、2級以上の資格取得に向けて勉強中であることを合わせてアピールしましょう。

ただし、あくまでも就活で評価されやすいレベルは英検2級以上です。翻訳や通訳など直接英語を使用する職業はもちろん、航空や商社、外資系などでは、就活時に英検2級以上の英語力を求められる可能性もあることを覚えておきましょう。

英検2級を最低ラインとしている企業では、準2級以下はかえって英語力の低さを強調してしまう可能性もあるので注意しましょう。

TOEICは600点以上が目安!英語を使う業種は800点以上が標準基準

ESの自己PRでアピールできるTOEICの成績は600点以上です。ただし外資系企業や観光業、貿易業など日常的に英語を使う業種では800点以上が標準基準です。

TOEIC600点は英語を「読む」「書く」の基本ラインといわれており、ビジネスシーンにおいて、ゆっくりな会話は理解できる、簡単なメモは理解できるレベルです。英語は使わない業務であっても大企業の場合は700点が標準基準とされています。

外資系企業や貿易業、メーカーなど、業務で英語を使用する業種は800点が標準基準です。600〜700点台でも応募はできますが、英語力で他の応募者と差別化したい場合は800点以上のスコアで挑みたいところです。

TOEIC800点は、英文サイトから必要な情報や資料を収集できたり、業務上トラブルが発生した場合に英語で議論できるなど、ビジネスシーンにおいて本格的な英語を使えるレベルです。

なお、900点以上は、多くの企業で一目を置かれるスコアです。グローバル展開する外資系企業などでは900点を最低条件としている場合もあるため、英語を使う業種を希望する人は、企業の募集要項などでその企業が基準とするスコアをチェックしておきましょう。

TOEFLは75点以上が目安!海外企業が希望ならは85点以上

TOEFLは、英語圏の大学の入学時や海外移住時の英語力の証明として活用できる英語資格です。そのため留学や海外移住の経験がある方は、TOEICではなくTOEFLの得点を持っているという人も多いかもしれません。TOEFLも、英検やTOEICと同様に取得しておくと就活には有利な英語資格です。

就活の際に評価されるTOEFLの点数は75点以上です。海外企業への就職を希望する人は85点以上が目安となります。

TOEFL70〜80点は、日本では英検2級A程度の英語力と評価されます。自分の専門分野に関しては、やや複雑な議論ができるレベルです。企業からは、英語での会話や文章でのやりとりを緊張せずに行えるレベルと期待されます。

TOEFL80〜90点は、日本では英検2級程度の英語力と評価されます。一部のトップ大学は除かれますが米国の4年生大学への出願に十分対応できるレベルです。ビジネスシーンでは、専門分野において高いレベルでの議論や、複雑な文章の読解を期待されます。

英語力の証明として取り組む人が多いTOEFLとTOEICは、どちらも世界的に認知度が高い英語資格試験ですが、日本ではTOEICのほうが企業の評価基準に設定されることが多いです。そのため志望企業がどちらを重視しているかを事前に調べておくことが大切です。

まだ就活の準備に時間がある人は、本格的な就活シーズン前にTOEICを取得しておくこともおすすめです。

企業が英語力のある就活生にもつ印象

企業は英語力のある就活生に対して「他言語を習得するほどの努力を積み重ねてきた人」という印象をもちます。そしてESの自己PRを通して「英語力のレベル」はもちろんのこと、「どのように他言語を習得してきたのか、習得するまでの過程を知りたい」と考えています。

なぜなら企業は英語力のある人に対して継続力行動力の高さ、違う価値観に対しての順応性など、他言語を習得するまでに身に着けたさまざまな能力に期待しているからです。

企業は英語力に付随する能力から、あなたの特性を読み取り、企業が求める人材かどうかを見極めます。企業側の視点を踏まえると英語力をアピールして採用を勝ち取るためには英語力と合わせてアピールする+αの強みが重要になるということです。

たとえ就活時に志望企業が設定する英語力の標準基準まで達していなかったとしても、失敗から学んだ教訓や今後の英語学習に対する取り組む姿勢などを上手にアピールすることができれば、周りと差別化でき採用される可能性もあがるでしょう。

自己PRで英語力をアピールするときのポイント

挫折した経験を盛り込む

企業は、失敗や挫折を乗り越え、他言語習得という大きな目標を成し遂げた人に対して、仕事で困難に直面しても成功につながるヒントや、失敗に隠れた価値を見つけ出し目標達成に繋げてくれると期待します。

また挫折した経験があるということは、何かに真剣に取り組んだことがあると判断されます。そして挫折から立ち上がるメンタルの強さを持つ人材は企業から重宝されます。失敗経験や挫折経験は、伝え方次第で好印象を与えることができるので、しっかりとアピールしましょう。

注意したいのは、挫折した経緯や挫折の内容を細かく説明しすぎることです。経緯や挫折の内容が長くなってしまうと、挫折経験だけが印象に残ってしまいます。採用担当者に伝えたいのは「挫折をどのように克服したのか」なので、経緯や挫折の内容は短く簡潔にまとめるようにしましょう。

困難を克服した過程を盛り込む

困難と直面したときに、その困難とどのように向き合い乗り越えたのか、そして何を学んだのかを盛り込むことがポイントです。

英語力を身に着けるためには「英語学習を苦痛に感じる」「自分の英語力の成長を実感できない」「相手の英語が聞き取れない」「単語や文法はわかっているのに英語がでてこない」などいくつもの困難を乗り越えてきたことでしょう。

その「困難を克服した過程」こそが、仕事においても再現性があると評価され採用担当者の関心を引くことができるのです。

しかし困難を乗り越えたことだけを伝えても、成長を強く印象付けることはできません。困難を乗り越え、そこから何を学んだのかを伝えることで成長意欲やメンタルの強さをアピールできます。

困難を克服したことが現在の自分にとってどのように役立っているのかを重点的にアピールしましょう。

具体的な数字や名称をを盛り込む

英語力を証明するためには、具体的な数字や名称を盛り込むことが重要です。具体性に欠ける自己PRでは、どのくらいの英語力があるのか、目標達成のためにどのくらい努力を行ったのかが伝わりません。

英検は2級、TOEIC600点、TOEFLは75点など、資格名やスコアを記載することはもちろん、「目標を決めてから2年間で英検2級を取得しました」「1年間でTOEICのスコアを400点から700点になりました」といったように、具体的な名称や数字を盛り込むことで、伝わりやすい文章になります。

自己PRで過度なアピールをしてしまうと、採用後に苦労したり、能力と業務が合わず退職を余儀なくされる可能性もあります。そのため、誤魔化したり嘘をついたりしないようにしましょう。

資格に自信がない場合は継続性をアピールする

企業が設定する英語力の基準に達していなくても、企業に応募することができます。資格に自信がない場合は、入社後も英語学習を続ける意思を伝え継続性をアピールするようにしましょう。

また、なぜ英語学習を続けるのか、目標を達成したら何をしたいのかを合わせて伝えることで成長意欲もアピールできます。

留学経験者など、取得している資格スコアが低くても、英語は話せるという人もいるでしょう。その場合は「英会話は得意だけど、ライティングは苦手」「今後はライティングに力をいれて、資格スコアを上げたい」など、英語学習を継続する意思を伝えましょう。

就活時点で企業が設定する英語力の基準を達成していなくても、出来ることと出来ないことを正直に伝えることで評価が著しく低くなることを防げます。

出来ないことを伝える際は、出来ないことをカバーする能力を合わせて伝えることでマイナスをプラスに変えることができます。例えば、「英会話力は十分ではないものの、外国の方と接することへの抵抗はなく、初対面の外国人でも臆することなく会話ができる」など、弱い部分をカバーできる強みを合わせてアピールすると良いでしょう。

英語力の自己PRは+αの強みで差別化できる!

英語力+継続力

英語力を身に着け維持するためには継続力が不可欠です。ですから企業は英語力がある人材に対して、目標に向かって努力し続けることができる人材だと評価しています。

ESの自己PRで英語力をアピールする際は、英語力を習得するまでに長期的に努力したエピソードを紹介することによって、継続力があることを強く証明することができさらに高い評価に繋がるでしょう。

またエピソードには、「TOEIC900点を目指し、大学入学後から本格的に英語学習を開始し、大学4年の6月に達成できた」など具体的な期間や数字を入れて説明するとより伝わりやすくなります。

英語力+向上心

現状に満足せず自分の能力をより優れたものにしようとする「向上心」は企業に評価される強みです。企業は他言語でもある英語を習得するために努力する人に対し、自分の能力の現状を見極め目標をたて、目標達成に向かって努力できる人材だと評価します。

自己PRで英語力をアピールする際は、英語力を習得するまでに目標をたて努力したエピソードを紹介すると向上心の強さをアピールできます。

目標は「3年後にTOEIC900点を取る」「3年後に英語を使う仕事に就く」など長期的な目標と、「毎日英単語を20個覚える」「毎日30分以上は英語勉強する」など短期的な目標に分けて紹介すると、目標達成に向けて計画的に前に進める力をアピールできます。

また目標に加え、目標達成期間を示すことで、仕事でも期間内に結果を出そうと努力してくれる人材と評価されるでしょう。

英語力+コミュニケーション能力

言語は相手と意見を交換するためのコミュニケーションツールです。英語力とコミュニケーションを合わせてアピールすることで、企業は「価値観が違う外国の方とも緊張感なく会話ができる人材」だと評価するでしょう。

英語力を活かしたコミュニケーションスキルは、グローバル展開する企業では特に必要なスキルです。英語力を自分の強みとしてアピールする際は、コミュニケーション能力も合わせて紹介しましょう。

「外国の方との交流を目的に英語力を伸ばしたいと思った」「英語力を磨きながら、外国の方と交流したいと思った」など、英語学習に力を入れた理由を外国の方とのコミュニケーションのためとすれば、その理由からもコミュニケーションや社交性、協調性をアピールできます。

英語力+適応能力

英語力を習得する中で、留学や海外旅行はもちろん、日本国内在住であっても外国の方の集団に身を置いた経験を持つ人も多いでしょう。価値観の違いや環境の違いを受け入れ順応していく適応能力は、社会人にとって大切な能力です。

価値観の違いを受け入れ周囲と良い関係を作った経験をアピールするのがおすすめです。環境に合わせて自分の力を発揮した経験は、再現性が高い経験です。

英語力+視野の広さ

英語学習をする中で、外国の文化や価値観に触れることがあると思います。そのような経験は、物事を多角的な観点で分析する力「視野の広さ」を養うと言えるでしょう。

仕事において視野を広げ、視点を変えて物事をみることで課題を見つけ出すことや、固定概念を取り除き解決策を導き出すために視野を広く持つことはとても重要です。特にリーダーや管理職など、チームをまとめる人材には視野の広さは求められる能力です。

英語力を身に着けるために海外の文化の違いを体験し、それぞれの良さを受け入れてきた経験をもつ人は、英語力と合わせて視野の広さをアピールしましょう。

英語力が伝わりやすい4段階構成

STEP1.結論を述べる

書き出しは結論を述べます。ここでいう結論とは、前述で述べた継続力や向上心など、英語力と合わせてアピールしたい+αの強みです。

例えば「私の強みは英語力と、その過程で培った継続力です」というように、英語力とは別の強みを簡潔に書くことで、あなたの人柄をダイレクトに伝えることができます。

英語力を重視する企業は多いですが、企業が探しているのは英語を含めて入社後に成長してくれる人材です。英語力単体でアピールしても採用には繋がりにくいことを念頭に置いておきましょう。

継続力や向上心など、英語力を習得するまでに必要となった能力や、コミュニケーション能力や適応能力など英語力を発揮するために必要な能力は、どのような業務でも必要となる強みです。自己PRの書き出しは、あなたの人柄がわかる強みを強調しましょう。

STEP2.結論を裏付けるエピソード

次に強みを裏付けるエピソードとして、英語学習に対する具体的な取り組みを伝えます。英語を学ぶきっかけや目標達成のためにどのように努力したのかなどを盛り込むようにしましょう。

例えば「大学3年の11月までにTOEIC900点取得を目指し、入学後本格的に英語学習を開始しました」「目標達成の為に、1日1時間、必ず英語学習に取り組みました」というように、目標スコア学習期間など数字を使って説明すると伝わりやすいです。

英語力を証明するためには、英検、TOEIC、TOEFLなど、資格を取得することがおすすめです。時間がある方は就活が始まる前に、ぜひチャレンジしましょう。

資格がない場合でも、「ボランティア活動で小学生に英語を教えた」「高校受験の塾で英語の講師を行い合格させることができた」など、実績をアピールすることで英語力を証明することもできます。

STEP3.成果を伝える

次に「英語資格の目標スコアを達成した」「留学経験によって、日常の生活には困らない程度の英語力を身につけることができた」など、英語学習の成果を伝えます。

ここでのポイントは、英語力が伸びた理由を自分の人柄や性格に結びつけて説明することです。例えば「毎日必ず英語学習を1時間行った。その結果英検1級を取得することができた」というように、あなたの長所である「継続力」を発揮したことが目標達成に繋がったことをアピールしましょう。

また学習を進めるうえでどんな課題があり、どんなことを学んだのかを伝えることで、入社後もさまざまな経験を積みながら成長してくれる人材だと印象付けられます。前述した「挫折経験」があればこの部分に盛り込みましょう。

STEP4.入社後の活かし方

英語力を企業にアピールする場合は、英語を使って企業の成長に貢献できることまで踏み込んで述べます。自己PRの最後は、培った英語力と+αの強みをどのように仕事に活かすかを伝えます。

「目標のTOEIC800点を取ることができました」とだけ伝えたところで、英語力の高さは証明できても、どうやって仕事に活かすのかまでは伝わりません。ですから、「英語力を使って○○という分野に取り組みます。それにより御社の成長に貢献していきたいと思っております」というように、企業への貢献度をアピールしましょう。

企業は、自社の成長に寄与してくれる人材を確保したいと考えています。自己PRの最後は、志望企業の成長に貢献したい意思を伝える一文で締めくくりましょう。

英語力を通して自分の人柄を引き立たせる例文

留学経験

例文

私の強みは海外留学で学んだ、実践的な英語力とコミュニケーション能力です。大学1年生時に英検準1級を取得し、大学2年生から2年間アメリカに語学留学へ行きました。

留学先では自信があった英語がネイティブにはまったく通じず、大変悔しい思いをしました。しかし夢でもあった海外留学を楽しく有意義なものにしたいと考え、自分の考えが相手に伝わらなかったときは、どのように伝えればよかったのか調べる習慣をつけるようにしました。そうすることで、留学から1年後には日常会話はもちろん、留学先の英語の授業も問題なく受けることができるようになっていました。

実際の仕事でもこの経験を活かし、何事にも向上心を持って取り組みスキルアップしていきたいと考えています。(350字以内)

語学資格の勉強やスキルと、仕事で使う実践的な英語スキルとは大きく異なります。企業は高度な資格を持っている人材だからといって、即戦力としての期待はあまりしていません。

こちらの例文は、難易度の高い英語資格取得をアピールしつつ「自分の英語が通じない」という困難を前向きに捉え地道な努力で克服したエピソードから、「何事も諦めずに努力を続ける人間性」をうまく表現しています。

また周囲に対する連絡、報告、相談の大切さや、チームとしての成果を意識していることが伝わる内容です。

TOEICの得点をアピール

例文

私の強みは向上心の高さです。

幼い頃から海外で仕事をすることが夢で、中学生の頃から英語学習に取り組みました。その結果、高校卒業時には英検1級、TOEIC860点を取得しました。そして大学では英米語学科を選びましたが、私は周囲に比べて自己表現や英語スキルが足りないと感じました。

そこでアメリカへの短期留学を決めました。はじめは周囲とうまく会話ができず悩みましたが「英語力を高めて自分はどうなりたいのか」自分が英語に取り組んでいる意味を考えなおしました。自分の目標を改めて見直すことで留学の目的を再確認でき、積極的に周囲に話しかけれるようになりました。そして徐々に自分の考えを自信をもって発言できるようになりました。

この経験を活かし仕事でも状況に応じて目標をたて、向上心をもって仕事に取り組みたいと考えています。(400字以内)

中学から高校卒業までの6年間英語学習を続け目標を達成した継続力と、目標達成能力が伝わります。継続力や行動力は社会人にとって重要なスキルですので評価も高くつきやすいでしょう。

また挫折があっても、目標を見失わず乗り越えたエピソードは、仕事においても再現性があると評価されます。

企業は新入社員に対し入社時点に実践で使える高い英語力を求めているのではなく、英語力を身につけた「プロセス」を知りたいと考えています。

結果のすごさではなく、「挫折があっても乗り越えた」その事実に価値があるのです。英語力をアピールする際は、英語力を身につけたプロセスを重視し伝えるようにしましょう。

英語力を自己PRに使うときの注意点

英語力だけをアピールしない

前述したとおり自己PRで英語力をアピールする場合は、英語力だけをアピールするのは弱いです。英語力を必要とする企業には、当然英語ができる就活生しか応募してきません。そのため、英語力だけをアピールしても差別化できず採用担当者の印象にも残りません。

企業は高い英語力を証明できる学生に対して、資格取得までの努力や苦労に関心を持っています。ですから、英語を身につけるために、努力してきたこと、挫折を乗り越えた経験、英語学習を通じて学んだことなどを重視してアピールしましょう。

資格がないとアピールできない場合もある

英語力が絶対に必要となる職種では、英検やTOEIC、TOEFLなど英語資格取得を採用条件にしている場合もあるので注意しましょう。たとえ必須条件にはいなくても、業務上英語の必要性がある職種では、英語資格をもっていることで即戦力になるとみなされ採用確率があがる場合もあります。

英語資格を採用条件にしている企業の中には、英語力以外のスキルがどれほど優れていても英語資格がなければ合格できない仕組みになっているので、応募前に企業の採用条件をよく確認しましょう。また英語資格をもっているのであれば、積極的にアピールしましょう。

実際以上によく見せようとしない

より英語力をアピールしようとして資格や実力を実際以上に高く伝えたり、エピソードに嘘を盛り込んだりすることは、いずれバレてしまうのでやめましょう。

英語力のテストなどがある場合はその場で嘘は発覚しますが、入社後に嘘が発覚すると最悪の場合、退職を迫られる可能性もあります。

企業は英語力の高さよりも、入社後に成長してくれる人材を探しています。英語力は入社後でも伸ばせるスキルでもあるので、英語力だけに頼るのではなく、その他の長所を合わせてアピールし、あなたの人柄が伝わる自己PRにしましょう。

 英語力をアピールするなら「英語もできる人材」を目指そう

グローバル化が進む現代において英語ができる人材は重宝されます。

しかし、英語が必要な業務であっても、仕事上では周囲との協力し合えることやコミュニケーションが円滑にとれることなど、社会人としてのヒューマンスキルが重要です。採用は総合的な評価で決まることを念頭に置いておきましょう。

英語力に自信がある人は、英語力を身につけるまでに体験した努力や苦労を踏まえ伝えるようにするほか、英語以外の強みを合わせて紹介するなど「英語もできる人材」を目指して、アピール方法を工夫してみましょう。

ガクチカで体育会系の部活を効果的にアピールする書き方とコツ【例文あり】

エントリーシートの頻出項目のひとつである「学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)」。ガクチカでは自分が頑張ったことを通して、選考企業で活躍できる人材であるということをアピールするものです。

中でも運動系の部活動の経験は、努力成果がわかりやすく伝えられるためおすすめです。「結果を残していないからアピールにならないのでは」と躊躇っている人もいるかもしれませんが、実は役職や大きな結果がなくても問題ありません。成果を残すためにどのように行動したのか、その過程を企業は重要視しています。

今回は、体育会系の部活についてガクチカで書くときのポイントや例文を解説します。ぜひ、参考にしてみてください。

企業がガクチカを聞く目的とは?

