志望動機の箇条書きはOK!効果的な志望動機の書き方とポイント【例文あり】

志望動機をまとめる際、どのような形式で書けば良いのかわからず悩んでいる人も多いのではないでしょうか。ネット上では「志望動機の箇条書きはNG」「ストーリー仕立てにした方が良い」という意見が多く見受けられますが、実は志望動機を箇条書きすることは、採用担当者の印象に残りやすく、他の就活生と差別化できるというメリットがあります。

しかし、箇条書きにするには要点を簡潔にまとめなければならないためコツを押さえ、魅力的な文章に仕上げなければなりません。

本記事では、志望動機を箇条書きにする上でのポイント、注意点・例文について解説しています。

志望動機は箇条書きにして問題ない 

冒頭でお伝えした通り、企業から指定がない限り、ESの志望動機は箇条書きにしても問題ありません

中には、「ストーリー仕立ての方が企業へ熱意が伝わるんじゃないの?」と考える方もいるかもしれません。たしかに読み応えはあるかもしれませんが、結局何が言いたいのかが分からない文章になってしまっては本末転倒です。

志望動機を長い文章でまとめるのが苦手な方、アピールポイントを絞りたい方、短い文章で説得力を強めたい方は、箇条書きでまとめることをおすすめします。要点が分かりやすいESは、人事担当に好印象を残せる可能性が高いです。

しかし、ただ闇雲に箇条書きにするのはかえってNGです。ポイントを押さえ、志望動機の箇条書きを上手く活用していきましょう。

志望動機を箇条書きにするメリット

要点を簡潔にまとめられる 

箇条書きにすることで、志望動機のポイントを簡潔にまとめることができます。

人事担当は、あなたも含めてたくさんの就活生のESを目にします。そのため、志望動機に目をむけた際に「この志望動機は分かりやすい!」と思ってもらえるだけで、あなたのESは一気に好印象へ近づきます。

逆にいうと、文章だけ長すぎて何が言いたいのか分からないESはマイナス印象につながる可能性が高いです。

すぐに箇条書きにするのが難しいと感じる場合は、まずは長文でもよいので志望動機を書き起こしてみましょう。そのうえで、「私はどんな部分を特にアピールしたいのか?」と自問自答し、志望動機の要点をピックアップしてみましょう。

アピールポイントを明確に伝えられる 

箇条書きを上手く活用すれば、志望動機を通して「何を一番アピールしたいのか」を明確にできます。

ここで、国語の授業を例に挙げて解説しましょう。国語の授業では、物語を通して「作者が何を伝えたいのか」を読解するテストがありますよね?みんなが同じ文章を読んでいるにもかかわらず、テストの回答は人によって大きく異なります。

これはESにも通ずることであり、書き手から要点の提示がない限り、「文章を通して何を伝えたいのか?」は読み手の解釈次第で大きく変わるのです。

せっかくあなた自身をアピールするなら、人事担当へあなたのアピールポイントを齟齬なく伝えたくありませんか?

そのような意味から、箇条書きは文章の要点を先出しで伝えることで、アピールポイントを明確かつ齟齬なく伝えられる方法といえます。

ストーリー立てて構成する工数がなくなる

あなたがその会社を志望する理由を箇条書きでまとめれば、志望動機を伝えるためにゼロからストーリーを組み立てる必要はありません。

ストーリー立てた志望動機は読み応えがありますが、書き上げる際にどうしても時間がかかってしまいます。もちろん、物語テイストにしたい方はそのかたちでも問題ありませんが、どうしても難しい方はストーリー立てという選択肢を無理に選ぶ必要はありません。

志望動機において、「何を伝えたいのか?」ここさえ明確であれば、箇条書きでまとめてOKです。また、伝えたいことが多すぎてまとめきれない方にもおすすめです。

志望動機を箇条書きにするデメリット

分量が全体的に少なくなる

志望動機を箇条書きにすると、どうしても全体のボリュームが少なくなってしまいがちです。

もちろん分量さえ多ければいいというわけではありませんが、志望動機はあなたの熱意を伝えるための重要な項目なので、記載欄そのものが大きめに作られていることが多いです。

そのため、分量が少なすぎると書いていない部分の余白が目立ってしまうことも少なくありません。あまりにもボリュームが少ないと、「志望動機が薄いな…」「もうちょっと頑張ってアピールしてほしいな…」という印象を人事担当に与えてしまう恐れがあります。

箇条書きを活用する場合は、志望動機全体のボリュームに気を付けましょう。

内容が薄いと使い回しに見られがち

あまりにも内容が薄いと、他企業の選考にも使い回しているテンプレの志望動機に捉えられる恐れがあります。

箇条書きにすれば要点を明確に伝えることができますが、企業の特色を全く押さえていない志望動機を提出した場合、「他企業でも良いのではないか?」と思われる恐れがあります。志望動機を箇条書きにする際は、その企業独自の強み、魅力に目を向けていることをアピールしましょう。

企業のオンリーワンな魅力を見つける際のポイントの一例は、企業理念、働く人、働き方、業界の立ち位置など様々挙げられます。志望動機を練る際は、企業のコーポレートサイトの他、採用ホームページやSNSなどの様々な媒体を通して企業研究を行うことをおすすめします。

内容が薄い=意欲が低いとみられる恐れがあり

内容が薄すぎると、意欲が低いと判断される可能性があります。

1つ目のデメリットでも触れましたが、志望動機はあなたの意欲、熱意を企業へストレートにアピールできる絶好のチャンスです。企業を口説き落とすために全力で内容を練り上げて初めて、あなたのラブコールが伝わるのです。

だからこそ、「なぜその会社を志望するのか?」という理由とそこに至ったプロセスに説得力を持たせなければいけません。その前提で初めて、箇条書きのメリットが働きます。

ES対策の本をそのまま流用した言葉を並べるのではなく、あなた自身の言葉でオリジナリティあふれる志望動機を練り挙げましょう。

志望動機を箇条書きにする際のポイント

あくまで「補助」として箇条書きにする

箇条書きは有効な方法ではありますが、志望動機全体をまるまる箇条書きで完結させることはNGです。なぜなら、その要点に至ったプロセス、理由の説明がなければあまりにも手抜き、説明不足と捉えられてしまうからです。

たとえば気になっている人を初めてデートにお誘いする時、「3月1日日曜日の13時にサンシャイン水族館で会おう」とだけ伝える人はいないはず。あなたの気持ちをアピールするための言葉を何かしら伝えますよね?

例えが極端かもしれませんが、考え方は全く同じです。志望動機を箇条書きで書く際は、あくまで箇条書きは要点を明確にするためのサブであり、メインは本文であると認識しておきましょう。

3つ以上の理由がある際に箇条書きにする

志望理由が3つ以上ある場合に、箇条書きを取り入れましょう。

理由が1つ、2つのみしかないのに無理やり箇条書きにしてしまうと、志望理由の少なさを逆アピールしてしまうことになります。

もちろん理由の数だけではなく中身も大切ではありますが、マイナス印象を与えてしまっては元も子もないので、理由が少ない場合は文章形式だけで志望動機を書きましょう。理由が3つ以上あり、本文が長文になりそうな方は箇条書きを活用することをおすすめします。

また、プレゼンの世界では「何かを相手に説得させる際は理由が3つ以上あると説得力が強まる」という考えがあります。理由が3つ以上あるのであれば、この心理傾向を使わない手はありません。

ぜひ、説得力のある自己開示ができることを企業へ思う存分アピールしましょう。

伝えきれない内容は箇条書きの後に補足する

全てをまとめきれない場合は、補足文を箇条書きの後に書きましょう。

箇条書きは、できれば一項目あたり15~20文字くらいで留めておくのが良いでしょう。その方がパッと見た時に分かりやすいからです。理由が長すぎて説明しきれない場合は、箇条書きの下に説明を補足しましょう。

補足文は、要点の足りないところを補う役割を果たしてくれるので、分量はそこまで気にしなくても大丈夫です。あなたが何を伝えたいのかを、不足点なくアピールできるでしょう。

志望動機を箇条書きにする際の注意点

無理に箇条書きを使わない

前述したように、箇条書きには様々なメリットが存在しますが、必ずしも活用しなければならない方法ではありません。

前の項目にて伝えた通り、3つ以上の志望理由がある場合のみ箇条書きでまとめましょう。また、企業によっては志望動機の文字数を指定している場合があります。その場合は、箇条書きは適切でない場合もあります。

たとえば、「150文字以内」という制限がある場合、箇条書きでまとめるとその後の本文が薄くなってしまう場合があります。そのため、文字数の指定が少なくとも300文字以上あり、理由が3つ以上ある場合に箇条書きを活用しましょう。

全て箇条書きにするのは避ける 

繰り返しにはなりますが、全文を箇条書きにしてしまうのは絶対NGです。

それだけで、人事担当がもつあなたへの印象は大きくマイナスとなってしまいます。アピールしたいことがたくさんある方は、箇条書きだけでも結構な行数になるケースもあるかもしれませんが、箇条書きはあくまで「要点」なので、結局何を言いたいのかが分からず、内容も薄いものになってしまいがちです。

そんな残念なESになってしまわぬよう、箇条書きにはそこに至った理由、プロセスなどの補足をそっと添えましょう。もしくは、箇条書きを3行並べた最後にストーリーをまとめて書くのが良いでしょう。

分かりにくいポイントはマイナス要素 

せっかく箇条書きでまとめても、結論として何が言いたいのかが分かりにくいのはマイナス点につながります。

一例として、企業理念に惹かれたことを箇条書きにする場合、「貴社の企業理念に強く惹かれたため」「理念に対する共感性」だったら、どちらが分かりやすいでしょうか?

