ガクチカと自己PRの違いとは?書き方と例文を比較して解説!

エントリーシートの「ガクチカ」と「自己PR」はどちらも自分をアピールする項目のため、「どう違う?」「内容がかぶっても大丈夫?」といった疑問を感じる方も多いです。

この記事では、ガクチカと自己PRの違いを、書き方やテーマ別の例文付きで紹介していきます。

よくある質問や、ガクチカと自己PRのテーマが思いつかない場合の対処法についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

ガクチカと自己PRの書き方の違い

企業が見ているポイント

企業が見ているポイント

ガクチカ:物事に対してどのように取り組むのか

自己PR:強みや価値観が自社とマッチしているか

ガクチカでは、学生の具体的な挑戦や努力、物事に対してどう取り組むのかという姿勢を評価しています。ここでは、問題や課題に対してどのように工夫しながら解決に導いたのかを伝えることが重要です。

継続力や実行力、そして成果を出すためのプロセスを示すことのできる内容が求められることになります。

一方、自己PRでは、あなたの強みや価値観が企業の求める人物像にどの程度合致しているかが問われています。あなたの長所となる部分やスキルが、入社後に業務でどのように活かせるものなのかを示しましょう。

アピールの内容

アピールするべきポイント

ガクチカ:具体的なエピソードと工夫したプロセスを伝える

自己PR:長所を入社後にどう活かせるのかを意識する

ガクチカでは、主にエピソードとその過程が重視されます。どのような経験をして、どんな工夫ができる人物なのかを伝えるようにしましょう。

反対に、自己PRでは人柄よりも明確な強みを示すことが求められます。さらに、その強みをどのようにして志望企業で活かすのかを記載し、将来の活躍を期待してもらう必要があります。

ガクチカでは物事への取り組み方が重視され、自己PRでは結論として何が強みなのかが重視されるということを意識しておきましょう。

テーマやエピソード

テーマやエピソードの選び方

ガクチカ:挑戦と成長を感じた経験を選ぶ

自己PR:企業の求めるスキルに関連する経験を選ぶ

ガクチカで取り上げるエピソードは、自己PRと比べると自由度が高いです。人柄や考え方が伝わる内容であれば良いので、様々なエピソードが候補に挙がります。

その中でも、自分の挑戦や成長を特に感じたものを選んで記載すると、印象に残りやすいガクチカが完成します。

一方、自己PRで取り上げるエピソードは、テーマとする強みに深く関連しているものを選ぶ必要があります。自己PRのエピソードは、単に人柄を示すだけでなく、強みの根拠となる具体性のあるものを選びましょう。

最適な文章構成

ガクチカはSTAR法を意識する

situation(状況)どのような背景や状況で、その経験が起こったのか
task(課題)その状況における課題や目標
action(行動)課題や目標に対してどのような行動を起こしたのか
result(結果)自分の行動によって得られた結果

STAR法は、状況・課題・行動・結果の順に沿って作成する方法で、過程を詳細に説明する文章を作成したい場合に適しています。

ガクチカはアプローチの内容が重視されるため、STAR法を用いることで取り組み方をわかりやすく伝えましょう。

自己PRはPREP法が最適

point(結論)自分の強みやアピールしたいスキル
reason(理由)その強みを持っている根拠や理由
example(具体例)その強みが発揮された具体的なエピソード
point(結論)再度、強みをアピールする

自己PRを作成する場合は、「PREP法」が適しています。PREP法は、結論・理由・具体例・結論の順に文章を構成する方法です。

最初に強みを述べておき、その後から理由付けをすることで、文章の要点がわかりやすくなる点がメリットの構成です。

ガクチカはエピソード内容から様々な人柄や特徴を汲み取ることができますが、自己PRでは最終的に特定の強みをアピールすることになります。そのため、最初にその強みを明記できるPREP法を使うことがおすすめです。

ガクチカと自己PR共通の書くポイント

自己分析を行う

自己PRの自己分析の進め方

ガクチカや自己PRを書く前に、まずは自分を理解することが大切です。自分の強みだけでなく、価値観や考え方、興味のある事を掘り下げていくことで、自分がどんな人物なのかを客観的に捉えることができます。

自己分析の方法は様々ですが、単に思い出しやすいエピソードをリストアップしていくだけでも十分に効果的です。

さらに深掘りしたい場合は、WEB上で自己分析を行えるサービスを利用するのもおすすめの方法です。

企業研究を徹底する

企業研究で確かめておくことの例

企業や業界ごとに求められる人材や価値観は異なるため、企業研究をしっかりと行うことが重要です。応募する企業の理念や目指す方向性、社風や働き方などの情報を集めましょう。

加えて、志望業界全体のトレンドや課題も把握しておくと、それに紐づいた説得力のあるエピソードを作成できます。

企業研究を徹底しておけば、企業が求める人物像にマッチした内容を、自信を持って伝えられます。

志望企業にマッチするエピソードを選ぶ

自己PRのエピソード選びのポイント

自己分析と企業・業界研究ができたら、企業に合ったエピソードを選びましょう。複数の企業に応募する方も多いですが、ガクチカや自己PRで伝えるエピソードは企業ごとに変えることをおすすめします。

印象的なエピソードでも、企業の求める人物像に合わない場合、効果は見込めません。人柄や強みを象徴するエピソードは1つだけではないはずです。その中から、特に志望企業にマッチすると感じるものを選びましょう。

一貫性を意識する

自己PRで一貫性がない書き方の例

ガクチカと自己PRの内容に一貫性を持たせることも重要なポイントです。項目は違えど一貫性を持たせることで、企業側があなたの人間性や価値観などを理解しやすくなります。

逆に一貫性がないと、就職活動で伝えたい内容の軸がブレてしまいます。ガクチカと自己PRで伝える内容が矛盾しないようにしましょう。

【テーマ別】ガクチカと自己PRの例文

①部活・サークル活動

ガクチカの例文

例文

私が学生時代に力を入れたことは部活動です。私は子どものころから音楽が好きで、中でも楽器を演奏することが楽しいと感じていました。部活動では吹奏楽部でフルートを担当し、コンクールで金賞を取ることを目標に部活へ取り組んでいました。
金賞を取るために放課後の自主練習を徹底的に行いました。練習をする際は得意・不得意を明確化するためノートにまとめて、スケジュールを細かく立てながら練習を行いました。また、長期の休みも練習を行い、勉強と部活動の両立を図りました。
結果は銀賞でしたが、計画を立てて物事にチャレンジするスキルを得られました。貴社へ入社後も、目標達成に向けて計画的に取り組みたいと思っています。(300字以内)

部活動やサークル活動をガクチカのテーマとする場合、なぜその活動に参加しようと思ったのか、何を目標にしていたのかを明確に伝えることで差別化できます。

もし、大きな結果を出せなかったとしても、目標に向かって取り組んだ内容からは、あなたの人柄が伝わります。ガクチカは面接で掘り下げられることが多いため、熱意を持って取り組んだ部活やサークル活動はテーマとしておすすめです。

自己PRの例文

例文

私は大学で所属している吹奏楽部で最後まで諦めずに物事に取り組む力を養いました。吹奏楽部では、毎年定期演奏会に向けて練習を重ねますが、特に大規模な演奏会では、演奏曲数が多く練習時間も限られており、部員全員の協力が必要不可欠でした。
その中で、私は重要なソロパートを任され、プレッシャーを感じることも多かったです。最初はなかなか思うように演奏ができず、何度も挫けそうになりましたが、毎日の練習を繰り返し、問題を細かく分析して改善することで、徐々に自信を持てるようになりました。そして、演奏会当日には、ソロパートをしっかりと演奏し、観客からも温かい拍手をいただくことができました。
この経験を通じて、私は諦めずに努力を続けることの大切さを学びました。この力は、貴社での業務でも困難に直面しても粘り強く取り組み、目標を達成するために必ず活かせると考えています。(400字以内)

部活動やサークル活動では、人と関わることも多く、大会やコンクールなど挑戦の場も多いため自己PRに採用しやすいテーマです。

ただし、多くの学生が選ぶテーマでもあるため、オリジナリティが求められます。個性的な経験を取り上げて、他の応募者との差別化を図りましょう。

②アルバイト

ガクチカの例文

例文

私が学生時代に力を入れたことは、飲食店でのアルバイトです。元々、私は人と話す際に緊張しがちで、コミュニケーションに自信がありませんでした。そのため、アルバイトを通じてコミュニケーションスキルを向上させようと考え、接客業に挑戦しました。アルバイトでは、お客様との会話で緊張せずリラックスすることを意識し、積極的に声をかけるよう努めました。また、職場の先輩にも質問や相談を行い、人見知りを克服することを目指しました。その結果、初対面の人とも自然に会話できるようになり、接客業が楽しさを感じるようになりました。今後は、貴社での仕事においても、相手の立場に立った接客を心掛け、お客様に喜ばれるサービスを提供したいと考えています。(350字以内)

アルバイトの経験は、企業からすると仕事に対する取り組み方がイメージしやすいため、ガクチカのテーマとして適しています。

そのアルバイトを始めようと思った理由や、努力した内容を伝えることで、より明確に人柄の伝わるガクチカになります。

自己PRの例文

例文

私の強みは、相手の気持ちに寄り添えることです。学生時代、飲食店でのアルバイトを通じて、コミュニケーション能力を向上させました。元々、人と話す際に緊張してしまうことが多かったのですが、お客様との会話で相手の気持ちに敏感になり、リラックスして接することを意識しました。お客様の表情や言動を見て、どんな対応を求めているのかを考えながら、柔軟に対応するよう努めました。さらに、職場の先輩にも積極的に質問や相談を行い、相手の立場に立った対応の大切さを学びました。その結果、お客様から感謝の言葉をいただくことが多く、より一層相手の気持ちを理解し、寄り添うことの重要性を実感しました。貴社においても、お客様やチームメンバーの気持ちに寄り添い、信頼関係を築きながら成果を上げていきたいと考えています。(350字以内)

アルバイトでの経験を自己PRとする場合、できるだけ志望企業に通じる強みやスキルを選びましょう。また、第三者からの評価を入れることで、自己PRの内容に説得力が増します。

さらに、志望企業に関連するスキルがあれば、その経験もアピールすることがおすすめです。

③学業・ゼミ活動

ガクチカの例文

例文

私が学生時代に力を注いでいたことは、経済学のゼミ活動です。所属していたゼミでは、データ分析を用いた課題研究を中心に行っており、経済現象を統計的に分析し、論理的な結論を導き出すことが求められていました。最初は難易度の高い数式や分析手法に圧倒されましたが、理解を深めるために週3日の自主勉強会を開き、同じゼミ生と一緒に互いの疑問を解消する機会を作りました。
最終的にゼミの課題研究発表会では、私たちのチームが「優秀論文賞」を受賞し、大きな達成感を感じました。この経験を通じて、忍耐力や問題解決能力が大きく向上したと感じています。
貴社においても、この経験で得た自ら進んで学び、粘り強く課題を解決していく力を十分に発揮していきたいと考えています。(350字以内)

学業やゼミ活動は大学生にとって本業です。あなたが目標に向かって努力したこと、時間をかけて取り組んだことはガクチカとして十分なアピール内容になります。

ただし、つい専門用語を用いて説明しがちなテーマでもあるので、誰が読んでも理解できるよう、簡単な単語に言い換えるなどの工夫を心がけましょう。

自己PRの例文

例文

私の強みは、大学の経済学ゼミで培った問題解決能力です。特に「地方経済の発展と雇用の関係」を統計データで分析する研究で発揮しました。この研究では、データの不備や仮説の見直しが必要となる場面が多く、一時プロジェクトが停滞する課題に直面しました。

そこで、私はまず原因を徹底的に分析し、データ収集方法を見直しました。既存の統計資料を組み合わせてデータを補完し、さらに複数の分析手法を試行して精度を高める工夫を行いました。また、教授やデータ解析に詳しい先輩にも積極的に相談し、専門的な知見を柔軟に取り入れました。その結果、発表会では「分析結果の説得力が高い」と高く評価され、ゼミ内でも注目を集めました。

課題に対して冷静かつ柔軟に対応する姿勢を大切にし、貴社のさらなる成長に貢献したいと考えています。(350字以内)

学業やゼミ活動を自己PRのエピソードとして取り上げる場合、「誰でもできる内容」という印象を与えないように伝えることがポイントです。

学業やゼミ活動の中でも、自分の強みが発揮できた根拠のあるエピソードを選びましょう。さらに、その強みを活かして貢献したいことをアピールすることで、企業に対する熱意が伝わります。

④留学

ガクチカの例文

例文

私は、大学3年生のアメリカでの留学中に所属した国際交流サークルでのディスカッションに力を注ぎました。現地の学生がしっかりと自分の意見を主張する一方で、私は英語力や文化の違いから発言に自信を持てず、発言をためらっていました。
そこで、私はクラスメイトと積極的に交流して異文化に対する理解を深めるよう努めました。さらに、討論のトピックに関する資料を読み込み、準備を整えることで次第に自分の意見を自信を持って伝えられるようになりました。
その結果、最終的にはクラス内でリーダー役を任されるほどになり、現地の学生と共にプロジェクトを成功させることができました。この経験から、異文化への理解だけでなく、柔軟な適応力を身につけることができ、視野を広げることができたと感じています。(350字以内)

留学をテーマにしたガクチカを書く場合は、留学先での具体的な活動や経験を示すことが大切です。また、自分の課題に対する具体的なアクションや、乗り越え方を伝えることで物事に対する取り組み方が伝わります。

留学は多くのスキルが向上できる経験であるため、特に自分が成長できた部分にフォーカスしてみましょう。

自己PRの例文

例文

私の強みは、大学時代の留学経験で培った異文化適応力です。私がアメリカでの留学で所属していた国際交流サークル内では、ディスカッションに参加する場面がありました。最初は、意見の伝え方や議論の進め方が日本と大きく異なることを実感し、戸惑いを感じる場面も多くありました。
私はまず、現地の学生と積極的に交流し、彼らの考え方やコミュニケーション方法を学ぶことから始めました。その結果、クラス内の議論でもスムーズに意見交換ができるようになり、最終的にはプロジェクトのリーダーを経験できました。
このように、私は異文化の中で柔軟に適応し、相手の価値観を理解しながら協力する力を磨いてきました。貴社でも、異なるバックグラウンドを持つ人々と協力し、新しい視点を取り入れることで価値を生み出すサポートができると考えています。(350字以内)

留学中に現地の人とのコミュニケーションを積極的に行った経験は、グローバルな視点でのコミュニケーション能力をアピールする良い材料になります。

また、最初は上手くいかなかったことを諦めずに努力し、最終的に成果を上げたことを説明することで、継続的に努力をして自己成長できる力をアピールできます。

⑤習い事

ガクチカの例文

例文

私は幼い頃からピアノを習っており、大学に入ってからも続けてきました。特に大学2年生のとき、ピアノコンクールに出場する機会を得たことで、これまでの練習に対する取り組み方が大きく変わりました。コンクールでは今まで以上に高い技術が求められる曲に挑戦しました。当初は、練習を重ねても上達が感じられない日々が続いていましたが、諦めずに1日に数時間の練習を続けました。
この経験を通して、私は忍耐力と集中力を身につけることができました。難しい箇所を繰り返し練習し、一音一音の表現にこだわることで、着実に上達を感じられるようになり、最終的にはコンクールで「優秀賞」を受賞することができました。この忍耐力と集中力は、社会人になってからもあらゆる物事への挑戦において大きな助けになると感じています。(350字以内)

幼少期から習い事をしていた方も多いでしょう。その習い事が大学生のときにも継続していた場合は、ガクチカとして十分に魅力的なテーマです。

どの習い事をしていたのかを具体的に書き、特に大学時代に努力したエピソードがあれば、積極的にアピールしましょう。

自己PRの例文

例文

私の強みは、継続的な努力を通じて目標を達成する力です。私は幼少期からピアノを習っており、大学生になってからも自己成長のために続けてきました。特に大学2年生でピアノコンクールに出場した際には、高い技術を必要とする曲に挑戦しました。練習を続けてもなかなか上達せず、途中で挫折しそうになりましたが、目標に向かって諦めずに努力し続ける姿勢を持ち続けました。
特に、難しい箇所を克服するために、部分ごとに演奏方法を分析し、一つひとつの音を丁寧に確認しながら繰り返し練習しました。その結果、最終的にコンクールで「優秀賞」を受賞することができ、自分の成長を実感しました。
この経験から、困難な目標に対しても粘り強く取り組むことで成果を出せることを学びました。貴社でも、この粘り強さと目標に向けて努力し続ける姿勢を活かし、確実に結果を出していきたいと考えています。(400字以内)

習い事を通じて身につけた、集中力・忍耐力・チームワークなどをアピールしましょう。

習い事を幼少期から続けている場合は、それだけで継続力がある人材だと高く評価されやすいです。さらに、習い事で得たスキルが今後の仕事にどう活かせるのかを具体的に説明することで、企業側はあなたを採用するメリットをより強く実感できます。

⑥資格取得

ガクチカの例文

例文

私は大学在学中に日商簿記2級の取得に挑戦しました。もともと会計や経理に興味があったものの、専門的な知識が求められるため、独学での習得は難しいと感じていました。そこで、計画的な学習を心がけ、毎日2時間の勉強時間を確保しました。

最初は仕訳や財務諸表の理解に苦戦しましたが、過去問を繰り返し解くことで知識の定着を図りました。また、大学の簿記サークルに参加し、同じ目標を持つ仲間と情報を共有することで、モチベーションを維持することができました。

その結果、試験に一発合格し、目標を達成することができました。この経験を通じて、継続的な努力と計画的な学習の大切さを実感しました。今後も、新しい知識を積極的に学び、成長し続ける姿勢を大切にしていきたいと考えています。(350字以内)

資格取得は勉強過程が様々であり、エピソードに特色を持たせやすいテーマです。資格の難易度よりは、どのように計画を立て、どんな方法で勉強を進めたのかについて詳細に書くと良いでしょう。

資格勉強自体がガクチカとして十分なので、もし取得までは至らなかった場合でもアピールは可能です。その場合は、勉強方法についてより詳細に記載すると内容が不足しなくなります。

自己PRの例文

例文

私は目標に向かって計画的に努力し、最後までやり遂げる力があります。その強みを発揮したのが、TOEIC800点取得に向けた挑戦です。

もともと英語は得意ではありませんでしたが、就職活動に向けてスコアを伸ばしたいと考え、独学での学習を開始しました。試験日から逆算して学習計画を立て、毎日2時間の勉強時間を確保。単語力の強化のために毎日100単語を暗記し、リスニング対策として洋画を字幕なしで視聴するなど、多角的な学習方法を取り入れました。

途中、模試のスコアが伸び悩むこともありましたが、間違えた問題の傾向を分析し、弱点を重点的に克服することで最終的に800点を達成しました。この経験を通じて、課題を分析し、工夫しながら乗り越える力が身についたと感じています。この粘り強さと計画力を活かし、貴社でも目標達成に向けて努力を続け、貢献していきたいと考えています。(400字以内)

自己PRで取り上げる資格勉強の経験は、取得した資格がそのままアピールとして使えると特に効果的です。

こちらではガクチカと違い、取得や合格できなかった資格についてはあまり強いアピールにはなりません。「成果を出せる」という強みを見せるためにも、なるべく成功した資格勉強の経験を取り上げましょう。

ガクチカと自己PRに関するQ&A

ガクチカと自己PRで内容が被るのは問題ない?

ガクチカと自己PRで、全く同じ内容を記載することは避けるようにしましょう。ガクチカで求められているアピールと、自己PRで求められているアピールは異なるためです。

ただし、アピールポイントを変えていれば、同じテーマを扱っていても問題はありません。異なるアピールポイントから同じ経験を伝えることで、より具体性のあるアピールになることもあります。

高校時代以前のエピソードは使える?

基本的に、ガクチカや自己PRには大学時代のエピソードを書きましょう。高校時代のエピソードは、自分の成長に大きな影響を与えた出来事や、他の経験にはない特徴的な経験に限り用いることができます。

ただし、企業が重視するのは、「現在の自分がどう成長し、どのような価値を提供できるのか」です。高校時代のエピソードは大学での経験と関連付けて伝えることがポイントです。

例えば、「高校時代に培った努力が、大学の部活や研究でさらに成長に繋がった」といった形で、現在の自分にどう影響しているかを強調しましょう。

嘘のエピソードはバレる?

嘘のエピソードは絶対にNGです。企業の採用担当者は、経験豊富な面接官が多く、嘘のエピソードや誇張は見抜かれるでしょう。

また、面接で詳しく掘り下げられる際に矛盾が生じ、信頼を損ねる恐れもあります。自分の実体験を正直に語ることで、面接官に共感を持ってもらいやすくなり、信頼性のあるアピールができます。

企業ごとに内容を変えるべき?

ガクチカや自己PRの内容は、応募する企業ごとに工夫するのが望ましいです。企業が求める人物像や重視するスキルは異なるため、その企業が特に必要とする能力や価値観に応じて、エピソードや強調するポイントを変えると良いでしょう。

ただし、全てを変える必要はなく、基本的なエピソードは同じでも、強調する部分を調整することで企業ごとに合わせたアピールが可能です。企業のニーズに合わせて柔軟に対応することで、より説得力のあるESが作成できます。

ガクチカや自己PRのテーマが思いつかない時の対処法

大学時代の経験をリスト化する

経験をリストアップするメリット

まずは、大学時代に経験したことを全てリスト化してみましょう。学業だけでなく、アルバイトやサークル活動、ボランティア、インターンシップなど、どんな小さな経験でも書き出すことがポイントです。

リスト化することで、意外なエピソードが見つかることがあります。それぞれの経験について、自分がどんな役割を担ったか、どんな成果を上げたのか、どんな困難を乗り越えたのかを整理してみましょう。

自分史を作成してみる

自分史とは

自分史とは、過去の自分の成長や経験を年表形式で書き出したものです。これらの経験から、思わぬテーマが見つかることもあるため、効果的な方法となります。

自分史を作成することで、過去の経験に新たな視点が加わり、ガクチカや自己PRに使えるエピソードが見つかるでしょう。

他人の視点を借りる

周囲の視点でわかること

自分だけではガクチカや自己PRが見つからないという場合は、家族や友人、教授、アルバイト先の同僚など周囲の人に自分の強みや印象について聞いてみましょう。そうすることで、自分一人では気付けない新たな発見があります。

自分では意識していなかった特技やエピソードが見つかるかもしれません。他人から見た自分の良さを知ることができ、改めて自信を持って志望企業にチャレンジできるでしょう。

大きなエピソードにこだわらない

ガクチカや自己PRが小さなエピソードでも十分な理由

ガクチカや自己PRのテーマは、必ずしも大きな出来事である必要はありません。日々の小さな行動や積み重ねの中に、アピールできるエピソードが隠れていることがあります。

例えば、クラスのプロジェクトでメンバーと協力して成果を上げた経験や、課題に向けて粘り強く取り組んだことなど、規模が小さくても自分の成長やスキルを示すことはできます。小さな成功を大切にし、その過程や学びを伝えることで、十分に印象に残るエピソードになります。

例文を参考にする

ガクチカや自己PRの例文を参考にするメリット

どうしてもエピソードが思いつかないという場合は、インターネットや書類などのガクチカや自己PRの例文を参考にするのも一つの手です。

その場合は例文をそのまま使うのではなく、自分の経験に合わせてアレンジしましょう。例文はあくまでもアイデアの参考にし、自分の言葉で表現してオリジナリティを出すことが大事です。

また、例文を見ているうちに、「自分もこんな経験があったかも」と気付くこともあります。自分らしい言葉で、自分の経験を活かせるように工夫していきましょう。

ガクチカと自己PRを上手く使い分けよう

ESで魅力的に自分をアピールするためには、ガクチカと自己PRの違いを理解することが重要です。ガクチカでは大きな成果よりもプロセスや学びを示し、自己PRでは長所となる部分が入社後どう活かせるのかを伝えます。

それぞれの役割を意識して記載することで、採用担当者にあなたの魅力がしっかりと伝わります。また、多くの学生と差別化できるよう、自分ならではのエピソードを盛り込むことも大切です。

志望企業に刺さるガクチカと自己PRを作成して、良い印象を残せるようにしましょう。

【例文7選】ゼミ経験をガクチカに書く方法|アピールできる強みや注意点

ガクチカでゼミ経験をアピールするとき、「どう書いたら内容が伝わるのか」「他の人とどうしたら差別化できるのか」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

ゼミでの経験はガクチカとして取り上げる就活生が多いため、ポイントを押さえ、企業の目に留まる文章で書くことが大切です。

本記事では、ガクチカでゼミ経験を効果的にアピールするコツや差別化するためのポイント、参考になる例文を紹介します。

ガクチカでゼミを取り上げるのは効果的?

結論として、ガクチカでゼミを取り上げるのは効果的です。ゼミでは学生生活で学んできた内容から、興味のある分野やテーマを絞り、深く研究します。最終的には、研究結果を論文やプレゼン資料にまとめて発表するケースもあるため、学生時代に最も注力したこととしてアピールできるのです。

アルバイトやサークル活動、資格取得などをアピールするのも1つの考えですが、実績を残していない場合はアピールしにくい欠点があります。ゼミの活動なら、規則正しい学生生活を送ってきた証明にもなるため、面接官や採用担当者に好印象を与えられるでしょう。

以上の理由から、ガクチカでゼミの活動を取り上げるのは効果的といえます。

ガクチカでゼミを取り上げる4つのメリット

興味・関心を伝えやすい

ガクチカでゼミを取り上げることで、どのようなことに興味や関心を持っているのかを伝えやすくなります。なぜなら、「数あるゼミの中から、所属したいものを1つ選択した」という背景があるからです。

ゼミの活動は、研究テーマについて専門的な知識を深める活動であるため「◯◯◯について興味・関心がある」という姿勢のアピールに繋がります。面接官や採用担当者にも「◯◯について興味・関心がある人」というイメージを与えやすくなるのです。

特にゼミでの経験や研究テーマが、志望する企業の職種と関連性のある内容なら、より説得力を持たせられるでしょう。

ガクチカを通して、自身の興味・関心をアピールするできるので、ゼミ活動のテーマはおすすめといえます。

文章構成を考えやすい

文章構成を考えやすくなることも、ガクチカでゼミを取り上げるメリットの1つです。「どのような努力をしてきたか」について、ストーリー性を持たせやすいからです。

面接官や採用担当者はガクチカを通して、目標達成に向けた努力の過程をチェックしています。目標達成のために不足していたスキルの取得や、課題解決まで試行錯誤した過程などを、時系列を追って説明しやすいのです。

また目標達成に向けてた行動は、仕事で結果を残すためにも重要な姿勢です。「企業で活躍できる人材」というアピールにも繋げやすいため、ゼミの活動をガクチカでアピールするのは有効といえます。

エピソードに独自性が出る

ガクチカでゼミの経験を取り上げることは、エピソードに独自性を生み出せるメリットがあります。一括りに「ゼミ活動」と表記できても、研究テーマや取り組み方は、学生によって異なるからです。

例えば、同じゼミに所属する2人の学生が「林業」に関する研究に取り組んでいたとします。1人の学生が「バイオマス」について、もう1人の学生が「植林」を研究テーマに設定していたならば、異なるゼミ活動のエピソードが生まれます。

万が一、2人の学生が同じ「バイオマス」について取り組んだとしても、過程や研究結果は異なるため、瓜二つのガクチカが生まれるとは言い切れません。

以上のことから、ゼミ活動はオリジナリティが生まれやすくなるため、面接官や採用担当者の目に留まりやすくなるのです。ガクチカの文章に独自性を出すなら、ゼミ活動をアピールする方向で、作成に取り組みましょう。

組織内での役割を伝えることができる

ゼミ活動では、必ずチームで行動することが求められます。そのため、集団の中で自分がどのような役割で力を発揮できるのかを伝えることができます。

業務を行う際にもチームで行動することがほとんどであり、入社後のイメージがつきやすいため、採用担当者に好印象を与えることができます。

例えば、ゼミでリーダーを務めていた経験をアピールすれば、入社後も人を引っ張る存在に成長することが期待できるでしょう。

ガクチカでゼミを取り上げるデメリットとは?