企業がガクチカを聞く目的は主に2つあります。自社に興味を持ってくれたあなたがどんな人間なのか人柄を見ること、何をモチベーションに動くのかを知るためです。

ガクチカのエピソードや経験から、あなたはがどんな考え方をするのか、どんな事を大切にしてきたのかなど企業とマッチする人柄であるかをチェックします。

また、企業が知りたいのは何をモチベーションに動くのかという事です。自己成長に繋がることがモチベーションの根源となれば、成長意欲が高いという評価にも繋がります。

ガクチカからあなたの人柄やモチベーションを効果的にアピールするためにも、書き方のコツやポイントをしっかりと押さえていきましょう。

ガクチカに体育会系の部活をテーマにするメリット

チーム内でどのように貢献できたかをアピールできる

会社では部署やプロジェクトなど、複数人で協力しながら仕事を進めます。

そのため、体育会系の部活はサッカーやバレーボールなどの団体競技を中心に、チームで協力しながらプレイするため、人間関係を構築できる能力協調性があるとして、評価されることが多いです。

また、チーム内での貢献をアピールすることで、自分の価値観人間性を伝えられます。体育会系の部活を題材にしたガクチカは、チーム内でどのように貢献したのかを伝えやすいため、おすすめします。

目標に向かって努力できる人材だとアピールできる

体育会系の部活では、「大会のスターティングメンバーに選ばれる」「全国大会出場」などの目標に向かって努力する姿勢をアピールすることができます。

そのため、ガクチカでは、目標を達成するために努力したエピソードや、困難を乗り越えて努力を続けた経験などを伝えることができるのが体育会系の部活に所属していた強みです。

企業では営業職やコンサルティング職を中心に、結果を求められます。なかには、体育会系の部活に所属していた就活生を求めている企業も存在しており、就活で有利に進められる可能性もあるでしょう。

ストレス耐性があることを証明できる

体育会系の部活では、練習や試合などを通じて、さまざまなストレスを抱えることが多いでしょう。企業で勤めると理不尽な経験が発生する可能性があるため、ストレス耐性をチェックしている企業もあります。

そのため、体育会系の部活でガクチカに書くことで、ストレスに耐え、それを乗り越えた経験などをアピールできるのが、強みです。

もし、部活動で苦しい経験をし、乗り越えた経験がある方は、ストレス耐性がある人材だとアピールしてみましょう。

体育会系の部活のガクチカが評価されやすい業界

商社

商社は、特に体育会系の部活のガクチカは効果的なアピールに繋がります。その理由としては業界の特性から、体力や精神力が重視されるためです。

商社の場合、国内外問わず出張が多く、慣れない環境に身を置きながらも仕事で成果を残さなければならないこともあります。そのため、色々なところを飛び回る体力や、そこで仕事をする精神力が求められるのです。

不動産

不動産の特に営業職では、体育会系の部活動経験は強みとなります。不動産ではフィールドセールスや、高額な商品の売買が行われます。そのため、体力や精神力はもちろん必須です。

また、不動産では目標を達成する力が求められます。高い目標に向かって計画を立てて実行する、そのような経験は部活動でもあったはずです。

人材

人材業界では、求職者やクライアントとのやりとりが主な仕事です。人同士の関わりや、その中での信頼関係の構築などが重要となってくるため、コミュニケーション能力やリーダーシップなどが求められます。

部長を勤めた経験や、後輩の教育、メンバーのモチベーション管理などアピールできる経験は、部活動のエピソードを遡れば必ず見つかるはずです。

メーカー

メーカーは、チームで仕事をする場面が多いためチームワークや協調性がある人材が求められます。場合によっては、業種や年齢層が全く異なる人たちとチームを組むこともあります。

部活動のエピソードは、先輩後輩との関わりや、団体競技でチームワークを高めた経験など、協調性をアピールできるポイントが沢山あります。メーカーを志望する場合は、部活動のガクチカで協調性やチームワークをアピールするのがおすすめです。

体育会系の部活を題材にしたガクチカを書く上でのポイント

ガクチカはPREP法を基づいて作成する

PREP法とは、Point(結論)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(結論)の頭文字をとった、ガクチカの構成方法があります。

文章の流れがわかりやすくなり、ガクチカの質を向上させることで、企業側に自分の強みを印象付けられます。

具体的な書き方としては、下記の通りです。

  1. 頑張ったことを結論として述べる
  2. その理由を記載する
  3. さらに具体的に説明する
  4. 最後に結論を繰り返して、経験を述べる

PREP法を基づいて作成することで、理論的にわかりやすく、説得力のあるガクチカを作れるためおすすめの方法です。

しっかりと自己分析を行う

質の高いガクチカを書くためには、まずは自分の強みや弱み、価値観などをしっかりと自己分析することが大切です。

自己分析することで、自分の経験や学びを、企業の求める人材像と結びつけられるため、就活のなかで重要視されます。

体育会系の部活での経験を振り返りながら、自己分析を進めることがおすすめです。自己分析が上手くいかないときは、チームメイトやキャリアカウンセラーに相談することで、客観的な意見を聞けます。

ガクチカでは、具体的なエピソードとともに、どのような強みを身につけたのかを明確に伝えられるよう、意識しながら書きましょう。

部活での活動で得た強みをアピールする

企業は就活生の良いところを知りたいです。そのため、ガクチカでは、部活での活動で得た強みをアピールすることが重要となります。具体的なエピソードとともに、どのような強みを身につけたかを明確に伝えるようにしましょう。

なかなか書く内容を思い出せない場合は、下記のアピールに頻繁に使われる強みを参考にその強みに当てはまるエピソードがないか考えてみましょう。

  • 目標達成意欲
  • 縁の下の力持ち
  • 積極的な行動
  • 協調性
  • 継続力

上記以外にも、たくさんの種類の強みが出てくるでしょう。書きやすい強みで良いので、部活で得た強みをアピールすることが大切です。

部活での課題や困難を乗り越えた経験を書く

企業は、困難に立ち向かい乗り越えられる人材を求めています。そのため、部活での課題や困難を乗り越えた経験を書くことで、そのような力をアピールできます。

例えば、廃部危機などの問題を解決した場合は「問題解決能力」、レギュラーになれず悔しい思いをしたが引退するまで諦めなかった場合は「忍耐力」などを鍛えられたといえるでしょう。

具体的にどのような課題や困難に直面し、どのように乗り越えたのかを明確に伝えることが重要です。また、その経験から何を学んだのかについても伝えるようにしましょう。

部活で貢献したことを具体的に書く

「部活で貢献した」というだけでは、企業にどのような貢献をしたのかが伝わりません。そのため、具体的なエピソードを書くことで、自分の貢献をわかりやすく伝えることが大切です。

例えば、バスケットボールで全国大会に出場した経験がある場合、全国大会に出場するためにどのような役割で、どのような取り組みを行ったかをガクチカに落とし込んでみましょう。

ただ結果や感想を述べるのではなく、客観的な事実を述べることで、より説得力のある文章を書くことができます。

成果は数値で記載する

部活で成績を残したことだけをアピールしても、どれだけ貢献したのかがわかりません。できるだけ、数値を用いて、成果を具体的に示すようにしましょう。

例えば、部活の成績が、自分の入部前と比べてどのように変化したかや自分が考えて作成した練習メニューがどのようにチームに貢献したかなどが挙げられます。

ガクチカを書く際には、具体的な数値で成果を記載することで、説得力を持たせることができます。ぜひ、数値の部分も意識して書いてみましょう。

体育会系の部活を題材したガクチカの例文

目標達成意欲をアピールした例文

例文

私はサッカー部でのレギュラー獲得を目指したことです。私は大学からサッカーを始めたため、入部当初から小・中学生から始めているチームメイトと実力の差がありました。そこで、練習量を増やすことに重点を置き、週6でシュートの練習をしたり、筋肉量を増やすために腹筋や腕立て伏せなどの筋トレに励みました。練習日には、大学1年生からレギュラーとして活躍しているチームメイトと一緒に戦術練習し、プレイを参考にし、自分のプレイスタイルに取り入れる努力をしていました。約1年半、練習量を積み重ねた結果、私は大学2年生の秋にレギュラー入りを果たし、最終的には、県大会のスターティングメンバーとしてチームに貢献できました。この経験から目標達成のためにひたむきに努力する大切さを学びました。(350字以内)

この例文では、レギュラー入りを果たすエピソードを通して、目標に向かって努力できる人材であることをアピールしています。また、サッカーを始めた時期を記載することで、企業側もイメージがしやすいでしょう。

県大会のスターティングメンバーとしてチームに貢献したことだけではなく、レギュラーになるため、どのように努力したかを詳しく書いているのが良い点です。また、練習量を数値で表しているため、説得できる要素があります。

体育会系の部活に打ち込んだ経験がある人は、目標に向かって頑張ったことをアピールしやすいでしょう。目標達成意欲が高いことを自分なりのエピソードで伝えてみましょう。

縁の下の力持ちをアピールした例文

例文

私は大学4年間、バレーボール部のマネージャーとして選手をサポートしてきました。所属する部活では、前半好調でも試合の終盤には逆転を許してしまうことが多いことが課題でした。そこで選手の1日の食事や練習内容を確認した結果、栄養のバランスが取れていないことが判明しました。試合中に良いプレーができない理由が、栄養不足であるという危機感を持ち、マネージャー5人で、栄養学と料理について学びました。私は栄養面をサポートするリーダーとして選手に日頃から簡単に栄養バランスの良い食事が取れる方法の冊子を制作し、選手に配りました。誰でも実践できる手法だったため、部内アンケートによると選手からの満足度は95%でした。最終的には、選手は栄養面も含めて部活に向き合った結果、試合に勝てるようになりました。私は栄養面を中心に、縁の下の力持ちとして、選手に貢献できました。(400字以内)

この例文では、バレーボール部のマネージャーが縁の下の力持ち的な存在として活躍したことを記載しています。

ただサポートをしただけではなく、「なかなか試合中に良いプレーができない課題」の原因をどのように解決したのかを具体的に書いているのがポイントです。

さらに、栄養バランスの良い食事が取れる方法の冊子を配った後に、どのぐらいの期間で、試合の成果が出たのかを数値で記載するとより具体的なガクチカが完成されます。

具体的なエピソードを交えながら、書くことを意識してみましょう。

怪我を乗り越えた経験をアピールした例文

例文

私はラグビー部員として怪我をしながらも引退まで諦めずに部活を続けました。大学2年生の春の大会で、膝の靱帯を損傷しました。「完全に復帰するのは難しい」と言われ、退部するべきか悩むほど苦しい思いをしました。しかし、大学入学前から憧れていたラグビー部に入部できたときの気持ちを思い出し、引退するまでに頑張ろうと決意しました。まずは通常の練習に戻れるよう、膝を少しずつ動かすことを中心のリハビリに励みました。怪我の回復状況に合わせて、週3から週5で続けました。ラグビー部の練習よりもきついと感じた時期もありましたが、結果、1年後にチームメイトと一緒に練習できるまでに回復しました。引退時の最後の大会ではレギュラーとして試合に出場することができました。この経験を通して、アクシデントがあっても最後まで諦めないことを学びました。入社後も目標に向かって粘り強く、困難を乗り越えていきたいです。(400字以内)

この例文では、怪我を直してでも頑張りたい理由を明確に記載しています。特に憧れに向かって努力できる、また初心を思い出し突き進むことができる姿勢は魅力的に映ります。

企業は、困難に立ち向かい、乗り越えられる人材を高く評価する傾向があるため、困難にぶつかった経験がある人は「どのように乗り越えたのか」「何がモチベーションになったのか」など、心情なども用いながらそのときの背景が伝わるように、文章を作成してみましょう。

リーダー経験をアピールした例文

例文

私は大学3年生のときに、バスケットボール部の新歓リーダーとして部員を増やすために尽力しました。当時、部員10人と少なく、練習も思うようにできず、廃部危機の状況でした。そこで、私が中心となって、たくさんの新入生が入部してくれるよう、春の勧誘活動に力を入れました。チラシ配りや部活動説明会の他に、SNSでの誘致に力を入れました。SNSのつぶやきやプロフィールに「#春からA大学」のハッシュタグをつけている学生をフォローして、ダイレクトメッセージで、バスケットボール部に入部するメリットや見学会を紹介しました。その結果、前年は30人見学に来て5人入部だったのに対し、60人見学に来て18人入部しました。最終的には、試合を想定した練習もたくさんできるようになり、チームを強化することに貢献できました。部活動を通して、危機的な状況を乗り越えるために積極的に行動する大切さを学びました。(400字以内)

部活での役職と聞くと部長・副部長を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、新歓リーダーやトレーニングリーダーなど、部長以外の役職を与えられ活躍した経験がある人もいるのではないでしょうか。部分的なリーダーでも、自分が中心となって頑張ったエピソードがあれば、立派なガクチカを作成することができます。

今回は、新歓リーダーとして廃部危機を救ったエピソードを紹介しています。なぜ廃部危機だったのか、部員数で表したことで、企業側も状況を理解ができるでしょう。また、新しいメンバーを集めるためにSNSのDMで勧誘したエピソードを記載したことで、課題に対して工夫しながら解決できる人材だとアピールができています。

また前年の入部数と今年の入部数を具体的な数値で提示したことで、効果がどの程度あったのかが具体的に伝わる内容に仕上がっています。数字を用いた成果や評価は、アピールに効果的なので積極的に取り入れましょう。

忍耐力をアピールした例文

例文

陸上部に所属し、400メートルハードルの選手として活動したことです。私は、高校時代から400メートルハードルの選手として活動しており、大学での部活は高校時代とは比べ物にならないほどレベルが高く、思うように記録が伸びないスランプに陥りました。そこで私は、自分のフォームを動画で撮影し、客観的に分析することにしました。動画を見てみると、自分のフォームには、いくつかの改善点があることが判明しました。そこで、その改善点を一つひとつ克服するために、練習メニューを工夫し、取り組みました。毎日同じ練習を繰り返し、時には挫折しそうになることもありましたが、成果を残せるように練習を続けました。その結果、努力が実り、ついに自己ベストを更新することができました。この経験から、忍耐力があれば困難を乗り越えられることを痛感しました。仕事においてもコツコツ努力を続ける姿勢を発揮していきたいです。(400字以内)

部活でなかなか成果が出せず苦しんだ経験を持つ就活生は多くいるでしょう。

今回のように高校時代から活動している場合は、そのこともふまえて記載することで、部活動を長期に渡り継続していることをアピールできるのでおすすめです。

スランプに陥るきっかけには書けていますが、もう少し練習内容や自己ベスト更新するまでの期間を具体的に書けると、より良いアピールにつながるでしょう。

期間や結果を数値で書けるよう、意識した文章作りが大切です。

体育会系の部活を題材にしたガクチカを書く上での注意点

起こった出来事をそのまま羅列しない

ガクチカを書く上で、行ってきたことや起きた出来事をそのまま並べた書き方をしないことが大切です。ただ出来事を並べただけでは、企業に自分の強みやスキルをアピールすることができません。なぜなら、出来事の羅列だけでは、その出来事から何を学び、どのような強みやスキルを身につけたのかが伝わらないからです。

部活での経験を通して学んだことや、身につけた強みをアピールすることが重要です。具体的なエピソードとともに、そこから何を学んだのか、どのような強みを身につけたのかを明確に伝えるようにしましょう。

専門用語を使わない

体育会系の部活では、ルールや練習方法などで専門用語がよく用いられます。しかし、ガクチカでは、専門用語を使いすぎると、企業の担当者が理解できない可能性があるため、注意が必要です。

専門用語は極力使わずにガクチカを書くようにしましょう。専門用語を使う場合は、補足のテキストを添えるよう心掛けることが大切です。

ガクチカは、わかりやすい言葉で伝えられているかも非常に重要視されるため、文章を完成した後はわかりにくい部分がないか何度も読み返しましょう。

企業でも活かせる強みになっているかを確認する

部活での経験を通して身につけた強みが、企業でも汎用できるものになっているかを確認しましょう。企業で活かせる強みを明確にしていないと、採用担当者に伝わらないからです。

営業職志望であれば「目標達成に向けた努力」や「コミュニケーション能力」が活かせる可能性があります。実際に企業で働くイメージを持って、自分の強みがどのように活かせるかを考えることも大切です。

自分が書いた内容が、企業でも活かせる強みであるか不安な場合は、キャリアカウンセラーやOB・OGなどの就活のプロや社会人に確認すると良いでしょう。

結果は正直に書く

ガクチカでは、結果も正直に書くことが重要です。結果を盛ったり、誇張したりすると、企業に信頼感を与えることができません。

結果を正直に書くことで、自分の強みやスキルをよりリアルに伝えられます。また、結果が悪かった場合でも、そこから何を学んだのかを明確に書きましょう。

その経験から何を学び、どのような強みやスキルを身につけたのかを正直に伝えることで、企業に自分のポテンシャルを評価してもらえる可能性があります。

ガクチカで自信を持って体育会系の部活経験をアピールしよう!

体育会系の部活経験をガクチカを通して自信を持ってアピールすることは効果的です。

部活で貢献したことや成果を残す上で行動した内容を書くことで、企業側を説得する力強いアピールになります。また、ガクチカを具体的に書くには、自己分析が大切です。自己分析で得た内容を元に書いてみましょう。

ガクチカに自信がない場合は、出来上がったガクチカをキャリアカウンセラーやOB・OGに添削してもらいましょう。第三者に見てもらうことで、自分では気付いていない強みや無意識に使っていた用語などに気付くことができます。

エントリーシートは選考の第一関門です。書類審査を突破できるよう、体育会系の部活経験を具体的に落とし込み自分の強みをアピールしていきましょう。

【例文3選】教育業界の志望動機の書き方講座|ポイントや注意点を解説

教育業界は、文字通り「教える」ことに関わる業界です。主には子どもを対象にした学校予備校などを指します。ただ、昨今は大人向けのカルチャースクールも発展しており、教える対象は子どもだけに留まりません。既存の学習塾の多くも、保護者の教育熱の高まりもあり、今、教育業界全体は活気づいていると言ってよいでしょう。

反面、教師の労働条件や教育現場の状況を見て、ネガティブなイメージを抱いている人が多いことも事実です。ほかにも、大学入試改革に伴う指導要領の改訂や少子化問題など対応しなければならない課題は山積みです。

この記事では、教育業界を目指す人に向けて業界を紹介するとともに、志望動機の書き方を解説していきます。

教育業界の3分野

学校教育の分野

1つ目は、教育業界の主体とも言える学校教育です。保育園や幼稚園から大学までのいわゆる公教育を行う機関を指します。

ここで就労するためには、各機関に応じた専門の免許が求められます。各学校は勿論ですが、保育所は保育士免許、幼稚園は幼稚園教諭免許が必要です。昨今、嫌な話題が続いているのは事実ですが、やはり学校教育の分野を抜きにして、日本の教育は成り立ちません。それほどまでに重要な分野です。

各学校は大きく私立公立に分けられます。公立学校の教師は県や市町村の公務員という扱いですが、私立学校の場合は、その学校を運営する学校法人の従業員になるため雇用保険や待遇面で違いがあります。

採用方法や採用時期は、私立公立だけではなく各自治体においても違いがあるため、必ず募集要項を確認するようにしましょう。

民間教育の分野

代表的な企業
  • 河合塾
  • 明光義塾
  • 家庭教師のトライ
  • ヒューマンアカデミー など

2つ目が、民間教育、つまり塾や予備校、家庭教師などの分野です。また、この分野には大人向けのカルチャースクールを運営している企業も含まれます。教育の主な対象は小学生から高校生までの就学している児童・生徒です。

しかし、少子化の問題もあり、どの塾も生徒集めに苦慮しています。そこで、学習塾経営で得たノウハウを活かし、大人向けの英会話教室を開校したり、留学生向けの日本語教育の場を提供するなど、多面的な経営をする企業が増えつつあります。

子どもが一定数いる限りはなくならない学校教育とは異なり、現在の民間教育はどんな企業でも倒産の可能性はなくなりません。特に、上記のような全国展開する企業におされて、地方の個人塾の多くは苦戦しています。どの企業も生き残るために、他の企業と差別化できる点を探し続けています。この差別化が企業の求める人材にも現れるため、志望する企業の状況については、必ず確認しておきましょう。

教育を支える分野

代表的な企業
  • 啓林館
  • 東京書籍
  • ベネッセ
  • リクルート など

3つ目が、教育を支える分野です。学校や塾での指導内容は、文部科学省からの指導要領によって規定され、その指導内容は教科書やワークという形で学校や塾に提供されます。教育を支える分野には、まず教科書やワークを作る出版社が含まれます。

また、教育に関する研究機関も、この分野に属します。多くは教育学部を持つ大学に併設されていますが、ベネッセや公文のようにグループ傘下に独自の研究機関を持つ企業も少なくありません。そのほか、リクルートのように子どもに向けた学習アプリやソフトを開発する企業も多く存在しています。

なお、この記事では、主に民間教育の分野、塾講師予備校で働くことを目指す人に向けて解説しています。

教育業界の職種

教育業界というと教員免許の有無が合否に関係するように感じますが、免許は必須ではありません。ただし、免許があれば、教育に関わるある程度のスキルを持っていることの証明にはなります。

講師

主に子どもに対して指導を行い、成績アップや志望校合格へと導くことが求められます。指導の他にも、生徒や保護者との面談なども業務の一環です。その業務内容は、一般に想像される「学校の先生」と、それほど大きく変わりません。

ただ、学校の先生に比べると非常にシビアな世界です。講師の評価基準は主に生徒からのアンケートや成績の上昇率などがありますが、これらが低い講師は容赦なく左遷や解雇処分が下されます。特に、大学受験予備校は生徒を志望校に合格させることが仕事です。合格に導けない実力では、生き残ることは難しいでしょう。

サポートスタッフ

講師の授業が円滑に行えるように、例えば授業で使うプリントの作成や印刷などを行います。大規模な企業であれば、出版部や編集部という形で独立した部署となっていることもあります。

塾の授業を野菜に置き換えるならば、講師は農家であり、サポートスタッフは農家の使う肥料や機材を作る会社と言えます。

講師のように厳しい評価基準はありませんが、校舎の規模が大きいほど生徒や講師の数も増えるため、当然負担は大きくなります。休む時間が取りにくいため、塾の職種のなかでは最も激務になる可能性があることには十分に注意しましょう。

事務・営業職

塾にも一般的な会社と同じく事務営業職が存在します。少ない生徒数を多くの塾で分け合うため、営業の存在をどの塾も非常に重視しています。また、昨今はWeb経由での問い合わせも増えており、ホームページの作成なども手がける部署です。

ほかにも、生徒の管理や請求書の送付などを手がける事務職も存在します。これらの職種は、生徒や保護者と接する機会がないため、業界を外から見たときに分かりにくい存在です。しかし、円滑な授業運営のためには欠かせません。

ただ、人数の少ない小規模な塾では、上記の職種を全て1人の先生が担当していることも少なくありません。職務内容によっては、主軸であるはずの講師業務が疎かになってしまうことも十分に考えられます。純粋な講師業務を求めている場合、ほかの業務がどの程度まで許容できるのかは、会社を選ぶときの重要な基準になります。