言いたいことは共通していても、どこか言葉足らずだったりワードチョイスが変に難しい場合、内容がイマイチ頭に入ってこない印象になりがちです。

難しい言葉を使ったり、変に短くし過ぎる必要はないので、「誰が見ても分かりやすい要点」ということを意識して箇条書きを活用しましょう。

箇条書きの例文5選

①食品業界(商品開発)

例文

私が貴社を志望する理由は3つあります。
①企業理念に惹かれたため昨今の食産業は食品添加物の多さから、健康課題も増えているという課題を感じています。そのような中で、健康&美味しさの両方の実現を目指した無添加食品の製造を行う貴社の取り組みに惹かれました。
②貴社の商品開発に携わりたいため私はサッカーをしており、貴社の「濃厚たまごチキンサンド」を幼少期から食べていました。おかげで身体も大きくなり、スポーツでも活躍できました。そのような経緯から、誰かの人生を明るくする商品を作りたいという夢を持ちました。
③人を大切にする社風に魅力を感じたため私は人と話すことが大好きなので、プライベートの場でも会社の方々と交流を深めたいと考えています。皆様と信頼関係を構築できる働き方を体現していきます。(350字以内)

企業に惹かれた理由を、企業理念、商品、働く人という3つの視点から具体的にアピールしており、人事担当にとって企業愛を感じるような志望動機であることがポイントです。

また、幼少期から商品を食べていたという具体的なエピソードで印象づけると同時に、その結果として人生が良くなったこと、自分自身の夢につながったというプロセスが示されています。箇条書きに書ききれないエピソードがある場合は、このように補足文として肉付けして伝えると良いでしょう。

②IT業界(エンジニア)

例文

私が貴社を志望した理由は3つあります。
①貴社の事業に惹かれたため②貴社の社風に魅力を感じたため③海外展開を目指す姿勢に惹かれたため
私は、インフルエンサー活動を支援する学生団体に所属しております。その中で、私は「リアフル」という新たなSNSアプリを開発し、1年半で5,000人超の新規ユーザーの獲得に成功しました。
貴社の「チャレンジャーを応援するプラットフォームづくり」に魅力を感じ、アプリ開発のエンジニアとして尽力したいと思い、志望しました。
定期的な勉強会やSNS運用等を始めとして、マーケティング領域へ高いアンテナを張っているので、自身も常に学ぶ姿勢で取り組みたいです。
また10年以内の海外進出というビジョンにも惹かれました。海外でも貴社の存在をアピールできる未来の実現に向けて尽力していきます。(350字以内)

冒頭から、3つの志望動機を結論として述べているため、要点がストレートにアピールできる構成です。①の例文が箇条書きの下に補足文を足したパターンである一方、このように冒頭で3つの要点を伝えた後にストーリーとして補足しても問題ありません。

アピールポイントであるアプリ開発の経験に加えて、「1年半で5,000人の新規ユーザー」という具体的な数字で示している点がポイントです。このように実体験を含めたアピールは、抽象的な表現は避けて数字でアピールすることで説得性がアップします。

③不動産業界(営業職)

例文

私の就職活動の軸は、世の中を変える影響力と、どれだけ本気で世の中のことを考えているかの2つです。その上で貴社を志望する理由は3つあります。
①貴社が手掛けた建造物の影響力に惹かれたため私が初めて六本木を訪れた時、その存在感に強い衝撃を受け、日本に新たな都市を創造する規模の大きさに魅力を感じました。
②都市づくりに対する姿勢に惹かれたため六本木ヒルズの開発に至るまで、長年の歳月をかけて地権者の方々と話し合いを行ったエピソードから、真っすぐな思いで都市づくりへ向き合う姿勢に惹かれました。
③不動産領域を一括で対応できる体制に惹かれたため不動産領域をワンストップで行える体制が非常に魅力的です。開発~マネジメントを一括対応できる体制を整備し、都市のマネジメントを手掛けている企業努力に惹かれました。(350字以内)

志望動機を伝える前に、就職活動の軸を伝えることでその後に続く理由に至ったバックボーンが判りやすい点がポイントです。明確な就職活動の軸がある場合は、このように最初の段階で示すことで志望動機全体の密度が濃くなります。

また、六本木ヒルズの建造に至るまでの歳月、プロセスなどに触れることで、企業研究を十分に行っていることが人事担当へ伝わる内容となっています。①、②と比較して、この例文は自分の経験が活かせることをアピールする内容ではありませんが、企業のことをよく調べていることが窺える内容なので、企業への入社意欲をアピールできる点がポイントです。

④人材業界(キャリアアドバイザー)

例文

私が貴社を志望する理由は3つあります。
①企業理念へ共感したため②事業内容へ興味を持ったたため③女性管理職のロールモデルがいるため
「誠実に、人と人との架け橋となる」という企業理念に強く惹かれ、貴社を志望しました。
私は、ボランティア団体にて50人以上のメンバーをまとめるリーダーを務めました。その際に心がけたことは、相手の話に耳を傾け、理解を示すスタンスです。この経験を通して傾聴力を磨くことができ、メンバーから相談を受けたり、頼れるリーダーという評価をもらえました。
このような中で、私には誰かの道標となる仕事に就きたいという気持ちが生まれました。「仕事」という人生の大半を占める選択に悩みを抱えている方を助けるキャリアアドバイザーの道を志すことを決意しました。求職者の方々に寄り添い、プロとして適切なアドバイスを行い、仕事に悩む方々を一人でも助けてまいります。(400字以内)

企業が人を大切にしている社風であることを念頭に入れ、カルチャーマッチの高さを実体験を織り交ぜながらアピールしている点がポイントです。

また、人にかかわる活動を行っていたことに加え、そこで得たスキルを具体的に記載することで、キャリアアドバイザーへの適性の高さも感じられる構成となっています。このように具体的な体験談がある場合は、箇条書きで結論付けた後に詳しいストーリーがわかる志望動機を記載すると良いでしょう。

⑤金融業界(コンサル)

例文

私が貴社を志望した理由は3つあります。
①貴社の企業理念に惹かれ、貢献したいため②人材力の向上を目指す取り組みに惹かれたため③キャリアプランを見据えた人材育成を行っているため
貴社を志望する理由は、「日本全体のマネーライフを豊かにする」というビジョンの実現へ貢献したいからです。
私はアパレルのアルバイトにて、集客数を上げるためにSNSの運用を提案し、来店者数が2倍にUPしました。このような戦略の提案に興味を持ったことが、コンサル業界を志望するきっかけです。
また、人材力向上を通して顧客の利益アップに貢献している取り組みに惹かれました。様々なキャリアステップを見据えた資格取得制度も完備されているため、常に目標を持ち自分を高めることができる環境もことも魅力的です。
日本を牽引する企業の一員として、金融業界を豊かにするチャンスに携わりたく思います。(400字以内)

売上アップなどの実績を示せるのであれば、アルバイトの経験をアピールポイントにするのがおすすめです。お金などの数字に触れることが多い金融業界との相性が良い構成となっています。

また、この事例には当てはまりませんが、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得している方はアピールポイントにぜひ織り交ぜましょう。実務でどのように活かしていきたいのか、どんなキャリアプランを踏んでいきたいのかも明記すると尚GODDです。

箇条書きを活用してワンランク上のESを提出しよう!

志望動機は、あなたにとって自分の熱意を存分にアピールするチャンスであり、企業にとってはあなたを知るためのファーストインプレッションです。

ESにおいて一番といっても過言ではないほど、志望動機は力を入れるべき重要な項目です。そのうえで、箇条書きとはあなた自身をストレートにアピールできる方法の一つでといえます。

後悔のない就活を行うためにも、箇条書きを上手く取り入れ、他の就活生と差をつけたESを作り上げましょう。

志望動機の書き方|就活生必見!ES選考を突破するコツとは?【例文15選】

ESでの志望動機は、あなたの熱意や適性を伝える絶好のチャンスです。しかし、多くの学生が「どのように書けば良いのだろう」と悩んでいます。

志望動機は単に「興味がある」という内容だけではなく、なぜその企業で働きたいのか、どのように貢献できるのかを具体的に示す必要があります。また、企業の求める人物像に対して、自分の経験を結びつけるための言葉選びがカギとなります。
本記事では志望動機の書き方のポイントを、実際に使える例文とあわせて解説します。志望動機がしっかり伝われば、選考の突破率もグッとアップします。自分の思いが伝わる志望動機を作成しましょう。

ESで志望動機が重要な理由とは?