ガクチカでゼミを取り上げるデメリットは、他の学生とテーマが被りやすいことです。説得力や独自性を持たせやすい分、ガクチカのテーマに取り上げられやすい傾向があります。

特に、情報量が少ない文章を作成してしまうと、企業から「真面目に取り組んでいない印象」を抱かれ、信頼感を削いでしまいます。

オリジナリティ説得力を出すには、取り上げるエピソードや伝え方などを工夫して作成することがポイントです。

一括りに「ゼミ活動」と表記できたとしても、テーマや研究過程は学生によって異なります。活動内容を具体的に深掘りして、被りにくいゼミ活動のエピソードに繋げましょう。

ゼミに関するガクチカでアピールする強みの例

個人研究の場合

  • 計画性
  • 対応力
  • 忍耐力
  • 探究心
  • 情報整理力
  • チャレンジ精神
  • 課題発見・解決力

個人研究は、ご自身1人でテーマの決定から研究結果のまとめまでを行います。全ての工程を1人で遂行する経験から、上記の強みをアピールしやすいでしょう。

ぜひ上記の内容を参考にして、ご自身の強みを棚卸ししてみてください。

グループ研究の場合

  • 主体性
  • 傾聴力
  • 協調性
  • リーダーシップ
  • コミュニケーション能力

グループ研究は、チームの一員として研究に取り組むことが特徴です。

チームとして円滑に取り組むためにも、メンバーの意見をまとめたり、進捗を管理したりなど、個人研究とは異なる活動が生じます。

グループ研究に打ち込んできた方は、ぜひ上記の内容を参考にガクチカを作成してみてください。

研究内容をそのまま仕事に活かせる場合

理系専門職など、ゼミや研究室での研究が入社後の業務にそのまま活かせる場合には積極的にアピールします。そのためにも、まずは業務内容をしっかりと確認し、関連のある研究をしているかどうかを吟味する必要があります。

実際に書く際には、専門用語を適度に使いながら簡潔に研究内容を伝えることで、採用担当者にも即戦力になることが伝わるでしょう。また、この場合は研究内容への理解が深い面接官も多いと考えられ、多少の専門用語であれば使っても問題ありません。

ただし、研究内容を詳しく書くというよりも、わかりやすく伝えることを意識して書くようにします。

ゼミに関するガクチカの構成と書き方

結論

まずガクチカの冒頭は、結論から述べるように構成しましょう。結論を提示せずに文章を展開してしまうと、読み手は焦らされている感覚に陥ってしまうからです。

冒頭から、ゼミの活動内容や研究テーマを述べてしまうと「結局、何を伝えたいんだろう?」と、結論がわかりにくくなってしまいます。

しかし、冒頭で結論を提示しておくことで「◯◯について説明しているんだ」と、ガクチカの全体像を把握しやすくなります。

さらに冒頭で結論を言い切ることで、読み手は「どうして?」と理由や解説を意欲的に知りたくなるのです。

そのため、ガクチカの冒頭には結論を記載しましょう。

背景・動機

ガクチカの結論を作成できた後は、ゼミ経験の背景や動機を記載しましょう。「ゼミを選んだ理由」を明記することで、ご自身の興味関心を読み手に理解してもらいやすくなります。

なお「感覚で選んだ」「先輩に誘われて選んだ」などの場合は「配属後、何に力を入れようと思ったのか」を伝えましょう。

また、ゼミを選択する背景・動機には、他の学生と差別化を図る効果もあります。「何を基準にしてゼミを選択したのか」を分析してみましょう。

目標・困難

ゼミに関するガクチカには、目標や困難を含めた文章を含めましょう。

目標や困難を洗い出すことで、入社後も目標や課題と向き合いながら仕事できる人材だとアピールに繋がるからです。

壁にぶつかった経験や、苦しかった経験を明記することで、読み手が情景を思い浮かべやすくなります。

「研究過程や実習で失敗した」「チームメンバーの作業分担に頭を抱えた」など、些細なエピソードでも構いません。失敗経験と併せて「何を努力したか」に触れることで、より説得力のある文章にできます。

目標と困難の深掘りをすれば、唯一無二のガクチカに近づくため、ぜひ一度振り返ってみてください。

対策・結果

ガクチカの説得力をアップするためには「困難に対して、どのような対策を取ったか」や「どのような結果を残したのか」を明記しましょう。

研究テーマについて努力した内容や、工夫した内容を関連させ、成果を伝えると効果的です。 

しかし、目標を達成できているかは重視されないことを覚えておきましょう。なぜなら企業側は、志望者がどんな人なのかを把握したいからです。

目標を立てた経緯や、研究に取り組む姿勢などを通して、志望者の考え方や価値観などが確認されます。

ガクチカを考える際は、研究結果の有無にとらわれないようにしつつ、対策や結果を具体的に明記しましょう。

発揮した強み

ゼミ経験に関するガクチカを作成する際は、活動を通して発揮した強みを明記しましょう。

発揮した強みは、長所や得意なこととも捉えられ、 自己分析を踏まえて書き出すことがポイントといえます。

また長所については、面接でも質問されやすい内容のため、面接対策としても大切な手順なのです。

なお、ご自身の強みを把握するためには、自己分析を行う必要があります。1人で考えるのが困難な場合は、友人や教授、家族などに確認するのもおすすめです。

まずは、ゼミでの活動の中で、どんな働きかけをして「感謝されたか」「貢献できたか」を振り返り、書き出してみましょう。

得た学び

ゼミについてガクチカを作成する際は、経験を通して得た学びを文章の最後に記載しましょう。

ゼミ経験のストーリーと合わせて強みをアピールすることで、より印象に残るガクチカに仕上がるからです。

得た学びを棚卸しする際のポイントは、研究に打ち込む前後で「自身の何が変わったのか」を振り返ることです。

また、学びを通して「企業や職種にどう貢献できるか」を明記するのも有効です。「入社後にどんな活躍ができるか」と説明できれば、企業にマッチする人材として印象に残りやすくなります。

企業に求められる人材やスキルに応じて、ゼミ経験のエピソードを締めてみましょう。

【アピール要素別】ゼミに関するガクチカの例文3選

リーダーシップをアピールする場合

例文

大学時代はゼミ長として「リーダーシップ」を発揮し、ゼミ生の意見交換を活発化させることに尽力しました。

具体的には、誰でも参加しやすい研究室内でのオリエンテーションの場を設けるという方法です。研究室以外のイベントやスケージュールなどの関係で、ゼミ生の交流が少ない状況でした。

そのため、ゼミ活動の初日や出席率が高い日にオリエンテーションを行った結果、壁を感じない交流の活性化を実現できました。

ゼミ生や教授との距離感が近くなり、積極的に意見交換しながら研究に取り組めるようになりました。

貴社に入社した後も「リーダーシップ」の発揮および向上に注力し、前線で活躍できる人材として貢献いたします。(300字以内)

上記の文章は、主体的に取り組んだゼミ長の経験を深掘りし「リーダーシップ」としてアピールしています。

リーダーシップに関するガクチカを作成する際は「役割を担った後の行動」に視点を置いて、文章を構成してみましょう。

また上記の文章は、「意思決定力」「積極性」を交えてアピールできると、よりリーダーシップがある人材であることを印象付けられます。

志望する企業が、複数人で1つのプロジェクトに取り組む方針を取り入れている場合に有効なアピール方法といえるでしょう。

協調性をアピールする場合

例文

大学時代はゼミ活動に注力し、円滑なグループ研究の実現に貢献しました。

グループ研究の開始当初は役割分担が漠然としていたため、個人研究に近い状態が続いており、このペースでは研究発表に間に合わないと不安を感じました。

そこで、ゼミ生ごとの得意分野を分析し、作業分担する方法を提案しました。また進捗の報告会を定期的に設け、お互いにフォローしながら進めることで全体の効率化を測りました。

結果、研究発表よりも1週間前に完成し、本番では教授からお褒めの言葉をいただくことができました。

この経験からチームで作業を進めるときは周囲と協力し、適切な役割分担と同じ目的に向かうことを意識した取り組みが大切なことを学びました。この協調性を仕事においても発揮していきます。(350字以内)

上記のように、チーム単位で課題解決に取り組んだ行動は「協調性」としてアピールするのをおすすめします。協調性は、社会人になってからも求められるスキルの1つですので、職種を問わずアピールしやすいメリットもあります。

また、協調性をアピールする際は、ゼミ生との関わりを通して「結果を出すために何をしたのか」「どんな影響を与えたのか」を説明しましょう。エピソードの深掘りに繋がるため、より説得力のある文章に仕上がります。

最後の企業で協調性をどう活かすかについて、もう少し具体性を持たせられると、働いている姿を想像してもらいやすく、よりアピールに繋がります。将来性も伝えられるように意識しましょう。

行動力をアピールする場合

例文

私はゼミ活動において、強みである行動力を発揮し、効率的な議論のサポートを行いました。

私が所属しているゼミでは意見交換を重んじてるため、議論が活発に行われているのですが、そこで出た意見や考えを記録していないため、同じテーマを繰り返していることが度々あり非効率であることに気がつきました。

 

そこで自ら記録係を担当することを提案し、議論の振り返りと取りまとめに努めました。記録を行うことで重複した議論を防ぎ、論点がズレているときには過去の議事録をもとに軌道修正するようフォローすることで、1回の議論の時間を15分短縮することができるようになりました。

入社後も失敗を恐れずに、現状の改善に取り組む姿勢を大切に積極的に行動したいと考えています。(350字以内)

上記では「率先して行動できる」という強みを、ゼミでの取り組みに絡めながらアピールしています。

なぜ議論の内容を記録しようと思ったのか、背景が書かれているため、チーム全体のことを考えた取り組みであることがわかります。

また記録を取ることで、「同じテーマの議論の重複を防ぐ」「軌道修正のフォローをする」といった、具体的な改善点をあげているのもポイントです。結果として、議論時間を15分短縮できたことも、取り組みの結果としては十分にアピールできるできる要素となっているでしょう。

抽象的にな印象にならないためにも、具体的なアクションの前後にストーリー性を持たせた表現を意識してみましょう。

【文字数別】ゼミに関するガクチカの例文2選

400字で構成する場合

例文

大学時代は「ゼミ活動」に注力し、ゼミ対抗の研究発表で特別賞を受賞できました。

研究テーマには、◯◯地区の自然災害対策を取り上げ「少子化が懸念されながらも、どのような取り組みを実施しているのか」を研究しました。

現地の首長や住民、自治体へのインタビューを通して、ヒアリング調査を実施し、実地調査から得た情報を元に、課題解決のプロジェクトを考案しました。

しかし実地調査の結果をまとめる際、メンバーの間で意見が割れ、円滑な意見交換が難しい局面に陥ったのです。

そこで私は、異なる意見を否定せずに受け入れる姿勢を意識して、メンバーと向き合うようにしました。結果、少しずつ意見の擦り合わせが進み、納得のいくプロジェクトを考案できました。

この経験がなければ、研究発表で特別賞を受賞できていなかったと実感しています。

以上を踏まえて、相手の意見を尊重しながら、チームの一員として貢献することの大切さを学びました。(400字以内)

400字のガクチカを構成する場合は「ストーリーが300字」「入社後の意気込みが100文字」を目安に記載しましょう。

特にガクチカの目的は、企業側に「採用したい」と感じてもらうことです。経験した事実だけを伝えるのではなく、入社後に貢献する情景をイメージしてもらえるように伝えましょう。

また、自身の強みが「どの場面で生まれたのか」を具体的に伝えて、企業側の理解度を高めるように意識することが大切です。

200字で構成する場合

例文

私はゼミ活動のゼミ長として、リーダーシップを発揮しました。

1つの研究に対しメンバーの得意不得意に合わせ担当を振り分け、進捗の確認を行いながら、遅れやミスが発生しないよう配慮することに努めました。また定期的に意見交換の場を設け、チームの雰囲気作りを心がけました。

結果、研究発表会では教授から「A評価」をいただきました。求める結果を出すためには、分業と仲間の理解を深めることが大切であることを学びました。(200字以内)

ガクチカを200字で構成する場合は「何が強みなのか」「どんな人間なのか」にポイントを絞って作成しましょう。

ゼミ経験を細かく伝えにくいですが「経験を通して学んだことを、企業でどう活かすのか」がポイントであることには変わりありません。端的に文章をまとめましょう。

さらに200字のガクチカでは、研究内容や得た学びなどを長文で記載せず、面接で話すのを想定するのがポイントです。面接の質問を通して、深堀りしたくなるような文章を意識して作成しましょう。

ガクチカでゼミの経験を伝える注意点

わかりやすい言葉を使う

ガクチカでゼミの経験を伝えるときは、わかりやすい言葉を使いましょう。研究テーマや専門的な知識がない人でも理解できる表現を意識して作成します。

特に、一般に馴染みの薄い専門用語は、面接官や採用担当者がすんなりと文章の内容を理解しにくくなってしまいます。最悪の場合、あなた自身がアピールしたい内容が伝わりにくい印象を与えてしまうのです。

ガクチカを作成する際は、専門用語や表現を噛み砕き、読み手がすんなりと理解できるよう文章を作成しましょう。

万が一、専門用語以外の表現が見つからない場合は、補足の文章を追記するのをおすすめします。

数字を積極的に盛り込む

数字を積極的に盛り込むことで、ゼミの経験を具体的かつ印象的に伝えることができます。

例えば、研究テーマに関する統計や分析の結果を説明する際「いくつかのデータを得られました」と表現するのは、少々抽象的な印象を与えます。面接官や採用担当者は「いくつなの?」と疑問を抱きながら内容を把握することになるため、ストレスに感じてしまうでしょう。

しかし、「3つのデータを得られました」と数字を使って説明することで、直感的かつ端的にイメージを伝えられます。

ガクチカの文章を作成する際は、「数字を使って伝えられる内容がないか」に着目して取り組んでみてください。

求められる人物像を意識する

ガクチカでゼミの経験を伝えるときは、企業が求めている人物像を意識した文章を作成するのがおすすめです。なぜなら、面接官や採用担当者は、企業の価値観や考え方と志望者がマッチしているかを知りたいからです。

企業側としても、人材採用は時間と労力を割く作業であるため、慎重に吟味したいと考えています。また社員が退職する際も、各種手続きや業務の引き継ぎなどが発生するため、長期的に働いてくれる人材を求めているのです。

以上を踏まえて、企業は志望者のエピソードや経験を聞き、価値観や考え方に相違がないかを知ろうとしています。ガクチカでゼミ経験をアピールするときは「企業が求めている人物像」を予め理解した上で適切にアピールしましょう。

企業との相性を考慮する

ガクチカでゼミ活動について書く際は、ゼミでの研究内容と企業での業務内容の相性がどのくらいなのかによって書く題材を変えましょう。

前述のように、研究内容を業務に活かせる場合には、研究内容を積極的にアピールしましょう。一方、研究内容と業務の関連がそれほど無い場合には、ゼミでの学びに対する姿勢や過程をアピールします。

例えば、ゼミ内での役職や成し遂げたことがあればアピールできるとともに、チームで業務を行う上で不可欠な協調性やリーダーシップなどを伝えることもできるでしょう。

結果だけを書かない

ガクチカでは、研究の実績や成果が重視されると思われがちですが、それ以上に大事なのがそれらの成果を出すまでの過程です。どのような部分に困難を感じたのか、どのように問題を解決したのかに人柄が現れるためです。

ゼミの研究内容が活かせなかったとしても、チームで協力して研究を進めるためには共通の要素が必要になります。全ての仕事に通じる要素を見つけてアピールしましょう。

専門用語は最小限に収める

ガクチカは、採用担当者に正しく伝わることが最優先です。そのため、研究内容の詳細すぎる説明は避け、専門用語もなるべく使わないようにしましょう。

ただし、理系の専門職(IT、建築、技術系など)は業務と自分の研究内容が直結するため、正しく伝える必要があります。この場合、面接官もその分野に詳しいことが多いため、分かりやすく伝えるための専門用語であれば使ってかまいません。

ガクチカでゼミを取り上げて選考通過に繋げよう!

ゼミに関するガクチカは「どのような活動をしたのか」「経験を活かして、どのように貢献できるか」を簡潔にまとめることが大切です。

また、ゼミ経験をガクチカのテーマとして取り上げる学生は多いため、独自性が伝わる構成を意識して書くこともポイントといえます。

本記事で紹介した内容や例文を参考にして、まずはガクチカに記載する情報の棚卸しから始めてみましょう。

自己PRで英語力を伝える!効果的にアピールする方法とコツを解説

グローバル展開に力を入れる企業が多い現代では、英語力は間違いなく就活で有利な能力です。

最近では、就活の段階で高度な英語力を問う企業も多くなっています。実績を積み他の人より優れた英語力を身に着けた人は、自己PRで積極的にアピールしましょう。

しかし実際に英語力をアピールするとなると「どんな英語力を企業は必要としているの」「他の人と差別化はどうすればよいの」など、わからない人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、企業側の視点を交え、ESの自己PRで英語力を魅力的にアピールする方法や書き方のコツを紹介します。

英語力は就活で有利になる?

就活で英語力は評価されやすい!

グローバル化が進む現代において、英語力があると就活で有利になるケースが多いです。英語力がなくてもマイナス評価にはならないものの、あるとプラス評価になることは間違いないでしょう。

しかし、英語力を持つ人材の重要度が増す一方、その能力をアピールする学生も増える傾向にあります。そのため、単に英語力だけをアピールしても採用担当者の印象には残りません。

就活で英語力をアピールする場合は、他の学生と差別化を図ったり、企業に評価される基準や一緒にアピールすると効果的な強みなど、あなたの持つ英語力がより引き立つアピール方法を知っておく必要があります。この記事を参考に、英語力の効果的なアピール方法を押さえましょう。

企業が英語力のある就活生にもつ印象

企業は英語力のある就活生に対して「他言語を習得するほどの努力を積み重ねてきた人」という印象をもちます。そしてESの自己PRを通して「英語力のレベル」はもちろんのこと、「どのように他言語を習得してきたのか、習得するまでの過程を知りたい」と考えています。

なぜなら企業は英語力のある人に対して継続力や行動力の高さ、違う価値観に対しての順応性など、他言語を習得するまでに身に着けたさまざまな能力に期待しているからです。

企業は英語力に付随する能力から、あなたの特性を読み取り、企業が求める人材かどうかを見極めます。企業側の視点を踏まえると、合わせてアピールする+αの強みが重要になるということです。

たとえ就活時に志望企業が設定する英語力の標準基準まで達していなかったとしても、失敗から学んだ教訓や今後の英語学習に対する取り組む姿勢などを上手にアピールすることができれば、周りと差別化でき採用される可能性もあがるでしょう。

アピールになる英語力の基準【英検・TOEFL・TOEIC】

英検、TOEIC、TOEFLのアピールになる英語力の基準

英検は2級以上が目安!準2級なら学習意欲をアピールしよう

ESの自己PRで評価されやすい英検のレベルは英検2級以上です。

英検では2級以上から試験項目にライティング技能が追加され、リスニング・リーディング・ピーキング・ライティングの4技能が問われます。そのため英検2級以上を自己PRに記載することで、話す・聞く・書く・読むなど総合的な能力をアピールすることができます。

就活で有利となる英検は2級以上ですが、英語力をそれほど求めていない企業や職種では、準2級でも評価してもらえる可能性もあります。就活時に2級が取得できていなくても、今後も継続的に英語学習に取り組む姿勢をアピールできれば、準2級でもプラスに受け止められることもあります。

英検準2級を自己PRに記載する場合は、2級以上の資格取得に向けて勉強中であることを合わせてアピールしましょう。

TOEICは600点以上が目安!英語を使う業種は800点以上

ESの自己PRでアピールできるTOEICの成績は600点以上です。ただし外資系企業や観光業、貿易業など日常的に英語を使う業種では800点以上が標準基準です。

TOEIC600点は英語を「読む」「書く」の基本ラインといわれており、ビジネスシーンにおいて、ゆっくりな会話は理解できる、簡単なメモは理解できるレベルです。英語は使わない業務であっても大企業の場合は700点が標準基準とされています。

外資系企業や貿易業、メーカーなど、業務で英語を使用する業種は800点が標準基準です。600〜700点台でも応募はできますが、英語力で他の応募者と差別化したい場合は800点以上のスコアで挑みたいところです。

グローバル展開する外資系企業などでは900点を最低条件としている場合もあるため、英語を使う業種を希望する人は、企業の募集要項などでその企業が基準とするスコアをチェックしておきましょう。

TOEFLは75点以上が目安!海外企業が希望ならは85点以上

就活の際に評価されるTOEFLの点数は75点以上です。海外企業への就職を希望する人は85点以上が目安となります。TOEFL70~80点は、英語での会話や文章でのやりとりを緊張せずに行えるレベルと期待されます。80〜90点は、ビジネスシーンでは、専門分野において高いレベルでの議論や、複雑な文章の読解を期待されます。

英語力の証明として取り組む人が多いTOEFLとTOEICは、どちらも世界的に認知度が高い英語資格試験ですが、日本ではTOEICのほうが企業の評価基準に設定されることが多いです。そのため志望企業がどちらを重視しているかを事前に調べておくことが大切です。

まだ就活の準備に時間がある人は、本格的な就活シーズン前にTOEICを取得しておくこともおすすめです。

自己PRで英語力をアピールするときのポイント4つ

英語力をアピールする時のポイント

①挫折経験を盛り込む

②困難を乗り越えた過程を盛り込む

③資格は具体的な数字や名称で書く

④資格だけではなく継続力もアピールになる

挫折した経験を盛り込む

企業は、失敗や挫折を乗り越え、他言語習得という大きな目標を成し遂げた人に対して、仕事で困難に直面しても成功につながるヒントや、失敗に隠れた価値を見つけ出し目標達成に繋げてくれると期待します。

また挫折した経験があるということは、何かに真剣に取り組んだことがあると判断されます。そして挫折から立ち上がるメンタルの強さを持つ人材は企業から重宝されます。失敗経験や挫折経験は、伝え方次第で好印象を与えることができるので、しっかりとアピールしましょう。

注意したいのは、挫折した経緯や挫折の内容を細かく説明しすぎることです。経緯や挫折の内容が長くなってしまうと、挫折経験だけが印象に残ってしまいます。採用担当者に伝えたいのは「挫折をどのように克服したのか」なので、経緯や挫折の内容は短く簡潔にまとめるようにしましょう。

困難を克服した過程を盛り込む

困難と直面したときに、その困難とどのように向き合い乗り越えたのか、そして何を学んだのかを盛り込むことがポイントです。

英語力を身に着けるためには「英語学習を苦痛に感じる」「自分の英語力の成長を実感できない」「相手の英語が聞き取れない」「単語や文法はわかっているのに英語がでてこない」などいくつもの困難を乗り越えてきたことでしょう。

その「困難を克服した過程」こそが、仕事においても再現性があると評価され採用担当者の関心を引くことができるのです。

しかし困難を乗り越えたことだけを伝えても、成長を強く印象付けることはできません。困難を乗り越え、そこから何を学んだのかを伝えることで成長意欲やメンタルの強さをアピールできます。

困難を克服したことが現在の自分にとってどのように役立っているのかを重点的にアピールしましょう。

具体的な数字や名称をを盛り込む

英語力を証明するためには、具体的な数字や名称を盛り込むことが重要です。具体性に欠ける自己PRでは、どのくらいの英語力があるのか、目標達成のためにどのくらい努力を行ったのかが伝わりません。

英検は2級、TOEIC600点、TOEFLは75点など、資格名やスコアを記載することはもちろん、「目標を決めてから2年間で英検2級を取得しました」「1年間でTOEICのスコアを400点から700点になりました」といったように、具体的な名称や数字を盛り込むことで、伝わりやすい文章になります。

自己PRで過度なアピールをしてしまうと、採用後に苦労したり、能力と業務が合わず退職を余儀なくされる可能性もあります。そのため、誤魔化したり嘘をついたりしないようにしましょう。

資格に自信がない場合は継続性をアピールする

企業が設定する英語力の基準に達していなくても、企業に応募することができます。資格に自信がない場合は、入社後も英語学習を続ける意思を伝え、継続性をアピールするようにしましょう。

また、なぜ英語学習を続けるのか、目標を達成したら何をしたいのかを合わせて伝えることで成長意欲もアピールできます。

留学経験者など、取得している資格スコアが低くても、英語は話せるという人もいるでしょう。その場合は「今後はライティングに力をいれて、資格スコアを上げたい」など、英語学習を継続する意思を伝えましょう。

出来ないことを伝える際は、出来ないことをカバーする能力を合わせて伝えることでマイナスをプラスに変えることができます。例えば、「英会話力は十分ではないものの、外国の方と接することへの抵抗はなく、初対面の外国人でも臆することなく会話ができる」など、弱い部分をカバーできる強みを合わせてアピールすると良いでしょう。

【例文】効果的に英語力をアピールする自己PR

留学経験をアピール

私の強みは海外留学で学んだ、実践的な英語力とコミュニケーション能力です。大学1年生時に英検準1級を取得し、大学2年生から2年間アメリカに語学留学へ行きました。留学先では自信があった英語がネイティブにはまったく通じず、大変悔しい思いをしました。しかし夢でもあった海外留学を楽しく有意義なものにしたいと考え、自分の考えが相手に伝わらなかったときは、どのように伝えればよかったのか調べる習慣をつけるようにしました。そうすることで、留学から1年後には日常会話はもちろん、留学先の英語の授業も問題なく受けることができるようになっていました。実際の仕事でもこの経験を活かし、何事にも向上心を持って取り組みスキルアップしていきたいと考えています。(350字以内)

語学資格の勉強やスキルと、仕事で使う実践的な英語スキルとは大きく異なります。企業は高度な資格を持っている人材だからといって、即戦力としての期待はあまりしていません。

こちらの例文は、難易度の高い英語資格取得をアピールしつつ「自分の英語が通じない」という困難を前向きに捉え地道な努力で克服したエピソードから、「何事も諦めずに努力を続ける人間性」をうまく表現しています。

また、周囲に対する連絡、報告、相談の大切さや、チームとしての成果を意識していることが伝わる内容です。

TOEICの得点をアピール

私の強みは向上心の高さです。幼い頃から海外で仕事をすることが夢で、中学生の頃から英語学習に取り組みました。その結果、高校卒業時には英検1級、TOEIC860点を取得しました。そして大学では英米語学科を選びましたが、私は周囲に比べて自己表現や英語スキルが足りないと感じました。そこでアメリカへの短期留学を決めました。はじめは周囲とうまく会話ができず悩みましたが「英語力を高めて自分はどうなりたいのか」自分が英語に取り組んでいる意味を考えなおしました。自分の目標を改めて見直すことで留学の目的を再確認でき、積極的に周囲に話しかけれるようになりました。そして徐々に自分の考えを自信をもって発言できるようになりました。この経験を活かし仕事でも状況に応じて目標をたて、向上心をもって仕事に取り組みたいと考えています。(400字以内)

中学から高校卒業までの6年間英語学習を続け目標を達成した継続力と、目標達成能力が伝わります。継続力や行動力は社会人にとって重要なスキルですので評価も高くつきやすいでしょう。

また挫折があっても、目標を見失わず乗り越えたエピソードは、仕事においても再現性があると評価されます。

企業は新入社員に対し入社時点に実践で使える高い英語力を求めているのではなく、英語力を身につけた「プロセス」を知りたいと考えています。

結果のすごさではなく、「挫折があっても乗り越えた」その事実に価値があるのです。英語力をアピールする際は、英語力を身につけるまでのプロセスを重視し伝えるようにしましょう。

【例文】英語力の自己PRは+αの強みで差別化できる!