教育業界の現状と将来性

少子化への対応は待ったなしの課題

教育業界において最大の課題は、少子化への対応です。どれほどよい商品を用意しようとも、どれだけ先進的なサービスを提供しようとも、そもそも顧客がいなければ商売になりません。少子化は教育業界の顧客の減少と同義です。そのため、各社はそれぞれ独自路線を打ち出して、生き残ろうと必至です。

例えば、入塾年齢を引き下げ、卒業年齢を引き上げて生徒1人を長く定着させる施策を取る企業もあります。少子化は根深い課題であり、どこの企業も対応に苦慮しています。

ただ、これをビジネスチャンスと捉える企業も数多くあります。子どもが少なくなっても、親が子どもに期待することは変わりません。勉強ではなく習字や絵画などを教えるカルチャースクールの展開や、座学から離れて自然体験や社会見学を行う企業というのも出始めています。従来の「勉強」という枠組みに捉われないことが、教育業界から少子化に対する1つの回答と言えるでしょう。

制度変更にどこまで対応できるか

多くの企業は、日本や世界の社会情勢を見ています。ただ、教育業界が影響を受ける指導要領の改定はおよそ10年に1度と頻度が非常に少ないことが特徴です。

その分、変化は非常に劇的です。自分が子どものときには全く学習していない科目や内容が、次々と出てくるため、この変化についていかなければなりません。

新しいビジネスチャンスであると同時に、対応しきれなければ自社が深刻なダメージを受けることになります。

働き方改革で仕事は大きく様変わりするか

SNSを見ていると、現役の教員や講師と思われるアカウントの悲痛な叫びを目にします。確かに、子どもたちの未来を作るという教育業界は、やりがいのある仕事です。しかし、労働であり給与を受け取る以上、やりがいの一点だけに絞った仕事では、いずれ破綻することは目に見えています。

昨今叫ばれている働き方改革も、教育業界は業務の特性上、業界全体が置いてけぼりにされている印象が否めません。だからこそ、そのなかで改善に取り組む先進的な企業は高く評価され、生徒数を増やしています。

教育業界に求められる人物像

「教えることが好き」がスタートライン

教育業界は他人とのコミュニケーションが非常に活発な業界です。同僚や他社とのやり取りは勿論ですが、顧客とは長い時間を共にするため、相手と関わることが苦になるようでは、教育業界には向いていません。

また、やりがいを重視する業界であるため、まずは他人に対して「教えることが好き」ということが最初の第一歩です。

授業を磨き続ける向上心

教育業界の特異性として、「サービスの受益者と支払う人間が違う」ことが挙げられます。授業を受けるのは子どもですが、お金を支払うのは子どもの保護者です。つまり、子どもだけではなく、保護者も納得させられる商品の質が求められます。

全員を納得させる授業を提供し続けるのは、非常に困難です。講師は教える「技術職」でもあるため、自分の授業の腕前を磨くことや、関連する知識を吸収し続ける向上心は、必ず求められます。

流行を追い続ける情報収集能力

子どもを相手にする場合、相手は10歳近く年が離れています。それだけ離れていれば、物事への感じ方や好きなことも異なって当然です。

子どもの好きなこと、流行っていることを知ることは、このギャップを埋める上で非常に重要になります。話のきっかけづくりになるだけではなく、実際に教える上でも注意すべきところが見えるようになります。

人を導くコーチング能力

塾や予備校の講師の多くは「答えを言わない」先生です。この点が、学校教育とは明確に異なります。学校の授業は最後に教員が正解を告げる「ティーチング」であることが一般的です。全員を規定の水準に引き上げることが求められる学校教育では、分からなかった生徒を出すことはご法度です。

そのためにも、全員を正しい方向へと案内するティーチングが有効に働きます。また、最後に答えを示すことは、全員が納得して授業を終えるためにも欠かせません。

これに対して、塾は言ってしまえば全員を同水準にする必要は全くありません。生徒の目的も方向性も別々なため、同水準にしようとすることは非常に困難です。そのため、講師側が答えを明示しないことで、相手に考える力を付けさせる「コーチング」が求められます。

相手の分からない点を明確に掴み、それに対する適切な課題を提供するコーチング能力は、相手に対する観察力や状況把握能力が重要です。

教育業界の志望動機を作るときのポイント

学校教育に向けた志望動機では通用しない

教育業界の志望動機として、最も重要なことは学校教育に関する分野、つまり教員を目指す志望動機と、それ以外の分野の志望動機を必ず分けることです。

同じ教育業界の分野であっても、学校教育とそれ以外の分野では大きな隔たりがあります。この隔たりを理解した上で志望動機を考えましょう。

「子どもの成長が見たい」では不十分

教育業界を就職先に選ぶときに「教えることが好き」「人が成長する手助けをしたい」という理由は、確かに立派な理由です。しかし、公益性が求められる学校教育とは異なり、あくまでも塾や予備校、出版社は民間企業です。どれだけ高尚な教育に関する理念があったとしても、自社の利益追求が根底にあることは忘れてはいけません。

また、昨今の民間教育は顧客が限られている子どもへの教育から、大人向けの生涯学習へとシフトしている企業も多々あります。対象が子どもばかりとは限らないため、「子ども」ばかりを前面に押し出した志望動機は、企業によっては敬遠される可能性があります。

「企業」に対して何ができるかを求めている

民間企業に勤める以上、子どもだけではなく「企業」に対しても何ができるかを志望動機には加えなくてはなりません。自分を雇うことが企業にとって、どんなメリットがあるのかを考えてみましょう。

もし「企業」に対してというのが難しいようであれば、もう少し広く対象をとって「社会」に対してでも問題ありません。あるいは、徹頭徹尾「自分」について語ることも選択肢です。子どもだけを見た志望動機では、結局「なら学校の先生になればいい」となってしまいます。自分の志望動機の根本を揺るがすため、注意しましょう。

「誰を」相手にする教育をしたいかがスタートライン

具体的に誰に対するに携わりたいかに関しても内容に含めましょう。さらに、自分が「何故その対象を選んだのか」の理由も考えます。

ただ、ここで「教育に寄与したい」「合格の手助けをしたい」などの理由だけでは、やはり「誰でもよい」という印象が拭えず、企業としても納得できません。そう感じるようになったエピソードなどを交えて伝えることで、説得力を持たせるようにしましょう。

企業の独自性は必ず把握しておく

一口に塾と言っても、多くの企業が乱立している状況です。塾はかなり参入障壁が低い業界であるため、大都市に行けば塾の教室が隣り合っている光景も珍しくありません。そのような状態なので、企業はそれぞれ「独自性」を打ち出して顧客獲得を狙っています。

例えば、同じ大学受験予備校であっても、代々木ゼミナールは小中学生向けの塾も展開し、小さいころからの一貫した教育を展開しているのに対し、東進ハイスクールや河合塾は、徹底して大学受験に狙いを絞っています。また、地方の塾では地元の高校入試に最適化された授業を展開しています。授業や経営方針が異なると、当然入塾する生徒層も異なるため、自分の経験や知識が活かせない可能性があります。

トレンドを押さえて独自性を魅せる

教育業界への志望動機は「教える」ことが中核になるため、どうしても志望者ごとの差があまり生まれません。似たり寄ったりの内容では、志望者独自の要素を企業側にアピールできず、印象に残りにくいため、書類審査の段階から先へ進めなくなります。

志望動機には、志望者ならではの独自性を盛り込むことが重要です。例えば、自身の強みを活かした志望動機にすることも、一考の価値があります。ITに強いなら、そのIT技術を使って遠方の生徒に向けた授業を展開したり、保護者との連絡に使えたりするかもしれません。

他にも、少子化や大学受験改革などの社会的な動きに対して、求められる指導者の姿も変化します。この変化にどう対応するのか、志望動機では自分なりの答えをつづりましょう。

「教える」ことで何をしたいのかを明確にする

社会の変化とともに求められる指導者の姿は変化します。かつては厳格で徹底した指導を行う教育者が求められていましたが、近年は学生の権利意識も高まり、そのような先生は敬遠される傾向にあります。しかし、教育の最大の目的は「社会と未来を作る」ことにあります。これだけは、分野が違っても、時代が違っても、教育業界にいる人間の根底にあり続けるものです。

塾や予備校に行かずとも自宅で保護者が教えたり、社会人なら独学で勉強することも難しくないでしょう。それでも教育業界が存在し続けるのは、教育を通じた「何か」を社会に、そして未来に提供し続けているからに他なりません。

そのため、志望動機にも「教える」ことを超えた先にある自分がしたいことを明確にしておきましょう。

凝り固まった意見や考えはなるべく避ける

子どもたちに近い距離で接する身として、柔軟性のある姿勢が大切になります。「先生」としての自分の発言を、子どもたちは信じてついていくことになります。色々な価値観を持つ子どもたちを尊重し、真っ向から否定するようなことはするべきではありません。多様な子どもに対応して柔軟に対応できることをアピールしましょう。

子どもたちは大人の言動から想像以上に影響を受けているため、子どもたちの模範となることを常に心がけましょう。

また、新技術の開発や研究の結果、教えることが自分が学んだ時とは変わっていることは十分に考えられます。教えることを生業とする以上、この変化には付いていかなければなりません。あまり古い意見や考え方をしていると、企業から「勉強する意思に欠ける」という判断を下されてしまいます。

教育業界の志望動機の書き方

➀教育業界を目指す理由

現在、活躍されている塾や予備校講師の前歴や経歴を見ていると、決して教育学部の出身者ばかりではありません。むしろ、そちらは少数派とさえ言えます。それでも長年に渡り活躍されているのは、自身の強みを正しく把握し、業界に入ってからも徹底的に磨いた結果でしょう。

教育業界は、何が強みとして役立つか分からない業界です。単純な学校教育に関する知識があることは勿論ですが、しゃべりが上手い、絵が上手いなど一見教育とは関係ないように見えることでも役に立つことがあります。

逆に、自分が強みだと思っているものが、企業目線では一切通じないこともありえます。自分のスキルや経験がどのように教育に活かせるのかを考えてみましょう。

➁教育業界の中でもその企業を志望する理由

企業研究を欠かさず、独自の要素を活かした志望動機を書くようにしましょう。志望企業の強みや事業形態から独自性を出すことができるでしょう。これにより、企業と応募者のマッチ度を測ることができます。

その企業が何を重視し、どのような考えで事業を行っているかを明確に把握し、自分の共感をうまく志望動機に落とし込むのがコツです。

➂教育を通じた自分の将来像

相手に教えることだけを志望動機にしては、動機としては非常に弱いものになります。教育自体は学校でも家庭でも行われており、独学で学ぶ人も少なくありません。そのため、教育業界を志望するにあたって真に求められる内容は、「教育を通じて成し遂げたい」ことです。

これ自体は、教育業界のどの分野であっても変わりません。社会の変化や発展など、教えることでどんな影響を生徒や社会に与えたいのかを志望動機には盛り込みましょう。

ただ「自分が英語を教えることで、教え子たちに世界で活躍する人材になってほしい」というような人に期待する志望動機は、社会に与える影響としては不十分です。もっと主体的に「自分が英語を教えることで、さらに日本の英語教育を発展させる」というような、自分の人柄までアピールできる内容を書きましょう。

教育業界を目指す志望動機の例文

大学時代の経験を活かす志望動機 

例文

私は、大学時代、塾講師のアルバイトをしていました。そのなかで時折生徒から貰える「成績が上がった」という子どもの成長にやりがいを感じ、教育業界を志望しました。業界のなかでも貴社は、「すべては生徒一人ひとりのため」という理念のもと、授業や各種サービスを展開しておられます。子どもにも「得意な子」「苦手な子」がいて、一人ひとり適した授業が違っています。私も授業のなかで、彼らに対する最適な授業を常に模索し続けていました。

入社後も、塾講師のアルバイトの経験を活かして、より生徒一人ひとりに適した教育を心がけ、生徒の能力の向上に努めたいと考えています。また、貴社の教育理念を社会へと広げ、教育を通じて貴社と社会の発展に貢献していきたいと考えています。(350字以内)

大学時代のアルバイトに塾講師や家庭教師を選んだ人も多いのではないでしょうか。アルバイトでも業界の一端に触れた経験があるのであれば、志望動機に活かしましょう。実際に自分がどんな授業をしたのか、どんなことに苦労したのか。可能であれば、その指導の結果として実績も書いてみましょう。採用担当も興味を惹かれるはずです。

また、自分の教育理念と企業の教育理念が一致していることは重要です。極端なことを言えば、名門校合格を掲げる塾に対して、「分からない子もできるまで」という教育理念を持って入社すると、働き始めからのギャップに圧し潰されてしまいます。ミスマッチ防止のためにも企業の教育理念は必ず確認しましょう。

民間教育の重要性を説く志望動機

例文

私は、今後は学校以外の教育サービスを充実させることが、これからの社会には必要だと考えています。私は大学4年生のときに教育実習を母校で行いましたが、現代は既に塾や通信教育などで先の学習をしている生徒がほとんどでした。その経験から、全員に合わせた授業を展開する学校教育では、「より先を」希望する子どもの期待に応えられないのではと思うようになりました。

貴社は子どもを学年で区切らず、段階別に分けた授業を行っています。このように生徒の理解度や希望に合わせて授業を柔軟に変更できる点に魅力を感じました。貴社であれば、より先を希望する生徒の期待に応えられると確信しています。入社後は私も通われている生徒や保護者の期待に応え、貴社の発展に尽くしたいと思います。(350字以内)

教育業界の志望動機において、学校教育と民間教育の差別化は重要なポイントと言えます。ありきたりな理由では、企業としても「なら学校の先生に」となってしまい、志望動機として成立しません。

この志望動機では、学校教育の弱点にフォーカスし、民間教育ならば、その弱点の解決につながるとしています。また、志望先がそのニーズに対応した企業であるため、特定企業を選んだ理由にスムーズにつなげられます。

ただし、何かの弱点を突く志望動機は、採用担当によっては「悪いところしか見ていない」と思われてしまいます。あくまでも教育業界は学校教育が主軸です。主軸をないがしろにするようでは、業界全体への熱意を疑われてしまいます。

企業に対する熱意を全面にした志望動機

例文

私が教育業界に興味をもったきっかけは、貴社で活躍されている〇〇先生に教わったことが始まりです。大学入学後、改めて〇〇先生の著書を拝読させて頂くなかで、卒業後の進路として教育業界、そして、貴社を志望したいと考えるようになりました。

私は、貴社のようなレベルの高い教育サービスの提供が、今後グローバルに活躍出来る人材を育てるためには欠かせないと思っています。英語は勿論ですが、貴社はそれ以外の外国語や科目の指導も、全てが高いレベルで行われています。

私は大学時代にアメリカや中国、ヨーロッパ各国に留学し、それぞれの言葉をネイティブレベルで話すことができます。貴社では言葉のプロとして様々な授業を担当し、生徒を高いレベルへと引き上げ、さらに社会を発展させていきたいと考えています。(350字以内)

業界に興味を持つきっかけは、何でも大丈夫です。誰かへの憧れも志望動機としては十分な理由になります。この志望動機では、その憧れを話すことで、自分の経験から業界に興味を持ったきっかけ、そして、特定の企業を選ぶ理由までを一貫したものにしています。ブレがないため企業としても採用後の働きに期待が持てます。

ただ、企業に所属する個人に向けた熱意に絞るのは禁物です。相手への依存が強く、もしその人がいなくなった場合、「辞めてしまうのでは」という疑いを持たれてしまいます。あくまでも興味を持つ対象は企業にし、個人に対する熱意はきっかけ程度に留めておきましょう。

自分らしい志望動機を作ろう!

教育業界がほかの業界と大きく異なるのは、人の将来に関係する点です。教えたことがすぐに身につく人はなかなかいません。教えてから数週間、数か月、もしかしたら何年も経ってから開花することもあります。

そのため、目に見えた成果が現れない仕事も少なくありません。それでも、人の将来をよりよい方向へ導くことは、やりがいのある仕事です。

自分が教育にかける熱意を上手に志望動機へと昇華させてみましょう。

銀行業界の志望動機の書き方|ポイントと注意点を徹底解説【例文あり】

銀行業界は、多くの新卒就職者が殺到する人気の業界の1つです。毎年多くの新卒者がエントリーしており、各種ある業界のなかでも高い順位につけています。

この記事では、銀行業界への就職を目指す人のために、銀行業界の現状を解説するとともに、志望動機の書き方を解説していきます。志望先ごとの例文もあわせて紹介しますので、こちらを参考にして完成度の高い志望動機を作成しましょう。

銀行員の職種

総合職

総合職では営業や事務、本部業務など幅広いスキルを求められる職務に携わります。一般職よりも収入が高い傾向にありますが、その分異動や転勤も多いのが特徴です。

営業では個人だけでなく、特定の企業の重役を相手にやり取りをしなければならない場面もあるため、通常の営業職と比べても強い責任感が求められる職種となっています。

また、本部業務では高い専門性が求められるため、在学中に関連する研究に携わっていた人などには有利といえます。

一般職

一般職は、通常の銀行で見かける職員全般を指します。大きく分けて窓口業務と後方事務の2種があり、後方事務が窓口業務のサポートをするという形で業務が行われています。

窓口業務は、銀行の窓口で入出金や口座開設など様々な用件を承るのが主な業務です。幅広い客層を相手にしなければならないため、コミュニケーション能力や機転、愛想のよさも求められます。

後方事務では、窓口で請け負った用件に対応するため、実際に入出金や手続きなどを行う役割を持っています。基本的に事務に専念し、間違いのないように業務を遂行することが求められるため、接客や電話対応などは行いません。

銀行の実態

銀行の3つの業務

銀行は、証券会社や保険会社などと一緒に金融業界の一角をなす企業です。規模や扱う制度の違いはありますが、基本的には「お金のあるところからお金のないところへお金を融通する」ことが主な仕事です。まずは、銀行の業務である「金融」について解説します。

預金業務

1つ目が、預金業務です。いくつかある銀行の業務のなかでも、1番想像しやすい業務ではないでしょうか。企業や個人からお金を預かり、それを管理する業務です。

銀行を介した金融において、「お金があるところ」とは預金者を指します。そのため、お金を預けてもらわなければ銀行は仕事ができません。

預けてもらうメリットを作るために、普通預金定額預金など口座を作る特典を用意したり、手数料を引き下げたり、と多くの銀行が知恵を絞っています。

融資業務

2つ目が、融資業務です。貸付業務とも呼ばれ、預金業務で預かったお金を必要としている人へと融資します。住宅ローンや学資ローンなどの各種ローンはすべて銀行の融資業務の一環です。

勿論、貸したお金をそのまま返してもらったのでは、銀行の利益はでません。返すときに利息を取ることで、銀行は利益を得ています。こちらもまた、借りてもらわなければ利益がでないため、個人向けにも多くの商品が開発されています。

為替業務

3つ目が、為替業務です。為替というと外国通貨と日本国通貨の交換をイメージしますが、まさにその通りです。銀行には代表的な諸外国の通貨が準備されており、海外に行く日本人、もしくは日本に来た外国人と通貨の交換を行います。

このほか、公共料金などの銀行口座からの引き落としや、給与の振り込み受付など、お金を動かす業務全般を指して為替と呼びます。銀行は、この為替を一手に担う存在です。

銀行の8つの種類

日本各地に存在する銀行は、成り立ちや取引規模、取り扱う金融商品によって、大きく8つの種類に分類することができます。ここでは、代表的な銀行とともにその8種類を紹介します。

メガバンク

代表企業
  • みずほ銀行
  • 三井住友銀行
  • 三菱UFJ銀行

1つ目が、メガバンクです。主に東京や大阪などの都市部を中心に全国展開しており、多くの取引先と抱えている規模の大きな銀行です。個人客だけではなく、大手企業もこれらの銀行に口座を用意し取引に利用しています。

また、みずほ銀行のみずほフィナンシャルグループに代表されるように、それぞれが上記の3銀行を中心とした巨大な金融グループ企業の中核になっている点も特徴です。かつては、ここにりそな銀行も加え、都市銀行と呼ばれていました。

ただ、日本において、メガバンクとその他の銀行とに明確な判別基準はありません。一般的には、「1)バブル崩壊後におきた都市銀行の経営統合により発足した銀行」「、2)中核になる銀行は旧財閥系などの古い歴史を持つ銀行」、とされています。その点において、成り立ちの異なるゆうちょ銀行や、再編に参加しなかった三井住友信託銀行はメガバンクとして扱われていません。

地方銀行

代表企業
  • 東北銀行(仙台)
  • 千葉銀行(千葉)
  • 京都銀行(京都)など

2つ目が地方銀行です。定義としては、全国地方銀行協会に所属する銀行と、第二地方銀行協会に所属する銀行を指します。基本的に本社を置く都道府県内を中心として展開しているため、出店範囲は狭く知名度も全国的とは言えません。

しかし、上記の協会の加盟銀行の大多数は、所在の県における最大規模の金融機関として利用されており、地域に強く密着した銀行と言えます。県内の主要企業の最大の融資担当を担うほか、地域開発や投資を行うなど地域経済に大きな影響力を持っています。

ただ、地方銀行は二極化が激しい企業でもあります。事業拡大を狙って隣県や海外に出店できる銀行がある一方で、経営統合を進めて生き残りを図る銀行も存在します。

参考:地方銀行一覧|一般社団法人全国地方銀行協会 (chiginkyo.or.jp)

加盟地方銀行一覧|一般社団法人第二地方銀行協会 (dainichiginkyo.or.jp)