企業へ熱意を伝えられる

志望動機は、企業への熱意を直接的に伝える絶好の機会です。企業は、応募者が自社にどれだけ真剣に取り組む意欲を持っているのかを重要視しています。

自分の言葉で、なぜその企業を選んだのか、どのような思いを持っているのかを具体的に示すことで、熱意が伝わりやすくなります。例えば、企業の理念やビジョンに共感した理由や、特定のプロジェクトに魅力を感じたエピソードなどを盛り込むことで、あなたの真剣さがより強く伝わります。

自分の適性をアピールするためのチャンス

志望動機は、自分がその企業にどれだけマッチしているかをアピールする機会でもあります。過去の経験やスキルを具体的に示すことで、企業が求める人物像と自分自身を結びつけることができます。

例えば、自分が大学で学んできたことやインターンシップでの経験を元に、「このスキルを活かして、貴社のプロジェクトに貢献できる」といった具体的な例を挙げることで、説得力が増します。このように、自分の適性をしっかりアピールすることが、選考を有利に進めるカギとなります。

選考の次のステップのカギとなる

志望動機は選考の次のステップに繋がる重要な要素です。明確で具体的な志望動機があれば、面接官に良い印象を与え、次の選考へ進む可能性が高まります。逆に、志望動機が不明確であったり、企業への理解が浅いと、選考に不利になることがあります。

はっきりとした志望動機があれば、自分に自信を持って面接に臨むことができ、さらにその自信が面接官にも伝わります。志望動機があなたの就職活動の流れを左右することを意識して、しっかりと準備しましょう。

他の応募者との差別化を図るため

多くの応募者がいる中で、自分を目立たせるためには志望動機を他の人と差別化することが重要です。同じような経歴やスキルを持つ学生が多い中で、独自の経験や視点を表現することで、明確な差別化を図ることができます。

例えば、特定の経験がどのように自分の考え方に影響を与えたのかを具体的に語ることで、他の応募者とは一線を画すことができるでしょう。あなた自身をしっかりとアピールし、内定獲得に向けての強力な武器にしましょう。

志望動機を書く前に考えるべき3つのポイント

自己分析を徹底する

志望動機を書く際には、まず自分自身をよく理解することが重要です。自己分析を通じて、自分の強みや弱み、価値観や興味を明確にしましょう。

これまでのどのような経験が自分を成長させたのか、どのようなスキルを身に付けてきたのかを振り返ることで、自分が何を求めているのかが見えてきます。そして、具体的なエピソードや成功体験を思い出すことで、志望動機に具体性を持たせることができます。

自己分析を徹底することで、自分の言葉で伝えられる志望動機を作る基盤が整います。

企業研究をしっかり行う

志望動機を書くためには、志望する企業についてしっかりと研究することが不可欠です。企業の理念、ビジョン、事業内容、最近のニュースなどを把握し、どのような企業であるかを理解しましょう。

また、業界のトレンドや競合他社との違いを知ることも大切です。その企業が特に優れている点や独自の強みを把握することで、企業への関心をアピールできます。企業に対する理解が深まれば、面接でも自信を持って話すことができるでしょう。

自分と企業のマッチングポイントを明確にする

自己分析と企業研究を行った後は、自分と企業のマッチングポイントを明確にしましょう。自分の経験やスキルがどのように企業の求める人物像と合致するのかを照らし合わせ、その具体的なポイントを志望動機に組み込んでいきます。

例えば、企業の取り組みが自分の興味や経験にどのように結びついているのかを示すことで、企業側に「この人はうちにピッタリだ」と思わせることができます。マッチングポイントを明確にすることで、志望動機に一貫性が生まれ、より魅力的な内容になります。

志望動機の書き方の基本構成

①志望先の企業を選んだ理由

まず最初に、なぜその企業を選んだのかを明確に述べることが大切です。この部分では、企業の理念やビジョン、事業内容に対する共感や興味を具体的に示しましょう。

例えば、企業のプロジェクトやサービスが自分にどのように響いたか、自分の価値観や将来の目標とどう結びついているのかを語ると良いです。また、企業の成長性や業界での位置付けなど、自分がその企業に魅力を感じる理由を明確にすることで、企業への熱意が伝わります。

②志望理由を裏付ける具体的なエピソード

次に、志望理由を裏付けるための具体的なエピソードを紹介します。ここでのエピソードは、自分の経験やスキルを具体的に示すものであるべきです。オリジナル性を高める志望動機に仕上げるためには、このエピソードが重要です。

例えば、過去のアルバイトやインターンシップでの経験、自分が関わったプロジェクトの成果などを挙げて、その中で学んだことや成長した点を述べると良いでしょう。エピソードを通じて、あなたの人柄や価値観が伝わると同時に、企業が求める人物像とどのように合致しているかを示すことができます。

③入社後のビジョンや目標

最後に、入社後のビジョンや目標について触れます。自分がその企業でどのように成長したいのか、どのような貢献をしたいのかを具体的に述べることで、企業に対する真剣さや長期的な視点を示すことができます。

明確な目標を持っていることを伝えることで、企業側はあなたが将来の仲間としてどれほど価値をもたらしてくれるかをイメージしやすくなります。最後の一文によって、志望動機全体がより好印象を与える内容に仕上がります。

採用担当者に響く志望動機の書き方のコツ

冒頭で結論(志望理由)を示す

志望動機は最初に結論を述べることで、採用担当者に強い印象を与えることができます。例えば、「貴社の〇〇という理念に共感し、志望しました」といった具体的な言葉で始めると良いでしょう。

最初に自分の熱意や目的を明確にすることで、読み手の関心を惹きつけることができます。また、その後の内容も論理的な流れを作りやすくなります。結論を先に示すことで、読み手はあなたの意図を理解しやすく、興味を持って読み進めてくれるでしょう。

企業のどこに魅力を感じたのかを伝える

企業への志望動機を考える際、その企業にどのような魅力を感じたのかを具体的に伝えることが重要です。志望動機に何を書けば良いのかわからないと悩んでいる場合は、自分が思う志望企業の魅力を書き出してみましょう。

自分の思いを具体化し、感銘を受けた理由を述べることで、企業に対する理解と情熱をアピールできます。これにより、あなたが企業との相性をしっかり考えたうえで応募していることが伝わり、印象を強く残すことができるでしょう。

前向きな表現を心がける

志望動機を書くときは、前向きな表現を心がけましょう。ポジティブな言葉遣いは、あなたの情熱や意欲をアピールするのに役立ちます。「挑戦したい」「貢献したい」「成長したい」といった前向きなフレーズを使うことで、読み手に自分のやる気を伝えることができます。

謙虚な姿勢は大切ですが、自分を卑下する必要はありません。ネガティブな表現を避け、可能性や希望を強調し、あなたの自信を感じさせることが大事です。未来に向けた意気込みを示すことで、採用担当者に良い印象を残すことができます。

企業に貢献できることをアピールする

志望動機では、自分が企業にどのように貢献できるかを具体的に述べます。自分のスキルや経験を活かし、どのような形で企業に価値を提供できるかを考え、明確に表現しましょう。

例えば、「私の〇〇という経験を活かして、貴社の〇〇プロジェクトに貢献したいと考えています」というように、自分の強みを企業のニーズに結びつけてアピールすることが大切です。具体的に自分の役割をイメージさせることで、採用担当者に対して「この人は本当に役立ちそうだ」と思わせることができます。

志望動機を書くときの注意点

抽象的な表現を使わない

志望動機を書く際は、抽象的な表現は避けなければなりません。「頑張ります」「興味があります」といった一般的なフレーズではなく、具体的な経験や意図を示しましょう。

このような抽象的な表現は、なぜその企業でなければならないのかが不明確であり、内容が薄いと捉えられる恐れがあります。また、企業が求める基準に合致しているかどうかを明確に示すことができず、選考基準を満たさないと判断されてしまうかもしれません。

具体性を持たせることで、採用担当者に対してあなたの志望動機がより信頼性のあるものとして伝わります。成果やスキルなどを示す際には、数字を用いて説明するとより効果的です。

例文はそのままコピペしない

志望動機の書き方がわからないからといって、インターネット上にある例文をそのままコピペするのは絶対にNGです。例文はあくまで参考にするものであり、自分の言葉や経験を反映させることが大切です。

コピペしてしまうと、あなた自身の意図や思いが伝わらず、内容が一般的で薄っぺらい印象を与えてしまいます。また、コピペの内容では個性が消えてしまい、他の応募者と差別化することができません。

多くの応募者から選ばれるためには、独自性のある志望動機を書く必要があります。自分自身のストーリーを自分の言葉で語ることで、あなたの魅力を最大限に引き出すことができます。

指定文字数を守る

志望動機を書く際には、指定された文字数の制限を守ることも重要です。企業によっては文字数が決められている場合があります。そのため、企業の指示にしっかりと対応することが大切です。

指定された文字数を守れないことは、指示やルールに従う能力がないと捉えられてしまいます。また、今後の業務においても適応力やコミュニケーション能力がないのではないかというマイナスな印象を与えかねません。

制限文字数を守ることは、企業へのリスペクトを示すことでもあります。志望動機を書き始める前に字数を確認し、その範囲内でしっかりと要点を絞り、効果的に自分をアピールする文章を心がけましょう。

誤字・脱字に注意する

誤字や脱字には細心の注意を払って志望動機を書きましょう。志望動機はあなたの自己アピールの場であり、きちんとした文章であることが求められます。そのため、誤字脱字のある文章は、印象を大きく損ねる要因となります。

書き終えたら必ず見直しを行うようにし、可能なら他の人にチェックをしてもらうことも効果的です。仕事に対して真剣で丁寧な姿勢をアピールするためにも、ミスがないかしっかりと確認しましょう。

【業界別】ESの志望動機の例文

例文①IT

例文

私が貴社を志望する理由は、IT企業としてグローバル展開し、最先端技術と社会貢献を両立している点に魅力を感じたためです。特に、貴社の開発した途上国向けの教育支援アプリの開発に感銘を受けました。大学での国際開発研究と、学生時代のNPOでのIT教育ボランティア経験から、技術を通じた社会貢献に強い関心を持っています。入社後は、海外駐在の機会を通じて現地ニーズに即したITソリューション開発に携わり、プログラミングスキルと語学力を活かして貴社の国際プロジェクトに貢献したいと考えています。(250字以内)