英語力をアピールする人が増えている中で、他の人と差別化を図るには英語力にプラスαの強みを付け足すことが重要です。ここでは、英語力とそれに付随する強みをアピールした自己PR例文を紹介します。

英語力+継続力

私の強みは、英語力とそれを支える継続力です。大学時代にTOEICで〇〇点を取得し、その後も英語力向上に向けた努力を続けています。具体的には、毎日30分以上英語のニュースを聞き、リスニング力を鍛えています。また、週に1回はオンライン英会話で実践的な会話力を向上させ、ビジネス英語にも対応できるよう努力しています。また、自分で学習計画を立て、半年ごとに目標を設定して達成しています。これにより、計画的に学び続ける力を身につけ、途中で挫折することなく成果を上げてきました。このような継続力を活かし、変化の激しい環境にも柔軟に対応し、常に自分を成長させ続けることができます。英語力と継続力を活かして、貴社で即戦力として貢献できると確信しています。(350字以内)

英語力を身に着け維持するためには継続力が不可欠です。ですから企業は英語力がある人材に対して、目標に向かって努力し続けることができる人材だと評価しています。

ESの自己PRで英語力をアピールする際は、習得するまでに長期的に努力したエピソードを紹介することによって、継続力があることを強く証明することができさらに高い評価に繋がるでしょう。

またエピソードには、「TOEIC900点を目指し、大学入学後から本格的に英語学習を開始し、大学4年の6月に達成できた」など具体的な期間や数字を入れて説明するとより伝わりやすくなります。

英語力+向上心

私の強みは、英語力と向上心です。大学時代にTOEICで〇〇点を取得した後も、英語力の向上に対する意欲は衰えることなく続いています。日々、英語のニュースやポッドキャストを活用し、リスニング力を鍛えています。また、月に1回は英語でのディスカッションイベントに参加し、会話力や表現力を向上させています。さらに、ビジネス英語を学ぶために専門書を読んだり、英語でのプレゼンテーションスキルを磨くための練習を積んでいます。常に自分をより高いレベルに引き上げることを目指し、自己改善に努めています。このような向上心を持ち続けることで、今後も英語力をさらに強化し、変化するビジネス環境にも柔軟に対応できると確信しています。英語力と向上心を活かし、貴社で積極的に貢献できると考えています。(350字以内)

現状に満足せず自分の能力をより優れたものにしようとする「向上心」は企業に評価される強みです。企業は他言語でもある英語を習得するために努力する人に対し、自分の能力の現状を見極め目標をたて、目標達成に向かって努力できる人材だと評価します。

自己PRで英語力をアピールする際は、習得するまでに目標をたて努力したエピソードを紹介すると向上心の強さをアピールできます。

目標は「3年後にTOEIC900点を取る」「3年後に英語を使う仕事に就く」など長期的な目標と、「毎日英単語を20個覚える」「毎日30分以上は英語勉強する」など短期的な目標に分けて紹介すると、目標達成に向けて計画的に前に進める力をアピールできます。

また目標に加え、目標達成期間を示すことで、仕事でも期間内に結果を出そうと努力してくれる人材と評価されるでしょう。

英語力+コミュニケーション能力

私の強みは、英語力とコミュニケーション能力です。大学時代にTOEICで〇〇点を取得した後、英語を使った実践的なコミュニケーション能力を高めるために積極的に活動しています。例えば、海外の学生との交流イベントに参加し、異文化理解を深めながら、英語での意見交換やディスカッションを行ってきました。さらに、英会話スクールに通い、日常会話からビジネス英語まで幅広い場面での表現力を磨いています。また、チームでのプロジェクト活動では、英語を駆使して円滑なコミュニケーションを取り、メンバーとの協力を大切にしてきました。英語力を活かしたコミュニケーション能力は、グローバルな環境でも円滑に業務を進めるために重要なスキルだと考えています。これらの経験を通じて、貴社においても多様な人々と効果的に連携し、貢献できると確信しています。(400字以内)

言語は相手と意見を交換するためのコミュニケーションツールです。英語力とコミュニケーションを合わせてアピールすることで、企業は「価値観が違う外国の方とも緊張感なく会話ができる人材」だと評価するでしょう。

英語力を活かしたコミュニケーションスキルは、グローバル展開する企業では特に必要なスキルです。英語力を自分の強みとしてアピールする際は、コミュニケーション能力も合わせて紹介しましょう

「外国の方との交流を目的に英語力を伸ばしたいと思った」「英語力を磨きながら、外国の方と交流したいと思った」など、英語学習に力を入れた理由を外国の方とのコミュニケーションのためとすれば、その理由からもコミュニケーションや社交性、協調性をアピールできます。

英語力+適応能力

私の強みは、英語力と適応能力です。大学時代に1年間アメリカに留学し、現地での生活や授業を通じて、英語力を大きく向上させました。留学先では、英語での授業やグループワークをこなす中で、異文化や異なる価値観に触れ、柔軟に対応する力を養いました。また、現地の生活でも最初は言葉の壁に直面しましたが、積極的に現地の人々と交流し、問題解決能力を高めました。例えば、日常的に英語で会話を重ねることでリスニング力を向上させ、文化や習慣の違いを理解しながら、迅速に新しい環境に適応することができました。この経験を通じて、変化の多い環境でもスムーズに順応し、効果的にコミュニケーションを取る力を身につけました。英語力と適応能力を活かして、貴社での業務でもスピーディに環境に溶け込み、貢献できると確信しています。(350字以内)

英語力を習得する中で、留学や海外旅行はもちろん、日本国内在住であっても外国の方の集団に身を置いた経験を持つ人も多いでしょう。価値観の違いや環境の違いを受け入れ順応していく適応能力は、社会人にとって大切な能力です。

価値観の違いを受け入れ周囲と良い関係を作った経験をアピールするのがおすすめです。環境に合わせて自分の力を発揮した経験は、再現性が高い経験です。

英語力+視野の広さ

私の強みは、英語力と視野の広さです。大学時代にTOEICで〇〇点を取得した後、英語を使ってさまざまな文化や価値観を理解することに力を入れてきました。英会話クラブに参加し、異なるバックグラウンドを持つ人々と意見交換を重ねる中で、自分の視野を広げることができました。さらに、英語での読書やニュースを通じて、世界の最新のトピックや異なる視点に触れ、国際的な視野を養いました。このような経験により、英語を使って情報を得るだけでなく、異なる文化や考え方を尊重し、柔軟に対応する力を身につけました。貴社での業務でも、広い視野を持ち、グローバルな視点から意見を述べたり、柔軟に対応することで貢献できると確信しています。(350字以内)

英語学習をする中で、外国の文化や価値観に触れることがあると思います。そのような経験は、物事を多角的な観点で分析する力「視野の広さ」を養うと言えるでしょう。

仕事において視野を広げ、視点を変えて物事をみることで課題を見つけ出すことや、固定概念を取り除き解決策を導き出すために視野を広く持つことはとても重要です。特にリーダーや管理職など、チームをまとめる人材には視野の広さは求められる能力です。

英語力を身に着けるために海外の文化の違いを体験し、それぞれの良さを受け入れてきた経験をもつ人は、英語力と合わせて視野の広さをアピールしましょう。

英語力が伝わりやすい4段階構成

英語力が伝わりやすい4段階構成

STEP1.結論を述べる

書き出しは結論を述べます。ここでいう結論とは、前述で述べた継続力や向上心など、英語力と合わせてアピールしたい+αの強みです。

例えば「私の強みは英語力と、その過程で培った継続力です」というように、英語力とは別の強みを簡潔に書くことで、あなたの人柄をダイレクトに伝えることができます。

英語力を重視する企業は多いですが、企業が探しているのは英語を含めて入社後に成長してくれる人材です。英語力単体でアピールしても採用には繋がりにくいことを念頭に置いておきましょう。

継続力や向上心など、英語力を習得するまでに必要となった能力や、コミュニケーション能力や適応能力など英語力を発揮するために必要な能力は、どのような業務でも必要となる強みです。自己PRの書き出しは、あなたの人柄がわかる強みを強調しましょう。

STEP2.結論を裏付けるエピソード

次に強みを裏付けるエピソードとして、英語学習に対する具体的な取り組みを伝えます。英語を学ぶきっかけや目標達成のためにどのように努力したのかなどを盛り込むようにしましょう。

例えば「大学3年の11月までにTOEIC900点取得を目指し、入学後本格的に英語学習を開始しました」「目標達成の為に、1日1時間、必ず英語学習に取り組みました」というように、目標スコアや学習期間など数字を使って説明すると伝わりやすいです。

英語力を証明するためには、英検、TOEIC、TOEFLなど、資格を取得することがおすすめです。時間がある方は就活が始まる前に、ぜひチャレンジしましょう。

資格がない場合でも、「ボランティア活動で小学生に英語を教えた」「高校受験の塾で英語の講師を行い合格させることができた」など、実績をアピールすることで証明することもできます。

STEP3.成果を伝える

次に「英語資格の目標スコアを達成した」「留学経験によって、日常の生活には困らない程度の英語力を身につけることができた」など、英語学習の成果を伝えます。

ここでのポイントは、英語力が伸びた理由を自分の人柄や性格に結びつけて説明することです。例えば「毎日必ず英語学習を1時間行った。その結果英検1級を取得することができた」というように、あなたの長所である「継続力」を発揮したことが目標達成に繋がったことをアピールしましょう。

また学習を進めるうえでどんな課題があり、どんなことを学んだのかを伝えることで、入社後もさまざまな経験を積みながら成長してくれる人材だと印象付けられます。前述した「挫折経験」があればこの部分に盛り込みましょう。

STEP4.入社後の活かし方

英語力を企業にアピールする場合は、英語を使って企業の成長に貢献できることまで踏み込んで述べます。自己PRの最後は、培った英語力と+αの強みをどのように仕事に活かすかを伝えます。

「目標のTOEIC800点を取ることができました」とだけ伝えたところで、英語力の高さは証明できても、どうやって仕事に活かすのかまでは伝わりません。ですから、「英語力を使って○○という分野に取り組みます。それにより御社の成長に貢献していきたいと思っております」というように、企業への貢献度をアピールしましょう。

企業は、自社の成長に寄与してくれる人材を確保したいと考えています。自己PRの最後は、志望企業の成長に貢献したい意思を伝える一文で締めくくりましょう。

自己PRで英語力をアピールするときの注意点

英語力をアピールする時の注意点

①英語力だけのアピールにならないようにする

②資格がないとアピールにならないこともある

③実力以上のアピールをしない

英語力だけをアピールしない

前述したとおり自己PRで英語力をアピールする場合は、英語力だけをアピールするのは弱いです。英語力を必要とする企業には、当然英語ができる就活生しか応募してきません。そのため、英語力だけをアピールしても差別化できず採用担当者の印象にも残りません。

企業は高い英語力を証明できる学生に対して、資格取得までの努力や苦労に関心を持っています。ですから、英語を身につけるために、努力してきたこと、挫折を乗り越えた経験、英語学習を通じて学んだことなどを重視してアピールしましょう。

資格がないとアピールできない場合もある

英語力が絶対に必要となる職種では、英検やTOEIC、TOEFLなど英語資格取得を採用条件にしている場合もあるので注意しましょう。たとえ必須条件にはいなくても、業務上英語の必要性がある職種では、資格をもっていることで即戦力になるとみなされ採用確率があがる場合もあります。

英語資格を採用条件にしている企業の中には、英語力以外のスキルがどれほど優れていても資格がなければ合格できない仕組みになっているので、応募前に企業の採用条件をよく確認しましょう。また英語資格をもっているのであれば、積極的にアピールしましょう。

実際以上によく見せようとしない

より英語力をアピールしようとして資格や実力を実際以上に高く伝えたり、エピソードに嘘を盛り込んだりすることは、いずれバレてしまうのでやめましょう。

テストなどがある場合はその場で嘘は発覚しますが、入社後に嘘が発覚すると最悪の場合、退職を迫られる可能性もあります。

企業は英語力の高さよりも、入社後に成長してくれる人材を探しています。英語力は入社後でも伸ばせるスキルでもあるので、その他の長所を合わせてアピールし、あなたの人柄が伝わる自己PRにしましょう。

英語力は強みとあわせてアピールしよう!

グローバル化が進む現代において英語ができる人材は重宝されます。その一方で、英語ができる学生も増えてきているため、他の人と差別化しなければ採用担当の印象に残るアピールとはなりません。

英語力に自信がある人は、英語力を身につけるまでに体験した努力や苦労を踏まえ伝えるようにするほか、英語以外の強みを合わせて紹介するなどアピール方法を工夫してみましょう。

英語力を身につけるまでの努力の過程や、経験など付随する独自のエピソードがあるはずです。あくまでも、採用は総合的な評価で決まります。単に英語力を押し出すのではなく、他の魅力もあわせてアピールすることで他の人との差別化となり、採用担当の印象にも残るはずです。

ガクチカで部活経験をアピールする書き方|文化部でもいい?【例文あり】

部活動は、ガクチカのテーマとして人気の高い経験です。アピールしたい強みに合ったエピソードを選びやすく、採用担当者にも場面を想像してもらいやすいメリットがります。

この記事では、部活経験をテーマにしたガクチカの書き方を、例文付きで紹介します。

「目立った成果がない」「文化部の経験をアピールしていいかわからない」といったよくある悩みも解消していますので、ぜひ最後までご覧ください。

部活経験を活かしたガクチカの書き方は?

部活の経験や実績を書き出す

企業は就活生の良いところを知りたいと考えています。そのため、ガクチカで部活経験をアピールする際は、部活で培われた強みを把握しておく必要があります。

まずは部活の経験や自分の実績を振り返り、リストアップしてみましょう。書きながら思い出していくよりも、最初に経験を全て書き出しておいた方が、スムーズに作成できます。

強みには必ず付随するエピソードも求められるので、「〇〇の時の出来事」など、何のエピソードを書くかメモを付けておくと良いでしょう。

PREP法を意識して作成する

  1. 頑張ったことを結論として述べる
  2. その理由を記載する
  3. さらに具体的に説明する
  4. 最後に結論を繰り返して、経験を述べる

PREP法とはわかりやすい文章を作るための構成のことで、Point(結論)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(結論)の頭文字を取って呼ばれています。

PREP法は応募書類の文章構成として広く用いられており、強みを印象的に伝えるために効果的な書き方です。最初と最後に結論を述べることで、途中に説明を挟んでいてもアピールが一貫して見える点がメリットです。

論理的でわかりやすく、説得力のあるガクチカを作ることができるため、この書き方をベースにして作成していくと良いでしょう。

成果はできるだけ具体的に表す

部活の成果を伝える際は、できるだけ数値や具体例を用いて示すようにしましょう。「成績を残した」とだけアピールしても、能力は伝わりません。

「何の大会で何位だったか」「どれだけスコアを伸ばせたか」などが、一般的に強いアピールになります。

また、練習効率を向上させた取り組みや、コミュニケーションの密度を高めた取り組みなど、日常的な活動で貢献したことも十分な成果です。成果そのもののインパクトだけでなく、具体性にも気を配ると、より説得力が高まります。

ガクチカで部活経験をテーマにするメリット

チーム内でどのように貢献できたかをアピールできる

多くの部活では、自分一人の力だけでなく、全員で協力して結果を目指すことになります。こうした姿勢は実際の仕事の場とも共通しているため、部活のガクチカでは、チームに貢献できる力を効果的にアピールできます。

特に、サッカーやバレーボールなどの団体競技の経験からは、良好な人間関係を構築できる能力が伝わります。

また、チーム内での貢献を具体的にアピールすることで、自分の価値観や人間性も伝えられます。

目標に向かって努力できる人材だとアピールできる

部活は、「全国大会出場」「コンクール入選」などの目標を持って取り組むことの多い経験です。具体的な目標を目指して努力したエピソードからは、仕事へコツコツ取り組む姿勢を期待させることができます。

目標を達成するために行った自分なりの工夫や、困難を乗り越えた経験などを伝えることができると、非常に効果的です。

こうした取り組みが実際の結果に繋がった実績があると、高いアピール力のあるガクチカに仕上がります。企業では結果を求められることが多いため、自分なりに努力をして結果を出せる人材は重宝されるでしょう。

ストレス耐性があることを証明できる

部活では、理不尽な出来事や人間関係などで様々なストレスを抱えることがあります。仕事の場でも、そういったストレスとは上手く付き合っていかなければなりません。

そのため、部活で苦しい経験をし、それを乗り越えた経験がある場合は、ストレス耐性の高さをアピールできるでしょう。

部活を題材にしたガクチカの例文

目標達成意欲をアピールする例文

例文

私はサッカー部でのレギュラー獲得と大会出場を目指し、努力を続けてきました。私は大学からサッカーを始めたため、入部当初から小・中学生から始めているチームメイトと実力の差がありました。そこで、練習量を増やすことに重点を置き、週6でシュートの練習をしたり、筋肉量を増やすために腹筋や腕立て伏せなどの筋トレに励みました。練習日には、大学1年生からレギュラーとして活躍しているチームメイトと一緒に戦術練習し、プレイを参考にしながら、自分のプレイスタイルを磨いてきました。約1年半、このような練習を積み重ねた結果、私は大学2年生の秋にレギュラー入りを果たし、最終的には、県大会のスターティングメンバーとしてチームに貢献できました。この経験から目標達成のためにひたむきに努力する大切さを学びました。(350字以内)

この例文では、レギュラー入りを果たすエピソードを通して、目標に向かって努力できる人材であることをアピールしています。また、サッカーを始めた時期を記載することで、逆境でも努力を続けられる人柄が良く伝わります。

レギュラー獲得のために行った努力の具体的な内容や、工夫したポイントが明確なため、説得力も高いです。

文字数に余裕がある場合は、さらにその先でどんな成績を残したのかまで書くことができると、思い浮かべやすいエピソードになるでしょう。

縁の下の力持ちをアピールする例文

例文

私は大学4年間、バレーボール部のマネージャーとして選手をサポートしてきました。所属する部活では、前半好調でも試合の終盤には逆転を許してしまうことが多いことが課題でした。そこで選手の1日の食事や練習内容を確認した結果、栄養のバランスが取れていないことが判明しました。私は、栄養不足から練習効率や試合本番のパフォーマンスが落ちていると考え、栄養学と料理についての勉強会を自主的に開催。選手の栄養面をサポートするリーダーとして、日頃から簡単に栄養バランスの良い食事が取れる方法の冊子を制作し、全員に配布しました。誰でも実践できる手法を選んだため、徐々に食事内容の改善が進み、練習効率が向上。試合の勝率も徐々に伸びていき、選手のサポートの重要性を強く実感しました。今後も地道な努力によって、貴社へ貢献していきたいと考えています。(400字以内)

マネージャーとしてチームを支えてきた経験を、多くの具体例を交えて説明できている例文です。

チームの問題解決のために、原因究明や解決を図った取り組みを積極的に行ったエピソードからは、熱心な姿勢が良く伝わります。

サポートの経験は明確な成果が出にくい分、取り組みの具体性が特に重視されます。さらに数値を盛り込んで説明できると、より貢献度の伝わるガクチカになるでしょう。

困難を乗り越えた経験をアピールする例文

例文

私はラグビー部員として、怪我をしながらも引退まで諦めずに部活を続けました。私は大学2年生の春の大会で、膝の靱帯を損傷し、「完全に復帰するのは難しい」と診断されたため、退部するべきか悩むほど苦しい思いをしました。しかし、大学入学前から憧れていたラグビー部に入部できたときの気持ちを思い出し、引退するまで継続しようと決意しました。そのために、まずは通常の練習に戻れるよう、膝を少しずつ動かすことを中心のリハビリに励みました。怪我の回復状況に合わせて、週3から週5でリハビリを継続した結果、1年後にチームメイトと一緒に練習できるまでに回復しました。引退前最後の大会ではレギュラーとして試合に出場することもでき、チームへ貢献することができました。私はこの経験を通して、困難があっても最後まで諦めないことを学びました。入社後も目標に向かって粘り強く努力を続けていく所存です。(400字以内)

この例文では、困難へ立ち向かうことのできた理由を明確に説明しており、高い熱意が伝わります。また、それを乗り越えるために行った努力にも具体性が持たせられているため、採用担当者に想像してもらいやすくなっています。

仕事では困難にぶつかることも多いため、粘り強く努力を続けられる人材は高く評価されます。努力のモチベーションと具体例を同時に示すことで、粘り強さに説得力を持たせましょう。

リーダー経験をアピールする例文

例文

私は大学3年生のときに、バスケットボール部の新歓リーダーとして部員を増やすために尽力しました。当時、部員は10人と少なく、廃部の危機に面していました。そこで、私が中心となって、たくさんの新入生が入部してくれるよう、春の勧誘活動に力を入れました。チラシ配りや部活動説明会の他に、SNSでの誘致に力を入れました。SNSのつぶやきやプロフィールに大学のハッシュタグをつけている学生をフォローして、ダイレクトメッセージで、バスケットボール部に入部するメリットや見学会、新歓のスケジュールなどを紹介しました。その結果、前年の入部者が5人だったのに対し、18人にまで入部者を増やすことに成功。部活の存続を成し遂げただけでなく、高い効率で練習ができるようになったため、チームの強化にも繋がりました。この経験から、リーダーシップを発揮して、自他共に積極的な行動を起こすことの重要性を学びました。(400字以内)

部活での役職と聞くと部長・副部長を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、新歓リーダーやトレーニングリーダーなど、一時的な役職であっても、ガクチカのテーマとして使うことができます。

この例文では、新歓リーダーとしての活躍が良く伝わるエピソードが用いられています。取り組みの具体的な内容や、入部者数の増加をわかりやすく示したことで、状況が理解しやすい点が印象的です。

ただし、リーダーシップをアピールするガクチカとしては、他の部員との協力や協調を示すエピソードがやや不足気味です。チームで動いたことをもっと詳細に伝えられると、リーダーシップの説得力が向上します。

役職なしでもアピールへ繋げている例文

例文

私は大学の軽音楽部に所属し、バンド活動を通じて協調性と自主性を培いました。部内では役職には就いていませんでしたが、メンバー間の連携を深めるために積極的に動き、バンド全体の成長に貢献しました。例えば、練習の効率化やスケジュール管理の円滑化のため、メンバー間の意見を調整し、練習計画を自主的に提案。週ごとに重点的に取り組む課題を決めることで、限られた時間の中でも効率的にスキルアップできる環境を整えました。結果として、部内の年間ライブでは例年以上に完成度の高い演奏を披露し、多くの観客に好評をいただきました。この経験から、私はチームの中で主体的に動き、状況を整理して最適な提案をする力を身につけました。今後も周囲の状況を把握しながら、チームメンバー同士を繋ぎ、成果を最大化できるように行動していきます。(350字以内)

役職がなかった場合でも、部活経験のアピールは可能です。例文では高い自主性を発揮した取り組みを挙げ、部活全体へ貢献したことを明確に示しています。

メンバー間の調整は、リーダーよりもメンバー自身の方が行いやすく、成果として挙げやすい経験です。練習効率や本番でのパフォーマンス向上に繋がっていると、より印象的なアピールになります。

ただし、メンバーとしての取り組みは数値的な成果に欠ける場合も多いため、取り組み内容を詳細に書くように意識すると良いでしょう。

部活を題材にするガクチカでよくある疑問

文化部の経験でもアピールしていい?

大学の部活動の多くは体育会系ですが、文化部の経験でもガクチカとして問題なくアピールできます。

企業がガクチカで見ているのは、自主性や課題解決力など、その人自身の強みです。どのような部活であっても、強みが発揮される場面は必ずあります。

文化部では自分一人でじっくりと取り組まなければならないことも多いため、継続力や忍耐力のアピールとしてうってつけです。

高校時代の部活のエピソードは使える?

高校時代の部活で、目立った実績を残した場合には、エピソードの一部として使うことができます。県大会の上位入賞や、全国大会出場などはガクチカとしてもインパクトのある実績になります。

ただし、全てのエピソードが高校時代のものだと、大学在学中の学びが感じられません。あくまで本題は大学の部活として、その導入や動機として高校時代の実績を挙げるまでに留めましょう。

目立った実績が無くても問題ない?

ガクチカで挙げる部活経験では、実績の強さはそれほど重視されません。結果を出せることは大切ですが、それ以上に過程の具体性が重視されます。

特に、他の部員との関わり方や、貢献するための取り組みなどからは、応募者の性格が読み取れます。組織を円滑に動かすために行動できる人材は、会社でも活躍が見込めると判断されるでしょう。

部活を題材にしたガクチカを書く上での注意点

起こった出来事をそのまま羅列しない

ガクチカを書く際は、行ってきたことや起きた出来事をそのまま並べて書くだけで終わらないように注意しましょう。自分の強みやスキルのアピールに繋がらず、印象の薄いガクチカになってしまいます。

複数の取り組みや成果を組み込みたい場合は、それぞれ工夫した点を同時に述べるようにしましょう。出来事を並べた後で工夫した点を説明しても、何の取り組みに対する説明なのかがわかりにくくなります。

専門用語はなるべく使わない

部活ではルールや練習方法などで専門用語がよく用いられますが、ガクチカでは専門用語の使用は避けるべきです。採用担当者に意味が伝わりにくいことに加え、仮に用語の説明を入れたとしても、それはアピールには繋がらない無駄な文章になってしまいます。

エピソードの説明として専門用語を使わざるを得ない場合には、なるべくわかりやすい言葉に置き換える工夫をしましょう。

企業でも活かせる強みになっているかを確認する

部活での経験を通して身につけた強みが、企業でも活用できるものになっているかを確認しましょう。企業で活かすイメージができない能力は、採用担当者の印象に残りません。

例えば、営業職であれば「目標達成に向けた努力」や「コミュニケーション能力」が活かせる強みになります。一方でIT系であれば「忍耐力」や「ストレス耐性」が重視されるでしょう。

実際に企業で働くイメージを持って、特に活かせそうな強みを選ぶことも大切です。

結果は正直に書く

ガクチカでは、結果を正直に書くことが重要です。結果を盛ったり誇張したりすると、採用担当者は必ず違和感を覚え、疑われてしまいます。

結果が悪かった場合でも、そこから何を学んだのかを明確に書けばアピールになります。

どのような強みやスキルを身につけたのかを正直に伝えることで、結果に関わらず自分のポテンシャルを評価してもらえるでしょう。

ガクチカで自信を持って部活経験をアピールしよう!

部活経験はガクチカにうってつけのテーマです。自分の強みや人柄を、自信を持ってアピールできます。

その際には、部活で貢献したことや成果を出すための行動を具体的に書き、培った能力に説得力を持たせましょう。

能力を効果的にアピールするには、部活経験を振り返り、アピールできる自分の強みをしっかり理解することが重要です。その中から、応募企業で特に活かせそうなものを選び、ガクチカの主軸にすることがおすすめです。

【例文3選】教育業界の志望動機の書き方講座|ポイントや注意点を解説

教育業界は、文字通り「教える」ことに関わる業界です。主には子どもを対象にした学校予備校などを指します。ただ、昨今は大人向けのカルチャースクールも発展しており、教える対象は子どもだけに留まりません。既存の学習塾の多くも、保護者の教育熱の高まりもあり、今、教育業界全体は活気づいていると言ってよいでしょう。

反面、教師の労働条件や教育現場の状況を見て、ネガティブなイメージを抱いている人が多いことも事実です。ほかにも、大学入試改革に伴う指導要領の改訂や少子化問題など対応しなければならない課題は山積みです。

この記事では、教育業界を目指す人に向けて業界を紹介するとともに、志望動機の書き方を解説していきます。

教育業界の3分野

学校教育の分野

1つ目は、教育業界の主体とも言える学校教育です。保育園や幼稚園から大学までのいわゆる公教育を行う機関を指します。

ここで就労するためには、各機関に応じた専門の免許が求められます。各学校は勿論ですが、保育所は保育士免許、幼稚園は幼稚園教諭免許が必要です。昨今、嫌な話題が続いているのは事実ですが、やはり学校教育の分野を抜きにして、日本の教育は成り立ちません。それほどまでに重要な分野です。

各学校は大きく私立公立に分けられます。公立学校の教師は県や市町村の公務員という扱いですが、私立学校の場合は、その学校を運営する学校法人の従業員になるため雇用保険や待遇面で違いがあります。

採用方法や採用時期は、私立公立だけではなく各自治体においても違いがあるため、必ず募集要項を確認するようにしましょう。

民間教育の分野

代表的な企業
  • 河合塾
  • 明光義塾
  • 家庭教師のトライ
  • ヒューマンアカデミー など

2つ目が、民間教育、つまり塾や予備校、家庭教師などの分野です。また、この分野には大人向けのカルチャースクールを運営している企業も含まれます。教育の主な対象は小学生から高校生までの就学している児童・生徒です。

しかし、少子化の問題もあり、どの塾も生徒集めに苦慮しています。そこで、学習塾経営で得たノウハウを活かし、大人向けの英会話教室を開校したり、留学生向けの日本語教育の場を提供するなど、多面的な経営をする企業が増えつつあります。

子どもが一定数いる限りはなくならない学校教育とは異なり、現在の民間教育はどんな企業でも倒産の可能性はなくなりません。特に、上記のような全国展開する企業におされて、地方の個人塾の多くは苦戦しています。どの企業も生き残るために、他の企業と差別化できる点を探し続けています。この差別化が企業の求める人材にも現れるため、志望する企業の状況については、必ず確認しておきましょう。

教育を支える分野

代表的な企業
  • 啓林館
  • 東京書籍
  • ベネッセ
  • リクルート など

3つ目が、教育を支える分野です。学校や塾での指導内容は、文部科学省からの指導要領によって規定され、その指導内容は教科書やワークという形で学校や塾に提供されます。教育を支える分野には、まず教科書やワークを作る出版社が含まれます。

また、教育に関する研究機関も、この分野に属します。多くは教育学部を持つ大学に併設されていますが、ベネッセや公文のようにグループ傘下に独自の研究機関を持つ企業も少なくありません。そのほか、リクルートのように子どもに向けた学習アプリやソフトを開発する企業も多く存在しています。

なお、この記事では、主に民間教育の分野、塾講師予備校で働くことを目指す人に向けて解説しています。

教育業界の職種

教育業界というと教員免許の有無が合否に関係するように感じますが、免許は必須ではありません。ただし、免許があれば、教育に関わるある程度のスキルを持っていることの証明にはなります。

講師

主に子どもに対して指導を行い、成績アップや志望校合格へと導くことが求められます。指導の他にも、生徒や保護者との面談なども業務の一環です。その業務内容は、一般に想像される「学校の先生」と、それほど大きく変わりません。

ただ、学校の先生に比べると非常にシビアな世界です。講師の評価基準は主に生徒からのアンケートや成績の上昇率などがありますが、これらが低い講師は容赦なく左遷や解雇処分が下されます。特に、大学受験予備校は生徒を志望校に合格させることが仕事です。合格に導けない実力では、生き残ることは難しいでしょう。

サポートスタッフ

講師の授業が円滑に行えるように、例えば授業で使うプリントの作成や印刷などを行います。大規模な企業であれば、出版部や編集部という形で独立した部署となっていることもあります。

塾の授業を野菜に置き換えるならば、講師は農家であり、サポートスタッフは農家の使う肥料や機材を作る会社と言えます。

講師のように厳しい評価基準はありませんが、校舎の規模が大きいほど生徒や講師の数も増えるため、当然負担は大きくなります。休む時間が取りにくいため、塾の職種のなかでは最も激務になる可能性があることには十分に注意しましょう。

事務・営業職

塾にも一般的な会社と同じく事務営業職が存在します。少ない生徒数を多くの塾で分け合うため、営業の存在をどの塾も非常に重視しています。また、昨今はWeb経由での問い合わせも増えており、ホームページの作成なども手がける部署です。

ほかにも、生徒の管理や請求書の送付などを手がける事務職も存在します。これらの職種は、生徒や保護者と接する機会がないため、業界を外から見たときに分かりにくい存在です。しかし、円滑な授業運営のためには欠かせません。