信用金庫・信用協同組合

代表企業
  • 京都中央信用金庫(京都)
  • 城南信用金庫(東京)など

銀行は株式会社であり、基本的には自社と株主の利益追求を目的として、日々活動を続けています。しかし、3つ目に紹介する信用金庫(以下、信金)と信用協同組合(以下、信組)は、株式会社ではありません。それぞれ「信用金庫法」「中小企業協同組合法」によって、地域の中小企業が共同して出資し合った相互扶助のシステムが信金と信組です。

そのため、信金と信組は利益の追求よりも、地域の発展や出資した組合員である企業の扶助に主眼を置いています。一方で業務内容については、預金や融資、為替などほかの銀行とそれほど大きな違いはありません。

信託銀行

代表企業
  • 三井住友信託銀行
  • 三菱UFJ信託銀行

4つ目が、信託銀行です。基本的な業務内容は、ほかの銀行と同様に預金・融資・為替の3つを行っています。ただ、信託銀行は3つの業務に加えて、個人や企業の資産運用を代行する信託業務と、遺言書の管理や不動産売買を仲介する併営業務の2つを行っています。銀行によっては、通常の銀行業務を行わず後者の2つがほとんどという場合もあります。

基本的に、銀行の利益は返済時の利息と取引時の手数料です。しかし、信託銀行は資産運用を行うため、株式の売却益や為替相場の変動による差益などによる収益があります。個人よりは法人に向けたサービスが多いため、銀行としての機能は既存の銀行の方が優れていると言えます。

インターネットバンキング

代表企業
  • 楽天銀行
  • PayPay銀行
  • SBIネット銀行

5つ目が、近年急速に規模を拡大しているインターネットバンキングです。これらの企業の特徴として、ほかの銀行とは異なり実際の店舗を持たないことが挙げられます。口座開設の申し込みから手続きまでを、全てネット上で行える手軽さも預ける側にとっては、利点と言えるでしょう。

特に楽天銀行は、グループ会社との連携の基軸に位置づけられており、日々のネットショッピングや、カード、証券への支払いにも利用できるため、急速に申し込み者が増えています。また、ネットの発達により新機軸のサービス展開を行っていることも特徴です。口座アプリのリリースやタッチ決済のPaypayはその最たる例と言えます。

外資系投資銀行

代表企業
  • ゴールドマンサックス
  • バークレイズ など

6つ目が外資系投資銀行(以下、外銀)です。外銀の業務は、M&Aの仲介や、債権・株式などの証券の引き受けと、業務内容は証券会社とほとんど変わりません。銀行ではありますが、預金などは引き受けず、証券を通じた企業の資金調達の手伝いを行っています。

高年収であり安定した人気を誇る外銀ですが、どの企業も非常に内定までは厳しい競争に勝ち抜かなければなりません。業界への理解は勿論のこと、景気動向を判断する広い視野情報収集能力、そして、英語力も必要になるため、万全の対策が求められます。また、行内の部門ごとに採用が行われるため、採用情報は注意しておきましょう。

中央銀行

代表企業

日本銀行

7つ目は、国家の経済安定を担う中央銀行です。日本の場合は、日本銀行一行のみを指します。国家の金融の中心であるため、中央銀行は「発券銀行」「銀行の銀行」「政府の銀行」という3つの役割を持つ、ほかの金融機関とは全く異なる性質の銀行です。

例えば、紙幣である日本銀行券の発行は、日本銀行が全て行っています。また、各種の反則金や税金の受け付けなど、政府のお金の管理も業務の一環です。

なお、日本銀行は財務省が所轄していますが、行政府からは独立した一法人です。そのため、行員の扱いは国家公務員にはならず、採用も公務員の採用とは別枠で日本銀行独自で行っています。

参考:日本銀行 | 採用2024 | 採用情報 : 日本銀行 Bank of Japan (boj.or.jp)

付帯する銀行

代表企業
  • ゆうちょ銀行
  • セブン銀行
  • auじぶん銀行
  • JAバンク

8つ目は、銀行業界のなかでも非常に特殊な部類の銀行です。これらの銀行は本業とするべき業務を行う企業と連携して、その業務を円滑に進めるために金融取引を行っている企業です。

実店舗は置かれず、ゆうちょ銀行は郵便局、セブン銀行はセブイレブンのATMでサービスが提供されています。そのため、ここで紹介した銀行を利用する上で、これらの企業に勤めている人はまず見かけません。

これらの企業の採用は、一般的にはグループ会社で一括して実施されます。そのため、採用形態によっては、希望通りに銀行業務に従事できるか分かりません。どのような配属やキャリアラインになるのか事前に採用ページを確認しておきましょう。

参考:日本郵政グループ新卒採用ページ| JAPAN POST GROUP RECRUIT

銀行業界の今後の動向

①銀行も安全な就職先ではない

バブル崩壊後、日本国内の銀行は不良債権の回収ができず、急速に体力を失いました。特に、1997年の北海道拓殖銀行、翌98年の日本長期信用銀行日本債券信用銀行の倒産は「銀行も決して安全ではない」という就職先としての「銀行」の神話に終止符を打ったと言えるでしょう。

30年経った現在も、多くの銀行は十分な体力を蓄えているとは言えません。変革性将来性に期待が持てないと、多くの新卒者が回答していることからも明らかです。すでに「一度入行すれば将来安泰」という時代ではないことを肝に銘じておきましょう。

②業界全体で利益は減少傾向にある

銀行の主な収益源は、返済時の利息です。しかし、日本では長らくマイナス金利などの低金利政策が続いており、貸し付けても大きく利息が取れない状態です。また、そもそも借りる人自体が減っていることもあり、返済時の利息で利益を挙げることが難しくなっています。

銀行の利益減少の原因は、不況だけではありません。カード決済やタッチ決済などキャッシュレス化の進行も、銀行にとっては大きな痛手です。単純に現金を使用する機会が減ったため、従来まで見込めていた取引手数料の獲得が難しくなっています。

③地方銀行の統廃合

地方銀行には、さらに少子高齢化による人口減少の問題ものしかかります。利用する母数が減少すれば、その分収益が減るのは当然の事です。そのため、2013年頃から地方銀行は経営統合が盛んに行われています。ほかにも、メガバンク3行の傘下に入る、証券会社や不動産会社との連携を図るなど、各地の銀行は生き残りに必死です。

地方銀行の統合は、どこでも起こりえます。2018年4月のみなと銀行、近畿大阪銀行、アーバン銀行の3行合併のほか、同年10月の第四銀行と北越銀行の合併など、都市圏に近い地方銀行でも合併が進み、グループ会社化しています。これらのグループ化によって、どの銀行も人員削減が進んでいることには注意しておきましょう。

銀行業界を取り巻く現状は、非常に見通しが暗いのは事実です。しかし、銀行業界とて無策ではありません。オンラインの活用やAIの導入などコスト削減策や、企業とのつながりを活用した人材紹介やM&Aの仲介など、新規事業の展開を進めています。また、メガバンクを始め、地方銀行のなかにも海外展開を進めている銀行も存在します。新たな収益源をどこに見出すか、それをいかに確保するかが、今後の銀行業界の課題と言えるでしょう。

銀行業界に求められる人物像

責任感と誠実さは何よりも重要

2006年におきたみずほ銀行の顧客情報流出は、流出にみずほ銀行の行員が関わっていたとして、本人は業務上横領で逮捕、そして支店や銀行全体に対して金融庁からの行政処分が下されました。この事件以後、みずほ銀行は業務改善に関する進捗を発表し続けており、現在も信頼回復に努めています。

銀行員が扱うお金は、お客様から預かったお金です。そこに万が一は許されません。ミスしたときに素直に失敗を認める誠実さ、そもそもミスをしない注意深さは銀行員に何よりも求められる素養です。お金という非常に重いものを扱うからこそ、銀行員には強い責任感がなくてはなりません。

他業界を勉強する学習意欲の高さ

銀行業界は顧客獲得のために、常に新しいサービスを提供し続けています。そのため、新しいサービスの内容を把握することや、政府から発表される金融業界への法令など、採用後も勉強を続けなければなりません。

銀行業界を目指すならば、さらにそれ以外の業界についても勉強しなければなりません。

銀行は預かったお金を企業に貸し出すことで利益を得ています。その相手がどのような存在なのかを知るためには、多様な業界についての知識が必要不可欠です。

特に、貸したお金が返ってこないことは銀行にとって最も避けたい事態です。相手を見て「本当に貸して問題ないのか」を判断するためには、相手企業そのものや所属する業界への深い理解が求められます。

社会情勢を知る高い情報収集能力

過去、総理大臣や財務大臣の何気ない一言で株式市場が乱高下した例がいくつもあるように、経済は政治に強く影響を受けます。特に、グローバル化が進んだ現代では、日本国内にまったく波風が立たなくとも、海外の政治・経済動向に影響を受けることも珍しくありません。国内外で何が起きているのかを把握することは、銀行業界では必須です。

また、情報収集だけではなく、それが結果的に自分の顧客に対してどのような影響があるのかまで推察できるようになると、顧客側からの信頼につながります。特に、顧客の損につながる情報はいち早く察知できるよう常にアンテナを張っておく必要があります。

銀行業界の志望動機を書くときの4つのステップ

1.なぜ「銀行」にこだわるのかを明確にする

まずは「銀行」へのこだわりを明確にしましょう。銀行は金融業界の一部でしかないため、単にお金を扱う仕事がしたいのであれば銀行業界である必要がありません。わざわざ志望するからには、ほかの企業ではできないことがあるはずです。銀行がほかの金融業界の企業と何が異なるのかを理解することが、志望動機作成の第一歩です。

経済に貢献したい、企業の発展の手助けをしたい、という銀行の実務に即した理想でも、やや俗っぽくとも給与面待遇面などの銀行の実情を踏まえたものでも問題ありません。まずは、ほかのどれでもない銀行業界を選ぶ理由を明確にしましょう。

2.誰を相手にした仕事をしたいのかを明確にする

銀行での働き方は大きく3つあります。1つ目は店舗に来たお客様の相手をする窓口業務

2つ目は外で顧客開拓に動く営業業務、そして、3つ目が人事や経理を担当するバックオフィス業務です。このどれかが欠けても銀行の業務は停滞します。

上記の3つのうち、自分がどの部署で働くのかまでイメージできると、志望動機は非常に作りやすくなります。同じ顧客でも個人向けに口座開設の案内をする仕事と、企業相手に融資の提案をするのは別のベクトルです。自分が銀行でしたい仕事を中心に志望動機を練り上げましょう。

ただ、昨今、多くの銀行では窓口担当と営業担当の垣根が薄くなっています。そのため、エンジニアなどの専門的な知識が求められる職種以外は、基本的に総合職としての採用です。事前に採用形式の確認は怠らないようにしましょう。

3.「その銀行でなければならない」理由を明らかにする

一口に銀行といっても、メガバンクから信用金庫まで、扱う金額も経営展開する範囲も全く異なる銀行が無数に存在します。このなかから1行を選ぶのであれば、そこには「その銀行でなければならない」理由が必ず存在するはずです。

例えば「海外で働きたいから海外に支社がある外銀」や、「地元の経済に貢献したいから出身地の地方銀行」など、同じ種類の銀行でも、その銀行にした理由を考えてみましょう。

選んだ理由は、採用担当が最も知りたい部分です。将来性や仕事内容のほか、その銀行だけが展開しているサービスなど、具体的に伝えましょう。その銀行の特徴を織り交ぜた志望動機は熱意が伝わる印象の良い志望動機になります。

4.求められる人物像に対して自分の強みを考える

多くの銀行は採用ページに「求める人物像」「取締役からのメッセージ」を掲載しています。銀行が求める人物像と自分の強みが合致している志望動機は、採用担当から見ても企業研究の深さが推察できるため、非常に良い印象を与えます。

ただ、入行時ばかりではなく、その後のビジョンも重要です。採用ページには、ほかにも「現役行員のキャリアに関する紹介」が掲載されています。実際に働き始めてから何をしたいのか、自分の強みはどう活かせるのかについて、現役行員のキャリアから考えてみましょう。

実際に働くイメージが固まっていると、志望動機の具体性が増し、企業研究の成果のアピールにもつながります。

銀行業界を志望するときの志望動機の例文

銀行業界の志望動機は、銀行の8種類それぞれに合致したものであることが条件です。例えば、メガバンクを志望しているのに、「地域貢献がしたい」という志望動機は、やや的外れな印象を与えてしまいます。それぞれの銀行で何ができるのか、そして、自分が何がしたいのかを主軸に志望動機を考えていきましょう。

メガバンクを志望する場合

例文

私は、企業や人が何かを諦める原因の1つにお金の問題があると考えています。事実、私も貴行の教育ローンがなければ、経済的な問題で進学を諦めていたと思います。このことで私はローンなどで、人や企業のサポートができる銀行業界に興味を持ちました。

そのなかで貴行を志望する理由は、貴行の掲げる「最高の信頼を通じて、お客様・社会とともに発展していく」というビジョンに感銘を受けたからです。私は大学での勉強を通じて、お金とは社会の信頼の現れであると考えています。相手を信頼してお金を貸し、また、借りた側も発展することで信頼を返し貴行も発展する。私も貴行からの信頼を返したいと思っています。

貴行に入行後は、私のようにお金の問題で困っている人を金融を通じてサポートしていくことを考えています。日本だけではなく、世界中の人々の生活を豊かにすることが私の目標です。(400字以内)

この例文は非常に王道です。業界へ興味を持った理由その銀行を志望する理由、そして、自分がしたいことの分かりやすい3段構成になっています。特に、その銀行を志望する理由について、銀行の経営ビジョンを自分なりに解釈した上で、実体験を交えて話したことで、文章全体が一貫したものとして成立しています。

興味を持ったきっかけは、どんな些細なものでも問題ありません。ただ、銀行は普段の生活に強く関わる存在です。ほかの新卒者の志望動機と重複する可能性が高いため、そこから自分の色をどれだけ出せるかが突破のポイントと言えるでしょう。

地方銀行を志望する場合

例文

私は、金融を通じた地域貢献を目標にしています。県内の銀行の中でも、貴行は地域密着を強く打ち出しており、貴行であれば私の目標が実現できると思い志望いたしました。

私は貴行が大規模な拠点を置かれている〇〇市の出身です。私が小さい頃は、多くの町工場が動き、商店街にも多くの人が行き交う活気のある街でしたが、昨今の不況もあり段々と廃れているのが実情です。この状況を変えるためには、やはり先立つものが必要だと考えています。そのなかで、貴行の実施している地元企業対象の融資や地域在住者限定のローンは、地域を活性化させる一手になると確信しています。

私は大学時代に学んだ金融や地域経済の知識を活かし、お客様のニーズに合わせた必要なサービスを提供していきます。そして、地元のお客様との信頼関係を築いて貴行の発展、ひいては地元の活性化に貢献していきたいと考えています。(400字以内)

この例文では、自分の目標から書き始めています。最初に自分の目標を明確に相手に伝えることで、「この目標達成のためには、貴行以外考えられない」という後半にある選択の理由に説得力が増します。

また、実情に対して「先立つものが必要」であるという、現実的な解決策を提示しています。銀行業界は、非常に現実主義のシビアな業界です。理想だけを詰め込むと「現実性がない」と判断されてしまいます。現実的な視点に立った問題への解決の糸口を示すことで、掲げた目標を達成するための熱意と銀行業界である必然性がより伝わります。

信託銀行を志望する場合

例文

私は、現在の日本に留まらず、未来の日本へとつながる仕事をすることが夢です。私は日本の景気が良かった時代を知らない世代です。そのため、小さい頃から将来の年金や日本経済の見通しの不透明さを授業で学習してきました。その不安の解消と個人的な興味から、大学では資産運用に関するサークルに入り、実際にNISAを始めました。

貴行を志望する理由は、貴行が採用メッセージなどで打ち出されている「信頼」と「好循環を生み出す社会インフラ」の2つに強く惹かれたためです。現在、日本全体が不況であり、社会全体で将来の見通しが暗いのは事実です。しかし、単なる金融だけに留まらず多岐に渡る事業展開を行っている貴行であれば、不透明な状況を改善できると確信しています。

貴行であれば、私の夢が叶うと思っています。貴行に入行後は、大学時代に培った投資の経験や、サークル内で同級生や後輩の問題解決を図った経験を活かして業務を行い、多くの顧客から信頼されるとともに、今後の日本の発展に貢献します。(450字以内)

昨今はNISAなどの少額で始められる投資も増えており、投資経験のある新卒者も多いのではないでしょうか。新卒の採用は、今後に期待したポテンシャルでの採用です。しかし、既に投資を実践して、ましてや成果を出しているような人材は企業にとって貴重です。

そのため、投資の経験は重要なアピールポイントになります。金融業界は、全体の動きとして、新しい金融商品をどの銀行も大々的に売り出す傾向があります。そのため「NISAをしている」という一言だけでも、十分にトレンドを追いかけている証明になります。ただ、不況やIT化などは、銀行業界だけのトレンドではないため多用は禁物です。

信用金庫を志望する場合

例文

私は貴庫での仕事を通じて、この街の発展に貢献したいと考えています。私は、大学進学を機にこちらに住み始めたので、失礼ながら貴庫のことは知りませんでした。しかし、アルバイト先の店主も、地元出身の友人からも貴庫の高い評判をうかがっています。私も貴庫に口座を作りましたが、そのときの窓口の担当者の方の対応が非常に丁寧であったことが印象に残っています。

貴庫では金融に関する業務以外にも、地元の祭りへの協賛や清掃活動など、地域社会への活動を活発に行っているとうかがっており、多様で密接な地域との関わり合いが長く愛される要因であると思っています。

大学時代に学んだ地域経済に関する知識を活かして、私も地域の人たちに愛されている貴庫の一員として働き、さらなる街の発展に貢献したいと思い、志望させていただきました。(350字以内)

簡潔ですが、最初に志望理由を述べ、特定の信用金庫を志望する理由へとつながっています。志望理由は長ければ良いというものではありません。長いだけで中身のない話では採用担当の興味をひかないので、簡潔にまとめることも重要です。

信用金庫や信用組合の志望動機は、地域経済に関する内容になりやすいため、地方銀行の志望理由との明確な差別化が必要です。この志望動機では、「地域社会への活動」という信用金庫ならではの要素を織り込んで差別化しています。

外資系投資銀行を志望する場合

例文

私は、社会や企業に大きな影響を与える仕事をすることが夢です。そこで貴行の投資部門での業務を通じ、さらなる日本のグローバル化、そして、日本経済の発展に貢献したいと考えています。

私は、日本経済を今後も発展させるためには、海外からの投資を呼び込む必要があると思っています。なかでも海外からの投資が呼び込めるものは、日本の技術資源だと考えます。まだ知られていない技術者や職人たちへの投資が盛んになれば、日本の経済だけではなく、技術革新にもつながると思います。貴行は、新規事業に関する投資実績が多い銀行です。技術のある企業の新規事業をサポートすることが、今後の日本経済には欠かせません。

また、私は3年ほどアメリカへの留学経験があるので、英語でのコミュニケーションにも自信があります。大学時代に学んだ経済の知識と英語、そして、持ち前の明るい性格で、顧客の信頼を獲得し、貴行と顧客、そして、経済の更なる発展に貢献したいと思い、志望させて頂きました。(450字以内)

この志望動機では、自分の目標から始め、現状と今後の予測を伝えることで自分が入行後にしたいことを明確に伝えています。採用のポイントの1つは、「一緒に働いているイメージができるか」です。その点において、この志望理由は、採用側も入行後の働く姿を想像しやすい志望理由と言えます

また、外資系投資銀行は、海外の顧客ともやりとりするため英語のスキルは必須です。自分がどの程度の英語ができるのかについては、必ず伝えるようにしましょう。

銀行業界の志望動機を書くときの注意点

文章は何度もチェックする

銀行員には、何よりも誠実さ責任感が重要です。それは入社する前のエントリーシートにも同様に求められます。誤字脱字が目立つ、同じ内容なのに記入項目ごとに数値が異なるというミスを銀行は目ざとく見つけます。

ミスを放置したまま提出することは「自分の行動に対する責任感がない」「注意力にる」と非常に印象が良くありません。志望動機のなかだけではなく、全体を通して矛盾やミスはないか、提出前に何度も見直しましょう。

また、矛盾が許されないのは、この後に控える面接試験でも同様です。面接で話す内容がエントリーシートと食い違っていると、銀行からは不信感を持たれてしまいます。当然、不信感を抱いた相手に対して、自分のお金を預けようと思う人はいません。エントリーシートから面接まで一本芯の通った言動を心掛けましょう。

「経済を動かす」発言は好まれない

意外に思われるかもしれませんが、銀行業界の志望動機として「私が経済を動かす」云々の動機は好まれません。特に、地方銀行はその傾向が強く現れます。そもそも銀行の業務形態は、お金を預ける人間とお金を借りる人間の両方がいて初めて成り立ちます。

このような物言いは、「銀行の業務を理解していない」発言と捉えられてもおかしくありません。また、やや傲慢な物言いに聞こえてしまうため、避けた方が無難でしょう。

銀行業界を目指す上で最も重要なことは、やはり責任感誠実さです。相手がいるからこそ銀行は成り立っていることを忘れないためにも、文面からも責任感や誠実さが伝わる文章を心掛けましょう。

「貴社」「御社」ではなく、「貴行」「御行」で表記する

企業を指す敬語として、書き言葉には「貴社」、話し言葉には「御社」を用いるのが一般的です。ただ、「社」とあるとおり、これらは株式会社への敬称であり、銀行を対象にする場合は使われないことに注意しましょう。