この例文のように、企業の具体的なプロジェクトや特徴を挙げることで、企業に対する関心を示すことができます。また、自分の経験を明確に関連付け、「この経験を活かしたい」と具体的に述べることで説得力が増します。最後に、貢献意欲も伝えて、熱意を込めた志望動機を作成しましょう。

例文②食品

例文

貴社の健康食品開発と海外展開への注力に魅力を感じ、志望いたしました。大学で栄養学を専攻し、食の安全性と栄養価の重要性を学ぶ中で、貴社の「ナチュラルプラス」シリーズに注目しました。この製品群が体現する「自然の力を活かした健康づくり」という理念に深く共感しています。私は大学時代、食品メーカーでのインターンシップを通じて商品企画や市場調査のスキルを磨きました。この経験を活かし、「食で世界をつなぐ」というビジョンの下、貴社の営業部門で健康食品の価値を国内外に伝えたいと考えています。(250字以内)

この例文では、企業の特長と自分の専門性を効果的に結びつけています。最初に「健康食品開発と海外展開への注力」と具体例を挙げることで、企業のどの部分に魅力を感じているのかがはっきりと伝わります。

また、大学での専攻やインターンシップ経験を具体的に示すことで、自分のスキルをアピールできます。企業に通じる経験やスキルを盛り込むことで、より効果的な内容に仕上がります。

例文③商社

例文

貴社の高品質な化学製品と世界規模での事業展開に強く惹かれました。特に、環境配慮型製品の開発や持続可能な生産プロセスへの取り組みに共感しています。大学での有機合成実験を通じて品質管理の重要性を実感し、その経験が貴社の品質へのこだわりへの共感へと繋がりました。入社後は、居酒屋のアルバイトで培ったコミュニケーション力を活かし営業として顧客ニーズを的確に把握し、最適な製品提案を行うことで企業価値向上に貢献したいと考えています。将来的には海外駐在の機会を得て、グローバルな視点でビジネスを展開する力を養い、世界中の人々の暮らしを豊かにしていきたいです。(300字以内)

商社企業の場合は、多岐にわたる事業を展開しているため、企業の事業領域や商品に対する興味を踏まえ、どのような分野で貢献したいかを明確にすることが大切です。

また、国際的なビジネスが中心ですので、グローバルな視点を持つ意欲を強調し、企業にとっての長期的な価値を示すことも効果的です。

例文④銀行

例文

私が貴行を志望する理由は、地域に根差した金融機関としての役割にあります。大学で地域経済を学び、貴行のSDGs推進や地域創生への取り組みに深く共感しました。特に、フィンテックを活用した地元企業支援や、顧客との対面コミュニケーションを重視する営業スタイルは、私の「技術と人間性を融合させた金融サービスを提供したい」という思いと合致しています。入社後は法人渉外部門で、地元企業の経営課題解決に尽力したいと考えています。大学での地域経済分析の経験を活かし、企業の潜在的ニーズを掘り起こし、最適な金融ソリューションを提案することで、地域経済の活性化に貢献したいと考えています。(300字以内)

この例文では、地域に根差した銀行の役割への理解と共感を強調しています。特に、大学で学んだ地域経済と、銀行のSDGs推進や地元企業支援への取り組みを結びつけることで、具体的な関心が伝わります。また、個人的なビジョンを示し、自分の価値観が銀行の理念と一致していると印象付けることも効果的です。

例文⑤出版

例文

貴社のファッション誌の国際的な影響力とデジタル戦略に強く惹かれ、志望いたしました。大学でファッション文化を学び、雑誌編集のインターンを通じて、日本のファッションの独自性と世界発信の重要性を実感しました。特に貴社の海外向けSNS戦略に注目しており、語学力を活かして、日本のファッションを世界に伝える架け橋になりたいと考えています。デジタルとプリントの両メディアを駆使し、グローバルな視点を持つ編集者として、貴社の国際展開に貢献したいと考えています。(250字以内)

出版業界の志望動機を書く際には、業界への理解を示すことが重要です。具体的なトレンドや課題に触れ、自分が興味を持つジャンルや媒体を明確にすることで、関心をアピールできます。また、インターンシップやアルバイトなどの経験を挙げ、その実務能力がどのように役立つかを具体的に述べましょう。

例文⑥保険

例文

私が貴社を志望する最大の理由は、家族の病気を通じて保険の重要性を実感したことです。貴社の幅広い商品ラインナップと、特に医療保険における革新的な取り組みに強く惹かれました。他社にない充実したサポート体制も、私の志望を後押ししています。入社後は、自身の経験を活かし、お客様一人ひとりのニーズに合わせた最適な提案を心がけます。特に医療保険の重要性を伝え、お客様の安心な人生設計に貢献したいと考えています。将来的には、貴社で最も信頼されるRMとなり、保険を通じた社会貢献という理念の実現に全力を尽くしたいです。(250字以内)

最初の志望理由で自分の経験を伝えることで、読み手側の興味を一気に惹きつける書き出しになっています。お客様に寄り添う業界だからこそ、お客様目線での経験を持っていることは大きな強みとなるでしょう。入社後、具体的にどのような存在になりたいかを伝え、企業に対する熱意をアピールすることが大切です。

例文⑦コンサル

例文

貴社の幅広い業界に対応するワンストップソリューションに強く惹かれ、志望いたしました。大学でのプロジェクト研究を通じ、複雑な経営課題解決の面白さを実感し、コンサルティングの道を志しました。特に貴社のデジタル戦略支援の実績に感銘を受け、自身のITスキルを活かせると確信しています。「日本の産業競争力向上」という思いは貴社の理念と合致し、入社後は大型案件に携わり、主体的に考え抜く姿勢で自己成長と共に貢献したいと考えます。グローバルな視点と幅広い知識を獲得し、将来は日本を代表するコンサルタントを目指します。この志を胸に、貴社の一員として全力で邁進する所存です。(300字以内)

自分が思い描く将来と合致している部分や、企業に強く惹かれた部分を伝えることで、「この企業ではないといけない」という印象を強く残せます。コンサル業界は多様な企業があるため、「他の企業でも良いのでは」と思われるような志望動機を書かないように注意しましょう。

例文⑧証券

例文

貴社の国内外における強固な事業基盤と、フィンテックを活用した革新的な金融サービスに深く感銘を受け、志望しました。地元の金融セミナーで貴社社員の方から伺った実力主義の社風と地域貢献への熱意に強く共感しました。大学時代のボランティア活動を通じて地域活性化の重要性を実感しており、証券アナリスト資格の取得を目指す中で培った金融知識を活かし、地元経済の発展に貢献したいと考えています。入社後は、ESG投資の推進や海外展開に携わり、持続可能な社会の実現と地域経済のグローバル化に尽力します。貴社の先進的なDX戦略と私の熱意を融合させ、新たな金融サービスの創造に挑戦したいです。(300字以内)

企業が取り組んでいることやプロジェクトなどに触れることで、企業に対する理解力をアピールできます。また、企業や業界内で役立つ資格の保有を伝えることで、自分の専門性の高さをアピールすることにも繋がります。このように企業研究を徹底することで、より効果的で内容の濃い志望動機が作成できます。

例文⑨製薬

例文

私が御社を志望する理由は、国内外で高いシェアを誇る製薬企業としての実績と、革新的な研究開発力にあります。幼少期に重い病気を経験し、医薬品の力で回復できた経験から、病気で苦しむ人々を減らしたいという想いを持ち続けてきました。特に、御社の抗がん剤開発への取り組みに深く共感しています。入社後は、MRとして患者さんに寄り添い、適切な医薬品情報を提供したいと考えています。大学での生命科学の学びを活かし、誰にも負けない医薬品のスペシャリストとなることで、貴社の更なる発展と人々の健康に貢献していきたいです。(250字以内)

幼少期の自分の経験と、企業の取り組みを結びつけることでより強い印象を与える志望動機となります。そして最後に、これまでの経験や学びをどう活かしていくのかを具体的に伝えることで、採用担当者にあなたの入社後の活躍をイメージしてもらいやすくなるでしょう。

例文⑩不動産

例文

貴社の「顧客ニーズに応える街づくり」という理念に深く共感し、志望いたしました。地元の再開発事業で貴社の取り組みを知り、地域特性を活かしつつ住民ニーズに応える姿勢に感銘を受けました。私自身、大学でまちづくり学を専攻し、地域活性化プロジェクトに参加した経験があります。
入社後は、デベロッパーとして地域の方々と密接に関わり、彼らの声を丁寧に拾い上げながら、持続可能で魅力的な街づくりに貢献したいと考えています。貴社の先進的なスマートシティプロジェクトにも強く興味を持っており、テクノロジーを活用した未来志向の街づくりにも挑戦したいと考えています。将来的には、不動産のプロフェッショナルとして成長し、地域社会と企業をつなぐ架け橋となることを目指します。(350字以内)

不動産業界や企業に通ずる大学での専攻や、プロジェクトの経験がある場合は積極的に伝えましょう。専門性の高い経験や学びがあることは、不動産業界のような専門的な業界を志望するにあたって大きな強みです。

加えて、どのような業務やプロジェクトに対して興味を持っているのかを伝えることで、長期的な視点を持っているかをアピールできます。

例文⑪自動車

例文

貴社の革新的な技術開発と世界市場への挑戦姿勢に強く惹かれ、志望しました。大学での自動車工学の学びと、学生フォーミュラでのEVマシン開発経験を通じ、日本の技術力の高さを実感しました。この経験を通じ、日本の高度な技術力で世界に貢献したいという思いが強くなりました。貴社はその技術力でグローバル市場に挑戦し続けており、私も国際的視野を持つエンジニアとして貢献したいと考えています。入社後は、新興国市場開拓に携わり、環境に配慮したモビリティソリューションの普及に尽力したいと思います。また、自身のAI・IoT分野での知識を活かし、次世代モビリティ開発にも携わりたいです。グローバルな視点と専門性を磨き、日本のものづくりの未来を担う一員として成長していきます。(350字以内)