ただ、人数の少ない小規模な塾では、上記の職種を全て1人の先生が担当していることも少なくありません。職務内容によっては、主軸であるはずの講師業務が疎かになってしまうことも十分に考えられます。純粋な講師業務を求めている場合、ほかの業務がどの程度まで許容できるのかは、会社を選ぶときの重要な基準になります。

教育業界の現状と将来性

少子化への対応は待ったなしの課題

教育業界において最大の課題は、少子化への対応です。どれほどよい商品を用意しようとも、どれだけ先進的なサービスを提供しようとも、そもそも顧客がいなければ商売になりません。少子化は教育業界の顧客の減少と同義です。そのため、各社はそれぞれ独自路線を打ち出して、生き残ろうと必至です。

例えば、入塾年齢を引き下げ、卒業年齢を引き上げて生徒1人を長く定着させる施策を取る企業もあります。少子化は根深い課題であり、どこの企業も対応に苦慮しています。

ただ、これをビジネスチャンスと捉える企業も数多くあります。子どもが少なくなっても、親が子どもに期待することは変わりません。勉強ではなく習字や絵画などを教えるカルチャースクールの展開や、座学から離れて自然体験や社会見学を行う企業というのも出始めています。従来の「勉強」という枠組みに捉われないことが、教育業界から少子化に対する1つの回答と言えるでしょう。

制度変更にどこまで対応できるか

多くの企業は、日本や世界の社会情勢を見ています。ただ、教育業界が影響を受ける指導要領の改定はおよそ10年に1度と頻度が非常に少ないことが特徴です。

その分、変化は非常に劇的です。自分が子どものときには全く学習していない科目や内容が、次々と出てくるため、この変化についていかなければなりません。

新しいビジネスチャンスであると同時に、対応しきれなければ自社が深刻なダメージを受けることになります。

働き方改革で仕事は大きく様変わりするか

SNSを見ていると、現役の教員や講師と思われるアカウントの悲痛な叫びを目にします。確かに、子どもたちの未来を作るという教育業界は、やりがいのある仕事です。しかし、労働であり給与を受け取る以上、やりがいの一点だけに絞った仕事では、いずれ破綻することは目に見えています。

昨今叫ばれている働き方改革も、教育業界は業務の特性上、業界全体が置いてけぼりにされている印象が否めません。だからこそ、そのなかで改善に取り組む先進的な企業は高く評価され、生徒数を増やしています。

教育業界に求められる人物像

「教えることが好き」がスタートライン

教育業界は他人とのコミュニケーションが非常に活発な業界です。同僚や他社とのやり取りは勿論ですが、顧客とは長い時間を共にするため、相手と関わることが苦になるようでは、教育業界には向いていません。

また、やりがいを重視する業界であるため、まずは他人に対して「教えることが好き」ということが最初の第一歩です。

授業を磨き続ける向上心

教育業界の特異性として、「サービスの受益者と支払う人間が違う」ことが挙げられます。授業を受けるのは子どもですが、お金を支払うのは子どもの保護者です。つまり、子どもだけではなく、保護者も納得させられる商品の質が求められます。

全員を納得させる授業を提供し続けるのは、非常に困難です。講師は教える「技術職」でもあるため、自分の授業の腕前を磨くことや、関連する知識を吸収し続ける向上心は、必ず求められます。

流行を追い続ける情報収集能力

子どもを相手にする場合、相手は10歳近く年が離れています。それだけ離れていれば、物事への感じ方や好きなことも異なって当然です。

子どもの好きなこと、流行っていることを知ることは、このギャップを埋める上で非常に重要になります。話のきっかけづくりになるだけではなく、実際に教える上でも注意すべきところが見えるようになります。

人を導くコーチング能力

塾や予備校の講師の多くは「答えを言わない」先生です。この点が、学校教育とは明確に異なります。学校の授業は最後に教員が正解を告げる「ティーチング」であることが一般的です。全員を規定の水準に引き上げることが求められる学校教育では、分からなかった生徒を出すことはご法度です。

そのためにも、全員を正しい方向へと案内するティーチングが有効に働きます。また、最後に答えを示すことは、全員が納得して授業を終えるためにも欠かせません。

これに対して、塾は言ってしまえば全員を同水準にする必要は全くありません。生徒の目的も方向性も別々なため、同水準にしようとすることは非常に困難です。そのため、講師側が答えを明示しないことで、相手に考える力を付けさせる「コーチング」が求められます。

相手の分からない点を明確に掴み、それに対する適切な課題を提供するコーチング能力は、相手に対する観察力や状況把握能力が重要です。

教育業界の志望動機を作るときのポイント

学校教育に向けた志望動機では通用しない

教育業界の志望動機として、最も重要なことは学校教育に関する分野、つまり教員を目指す志望動機と、それ以外の分野の志望動機を必ず分けることです。

同じ教育業界の分野であっても、学校教育とそれ以外の分野では大きな隔たりがあります。この隔たりを理解した上で志望動機を考えましょう。

「子どもの成長が見たい」では不十分

教育業界を就職先に選ぶときに「教えることが好き」「人が成長する手助けをしたい」という理由は、確かに立派な理由です。しかし、公益性が求められる学校教育とは異なり、あくまでも塾や予備校、出版社は民間企業です。どれだけ高尚な教育に関する理念があったとしても、自社の利益追求が根底にあることは忘れてはいけません。

また、昨今の民間教育は顧客が限られている子どもへの教育から、大人向けの生涯学習へとシフトしている企業も多々あります。対象が子どもばかりとは限らないため、「子ども」ばかりを前面に押し出した志望動機は、企業によっては敬遠される可能性があります。

「企業」に対して何ができるかを求めている

民間企業に勤める以上、子どもだけではなく「企業」に対しても何ができるかを志望動機には加えなくてはなりません。自分を雇うことが企業にとって、どんなメリットがあるのかを考えてみましょう。

もし「企業」に対してというのが難しいようであれば、もう少し広く対象をとって「社会」に対してでも問題ありません。あるいは、徹頭徹尾「自分」について語ることも選択肢です。子どもだけを見た志望動機では、結局「なら学校の先生になればいい」となってしまいます。自分の志望動機の根本を揺るがすため、注意しましょう。

「誰を」相手にする教育をしたいかがスタートライン

具体的に誰に対するに携わりたいかに関しても内容に含めましょう。さらに、自分が「何故その対象を選んだのか」の理由も考えます。

ただ、ここで「教育に寄与したい」「合格の手助けをしたい」などの理由だけでは、やはり「誰でもよい」という印象が拭えず、企業としても納得できません。そう感じるようになったエピソードなどを交えて伝えることで、説得力を持たせるようにしましょう。

企業の独自性は必ず把握しておく

一口に塾と言っても、多くの企業が乱立している状況です。塾はかなり参入障壁が低い業界であるため、大都市に行けば塾の教室が隣り合っている光景も珍しくありません。そのような状態なので、企業はそれぞれ「独自性」を打ち出して顧客獲得を狙っています。

例えば、同じ大学受験予備校であっても、代々木ゼミナールは小中学生向けの塾も展開し、小さいころからの一貫した教育を展開しているのに対し、東進ハイスクールや河合塾は、徹底して大学受験に狙いを絞っています。また、地方の塾では地元の高校入試に最適化された授業を展開しています。授業や経営方針が異なると、当然入塾する生徒層も異なるため、自分の経験や知識が活かせない可能性があります。

トレンドを押さえて独自性を魅せる

教育業界への志望動機は「教える」ことが中核になるため、どうしても志望者ごとの差があまり生まれません。似たり寄ったりの内容では、志望者独自の要素を企業側にアピールできず、印象に残りにくいため、書類審査の段階から先へ進めなくなります。

志望動機には、志望者ならではの独自性を盛り込むことが重要です。例えば、自身の強みを活かした志望動機にすることも、一考の価値があります。ITに強いなら、そのIT技術を使って遠方の生徒に向けた授業を展開したり、保護者との連絡に使えたりするかもしれません。

他にも、少子化や大学受験改革などの社会的な動きに対して、求められる指導者の姿も変化します。この変化にどう対応するのか、志望動機では自分なりの答えをつづりましょう。

「教える」ことで何をしたいのかを明確にする

社会の変化とともに求められる指導者の姿は変化します。かつては厳格で徹底した指導を行う教育者が求められていましたが、近年は学生の権利意識も高まり、そのような先生は敬遠される傾向にあります。しかし、教育の最大の目的は「社会と未来を作る」ことにあります。これだけは、分野が違っても、時代が違っても、教育業界にいる人間の根底にあり続けるものです。

塾や予備校に行かずとも自宅で保護者が教えたり、社会人なら独学で勉強することも難しくないでしょう。それでも教育業界が存在し続けるのは、教育を通じた「何か」を社会に、そして未来に提供し続けているからに他なりません。

そのため、志望動機にも「教える」ことを超えた先にある自分がしたいことを明確にしておきましょう。

凝り固まった意見や考えはなるべく避ける

子どもたちに近い距離で接する身として、柔軟性のある姿勢が大切になります。「先生」としての自分の発言を、子どもたちは信じてついていくことになります。色々な価値観を持つ子どもたちを尊重し、真っ向から否定するようなことはするべきではありません。多様な子どもに対応して柔軟に対応できることをアピールしましょう。

子どもたちは大人の言動から想像以上に影響を受けているため、子どもたちの模範となることを常に心がけましょう。

また、新技術の開発や研究の結果、教えることが自分が学んだ時とは変わっていることは十分に考えられます。教えることを生業とする以上、この変化には付いていかなければなりません。あまり古い意見や考え方をしていると、企業から「勉強する意思に欠ける」という判断を下されてしまいます。

教育業界の志望動機の書き方

➀教育業界を目指す理由

現在、活躍されている塾や予備校講師の前歴や経歴を見ていると、決して教育学部の出身者ばかりではありません。むしろ、そちらは少数派とさえ言えます。それでも長年に渡り活躍されているのは、自身の強みを正しく把握し、業界に入ってからも徹底的に磨いた結果でしょう。

教育業界は、何が強みとして役立つか分からない業界です。単純な学校教育に関する知識があることは勿論ですが、しゃべりが上手い、絵が上手いなど一見教育とは関係ないように見えることでも役に立つことがあります。

逆に、自分が強みだと思っているものが、企業目線では一切通じないこともありえます。自分のスキルや経験がどのように教育に活かせるのかを考えてみましょう。

➁教育業界の中でもその企業を志望する理由

企業研究を欠かさず、独自の要素を活かした志望動機を書くようにしましょう。志望企業の強みや事業形態から独自性を出すことができるでしょう。これにより、企業と応募者のマッチ度を測ることができます。

その企業が何を重視し、どのような考えで事業を行っているかを明確に把握し、自分の共感をうまく志望動機に落とし込むのがコツです。

➂教育を通じた自分の将来像

相手に教えることだけを志望動機にしては、動機としては非常に弱いものになります。教育自体は学校でも家庭でも行われており、独学で学ぶ人も少なくありません。そのため、教育業界を志望するにあたって真に求められる内容は、「教育を通じて成し遂げたい」ことです。

これ自体は、教育業界のどの分野であっても変わりません。社会の変化や発展など、教えることでどんな影響を生徒や社会に与えたいのかを志望動機には盛り込みましょう。

ただ「自分が英語を教えることで、教え子たちに世界で活躍する人材になってほしい」というような人に期待する志望動機は、社会に与える影響としては不十分です。もっと主体的に「自分が英語を教えることで、さらに日本の英語教育を発展させる」というような、自分の人柄までアピールできる内容を書きましょう。

教育業界を目指す志望動機の例文

大学時代の経験を活かす志望動機 

例文

私は、大学時代、塾講師のアルバイトをしていました。そのなかで時折生徒から貰える「成績が上がった」という子どもの成長にやりがいを感じ、教育業界を志望しました。業界のなかでも貴社は、「すべては生徒一人ひとりのため」という理念のもと、授業や各種サービスを展開しておられます。子どもにも「得意な子」「苦手な子」がいて、一人ひとり適した授業が違っています。私も授業のなかで、彼らに対する最適な授業を常に模索し続けていました。

入社後も、塾講師のアルバイトの経験を活かして、より生徒一人ひとりに適した教育を心がけ、生徒の能力の向上に努めたいと考えています。また、貴社の教育理念を社会へと広げ、教育を通じて貴社と社会の発展に貢献していきたいと考えています。(350字以内)

大学時代のアルバイトに塾講師や家庭教師を選んだ人も多いのではないでしょうか。アルバイトでも業界の一端に触れた経験があるのであれば、志望動機に活かしましょう。実際に自分がどんな授業をしたのか、どんなことに苦労したのか。可能であれば、その指導の結果として実績も書いてみましょう。採用担当も興味を惹かれるはずです。

また、自分の教育理念と企業の教育理念が一致していることは重要です。極端なことを言えば、名門校合格を掲げる塾に対して、「分からない子もできるまで」という教育理念を持って入社すると、働き始めからのギャップに圧し潰されてしまいます。ミスマッチ防止のためにも企業の教育理念は必ず確認しましょう。

民間教育の重要性を説く志望動機

例文

私は、今後は学校以外の教育サービスを充実させることが、これからの社会には必要だと考えています。私は大学4年生のときに教育実習を母校で行いましたが、現代は既に塾や通信教育などで先の学習をしている生徒がほとんどでした。その経験から、全員に合わせた授業を展開する学校教育では、「より先を」希望する子どもの期待に応えられないのではと思うようになりました。

貴社は子どもを学年で区切らず、段階別に分けた授業を行っています。このように生徒の理解度や希望に合わせて授業を柔軟に変更できる点に魅力を感じました。貴社であれば、より先を希望する生徒の期待に応えられると確信しています。入社後は私も通われている生徒や保護者の期待に応え、貴社の発展に尽くしたいと思います。(350字以内)

教育業界の志望動機において、学校教育と民間教育の差別化は重要なポイントと言えます。ありきたりな理由では、企業としても「なら学校の先生に」となってしまい、志望動機として成立しません。

この志望動機では、学校教育の弱点にフォーカスし、民間教育ならば、その弱点の解決につながるとしています。また、志望先がそのニーズに対応した企業であるため、特定企業を選んだ理由にスムーズにつなげられます。

ただし、何かの弱点を突く志望動機は、採用担当によっては「悪いところしか見ていない」と思われてしまいます。あくまでも教育業界は学校教育が主軸です。主軸をないがしろにするようでは、業界全体への熱意を疑われてしまいます。

企業に対する熱意を全面にした志望動機

例文

私が教育業界に興味をもったきっかけは、貴社で活躍されている〇〇先生に教わったことが始まりです。大学入学後、改めて〇〇先生の著書を拝読させて頂くなかで、卒業後の進路として教育業界、そして、貴社を志望したいと考えるようになりました。

私は、貴社のようなレベルの高い教育サービスの提供が、今後グローバルに活躍出来る人材を育てるためには欠かせないと思っています。英語は勿論ですが、貴社はそれ以外の外国語や科目の指導も、全てが高いレベルで行われています。

私は大学時代にアメリカや中国、ヨーロッパ各国に留学し、それぞれの言葉をネイティブレベルで話すことができます。貴社では言葉のプロとして様々な授業を担当し、生徒を高いレベルへと引き上げ、さらに社会を発展させていきたいと考えています。(350字以内)

業界に興味を持つきっかけは、何でも大丈夫です。誰かへの憧れも志望動機としては十分な理由になります。この志望動機では、その憧れを話すことで、自分の経験から業界に興味を持ったきっかけ、そして、特定の企業を選ぶ理由までを一貫したものにしています。ブレがないため企業としても採用後の働きに期待が持てます。

ただ、企業に所属する個人に向けた熱意に絞るのは禁物です。相手への依存が強く、もしその人がいなくなった場合、「辞めてしまうのでは」という疑いを持たれてしまいます。あくまでも興味を持つ対象は企業にし、個人に対する熱意はきっかけ程度に留めておきましょう。

自分らしい志望動機を作ろう!

教育業界がほかの業界と大きく異なるのは、人の将来に関係する点です。教えたことがすぐに身につく人はなかなかいません。教えてから数週間、数か月、もしかしたら何年も経ってから開花することもあります。

そのため、目に見えた成果が現れない仕事も少なくありません。それでも、人の将来をよりよい方向へ導くことは、やりがいのある仕事です。

自分が教育にかける熱意を上手に志望動機へと昇華させてみましょう。

銀行業界の志望動機の書き方|ポイントと注意点を徹底解説【例文あり】

銀行業界は、多くの新卒就職者が殺到する人気の業界の1つです。毎年多くの新卒者がエントリーしており、各種ある業界のなかでも高い順位につけています。

この記事では、銀行業界への就職を目指す人のために、銀行業界の現状を解説するとともに、志望動機の書き方を解説していきます。志望先ごとの例文もあわせて紹介しますので、こちらを参考にして完成度の高い志望動機を作成しましょう。

銀行員の職種

総合職

総合職では営業や事務、本部業務など幅広いスキルを求められる職務に携わります。一般職よりも収入が高い傾向にありますが、その分異動や転勤も多いのが特徴です。

営業では個人だけでなく、特定の企業の重役を相手にやり取りをしなければならない場面もあるため、通常の営業職と比べても強い責任感が求められる職種となっています。

また、本部業務では高い専門性が求められるため、在学中に関連する研究に携わっていた人などには有利といえます。

一般職

一般職は、通常の銀行で見かける職員全般を指します。大きく分けて窓口業務と後方事務の2種があり、後方事務が窓口業務のサポートをするという形で業務が行われています。

窓口業務は、銀行の窓口で入出金や口座開設など様々な用件を承るのが主な業務です。幅広い客層を相手にしなければならないため、コミュニケーション能力や機転、愛想のよさも求められます。

後方事務では、窓口で請け負った用件に対応するため、実際に入出金や手続きなどを行う役割を持っています。基本的に事務に専念し、間違いのないように業務を遂行することが求められるため、接客や電話対応などは行いません。

銀行の実態

銀行の3つの業務

銀行は、証券会社や保険会社などと一緒に金融業界の一角をなす企業です。規模や扱う制度の違いはありますが、基本的には「お金のあるところからお金のないところへお金を融通する」ことが主な仕事です。まずは、銀行の業務である「金融」について解説します。

預金業務

1つ目が、預金業務です。いくつかある銀行の業務のなかでも、1番想像しやすい業務ではないでしょうか。企業や個人からお金を預かり、それを管理する業務です。

銀行を介した金融において、「お金があるところ」とは預金者を指します。そのため、お金を預けてもらわなければ銀行は仕事ができません。

預けてもらうメリットを作るために、普通預金定額預金など口座を作る特典を用意したり、手数料を引き下げたり、と多くの銀行が知恵を絞っています。

融資業務

2つ目が、融資業務です。貸付業務とも呼ばれ、預金業務で預かったお金を必要としている人へと融資します。住宅ローンや学資ローンなどの各種ローンはすべて銀行の融資業務の一環です。

勿論、貸したお金をそのまま返してもらったのでは、銀行の利益はでません。返すときに利息を取ることで、銀行は利益を得ています。こちらもまた、借りてもらわなければ利益がでないため、個人向けにも多くの商品が開発されています。

為替業務

3つ目が、為替業務です。為替というと外国通貨と日本国通貨の交換をイメージしますが、まさにその通りです。銀行には代表的な諸外国の通貨が準備されており、海外に行く日本人、もしくは日本に来た外国人と通貨の交換を行います。

このほか、公共料金などの銀行口座からの引き落としや、給与の振り込み受付など、お金を動かす業務全般を指して為替と呼びます。銀行は、この為替を一手に担う存在です。

銀行の8つの種類

日本各地に存在する銀行は、成り立ちや取引規模、取り扱う金融商品によって、大きく8つの種類に分類することができます。ここでは、代表的な銀行とともにその8種類を紹介します。

メガバンク

代表企業
  • みずほ銀行
  • 三井住友銀行
  • 三菱UFJ銀行

1つ目が、メガバンクです。主に東京や大阪などの都市部を中心に全国展開しており、多くの取引先と抱えている規模の大きな銀行です。個人客だけではなく、大手企業もこれらの銀行に口座を用意し取引に利用しています。

また、みずほ銀行のみずほフィナンシャルグループに代表されるように、それぞれが上記の3銀行を中心とした巨大な金融グループ企業の中核になっている点も特徴です。かつては、ここにりそな銀行も加え、都市銀行と呼ばれていました。

ただ、日本において、メガバンクとその他の銀行とに明確な判別基準はありません。一般的には、「1)バブル崩壊後におきた都市銀行の経営統合により発足した銀行」「、2)中核になる銀行は旧財閥系などの古い歴史を持つ銀行」、とされています。その点において、成り立ちの異なるゆうちょ銀行や、再編に参加しなかった三井住友信託銀行はメガバンクとして扱われていません。

地方銀行

代表企業
  • 東北銀行(仙台)
  • 千葉銀行(千葉)
  • 京都銀行(京都)など

2つ目が地方銀行です。定義としては、全国地方銀行協会に所属する銀行と、第二地方銀行協会に所属する銀行を指します。基本的に本社を置く都道府県内を中心として展開しているため、出店範囲は狭く知名度も全国的とは言えません。

しかし、上記の協会の加盟銀行の大多数は、所在の県における最大規模の金融機関として利用されており、地域に強く密着した銀行と言えます。県内の主要企業の最大の融資担当を担うほか、地域開発や投資を行うなど地域経済に大きな影響力を持っています。

ただ、地方銀行は二極化が激しい企業でもあります。事業拡大を狙って隣県や海外に出店できる銀行がある一方で、経営統合を進めて生き残りを図る銀行も存在します。

参考:地方銀行一覧|一般社団法人全国地方銀行協会 (chiginkyo.or.jp)

加盟地方銀行一覧|一般社団法人第二地方銀行協会 (dainichiginkyo.or.jp)

信用金庫・信用協同組合

代表企業
  • 京都中央信用金庫(京都)
  • 城南信用金庫(東京)など

銀行は株式会社であり、基本的には自社と株主の利益追求を目的として、日々活動を続けています。しかし、3つ目に紹介する信用金庫(以下、信金)と信用協同組合(以下、信組)は、株式会社ではありません。それぞれ「信用金庫法」「中小企業協同組合法」によって、地域の中小企業が共同して出資し合った相互扶助のシステムが信金と信組です。

そのため、信金と信組は利益の追求よりも、地域の発展や出資した組合員である企業の扶助に主眼を置いています。一方で業務内容については、預金や融資、為替などほかの銀行とそれほど大きな違いはありません。

信託銀行

代表企業
  • 三井住友信託銀行
  • 三菱UFJ信託銀行

4つ目が、信託銀行です。基本的な業務内容は、ほかの銀行と同様に預金・融資・為替の3つを行っています。ただ、信託銀行は3つの業務に加えて、個人や企業の資産運用を代行する信託業務と、遺言書の管理や不動産売買を仲介する併営業務の2つを行っています。銀行によっては、通常の銀行業務を行わず後者の2つがほとんどという場合もあります。

基本的に、銀行の利益は返済時の利息と取引時の手数料です。しかし、信託銀行は資産運用を行うため、株式の売却益や為替相場の変動による差益などによる収益があります。個人よりは法人に向けたサービスが多いため、銀行としての機能は既存の銀行の方が優れていると言えます。

インターネットバンキング

代表企業
  • 楽天銀行
  • PayPay銀行
  • SBIネット銀行

5つ目が、近年急速に規模を拡大しているインターネットバンキングです。これらの企業の特徴として、ほかの銀行とは異なり実際の店舗を持たないことが挙げられます。口座開設の申し込みから手続きまでを、全てネット上で行える手軽さも預ける側にとっては、利点と言えるでしょう。

特に楽天銀行は、グループ会社との連携の基軸に位置づけられており、日々のネットショッピングや、カード、証券への支払いにも利用できるため、急速に申し込み者が増えています。また、ネットの発達により新機軸のサービス展開を行っていることも特徴です。口座アプリのリリースやタッチ決済のPaypayはその最たる例と言えます。

外資系投資銀行

代表企業
  • ゴールドマンサックス
  • バークレイズ など

6つ目が外資系投資銀行(以下、外銀)です。外銀の業務は、M&Aの仲介や、債権・株式などの証券の引き受けと、業務内容は証券会社とほとんど変わりません。銀行ではありますが、預金などは引き受けず、証券を通じた企業の資金調達の手伝いを行っています。

高年収であり安定した人気を誇る外銀ですが、どの企業も非常に内定までは厳しい競争に勝ち抜かなければなりません。業界への理解は勿論のこと、景気動向を判断する広い視野情報収集能力、そして、英語力も必要になるため、万全の対策が求められます。また、行内の部門ごとに採用が行われるため、採用情報は注意しておきましょう。

中央銀行

代表企業

日本銀行

7つ目は、国家の経済安定を担う中央銀行です。日本の場合は、日本銀行一行のみを指します。国家の金融の中心であるため、中央銀行は「発券銀行」「銀行の銀行」「政府の銀行」という3つの役割を持つ、ほかの金融機関とは全く異なる性質の銀行です。

例えば、紙幣である日本銀行券の発行は、日本銀行が全て行っています。また、各種の反則金や税金の受け付けなど、政府のお金の管理も業務の一環です。

なお、日本銀行は財務省が所轄していますが、行政府からは独立した一法人です。そのため、行員の扱いは国家公務員にはならず、採用も公務員の採用とは別枠で日本銀行独自で行っています。

参考:日本銀行 | 採用2024 | 採用情報 : 日本銀行 Bank of Japan (boj.or.jp)

付帯する銀行

代表企業
  • ゆうちょ銀行
  • セブン銀行
  • auじぶん銀行
  • JAバンク

8つ目は、銀行業界のなかでも非常に特殊な部類の銀行です。これらの銀行は本業とするべき業務を行う企業と連携して、その業務を円滑に進めるために金融取引を行っている企業です。

実店舗は置かれず、ゆうちょ銀行は郵便局、セブン銀行はセブイレブンのATMでサービスが提供されています。そのため、ここで紹介した銀行を利用する上で、これらの企業に勤めている人はまず見かけません。

これらの企業の採用は、一般的にはグループ会社で一括して実施されます。そのため、採用形態によっては、希望通りに銀行業務に従事できるか分かりません。どのような配属やキャリアラインになるのか事前に採用ページを確認しておきましょう。

参考:日本郵政グループ新卒採用ページ| JAPAN POST GROUP RECRUIT

銀行業界の今後の動向

①銀行も安全な就職先ではない

バブル崩壊後、日本国内の銀行は不良債権の回収ができず、急速に体力を失いました。特に、1997年の北海道拓殖銀行、翌98年の日本長期信用銀行日本債券信用銀行の倒産は「銀行も決して安全ではない」という就職先としての「銀行」の神話に終止符を打ったと言えるでしょう。

30年経った現在も、多くの銀行は十分な体力を蓄えているとは言えません。変革性将来性に期待が持てないと、多くの新卒者が回答していることからも明らかです。すでに「一度入行すれば将来安泰」という時代ではないことを肝に銘じておきましょう。

②業界全体で利益は減少傾向にある

銀行の主な収益源は、返済時の利息です。しかし、日本では長らくマイナス金利などの低金利政策が続いており、貸し付けても大きく利息が取れない状態です。また、そもそも借りる人自体が減っていることもあり、返済時の利息で利益を挙げることが難しくなっています。

銀行の利益減少の原因は、不況だけではありません。カード決済やタッチ決済などキャッシュレス化の進行も、銀行にとっては大きな痛手です。単純に現金を使用する機会が減ったため、従来まで見込めていた取引手数料の獲得が難しくなっています。

③地方銀行の統廃合

地方銀行には、さらに少子高齢化による人口減少の問題ものしかかります。利用する母数が減少すれば、その分収益が減るのは当然の事です。そのため、2013年頃から地方銀行は経営統合が盛んに行われています。ほかにも、メガバンク3行の傘下に入る、証券会社や不動産会社との連携を図るなど、各地の銀行は生き残りに必死です。

地方銀行の統合は、どこでも起こりえます。2018年4月のみなと銀行、近畿大阪銀行、アーバン銀行の3行合併のほか、同年10月の第四銀行と北越銀行の合併など、都市圏に近い地方銀行でも合併が進み、グループ会社化しています。これらのグループ化によって、どの銀行も人員削減が進んでいることには注意しておきましょう。

銀行業界を取り巻く現状は、非常に見通しが暗いのは事実です。しかし、銀行業界とて無策ではありません。オンラインの活用やAIの導入などコスト削減策や、企業とのつながりを活用した人材紹介やM&Aの仲介など、新規事業の展開を進めています。また、メガバンクを始め、地方銀行のなかにも海外展開を進めている銀行も存在します。新たな収益源をどこに見出すか、それをいかに確保するかが、今後の銀行業界の課題と言えるでしょう。

銀行業界に求められる人物像

責任感と誠実さは何よりも重要

2006年におきたみずほ銀行の顧客情報流出は、流出にみずほ銀行の行員が関わっていたとして、本人は業務上横領で逮捕、そして支店や銀行全体に対して金融庁からの行政処分が下されました。この事件以後、みずほ銀行は業務改善に関する進捗を発表し続けており、現在も信頼回復に努めています。