銀行の場合は、「貴社」ではなく「貴行」と書き、「御社」ではなく「御行」と話しましょう。また、信用金庫の場合は、「貴庫」「御庫」です。些細な違いかもしれませんが、正しい言葉遣いができていないとマナーの悪さを露呈することになります。正しい言葉遣いをするだけでも、相手の印象は大きく変わるので注意しましょう。

同様に「入社」ではなく「入行」と表現するなど、銀行業界は相手企業の呼び方が一般企業とは異なる点が多いため、正しい言葉遣いを事前に確認しておきましょう。

銀行を正しく理解することが選考突破の第一歩

近年、どの銀行も採用枠を減らし、採用基準を高く設定しています。そこへ多くの新卒者が殺到するため、選考の難易度は比べ物にならないほど上がっています。そのなかで突破するためには、まずは「銀行とは何か」を正しく理解しなければなりません。

銀行業界は日常生活で目にすることが多い分、中途半端に分かってしまっていることが多い業界です。まずは、その先入観を排して、業界研究を行いましょう。銀行業界の仕組みや、正しい現状を理解することで、より印象的な志望動機を作成することができます。

こちらの記事を参考に、銀行業界や志望先の研究を進め、自分の志望度をアピールできる志望動機を作りましょう。

不動産業界の志望動機の書き方とは?業種別の例文付きで解説

生活に深く関わる「住」を支える不動産業界。高年収というイメージから、目指す就活生も多いのではないでしょうか。それだけでなく、私たちが普段生活している環境を直接扱うため、自分の仕事が目に見えやすくやりがいがあります

本記事では、不動産業界の基礎知識や現状、実際に働き始めてからの業務内容に加え、志望動機の書き方を3ステップに分けて解説しています。採用担当者を納得させる志望動機を書くための参考にしてください。

不動産業界とは

「不動産業界」の仕組み

出典:不動産デベロッパーとは?仕事内容や将来性を解説|宅建Jobマガジン

不動産業界は、大きく「不動産売買」、「不動産賃貸」、「不動産管理」、「不動産仲介」に区別されます。

その中でも不動産売買と不動産仲介については、宅建業と呼ばれ、国家資格「宅地建物取引士」を持っていなければ不動産取引を行うことができません。また不動産における法規制も厳格に定められており、賃貸、売買、開発などで求められる専門性が異なります。

不動産の売買や賃貸のプロセスは、物件の探索から契約、引渡しまで複数のステップを経て行われます。不動産会社はこれらのプロセスを仲介し、適切な契約の成立をサポートするのが役割です。

不動産業界の業種

不動産販売

建物の建設計画を一手に担うデベロッパーによって建設された建物を実際に販売します。住宅展示場やモデルルームに来場した顧客に対する対応が主になり、建物を売るためにイベントなどを企画し、ターゲット層にどのようにアプローチするか戦略を練ります。「新築戸建ての販売会」などがこの例にあたります。

違いが分かりにくいとされる「販売」と「仲介」ですが、不動産仲介会社は顧客に販売する物件を自社で所有しておらず、中古物件が多いのに対し、不動産販売会社は自社で物件を所有し、新築物件が多くなっています。不動産の売却益が利益となる点と、仲介料が利益となる点でも大きく異なります

買い手の条件に沿った物件を紹介し販売するため、ニーズをどのように引き出すか、上手くマッチした物件を見つけ出すことができるかが大きな鍵となります。

<不動産販売の代表企業>

  • 三井不動産リアリティグループ(三井のリハウス)
  • 東急リバブル
  • 住友不動産販売
  • 野村不動産ソリューションズ
  • 三井住友トラスト不動産

不動産賃貸

不動産賃貸とは、会社として不動産を保有し、借りたい人に貸す会社です。そもそもは、不動産を所有している個人の貸主が希望の条件に合った借主を探して家賃として収入を得るのが賃貸業であり、個人の貸主が行っていた業務を会社で行います。

住宅に限らず、アパートメントや商業施設、オフィスなども含まれます。入社してからは会社が保有する不動産を借りたい人を探す営業や、契約事務などが主な業務です。

<不動産賃貸の代表企業>

  • 大東建託グループ
  • 東建コーポレーション
  • ハウスメイトグループ
  • タウンハウジング

不動産管理

不動産管理は、主に「賃貸管理」と「建物管理」の2種類に分類されます。

「賃貸管理」とは、オーナーによる賃貸経営のサポート、入居者の生活を豊かにするための業務を行います。入居者からのクレーム対応なども含まれています。

一方、「建物管理」とは賃貸物件として貸し出している物件の維持がメインの業務です。清掃や建物の修繕、防犯対策なども含まれます。

トラブルがあった際は入居者と話し合いを行い、不満や問題を聞き出し、解決のために行動に移します。コミュニケーション能力は必須ですが、それだけでなく物件の変化にいち早く気づくことのできる細やかさや、先を見越して動く能力など、様々な能力が求められます。

不動産仲介

不動産仲介業者は、売主と買主、または賃貸の場合は大家と借主の間で、不動産取引を円滑に進めるための橋渡し役を務めます。

正しい物件情報を収集し、顧客に提供していく上で、信頼関係を構築していくことが重要な仕事です。そして顧客が安心して契約を結び、快適な住環境の提供をサポートするのがこの仕事に求められることです。

不動産仲介業者は、複雑で専門的な不動産取引をスムーズに進めるために不可欠な存在です。彼らの専門知識とサービスによって、売買双方が納得のいく取引を行うことができるので、勉強し続ける努力と関係を構築するためのコミュニケーション能力が求められます。

デベロッパー

デベロッパーとは、利用可能な土地を見つけ、その土地の購入、建物や施設の建設計画を立てる仕事をしています。市場調査、プロジェクトの財務計画、設計、建築、販売、マーケティング戦略の策定が含まれます。

顧客やテナント企業をはじめ、さまざまなステークホルダーと協力して作業を進め、プロジェクトの企画段階から完成後の販売や賃貸までを総合的に管理します。都市の景観を形作り、地域経済に貢献する不動産業界において重要な役割を担っています。

デベロッパーは「総合デベロッパー」と「専業デベロッパー」の2種類に区分されます。

用途関係なく全般的に対応するのが「総合デベロッパー」で、三井不動産、三菱地所、住友不動産などが該当企業です。

一方、「専業デベロッパー」とは、ある一つの分野を専門として扱います。タカラレーベン、コスモイニシア、イオンモールなどが該当します。また、JRや東急電鉄など鉄道会社は沿線での開発に取り組んでいます。

参考:小田急のシモキタ再開発は何がすごいのか|日経クロストレンド

コンサルタント

不動産コンサルタントは、不動産業界において重要な役割を果たす専門職です。主な役割は、個人や企業、投資家に対して不動産に関する法律や運用方法などの専門的なアドバイスを提供することです。市場の動向を理解し、クライアントのニーズに合わせて最適な不動産戦略を提案するために、幅広い知識とスキルを必要とします。

企業によって、不動産コンサルタントの業務範囲は異なりますが、不動産コンサルタントの多くは、「不動産コンサルティングマスター」という認定資格を持っていることが多いです。この資格は、不動産流通推進センターが実施する不動産コンサルティング技能試験に合格する必要があります。

コンサルタントになるには入社後数年間営業や事務の経験を積むのが一般的であり、就活の際もこれを踏まえた発言をすると良いでしょう。

ゼネコン

「ゼネラル・コントラクター」の略で、建物の設計から工事まで全体的な流れを把握し、まとめる役割を持っている総合建設業者を指します。「設計」「施工」「研究」(業務の効率化や災害時の建物の耐久検査などの安全管理)の3つを一手に引き受けています。

ただ、実際に工事を行うのはゼネコンの仕事ではなく、工事業者をマネジメントするのが仕事です。商業施設からダムなどのインフラまで業務の幅が広く、人とのコミュニケーションや業務量が多いことでも知られています。

その中でも売り上げが1兆円を超える企業を「スーパーゼネコン」と呼びます。

<スーパーゼネコンである企業>

  • 清水建設
  • 大林組
  • 鹿島建設
  • 竹中工務店
  • 大成建設

不動産業界の職種

営業

不動産業界での営業といえば、顧客に建物を紹介してコミュニケーションをとりながら自分スタイルの営業で売り上げに直結させるというものです。ただ、業界の中で営業の対象がかなり異なり、就活の際にはより細かい業界分析が求められます。

例えば、不動産仲介であれば売主・貸主に条件を聞いて買主・借主を見つける営業であり、不動産販売であれば買主に対して物件の魅力を伝えて売り上げにつなげる営業になります。

成約すれば大きなやりがいとなる不動産営業ですが成果主義であることも多く、どの仕事が自分に適しているかを見極める必要があります。

また、不動産関連の法律は複雑で理解が難しく常に勉強が求められる点も特徴となっています。

企画・開発

いわゆる「街づくり」といわれるのが企画業です。商業施設や分譲住宅、オフィスビルや大規模開発など担当する業務の範囲は多岐にわたり、それぞれをどのようなコンセプトで、予算で建てるかを考えます。

また大規模開発の場合は、プロジェクト自体が長期化することも多く、先を見越して建物完成までの大枠をつかむことが求められます。近年は再開発業も活発に行われており、住民の生活と共存できる街づくりが求められています。

事務

不動産業界での事務仕事は多岐にわたり、特に不動産管理業での需要が高くなっています。管理業では建物の貸主と借主の間の仲介を会社が担っており、家賃関連の連絡や書類作成、問い合わせ対応などが主になります。

また、宅地建物取引士の資格を持っていると独占業務があり需要も高いため、取得を目指してみるのも良いでしょう。

管理

所有者のいる不動産を顧客であるオーナーに代わって管理、運営するのが不動産管理業です。

管理業では建物を売ったり貸したりするだけでなく、持っている建物をきれいな状態に保つこと、住民の意見を聞いて要望を伝え、住みやすい環境を維持することも大切な役割のひとつです。

「プロパティマネジメント」と呼ばれるマンション管理や、理事会の主催、管理費の用途決めなども業務の一部となります。

不動産業界の現状と将来性

日本国内の地価変動率の推移

出典:2年連続上昇、「回復の波」全国に拡大|産経新聞オンライン

日本の不動産市場は、地域によって大きく異なります。例えば、東京や大阪などの大都市では不動産価格が高騰していますが、地方では人口減少に伴い価値が下落している傾向にあります。今後、日本の人口減少に伴い、国内の不動産事業から海外の不動産事業へ展開する企業も増えてくる可能性があるでしょう。

さらに、空き家や老朽化したマンション・団地の増加が業界としての課題となっていますが、それに伴いリノベーションの需要も上がっています。中古住宅をリノベーションすることで賃貸しやすくしたり、住居としての需要だけでなく古民家カフェやレストランとして再利用するのも人気が高いです。

さらに、不動産業界全体として環境問題への取り組みも盛んに行われています。

2050年脱炭素化が国の目標として掲げられる中、地球温暖化の原因である二酸化炭素の減少を目的とし、住宅で消費されるエネルギー資源がほとんどゼロであるZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)や、太陽光発電システム蓄電池HEMS(ITを使用して家庭内のエネルギー消費量を見える化すると同時に制御するシステム)を備えたスマートハウスが例として挙げられます

出典:ZEH(ゼッチ)とは?定義や種類、メリット、補助金などを解説|朝日新聞SDGs ACTION!

さらに、日本全体の家庭のエネルギー消費において3割を占める暖冷房の使用を最小限に抑えるため、断熱と日射遮蔽に力を入れた省エネ住宅も国の支援を受けており、低利融資や減税制度が設けられています。これからの社会情勢とともに不動産業界の仕事も変化していくかもしれません。

不動産業界は、人々の衣食住に関わる業界でもあるため、市場が衰退することは考えにくいです。不動産業界を志望する就活生は希望を持って、就活に取り組みましょう。

参考:不動産業界の動向や現状、ランキング等を研究|業界動向サーチ

不動産業界で求められる人材

信頼できる

不動産業界でまず求められるのが顧客と信頼関係を構築できる人材です。不動産取引は大きな金額が動くことが多く、知識や経験のない顧客は取引の過程で多くの不安を抱えることでしょう。そこで、担当者が誠実な態度で接することで、クライアントから信頼を得ることができ、スムーズな取引を助けることにつながるのです。

また不動産業界の特徴として、1人の顧客から信頼を得られれば、再度自分を頼って不動産に関する相談から成約に至ることも多いです。人脈を広げつつリピートしてもらううえで信頼を築ける力が重要といえるでしょう。

チームワークを重視できる

不動産の取引には、様々な専門職が関わります。売買、賃貸、開発など、さまざまな段階で法律家、銀行員、建築家などと連携する必要があります。担当者には、関わる専門家と円滑なコミュニケーションを図り、チームワークを重視した業務の遂行が求められます。

特に、チームメンバーの意見を理解し、自分の考えを適切に伝える能力は、チームワークを重視する上で重要視されるポイントです。

また、チームワークをアピールすることでコミュニケーション能力があることも同時にアピールできます。社内外問わず多様な人とかかわりを持つ不動産業界では必要不可欠になっています。

数字や結果にコミットできる

数字や結果にコミットできる人材も不動産業界では重宝されるでしょう。自分自身の業績に責任を持ち、高い基準を設定することで、持続的に成果を生み出せます。

また、目標に向かって計画的に行動する力も重要です。売上目標や成約数などの定量的な目標を常に意識し、それらを達成するための戦略を立てて行動することや、市場の動向、価格の傾向、顧客のニーズなど、多岐にわたるデータを分析し、有益な情報に変換することで、目標達成に向けたプロセスを実行できる人材が成果を残せるのです。

向上心がある

変化の激しい不動産業界では、向上心を持って仕事に取り組むことが大切です。不動産業界においては、新しい法律、市場の動向、技術の進化など、常に学び続ける必要があります。さらに、何らかの理由で成果が出ない時期があったり、高額商品であるために簡単には成約が取れなかったりしてもめげずに継続し続けることが必要です。

向上心がある人材は、自己発展のために新しい情報や技能を積極的に学ぶことによって、業界の最前線に立つことができるでしょう。

また、自分の業務や行動に関するフィードバックを受け入れ、今後の糧としていくことも重要です。フィードバックに基づいて行動を修正し、継続的に改善することで、より高い目標を達成できます。

相手目線で考えられる

不動産業界、特に仲介業や販売業では顧客のニーズに沿った商品を提案し、どのようなメリットがあるのかを説明して気に入ってもらうことが購買への第一歩となります。そのため、聞き上手であると同時に、相手目線で物事を考えられる人に向いています。

また、特に個人顧客の中には「人生で家を買うのはこれが最初で最後」という場合も多く、後悔の残る買い物にしてはならない責任の重い仕事でもあります。

自分の成績や会社の利益だけを追うのではなく、顧客のニーズを上手く引き出すことが顧客満足な成約に繋がります。接客のアルバイトなどで褒められた経験があれば根拠としてガクチカに書くのもおすすめです。

参考:人生で一番高価だった買い物ランキング|@DIME

コミュニケーションにおけるストレス耐性

不動産業界は、様々な業界の専門家とのコミュニケーションが求められる業務が多いです。顧客、売主、買主、金融機関、法務関係者などの関係者とのコミュニケーションが求められます。これらの関係者と効果的に対話し交渉を進めるには、ストレスをうまく管理し、冷静に対応する能力が必要です。

新卒であれば、学生時代に失敗した経験からどのようなアプローチを試みたかなどを志望動機に盛り込むことでストレス耐性をアピールできるでしょう。

1つの物事を極める継続力

仕事を極める継続力も不動産業界で活躍する人に共通の特性です。不動産業界の業務は、高度な専門知識と長期にわたるコミットメントが求められます。

業界動向やトレンドを押さえることはもちろん、キャリアを積むとともに人脈を作っておくことで、新規の顧客を紹介してもらいながら仕事を進められるでしょう。

不動産業界の志望動機の書き方3ステップ

<不動産業界の志望動機の書き方>

①結論(なぜ不動産業界を志望しているのか)を書く

②エピソードに絡めた根拠を述べる

③入社後にどのように活かすのか

①結論(なぜ不動産業界を志望しているのか)を書く

志望動機を明確かつ簡潔に伝えるうえで、冒頭に結論を述べることを意識しましょう。

なぜ不動産業界を志望しているのか、数ある不動産会社の中でその会社を志望しているのかを明確に示した後に、あなたのキャリア目標、専門スキル、経験、興味・関心がどのようにその業界や企業と関連しているかを具体的に述べることが重要です。

志望動機を書く前に結論をはじめ、構成を箇条書きにしておくとスムーズに志望動機を書けるでしょう。結論部分で採用担当者の印象に残る用に工夫することが大切です。

②エピソードに絡めた根拠を述べる

結論を述べた後に志望する理由を分かりやすく記載しましょう。不動産業界であれば、応募職種を志望する理由まで伝えられると良いでしょう。学生時代のエピソードで不動産業界と関連づけられるものを盛り込むのもおすすめです。

また志望理由においては、応募する企業の特色、強み、ビジョンなどについての研究を行い、その企業を選んだ具体的な理由を述べます。

例えば、企業の取り組み、文化、過去の実績、未来の展望などに触れることで、採用担当者からも評価を得られるでしょう。

③入社後にどのように活かすのか

志望動機の最後に入社後にこれまでの経験や実績をどのように活かすかを簡潔に述べましょう。新卒の場合は、業務に関するイメージが湧かない部分もあるかと思いますが、企業研究を重ねた上での自分が活躍するイメージを伝えることが大切です。

入社後の活かし方は、志望動機の文末に必ず記載するようにしましょう。また、文末までの内容に沿って文脈的につながりのある内容を意識することで、説得力のある志望動機に仕上がるでしょう。

【業種別】不動産業界の志望動機の例文

不動産賃貸

例文

私が不動産業界の中でも、不動産賃貸部門を志望する理由は、人々の生活に深く関わる仕事を通じて、社会に貢献したいという強い願望があるためです。不動産は単なる物件の取引にとどまらず、人々の生活の基盤を形成し、地域社会の活性化にも繋がります。大学で学んだマーケティング理論やITスキルを活かし、市場の動向を分析し、より効率的かつ顧客満足度の高いサービス提供に貢献できると自負しております。また、不動産賃貸業界は常に人々のライフスタイルの変化に対応し、柔軟にサービスを進化させる必要があります。変化の激しい環境の中で、自らのアイデアと情熱をもって新しい価値を創出していきたいと考えています。(300字以内)

志望動機が冒頭に簡潔にまとめられており、読みやすい文章となっています。学生時代に学んだこともエピソードに盛り込みながら、文脈的に繋がりのある内容にまとめられています。

不動産賃貸の業務に対する深掘りや組織の中でどのように活躍していくのかが具体化されているとさらに良い志望動機となるでしょう。

また自分が応募する職種についてどのように働くかについて言及できているとさらに分かりやすい志望動機となります。

不動産売買

例文

私が貴社の不動産売買部門を志望する理由は、不動産という大きな資産の取引に関わり、お客様の重要な人生の節目を支える仕事に深い魅力を感じるからです。大学で経済学を学んだことで、不動産市場の動向や価値について理解を深めました。この知識を活かしてお客様に最適な不動産を提案し、満足いただける取引を実現したいと考えています。

また、不動産取引は単に物件を売買するだけでなく、法律や税金などの専門的な知識も必要とされます。私は学業の傍らで宅地建物取引士を取得しており、これらの知識を活かして、お客様が安心して取引できるようサポートしたいと思っています。不動産売買はお客様のライフスタイルや将来設計に直結するため、高い責任感と誠実さが求められます。これらの価値観を大切にし、信頼されるプロフェッショナルとして、貴社の不動産売買の分野で長期的なキャリアを築いていきたいと考えています。(400字以内)

不動産売買の業務特性を踏まえた志望動機になっています。学業と並行して宅建を取得した努力は、不動産業界を志望する熱意が伝わってくる魅力的なエピソードです。即戦力として活躍できる可能性を示す内容となっており、高評価を得られるでしょう。

文末では長期的なキャリアを築いてどのような人間になりたいのかを言及できていると採用担当者の印象に残る志望動機に近づくでしょう。

不動産管理

例文

私が貴社の不動産管理を志望する理由は、長期的な資産価値の維持と向上に貢献したいためです。

不動産管理は、物件の維持修繕にとどまらず、テナントの満足度向上、コスト管理、さらには環境への配慮など、多岐にわたる業務を含みます。私は大学時代に部活動を4年間経験し、リーダーシップを発揮し、プロジェクト管理の経験を積んできました。これらの経験を活かして、効率的かつ戦略的な不動産管理を行いたいと思っています。

貴社の一員として、誠実なコミュニケーションを心がけることで、お客様からの信頼を得られるよう努めることで、成果を残せる人材へと成長していきたいと考えています。(300字以内)

不動産管理という業務に学生時代の部活動のエピソードが結びついており、志望動機にまとまりがあります。不動産管理の業務および応募企業の職種から逆算した内容へブラッシュアップできるとさらに魅力的な志望動機になるでしょう。

また不動産管理は、志望動機にもあるように業務の種類が多いため、自分の強みを活かして、フォーカスを当てていく志望動機に仕上げることも魅力的な内容にするポイントです。

デベロッパー

例文

不動産業界のデベロッパーとしてのキャリアを志望する理由は、持続可能な社会の構築に寄与する仕事に従事したいという強い意欲があるためです。大学での建築学と都市計画の学びを通じ、不動産開発が地域社会や環境に与える影響の大きさを深く理解しました。これらの知識を活かし、革新的かつ持続可能な開発プロジェクトに携わることで、社会に価値ある貢献をしたいと考えています。