大学での経験と志望動機を結び付けることで、より説得力のある内容になります。国際化している自動車業界だからこそ、グローバルな視点を持つことは非常に大きなポイントとなります。入社後、どのような業務に携わりたいのかを伝えて、貢献意欲が高いことをアピールしましょう。

例文⑫広告

例文

私が貴社を志望する理由は、クリエイティビティとプロデュース力の卓越性にあります。大学のマーケティング講座で貴社の革新的な広告キャンペーン、特に最近のSDGs推進プロジェクトを学び、その創造性と社会貢献性に深く感銘を受けました。学生時代のインターンシップで得た経験を活かし、自身のアイデアで勝負できる貴社こそ、私の理想の舞台だと確信しています。
入社後は、急成長するデジタル広告領域で独創的な企画を提案し、データ分析力を駆使してクライアントの課題解決に貢献したいと考えています。将来的には、ナショナルクライアントを担当し、大規模プロジェクトで創造性を最大限に発揮したいです。貴社の先進性と私の創造力を武器に、ユーザーの記憶に残る広告を展開していきます。(350字以内)

大学時代の経験や学びに触れながら、志望企業が自分の理想的な職場であるということをアピールすることは非常に効果的です。企業研究を徹底的に行うことで、その企業が取り組んでいる具体的な業務内容を理解でき、志望動機に繋げることができます。

志望企業で取り組みたい業務やプロジェクトがある場合は、最後の部分に記載することでより印象強い内容になるでしょう。

例文⑬新聞

例文

貴社を志望する理由は、世界最大の発行部数を誇りながら公平中立な報道姿勢を貫く姿勢にあります。大学での新聞部活動を通じて、事実を正確に伝える重要性を学び、貴社の「事実を書いた上で読者に委ねる」方針に深く共感しました。特に、最近の社会問題に関する多角的な報道に感銘を受けています。
入社後は記者として、多様な分野での取材活動に携わり、私の語学力と異文化理解を活かしてグローバルな視点から信頼される記事を執筆したいと考えています。また、デジタル化が進む中で、若年層向けのデジタルコンテンツ開発にも貢献したいと思います。
貴社での経験を通じて、公正かつ深い洞察力を持つジャーナリストとして成長し、報道の力で社会に貢献することを目指します。

志望理由として、その企業がどのような特徴・方針を掲げているのかに触れることは非常に有効です。この場合は、世界最大の発行部数を誇る企業であることから、自分の語学力や異文化理解をアピールできています。志望企業が求める人物像に当てはめて志望動機を書くことを意識しましょう。

例文⑭人材

例文

私が貴社を志望する理由は、多様な労働雇用の課題に総合的に取り組む事業姿勢にあります。特に、AI技術を活用した革新的なマッチングシステムに強く惹かれました。就職活動を通じて人生の転機に直面し、その過程で貴社の存在を知り、人々のキャリア実現を支援する姿勢に共感しました。大学時代のインターンシップで培ったコミュニケーション能力を活かし、入社後はクライアントと求職者双方のニーズを的確に把握し、最適なマッチングを実現したいと考えています。また、データ分析スキルを磨き、AIシステムの改善にも貢献したいです。貴社で経験を積むことで、テクノロジーと人間力を併せ持つ人材のプロフェッショナルとして成長し、社会課題の解決に尽力します。(350字以内)

大学時代のインターンシップ経験から得たスキルと、入社後に実現したいことを結びつけて志望企業に対する熱意の高さをアピールしています。また、入社後も継続してスキルを磨いていきたいことを伝えることで、貢献意欲が高いことをアピールでき、非常に印象の良い志望動機となっています。

例文⑮通信

例文

国内随一の光通信基盤と固定ネットワークシェアNo.1の強みを活かし、自身の「技術で地域に貢献したい」という思いを実現したいと考え、貴社を志望しました。大学でITと社会課題の関連性を学び、特に災害時の情報システム構築に関する研究を行う中で、御社の幅広いソリューションが様々な問題解決に貢献していることに感銘を受けました。安心を支える通信インフラの重要性を強く認識し、この分野で貢献したいと考えています。入社後は、安定した通信環境の提供を通じて、災害時の情報伝達や5G・IoT技術を活用した遠隔医療など、人々の安全に直結するサービス開発に携わりたいです。貴社の先進技術と私の研究経験を活かし、社会に貢献できる人材へと成長していきます。(350字以内)

大学時代に学んできたことが志望企業に通ずる内容であればあるほど、選考時には有利となります。この企業に入るために努力してきたということが伝わる志望動機を作成することで、他の応募者との差別化を図ることができます。企業にとってメリットとなる自分の経験を振り返ってみましょう。

志望動機は自分の言葉で熱意を伝えることが大切!

志望動機は、あなたの熱意や個性を企業に伝える重要な部分です。他の候補者と差別化を図るためには、自分の言葉で表現することが不可欠です。具体的な経験やスキルを盛り込むことで、なぜその企業に魅力を感じ、どのように貢献できるかを明確に示すことができます。

抽象的な言葉や他者の言葉を使わず、自分自身の価値観や目標を反映させることで、採用担当者に真剣な思いが伝わります。企業への理解を深めながら、あなたの意欲を伝え、選考の成功に繋げましょう。

【例文あり】インターン用の志望動機の書き方|差別化のポイントも解説

学生が実際に会社の業務を体験することができるインターンシップは年々増加しており、中には本選考で優遇が受けられるものや、本選考の一部としてインターンの成果次第で内定が得られる内定直結型と呼ばれるものも存在しています。

このことから、就活生の間でインターンを希望する人も多く、選考の段階で高度なESを書くことが求められます。志望する業界・企業の内定を勝ち取るため、インターンに懸ける熱意を志望動機として書き上げましょう。

インターンとは

インターンとはインターンシップの略であり、企業が実施する就活生向けの就業体験のことです。企業体験の形式はいくつか存在しますが、経済産業省、文部科学省、そして、厚生労働省の三省会議の定義では、就職後を想定して1週間程度から半年以上の業務を体験するものとされています。

元々は、バブル崩壊後の就職氷河期のなかで、学生と企業を早期に結び付けたい政府や経団連の後押しのもとで始まりました。

インターンに参加して実際の仕事を体験することは、自分のキャリアを考える機会になるでしょう。また、会社説明会やOB・OG訪問よりも、自分自身で現場の空気を感じることができるため、企業ごとの雰囲気の違いが実感できます。

学生の企業体験は、以下のような4つのタイプに分類されています。このうち、「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」と「高度専門型インターンシップ」が一般的にインターンと呼ばれるものです。正しく理解しておきましょう。

類型規定の期間就業体験
オープンカンパニー半日なし
キャリア教育学生に配慮すれば自由任意
汎用的能力・専門活用型インターンシップ汎用的能力型は5日以上専門活用型は2週間以上必ず実施
高度専門型インターンシップ2022年現在調整中必ず実施

参考:三省会議の定義|経済産業省

企業がインターンシップを行う理由

優秀な人材の早期発見・早期接触

企業がインターンを行う最も大きな理由は、人材確保です。昨今、どの業界でも人手不足は深刻な問題となっており、どの企業も優秀な人材の確保に必死です。

ただ同時に、学生の本分は勉強です。就職活動が学業の負担とならないように、企業の採用活動に関するスケジュールは年々短期化しています。早い企業であれば、既に夏前には募集を締めきっているということも珍しくありません。

しかし、その短い期間で人材を確保することは困難です。そこで企業は優秀な人材をいち早く見つけるためインターンを実施しています。

インターンは基本的に大学3年生を対象に行われるため、企業は将来の従業員候補となる優秀な学生たちと早期に接点を持つことができます。また、定期的に会社のイベントなどに参加してもらうことで、接点を持ち続けることができれば、自然と採用にもつなげやすくなるメリットがあります。

採用後のミスマッチの防止

インターンの実施は、企業と学生との間のミスマッチを減らすことにもつながります。企業にとって、新卒採用は想像以上に人手や予算が必要な業務です。そうして採用した社員が早々に退職してしまうことは、企業としても避けたい事態です。特に昨今は第二次新卒や、転職市場も活発なため、社員も転職という選択肢を選びやすくなっています。

そのような状況の中、1人の社員に長く働いてもらうことは、企業にとっては重要な課題です。しかし、どうしても企業の社風に合わず、早々に転職してしまうケースも増えています。そこで、早期にインターンシップを実施し、学生に社風を知ってもらうことで、採用後のミスマッチを予防することができます。

採用活動を通したPR活動の実施

インターンの実施は、企業のPR活動に使用することができます。どんな大学のどんな学生がインターンに参加したのかを外に公表することで、次年度以降の参加者も期待できるでしょう。特に、OB・OG訪問同様に、特定の大学と強いつながりを持つことができれば、安定して応募人数を見込むことができます。

また、早期のインターンシップの実施は、採用活動の短縮につながります。経団連は就職活動の長期化による学業への影響を危惧しており、基本的に短期での決着を企業に要請しています。そのような背景もあり、学生の就職活動の負担軽減は、それ自体が企業の社会貢献をアピールできる材料です。

就活生がインターンシップに参加するメリット

企業側のインターンへの熱意に呼応するように、就活生もインターンシップに積極的に参加しています。マイナビの調査では、2025年卒の就活生の約9割が参加していることが明らかになっています。