銀行員が扱うお金は、お客様から預かったお金です。そこに万が一は許されません。ミスしたときに素直に失敗を認める誠実さ、そもそもミスをしない注意深さは銀行員に何よりも求められる素養です。お金という非常に重いものを扱うからこそ、銀行員には強い責任感がなくてはなりません。

他業界を勉強する学習意欲の高さ

銀行業界は顧客獲得のために、常に新しいサービスを提供し続けています。そのため、新しいサービスの内容を把握することや、政府から発表される金融業界への法令など、採用後も勉強を続けなければなりません。

銀行業界を目指すならば、さらにそれ以外の業界についても勉強しなければなりません。

銀行は預かったお金を企業に貸し出すことで利益を得ています。その相手がどのような存在なのかを知るためには、多様な業界についての知識が必要不可欠です。

特に、貸したお金が返ってこないことは銀行にとって最も避けたい事態です。相手を見て「本当に貸して問題ないのか」を判断するためには、相手企業そのものや所属する業界への深い理解が求められます。

社会情勢を知る高い情報収集能力

過去、総理大臣や財務大臣の何気ない一言で株式市場が乱高下した例がいくつもあるように、経済は政治に強く影響を受けます。特に、グローバル化が進んだ現代では、日本国内にまったく波風が立たなくとも、海外の政治・経済動向に影響を受けることも珍しくありません。国内外で何が起きているのかを把握することは、銀行業界では必須です。

また、情報収集だけではなく、それが結果的に自分の顧客に対してどのような影響があるのかまで推察できるようになると、顧客側からの信頼につながります。特に、顧客の損につながる情報はいち早く察知できるよう常にアンテナを張っておく必要があります。

銀行業界の志望動機を書くときの4つのステップ

1.なぜ「銀行」にこだわるのかを明確にする

まずは「銀行」へのこだわりを明確にしましょう。銀行は金融業界の一部でしかないため、単にお金を扱う仕事がしたいのであれば銀行業界である必要がありません。わざわざ志望するからには、ほかの企業ではできないことがあるはずです。銀行がほかの金融業界の企業と何が異なるのかを理解することが、志望動機作成の第一歩です。

経済に貢献したい、企業の発展の手助けをしたい、という銀行の実務に即した理想でも、やや俗っぽくとも給与面待遇面などの銀行の実情を踏まえたものでも問題ありません。まずは、ほかのどれでもない銀行業界を選ぶ理由を明確にしましょう。

2.誰を相手にした仕事をしたいのかを明確にする

銀行での働き方は大きく3つあります。1つ目は店舗に来たお客様の相手をする窓口業務

2つ目は外で顧客開拓に動く営業業務、そして、3つ目が人事や経理を担当するバックオフィス業務です。このどれかが欠けても銀行の業務は停滞します。

上記の3つのうち、自分がどの部署で働くのかまでイメージできると、志望動機は非常に作りやすくなります。同じ顧客でも個人向けに口座開設の案内をする仕事と、企業相手に融資の提案をするのは別のベクトルです。自分が銀行でしたい仕事を中心に志望動機を練り上げましょう。

ただ、昨今、多くの銀行では窓口担当と営業担当の垣根が薄くなっています。そのため、エンジニアなどの専門的な知識が求められる職種以外は、基本的に総合職としての採用です。事前に採用形式の確認は怠らないようにしましょう。

3.「その銀行でなければならない」理由を明らかにする

一口に銀行といっても、メガバンクから信用金庫まで、扱う金額も経営展開する範囲も全く異なる銀行が無数に存在します。このなかから1行を選ぶのであれば、そこには「その銀行でなければならない」理由が必ず存在するはずです。

例えば「海外で働きたいから海外に支社がある外銀」や、「地元の経済に貢献したいから出身地の地方銀行」など、同じ種類の銀行でも、その銀行にした理由を考えてみましょう。

選んだ理由は、採用担当が最も知りたい部分です。将来性や仕事内容のほか、その銀行だけが展開しているサービスなど、具体的に伝えましょう。その銀行の特徴を織り交ぜた志望動機は熱意が伝わる印象の良い志望動機になります。

4.求められる人物像に対して自分の強みを考える

多くの銀行は採用ページに「求める人物像」「取締役からのメッセージ」を掲載しています。銀行が求める人物像と自分の強みが合致している志望動機は、採用担当から見ても企業研究の深さが推察できるため、非常に良い印象を与えます。

ただ、入行時ばかりではなく、その後のビジョンも重要です。採用ページには、ほかにも「現役行員のキャリアに関する紹介」が掲載されています。実際に働き始めてから何をしたいのか、自分の強みはどう活かせるのかについて、現役行員のキャリアから考えてみましょう。

実際に働くイメージが固まっていると、志望動機の具体性が増し、企業研究の成果のアピールにもつながります。

銀行業界を志望するときの志望動機の例文

銀行業界の志望動機は、銀行の8種類それぞれに合致したものであることが条件です。例えば、メガバンクを志望しているのに、「地域貢献がしたい」という志望動機は、やや的外れな印象を与えてしまいます。それぞれの銀行で何ができるのか、そして、自分が何がしたいのかを主軸に志望動機を考えていきましょう。

メガバンクを志望する場合

例文

私は、企業や人が何かを諦める原因の1つにお金の問題があると考えています。事実、私も貴行の教育ローンがなければ、経済的な問題で進学を諦めていたと思います。このことで私はローンなどで、人や企業のサポートができる銀行業界に興味を持ちました。

そのなかで貴行を志望する理由は、貴行の掲げる「最高の信頼を通じて、お客様・社会とともに発展していく」というビジョンに感銘を受けたからです。私は大学での勉強を通じて、お金とは社会の信頼の現れであると考えています。相手を信頼してお金を貸し、また、借りた側も発展することで信頼を返し貴行も発展する。私も貴行からの信頼を返したいと思っています。

貴行に入行後は、私のようにお金の問題で困っている人を金融を通じてサポートしていくことを考えています。日本だけではなく、世界中の人々の生活を豊かにすることが私の目標です。(400字以内)

この例文は非常に王道です。業界へ興味を持った理由その銀行を志望する理由、そして、自分がしたいことの分かりやすい3段構成になっています。特に、その銀行を志望する理由について、銀行の経営ビジョンを自分なりに解釈した上で、実体験を交えて話したことで、文章全体が一貫したものとして成立しています。

興味を持ったきっかけは、どんな些細なものでも問題ありません。ただ、銀行は普段の生活に強く関わる存在です。ほかの新卒者の志望動機と重複する可能性が高いため、そこから自分の色をどれだけ出せるかが突破のポイントと言えるでしょう。

地方銀行を志望する場合

例文

私は、金融を通じた地域貢献を目標にしています。県内の銀行の中でも、貴行は地域密着を強く打ち出しており、貴行であれば私の目標が実現できると思い志望いたしました。

私は貴行が大規模な拠点を置かれている〇〇市の出身です。私が小さい頃は、多くの町工場が動き、商店街にも多くの人が行き交う活気のある街でしたが、昨今の不況もあり段々と廃れているのが実情です。この状況を変えるためには、やはり先立つものが必要だと考えています。そのなかで、貴行の実施している地元企業対象の融資や地域在住者限定のローンは、地域を活性化させる一手になると確信しています。

私は大学時代に学んだ金融や地域経済の知識を活かし、お客様のニーズに合わせた必要なサービスを提供していきます。そして、地元のお客様との信頼関係を築いて貴行の発展、ひいては地元の活性化に貢献していきたいと考えています。(400字以内)

この例文では、自分の目標から書き始めています。最初に自分の目標を明確に相手に伝えることで、「この目標達成のためには、貴行以外考えられない」という後半にある選択の理由に説得力が増します。

また、実情に対して「先立つものが必要」であるという、現実的な解決策を提示しています。銀行業界は、非常に現実主義のシビアな業界です。理想だけを詰め込むと「現実性がない」と判断されてしまいます。現実的な視点に立った問題への解決の糸口を示すことで、掲げた目標を達成するための熱意と銀行業界である必然性がより伝わります。

信託銀行を志望する場合

例文

私は、現在の日本に留まらず、未来の日本へとつながる仕事をすることが夢です。私は日本の景気が良かった時代を知らない世代です。そのため、小さい頃から将来の年金や日本経済の見通しの不透明さを授業で学習してきました。その不安の解消と個人的な興味から、大学では資産運用に関するサークルに入り、実際にNISAを始めました。

貴行を志望する理由は、貴行が採用メッセージなどで打ち出されている「信頼」と「好循環を生み出す社会インフラ」の2つに強く惹かれたためです。現在、日本全体が不況であり、社会全体で将来の見通しが暗いのは事実です。しかし、単なる金融だけに留まらず多岐に渡る事業展開を行っている貴行であれば、不透明な状況を改善できると確信しています。

貴行であれば、私の夢が叶うと思っています。貴行に入行後は、大学時代に培った投資の経験や、サークル内で同級生や後輩の問題解決を図った経験を活かして業務を行い、多くの顧客から信頼されるとともに、今後の日本の発展に貢献します。(450字以内)

昨今はNISAなどの少額で始められる投資も増えており、投資経験のある新卒者も多いのではないでしょうか。新卒の採用は、今後に期待したポテンシャルでの採用です。しかし、既に投資を実践して、ましてや成果を出しているような人材は企業にとって貴重です。

そのため、投資の経験は重要なアピールポイントになります。金融業界は、全体の動きとして、新しい金融商品をどの銀行も大々的に売り出す傾向があります。そのため「NISAをしている」という一言だけでも、十分にトレンドを追いかけている証明になります。ただ、不況やIT化などは、銀行業界だけのトレンドではないため多用は禁物です。

信用金庫を志望する場合

例文

私は貴庫での仕事を通じて、この街の発展に貢献したいと考えています。私は、大学進学を機にこちらに住み始めたので、失礼ながら貴庫のことは知りませんでした。しかし、アルバイト先の店主も、地元出身の友人からも貴庫の高い評判をうかがっています。私も貴庫に口座を作りましたが、そのときの窓口の担当者の方の対応が非常に丁寧であったことが印象に残っています。

貴庫では金融に関する業務以外にも、地元の祭りへの協賛や清掃活動など、地域社会への活動を活発に行っているとうかがっており、多様で密接な地域との関わり合いが長く愛される要因であると思っています。

大学時代に学んだ地域経済に関する知識を活かして、私も地域の人たちに愛されている貴庫の一員として働き、さらなる街の発展に貢献したいと思い、志望させていただきました。(350字以内)

簡潔ですが、最初に志望理由を述べ、特定の信用金庫を志望する理由へとつながっています。志望理由は長ければ良いというものではありません。長いだけで中身のない話では採用担当の興味をひかないので、簡潔にまとめることも重要です。

信用金庫や信用組合の志望動機は、地域経済に関する内容になりやすいため、地方銀行の志望理由との明確な差別化が必要です。この志望動機では、「地域社会への活動」という信用金庫ならではの要素を織り込んで差別化しています。

外資系投資銀行を志望する場合

例文

私は、社会や企業に大きな影響を与える仕事をすることが夢です。そこで貴行の投資部門での業務を通じ、さらなる日本のグローバル化、そして、日本経済の発展に貢献したいと考えています。

私は、日本経済を今後も発展させるためには、海外からの投資を呼び込む必要があると思っています。なかでも海外からの投資が呼び込めるものは、日本の技術資源だと考えます。まだ知られていない技術者や職人たちへの投資が盛んになれば、日本の経済だけではなく、技術革新にもつながると思います。貴行は、新規事業に関する投資実績が多い銀行です。技術のある企業の新規事業をサポートすることが、今後の日本経済には欠かせません。

また、私は3年ほどアメリカへの留学経験があるので、英語でのコミュニケーションにも自信があります。大学時代に学んだ経済の知識と英語、そして、持ち前の明るい性格で、顧客の信頼を獲得し、貴行と顧客、そして、経済の更なる発展に貢献したいと思い、志望させて頂きました。(450字以内)

この志望動機では、自分の目標から始め、現状と今後の予測を伝えることで自分が入行後にしたいことを明確に伝えています。採用のポイントの1つは、「一緒に働いているイメージができるか」です。その点において、この志望理由は、採用側も入行後の働く姿を想像しやすい志望理由と言えます

また、外資系投資銀行は、海外の顧客ともやりとりするため英語のスキルは必須です。自分がどの程度の英語ができるのかについては、必ず伝えるようにしましょう。

銀行業界の志望動機を書くときの注意点

文章は何度もチェックする

銀行員には、何よりも誠実さ責任感が重要です。それは入社する前のエントリーシートにも同様に求められます。誤字脱字が目立つ、同じ内容なのに記入項目ごとに数値が異なるというミスを銀行は目ざとく見つけます。

ミスを放置したまま提出することは「自分の行動に対する責任感がない」「注意力にる」と非常に印象が良くありません。志望動機のなかだけではなく、全体を通して矛盾やミスはないか、提出前に何度も見直しましょう。

また、矛盾が許されないのは、この後に控える面接試験でも同様です。面接で話す内容がエントリーシートと食い違っていると、銀行からは不信感を持たれてしまいます。当然、不信感を抱いた相手に対して、自分のお金を預けようと思う人はいません。エントリーシートから面接まで一本芯の通った言動を心掛けましょう。

「経済を動かす」発言は好まれない

意外に思われるかもしれませんが、銀行業界の志望動機として「私が経済を動かす」云々の動機は好まれません。特に、地方銀行はその傾向が強く現れます。そもそも銀行の業務形態は、お金を預ける人間とお金を借りる人間の両方がいて初めて成り立ちます。

このような物言いは、「銀行の業務を理解していない」発言と捉えられてもおかしくありません。また、やや傲慢な物言いに聞こえてしまうため、避けた方が無難でしょう。

銀行業界を目指す上で最も重要なことは、やはり責任感誠実さです。相手がいるからこそ銀行は成り立っていることを忘れないためにも、文面からも責任感や誠実さが伝わる文章を心掛けましょう。

「貴社」「御社」ではなく、「貴行」「御行」で表記する

企業を指す敬語として、書き言葉には「貴社」、話し言葉には「御社」を用いるのが一般的です。ただ、「社」とあるとおり、これらは株式会社への敬称であり、銀行を対象にする場合は使われないことに注意しましょう。

銀行の場合は、「貴社」ではなく「貴行」と書き、「御社」ではなく「御行」と話しましょう。また、信用金庫の場合は、「貴庫」「御庫」です。些細な違いかもしれませんが、正しい言葉遣いができていないとマナーの悪さを露呈することになります。正しい言葉遣いをするだけでも、相手の印象は大きく変わるので注意しましょう。

同様に「入社」ではなく「入行」と表現するなど、銀行業界は相手企業の呼び方が一般企業とは異なる点が多いため、正しい言葉遣いを事前に確認しておきましょう。

銀行を正しく理解することが選考突破の第一歩

近年、どの銀行も採用枠を減らし、採用基準を高く設定しています。そこへ多くの新卒者が殺到するため、選考の難易度は比べ物にならないほど上がっています。そのなかで突破するためには、まずは「銀行とは何か」を正しく理解しなければなりません。

銀行業界は日常生活で目にすることが多い分、中途半端に分かってしまっていることが多い業界です。まずは、その先入観を排して、業界研究を行いましょう。銀行業界の仕組みや、正しい現状を理解することで、より印象的な志望動機を作成することができます。

こちらの記事を参考に、銀行業界や志望先の研究を進め、自分の志望度をアピールできる志望動機を作りましょう。

不動産業界の志望動機の書き方とは?業種別の例文付きで解説

生活に深く関わる「住」を支える不動産業界。高年収というイメージから、目指す就活生も多いのではないでしょうか。それだけでなく、私たちが普段生活している環境を直接扱うため、自分の仕事が目に見えやすくやりがいがあります

本記事では、不動産業界の基礎知識や現状、実際に働き始めてからの業務内容に加え、志望動機の書き方を3ステップに分けて解説しています。採用担当者を納得させる志望動機を書くための参考にしてください。

不動産業界とは

「不動産業界」の仕組み

出典:不動産デベロッパーとは?仕事内容や将来性を解説|宅建Jobマガジン

不動産業界は、大きく「不動産売買」、「不動産賃貸」、「不動産管理」、「不動産仲介」に区別されます。

その中でも不動産売買と不動産仲介については、宅建業と呼ばれ、国家資格「宅地建物取引士」を持っていなければ不動産取引を行うことができません。また不動産における法規制も厳格に定められており、賃貸、売買、開発などで求められる専門性が異なります。

不動産の売買や賃貸のプロセスは、物件の探索から契約、引渡しまで複数のステップを経て行われます。不動産会社はこれらのプロセスを仲介し、適切な契約の成立をサポートするのが役割です。

不動産業界の業種

不動産販売

建物の建設計画を一手に担うデベロッパーによって建設された建物を実際に販売します。住宅展示場やモデルルームに来場した顧客に対する対応が主になり、建物を売るためにイベントなどを企画し、ターゲット層にどのようにアプローチするか戦略を練ります。「新築戸建ての販売会」などがこの例にあたります。

違いが分かりにくいとされる「販売」と「仲介」ですが、不動産仲介会社は顧客に販売する物件を自社で所有しておらず、中古物件が多いのに対し、不動産販売会社は自社で物件を所有し、新築物件が多くなっています。不動産の売却益が利益となる点と、仲介料が利益となる点でも大きく異なります

買い手の条件に沿った物件を紹介し販売するため、ニーズをどのように引き出すか、上手くマッチした物件を見つけ出すことができるかが大きな鍵となります。

<不動産販売の代表企業>

  • 三井不動産リアリティグループ(三井のリハウス)
  • 東急リバブル
  • 住友不動産販売
  • 野村不動産ソリューションズ
  • 三井住友トラスト不動産

不動産賃貸

不動産賃貸とは、会社として不動産を保有し、借りたい人に貸す会社です。そもそもは、不動産を所有している個人の貸主が希望の条件に合った借主を探して家賃として収入を得るのが賃貸業であり、個人の貸主が行っていた業務を会社で行います。

住宅に限らず、アパートメントや商業施設、オフィスなども含まれます。入社してからは会社が保有する不動産を借りたい人を探す営業や、契約事務などが主な業務です。

<不動産賃貸の代表企業>

  • 大東建託グループ
  • 東建コーポレーション
  • ハウスメイトグループ
  • タウンハウジング

不動産管理

不動産管理は、主に「賃貸管理」と「建物管理」の2種類に分類されます。

「賃貸管理」とは、オーナーによる賃貸経営のサポート、入居者の生活を豊かにするための業務を行います。入居者からのクレーム対応なども含まれています。

一方、「建物管理」とは賃貸物件として貸し出している物件の維持がメインの業務です。清掃や建物の修繕、防犯対策なども含まれます。

トラブルがあった際は入居者と話し合いを行い、不満や問題を聞き出し、解決のために行動に移します。コミュニケーション能力は必須ですが、それだけでなく物件の変化にいち早く気づくことのできる細やかさや、先を見越して動く能力など、様々な能力が求められます。

不動産仲介

不動産仲介業者は、売主と買主、または賃貸の場合は大家と借主の間で、不動産取引を円滑に進めるための橋渡し役を務めます。

正しい物件情報を収集し、顧客に提供していく上で、信頼関係を構築していくことが重要な仕事です。そして顧客が安心して契約を結び、快適な住環境の提供をサポートするのがこの仕事に求められることです。

不動産仲介業者は、複雑で専門的な不動産取引をスムーズに進めるために不可欠な存在です。彼らの専門知識とサービスによって、売買双方が納得のいく取引を行うことができるので、勉強し続ける努力と関係を構築するためのコミュニケーション能力が求められます。

デベロッパー

デベロッパーとは、利用可能な土地を見つけ、その土地の購入、建物や施設の建設計画を立てる仕事をしています。市場調査、プロジェクトの財務計画、設計、建築、販売、マーケティング戦略の策定が含まれます。

顧客やテナント企業をはじめ、さまざまなステークホルダーと協力して作業を進め、プロジェクトの企画段階から完成後の販売や賃貸までを総合的に管理します。都市の景観を形作り、地域経済に貢献する不動産業界において重要な役割を担っています。

デベロッパーは「総合デベロッパー」と「専業デベロッパー」の2種類に区分されます。

用途関係なく全般的に対応するのが「総合デベロッパー」で、三井不動産、三菱地所、住友不動産などが該当企業です。

一方、「専業デベロッパー」とは、ある一つの分野を専門として扱います。タカラレーベン、コスモイニシア、イオンモールなどが該当します。また、JRや東急電鉄など鉄道会社は沿線での開発に取り組んでいます。

参考:小田急のシモキタ再開発は何がすごいのか|日経クロストレンド

コンサルタント

不動産コンサルタントは、不動産業界において重要な役割を果たす専門職です。主な役割は、個人や企業、投資家に対して不動産に関する法律や運用方法などの専門的なアドバイスを提供することです。市場の動向を理解し、クライアントのニーズに合わせて最適な不動産戦略を提案するために、幅広い知識とスキルを必要とします。

企業によって、不動産コンサルタントの業務範囲は異なりますが、不動産コンサルタントの多くは、「不動産コンサルティングマスター」という認定資格を持っていることが多いです。この資格は、不動産流通推進センターが実施する不動産コンサルティング技能試験に合格する必要があります。

コンサルタントになるには入社後数年間営業や事務の経験を積むのが一般的であり、就活の際もこれを踏まえた発言をすると良いでしょう。

ゼネコン

「ゼネラル・コントラクター」の略で、建物の設計から工事まで全体的な流れを把握し、まとめる役割を持っている総合建設業者を指します。「設計」「施工」「研究」(業務の効率化や災害時の建物の耐久検査などの安全管理)の3つを一手に引き受けています。

ただ、実際に工事を行うのはゼネコンの仕事ではなく、工事業者をマネジメントするのが仕事です。商業施設からダムなどのインフラまで業務の幅が広く、人とのコミュニケーションや業務量が多いことでも知られています。

その中でも売り上げが1兆円を超える企業を「スーパーゼネコン」と呼びます。

<スーパーゼネコンである企業>

  • 清水建設
  • 大林組
  • 鹿島建設
  • 竹中工務店
  • 大成建設

不動産業界の職種

営業

不動産業界での営業といえば、顧客に建物を紹介してコミュニケーションをとりながら自分スタイルの営業で売り上げに直結させるというものです。ただ、業界の中で営業の対象がかなり異なり、就活の際にはより細かい業界分析が求められます。

例えば、不動産仲介であれば売主・貸主に条件を聞いて買主・借主を見つける営業であり、不動産販売であれば買主に対して物件の魅力を伝えて売り上げにつなげる営業になります。

成約すれば大きなやりがいとなる不動産営業ですが成果主義であることも多く、どの仕事が自分に適しているかを見極める必要があります。

また、不動産関連の法律は複雑で理解が難しく常に勉強が求められる点も特徴となっています。

企画・開発

いわゆる「街づくり」といわれるのが企画業です。商業施設や分譲住宅、オフィスビルや大規模開発など担当する業務の範囲は多岐にわたり、それぞれをどのようなコンセプトで、予算で建てるかを考えます。

また大規模開発の場合は、プロジェクト自体が長期化することも多く、先を見越して建物完成までの大枠をつかむことが求められます。近年は再開発業も活発に行われており、住民の生活と共存できる街づくりが求められています。

事務

不動産業界での事務仕事は多岐にわたり、特に不動産管理業での需要が高くなっています。管理業では建物の貸主と借主の間の仲介を会社が担っており、家賃関連の連絡や書類作成、問い合わせ対応などが主になります。

また、宅地建物取引士の資格を持っていると独占業務があり需要も高いため、取得を目指してみるのも良いでしょう。

管理

所有者のいる不動産を顧客であるオーナーに代わって管理、運営するのが不動産管理業です。

管理業では建物を売ったり貸したりするだけでなく、持っている建物をきれいな状態に保つこと、住民の意見を聞いて要望を伝え、住みやすい環境を維持することも大切な役割のひとつです。

「プロパティマネジメント」と呼ばれるマンション管理や、理事会の主催、管理費の用途決めなども業務の一部となります。

不動産業界の現状と将来性

日本国内の地価変動率の推移

出典:2年連続上昇、「回復の波」全国に拡大|産経新聞オンライン

日本の不動産市場は、地域によって大きく異なります。例えば、東京や大阪などの大都市では不動産価格が高騰していますが、地方では人口減少に伴い価値が下落している傾向にあります。今後、日本の人口減少に伴い、国内の不動産事業から海外の不動産事業へ展開する企業も増えてくる可能性があるでしょう。

さらに、空き家や老朽化したマンション・団地の増加が業界としての課題となっていますが、それに伴いリノベーションの需要も上がっています。中古住宅をリノベーションすることで賃貸しやすくしたり、住居としての需要だけでなく古民家カフェやレストランとして再利用するのも人気が高いです。

さらに、不動産業界全体として環境問題への取り組みも盛んに行われています。

2050年脱炭素化が国の目標として掲げられる中、地球温暖化の原因である二酸化炭素の減少を目的とし、住宅で消費されるエネルギー資源がほとんどゼロであるZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)や、太陽光発電システム蓄電池HEMS(ITを使用して家庭内のエネルギー消費量を見える化すると同時に制御するシステム)を備えたスマートハウスが例として挙げられます

出典:ZEH(ゼッチ)とは?定義や種類、メリット、補助金などを解説|朝日新聞SDGs ACTION!