デベロッパーとして成功するためには、市場分析、プロジェクトマネジメント、財務計画など多岐にわたるスキルが求められると考えています。デベロッパーとして活躍できる人材へ成長していきたいと考えたときに、貴社のビジョンや文化を知り、挑戦できる環境が整っていると感じたため、貴社の一員として、持続可能で魅力的な都市空間の創出に貢献していく所存です。(350字以内)

デベロッパーに求められることを逆算しつつ、応募企業への適性やマッチングが記載されており、説得力のある志望動機となっています。全体的にもう少し内容を深掘りできていると、独自性の高い志望動機となるでしょう。

デベロッパーは不動産業界の中でも高年収である企業が多いため、候補者のレベルも高いといえるでしょう。入念に志望動機を作り込み、ES通過を目指しましょう。

コンサルタント

例文

私は、不動産コンサルタントとして、お客様の幸せに寄り添える人間になりたいと考えています。私は大学でのケーススタディやインターンシップを通じ、コンサルタントに必要な分析力や顧客のニーズを的確に理解し、柔軟かつ創造的な解決策を提案する力を磨いてきました。インターンシップでは不動産市場の調査と分析を行い、その結果を基にした戦略提案の経験があり、これらを貴社の業務に活かしていきながら、活躍していきたいと考えています。

また、不動産コンサルタントは人間関係が特に重視される仕事であると考えています。貴社の一員として、目標やビジョンの達成に向けて行動する過程の中で、人間性を磨きビジネスパーソンとして、価値のある人材になっていく所存です。(350字以内)

不動産コンサルタントになれる知識や経験を学生時代から積み重ねてきているのは、採用担当者から好印象に映るでしょう。

文末に貴社の一員として、どのような人材になっていきたいかが記載されており、目標志向の高い人材であることが伺える内容になっているのも魅力的な志望動機を書く上でのポイントです。

不動産コンサルタントは、クライアントに応じて多岐に渡る業務があること、企業によって業務の仕方が異なるため、事前に企業研究を入念に行い、志望動機に反映させていくことが大切です。

不動産業界の志望動機を作成するポイント

不動産業界やその企業を目指した理由を明記する

なぜ不動産業界を志望したのかを明確に企業に伝えることが大切です。不動産は人々の暮らしに関わる仕事。不動産を通じてどのような社会貢献をしていきたいのかを自分の言葉で伝えることで、採用担当者から好印象に映るでしょう。

応募理由を深掘りする際は、前述の自己分析と業界研究ができていないと、差別化できる内容に仕上がらないため、事前の準備を入念に行いましょう。不動産業界を志望することを事前に決めている場合は、インターンシップに参加して業界を体感してみるのも良いでしょう。

不動産業界でのビジョンや価値観をマッチングさせる

応募企業に入社したいという熱意にも関わりますが、企業の掲げるビジョンや価値観に沿った志望理由を考えましょう。

業界・職種は同じでも企業文化や風土は異なります。特定の会社に向けた志望動機を書く際には、企業分析を丁寧に行い、会社のホームページなどから企業理念や魅力、ブランド力などを見て参考にし、採用側に「他の不動産会社でもいいのではないか」と疑念を持たれないようにしましょう。

応募企業の強みや特徴を踏まえ、応募企業でなければならない理由を明示することで、採用担当者の目に留まる志望理由に近づくでしょう。

不動産業界と一言で言っても業種は様々であり、志望動機を書く際には、不動産業界で入社後何がしたいのか、自分の理想の将来像も明記しましょう。その目標と志望企業の長期計画をなるべくリンクさせることで、企業側も「長期的に活躍してくれそう」というイメージを持ちます。

また、応募企業のビジョンや価値観から逆算したエピソードや結論を盛り込むのもおすすめです。構成の段階から意識してみましょう。

過去の経験を志望動機に結びつける

過去の経験を志望動機に結びつけることも志望動機のオリジナリティを高めるポイントです。不動産業界であれば住宅や暮らしの中で志望動機につながるエピソードを盛り込んでもよいでしょう。また学生時代に関連分野を専攻していた方は、学んだことを志望動機に活用するのもおすすめです。

過去の経験を強引に志望動機に結びつけてしまうと、志望動機のまとまりに欠ける部分が出てきてしまうため、他者に添削してもらいながら志望動機をブラッシュアップしていくことが大切です。

不動産業界の志望動機を書く際の注意点

受け身なことは書かない

顧客とコミュニケーションをとり、自分から積極的に動いて成長しようとすることが求められる不動産業界。「会社に入って学びたい」、「研修制度が充実している」などの表現は一見、向上心のアピールになると思われがちですが、不動産業界では企業に貢献したいという意思が弱いと受け取られます。

受け身な表現は避け、自分は何を達成したいのか、そのために仕事として何をしたいのかをメインに書くようにしましょう。

年収や福利厚生などを志望動機としない

不動産業界は比較的収入の高い職種が多く、その点に惹かれる就活生も多いですが、それを志望動機として明記するのはNGです。

収入を理由にすると、業界や企業への熱意が感じられません。その企業を選んだ理由としても説得力に欠けるため、多くの企業において悪い印象を与えることになります。

抽象的な表現は使わない

志望動機に抽象的な表現が入っていると企業側は具体的なイメージがつきずらく、表面的な印象を与えてしまいます。

自分のオリジナルな体験を盛り込むことで説得力も増します。特に不動産業界は人の暮らしに深く結びついた事業を行っており、自分の体験を志望動機としやすい業界です。

自分が不動産会社にお世話になった経験や、建物に関しての思い出など、自分だけのエピソードを用いて記憶に残る志望動機を書くことを心掛けましょう。

志望動機は広すぎず狭すぎず

様々な業種がある不動産業界において、会社に入ってからのビジョンを固めすぎると「これ以外はやりたくない」というニュアンスでとられてしまいます。

志望する会社全体の業務に対する興味と理解を示すために「○○部署」など特定の固有名詞は出さず、あくまでも業務への関心として書きましょう

また、不動産業界は勤務経験が無い学生からすると全体の業務イメージがつきにくく、業界研究が難しくなっています。OB・OG訪問などを通して自分が入社してからの具体的なイメージをつかせ、志望動機に盛り込むようにしましょう。

不動産業界の理解を深め魅力的な志望動機を作成しよう

志望動機は自己PRと同様に、自分の想いを伝え、採用担当者にアピールするチャンスでもあります。

生活の一部である住まいに関わる不動産業界では、業界や応募企業を研究することを前提に、自分が「家」や「建物」、「街」とどのように関わってきたかを振り返りましょう。

さらに入社後に自分がどのように活躍できるかをオリジナリティのあるエピソードで、かつ自分の言葉で伝えることで、魅力的な志望動機となるでしょう。

不動産業界は人気の業界の一つですが、本記事を参考に希望する企業から内定を獲得するために行動していきましょう。

人材業界の志望動機の書き方|例文付きでポイントを徹底解説

人材業界は就活生に人気の業界です。志望する学生が多い分、他の就活生との差別化を意識した志望動機作りが必要です。

人材業界にはさまざまな事業や業種があり、求められるスキルも異なります。まずは業界についてを理解し、自分の強みや思いを効果的にアピールしていきましょう。

本記事では、志望動機の例文とともに、人材業界の概要魅力求められるスキル抱える課題など、業界研究としても使える内容を解説しています。

人材業界とは?

人材業界とは、働き手を雇いたい企業と仕事をしたい求職者をつなぐ仕事です。人材業界のサービスを利用することで、企業は人材採用のための費用や手間を抑えられ、求職者はやみくもに就職活動をすることなく速やかに仕事を得られます。

人材業界は、働き方が多様化している現代において、企業と求職者の両方にとって重要な役割を担っています。少子高齢化による人手不足の解消や、外国人労働者の積極的な紹介・派遣などが注目されているため、人材業界は今後ますます求められるでしょう。

人材業界の事業

人材業界の事業は大きく分けて4つの事業に分かれています。主に仕事の対象が「企業」「求職者」かで事業内容が異なります。

また、それぞれの事業で重視されるスキルも異なってくるため、それぞれの事業内容を正しく理解することが大切です。

人材紹介

人材紹介業は、企業に求職者を紹介する事業です。自社が紹介した人材が企業に採用されたときに紹介手数料を得るビジネスモデルが一般的です。

企業からは事業の展望や求める人物像を、求職者からはキャリアプランやスキルなどをヒアリングして、両者をマッチングさせます。主に新卒採用向けのサービスと中途採用向けサービスに分けられます。

企業と求職者両方の要望に沿うように適切にマッチングすることが求められるので、情報を収集するだけでなく、企業と求職者の両者に親身に寄り添って、仕事をつなげるという姿勢が求められてきます。

代表的な企業
  • エン転職
  • ビズリーチ
  • doda

人材派遣

人材派遣業は人材紹介業とは異なり、派遣会社に所属している人材を企業に派遣する事業です。そして、派遣先から支払われる人材派遣手数料を利益として運営します。

人材派遣で大切なことは、人材紹介と同様に、企業が求める人物像との要望やスキルを十分にヒアリングして、派遣する人材を適切にマッチさせることです。

そして、人材派遣の事業では、マッチング業務という顧客のニーズに合った人材を選出するという、営業職でスタートすることが多いです。そのため、不足なく情報を引き出すことだけでなく、時にはよりプラスになれるような情報を与えるという提案力も大切となるので、コミュニケーション能力が高い人に向いています。

代表的な企業
  • テンプスタッフ
  • リクルートスタッフィング
  • パーソルテンプスタッフ

求人広告

求人広告の事業は、企業の求人広告を自社のWebサイトや刊行誌に掲載し、求職者を集めることが求人広告事業の内容です。そのため、求人広告を依頼する企業の費用で利益を得ています。

求人広告を載せたい企業から、その会社の魅力や展望をヒアリングして広告に反映します。求人広告事業には主に、正社員向け、契約社員・派遣社員向け、アルバイト向けなどがあります。

求人広告の企業に就職すると、業界研究多くの企業の動向調査を常にしなければなりません。新しい情報に常にアンテナを貼ることが得意な人に向いているでしょう。

代表的な企業
  • パーソルキャリア
  • マイナビ転職
  • type

人事コンサルティング

人事コンサルティングの事業とは、企業から人事戦略、人事評価制度などの相談を受け、診断、助言、指導などを行います。人事コンサルティング企業は主に、課題解決を手助けするコンサルティング費用で利益を得ています。

前述した人材紹介・人材派遣・求人広告の3つの事業と人事コンサルティングの異なる点としては前者は「採用」を目的としています。一方、後者である人事コンサルティングは「人事業務における課題解決」が目的であるため、課題を分析し戦略的に物事を考え、課題解決につながるアイデアを作ることが主な仕事内容となってきます。

人材採用や人事制度がうまくいかず、人材に関する組織運営に頭を抱える企業は多くあります。そのため、そんな会社内の人材に関する不安や悩みを抱えている企業の問題を解決する重要な業務を担っています。

採用活動そのもの、採用制度、人事制度に関するコンサルティング以外に、研修制度のコンサルティングをするケースもあります。求められる仕事の幅が広いため、各会社の人事制度の仕組み法律などを身につけることが大切です。

代表的な企業
  • デロイト トーマツ コンサルティング
  • アクセンチュア
  • ボストン コンサルティンググループ

人材業界の職種

営業

人材業界の営業は、主に企業が対象であり、人材に関する悩みをヒアリングして解決方法を提案します。求める人材が集まらない、求人広告を出しても人材が集まらないといったさまざまな問題に取り組みます。事業によっては、企業が求める人材の紹介以外にも、求人手法や人事制度の改善を提案することもあります。

紹介する人材が不足している場合は、営業担当者が求職者を直接スカウトするケースもあります。求人広告業に関する営業職に就いた場合、Webマーケティングの知識も必要になるかもしれません。

多くの人から、抱えているさまざまな課題を十分にヒアリングしなければならないため、高いコミュニケーション能力が求められます。

キャリアアドバイザー・キャリアコンサルタント

キャリアアドバイザー・キャリアコンサルタントの仕事は、主に求職者が対象で、求職者の就職・転職活動をサポートする仕事です。特にキャリアコンサルタントは、2016年4月に国家資格が設けられました。

仕事の内容としては、求職者のスキル、キャリアプラン、要望、悩みなどをヒアリングして、求職者にふさわしい仕事を提案します。履歴書・職務経歴書の添削、面接試験の指導、面接日程の調整などもキャリアアドバイザー・キャリアコンサルタントの仕事です。求職者に代わり、労働条件に関して企業と交渉することもあります。

求職者が就きたい仕事と、求職者に向いている仕事が異なるケースがあります。求職者の希望を叶えることも重要ですが、希望と異なっていたとしても、求職者が活躍できる仕事を紹介することが同時に求められてきます。

キャリアアドバイザーは主に企業と求職者のマッチングをする一方で、キャリアコンサルタントは求職者に限らず在職者や学生のキャリア形成サポートをします。キャリアコンサルタントの活躍の場は、人材紹介・派遣企業だけでなくハローワーク、大学、職業能力開発促進センターなど、多岐に渡ります。

企画・マーケティング

人材業界における企画・マーケティング職は、自社のWebサイトや書籍などの新たなコンテンツを検討したり、人材市場の調査、分析をしたりする仕事です。主に人材を募集している企業向けの仕事(BtoB)と、求職者向けの仕事(BtoC)に大別できます。

学んだマーケティング知識を活かしたい人、新たにマーケティングの知識を身に付けたい人にぴったりの仕事でしょう。

人材業界の動向と課題

人材業界は、人を扱うのがメインであるため、人々の働き方が変われば、当然人材業界の仕事内容にも大きな変化が生まれます。また、他の企業と同様に、社会の経済状況によって影響を受ける面もあるため、常に社会の最新の動きを把握しておく必要があります。

人材業界の市場規模

人材関連ビジネス主要3業界市場の規模推移

出典:人材関連ビジネス主要3業界市場規模推移|矢野経済研究所

矢野経済研究所によると、2022年度の人材関連ビジネス主要3業界市場は前年度比7.8%増の9兆2,355億円であると発表しました。様々な業界・業種において人材需要の高まりが継続しているため、人材派遣市場は、安定して市場規模が大きくなっている状態です。

またこの約9兆円という数字は、約7兆円の広告業界を上回っている点で、経済市場の規模がいかに大きいかが伝わってきます。

コロナの影響により、リモートワークの移行など、働き方の形が変化している現状を考慮に入れると、人材業界は今後もますます需要が増えていくと考えられます。

参考:広告代理店の業界概要|日本経済新聞

人材業界の課題

景気に左右されやすい

社会全体が不景気のときに、人材業界も業績が悪くなる傾向があります。不景気の際には、企業が従業員や新規採用者を減らそうとするからです。

新型コロナウイルスが発生したときは、取引している企業が倒産したり、紹介した人材が解雇されたりすることが多く発生し、人材業界も打撃を受けました。

しかし、新型コロナウイルスの流行が落ち着いた現在では、有効求人倍率が新型コロナウイルス流行前の水準まで回復しつつあります。需要に合わせて速やかに人材を集めることが人材業界に求められます。

これらのことから、人材業界は、社会全体の景気の良し悪しに合わせて、柔軟に対応を変えなければなりません。

参考:有効求人倍率|独立行政法人労働制作研究・研究機構

グローバル化

企業のグローバル化に伴い、グローバルに活躍できる人材が求められています。語学力だけでなく、コミュニケーション能力異文化理解に富んだ人材が企業から必要とされます。

人材業界は、海外で活躍したい求職者を集める工夫をしなければなりません。海外で活躍できる人材の採用・育成支援サービスを企業に提供する機会も増えるでしょう。

また、少子高齢化の影響で、国内の労働力が減少しています。人手不足を補う手段のひとつに、外国人労働者の雇用が挙げられます。人材業界は今後、外国人労働者を集め、定着させることを求められるでしょう。

人材業界で働く場合、企業や職種によっては、グローバル企業への営業や外国人労働者との面談などのために、語学力を向上したり異文化理解を深めたりする必要があるかもしれません。

参考:労働経済の推移と特徴|平成23年度版 労働経済の分析

国際競争力ランキング|朝日新聞DIGITAL

IT化・DX化の推進

新型コロナウイルスの影響により、オンライン面接の導入が急増しました。オンライン面接が苦手な求職者や、オンライン面接を円滑に運用できていない企業も多くあります。人材業界は、求職者と企業の両方に、オンライン面接に関する適切なサポートやアドバイスをする必要があります。

また、同じく新型コロナウイルスの影響により、リモートワークという働き方が身近になりました。リモートワークをしたい求職者の希望を叶えることも人材業界に求められています。そのため、企業にリモートワーク運用のサポートやアドバイスをすることも必要になるでしょう。

ほかにも、給与計算や勤怠管理といった事務作業がIT・DX化に置き換えられつつあります。事務作業をする人材の需要減少が予想される一方で、ITの知識を持つ人材の需要が増えています。同時に人材業界は、ITに詳しい人材を集めたり育成したりする取り組みが求められるでしょう。

人材業界そのものにも、より精度の高いマッチングや効率の良い情報収集のために、IT化・DX化の推進が必要かもしれません。

参考:DX推進のメリット|NTT東日本

雇用構造の変化

人材業界は、雇用構造の変化に常に対応していくことが求められます。

現在の日本では、今後の終身雇用制度を不安に思い、転職してキャリアアップしたい人が増えている一方で、人材流出を防ぎたい企業も多くあります。そのため、お互いの要望に沿うように適切にマッチングすることが今後重要となってきます。

また、女性活躍の推進が日本社会全体の課題です。人手不足解消のために女性を積極的に採用している企業も増えています。しかし、働き続けることに不安を抱える女性求職者も少なくありません。人材業界は、女性が働きやすい環境・制度の確立に向けて企業をサポートしつつ、女性求職者を企業に適切にマッチングすることが必要です。

参考:終身雇用と年功序列はもはや時代遅れ|YAHOO!JAPANニュース

人材業界の魅力

人の人生に関われる

人材業界で働くと、多くの人の人生に関わることができます。多くの求職者にとって企業で働くことは人生を左右する一大イベントです。多くの人は働くことに期待と不安を抱えています。

特に新卒者にとっては、初めて働く企業を選ぶことは大きな決断です。求職者の就職活動のサポートをすることには責任が伴いますが、やりがいを感じられるでしょう。

人の人生の転機に関わってサポートしたい人は、人材業界が向いているでしょう。

多くの企業や人と出会える

普段出会うことがない企業や人と出会えることも人材業界の魅力です。多くの企業や人々は、異なる課題や悩みを抱えています。そのため、色々な企業の担当者とコミュニケーションをとる過程で、その人の仕事に対する想いを知れるでしょう。

また、前述したように多くの求職者は働くことに期待と不安を抱えています。今後の人生をかけて就職活動に挑む人もいるでしょう。そのため、求職者一人ひとりに向き合ってサポートをしていく姿勢が求められます。

多くの人と出会って喜びを共有したい人、業務を通じて多様な業界に関わりたい人には、人材業界をおすすめします。

人に感謝される機会が多い

直接求職者と接することの多いキャリアアドバイザーキャリアコンサルタントの仕事に就けば、人に感謝される機会も多くあります。

求職者とのコミュニケーションを通じて、求職者の要望に沿うことができた仕事をうまく提案することができれば、その結果に対する感謝の気持ちを伝えられることがあります。また、当初の求職者の希望とは異なっていたとしても、最終的に求職者本人にとって満足のいく仕事を紹介できたとすれば、求職者に感謝されるでしょう。

また、これは企業からの場合にも当てはまり、優れた人材を紹介できれば、取引先の企業からも直接感謝の言葉を得られるかもしれません。自分の仕事が、直接感謝に繋がる可能性が高いという意味で、人材業界はやりがいがある業界ということができます。

人材業界に求められるスキル

コミュニケーション能力が高い

人材業界で働き始めると、企業からは事業の目標や課題などを、求職者からは要望やスキルなどを十分に聞き出すことが必要になります。そのため、高いコミュニケーション能力が求められるでしょう。

話を盛り上げる能力ではなく、相手の本音を引き出す能力が重要視されます。なぜなら。新規顧客を獲得するために粘り強い交渉が必要なケースも求められるからです。営業職、キャリアアドバイザー・キャリアコンサルタントを目指す人は、コミュニケーション能力をアピールしましょう。

人と関わることが好き

人材業界で働く場合、多くの企業や求職者と関わらなければなりません。相手に興味を持って、仕事への想いや抱えている課題をヒアリングする必要があります。十分にヒアリングをしたうえで、相手の気持ちに寄り添った提案をすることが求められます。

そのため、人と関わることが好きな人ならば、多くの人とコミュニケーションをとらなければならない人材業界でも、いきいきと働けるでしょう。人との交流を通じて得た経験エピソードがある場合は、アピールの材料として活用できるため、積極的に活かしていきましょう。