また、ひとりの就活生がインターンに参加する企業数も、平均で6社と年々増え続けています。昨今の大学生が、自分のキャリアに対していかに真剣に考えているかが伝わる数字です。それだけ、インターンへの参加は就活生にとってメリットのあるものといえるでしょう。

 インターンシップへの参加は内定獲得の確率を高める

選考を想定してインターンに参加することを考える学生は多いのではないでしょうか。事実、HR総研の調査では、35%の学生が「選考を有利に進めるため」にインターンに参加していると回答しています。

インターンシップは企業が行う採用活動のなかでも、最も早い時期に行われる活動です。学生の側からも、企業に早期に接触することで、自分のアピールを何度も繰り返し行うことができます

また、インターンシップの経験を、実際の選考のなかで活かすことも考えられます。企業に対する強い志望度をアピールできるだけではなく、就業後もスムーズに業務に入ることができるでしょう。特に、2025年度の就活からは採用に直結するインターンが正式に解禁されることになります。そのため、今後は採用を念頭に置いて、インターンに参加する学生は増えるのではないでしょうか。

ただし、政府や経団連は「インターンに参加できなかった、もしくは、しなかった」ことで採用を不利にしないように各企業に要請しています。基本的に、インターンと採用は切り離して考えるべきものであり、このことは経団連が公表している採用に関する倫理憲章のなかでも明記されています。インターンへの参加が採用の必須条件であると誤解しないようにしましょう

参考:

インターンシップを活用した就職・採用活動日程ルールの見直しについて|内閣府

インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る 取組の推進に当たっての基本的考え方|厚生労働省

採用選考に関する企業の倫理憲章の理解を深めるための参考資料|日本経団連

【入門】インターンって何?意味や参加時期、申し込み方法など解 説! | ココシロインターン

現在の自分の実力を知ることで、自己分析に活かす

就活生がインターンを受けることは、今後の自己分析のきっかけになるでしょう。インターンの内容は、どんな企業にも共通する基礎的な内容を体験するものから、より高度で専門的な内容を体験するものまで様々です。後者は、教育学部の教育実習や医学部における研修医などをイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。

知識としては学んでいても、実際の現場で役立てられるとは限りません。その意味でもインターンシップは、現在の自分の能力が、どれだけ希望する業界で通用するのかを試す機会であるともいえます。業界に対して十分な力量があるもの、逆に不足しているものが明確になれば、今後の学びにも活かすことができるでしょう。

志望業界をより深く理解して志望度を高める

インターンに参加すると、就活生はより志望する業界や企業のことを理解することができます。インターンの本旨は長期間の職業体験です。実際の業務に関する理解を深めるだけではなく、普通の会社員と変わらない生活を送ることで、一日のスケジュールや休日のパターンなど、働き始めなければ分からないことも見えるようになります

また、会社の社風や先輩従業員の雰囲気を知ることで、企業理解の向上につなげることが期待できます。これらの要素は言語化できない部分も多く、実際に社員と話す機会でもないと、なかなか理解することができません。実際に肌で感じる機会を得ることができれば、入社後に「想像と違う」というようなミスマッチを防止することができるでしょう。

企業がインターンシップの志望動機で見ているポイント

参加の意思があるか

まず、何をおいても企業は、就活生のインターンへの参加の意思を見ています。インターンは本選考に比べると参加のハードルが低く、容易に辞退することも可能です。

そのなかで、「とりあえず申し込みだけしておこう」と考える学生を参加させることはできません。企業のリソースには限界があるため、あまりに大勢のインターンシップを開催すると、企業の業務自体が滞る可能性があります。また、インターンシップは職業訓練です。内容によっては、危険な場面に遭遇することもあるでしょう。それだけのリスクを負ってでも、企業がインターンに参加してほしいと思える就活生であることが重要であり、参加意思の高さを確認しています。

明確な目的があるか

企業は将来的な採用を見越してインターンを開催しています。そのため、何を目的にインターンに参加するのかについて、明確な回答が必要です。

インターンに参加する目的は、「勉強したいから」「成長したいから」といった抽象的な理由でも問題ありませんが、具体的に中身と目的のある志望動機の方が、企業にとっても魅力的な人材として映ることは間違いありません。

企業のインターンシップに参加することで「何を得たいのか」、もしくは「何をしたいのか」を伝えることが重要です。「将来的な業務内容を早期に体験したい」「志望する企業の内情を知りたい」という勉強重視でも、他には「自分を売り込みたい」「選考を有利に進めたい」などの選考を想定したものでも、何でも構いません。応募の段階からインターンへの目的意識を作っておきましょう。

参加目的とプログラム内容がマッチしているか

インターンの内容は様々であり、同じ企業であっても開催時期によっては、より高度で専門的な業務を体験する場合もあります。開催されるインターンの内容と就活生の目的が合致しているかを企業は確認しています。

例えば、プログラムの内容が汎用的な、つまり、どの企業であっても一般的に行うような業務内容を体験するものなのに、そこへ「専門的で高度な業務を体験したいから」という目的では、明らかに目的と内容が合致していません。これでは「主旨を理解していない」と判断されてしまい、選考を突破することは難しいでしょう。

また、就活生の考え方が、企業の理念や働き方とマッチしているかどうかも重要なポイントです。「社会貢献がしたい」「将来、独立する上のキャリアの一環」などの就活生が働く上で求めていることを、自分たちは提供できる企業なのか、それも見極めているポイントのひとつです。

インターンシップの志望動機を書くための事前準備

まずは自己分析から始める

インターンの志望動機を書く前には、本選考と同じように、自己分析を行うことが極めて重要です。自分の強みとなる部分、逆に弱みとなる部分は何かを理解することで、インターンに参加したときの働き方や目的意識も明確になるでしょう。企業はインターンに参加する目的を、非常に重く見ています。自己分析が行えているのであれば、「とりあえず開催しているから」という安直な理由での参加はなくなるでしょう。

また、自分の興味関心の方向性や、自分の技能や能力を把握することは、自分の適職診断にも効果的です。就活生にとって、インターンは将来のキャリア形成における重要なステップです。自分がどのような職種や業界に興味があるのか、自分の能力がどの職種や業界に適しているのかを探る機会になります。自分が本当に興味や情熱を持っている分野で働くことができれば、働く意欲やモチベーションも高まるはずです。

業界・企業研究を必ず実施する

インターンシップは、将来的なキャリアを見越したものです。そのため、漠然とした企業・業界イメージで応募することは避けましょう。必ず業界研究や企業研究を行い、自分なりにでも、参加理由の根拠を用意しましょう。その企業は同業他社と比べて、どのような点が異なるのかなど、企業や業界に対する理解が深まれば、明確にその業界、その企業でなければならない理由が見つかります。

また、事前に企業研究を行うことで、実際にインターンに参加した後とのギャップに気が付くこともできます。想定よりもギャップが大きい場合は、進路を見直すきっかけになるかもしれません。インターンの開催期間は短いものならば、一週間程度であるため、長期の休みを活用すれば、複数社のインターンに参加もできます。別企業のインターンに参加できれば、本選考で書くべき志望動機の差別化要素も見えてくるのではないでしょうか。

目的や課題を明確化する

これまでの自己分析と企業研究をもとに、インターンで学びたいことを明確にしましょう。インターンシップは、学校を離れた学びの場です。その企業の何を知りたいのか、また、これから社会に出ていく上で何を身に付けたいのかなど、インターンに参加することで学びたい内容が明確になると、参加したときの気持ちも変わってきます。ただ、インターンシップは一週間ほどの業務経験です。いくつも目的があると達成が難しくなるので、これぞという中核になるものに絞りましょう

また、既にインターンに参加経験がある場合は、それまで参加したインターンの振り返りを行いましょう。インターン終了時には、研修先の企業からフィードバックが行われることが一般的です。そのフィードバックとインターン前に建てた目的や課題を照らし合わせ、何が達成できていないのかを明らかにします。こうすることで、次のインターンへの目的がより適切なものになります。

インターンシップ用の志望動機の書き方

インターンシップへの参加にあたって求められる志望動機の文字数は、およそ200字から400字程度となります。その少ない文字数の間に、自分が参加する目的や熱意を伝えなければなりません。自分が伝えたい事が企業に伝わるようにするためにも、志望動機は単純明快さを意識しましょう。

冒頭に結論として志望理由を書く

書き出しは結論となるインターンシップに参加したい理由を書きましょう。当然、企業はインターンシップに対して、参加への意欲の強い人や参加する目的が明確な人に参加してほしいと考えています。文章の冒頭に参加の理由を書くことで、企業側に熱意が伝わる志望動機が作成できます。あまり長すぎず、30〜50字程度の短い文章にまとめることがポイントです。

参加理由の主軸としては、「業種や企業を知りたい」という興味関心や、「スキルアップ・キャリアアップ」など数多くの理由が考えられます。このときに、その企業が開催しているインターンシップだから「こそ」の参加理由を考えましょう。ありきたりな理由では、企業側に「このインターンである必要性がない」、もっと言えば「自社である必要性がない」と受け取られてしまいます。

参加理由の根拠を具体的に書く

参加理由を書いたら、その根拠となる部分を具体的に記載していきます。自己分析や企業・業界研究で考えた自分の長所や短所などのエピソードを下敷きにすると、インターンシップに参加する理由にも説得力が増します。また、業界や企業への関心を示すことも、知識や技術を学ぼうとする意欲のアピールにつながり、こちらも効果的です。