さらに、日本全体の家庭のエネルギー消費において3割を占める暖冷房の使用を最小限に抑えるため、断熱と日射遮蔽に力を入れた省エネ住宅も国の支援を受けており、低利融資や減税制度が設けられています。これからの社会情勢とともに不動産業界の仕事も変化していくかもしれません。

不動産業界は、人々の衣食住に関わる業界でもあるため、市場が衰退することは考えにくいです。不動産業界を志望する就活生は希望を持って、就活に取り組みましょう。

参考:不動産業界の動向や現状、ランキング等を研究|業界動向サーチ

不動産業界で求められる人材

信頼できる

不動産業界でまず求められるのが顧客と信頼関係を構築できる人材です。不動産取引は大きな金額が動くことが多く、知識や経験のない顧客は取引の過程で多くの不安を抱えることでしょう。そこで、担当者が誠実な態度で接することで、クライアントから信頼を得ることができ、スムーズな取引を助けることにつながるのです。

また不動産業界の特徴として、1人の顧客から信頼を得られれば、再度自分を頼って不動産に関する相談から成約に至ることも多いです。人脈を広げつつリピートしてもらううえで信頼を築ける力が重要といえるでしょう。

チームワークを重視できる

不動産の取引には、様々な専門職が関わります。売買、賃貸、開発など、さまざまな段階で法律家、銀行員、建築家などと連携する必要があります。担当者には、関わる専門家と円滑なコミュニケーションを図り、チームワークを重視した業務の遂行が求められます。

特に、チームメンバーの意見を理解し、自分の考えを適切に伝える能力は、チームワークを重視する上で重要視されるポイントです。

また、チームワークをアピールすることでコミュニケーション能力があることも同時にアピールできます。社内外問わず多様な人とかかわりを持つ不動産業界では必要不可欠になっています。

数字や結果にコミットできる

数字や結果にコミットできる人材も不動産業界では重宝されるでしょう。自分自身の業績に責任を持ち、高い基準を設定することで、持続的に成果を生み出せます。

また、目標に向かって計画的に行動する力も重要です。売上目標や成約数などの定量的な目標を常に意識し、それらを達成するための戦略を立てて行動することや、市場の動向、価格の傾向、顧客のニーズなど、多岐にわたるデータを分析し、有益な情報に変換することで、目標達成に向けたプロセスを実行できる人材が成果を残せるのです。

向上心がある

変化の激しい不動産業界では、向上心を持って仕事に取り組むことが大切です。不動産業界においては、新しい法律、市場の動向、技術の進化など、常に学び続ける必要があります。さらに、何らかの理由で成果が出ない時期があったり、高額商品であるために簡単には成約が取れなかったりしてもめげずに継続し続けることが必要です。

向上心がある人材は、自己発展のために新しい情報や技能を積極的に学ぶことによって、業界の最前線に立つことができるでしょう。

また、自分の業務や行動に関するフィードバックを受け入れ、今後の糧としていくことも重要です。フィードバックに基づいて行動を修正し、継続的に改善することで、より高い目標を達成できます。

相手目線で考えられる

不動産業界、特に仲介業や販売業では顧客のニーズに沿った商品を提案し、どのようなメリットがあるのかを説明して気に入ってもらうことが購買への第一歩となります。そのため、聞き上手であると同時に、相手目線で物事を考えられる人に向いています。

また、特に個人顧客の中には「人生で家を買うのはこれが最初で最後」という場合も多く、後悔の残る買い物にしてはならない責任の重い仕事でもあります。

自分の成績や会社の利益だけを追うのではなく、顧客のニーズを上手く引き出すことが顧客満足な成約に繋がります。接客のアルバイトなどで褒められた経験があれば根拠としてガクチカに書くのもおすすめです。

参考:人生で一番高価だった買い物ランキング|@DIME

コミュニケーションにおけるストレス耐性

不動産業界は、様々な業界の専門家とのコミュニケーションが求められる業務が多いです。顧客、売主、買主、金融機関、法務関係者などの関係者とのコミュニケーションが求められます。これらの関係者と効果的に対話し交渉を進めるには、ストレスをうまく管理し、冷静に対応する能力が必要です。

新卒であれば、学生時代に失敗した経験からどのようなアプローチを試みたかなどを志望動機に盛り込むことでストレス耐性をアピールできるでしょう。

1つの物事を極める継続力

仕事を極める継続力も不動産業界で活躍する人に共通の特性です。不動産業界の業務は、高度な専門知識と長期にわたるコミットメントが求められます。

業界動向やトレンドを押さえることはもちろん、キャリアを積むとともに人脈を作っておくことで、新規の顧客を紹介してもらいながら仕事を進められるでしょう。

不動産業界の志望動機の書き方3ステップ

<不動産業界の志望動機の書き方>

①結論(なぜ不動産業界を志望しているのか)を書く

②エピソードに絡めた根拠を述べる

③入社後にどのように活かすのか

①結論(なぜ不動産業界を志望しているのか)を書く

志望動機を明確かつ簡潔に伝えるうえで、冒頭に結論を述べることを意識しましょう。

なぜ不動産業界を志望しているのか、数ある不動産会社の中でその会社を志望しているのかを明確に示した後に、あなたのキャリア目標、専門スキル、経験、興味・関心がどのようにその業界や企業と関連しているかを具体的に述べることが重要です。

志望動機を書く前に結論をはじめ、構成を箇条書きにしておくとスムーズに志望動機を書けるでしょう。結論部分で採用担当者の印象に残る用に工夫することが大切です。

②エピソードに絡めた根拠を述べる

結論を述べた後に志望する理由を分かりやすく記載しましょう。不動産業界であれば、応募職種を志望する理由まで伝えられると良いでしょう。学生時代のエピソードで不動産業界と関連づけられるものを盛り込むのもおすすめです。

また志望理由においては、応募する企業の特色、強み、ビジョンなどについての研究を行い、その企業を選んだ具体的な理由を述べます。

例えば、企業の取り組み、文化、過去の実績、未来の展望などに触れることで、採用担当者からも評価を得られるでしょう。

③入社後にどのように活かすのか

志望動機の最後に入社後にこれまでの経験や実績をどのように活かすかを簡潔に述べましょう。新卒の場合は、業務に関するイメージが湧かない部分もあるかと思いますが、企業研究を重ねた上での自分が活躍するイメージを伝えることが大切です。

入社後の活かし方は、志望動機の文末に必ず記載するようにしましょう。また、文末までの内容に沿って文脈的につながりのある内容を意識することで、説得力のある志望動機に仕上がるでしょう。

【業種別】不動産業界の志望動機の例文

不動産賃貸

例文

私が不動産業界の中でも、不動産賃貸部門を志望する理由は、人々の生活に深く関わる仕事を通じて、社会に貢献したいという強い願望があるためです。不動産は単なる物件の取引にとどまらず、人々の生活の基盤を形成し、地域社会の活性化にも繋がります。大学で学んだマーケティング理論やITスキルを活かし、市場の動向を分析し、より効率的かつ顧客満足度の高いサービス提供に貢献できると自負しております。また、不動産賃貸業界は常に人々のライフスタイルの変化に対応し、柔軟にサービスを進化させる必要があります。変化の激しい環境の中で、自らのアイデアと情熱をもって新しい価値を創出していきたいと考えています。(300字以内)

志望動機が冒頭に簡潔にまとめられており、読みやすい文章となっています。学生時代に学んだこともエピソードに盛り込みながら、文脈的に繋がりのある内容にまとめられています。

不動産賃貸の業務に対する深掘りや組織の中でどのように活躍していくのかが具体化されているとさらに良い志望動機となるでしょう。

また自分が応募する職種についてどのように働くかについて言及できているとさらに分かりやすい志望動機となります。

不動産売買

例文

私が貴社の不動産売買部門を志望する理由は、不動産という大きな資産の取引に関わり、お客様の重要な人生の節目を支える仕事に深い魅力を感じるからです。大学で経済学を学んだことで、不動産市場の動向や価値について理解を深めました。この知識を活かしてお客様に最適な不動産を提案し、満足いただける取引を実現したいと考えています。

また、不動産取引は単に物件を売買するだけでなく、法律や税金などの専門的な知識も必要とされます。私は学業の傍らで宅地建物取引士を取得しており、これらの知識を活かして、お客様が安心して取引できるようサポートしたいと思っています。不動産売買はお客様のライフスタイルや将来設計に直結するため、高い責任感と誠実さが求められます。これらの価値観を大切にし、信頼されるプロフェッショナルとして、貴社の不動産売買の分野で長期的なキャリアを築いていきたいと考えています。(400字以内)

不動産売買の業務特性を踏まえた志望動機になっています。学業と並行して宅建を取得した努力は、不動産業界を志望する熱意が伝わってくる魅力的なエピソードです。即戦力として活躍できる可能性を示す内容となっており、高評価を得られるでしょう。

文末では長期的なキャリアを築いてどのような人間になりたいのかを言及できていると採用担当者の印象に残る志望動機に近づくでしょう。

不動産管理

例文

私が貴社の不動産管理を志望する理由は、長期的な資産価値の維持と向上に貢献したいためです。

不動産管理は、物件の維持修繕にとどまらず、テナントの満足度向上、コスト管理、さらには環境への配慮など、多岐にわたる業務を含みます。私は大学時代に部活動を4年間経験し、リーダーシップを発揮し、プロジェクト管理の経験を積んできました。これらの経験を活かして、効率的かつ戦略的な不動産管理を行いたいと思っています。

貴社の一員として、誠実なコミュニケーションを心がけることで、お客様からの信頼を得られるよう努めることで、成果を残せる人材へと成長していきたいと考えています。(300字以内)

不動産管理という業務に学生時代の部活動のエピソードが結びついており、志望動機にまとまりがあります。不動産管理の業務および応募企業の職種から逆算した内容へブラッシュアップできるとさらに魅力的な志望動機になるでしょう。

また不動産管理は、志望動機にもあるように業務の種類が多いため、自分の強みを活かして、フォーカスを当てていく志望動機に仕上げることも魅力的な内容にするポイントです。

デベロッパー

例文

不動産業界のデベロッパーとしてのキャリアを志望する理由は、持続可能な社会の構築に寄与する仕事に従事したいという強い意欲があるためです。大学での建築学と都市計画の学びを通じ、不動産開発が地域社会や環境に与える影響の大きさを深く理解しました。これらの知識を活かし、革新的かつ持続可能な開発プロジェクトに携わることで、社会に価値ある貢献をしたいと考えています。

デベロッパーとして成功するためには、市場分析、プロジェクトマネジメント、財務計画など多岐にわたるスキルが求められると考えています。デベロッパーとして活躍できる人材へ成長していきたいと考えたときに、貴社のビジョンや文化を知り、挑戦できる環境が整っていると感じたため、貴社の一員として、持続可能で魅力的な都市空間の創出に貢献していく所存です。(350字以内)

デベロッパーに求められることを逆算しつつ、応募企業への適性やマッチングが記載されており、説得力のある志望動機となっています。全体的にもう少し内容を深掘りできていると、独自性の高い志望動機となるでしょう。

デベロッパーは不動産業界の中でも高年収である企業が多いため、候補者のレベルも高いといえるでしょう。入念に志望動機を作り込み、ES通過を目指しましょう。

コンサルタント

例文

私は、不動産コンサルタントとして、お客様の幸せに寄り添える人間になりたいと考えています。私は大学でのケーススタディやインターンシップを通じ、コンサルタントに必要な分析力や顧客のニーズを的確に理解し、柔軟かつ創造的な解決策を提案する力を磨いてきました。インターンシップでは不動産市場の調査と分析を行い、その結果を基にした戦略提案の経験があり、これらを貴社の業務に活かしていきながら、活躍していきたいと考えています。

また、不動産コンサルタントは人間関係が特に重視される仕事であると考えています。貴社の一員として、目標やビジョンの達成に向けて行動する過程の中で、人間性を磨きビジネスパーソンとして、価値のある人材になっていく所存です。(350字以内)

不動産コンサルタントになれる知識や経験を学生時代から積み重ねてきているのは、採用担当者から好印象に映るでしょう。

文末に貴社の一員として、どのような人材になっていきたいかが記載されており、目標志向の高い人材であることが伺える内容になっているのも魅力的な志望動機を書く上でのポイントです。

不動産コンサルタントは、クライアントに応じて多岐に渡る業務があること、企業によって業務の仕方が異なるため、事前に企業研究を入念に行い、志望動機に反映させていくことが大切です。

不動産業界の志望動機を作成するポイント

不動産業界やその企業を目指した理由を明記する

なぜ不動産業界を志望したのかを明確に企業に伝えることが大切です。不動産は人々の暮らしに関わる仕事。不動産を通じてどのような社会貢献をしていきたいのかを自分の言葉で伝えることで、採用担当者から好印象に映るでしょう。

応募理由を深掘りする際は、前述の自己分析と業界研究ができていないと、差別化できる内容に仕上がらないため、事前の準備を入念に行いましょう。不動産業界を志望することを事前に決めている場合は、インターンシップに参加して業界を体感してみるのも良いでしょう。

不動産業界でのビジョンや価値観をマッチングさせる

応募企業に入社したいという熱意にも関わりますが、企業の掲げるビジョンや価値観に沿った志望理由を考えましょう。

業界・職種は同じでも企業文化や風土は異なります。特定の会社に向けた志望動機を書く際には、企業分析を丁寧に行い、会社のホームページなどから企業理念や魅力、ブランド力などを見て参考にし、採用側に「他の不動産会社でもいいのではないか」と疑念を持たれないようにしましょう。

応募企業の強みや特徴を踏まえ、応募企業でなければならない理由を明示することで、採用担当者の目に留まる志望理由に近づくでしょう。

不動産業界と一言で言っても業種は様々であり、志望動機を書く際には、不動産業界で入社後何がしたいのか、自分の理想の将来像も明記しましょう。その目標と志望企業の長期計画をなるべくリンクさせることで、企業側も「長期的に活躍してくれそう」というイメージを持ちます。

また、応募企業のビジョンや価値観から逆算したエピソードや結論を盛り込むのもおすすめです。構成の段階から意識してみましょう。

過去の経験を志望動機に結びつける

過去の経験を志望動機に結びつけることも志望動機のオリジナリティを高めるポイントです。不動産業界であれば住宅や暮らしの中で志望動機につながるエピソードを盛り込んでもよいでしょう。また学生時代に関連分野を専攻していた方は、学んだことを志望動機に活用するのもおすすめです。

過去の経験を強引に志望動機に結びつけてしまうと、志望動機のまとまりに欠ける部分が出てきてしまうため、他者に添削してもらいながら志望動機をブラッシュアップしていくことが大切です。

不動産業界の志望動機を書く際の注意点

受け身なことは書かない

顧客とコミュニケーションをとり、自分から積極的に動いて成長しようとすることが求められる不動産業界。「会社に入って学びたい」、「研修制度が充実している」などの表現は一見、向上心のアピールになると思われがちですが、不動産業界では企業に貢献したいという意思が弱いと受け取られます。

受け身な表現は避け、自分は何を達成したいのか、そのために仕事として何をしたいのかをメインに書くようにしましょう。

年収や福利厚生などを志望動機としない

不動産業界は比較的収入の高い職種が多く、その点に惹かれる就活生も多いですが、それを志望動機として明記するのはNGです。

収入を理由にすると、業界や企業への熱意が感じられません。その企業を選んだ理由としても説得力に欠けるため、多くの企業において悪い印象を与えることになります。

抽象的な表現は使わない

志望動機に抽象的な表現が入っていると企業側は具体的なイメージがつきずらく、表面的な印象を与えてしまいます。

自分のオリジナルな体験を盛り込むことで説得力も増します。特に不動産業界は人の暮らしに深く結びついた事業を行っており、自分の体験を志望動機としやすい業界です。

自分が不動産会社にお世話になった経験や、建物に関しての思い出など、自分だけのエピソードを用いて記憶に残る志望動機を書くことを心掛けましょう。

志望動機は広すぎず狭すぎず

様々な業種がある不動産業界において、会社に入ってからのビジョンを固めすぎると「これ以外はやりたくない」というニュアンスでとられてしまいます。

志望する会社全体の業務に対する興味と理解を示すために「○○部署」など特定の固有名詞は出さず、あくまでも業務への関心として書きましょう

また、不動産業界は勤務経験が無い学生からすると全体の業務イメージがつきにくく、業界研究が難しくなっています。OB・OG訪問などを通して自分が入社してからの具体的なイメージをつかせ、志望動機に盛り込むようにしましょう。

不動産業界の理解を深め魅力的な志望動機を作成しよう

志望動機は自己PRと同様に、自分の想いを伝え、採用担当者にアピールするチャンスでもあります。

生活の一部である住まいに関わる不動産業界では、業界や応募企業を研究することを前提に、自分が「家」や「建物」、「街」とどのように関わってきたかを振り返りましょう。

さらに入社後に自分がどのように活躍できるかをオリジナリティのあるエピソードで、かつ自分の言葉で伝えることで、魅力的な志望動機となるでしょう。

不動産業界は人気の業界の一つですが、本記事を参考に希望する企業から内定を獲得するために行動していきましょう。

人材業界の志望動機の書き方|例文付きでポイントを徹底解説

人材業界は就活生に人気の業界です。志望する学生が多い分、他の就活生との差別化を意識した志望動機作りが必要です。

人材業界にはさまざまな事業や業種があり、求められるスキルも異なります。まずは業界についてを理解し、自分の強みや思いを効果的にアピールしていきましょう。

本記事では、志望動機の例文とともに、人材業界の概要魅力求められるスキル抱える課題など、業界研究としても使える内容を解説しています。

人材業界とは?

人材業界とは、働き手を雇いたい企業と仕事をしたい求職者をつなぐ仕事です。人材業界のサービスを利用することで、企業は人材採用のための費用や手間を抑えられ、求職者はやみくもに就職活動をすることなく速やかに仕事を得られます。

人材業界は、働き方が多様化している現代において、企業と求職者の両方にとって重要な役割を担っています。少子高齢化による人手不足の解消や、外国人労働者の積極的な紹介・派遣などが注目されているため、人材業界は今後ますます求められるでしょう。

人材業界の事業

人材業界の事業は大きく分けて4つの事業に分かれています。主に仕事の対象が「企業」「求職者」かで事業内容が異なります。

また、それぞれの事業で重視されるスキルも異なってくるため、それぞれの事業内容を正しく理解することが大切です。

人材紹介

人材紹介業は、企業に求職者を紹介する事業です。自社が紹介した人材が企業に採用されたときに紹介手数料を得るビジネスモデルが一般的です。

企業からは事業の展望や求める人物像を、求職者からはキャリアプランやスキルなどをヒアリングして、両者をマッチングさせます。主に新卒採用向けのサービスと中途採用向けサービスに分けられます。

企業と求職者両方の要望に沿うように適切にマッチングすることが求められるので、情報を収集するだけでなく、企業と求職者の両者に親身に寄り添って、仕事をつなげるという姿勢が求められてきます。

代表的な企業
  • エン転職
  • ビズリーチ
  • doda

人材派遣

人材派遣業は人材紹介業とは異なり、派遣会社に所属している人材を企業に派遣する事業です。そして、派遣先から支払われる人材派遣手数料を利益として運営します。

人材派遣で大切なことは、人材紹介と同様に、企業が求める人物像との要望やスキルを十分にヒアリングして、派遣する人材を適切にマッチさせることです。

そして、人材派遣の事業では、マッチング業務という顧客のニーズに合った人材を選出するという、営業職でスタートすることが多いです。そのため、不足なく情報を引き出すことだけでなく、時にはよりプラスになれるような情報を与えるという提案力も大切となるので、コミュニケーション能力が高い人に向いています。

代表的な企業
  • テンプスタッフ
  • リクルートスタッフィング
  • パーソルテンプスタッフ

求人広告

求人広告の事業は、企業の求人広告を自社のWebサイトや刊行誌に掲載し、求職者を集めることが求人広告事業の内容です。そのため、求人広告を依頼する企業の費用で利益を得ています。

求人広告を載せたい企業から、その会社の魅力や展望をヒアリングして広告に反映します。求人広告事業には主に、正社員向け、契約社員・派遣社員向け、アルバイト向けなどがあります。

求人広告の企業に就職すると、業界研究多くの企業の動向調査を常にしなければなりません。新しい情報に常にアンテナを貼ることが得意な人に向いているでしょう。

代表的な企業
  • パーソルキャリア
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人事コンサルティング

人事コンサルティングの事業とは、企業から人事戦略、人事評価制度などの相談を受け、診断、助言、指導などを行います。人事コンサルティング企業は主に、課題解決を手助けするコンサルティング費用で利益を得ています。

前述した人材紹介・人材派遣・求人広告の3つの事業と人事コンサルティングの異なる点としては前者は「採用」を目的としています。一方、後者である人事コンサルティングは「人事業務における課題解決」が目的であるため、課題を分析し戦略的に物事を考え、課題解決につながるアイデアを作ることが主な仕事内容となってきます。

人材採用や人事制度がうまくいかず、人材に関する組織運営に頭を抱える企業は多くあります。そのため、そんな会社内の人材に関する不安や悩みを抱えている企業の問題を解決する重要な業務を担っています。

採用活動そのもの、採用制度、人事制度に関するコンサルティング以外に、研修制度のコンサルティングをするケースもあります。求められる仕事の幅が広いため、各会社の人事制度の仕組み法律などを身につけることが大切です。

代表的な企業
  • デロイト トーマツ コンサルティング
  • アクセンチュア
  • ボストン コンサルティンググループ

人材業界の職種

営業

人材業界の営業は、主に企業が対象であり、人材に関する悩みをヒアリングして解決方法を提案します。求める人材が集まらない、求人広告を出しても人材が集まらないといったさまざまな問題に取り組みます。事業によっては、企業が求める人材の紹介以外にも、求人手法や人事制度の改善を提案することもあります。

紹介する人材が不足している場合は、営業担当者が求職者を直接スカウトするケースもあります。求人広告業に関する営業職に就いた場合、Webマーケティングの知識も必要になるかもしれません。

多くの人から、抱えているさまざまな課題を十分にヒアリングしなければならないため、高いコミュニケーション能力が求められます。

キャリアアドバイザー・キャリアコンサルタント

キャリアアドバイザー・キャリアコンサルタントの仕事は、主に求職者が対象で、求職者の就職・転職活動をサポートする仕事です。特にキャリアコンサルタントは、2016年4月に国家資格が設けられました。

仕事の内容としては、求職者のスキル、キャリアプラン、要望、悩みなどをヒアリングして、求職者にふさわしい仕事を提案します。履歴書・職務経歴書の添削、面接試験の指導、面接日程の調整などもキャリアアドバイザー・キャリアコンサルタントの仕事です。求職者に代わり、労働条件に関して企業と交渉することもあります。

求職者が就きたい仕事と、求職者に向いている仕事が異なるケースがあります。求職者の希望を叶えることも重要ですが、希望と異なっていたとしても、求職者が活躍できる仕事を紹介することが同時に求められてきます。

キャリアアドバイザーは主に企業と求職者のマッチングをする一方で、キャリアコンサルタントは求職者に限らず在職者や学生のキャリア形成サポートをします。キャリアコンサルタントの活躍の場は、人材紹介・派遣企業だけでなくハローワーク、大学、職業能力開発促進センターなど、多岐に渡ります。

企画・マーケティング

人材業界における企画・マーケティング職は、自社のWebサイトや書籍などの新たなコンテンツを検討したり、人材市場の調査、分析をしたりする仕事です。主に人材を募集している企業向けの仕事(BtoB)と、求職者向けの仕事(BtoC)に大別できます。

学んだマーケティング知識を活かしたい人、新たにマーケティングの知識を身に付けたい人にぴったりの仕事でしょう。

人材業界の動向と課題

人材業界は、人を扱うのがメインであるため、人々の働き方が変われば、当然人材業界の仕事内容にも大きな変化が生まれます。また、他の企業と同様に、社会の経済状況によって影響を受ける面もあるため、常に社会の最新の動きを把握しておく必要があります。

人材業界の市場規模

人材関連ビジネス主要3業界市場の規模推移

出典:人材関連ビジネス主要3業界市場規模推移|矢野経済研究所

矢野経済研究所によると、2022年度の人材関連ビジネス主要3業界市場は前年度比7.8%増の9兆2,355億円であると発表しました。様々な業界・業種において人材需要の高まりが継続しているため、人材派遣市場は、安定して市場規模が大きくなっている状態です。

またこの約9兆円という数字は、約7兆円の広告業界を上回っている点で、経済市場の規模がいかに大きいかが伝わってきます。

コロナの影響により、リモートワークの移行など、働き方の形が変化している現状を考慮に入れると、人材業界は今後もますます需要が増えていくと考えられます。

参考:広告代理店の業界概要|日本経済新聞

人材業界の課題

景気に左右されやすい

社会全体が不景気のときに、人材業界も業績が悪くなる傾向があります。不景気の際には、企業が従業員や新規採用者を減らそうとするからです。

新型コロナウイルスが発生したときは、取引している企業が倒産したり、紹介した人材が解雇されたりすることが多く発生し、人材業界も打撃を受けました。

しかし、新型コロナウイルスの流行が落ち着いた現在では、有効求人倍率が新型コロナウイルス流行前の水準まで回復しつつあります。需要に合わせて速やかに人材を集めることが人材業界に求められます。

これらのことから、人材業界は、社会全体の景気の良し悪しに合わせて、柔軟に対応を変えなければなりません。

参考:有効求人倍率|独立行政法人労働制作研究・研究機構

グローバル化

企業のグローバル化に伴い、グローバルに活躍できる人材が求められています。語学力だけでなく、コミュニケーション能力異文化理解に富んだ人材が企業から必要とされます。

人材業界は、海外で活躍したい求職者を集める工夫をしなければなりません。海外で活躍できる人材の採用・育成支援サービスを企業に提供する機会も増えるでしょう。

また、少子高齢化の影響で、国内の労働力が減少しています。人手不足を補う手段のひとつに、外国人労働者の雇用が挙げられます。人材業界は今後、外国人労働者を集め、定着させることを求められるでしょう。

人材業界で働く場合、企業や職種によっては、グローバル企業への営業や外国人労働者との面談などのために、語学力を向上したり異文化理解を深めたりする必要があるかもしれません。

参考:労働経済の推移と特徴|平成23年度版 労働経済の分析

国際競争力ランキング|朝日新聞DIGITAL

IT化・DX化の推進

新型コロナウイルスの影響により、オンライン面接の導入が急増しました。オンライン面接が苦手な求職者や、オンライン面接を円滑に運用できていない企業も多くあります。人材業界は、求職者と企業の両方に、オンライン面接に関する適切なサポートやアドバイスをする必要があります。

また、同じく新型コロナウイルスの影響により、リモートワークという働き方が身近になりました。リモートワークをしたい求職者の希望を叶えることも人材業界に求められています。そのため、企業にリモートワーク運用のサポートやアドバイスをすることも必要になるでしょう。

ほかにも、給与計算や勤怠管理といった事務作業がIT・DX化に置き換えられつつあります。事務作業をする人材の需要減少が予想される一方で、ITの知識を持つ人材の需要が増えています。同時に人材業界は、ITに詳しい人材を集めたり育成したりする取り組みが求められるでしょう。

人材業界そのものにも、より精度の高いマッチングや効率の良い情報収集のために、IT化・DX化の推進が必要かもしれません。

参考:DX推進のメリット|NTT東日本

雇用構造の変化

人材業界は、雇用構造の変化に常に対応していくことが求められます。

現在の日本では、今後の終身雇用制度を不安に思い、転職してキャリアアップしたい人が増えている一方で、人材流出を防ぎたい企業も多くあります。そのため、お互いの要望に沿うように適切にマッチングすることが今後重要となってきます。

また、女性活躍の推進が日本社会全体の課題です。人手不足解消のために女性を積極的に採用している企業も増えています。しかし、働き続けることに不安を抱える女性求職者も少なくありません。人材業界は、女性が働きやすい環境・制度の確立に向けて企業をサポートしつつ、女性求職者を企業に適切にマッチングすることが必要です。

参考:終身雇用と年功序列はもはや時代遅れ|YAHOO!JAPANニュース

人材業界の魅力

人の人生に関われる

人材業界で働くと、多くの人の人生に関わることができます。多くの求職者にとって企業で働くことは人生を左右する一大イベントです。多くの人は働くことに期待と不安を抱えています。

特に新卒者にとっては、初めて働く企業を選ぶことは大きな決断です。求職者の就職活動のサポートをすることには責任が伴いますが、やりがいを感じられるでしょう。

人の人生の転機に関わってサポートしたい人は、人材業界が向いているでしょう。

多くの企業や人と出会える

普段出会うことがない企業や人と出会えることも人材業界の魅力です。多くの企業や人々は、異なる課題や悩みを抱えています。そのため、色々な企業の担当者とコミュニケーションをとる過程で、その人の仕事に対する想いを知れるでしょう。

また、前述したように多くの求職者は働くことに期待と不安を抱えています。今後の人生をかけて就職活動に挑む人もいるでしょう。そのため、求職者一人ひとりに向き合ってサポートをしていく姿勢が求められます。

多くの人と出会って喜びを共有したい人、業務を通じて多様な業界に関わりたい人には、人材業界をおすすめします。

人に感謝される機会が多い

直接求職者と接することの多いキャリアアドバイザーキャリアコンサルタントの仕事に就けば、人に感謝される機会も多くあります。

求職者とのコミュニケーションを通じて、求職者の要望に沿うことができた仕事をうまく提案することができれば、その結果に対する感謝の気持ちを伝えられることがあります。また、当初の求職者の希望とは異なっていたとしても、最終的に求職者本人にとって満足のいく仕事を紹介できたとすれば、求職者に感謝されるでしょう。

また、これは企業からの場合にも当てはまり、優れた人材を紹介できれば、取引先の企業からも直接感謝の言葉を得られるかもしれません。自分の仕事が、直接感謝に繋がる可能性が高いという意味で、人材業界はやりがいがある業界ということができます。

人材業界に求められるスキル

コミュニケーション能力が高い

人材業界で働き始めると、企業からは事業の目標や課題などを、求職者からは要望やスキルなどを十分に聞き出すことが必要になります。そのため、高いコミュニケーション能力が求められるでしょう。

話を盛り上げる能力ではなく、相手の本音を引き出す能力が重要視されます。なぜなら。新規顧客を獲得するために粘り強い交渉が必要なケースも求められるからです。営業職、キャリアアドバイザー・キャリアコンサルタントを目指す人は、コミュニケーション能力をアピールしましょう。

人と関わることが好き

人材業界で働く場合、多くの企業や求職者と関わらなければなりません。相手に興味を持って、仕事への想いや抱えている課題をヒアリングする必要があります。十分にヒアリングをしたうえで、相手の気持ちに寄り添った提案をすることが求められます。

そのため、人と関わることが好きな人ならば、多くの人とコミュニケーションをとらなければならない人材業界でも、いきいきと働けるでしょう。人との交流を通じて得た経験エピソードがある場合は、アピールの材料として活用できるため、積極的に活かしていきましょう。

成長意欲が高い

人材業界で長く活躍するためには、業界研究や企業ごとの動向調査を常に行う必要があります。日々変化する社会情勢に関する情報を収集することに、終わりはありません。

また、営業職の場合は特に、ノルマが課される可能性があります。目標を達成するために、あきらめずに向上心を持って働き続ける粘り強さが求められるでしょう。

仕事を通して、求職者の成長をサポートしたいという強い想いがあり、勉強を継続できる人ならば、人材業界がぴったりでしょう。

人材業界の志望動機の構成

志望動機を伝える構成

①人材業界を志望する理由

②応募先を志望する理由

③志望する職種

④達成したい目標

人材業界を志望する理由を述べる

なぜ人材業界を志望するのかを結論として、最初に述べます。人材業界でしかできないことをしたいという想いや考えを伝えましょう。

志望理由には、可能な限り人材業界に関わるエピソードを盛り込んでください。自分が経験したこと、自分が感じたことを基に志望理由を述べることで、人材業界への強い想いが伝わるでしょう。人の人生の転機に関わった経験、関わりたい気持ちは、人材業界の志望理由にぴったりです。

特に人の意見をヒアリングして課題解決に導いた経験があれば、人材業界につながる自身の強みとして採用担当者にアピールできます。

応募先を志望する理由を述べる

数ある人材業界の企業の中でも、なぜその応募先を選んだのかを述べます。応募先の強みや企業理念はそれぞれ異なるため、各企業が求める人物像に沿った志望理由を述べましょう。志望理由が曖昧になってしまうと、他の企業や業界でも構わないのでは?という印象を、人事担当に与えてしまうかもしれません。

企業理念を知るには、応募先の企業の特徴や企業が求める人材像を、応募先のWebサイト、募集要項を読み、把握しておきましょう。人材業界の研究、競合他社の情報収集も大切です。各企業の特徴を広く分析した上で、自身の適正と照らし合わせし、もし可能であればOB訪問をすることをおすすめします。