成長意欲が高い

人材業界で長く活躍するためには、業界研究や企業ごとの動向調査を常に行う必要があります。日々変化する社会情勢に関する情報を収集することに、終わりはありません。

また、営業職の場合は特に、ノルマが課される可能性があります。目標を達成するために、あきらめずに向上心を持って働き続ける粘り強さが求められるでしょう。

仕事を通して、求職者の成長をサポートしたいという強い想いがあり、勉強を継続できる人ならば、人材業界がぴったりでしょう。

人材業界の志望動機の構成

志望動機を伝える構成

①人材業界を志望する理由

②応募先を志望する理由

③志望する職種

④達成したい目標

人材業界を志望する理由を述べる

なぜ人材業界を志望するのかを結論として、最初に述べます。人材業界でしかできないことをしたいという想いや考えを伝えましょう。

志望理由には、可能な限り人材業界に関わるエピソードを盛り込んでください。自分が経験したこと、自分が感じたことを基に志望理由を述べることで、人材業界への強い想いが伝わるでしょう。人の人生の転機に関わった経験、関わりたい気持ちは、人材業界の志望理由にぴったりです。

特に人の意見をヒアリングして課題解決に導いた経験があれば、人材業界につながる自身の強みとして採用担当者にアピールできます。

応募先を志望する理由を述べる

数ある人材業界の企業の中でも、なぜその応募先を選んだのかを述べます。応募先の強みや企業理念はそれぞれ異なるため、各企業が求める人物像に沿った志望理由を述べましょう。志望理由が曖昧になってしまうと、他の企業や業界でも構わないのでは?という印象を、人事担当に与えてしまうかもしれません。

企業理念を知るには、応募先の企業の特徴や企業が求める人材像を、応募先のWebサイト、募集要項を読み、把握しておきましょう。人材業界の研究、競合他社の情報収集も大切です。各企業の特徴を広く分析した上で、自身の適正と照らし合わせし、もし可能であればOB訪問をすることをおすすめします。

志望する職種を述べる

応募先の職種の中でも、どの職種を志望するのかを述べます。前述したように、応募先のWebサイト、募集要項を確認して職種や求められる人物像を把握しましょう。

営業職やキャリアアドバイザー・キャリアコンサルタントを志望する場合、特に人の考えや想いを引き出すコミュニケーション能力、企業と求職者の両方の要望をまとめ上げる提案力交渉力などが重要視されます。粘り強く相手を説得する前向きな姿勢も求められるかもしれません。

人材業界といっても、職種によって重視されるスキルは変わってきます。職種にマッチする自身のスキルを述べることで、より魅力的に自分をアピールすることに繋げることができます。

達成したい目標を述べる

最後に、応募先に入社した場合にどんなことを達成したいのかを述べます。入社前から入社後のキャリアプランを考えることは難しいかもしれません。しかし、キャリアプランを述べることで、情報を収集する能力や応募先への熱意が伝わります。

可能であれば、人材業界で実際に働く先輩の話を聞いて、達成したい目標やビジョンを明らかにしておくことで、他の志願者達との差別化にもなります。

人材業界の志望動機の例文

例文1:人材紹介

例文

私は、大企業から中小企業、ベンチャー企業にまで幅広く人材紹介をしている貴社で、一人ひとりがいきいきと働ける環境づくりに貢献したいと考えております。

私はスーパーで2年間アルバイトをしていました。最初の1年間はレジ打ちを担当していましたが、とっさのトラブル対応が上手くいかないことが多く、お客様や同僚に迷惑をかけていました。そこで私は、細かな作業が得意であるため、検品作業や在庫管理の仕事への配置転換を希望しました。配置転換してもらったところ、作業の正確さと素早さを同僚に褒めていただいたり、感謝されたりする機会が多くありました。この経験から、適材適所によって企業と働き手両方にメリットが生まれることを学びました。

私は人材紹介に力を入れている貴社で働き、企業の展望や求める人物像だけでなく、求職者一人ひとりの特性を引き合わせ、それぞれにとって良い働き場所を作っていきたいと考えております。(400字以内)

アルバイト先で自分が実際に経験したことを基に志望理由が述べられているため、高い説得力があります。

人材紹介では、正確で素早い情報収集も必要ですが、求職者の要望を十分にヒアリングするコミュニケーション能力も必要です。可能であれば、人の考えや想いを引き出すコミュニケーション能力があること、傾聴を心掛けていることなどをエントリーシートで述べましょう。

例文2:人材紹介

例文

私は貴社で、海外人材の雇用促進に貢献したいと考えています。

私が所属するゼミには、多くの海外留学生がいます。中にはそのまま日本で就職したいと考えている学生がおり、一緒に日本企業について調べたり話し合ったりしました。しかし、その留学生は語学力に自信がないことや、そのまま日本で就職する前例が少ないことから、母国で就職することを選びました。グローバルで活躍できる人材を求めている日本企業が多いにもかかわらず、海外の留学生が日本企業への就職をあきらめてしまうのは非常に残念なことだと感じました。

この経験から、私は海外人材の紹介に注力している貴社で、熱意のある海外人材をサポートをしていきたいと考えています。日本で働く夢を持つ人材のサポートをしつつ、グローバル化を目指す企業に繋ぎ合わせ、熱意があれば海外人材でも活躍できる社会の実現を目指していきたいです。(400字以内)

日本で働きたい海外留学生とのエピソードを基に志望動機が述べられており、アピール力があります。具体的な経験が述べられているので他の志望者との差別化ができるでしょう。

人材紹介事業で海外人材とグローバル化を目指す企業を繋ぐためには、語学力異文化理解が必要不可欠です。海外留学生と十分なコミュニケーションをとったこともアピールすることをおすすめします。

例文3:人材派遣

例文

私は人材業界で、派遣社員の待遇改善に取り組みたいです。

私はコールセンターでアルバイトをしています。アルバイト先には、知識が豊富でトラブル対応の機転が利く派遣社員の方が多くいました。しかし給与が低かったり、雇用が保証されなかったりと、正社員と比べて待遇が悪かったため、離職する派遣社員が後を絶ちませんでした。その結果、経験の浅いアルバイトばかりになり、コールセンターへのクレームが増加してしまいました。この経験から、派遣社員の方々の待遇改善は、企業の利益向上にとっても重要だと感じました。

私は、企業に派遣社員の正社員登用を積極的に働きかけている貴社で、営業職を通し、派遣社員が長く働き続けられる環境を整えられるよう、法律や賃金制度の観点から企業にアドバイスをしていきたいです。企業と派遣社員双方が満足できる場を設けることで社会貢献をしたいと考えています。(400字以内)

アルバイト先での経験から、派遣社員の待遇改善の想いが伝わります。派遣社員の待遇改善が企業の利益にもつながることを述べている点が魅力です。

人材派遣の仕事では高いコミュニケーション能力交渉力が求められるため、コールセンターでの経験は高い評価につながるでしょう。コールセンターでどのような対応を心掛けていたかを述べれば、さらに自分を魅力的にアピールできます。

例文4:人材派遣

例文

私は適材適所を重視した人材派遣業に携わりたいです。

学生時代、私はイベント設営バイトをしており、その中には多くの派遣社員がいました。しかし、仕事内容や自身のスキルに合わないために、離職者が日々絶えない状況でした。そこから、私は派遣社員をただ送るだけでなく、派遣社員の特性と、派遣先の相性を考慮した上で両者を引き合わせることが重要だと学び、人材業界を志望しました。

貴社を志望した理由は、業界の中でも規模が大きいため、高い情報発信力を備える状況下で働きたいと感じたからです。そして、海外とのやり取りも行う業務も存在するため、留学で培った英語力を活かしながら、キャリアの幅も広げていきたいと考えています。

人材派遣のみならず英語力を仕事で発揮できる総合職を希望し、多岐の仕事の場面で仕事にコミットし貴社の利益につながる人材を目指します。(400字以内)

ここでも、アルバイトの経験をきっかけに人材業界を志望したのが、具体的で明確に伝わる例文となっています。

実際の現場から学んだことと、自分の考えだけでなく、会社に入った後の働き方も計画しているという点が非常に魅力的です。ここでは、総合職に焦点を当て、その後の自身のキャリアについても言及している点が明確な差別ポイントとなっています。会社への志望動機のみならず、自身の将来像も踏まえると、より熱意のある文章ができるでしょう。

例文5:求人広告

例文

私は、仕事の機会を多くの人に届けたいと考えております。

私がテニスサークルに所属してた際、成員の減少という問題に直面し、ビラ配りのみでは情報が十分に行き渡っていないのではと疑いを持ち、SNSを活用し始めました。その結果、ビラよりも情報を多く行き渡らせ、例年以上の1.5倍の成員の確保に成功しました。

私はこの事から、情報を多くの人に行き渡らせることの大切さを学びました。そして、これは仕事にも当てはまると考え、就職難と言われる現代で多くの人に仕事の機会を提供したいと思い、人材業界を志望しました。貴社を志望した理由としては、私が志望する求人広告の事業に注力していた点に加え、新規事業の立案も行なっている事から、分析し行動する力を活かし、キャリアの幅を同時に広げられると考えたからです。

自身の経験を直接活かせる営業職を通して、自身のみならず貴社の成長を担う人材となるよう精進します。(400字以内)

大学時代の活動の経験から求人広告の志望動機に繋げているのが、具体的でわかりやすい文章となっております。そして、実際に課題に向き合い、どのように解決をしていったのかのプロセスや結果が、数字を用いて書かれているため、非常に客観的な文章となっている点も良いです。

求人広告の分野では、ただ求人情報を掲載するのではなく、それぞれの会社の求人内容や、狙う顧客に応じた、広告戦略が求められてきます。自身の経験を活かす際、両者を合わせた内容について書くとアピール力を高められることができます。

人材業界の志望動機を書くときの注意点

他の項目との一貫性を持たせる

志望動機の内容と、自己PRなど他の項目の内容に矛盾や差異があると、採用担当者に不信感を与える可能性があります。

例えば、自己PRで「分析力」をアピールしながら、志望動機に「コミュニケーション能力を活かして貢献したい」と書かれていた場合、採用担当者はその就活生の一番の強みがなんなのかを理解しにくくなってしまいます。

就活ではわかりやすさと信頼感が重要です。一貫性のない志望動機はこれらを損ないかねないため、十分注意して作成しましょう。

給与や福利厚生を志望動機にしない

人材業界の人気の背景には、給料の高さや福利厚生の高さなどの条件面が良いということが挙げられます。しかし、それだけを理由に志望動機を書いてもアピールには繋がりません。

なぜなら、それより良い条件の会社があれば、すぐに退職してしまうのではないかと思われてしまったり、そもそも仕事内容に興味がないのではないかと捉えられてしまう可能性が出てくるからです。

人と人を繋ぐ仕事がメインである人材業界とは、言い換えれば人の人生を扱う仕事とも言えるため、仕事に対する責任は当然大きくなってきます。したがって、企業も仕事に対して責任感を持って取り組む人を重視するため、給与や待遇といった条件面ではなく、仕事の内容に焦点を当てた志望動機を書きましょう。

志望する会社のポジションに必ず触れる

前述したように志望動機を書く際は、自身の特徴を生かしたオリジナル性を持たせることが大切です。

人材業界と言っても、企業によって力を入れている事業は大きく異なっています。そのため、自身が志望する企業の事業情報や職種のポジションをしっかり抑えた上で、自身の強みと志望する企業との適性を把握することが大切です。

それぞれの企業の特徴を踏まえず、希望する職種では達成できない内容や異なる話をしてしまうと、他社と異なる自社独自の特徴をちゃんと理解しているのかという印象を与えてしまう可能性があり、当然人事の評価も低くなってしまいます。ですので志望動機を書く際は、志望する会社の特徴を調べ、理解した上でその会社へのアピールを強めることを意識しましょう。

修飾語は多用しない

「とても」「かなり」といった修飾語は、エピソードに具体性を持たせるのに一定の効果がありますが、多用すると内容が幼稚で密度の薄いものに見られやすくなるというデメリットもあります。

そのため、基本的に使用は控え、エピソードの中で特に強調したい箇所にだけ使うという形にとどめるべきでしょう。

また、使用する場合にも「めっちゃ」や「すごく」のようなカジュアルな表現は避けるべきです。

人材業界の志望動機のポイントを活用し内定を勝ち取ろう!

人材業界を志望する際は、人材業界の各会社が持つオリジナルな特徴について触れながら自身の志望動機を作ることが大切です。

仕事の責任が大きい反面、やりがいも大きく人気な仕事であるため、多くの志望者の中で際立つ志望動機を作ることが非常に重要であるといえます。

ありきたりのエピソードでは選考突破は難しく、魅力的なオリジナル性溢れる志望動機を書くことが、選考を大きく左右するポイントとなります。

なぜ人材業界を志望し、なぜその企業を志望するのかを、一つ一つ自分の中で言語化していき、自分らしい志望動機を作成し、内定を勝ち取りましょう!

【例文13選】インターンシップ選考の自己PRの書き方|強みを活かすポイント

インターンシップに参加するために書類選考が行われるケースは非常に多く、中でも「自己PR」はその人の人柄や参加意欲を企業が確認するための重要な項目です。しかし、本選考の自己PRとの違いが分からず苦戦する学生も決して少なくありません。

インターン選考の自己PRにおいては、企業が目を惹くことを意識して作成するのがポイントです。

本記事では、インターンシップ選考を突破するための自己PRの書き方を解説しています。自己PRで企業が重視しているポイントや注意点、例文も多く交えて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

自己PRとは

自己PRとは、企業に対して「私はこんな人間です」とアピールする自己紹介のことです。特に、インターンシップ選考においては、数多くの学生の中から選んでもらうための第一印象を左右する重要な要素となります。

企業は、あなたの学歴だけでなく、性格や価値観、インターンシップを志望する動機など、あなたのパーソナリティを深く知りたいと考えています。自己PRは、これらの情報を分かりやすく、簡潔に伝える絶好のチャンスなのです。

なお、就職活動において自己PRが必要になる機会は、インターンシップ選考と本選考の2つです。自己PRの目的や求められる内容はそれぞれ異なりますので、次の項目で解説します。

本選考の自己PRとの違い

本選考とインターンシップにおける自己PRは、目的や求められる内容に大きな違いがあります。

まず、インターンシップの自己PRとは、企業に対して「あなたのことをもっと知りたい」と思わせるための第一歩です。企業側は、あなたのポテンシャルやこれまでの経験、インターンシップに興味を持った理由を知りたいと考えています。これらをアピールするには、インターンシップで得たい経験や参加意欲を具体的に述べる必要があります。

一方、本選考における自己PRでは、その企業で働く上で必要な能力や経験を持っていることをアピールする必要があります。そのためには、これまでの経験から得たスキルや知識を、入社後どのように活かせるのかを説明しなければなりません。また、企業理念や事業内容を理解し、企業の一員として貢献したいという強い意志を伝えることも重要です。

つまり、インターンシップの自己PRは、あなたのポテンシャルをアピールし、企業とのマッチングを図るためのものです。一方、本選考における自己PRは、あなたの能力や経験をアピールし、入社後の活躍を約束するためのものです。

両者の違いを理解し、それぞれの状況に合わせて自己PRを作成すれば、より効果的に自分をアピールできます。

企業がインターンで見ている自己PRのポイント

自分自身の言葉で自己PRできているか

インターンシップ選考における自己PRは、あなたの個性を企業に伝えるための場です。教科書通りの表現や、ありきたりな言葉ではなく、自分の言葉で自身の強みや経験を具体的にアピールしましょう。

たとえば、「私はコミュニケーション能力が高いです」と書くだけでは、どれくらいのコミュニケーション能力があるのかが具体的に分かりません。

「学生時代に〇〇というプロジェクトで、チームメンバーと協力し、〇〇という成果を上げました」のように、具体的なエピソードを交えてアピールすれば、自己PRの説得力が増すでしょう。

学生の人柄が自社の社風とマッチしているか

企業は、定着して長く働いてくれる社員を採用するために、自社の社風・カルチャーにマッチした人材を求めています。あなたの人柄が企業にマッチしているのをアピールするために、あなたの価値観や考え方を伝えた上で、企業の価値観になぜ共感しているのかを書きましょう。

書き方の一例としては、「私はチームワークを大切にしており、◯◯◯という経験を通して、その大切さを学びました。貴社が掲げる〇〇◯という社風に大変強く共感しております。企業理念を体現すべく、私も貢献したいと考えています。」といったイメージです。

採用ホームページや採用動画、企業のSNSなどを事前にチェックし、企業の社風やカルチャーを理解した上で、自分の考えをまとめましょう。

学生が入社後に活躍できるイメージができるか

企業は、インターンシップを通じて、未来の会社を支えるポテンシャルを秘めた学生を見極めたいと考えています。インターンシップはあくまで「就業体験」ですが、企業にとって、学生がインターンに参加する姿勢や取り組み方、周りへの配慮の有無など、さまざまな能力を知れる場でもあるのです。

自己PRでは、あなたの経験やスキルが入社後どのように活かせるのかを具体的に示しましょう。たとえば、「学生時代に〇〇というアルバイトで、〇〇というスキルを習得しました。このスキルを活かして、貴社の〇〇という業務に貢献したいと考えています」のように、具体的な将来像を描けば、企業にあなたの可能性を感じてもらえるでしょう。

志望動機と自己PRに矛盾がなく一貫性があるか

志望動機と自己PRは、それぞれ別の要素ですが、両方に一貫性を持たせる工夫が必要です。志望動機と自己PRに矛盾がある場合、「それほど本気度は高くないのではないか」と思われてしまうおそれがあります。自己PRで述べた強みや経験が、なぜその企業を志望する理由につながるのかを説明しましょう。

たとえば、「貴社の〇〇という事業に魅力を感じ、私も貢献したいと考えています。学生時代に〇〇という経験を通して、〇〇というスキルを身につけました。このスキルを活かして、貴社の〇〇という業務で成果を出したいです」のように、志望動機と自己PRを結びつければ、あなたのやる気と熱意を伝えられます。

インターンへの参加意欲をアピールできているか

企業は、やる気と熱意を持ってインターンシップに臨んでくれる学生と出会いたいと考えています。一方で、あなたがどれだけやる気を持っていたとしても、それを選考の場でアピールしなければ人事担当には伝わりません。

エントリーシートは文章として形に残るものだからこそ、「なぜそのインターンシップに参加したいのか」「インターンシップで何を学びたいのか」を具体的に書きましょう。具体的には、「貴社のインターンでは、〇〇という業務を経験したいと考えています。この経験を通して、〇〇というスキルを身につけ、将来のキャリアに繋げたいです」のように、インターンに対する具体的な目標を伝えると良いでしょう。

インターンにおける自己PRの書き方

①結論やキャッチフレーズを先に伝える

自己PRを書くときは、結論やキャッチフレーズで目を惹くことが大切です。結論やキャッチフレーズを最初に書けば、あなたの強みやアピールしたい点をひと目で理解してもらうことができます。

たとえば、「私を一言で表すと、”納豆のように粘り強い性格”です。具体的には~」といったように、最初の一文で大きなインパクトを残すのがポイントです。次に書かれている具体的なエピソードを思わず読みたくなるような工夫は、あなたの印象を残せる方法でもあります。また、あなたが自己PRを通じて何をアピールしたいのかが明確になるので、説得力も増すでしょう。

②インターンで学びたいことを洗い出す

自己PRを作成する前に、インターンシップで何を学びたいのかを具体的に洗い出しましょう。募集要項を参考にしながら、あなたの興味・関心やキャリアプランと照らし合わせて、特に学びたいことを3つ程度に絞り込むのがポイントです。

たとえば、「貴社の〇〇という事業に興味があり、その業務に関わることで〇〇を学びたいと考えています。」のように、具体的な目標を立てれば、インターンシップで学びたい意欲を具体的に伝えられるでしょう。

③自分自身の強みやスキルを言語化する

自己PRは、あなた自身がどのような強みやスキルを持っているのかをアピールする場です。ただし、「協調性」や「コミュニケーション能力」といった言葉は誰にでも当てはまるものなので、この言葉だけではアピール材料としては不十分です。

「何が得意か」「何ができるか」を具体的に言語化するには、具体的なエピソードが不可欠となります。たとえば、「コミュニケーション能力が高い」だけでなく、「学生団体でリーダーを務め、メンバーの意見をまとめながらイベントを成功させた」のように、具体的なエピソードを交えて説明すれば、説得力が増すでしょう。

④強みやスキルを得たエピソードを書き出す

単に「コミュニケーション能力が高い」と書くだけでは、他の応募者との差別化ができません。あなたのその強みをどのように身につけてきたのか、具体的なエピソードを書き出すことで差別化を図ることができます。

たとえば、「アルバイトで顧客対応を行い、様々なタイプの顧客に対応することでコミュニケーション能力を磨いた」といった経験談を書くことで、人柄や強みがより伝わります。

⑤企業が求める人材像やスキルをチェックする

企業の求人ページや会社説明会などで、企業がどのような人材を求めているかをしっかりと把握しましょう。企業が重視するキーワードを自己PRに盛り込めば、あなたの熱意が伝わりやすくなります。

例えば、企業が求める人物像が「積極性が高い人材」であれば、「新たな取り組みに積極的にチャレンジする姿勢」をアピールすると良いでしょう。企業から「あなたとぜひ働きたい」と思ってもらえるように、企業の求める人物像に合わせた内容に仕上げましょう。

⑥インターンで強みを活かせるポイントを書く

最後に、あなたの強みをどのようにインターンで活かしたいのかを具体的に書きましょう。この部分のアピールがなければ、「結局どんな活躍ができるのか」という疑問を持たれてしまいます。

例えば、「コミュニケーション能力を活かして、チームメンバーと協力し、プロジェクトを成功させたい」や「問題解決能力を活かして、企業が抱える課題解決に貢献したい」など、具体的な目標を示せば、あなたの意欲がしっかりと伝わるでしょう。