勿論、場合によっては、まったく志望と関係のない企業のインターンに参加することもあるでしょう。ただ、インターンシップは選考ではないため、その参加理由が企業への志望動機である必要は全くありません。単純に「インターンへの参加」そのものが目的であることも十分な参加理由です。この場合、企業や業界よりもインターンシップそのものの魅力や、それに対する関心を書くと、このインターンシップだから「こそ」の根拠になります。

インターンシップにおける目標で締める

最後は、インターンシップに参加する目的です。例えば、「自分は〇〇を体験したい」というようにインターンのプログラムで具体的に取り組みたいことや、「〇〇を経験して今後は△△を成し遂げたい」など、参加後に実現したいことなどを明確にすると、企業から「インターンの内容を正しく理解している」と、インターンの内容とも合致するため企業に好印象を与えられます。

ただ、ここで書くことは、インターン先の企業が取り組む可能性があることに留めておきましょう。インターンと関係のないことまで書くと、逆に「企業の事業内容を理解していない」「企業・業界研究が浅い」と思われてしまい、マイナスイメージになってしまう可能性もあります。

インターンシップ選考を突破する志望動機の例文

インターンの内容を目的にした志望動機

例文

私は、将来システムエンジニアを目指しています。今回の貴社のインターンシップに参加し、ITの開発に関するノウハウを学びたいと考えています。

貴社は様々なアプリを開発されていますが、中でも貴社が設計から開発までを一貫して行ったEラーニングのシステムである〇〇は私も使用しています。大学の講義やアルバイト先の研修でも接する機会があり、利便性を感じています。

今回は、未経験からエンジニアとしての経験を積むことができることに興味を持ち志望しました。私はエンジニアとしての実績やキャリアはなく、システムに関する知識が浅薄です。貴社のインターンに参加し、自分に足りていない知識や技術などを身に付け、向上させたいと考えています。分からないところは積極的に質問し、自分を高めていきます。

実際の開発の手順を理解し、これから先、自分がシステムエンジニアとして活躍する未来の一歩にしたいと思い、今回のインターンを志望しました。(400字以内)

この志望動機では、開催されるインターンの内容について言及しています。インターンの本旨は職業体験であり、その体験を通じて何を学習したいのかが、志望動機を書く大きなポイントです。そのなかで、純粋に「インターンの内容に興味がある」ことは、企業としても「企業研究を行っている」「目的が明確である」と判断でき、好印象でしょう。

また、自分自身が実際にエンジニアを目指していることから、参加の動機と目的、そして、内容が一致していることもポイントです。目標が明確になるほど、企業が提供する業務内容も、それに即したものになります。

自分のキャリア実現を目的にした志望動機

例文

私は地元企業をサポートし続けている貴行のインターンシップに参加し、地元の〇〇市のまちづくりに取り組みたいという将来的な目標実現に活かしたいと考えています。

貴行は、地元企業を応援する取り組みを積極的に行っており、その取り組みが何度も表彰されている実績があります。

特に、今回の貴行のインターンでは、実際に法人営業の場にも同行できることに魅力を感じました。同行させて頂き、地元企業に対して地方銀行は何をしているのか。どのように銀行と企業がつながっているのかなどを、実際に体験し深く理解したいです。今回のインターンを通じて、地方企業とのつながりについてを学び、私の目標であるまちづくりに活かしたいと考えています。

インターン中は積極的に質問をし、地域社会での銀行の役割を学ぶだけではなく、自分が理想とするまちづくりとは何か、具体的にどうしていくべきなのかまで答えが出せるよう理解を深めていきます。(400字以内)

インターンは入社の動機ではありませんが、やはり「なぜ自社に興味を持ったのか」という点は、企業が最も気にするところです。この志望動機であれば「最終目標はまちづくりであり、そのために地元銀行に就職を目指す」という明確な軸があり、それが、今回のインターンに対する「まちづくりに関わる銀行」を知りたいという動機につながっています。

また、実際の内容にも言及することは、インターンへの積極性を示すことにもつながります。インターンに参加できたとしても、結局、社員の真似事をしただけで終わってしまっては、参加する意味がありません。自分の行動軸を示すことで、企業側も「何をしてもらうか」を考えやすくなります。

インターンは業界のことを深く知ることのできる、絶好の機会です。特に、実際に働いている人に求められる能力などは、確かめてみないと分からないことも数多くあります。だからこそ「分からないこと」は「知りたいこと」と考えてみましょう。その「分からない」を知りたいから、インターンに参加すると考えれば、目的も定まりやすくなります。

志望業界・企業との相性の確認を目的にする志望動機

例文

私は、今回のインターンシップで将来自分が不動産業界、特にディベロッパーとして働くときのイメージをより具体的にしたいと考えています。実際に業界で働く方々と一緒に働くことで業界の実態や仕事のやりがいを学びたいと思い、応募しました。

私は都市開発を通じて、人々の生活を豊かにするという目標があります。そこで業界のなかでも、都市開発専門のディベロッパーとして高い評価を受けている貴社に魅力を感じます。日本各地で宅地開発だけではなく、駅前の再開発に携わった実績のある貴社であれば、住民や利用者の要望や意見を反映させたまちづくりへの取り組みを知れるのではないかと考えています。

また、私は貴社の掲げる「人を、想う力」という方針に感銘を受けました。是非、貴社のインターンシップに参加して、貴社のまちづくりを体感するとともに、課題や目標を明確にし、より具体性をもったキャリアビジョンを描きたいと考えています。(400字以内)

企業と就活生のミスマッチを避けるためにも、相性確認を目的にすることはインターンの主旨に合致しています。業務内容が就活生の求めることであっても、実際の職場の雰囲気が就活生の求めているものとは限りません。特に、第一志望である企業は、今後のインターンや選考でも参加することが考えられます。インターンを活用して、企業と自分の相性が事前に分かれば、そこからの軌道修正も容易です。

また、実際に会社の中に入ることで、外からは見えない部分も見えるようになります。例えば通勤時間が長すぎると、それだけで体力を使ってしまいます。また、オフィスの状況なども、実際に働き始めると意外に気になるポイントです。騒音や日当たり、昼食を取る場所など、こういったものも中に入るからこそ分かることです。

関連記事:業種別の志望動機の例文はこちら

スキルを身に付けることを目的にした志望動機

例文

貴社のインターンシップを通じて、貴社が実践している広告の生み出し方を体験したいと考え志望しました。私は将来コピーライターとして広告業界への就職を希望しており、そのためのスキルを学ぶ一環として参加を決意しました。

私は受験の時に、通っていた塾のコピー広告に励まされた経験から、目にした人の心を動かすキャッチコピーの強さに惹かれました。そして、写真や音楽など様々な表現方法がある中で、純粋に言葉だけで人を惹きつけるコピーライターに興味を持つようになりました。

今回のインターンシップで業界の仕事を知ることで理解を深め、就職活動に役立てたいと考えています。また、貴社のインターンシップは、実際の現場を想定して実施されます。その場で、自分の現状を把握し、将来コピーライターとして広告業界に携わるためのノウハウや知識を吸収し、自分のものとして将来の目標に活かしていきたいです。(400字以内)

インターンの志望動機は、言い切ることがポイントです。自分の考えていることなので、「~だと思います」「~だろう」というような曖昧な文末にすると、「自分に自信がない」と企業に評価されてしまいます。言い切るだけでも自信のある文章になるため、文末には注意しましょう

この志望動機では、インターンを通じてスキルを身に付けることを目的にしています。大学での研究と企業の業務内容は必ずしもイコールではないため、全く知らない業界に飛び込むのであればインターンは有効な手段です。単なる憧れを自分の現実にするために、何をするのか、そして、何をしたいのかという目的を明確にすることが大切です。

インターンシップの志望動機を差別化するポイント

その企業「だからこそ」の理由を考える

本選考でも同じですが、インターンを開催する企業が知りたいことは、「なぜ数ある企業から自社を選んで応募したのか」ということです。極端な例を挙げれば、「お金に関わる仕事がしたい」という理由で銀行のインターンを希望しても、参加は難しいでしょう。単純に「お金に関わる仕事」は、銀行だけではないからです。保険会社や証券会社などお金に関わる業界は幅広く存在します。加えて言えば、他業界の経理部でも「お金に関わる仕事」です。

あまりにも漠然とした目的や理由では、企業側も「自社である必要性がない」と考えます。もっと深く踏み込んで、その会社でしか出来ないこと、例えば独自の技術がある、限定された地域にしか存在しない、など企業独自の長所、もしくは、そのインターンだからこそ経験できることなどインターン独自の魅力を挙げてみましょう。他に替えの利かないことを理由にすると、企業側も納得できる志望動機になるでしょう。

自分なりのエピソードを述べる

インターンに参加する動機は入社の意思とは異なるため、どうしても本選考の志望動機に比べると、弱いものになることは避けられません。また、書くことができる文字数も少ないため、あまり多くの内容を盛り込むことができず、定型的な文章になりがちです。

だからこそ、自分自身の背景を際立たせると、それだけで魅力的な志望動機になります。インターンに参加する目的は同じでも、そのきっかけになったことは1人ずつ異なるはずです。何故、参加しようと思ったのか、参加することで何を得たいのかなど、自己分析の結果と合わせて考え、自分らしい志望動機をつくりましょう。

また、行われるインターンの「何」に、「どのような」魅力を感じたのか、ということも差別化する重要なポイントです。インターンへの参加が自分にとって、どう利点となるのかを考えてみると書きやすいかもしれません。