志望する職種を述べる

応募先の職種の中でも、どの職種を志望するのかを述べます。前述したように、応募先のWebサイト、募集要項を確認して職種や求められる人物像を把握しましょう。

営業職やキャリアアドバイザー・キャリアコンサルタントを志望する場合、特に人の考えや想いを引き出すコミュニケーション能力、企業と求職者の両方の要望をまとめ上げる提案力交渉力などが重要視されます。粘り強く相手を説得する前向きな姿勢も求められるかもしれません。

人材業界といっても、職種によって重視されるスキルは変わってきます。職種にマッチする自身のスキルを述べることで、より魅力的に自分をアピールすることに繋げることができます。

達成したい目標を述べる

最後に、応募先に入社した場合にどんなことを達成したいのかを述べます。入社前から入社後のキャリアプランを考えることは難しいかもしれません。しかし、キャリアプランを述べることで、情報を収集する能力や応募先への熱意が伝わります。

可能であれば、人材業界で実際に働く先輩の話を聞いて、達成したい目標やビジョンを明らかにしておくことで、他の志願者達との差別化にもなります。

人材業界の志望動機の例文

例文1:人材紹介

例文

私は、大企業から中小企業、ベンチャー企業にまで幅広く人材紹介をしている貴社で、一人ひとりがいきいきと働ける環境づくりに貢献したいと考えております。

私はスーパーで2年間アルバイトをしていました。最初の1年間はレジ打ちを担当していましたが、とっさのトラブル対応が上手くいかないことが多く、お客様や同僚に迷惑をかけていました。そこで私は、細かな作業が得意であるため、検品作業や在庫管理の仕事への配置転換を希望しました。配置転換してもらったところ、作業の正確さと素早さを同僚に褒めていただいたり、感謝されたりする機会が多くありました。この経験から、適材適所によって企業と働き手両方にメリットが生まれることを学びました。

私は人材紹介に力を入れている貴社で働き、企業の展望や求める人物像だけでなく、求職者一人ひとりの特性を引き合わせ、それぞれにとって良い働き場所を作っていきたいと考えております。(400字以内)

アルバイト先で自分が実際に経験したことを基に志望理由が述べられているため、高い説得力があります。

人材紹介では、正確で素早い情報収集も必要ですが、求職者の要望を十分にヒアリングするコミュニケーション能力も必要です。可能であれば、人の考えや想いを引き出すコミュニケーション能力があること、傾聴を心掛けていることなどをエントリーシートで述べましょう。

例文2:人材紹介

例文

私は貴社で、海外人材の雇用促進に貢献したいと考えています。

私が所属するゼミには、多くの海外留学生がいます。中にはそのまま日本で就職したいと考えている学生がおり、一緒に日本企業について調べたり話し合ったりしました。しかし、その留学生は語学力に自信がないことや、そのまま日本で就職する前例が少ないことから、母国で就職することを選びました。グローバルで活躍できる人材を求めている日本企業が多いにもかかわらず、海外の留学生が日本企業への就職をあきらめてしまうのは非常に残念なことだと感じました。

この経験から、私は海外人材の紹介に注力している貴社で、熱意のある海外人材をサポートをしていきたいと考えています。日本で働く夢を持つ人材のサポートをしつつ、グローバル化を目指す企業に繋ぎ合わせ、熱意があれば海外人材でも活躍できる社会の実現を目指していきたいです。(400字以内)

日本で働きたい海外留学生とのエピソードを基に志望動機が述べられており、アピール力があります。具体的な経験が述べられているので他の志望者との差別化ができるでしょう。

人材紹介事業で海外人材とグローバル化を目指す企業を繋ぐためには、語学力異文化理解が必要不可欠です。海外留学生と十分なコミュニケーションをとったこともアピールすることをおすすめします。

例文3:人材派遣

例文

私は人材業界で、派遣社員の待遇改善に取り組みたいです。

私はコールセンターでアルバイトをしています。アルバイト先には、知識が豊富でトラブル対応の機転が利く派遣社員の方が多くいました。しかし給与が低かったり、雇用が保証されなかったりと、正社員と比べて待遇が悪かったため、離職する派遣社員が後を絶ちませんでした。その結果、経験の浅いアルバイトばかりになり、コールセンターへのクレームが増加してしまいました。この経験から、派遣社員の方々の待遇改善は、企業の利益向上にとっても重要だと感じました。

私は、企業に派遣社員の正社員登用を積極的に働きかけている貴社で、営業職を通し、派遣社員が長く働き続けられる環境を整えられるよう、法律や賃金制度の観点から企業にアドバイスをしていきたいです。企業と派遣社員双方が満足できる場を設けることで社会貢献をしたいと考えています。(400字以内)

アルバイト先での経験から、派遣社員の待遇改善の想いが伝わります。派遣社員の待遇改善が企業の利益にもつながることを述べている点が魅力です。

人材派遣の仕事では高いコミュニケーション能力交渉力が求められるため、コールセンターでの経験は高い評価につながるでしょう。コールセンターでどのような対応を心掛けていたかを述べれば、さらに自分を魅力的にアピールできます。

例文4:人材派遣

例文

私は適材適所を重視した人材派遣業に携わりたいです。

学生時代、私はイベント設営バイトをしており、その中には多くの派遣社員がいました。しかし、仕事内容や自身のスキルに合わないために、離職者が日々絶えない状況でした。そこから、私は派遣社員をただ送るだけでなく、派遣社員の特性と、派遣先の相性を考慮した上で両者を引き合わせることが重要だと学び、人材業界を志望しました。

貴社を志望した理由は、業界の中でも規模が大きいため、高い情報発信力を備える状況下で働きたいと感じたからです。そして、海外とのやり取りも行う業務も存在するため、留学で培った英語力を活かしながら、キャリアの幅も広げていきたいと考えています。

人材派遣のみならず英語力を仕事で発揮できる総合職を希望し、多岐の仕事の場面で仕事にコミットし貴社の利益につながる人材を目指します。(400字以内)

ここでも、アルバイトの経験をきっかけに人材業界を志望したのが、具体的で明確に伝わる例文となっています。

実際の現場から学んだことと、自分の考えだけでなく、会社に入った後の働き方も計画しているという点が非常に魅力的です。ここでは、総合職に焦点を当て、その後の自身のキャリアについても言及している点が明確な差別ポイントとなっています。会社への志望動機のみならず、自身の将来像も踏まえると、より熱意のある文章ができるでしょう。

例文5:求人広告

例文

私は、仕事の機会を多くの人に届けたいと考えております。

私がテニスサークルに所属してた際、成員の減少という問題に直面し、ビラ配りのみでは情報が十分に行き渡っていないのではと疑いを持ち、SNSを活用し始めました。その結果、ビラよりも情報を多く行き渡らせ、例年以上の1.5倍の成員の確保に成功しました。

私はこの事から、情報を多くの人に行き渡らせることの大切さを学びました。そして、これは仕事にも当てはまると考え、就職難と言われる現代で多くの人に仕事の機会を提供したいと思い、人材業界を志望しました。貴社を志望した理由としては、私が志望する求人広告の事業に注力していた点に加え、新規事業の立案も行なっている事から、分析し行動する力を活かし、キャリアの幅を同時に広げられると考えたからです。

自身の経験を直接活かせる営業職を通して、自身のみならず貴社の成長を担う人材となるよう精進します。(400字以内)

大学時代の活動の経験から求人広告の志望動機に繋げているのが、具体的でわかりやすい文章となっております。そして、実際に課題に向き合い、どのように解決をしていったのかのプロセスや結果が、数字を用いて書かれているため、非常に客観的な文章となっている点も良いです。

求人広告の分野では、ただ求人情報を掲載するのではなく、それぞれの会社の求人内容や、狙う顧客に応じた、広告戦略が求められてきます。自身の経験を活かす際、両者を合わせた内容について書くとアピール力を高められることができます。

人材業界の志望動機を書くときの注意点

他の項目との一貫性を持たせる

志望動機の内容と、自己PRなど他の項目の内容に矛盾や差異があると、採用担当者に不信感を与える可能性があります。

例えば、自己PRで「分析力」をアピールしながら、志望動機に「コミュニケーション能力を活かして貢献したい」と書かれていた場合、採用担当者はその就活生の一番の強みがなんなのかを理解しにくくなってしまいます。

就活ではわかりやすさと信頼感が重要です。一貫性のない志望動機はこれらを損ないかねないため、十分注意して作成しましょう。

給与や福利厚生を志望動機にしない

人材業界の人気の背景には、給料の高さや福利厚生の高さなどの条件面が良いということが挙げられます。しかし、それだけを理由に志望動機を書いてもアピールには繋がりません。

なぜなら、それより良い条件の会社があれば、すぐに退職してしまうのではないかと思われてしまったり、そもそも仕事内容に興味がないのではないかと捉えられてしまう可能性が出てくるからです。

人と人を繋ぐ仕事がメインである人材業界とは、言い換えれば人の人生を扱う仕事とも言えるため、仕事に対する責任は当然大きくなってきます。したがって、企業も仕事に対して責任感を持って取り組む人を重視するため、給与や待遇といった条件面ではなく、仕事の内容に焦点を当てた志望動機を書きましょう。

志望する会社のポジションに必ず触れる

前述したように志望動機を書く際は、自身の特徴を生かしたオリジナル性を持たせることが大切です。

人材業界と言っても、企業によって力を入れている事業は大きく異なっています。そのため、自身が志望する企業の事業情報や職種のポジションをしっかり抑えた上で、自身の強みと志望する企業との適性を把握することが大切です。

それぞれの企業の特徴を踏まえず、希望する職種では達成できない内容や異なる話をしてしまうと、他社と異なる自社独自の特徴をちゃんと理解しているのかという印象を与えてしまう可能性があり、当然人事の評価も低くなってしまいます。ですので志望動機を書く際は、志望する会社の特徴を調べ、理解した上でその会社へのアピールを強めることを意識しましょう。

修飾語は多用しない

「とても」「かなり」といった修飾語は、エピソードに具体性を持たせるのに一定の効果がありますが、多用すると内容が幼稚で密度の薄いものに見られやすくなるというデメリットもあります。

そのため、基本的に使用は控え、エピソードの中で特に強調したい箇所にだけ使うという形にとどめるべきでしょう。

また、使用する場合にも「めっちゃ」や「すごく」のようなカジュアルな表現は避けるべきです。

人材業界の志望動機のポイントを活用し内定を勝ち取ろう!

人材業界を志望する際は、人材業界の各会社が持つオリジナルな特徴について触れながら自身の志望動機を作ることが大切です。

仕事の責任が大きい反面、やりがいも大きく人気な仕事であるため、多くの志望者の中で際立つ志望動機を作ることが非常に重要であるといえます。

ありきたりのエピソードでは選考突破は難しく、魅力的なオリジナル性溢れる志望動機を書くことが、選考を大きく左右するポイントとなります。

なぜ人材業界を志望し、なぜその企業を志望するのかを、一つ一つ自分の中で言語化していき、自分らしい志望動機を作成し、内定を勝ち取りましょう!

【例文13選】インターンシップ選考の自己PRの書き方|強みを活かすポイント

インターンシップに参加するために書類選考が行われるケースは非常に多く、中でも「自己PR」はその人の人柄や参加意欲を企業が確認するための重要な項目です。しかし、本選考の自己PRとの違いが分からず苦戦する学生も決して少なくありません。

インターン選考の自己PRにおいては、企業が目を惹くことを意識して作成するのがポイントです。

本記事では、インターンシップ選考を突破するための自己PRの書き方を解説しています。自己PRで企業が重視しているポイントや注意点、例文も多く交えて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

自己PRとは

自己PRとは、企業に対して「私はこんな人間です」とアピールする自己紹介のことです。特に、インターンシップ選考においては、数多くの学生の中から選んでもらうための第一印象を左右する重要な要素となります。

企業は、あなたの学歴だけでなく、性格や価値観、インターンシップを志望する動機など、あなたのパーソナリティを深く知りたいと考えています。自己PRは、これらの情報を分かりやすく、簡潔に伝える絶好のチャンスなのです。

なお、就職活動において自己PRが必要になる機会は、インターンシップ選考と本選考の2つです。自己PRの目的や求められる内容はそれぞれ異なりますので、次の項目で解説します。

本選考の自己PRとの違い

本選考とインターンシップにおける自己PRは、目的や求められる内容に大きな違いがあります。

まず、インターンシップの自己PRとは、企業に対して「あなたのことをもっと知りたい」と思わせるための第一歩です。企業側は、あなたのポテンシャルやこれまでの経験、インターンシップに興味を持った理由を知りたいと考えています。これらをアピールするには、インターンシップで得たい経験や参加意欲を具体的に述べる必要があります。

一方、本選考における自己PRでは、その企業で働く上で必要な能力や経験を持っていることをアピールする必要があります。そのためには、これまでの経験から得たスキルや知識を、入社後どのように活かせるのかを説明しなければなりません。また、企業理念や事業内容を理解し、企業の一員として貢献したいという強い意志を伝えることも重要です。

つまり、インターンシップの自己PRは、あなたのポテンシャルをアピールし、企業とのマッチングを図るためのものです。一方、本選考における自己PRは、あなたの能力や経験をアピールし、入社後の活躍を約束するためのものです。

両者の違いを理解し、それぞれの状況に合わせて自己PRを作成すれば、より効果的に自分をアピールできます。

企業がインターンで見ている自己PRのポイント

自分自身の言葉で自己PRできているか

インターンシップ選考における自己PRは、あなたの個性を企業に伝えるための場です。教科書通りの表現や、ありきたりな言葉ではなく、自分の言葉で自身の強みや経験を具体的にアピールしましょう。

たとえば、「私はコミュニケーション能力が高いです」と書くだけでは、どれくらいのコミュニケーション能力があるのかが具体的に分かりません。

「学生時代に〇〇というプロジェクトで、チームメンバーと協力し、〇〇という成果を上げました」のように、具体的なエピソードを交えてアピールすれば、自己PRの説得力が増すでしょう。

学生の人柄が自社の社風とマッチしているか

企業は、定着して長く働いてくれる社員を採用するために、自社の社風・カルチャーにマッチした人材を求めています。あなたの人柄が企業にマッチしているのをアピールするために、あなたの価値観や考え方を伝えた上で、企業の価値観になぜ共感しているのかを書きましょう。

書き方の一例としては、「私はチームワークを大切にしており、◯◯◯という経験を通して、その大切さを学びました。貴社が掲げる〇〇◯という社風に大変強く共感しております。企業理念を体現すべく、私も貢献したいと考えています。」といったイメージです。

採用ホームページや採用動画、企業のSNSなどを事前にチェックし、企業の社風やカルチャーを理解した上で、自分の考えをまとめましょう。

学生が入社後に活躍できるイメージができるか

企業は、インターンシップを通じて、未来の会社を支えるポテンシャルを秘めた学生を見極めたいと考えています。インターンシップはあくまで「就業体験」ですが、企業にとって、学生がインターンに参加する姿勢や取り組み方、周りへの配慮の有無など、さまざまな能力を知れる場でもあるのです。

自己PRでは、あなたの経験やスキルが入社後どのように活かせるのかを具体的に示しましょう。たとえば、「学生時代に〇〇というアルバイトで、〇〇というスキルを習得しました。このスキルを活かして、貴社の〇〇という業務に貢献したいと考えています」のように、具体的な将来像を描けば、企業にあなたの可能性を感じてもらえるでしょう。

志望動機と自己PRに矛盾がなく一貫性があるか

志望動機と自己PRは、それぞれ別の要素ですが、両方に一貫性を持たせる工夫が必要です。志望動機と自己PRに矛盾がある場合、「それほど本気度は高くないのではないか」と思われてしまうおそれがあります。自己PRで述べた強みや経験が、なぜその企業を志望する理由につながるのかを説明しましょう。

たとえば、「貴社の〇〇という事業に魅力を感じ、私も貢献したいと考えています。学生時代に〇〇という経験を通して、〇〇というスキルを身につけました。このスキルを活かして、貴社の〇〇という業務で成果を出したいです」のように、志望動機と自己PRを結びつければ、あなたのやる気と熱意を伝えられます。

インターンへの参加意欲をアピールできているか

企業は、やる気と熱意を持ってインターンシップに臨んでくれる学生と出会いたいと考えています。一方で、あなたがどれだけやる気を持っていたとしても、それを選考の場でアピールしなければ人事担当には伝わりません。

エントリーシートは文章として形に残るものだからこそ、「なぜそのインターンシップに参加したいのか」「インターンシップで何を学びたいのか」を具体的に書きましょう。具体的には、「貴社のインターンでは、〇〇という業務を経験したいと考えています。この経験を通して、〇〇というスキルを身につけ、将来のキャリアに繋げたいです」のように、インターンに対する具体的な目標を伝えると良いでしょう。

インターンにおける自己PRの書き方

①結論やキャッチフレーズを先に伝える

自己PRを書くときは、結論やキャッチフレーズで目を惹くことが大切です。結論やキャッチフレーズを最初に書けば、あなたの強みやアピールしたい点をひと目で理解してもらうことができます。

たとえば、「私を一言で表すと、”納豆のように粘り強い性格”です。具体的には~」といったように、最初の一文で大きなインパクトを残すのがポイントです。次に書かれている具体的なエピソードを思わず読みたくなるような工夫は、あなたの印象を残せる方法でもあります。また、あなたが自己PRを通じて何をアピールしたいのかが明確になるので、説得力も増すでしょう。

②インターンで学びたいことを洗い出す

自己PRを作成する前に、インターンシップで何を学びたいのかを具体的に洗い出しましょう。募集要項を参考にしながら、あなたの興味・関心やキャリアプランと照らし合わせて、特に学びたいことを3つ程度に絞り込むのがポイントです。

たとえば、「貴社の〇〇という事業に興味があり、その業務に関わることで〇〇を学びたいと考えています。」のように、具体的な目標を立てれば、インターンシップで学びたい意欲を具体的に伝えられるでしょう。

③自分自身の強みやスキルを言語化する

自己PRは、あなた自身がどのような強みやスキルを持っているのかをアピールする場です。ただし、「協調性」や「コミュニケーション能力」といった言葉は誰にでも当てはまるものなので、この言葉だけではアピール材料としては不十分です。

「何が得意か」「何ができるか」を具体的に言語化するには、具体的なエピソードが不可欠となります。たとえば、「コミュニケーション能力が高い」だけでなく、「学生団体でリーダーを務め、メンバーの意見をまとめながらイベントを成功させた」のように、具体的なエピソードを交えて説明すれば、説得力が増すでしょう。

④強みやスキルを得たエピソードを書き出す

単に「コミュニケーション能力が高い」と書くだけでは、他の応募者との差別化ができません。あなたのその強みをどのように身につけてきたのか、具体的なエピソードを書き出すことで差別化を図ることができます。

たとえば、「アルバイトで顧客対応を行い、様々なタイプの顧客に対応することでコミュニケーション能力を磨いた」といった経験談を書くことで、人柄や強みがより伝わります。

⑤企業が求める人材像やスキルをチェックする

企業の求人ページや会社説明会などで、企業がどのような人材を求めているかをしっかりと把握しましょう。企業が重視するキーワードを自己PRに盛り込めば、あなたの熱意が伝わりやすくなります。

例えば、企業が求める人物像が「積極性が高い人材」であれば、「新たな取り組みに積極的にチャレンジする姿勢」をアピールすると良いでしょう。企業から「あなたとぜひ働きたい」と思ってもらえるように、企業の求める人物像に合わせた内容に仕上げましょう。

⑥インターンで強みを活かせるポイントを書く

最後に、あなたの強みをどのようにインターンで活かしたいのかを具体的に書きましょう。この部分のアピールがなければ、「結局どんな活躍ができるのか」という疑問を持たれてしまいます。

例えば、「コミュニケーション能力を活かして、チームメンバーと協力し、プロジェクトを成功させたい」や「問題解決能力を活かして、企業が抱える課題解決に貢献したい」など、具体的な目標を示せば、あなたの意欲がしっかりと伝わるでしょう。

インターンの自己PRを作成するときのポイント

誰が見ても分かりやすい内容にする

インターンシップ選考における自己PRは、あなたの魅力を企業に伝えるための第一歩です。難しい専門用語だらけの内容では、「何を言いたいのかが分からない」というマイナス印象につながる可能性があります。

好印象を残すためにも、簡潔かつ具体的に、誰が見ても理解できるような文章にすることが大切です。誰でも理解できる言葉で、あなたの考えや経験を伝えましょう。また、段落を区切って、人事担当が分かりやすいように工夫するのも効果的です。

あなたの人柄や能力が伝わるように意識する

企業は、あなたのスキルだけでなく、人柄も重視します。自己PRでは、具体的なエピソードを交えながら、あなたの強みと個性をアピールしましょう。

「責任感がある」「コミュニケーション能力が高い」など、誰にでも使える抽象的な言葉だけでは、あなたの人柄まで深掘りできません。これまで歩んできた具体的なエピソードを通して、あなたの人柄や能力がどのように発揮されたのかを具体的に締めれば、説得力のある自己PRに近づくでしょう。

エピソードを誇張せず等身大の自分をアピールする

自己PRで自身の経験や能力を誇張して表現する就活生もいますが、人事担当は大勢の学生の選考をする立場なので、エピソードを誇張してもすぐに見抜かれてしまいます。

嘘偽りなく、ありのままの自分を正直に表現し、等身大の個性をアピールしましょう。例えば、「◯◯◯での活動を完璧にこなせました」と書くのではなく、「最初は苦労しましたが、周囲のサポートのおかげでプロジェクトが成功しました」のように、具体的なエピソードとともに、あなたの成長過程を示せば、より魅力的な自己PRになるでしょう。

【アピールポイント別】インターン選考を勝ち抜く自己PRの例文

共感力をアピールする例文

例文

私は、学生時代にボランティア団体で活動し、様々なバックグラウンドを持つ方々と交流する機会に恵まれました。その経験を通して、相手の立場に立って考え、共感する大切さを学びました。
特に、〇〇という活動で、〇〇という状況に置かれた方の話を聞き、その方の気持ちに寄り添いながら、〇〇という提案を行いました。その結果、〇〇という成果に繋がり、相手の方からも感謝の言葉をいただくことができました。
この経験から、私は相手の気持ちを理解し、共感することで、より良い関係を築けることを実感しました。貴社のインターンシップでは、チームで一つの目標に向かっていく中で、メンバー一人ひとりの意見に耳を傾け、共感することで、より良いチームを作り上げたいと考えています。(350字以内)

この例文は、周りの人とのつながりを大事にしている人柄が伝わりやすく書かれています。冒頭から、「どのような経験」「どんなプロセス」「何を学べたのか」という要素も簡潔にまとまっているので、内容が頭に入ってきやすい理想的な仕上がりです。

文章の最後では、インターンシップでチームビルディングを行いたいという目標も書かれているので、人事担当にとってインターン参加後の期待値が上がる内容です。いわば、自分に対する企業からの注目度が上がる自己PRともいえるでしょう。

継続力をアピールする例文

例文

私は、大学時代に地域活性化のイベント団体で4年間活動し、町おこしイベントの目標達成に向けて、コツコツと努力を続けてきました。
団体のリーダーになるのが私の目標だったので、メンバーとのコミュニケーションを大切にしたり、新たなイベント企画を積極的に提案したりと、具体的な行動を毎日続けました。4年次にはリーダーに就任し、自身が企画したイベントでも多くの方に来場いただくことができました。
この経験から、私はどんなに困難な状況でも、目標に向かって諦めずに努力を続けることができるという自信を身につけました。貴社のインターンシップでは、長期的な視点を持って業務に取り組み、目標達成に向けて粘り強く取り組んでいきたいと考えています。(350字以内)

この例文の特徴は、リーダーになるという目標に向けて4年間活動してきた継続力の高さがダイレクトに伝わる点です。

物事を粘り強く継続する資質は、どの企業においても有効なアピールポイントです。また、リーダーになるために取り組んだ取り組みも明らかとされているので、ゴールから逆算して物事を考えられる能力もうかがえます。

また、自分の能力を仕事でどのように活かせるのかをアピールできているので、有能な人材だと判断してもらいやすいでしょう。

協調性をアピールする例文

例文

私を一言で表現するならば、「人と人をつなぐ接着剤」のような人間です。
私は、複数のゼミが集まってディスカッションをおこなう合同イベントのリーダーを経験し、協調性をもって物事に取り組む重要性を学びました。
プロジェクトを進める中で、メンバー間の意見が異なる場面もありましたが、積極的にコミュニケーションを取り、お互いの意見を尊重しながら、最終的に全員が納得できる結論に至りました。この経験から、私は多様な価値観を持つ人々と協力し、チームとして一つの目標に向かっていくことの大切さを学びました。
貴社のインターンシップでは、チームの一員として、積極的にコミュニケーションを取り、他のメンバーと協力し合い、プロジェクトを成功させたいと考えています。(350字以内)

最初の一文はキャッチフレーズを活用しており、採用担当者の関心を引く文章になっています。問題を改善するための行動も上手くまとめられているので、説得性のある内容に仕上がっています。

また、協調性は社会人に必要なスキルなので、企業のニーズにマッチしている点もアピールできています。自身の強みをインターンシップでも活かしたいという意欲も書かれているので、入社後の仕事ぶりも期待できる印象を与えるでしょう。

気配りをアピールする例文

例文

私は、牛丼チェーン店でのアルバイトを経験し、お客様への気配りの大切さを学びました。
アルバイト先は、全国売上TOP3の新宿駅近くにある繁盛店なので、ピークタイムはスタッフの接客が雑になりがちという課題がありました。そこで私は、お客様の表情や言動から「何が求められているのか」をいち早く察知し、適切な対応を心がけました。その結果、常連のお客様から「あなたの気配りはピカイチだね」という感謝の言葉をいただくことができました。
この経験から、相手の気持ちを考え、周囲への気配りを心掛けることの重要性を認識しました。貴社のインターンシップでは、周囲の人々への気配りを忘れずに、チームに貢献したいと考えています。(300字以内)

この例文のポイントは、物事の課題と改善策を自分の頭で考え、行動できる能力がうかがえる点です。

また、エピソードの中で繁盛店で働いていたことに触れており、忙しさを人事担当に想像してもらいやすい内容になっています。

そのような環境で、お客様第一で気配りを心がけたことは、アパレルや販売などの接客業のインターンシップで特に有効でしょう。

コミュニケーション能力をアピールする例文

例文

私は大学生活において、新入生向けのオリエンテーション企画と運営を担当しました。
大勢の前で話すことに最初は緊張しましたが、話し方に関する著書を読んだり、何度もリハーサルを重ねることで、相手に分かりやすく、そして面白く伝えるための技術を磨きました。その結果、参加者から好評を得ることができ、オリエンテーション後のアンケート回答では9割以上の学生から「満足した」という回答をもらえて、自信につながりました。
この経験から、相手に分かりやすく、そして楽しんでもらえるようなコミュニケーションを取ることの大切さを学びました。貴社のインターンシップでは、積極的にコミュニケーションを取り、チームメンバーや社員の皆さまと円滑な関係を築きたいと考えています。(350字以内)

この例文のポイントは、コミュニケーション能力を「相手にわかりやすく伝える力」と表現することで、ライバルとの差別化を可能にした文章になっています。

コミュニケーション能力を身に着けたプロセスだけでなく、オリエンテーション後のアンケート結果を数字で表現するなど、より具体的で説得性のある内容に仕上がっています。

エピソードにおいて、アンケート結果や売上アップ率といった実績があるときは、このように数字で表現すると良いでしょう。

課題解決力をアピールする例文

例文

私の強みは課題解決力です。アルバイト先の居酒屋で常連客減少の課題に直面した際、この力を発揮しました。お客様アンケートでニーズを分析し、健康志向の高まりに着目。栄養バランスの良いヘルシーメニューを開発し、SNSで積極的にPR。結果、新規顧客を獲得し、売上が15%向上しました。この経験から、データ分析と行動力の重要性を学びました。今後は、マーケティング業界で消費者ニーズを的確に捉え、創造的な戦略を立案・実行できる人材として、常に変化する市場に柔軟に対応し、企業の成長に貢献していきたいと考えています。(250字以内)

この自己PR文は、アルバイト先での取り組みを通じて課題解決力をアピールしています。具体的な取り組み内容や結果の数値を示すことで、自身の能力をわかりやすく伝えられています。

取り組みとして、アンケート実施やSNS活用など、現代的なアプローチを用いている点も評価されるポイントです。さらに、これらを志望業界と結び付け、貢献できることを明確にしているため、企業にも将来的な活躍を期待してもらえる内容になっています。

課題解決力のアピールは、実際に何が課題で、具体的にどのような取り組みをしたのかという2つの要素を軸にすることで、効果的なものになります。さらに、その企業のどんな業務で役立てるかまで書けると採用担当者にも将来図をイメージしてもらいやすくなるでしょう。

分析力をアピールする例文

例文

私の強みは分析力です。ゼミの研究プロジェクトで、複雑な社会問題に取り組む中で最も発揮しました。膨大なデータと格闘し、粘り強く整理・分析を重ねた結果、新たな知見を見出し、学内発表会で高評価を得ました。この経験を通じ、統計ソフトの活用スキルや、多角的な視点からの問題分析力を磨きました。また、データに基づく洞察が社会課題の解決に直結することを実感しました。今後は、この強みを活かし、シンクタンクや企業の戦略部門で、データ分析を通じて社会や組織の課題解決に貢献したいと考えています。(250字以内)