インターンの自己PRを作成するときのポイント

誰が見ても分かりやすい内容にする

インターンシップ選考における自己PRは、あなたの魅力を企業に伝えるための第一歩です。難しい専門用語だらけの内容では、「何を言いたいのかが分からない」というマイナス印象につながる可能性があります。

好印象を残すためにも、簡潔かつ具体的に、誰が見ても理解できるような文章にすることが大切です。誰でも理解できる言葉で、あなたの考えや経験を伝えましょう。また、段落を区切って、人事担当が分かりやすいように工夫するのも効果的です。

あなたの人柄や能力が伝わるように意識する

企業は、あなたのスキルだけでなく、人柄も重視します。自己PRでは、具体的なエピソードを交えながら、あなたの強みと個性をアピールしましょう。

「責任感がある」「コミュニケーション能力が高い」など、誰にでも使える抽象的な言葉だけでは、あなたの人柄まで深掘りできません。これまで歩んできた具体的なエピソードを通して、あなたの人柄や能力がどのように発揮されたのかを具体的に締めれば、説得力のある自己PRに近づくでしょう。

エピソードを誇張せず等身大の自分をアピールする

自己PRで自身の経験や能力を誇張して表現する就活生もいますが、人事担当は大勢の学生の選考をする立場なので、エピソードを誇張してもすぐに見抜かれてしまいます。

嘘偽りなく、ありのままの自分を正直に表現し、等身大の個性をアピールしましょう。例えば、「◯◯◯での活動を完璧にこなせました」と書くのではなく、「最初は苦労しましたが、周囲のサポートのおかげでプロジェクトが成功しました」のように、具体的なエピソードとともに、あなたの成長過程を示せば、より魅力的な自己PRになるでしょう。

【アピールポイント別】インターン選考を勝ち抜く自己PRの例文

共感力をアピールする例文

例文

私は、学生時代にボランティア団体で活動し、様々なバックグラウンドを持つ方々と交流する機会に恵まれました。その経験を通して、相手の立場に立って考え、共感する大切さを学びました。
特に、〇〇という活動で、〇〇という状況に置かれた方の話を聞き、その方の気持ちに寄り添いながら、〇〇という提案を行いました。その結果、〇〇という成果に繋がり、相手の方からも感謝の言葉をいただくことができました。
この経験から、私は相手の気持ちを理解し、共感することで、より良い関係を築けることを実感しました。貴社のインターンシップでは、チームで一つの目標に向かっていく中で、メンバー一人ひとりの意見に耳を傾け、共感することで、より良いチームを作り上げたいと考えています。

この例文は、周りの人とのつながりを大事にしている人柄が伝わりやすく書かれています。冒頭から、「どのような経験」「どんなプロセス」「何を学べたのか」という要素も簡潔にまとまっているので、内容が頭に入ってきやすい理想的な仕上がりです。

文章の最後では、インターンシップでチームビルディングを行いたいという目標も書かれているので、人事担当にとってインターン参加後の期待値が上がる内容です。いわば、自分に対する企業からの注目度が上がる自己PRともいえるでしょう。

継続力をアピールする例文

例文

私は、大学時代に地域活性化のイベント団体で4年間活動し、町おこしイベントの目標達成に向けて、コツコツと努力を続けてきました。
団体のリーダーになるのが私の目標だったので、メンバーとのコミュニケーションを大切にしたり、新たなイベント企画を積極的に提案したりと、具体的な行動を毎日続けました。4年次にはリーダーに就任し、自身が企画したイベントでも多くの方に来場いただくことができました。
この経験から、私はどんなに困難な状況でも、目標に向かって諦めずに努力を続けることができるという自信を身につけました。貴社のインターンシップでは、長期的な視点を持って業務に取り組み、目標達成に向けて粘り強く取り組んでいきたいと考えています。

この例文の特徴は、リーダーになるという目標に向けて4年間活動してきた継続力の高さがダイレクトに伝わる点です。

物事を粘り強く継続する資質は、どの企業においても有効なアピールポイントです。また、リーダーになるために取り組んだ取り組みも明らかとされているので、ゴールから逆算して物事を考えられる能力もうかがえます。

また、自分の能力を仕事でどのように活かせるのかをアピールできているので、有能な人材だと判断してもらいやすいでしょう。

協調性をアピールする例文

例文

私を一言で表現するならば、「人と人をつなぐ接着剤」のような人間です。
私は、複数のゼミが集まってディスカッションをおこなう合同イベントのリーダーを経験し、協調性をもって物事に取り組む重要性を学びました。
プロジェクトを進める中で、メンバー間の意見が異なる場面もありましたが、積極的にコミュニケーションを取り、お互いの意見を尊重しながら、最終的に全員が納得できる結論に至りました。この経験から、私は多様な価値観を持つ人々と協力し、チームとして一つの目標に向かっていくことの大切さを学びました。
貴社のインターンシップでは、チームの一員として、積極的にコミュニケーションを取り、他のメンバーと協力し合い、プロジェクトを成功させたいと考えています。

最初の一文はキャッチフレーズを活用しており、採用担当者の関心を引く文章になっています。問題を改善するための行動も上手くまとめられているので、説得性のある内容に仕上がっています。

また、協調性は社会人に必要なスキルなので、企業のニーズにマッチしている点もアピールできています。自身の強みをインターンシップでも活かしたいという意欲も書かれているので、入社後の仕事ぶりも期待できる印象を与えるでしょう。

気配りをアピールする例文

例文

私は、牛丼チェーン店でのアルバイトを経験し、お客様への気配りの大切さを学びました。
アルバイト先は、全国売上TOP3の新宿駅近くにある繁盛店なので、ピークタイムはスタッフの接客が雑になりがちという課題がありました。そこで私は、お客様の表情や言動から「何が求められているのか」をいち早く察知し、適切な対応を心がけました。その結果、常連のお客様から「あなたの気配りはピカイチだね」という感謝の言葉をいただくことができました。
この経験から、私は相手の気持ちを考え、周囲への気配りを心掛けることの重要性を認識しました。貴社のインターンシップでは、周囲の人々への気配りを忘れずに、チームに貢献したいと考えています。

この例文のポイントは、物事の課題と改善策を自分の頭で考え、行動できる能力がうかがえる点です。

また、エピソードの中で繁盛店で働いていたことに触れており、忙しさを人事担当に想像してもらいやすい内容になっています。

そのような環境で、お客様第一で気配りを心がけたことは、アパレルや販売などの接客業のインターンシップで特に有効でしょう。

コミュニケーション能力をアピールする例文

例文

私は大学生活において、新入生向けのオリエンテーション企画と運営を担当しました。
大勢の前で話すことに最初は緊張しましたが、話し方に関する著書を読んだり、何度もリハーサルを重ねることで、相手に分かりやすく、そして面白く伝えるための技術を磨きました。その結果、参加者から好評を得ることができ、オリエンテーション後のアンケート回答では9割以上の学生から「満足した」という回答をもらえて、自信につながりました。
この経験から、相手に分かりやすく、そして楽しんでもらえるようなコミュニケーションを取ることの大切さを学びました。貴社のインターンシップでは、積極的にコミュニケーションを取り、チームメンバーや社員の皆さまと円滑な関係を築きたいと考えています。

この例文のポイントは、コミュニケーション能力を「相手にわかりやすく伝える力」と表現することで、ライバルとの差別化を可能にした文章になっています。

コミュニケーション能力を身に着けたプロセスだけでなく、オリエンテーション後のアンケート結果を数字で表現するなど、より具体的で説得性のある内容に仕上がっています。

エピソードにおいて、アンケート結果や売上アップ率といった実績があるときは、このように数字で表現すると良いでしょう。

課題解決力をアピールする例文

例文

私の強みは課題解決力です。アルバイト先の居酒屋で常連客減少の課題に直面した際、この力を発揮しました。お客様アンケートでニーズを分析し、健康志向の高まりに着目。栄養バランスの良いヘルシーメニューを開発し、SNSで積極的にPR。結果、新規顧客を獲得し、売上が15%向上しました。この経験から、データ分析と行動力の重要性を学びました。今後は、マーケティング業界で消費者ニーズを的確に捉え、創造的な戦略を立案・実行できる人材として、常に変化する市場に柔軟に対応し、企業の成長に貢献していきたいと考えています。(250文字以内)

この自己PR文は、アルバイト先での取り組みを通じて課題解決力をアピールしています。具体的な取り組み内容や結果の数値を示すことで、自身の能力をわかりやすく伝えられています。

取り組みとして、アンケート実施やSNS活用など、現代的なアプローチを用いている点も評価されるポイントです。さらに、これらを志望業界と結び付け、貢献できることを明確にしているため、企業にも将来的な活躍を期待してもらえる内容になっています。

課題解決力のアピールは、実際に何が課題で、具体的にどのような取り組みをしたのかという2つの要素を軸にすることで、効果的なものになります。さらに、その企業のどんな業務で役立てるかまで書けると採用担当者にも将来図をイメージしてもらいやすくなるでしょう。

分析力をアピールする例文

例文

私の強みは分析力です。ゼミの研究プロジェクトで、複雑な社会問題に取り組む中で最も発揮しました。膨大なデータと格闘し、粘り強く整理・分析を重ねた結果、新たな知見を見出し、学内発表会で高評価を得ました。この経験を通じ、統計ソフトの活用スキルや、多角的な視点からの問題分析力を磨きました。また、データに基づく洞察が社会課題の解決に直結することを実感しました。今後は、この強みを活かし、シンクタンクや企業の戦略部門で、データ分析を通じて社会や組織の課題解決に貢献したいと考えています。(250字以内)

分析力のアピールとしてゼミでの研究の経験を取り上げています。最初に研究のテーマを明確にすることで、企業との関連性があることを示し、関心を持ってもらえるよう工夫されています。

さらに、研究の過程で苦労した点や、それを乗り越えたこと、結果として得たことがしっかりと述べられており、本人の能力や成長がよくわかる内容となっています。分析した内容や結果について、数値を用いて表現することができれば、より説得力のある自己PRに仕上がるでしょう。

対応力をアピールする例文

例文

私の強みは対応力です。大学の学生プロジェクトで、この力を発揮しました。メンバー間の意見対立では、各人の意見を丁寧に聞き取り、共通点を見出して合意形成を図りました。また、予期せぬ技術的問題に直面した際は、専門家へのヒアリングや代替案の検討を迅速に行い、プロジェクトの遅延を最小限に抑えました。この経験から、臨機応変な対応の重要性と多角的な視点での問題解決を学びました。今後は、IT業界で新たな課題に直面しても、冷静に対応し、革新的なソリューションを提案できるエンジニアを目指します。(250字以内)

対応力という強みを学生プロジェクトの具体的なエピソードを通じて効果的に示している自己PRです。意見の対立と技術的問題への対応を明確に述べることで、幅広い能力の高さが伝わってきます。

学びと成長も具体的に表現されており、説得力を持たせられています。最後の今後の抱負を伝える部分では、具体的な企業の業務や部門について言及できると、企業研究の成果も同時にアピールすることができるでしょう。

柔軟性をアピールする例文

例文

私の強みは柔軟性と粘り強さです。大学野球部での経験を通じ、これらの強みを発揮しました。入部当初、ポジションが定まらず苦戦しましたが、チームのニーズに応じて様々な役割を経験。主力選手の怪我時には、慣れない投手も務めました。苦手な球種の習得に励み、チームの窮地を救えたことで、変化を恐れずチャンスと捉える姿勢を学びました。この経験は、学業でのグループワークでも活きており、多様な意見を柔軟に取り入れ、最適な解決策を見出すことができました。どんな環境でも適応し、粘り強く取り組む姿勢は、ビジネスの世界でも必ず活かせると確信しています。(300字以内)

大学の部活動での経験を通じて、柔軟性と同時に粘り強さをアピールしている自己PR文です。最初はうまくいかず、自身の強みを発揮して活躍の場を掴んでいったエピソードにより、アピールポイントがわかりやすく伝えられる構成になっています。

複数の強みを挙げることは、魅力を多面的に表現することができるため効果的ですが、アピールの内容がぶれてしまう可能性もあるので注意が必要です。この例文のように、共通のエピソードからそれぞれの強みを強調する形であれば、どちらも印象に残すことができるでしょう。

忍耐力をアピールする例文

例文

私の最大の強みは、困難に直面しても粘り強く取り組む忍耐力です。大学での研究活動で、実験データが思うように出ない状況に直面しました。そこで、問題を細分化し、各要素を丁寧に検証することで、徐々に改善策を見出しました。特に、連続10時間以上の観察実験では、睡眠時間を削りながらも集中力を保ち、貴重なデータを取得。この経験から、目標達成には継続的な努力と忍耐が不可欠であり、同時に効率的な問題解決能力も身につけました。今後は、この忍耐力と問題解決力を活かし、長期的な視点で課題に取り組み、組織の持続的な成長に貢献したいと考えています。(300字以内)

忍耐力の根拠として、大学での研究活動を取り上げている自己PR文です。長時間の実験に忍耐強く取り組んだという経験として、具体的な時間を表記することで、採用担当者に状況が伝わりやすくなっています。

また、経験から得られた学びを明確に示し、将来のビジョンをより具体的に述べることで、自己成長と組織貢献への意欲が効果的に表現されています。長期的な活躍が見込める人材ということが伝われば、選考を有利に進められるでしょう。

【文字数別】インターン選考を勝ち抜く自己PRの例文

【150字】分析力をアピールする例文

例文

私の強みは分析力です。大学時代のコンビニアルバイトでは、店舗の売上低迷を課題と捉え、データ分析に基づいた新しい商品陳列方法を導入し、前年比10%の売上増加を果たしました。この経験から、論理的思考の重要性を学びました。今後は、貴社の課題に対して積極的なアプローチをし、貢献したいと考えています。(146字)

150字指定の自己PRでは、それぞれの事柄について詳細に書くことはせず、最も重要な部分や最低限必要な情報のみを提示するようにしましょう。

また、この例文では「です・ます調」ですが、「だ・である調」で自己PRを書くことで文字数を削減でき、より多くの内容を書くことも可能になります。伝えたい内容や与えたい印象に合わせて、言い切りの表現を変えることが効果的です。

【200字】問題解決力をアピールする例文

例文

私の強みは自主性と問題解決能力です。大学のサークル活動で、活動停滞という課題に直面した際、自ら改革を提案しました。個別面談の実施や新イベントの企画を主導したところ、翌年の新入部員が20名増加し、サークルに活気が戻りました。この経験から、自主的な行動が周囲を巻き込み、大きな変化を生み出せることを学びました。今後は、IT業界で培った問題分析力と実行力を活かし、顧客の課題解決に貢献したいと考えています。(200字)

200字の自己PRでは、150字よりもやや多めに内容を書くことができます。そのため、具体的な取り組みの内容や詳細な成果を記載し、説得力を上げることを意識して作成しましょう。

ただし、基本的にはエピソードや今後の意欲が重要であるため、最初の結論の部分については簡潔で短くまとめておく方がいいでしょう。

【400字】問題解決力をアピールする例文

例文

私の強みは、多様な状況下で効果的なコミュニケーションを図り、問題解決へ導く能力です。私は大学バスケットボール部の副キャプテンとして、チーム内の意見対立を解消してきました。各メンバーの考えを丁寧に聞き取り、互いの立場を理解し合える環境を構築するために尽力しました。練習方針を巡る議論では、全員の意見を集約し、チームの目標と個人の成長を両立させる新たな練習メニューを提案しました。結果、チームの雰囲気が改善され、地区大会で過去最高の成績を達成することができました。この経験から、多様な価値観を尊重しつつ、共通目標に向けて人々を導くコミュニケーションの重要性を学びました。このようにして得た能力を活かし、貴社ではグローバルな環境で異なる文化や背景を持つ人々と協力し、円滑なコミュニケーションを促して組織の国際的な発展に貢献したいと考えています。(369字)

400字は最も一般的な自己PRの文字数であり、伝えたいエピソードや豊富を伝えられるフォーマットです。具体性を持たせられる部分や、数字で成果を表せる部分については積極的に記載し、その状況について理解しやすい文章で作成しましょう。

この自己PRでは複数の取り組みや成果を取り上げており、様々な面で活躍できる人物であるということがよくわかる内容になっています。チームで動くことの多い仕事の場において、活躍が期待できるコミュニケーション能力の高さが表現できています。

インターンの自己PRを作成するときの注意点

誤字・脱字はないか

インターンシップの選考における自己PRは、あなた自身の第一印象を左右する大切な要素です。誤字脱字があると、丁寧さに欠ける印象を与えてしまい、「エントリーシートは大事な書類なのに、誤字・脱字チェックすらしないのか」というマイナス印象にもつながります。

せっかくの自己PRが台無しになるのはもったいないので、作り終えたら何度も読み返して、誤字脱字がないか確認しましょう。特に、氏名や企業名などの重要な部分は慎重にチェックすることが大切です。

文章構成に違和感はないか

自己PRは、ただ単に自分のエピソードを羅列するのではなく、人事担当に分かりやすく、かつ興味を持ってもらえるような構成にする工夫が必要です。

文章を書くときに、「結論→根拠→結果」という流れを意識して、論理的な流れで文章を組み立てれば説得力が増します。また、同じワードの繰り返しを避けると文章全体にメリハリが生まれます。文章構成が苦手な方は、エントリーシートに書き起こす前に、メモ帳に文章を書き出すところから始めると良いでしょう。

話が広がり過ぎていないか

自己PRは、内容が広がり過ぎていたり、二転三転したりするのは好ましくありません。一番伝えたいポイントが分からなくなり、あなたがどんな人物なのかを判断するのも難しくなってしまうためです。

アピールポイントがたくさんあるのは良いことですが、その中でも特に企業が求めている強みを1つに絞るのがおすすめです。求める人物像などから、企業が何が求めているかを分析した上で、自己PRを書きましょう。

志望動機と矛盾が生じていないか

自己PRは、単独で存在するものではなく、志望動機と深く関連しています。自己PRで述べた経験やスキルが、なぜその企業のインターンシップで活かせるのか、具体的に説明することが重要です。

例えば、「私は学生時代に〇〇サークルで活動し、リーダーとしてチームをまとめる経験を積みました。この経験から、私は〇〇という能力を身につけました。貴社の〇〇というプロジェクトに興味があり、私の能力を活かして貢献したいと考えています。」のように、自己PRと志望動機を繋ぎ合わせれば、より説得力のある自己PRになるでしょう。

文字数制限がある場合は守れているか

多くの場合、エントリーシートの自己PRには文字数制限が設けられています。特に指定されていない場合でも、300~400文字以内に収めるのが適切です。文字数がオーバーしないか不安な方は、伝えたい内容を箇条書きにした後に文章でまとめてみましょう。

だらだらと長文を書いてしまうと、読みにくく、アピールしたい肝心の部分が埋もれてしまう可能性があります。また文字数制限を超えてしまうと、選考から外れてしまうこともあるので、注意が必要です。

エピソードの説明が抽象的になっていないか

自己PRでは、具体的なエピソードを用いて自分の強みをアピールすることが効果的です。抽象的な表現ではなく、「いつ」「どこで」「誰と」「何を」「どのように」「どんな結果に」といった要素を一つ一つ意識して書くと説得力が増します。

「私はリーダーシップがあります」という表現よりも、「学生時代に〇〇サークルでリーダーを務め、〇〇というイベントを企画し、参加者から好評を得ました」と伝えた方がどんな経験をしてきたのか、またリーダーシップが強みであることの根拠を示すことができます。

具体的なエピソードを交え、より分かりやすく、あなたの強みをアピールしましょう。

インターンの自己PRにおけるよくある疑問

自己PRできる経験やスキルがない場合は?

自己PRに書くことが見つからない時には、大学生活で経験してきたことをできるだけ細かく洗い出してみましょう。部活動やサークル活動、アルバイト、ゼミなど何でも構いません。

経験やスキルというと難しく考えがちですが、特別なことをアピールする必要はありません。あなたがこれまでどんなことを経験し、学んできたかを自分の言葉で書くことが大事です。

経験において共通している強みが見つかったら、「協調性」や「コミュニケーション能力」などの言葉に言語化していきます。そうすることで、自身が一番自信を持って伝えられるものが何なのかが見えてくるでしょう。

自己PRでアルバイト経験をアピールするのはOK?

アルバイト経験のアピールはまったく問題ありません。アルバイトは多くの方が一度は経験するものなので、自己PRの材料がない方も取り入れやすい傾向にあります。しかし、だからこそエピソードがありきたりだと、周りとの差別化を図れなくなってしまうので、書く時には注意が必要です。

例えば、アルバイト先の売上アップにつなげた取り組みやマネージメント経験など、できるだけ周りと差が付くようなエピソードを用意するのをおすすめします。

自己PR用の派手なエピソードがない時は?

自己PRで強く印象を残すために派手なエピソードを書きたがる就活生も多いですが、基本的にどのようなエピソードでも強みが伝わるのであれば問題ありません。

企業が知りたいのは就活生の個性や能力であり、エピソードはそれを裏付けるためのものに過ぎません。そのため、小さなエピソードでもわかりやすく伝えることで、十分に自分の強みをアピールできる自己PRが作れます。

魅力的な自己PRでインターン選考の合格率を上げよう

魅力的な自己PRが書ければ、インターン選考の合格率を大きく高めることができます。自己PRを作成するときは、求める人物像など企業が重視するポイントを意識した内容にしましょう。

なお、エントリーシートは一度提出したらやり直せないので、誤字・脱字には十分に気を付けてください。文章校正が完璧で魅力的な内容の自己PRがあれば、ライバルとの差別化ができます。企業やインターンシップの内容を下調べして、あなた自身の強みをアピールしましょう。