分析力のアピールとしてゼミでの研究の経験を取り上げています。最初に研究のテーマを明確にすることで、企業との関連性があることを示し、関心を持ってもらえるよう工夫されています。

さらに、研究の過程で苦労した点や、それを乗り越えたこと、結果として得たことがしっかりと述べられており、本人の能力や成長がよくわかる内容となっています。分析した内容や結果について、数値を用いて表現することができれば、より説得力のある自己PRに仕上がるでしょう。

対応力をアピールする例文

例文

私の強みは対応力です。大学の学生プロジェクトで、この力を発揮しました。メンバー間の意見対立では、各人の意見を丁寧に聞き取り、共通点を見出して合意形成を図りました。また、予期せぬ技術的問題に直面した際は、専門家へのヒアリングや代替案の検討を迅速に行い、プロジェクトの遅延を最小限に抑えました。この経験から、臨機応変な対応の重要性と多角的な視点での問題解決を学びました。今後は、IT業界で新たな課題に直面しても、冷静に対応し、革新的なソリューションを提案できるエンジニアを目指します。(250字以内)

対応力という強みを学生プロジェクトの具体的なエピソードを通じて効果的に示している自己PRです。意見の対立と技術的問題への対応を明確に述べることで、幅広い能力の高さが伝わってきます。

学びと成長も具体的に表現されており、説得力を持たせられています。最後の今後の抱負を伝える部分では、具体的な企業の業務や部門について言及できると、企業研究の成果も同時にアピールすることができるでしょう。

柔軟性をアピールする例文

例文

私の強みは柔軟性と粘り強さです。大学野球部での経験を通じ、これらの強みを発揮しました。入部当初、ポジションが定まらず苦戦しましたが、チームのニーズに応じて様々な役割を経験。主力選手の怪我時には、慣れない投手も務めました。苦手な球種の習得に励み、チームの窮地を救えたことで、変化を恐れずチャンスと捉える姿勢を学びました。この経験は、学業でのグループワークでも活きており、多様な意見を柔軟に取り入れ、最適な解決策を見出すことができました。どんな環境でも適応し、粘り強く取り組む姿勢は、ビジネスの世界でも必ず活かせると確信しています。(300字以内)

大学の部活動での経験を通じて、柔軟性と同時に粘り強さをアピールしている自己PR文です。最初はうまくいかず、自身の強みを発揮して活躍の場を掴んでいったエピソードにより、アピールポイントがわかりやすく伝えられる構成になっています。

複数の強みを挙げることは、魅力を多面的に表現することができるため効果的ですが、アピールの内容がぶれてしまう可能性もあるので注意が必要です。この例文のように、共通のエピソードからそれぞれの強みを強調する形であれば、どちらも印象に残すことができるでしょう。

忍耐力をアピールする例文

例文

私の最大の強みは、困難に直面しても粘り強く取り組む忍耐力です。大学での研究活動で、実験データが思うように出ない状況に直面しました。そこで、問題を細分化し、各要素を丁寧に検証することで、徐々に改善策を見出しました。特に、連続10時間以上の観察実験では、睡眠時間を削りながらも集中力を保ち、貴重なデータを取得。この経験から、目標達成には継続的な努力と忍耐が不可欠であり、同時に効率的な問題解決能力も身につけました。今後は、この忍耐力と問題解決力を活かし、長期的な視点で課題に取り組み、組織の持続的な成長に貢献したいと考えています。(300字以内)

忍耐力の根拠として、大学での研究活動を取り上げている自己PR文です。長時間の実験に忍耐強く取り組んだという経験として、具体的な時間を表記することで、採用担当者に状況が伝わりやすくなっています。

また、経験から得られた学びを明確に示し、将来のビジョンをより具体的に述べることで、自己成長と組織貢献への意欲が効果的に表現されています。長期的な活躍が見込める人材ということが伝われば、選考を有利に進められるでしょう。

【文字数別】インターン選考を勝ち抜く自己PRの例文

【150字】分析力をアピールする例文

例文

私の強みは分析力です。大学時代のコンビニアルバイトでは、店舗の売上低迷を課題と捉え、データ分析に基づいた新しい商品陳列方法を導入し、前年比10%の売上増加を果たしました。この経験から、論理的思考の重要性を学びました。今後は、貴社の課題に対して積極的なアプローチをし、貢献したいと考えています。(146字)

150字指定の自己PRでは、それぞれの事柄について詳細に書くことはせず、最も重要な部分や最低限必要な情報のみを提示するようにしましょう。

また、この例文では「です・ます調」ですが、「だ・である調」で自己PRを書くことで文字数を削減でき、より多くの内容を書くことも可能になります。伝えたい内容や与えたい印象に合わせて、言い切りの表現を変えることが効果的です。

【200字】問題解決力をアピールする例文

例文

私の強みは自主性と問題解決能力です。大学のサークル活動で、活動停滞という課題に直面した際、自ら改革を提案しました。個別面談の実施や新イベントの企画を主導したところ、翌年の新入部員が20名増加し、サークルに活気が戻りました。この経験から、自主的な行動が周囲を巻き込み、大きな変化を生み出せることを学びました。今後は、IT業界で培った問題分析力と実行力を活かし、顧客の課題解決に貢献したいと考えています。(200字)

200字の自己PRでは、150字よりもやや多めに内容を書くことができます。そのため、具体的な取り組みの内容や詳細な成果を記載し、説得力を上げることを意識して作成しましょう。

ただし、基本的にはエピソードや今後の意欲が重要であるため、最初の結論の部分については簡潔で短くまとめておく方がいいでしょう。

【400字】問題解決力をアピールする例文

例文

私の強みは、多様な状況下で効果的なコミュニケーションを図り、問題解決へ導く能力です。私は大学バスケットボール部の副キャプテンとして、チーム内の意見対立を解消してきました。各メンバーの考えを丁寧に聞き取り、互いの立場を理解し合える環境を構築するために尽力しました。練習方針を巡る議論では、全員の意見を集約し、チームの目標と個人の成長を両立させる新たな練習メニューを提案しました。結果、チームの雰囲気が改善され、地区大会で過去最高の成績を達成することができました。この経験から、多様な価値観を尊重しつつ、共通目標に向けて人々を導くコミュニケーションの重要性を学びました。このようにして得た能力を活かし、貴社ではグローバルな環境で異なる文化や背景を持つ人々と協力し、円滑なコミュニケーションを促して組織の国際的な発展に貢献したいと考えています。(369字)

400字は最も一般的な自己PRの文字数であり、伝えたいエピソードや豊富を伝えられるフォーマットです。具体性を持たせられる部分や、数字で成果を表せる部分については積極的に記載し、その状況について理解しやすい文章で作成しましょう。

この自己PRでは複数の取り組みや成果を取り上げており、様々な面で活躍できる人物であるということがよくわかる内容になっています。チームで動くことの多い仕事の場において、活躍が期待できるコミュニケーション能力の高さが表現できています。

インターンの自己PRを作成するときの注意点

誤字・脱字はないか

インターンシップの選考における自己PRは、あなた自身の第一印象を左右する大切な要素です。誤字脱字があると、丁寧さに欠ける印象を与えてしまい、「エントリーシートは大事な書類なのに、誤字・脱字チェックすらしないのか」というマイナス印象にもつながります。

せっかくの自己PRが台無しになるのはもったいないので、作り終えたら何度も読み返して、誤字脱字がないか確認しましょう。特に、氏名や企業名などの重要な部分は慎重にチェックすることが大切です。

文章構成に違和感はないか

自己PRは、ただ単に自分のエピソードを羅列するのではなく、人事担当に分かりやすく、かつ興味を持ってもらえるような構成にする工夫が必要です。

文章を書くときに、「結論→根拠→結果」という流れを意識して、論理的な流れで文章を組み立てれば説得力が増します。また、同じワードの繰り返しを避けると文章全体にメリハリが生まれます。文章構成が苦手な方は、エントリーシートに書き起こす前に、メモ帳に文章を書き出すところから始めると良いでしょう。

話が広がり過ぎていないか

自己PRは、内容が広がり過ぎていたり、二転三転したりするのは好ましくありません。一番伝えたいポイントが分からなくなり、あなたがどんな人物なのかを判断するのも難しくなってしまうためです。

アピールポイントがたくさんあるのは良いことですが、その中でも特に企業が求めている強みを1つに絞るのがおすすめです。求める人物像などから、企業が何が求めているかを分析した上で、自己PRを書きましょう。

志望動機と矛盾が生じていないか

自己PRは、単独で存在するものではなく、志望動機と深く関連しています。自己PRで述べた経験やスキルが、なぜその企業のインターンシップで活かせるのか、具体的に説明することが重要です。

例えば、「私は学生時代に〇〇サークルで活動し、リーダーとしてチームをまとめる経験を積みました。この経験から、私は〇〇という能力を身につけました。貴社の〇〇というプロジェクトに興味があり、私の能力を活かして貢献したいと考えています。」のように、自己PRと志望動機を繋ぎ合わせれば、より説得力のある自己PRになるでしょう。

文字数制限がある場合は守れているか

多くの場合、エントリーシートの自己PRには文字数制限が設けられています。特に指定されていない場合でも、300~400文字以内に収めるのが適切です。文字数がオーバーしないか不安な方は、伝えたい内容を箇条書きにした後に文章でまとめてみましょう。

だらだらと長文を書いてしまうと、読みにくく、アピールしたい肝心の部分が埋もれてしまう可能性があります。また文字数制限を超えてしまうと、選考から外れてしまうこともあるので、注意が必要です。

エピソードの説明が抽象的になっていないか

自己PRでは、具体的なエピソードを用いて自分の強みをアピールすることが効果的です。抽象的な表現ではなく、「いつ」「どこで」「誰と」「何を」「どのように」「どんな結果に」といった要素を一つ一つ意識して書くと説得力が増します。

「私はリーダーシップがあります」という表現よりも、「学生時代に〇〇サークルでリーダーを務め、〇〇というイベントを企画し、参加者から好評を得ました」と伝えた方がどんな経験をしてきたのか、またリーダーシップが強みであることの根拠を示すことができます。

具体的なエピソードを交え、より分かりやすく、あなたの強みをアピールしましょう。

インターンの自己PRにおけるよくある疑問

自己PRできる経験やスキルがない場合は?

自己PRに書くことが見つからない時には、大学生活で経験してきたことをできるだけ細かく洗い出してみましょう。部活動やサークル活動、アルバイト、ゼミなど何でも構いません。

経験やスキルというと難しく考えがちですが、特別なことをアピールする必要はありません。あなたがこれまでどんなことを経験し、学んできたかを自分の言葉で書くことが大事です。

経験において共通している強みが見つかったら、「協調性」や「コミュニケーション能力」などの言葉に言語化していきます。そうすることで、自身が一番自信を持って伝えられるものが何なのかが見えてくるでしょう。

自己PRでアルバイト経験をアピールするのはOK?

アルバイト経験のアピールはまったく問題ありません。アルバイトは多くの方が一度は経験するものなので、自己PRの材料がない方も取り入れやすい傾向にあります。しかし、だからこそエピソードがありきたりだと、周りとの差別化を図れなくなってしまうので、書く時には注意が必要です。

例えば、アルバイト先の売上アップにつなげた取り組みやマネージメント経験など、できるだけ周りと差が付くようなエピソードを用意するのをおすすめします。

自己PR用の派手なエピソードがない時は?

自己PRで強く印象を残すために派手なエピソードを書きたがる就活生も多いですが、基本的にどのようなエピソードでも強みが伝わるのであれば問題ありません。

企業が知りたいのは就活生の個性や能力であり、エピソードはそれを裏付けるためのものに過ぎません。そのため、小さなエピソードでもわかりやすく伝えることで、十分に自分の強みをアピールできる自己PRが作れます。

魅力的な自己PRでインターン選考の合格率を上げよう

魅力的な自己PRが書ければ、インターン選考の合格率を大きく高めることができます。自己PRを作成するときは、求める人物像など企業が重視するポイントを意識した内容にしましょう。

なお、エントリーシートは一度提出したらやり直せないので、誤字・脱字には十分に気を付けてください。文章校正が完璧で魅力的な内容の自己PRがあれば、ライバルとの差別化ができます。企業やインターンシップの内容を下調べして、あなた自身の強みをアピールしましょう。

志望動機の箇条書きはOK!効果的な志望動機の書き方とポイント【例文あり】

志望動機をまとめる際、どのような形式で書けば良いのかわからず悩んでいる人も多いのではないでしょうか。ネット上では「志望動機の箇条書きはNG」「ストーリー仕立てにした方が良い」という意見が多く見受けられますが、実は志望動機を箇条書きすることは、採用担当者の印象に残りやすく、他の就活生と差別化できるというメリットがあります。

しかし、箇条書きにするには要点を簡潔にまとめなければならないためコツを押さえ、魅力的な文章に仕上げなければなりません。

本記事では、志望動機を箇条書きにする上でのポイント、注意点・例文について解説しています。

志望動機は箇条書きにして問題ない 

冒頭でお伝えした通り、企業から指定がない限り、ESの志望動機は箇条書きにしても問題ありません

中には、「ストーリー仕立ての方が企業へ熱意が伝わるんじゃないの?」と考える方もいるかもしれません。たしかに読み応えはあるかもしれませんが、結局何が言いたいのかが分からない文章になってしまっては本末転倒です。

志望動機を長い文章でまとめるのが苦手な方、アピールポイントを絞りたい方、短い文章で説得力を強めたい方は、箇条書きでまとめることをおすすめします。要点が分かりやすいESは、人事担当に好印象を残せる可能性が高いです。

しかし、ただ闇雲に箇条書きにするのはかえってNGです。ポイントを押さえ、志望動機の箇条書きを上手く活用していきましょう。

志望動機を箇条書きにするメリット

要点を簡潔にまとめられる 

箇条書きにすることで、志望動機のポイントを簡潔にまとめることができます。

人事担当は、あなたも含めてたくさんの就活生のESを目にします。そのため、志望動機に目をむけた際に「この志望動機は分かりやすい!」と思ってもらえるだけで、あなたのESは一気に好印象へ近づきます。

逆にいうと、文章だけ長すぎて何が言いたいのか分からないESはマイナス印象につながる可能性が高いです。

すぐに箇条書きにするのが難しいと感じる場合は、まずは長文でもよいので志望動機を書き起こしてみましょう。そのうえで、「私はどんな部分を特にアピールしたいのか?」と自問自答し、志望動機の要点をピックアップしてみましょう。

アピールポイントを明確に伝えられる 

箇条書きを上手く活用すれば、志望動機を通して「何を一番アピールしたいのか」を明確にできます。

ここで、国語の授業を例に挙げて解説しましょう。国語の授業では、物語を通して「作者が何を伝えたいのか」を読解するテストがありますよね?みんなが同じ文章を読んでいるにもかかわらず、テストの回答は人によって大きく異なります。

これはESにも通ずることであり、書き手から要点の提示がない限り、「文章を通して何を伝えたいのか?」は読み手の解釈次第で大きく変わるのです。

せっかくあなた自身をアピールするなら、人事担当へあなたのアピールポイントを齟齬なく伝えたくありませんか?

そのような意味から、箇条書きは文章の要点を先出しで伝えることで、アピールポイントを明確かつ齟齬なく伝えられる方法といえます。

ストーリー立てて構成する工数がなくなる

あなたがその会社を志望する理由を箇条書きでまとめれば、志望動機を伝えるためにゼロからストーリーを組み立てる必要はありません。

ストーリー立てた志望動機は読み応えがありますが、書き上げる際にどうしても時間がかかってしまいます。もちろん、物語テイストにしたい方はそのかたちでも問題ありませんが、どうしても難しい方はストーリー立てという選択肢を無理に選ぶ必要はありません。

志望動機において、「何を伝えたいのか?」ここさえ明確であれば、箇条書きでまとめてOKです。また、伝えたいことが多すぎてまとめきれない方にもおすすめです。

志望動機を箇条書きにするデメリット

分量が全体的に少なくなる

志望動機を箇条書きにすると、どうしても全体のボリュームが少なくなってしまいがちです。

もちろん分量さえ多ければいいというわけではありませんが、志望動機はあなたの熱意を伝えるための重要な項目なので、記載欄そのものが大きめに作られていることが多いです。

そのため、分量が少なすぎると書いていない部分の余白が目立ってしまうことも少なくありません。あまりにもボリュームが少ないと、「志望動機が薄いな…」「もうちょっと頑張ってアピールしてほしいな…」という印象を人事担当に与えてしまう恐れがあります。

箇条書きを活用する場合は、志望動機全体のボリュームに気を付けましょう。

内容が薄いと使い回しに見られがち

あまりにも内容が薄いと、他企業の選考にも使い回しているテンプレの志望動機に捉えられる恐れがあります。

箇条書きにすれば要点を明確に伝えることができますが、企業の特色を全く押さえていない志望動機を提出した場合、「他企業でも良いのではないか?」と思われる恐れがあります。志望動機を箇条書きにする際は、その企業独自の強み、魅力に目を向けていることをアピールしましょう。

企業のオンリーワンな魅力を見つける際のポイントの一例は、企業理念、働く人、働き方、業界の立ち位置など様々挙げられます。志望動機を練る際は、企業のコーポレートサイトの他、採用ホームページやSNSなどの様々な媒体を通して企業研究を行うことをおすすめします。

内容が薄い=意欲が低いとみられる恐れがあり

内容が薄すぎると、意欲が低いと判断される可能性があります。

1つ目のデメリットでも触れましたが、志望動機はあなたの意欲、熱意を企業へストレートにアピールできる絶好のチャンスです。企業を口説き落とすために全力で内容を練り上げて初めて、あなたのラブコールが伝わるのです。

だからこそ、「なぜその会社を志望するのか?」という理由とそこに至ったプロセスに説得力を持たせなければいけません。その前提で初めて、箇条書きのメリットが働きます。

ES対策の本をそのまま流用した言葉を並べるのではなく、あなた自身の言葉でオリジナリティあふれる志望動機を練り挙げましょう。

志望動機を箇条書きにする際のポイント

あくまで「補助」として箇条書きにする

箇条書きは有効な方法ではありますが、志望動機全体をまるまる箇条書きで完結させることはNGです。なぜなら、その要点に至ったプロセス、理由の説明がなければあまりにも手抜き、説明不足と捉えられてしまうからです。

たとえば気になっている人を初めてデートにお誘いする時、「3月1日日曜日の13時にサンシャイン水族館で会おう」とだけ伝える人はいないはず。あなたの気持ちをアピールするための言葉を何かしら伝えますよね?

例えが極端かもしれませんが、考え方は全く同じです。志望動機を箇条書きで書く際は、あくまで箇条書きは要点を明確にするためのサブであり、メインは本文であると認識しておきましょう。

3つ以上の理由がある際に箇条書きにする

志望理由が3つ以上ある場合に、箇条書きを取り入れましょう。

理由が1つ、2つのみしかないのに無理やり箇条書きにしてしまうと、志望理由の少なさを逆アピールしてしまうことになります。

もちろん理由の数だけではなく中身も大切ではありますが、マイナス印象を与えてしまっては元も子もないので、理由が少ない場合は文章形式だけで志望動機を書きましょう。理由が3つ以上あり、本文が長文になりそうな方は箇条書きを活用することをおすすめします。

また、プレゼンの世界では「何かを相手に説得させる際は理由が3つ以上あると説得力が強まる」という考えがあります。理由が3つ以上あるのであれば、この心理傾向を使わない手はありません。

ぜひ、説得力のある自己開示ができることを企業へ思う存分アピールしましょう。

伝えきれない内容は箇条書きの後に補足する

全てをまとめきれない場合は、補足文を箇条書きの後に書きましょう。

箇条書きは、できれば一項目あたり15~20文字くらいで留めておくのが良いでしょう。その方がパッと見た時に分かりやすいからです。理由が長すぎて説明しきれない場合は、箇条書きの下に説明を補足しましょう。

補足文は、要点の足りないところを補う役割を果たしてくれるので、分量はそこまで気にしなくても大丈夫です。あなたが何を伝えたいのかを、不足点なくアピールできるでしょう。

志望動機を箇条書きにする際の注意点

無理に箇条書きを使わない

前述したように、箇条書きには様々なメリットが存在しますが、必ずしも活用しなければならない方法ではありません。

前の項目にて伝えた通り、3つ以上の志望理由がある場合のみ箇条書きでまとめましょう。また、企業によっては志望動機の文字数を指定している場合があります。その場合は、箇条書きは適切でない場合もあります。

たとえば、「150文字以内」という制限がある場合、箇条書きでまとめるとその後の本文が薄くなってしまう場合があります。そのため、文字数の指定が少なくとも300文字以上あり、理由が3つ以上ある場合に箇条書きを活用しましょう。

全て箇条書きにするのは避ける 

繰り返しにはなりますが、全文を箇条書きにしてしまうのは絶対NGです。

それだけで、人事担当がもつあなたへの印象は大きくマイナスとなってしまいます。アピールしたいことがたくさんある方は、箇条書きだけでも結構な行数になるケースもあるかもしれませんが、箇条書きはあくまで「要点」なので、結局何を言いたいのかが分からず、内容も薄いものになってしまいがちです。

そんな残念なESになってしまわぬよう、箇条書きにはそこに至った理由、プロセスなどの補足をそっと添えましょう。もしくは、箇条書きを3行並べた最後にストーリーをまとめて書くのが良いでしょう。

分かりにくいポイントはマイナス要素 

せっかく箇条書きでまとめても、結論として何が言いたいのかが分かりにくいのはマイナス点につながります。

一例として、企業理念に惹かれたことを箇条書きにする場合、「貴社の企業理念に強く惹かれたため」「理念に対する共感性」だったら、どちらが分かりやすいでしょうか?

言いたいことは共通していても、どこか言葉足らずだったりワードチョイスが変に難しい場合、内容がイマイチ頭に入ってこない印象になりがちです。

難しい言葉を使ったり、変に短くし過ぎる必要はないので、「誰が見ても分かりやすい要点」ということを意識して箇条書きを活用しましょう。

箇条書きの例文5選

①食品業界(商品開発)

例文

私が貴社を志望する理由は3つあります。
①企業理念に惹かれたため昨今の食産業は食品添加物の多さから、健康課題も増えているという課題を感じています。そのような中で、健康&美味しさの両方の実現を目指した無添加食品の製造を行う貴社の取り組みに惹かれました。
②貴社の商品開発に携わりたいため私はサッカーをしており、貴社の「濃厚たまごチキンサンド」を幼少期から食べていました。おかげで身体も大きくなり、スポーツでも活躍できました。そのような経緯から、誰かの人生を明るくする商品を作りたいという夢を持ちました。
③人を大切にする社風に魅力を感じたため私は人と話すことが大好きなので、プライベートの場でも会社の方々と交流を深めたいと考えています。皆様と信頼関係を構築できる働き方を体現していきます。(350字以内)

企業に惹かれた理由を、企業理念、商品、働く人という3つの視点から具体的にアピールしており、人事担当にとって企業愛を感じるような志望動機であることがポイントです。

また、幼少期から商品を食べていたという具体的なエピソードで印象づけると同時に、その結果として人生が良くなったこと、自分自身の夢につながったというプロセスが示されています。箇条書きに書ききれないエピソードがある場合は、このように補足文として肉付けして伝えると良いでしょう。

②IT業界(エンジニア)

例文

私が貴社を志望した理由は3つあります。
①貴社の事業に惹かれたため②貴社の社風に魅力を感じたため③海外展開を目指す姿勢に惹かれたため
私は、インフルエンサー活動を支援する学生団体に所属しております。その中で、私は「リアフル」という新たなSNSアプリを開発し、1年半で5,000人超の新規ユーザーの獲得に成功しました。
貴社の「チャレンジャーを応援するプラットフォームづくり」に魅力を感じ、アプリ開発のエンジニアとして尽力したいと思い、志望しました。
定期的な勉強会やSNS運用等を始めとして、マーケティング領域へ高いアンテナを張っているので、自身も常に学ぶ姿勢で取り組みたいです。
また10年以内の海外進出というビジョンにも惹かれました。海外でも貴社の存在をアピールできる未来の実現に向けて尽力していきます。(350字以内)

冒頭から、3つの志望動機を結論として述べているため、要点がストレートにアピールできる構成です。①の例文が箇条書きの下に補足文を足したパターンである一方、このように冒頭で3つの要点を伝えた後にストーリーとして補足しても問題ありません。

アピールポイントであるアプリ開発の経験に加えて、「1年半で5,000人の新規ユーザー」という具体的な数字で示している点がポイントです。このように実体験を含めたアピールは、抽象的な表現は避けて数字でアピールすることで説得性がアップします。

③不動産業界(営業職)

例文

私の就職活動の軸は、世の中を変える影響力と、どれだけ本気で世の中のことを考えているかの2つです。その上で貴社を志望する理由は3つあります。
①貴社が手掛けた建造物の影響力に惹かれたため私が初めて六本木を訪れた時、その存在感に強い衝撃を受け、日本に新たな都市を創造する規模の大きさに魅力を感じました。
②都市づくりに対する姿勢に惹かれたため六本木ヒルズの開発に至るまで、長年の歳月をかけて地権者の方々と話し合いを行ったエピソードから、真っすぐな思いで都市づくりへ向き合う姿勢に惹かれました。
③不動産領域を一括で対応できる体制に惹かれたため不動産領域をワンストップで行える体制が非常に魅力的です。開発~マネジメントを一括対応できる体制を整備し、都市のマネジメントを手掛けている企業努力に惹かれました。(350字以内)

志望動機を伝える前に、就職活動の軸を伝えることでその後に続く理由に至ったバックボーンが判りやすい点がポイントです。明確な就職活動の軸がある場合は、このように最初の段階で示すことで志望動機全体の密度が濃くなります。

また、六本木ヒルズの建造に至るまでの歳月、プロセスなどに触れることで、企業研究を十分に行っていることが人事担当へ伝わる内容となっています。①、②と比較して、この例文は自分の経験が活かせることをアピールする内容ではありませんが、企業のことをよく調べていることが窺える内容なので、企業への入社意欲をアピールできる点がポイントです。

④人材業界(キャリアアドバイザー)

例文

私が貴社を志望する理由は3つあります。
①企業理念へ共感したため②事業内容へ興味を持ったたため③女性管理職のロールモデルがいるため
「誠実に、人と人との架け橋となる」という企業理念に強く惹かれ、貴社を志望しました。
私は、ボランティア団体にて50人以上のメンバーをまとめるリーダーを務めました。その際に心がけたことは、相手の話に耳を傾け、理解を示すスタンスです。この経験を通して傾聴力を磨くことができ、メンバーから相談を受けたり、頼れるリーダーという評価をもらえました。
このような中で、私には誰かの道標となる仕事に就きたいという気持ちが生まれました。「仕事」という人生の大半を占める選択に悩みを抱えている方を助けるキャリアアドバイザーの道を志すことを決意しました。求職者の方々に寄り添い、プロとして適切なアドバイスを行い、仕事に悩む方々を一人でも助けてまいります。(400字以内)

企業が人を大切にしている社風であることを念頭に入れ、カルチャーマッチの高さを実体験を織り交ぜながらアピールしている点がポイントです。

また、人にかかわる活動を行っていたことに加え、そこで得たスキルを具体的に記載することで、キャリアアドバイザーへの適性の高さも感じられる構成となっています。このように具体的な体験談がある場合は、箇条書きで結論付けた後に詳しいストーリーがわかる志望動機を記載すると良いでしょう。

⑤金融業界(コンサル)

例文

私が貴社を志望した理由は3つあります。
①貴社の企業理念に惹かれ、貢献したいため②人材力の向上を目指す取り組みに惹かれたため③キャリアプランを見据えた人材育成を行っているため
貴社を志望する理由は、「日本全体のマネーライフを豊かにする」というビジョンの実現へ貢献したいからです。
私はアパレルのアルバイトにて、集客数を上げるためにSNSの運用を提案し、来店者数が2倍にUPしました。このような戦略の提案に興味を持ったことが、コンサル業界を志望するきっかけです。
また、人材力向上を通して顧客の利益アップに貢献している取り組みに惹かれました。様々なキャリアステップを見据えた資格取得制度も完備されているため、常に目標を持ち自分を高めることができる環境もことも魅力的です。
日本を牽引する企業の一員として、金融業界を豊かにするチャンスに携わりたく思います。(400字以内)

売上アップなどの実績を示せるのであれば、アルバイトの経験をアピールポイントにするのがおすすめです。お金などの数字に触れることが多い金融業界との相性が良い構成となっています。

また、この事例には当てはまりませんが、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得している方はアピールポイントにぜひ織り交ぜましょう。実務でどのように活かしていきたいのか、どんなキャリアプランを踏んでいきたいのかも明記すると尚GODDです。

箇条書きを活用してワンランク上のESを提出しよう!

志望動機は、あなたにとって自分の熱意を存分にアピールするチャンスであり、企業にとってはあなたを知るためのファーストインプレッションです。

ESにおいて一番といっても過言ではないほど、志望動機は力を入れるべき重要な項目です。そのうえで、箇条書きとはあなた自身をストレートにアピールできる方法の一つでといえます。

後悔のない就活を行うためにも、箇条書きを上手く取り入れ、他の就活生と差をつけたESを作り上げましょう。