インターンシップの志望動機を書くときの注意点

インターンは本選考とは無関係

採用に直結するインターンの開催が正式に許可されたことで、企業の採用活動におけるインターンの重要性は、より高まることが予測されます。もちろん、インターンに参加することで、就活生も早期に内定を獲得できる可能性があるため、採用を意識して参加することは、何も間違ったことではありません。

しかし、学生側のメリットである早期内定などは、あくまでもインターンの参加後に得られる副次的な効果です。先の採用に直結するインターンも、参加者に正規ルートとは別の参加者限定の選考が行われるようになる、というものに過ぎません。

そのため、あまりにも志望動機に「選考」や「内定」を意識した内容を書くと、「インターンの主旨を理解していない」と判断されてしまいます。インターンは「教育」であり「採用活動」ではありません。その主旨を履き違えては、インターンに参加はできないでしょう。あくまでもインターンの志望動機で尋ねられているものは、「インターンに参加する動機」であることを忘れてはいけません。

誤字脱字や言葉の誤用はないか

インターンの志望動機は、本選考と同じように参加の選考が行われます。そのため、志望動機に誤字脱字や言葉の誤用があると、一気に心証が悪くなります。確かに、インターンに参加を表明するということは、志望度が高いことと同義です。そんな学生を企業としても積極的に採用したくなるのは、自然なことでしょう。

しかし、基本的な日本語の文章が書けないとなると話は別です。メールやチャットツールなど何を使うにせよ、仕事の基本はコミュニケーションです。誤字脱字の多い志望動機は、それだけで「コミュニケーションができない」と判断されてしまいます。また、それらに気が付かない「注意力のなさ」が露呈してしまいます。書き上げた志望動機は、必ず一度見直して、不自然な文章になっていないか確認しましょう。

特に、敬語は要注意です。志望動機には、企業を指す「貴社」「御社」など就活を始めて、ようやく知る敬語も数多く用いられます。本当に、その使い方であっているのか、自信がないときはキャリアセンターなどに添削を依頼しましょう

その他、業界用語も注意すべきポイントです。どの業界にも、その業界でしか使わない用語というものが存在します。業界用語の誤用は、業界研究の甘さを露呈します。間違える方が企業の心証を悪くするため、意味が分からない言葉は、潔く使わない選択をしましょう。

本選考の志望動機は別に考える

インターンに参加することで、企業に名前や顔を覚えてもらうことができれば、今後の選考も有利に進むことでしょう。ただ、インターンと選考は無関係に行われているため、再度本選考で志望動機が求められることも考えられます。再度求められた志望動機は、インターンの志望動機とは別のものにしましょう。そもそも、インターンと本選考では、企業の目的が全く異なります。

そのため、あまりにもインターンの参加理由で、企業や業界への情熱あふれる志望動機を書くと今度は本選考の志望動機に書く内容がなくなってしまいます。インターンの参加理由は、インターンの内容に着目する、今後の就職活動でどう活かすか、など、インターン「そのもの」に的を絞ったものにするのがおすすめです。

目的を明確にして有意義なインターンシップにしよう

今後、採用活動におけるインターンシップは、ますます重要なものになるでしょう。学年を問わずに参加できるインターンも多いため、早い段階から興味のある企業を詳しく知ることも可能です。ただ、それだけ参加者の間口が広まれば、選考も厳しくなります。「弊社のインターンにぜひ参加してほしい」と言われるほどの魅力的な志望動機を書き上げましょう。

インターンへの参加は強制ではありません。そんな中、自らイベントに参加するからには、是非とも有意義なものにしてください。志望動機でも問われる参加の理由、そして、実現したい目標などを明確にしておけば、インターンを通して新しい発見も見つかるでしょう。また、キャリアや適性を見直して自分自身の成長を促すことにもつながります。

今、インターンシップ自体が大きな変革期を迎えています。自分がインターンシップに参加する意味を今一度考えて、意味のあるインターンにしましょう。

自己PRと長所の違いとは?同じ内容にならないESの書き方のコツ【例文あり】

面接やESでよくされる質問に「自己PR」「自分の長所」があります。企業としては、これから一緒に働く仲間を見極めるための重要な質問です。そのため、この質問に対して適切に返答できるかが、採用の可否を決めると言っても過言ではないでしょう。

ただ、この2つの質問は、どちらも「自分の強み」に関する質問であるため、多くの就活生が混同して適切ではない回答をしています。この記事では、これら2つの質問の違いを解説するとともに、それぞれの質問に合わせた回答の書き方を解説していきます。

就職活動における自己PRと長所の違い

就職活動に限らず「自己PR」を求められたとき、自分のスキルや経験・実績を話す人もいれば、「優しい」「協調性がある」など自分の性格を話す人もいるでしょう。

しかし、同時に「長所」を質問された場合、多くの人が先の自己PRで回答した内容と同じような回答をしてしまいます。どちらも「自分の強み」に関する質問であるため、似た回答になりやすいためです。

しかし、実はこの2つの質問は似ているように見えて、全く別の質問です。特に、就職活動においては、企業は2つの質問に対して明確に異なる意図を持たせています。企業がこの2つの質問をする理由、そして、それに対する適切な回答とはどのようなものなのかを把握して、的確な回答を行いましょう。

企業が自己PRと長所を尋ねる理由とは?

自己PRと長所の両方を質問する企業は珍しくありません。IT化を筆頭とした技術の進歩により、企業としても以前までの「単純に働かせる」だけではなく、求職者の持つ「強み」を考えたマネジメントに迫られています。人をどう活かすかは企業の腕の見せ所と言えるでしょう。

適切に人を配置し活躍してもらうためには、企業としても求職者の持つ「強み」を多面的に判断しなければなりません。この2つの質問は、どちらも強みを多面的に判断する質問の筆頭です。ただし、自己PRは企業側から見た強み、長所は求職者側から見た強みという点で大きく異なります。

自己PRは「会社に貢献できるか」を尋ねている

自己PRの目的は「会社に貢献できる人材か」を確認することです。企業は様々な能力を持った人たちが集まり、互いに協力しあう共同体です。自社製品を売る営業もいれば、製品を作る人、会社を管理する人、業務内容も多岐に分かれます。

しかし、その共同体の目的は「利益を得る」ことで一致しています。つまり、就活における自己PRとは、突き詰めて言えば「あなたを雇うことで、会社にどのような利益をもたらしてくれるか」という質問です。

単に「メリットがあります」というのは簡単ですが、それだけでは企業も採用できません。企業側の視点に立ち、自分の強みが企業にとって、どのように役に立つのかを考えてみましょう。

長所は「会社に合っているか」を見極めている

長所に関する質問は「企業の社風とマッチしているか」という確認です。会社に貢献してくれる人材であったとしても、企業の雰囲気が合わないということは珍しくありません。社風が合わないということは働くうえで大きなストレスであり、実際にエン・ジャパンの調査では10人に1人が社風を理由に退職しています。

企業としても折角採用した人材が早々に辞めていくのは大きな痛手です。そこで、求職者の性格や主義主張を推し量るような質問を投げかけることで、企業と求職者のミスマッチを防止しています。

そのため、長所は自己PRとは異なり自分を起点にして「自分がどういう人間か」を伝えることが必要です。自分の性格や性質、能力などで自分が特に優れている点を洗い出して回答に臨みましょう。

自己PR と長所はアピールするものが違う

前述の通り、自己PRと長所では企業の質問の意図が全く異なります。回答も自己PRは企業目線でアピールし、長所は自分目線で優れているポイントを伝えるという違った視点で回答しましょう。

この違いを理解せずに似たような回答をしてしまうと、面接官にとっては「自分たちの知りたいことが分からない」という印象になってしまいます。単純にアピールが不十分なだけではなく、質問の意図を理解していないと判断されてしまうため注意しましょう。

自己PRは企業に対するメリットを提示する

例えば、いくら「英語が話せます」とアピールしても、国内限定の業務しかない企業では採用に結びつかないでしょう。自己PRの判断基準は「企業へのメリット」にあるため、どれだけ優れた能力の持ち主でも企業にとってメリットが薄いと判断されると評価につながりません。

自己PRは、企業に「欲しい」と思ってもらえることが最大の目的です。そのためには、まず業界研究や企業研究を徹底的に行いましょう。その中で企業が求める人物像を把握し、企業の中で発揮できる自分の強みを分析する必要があります。

その上で、単純に「〇〇力があります」や「〇〇の資格があります」と回答するだけではなく、それを使って「どのような利益をもたらせるか」「入社後にはこのような活躍ができる」ということを、根拠となる具体的なエピソードとともに伝えましょう。

長所は自分の人となりを伝える

長所に関する質問では、自分の性格や性質、能力などの自分の特徴で特に優れた点を回答しましょう。自分が「すごい」と思っている部分をアピールすることで、企業に対して「自分が何を大切にしているか」といった価値観を伝えることになります。

自分からの視点で伝えるため一見簡単そうに見えますが、その長所は自分で思い込んでいるだけということも珍しくありません。自己分析だけではなく、周囲からの評価も参考にして「自分の人となり」を見直しておきましょう。

また、単に人となりを伝えるだけではなく、それが仕事の場面でどのように役に立つのかも考えると良いでしょう。特に、過去の経験の中で、具体的にその長所が役に立ったというエピソードがあると、企業も就職後の働く姿がイメージしやすくなります。

自己PRと長所を書くときのポイント

アピールポイントは1つに絞る

これまで生活してきた中で、自信が持てるモノが1つもないという人は少ないでしょう。しかし、学生生活で苦労して得た知識や経験、そこから身に付けた技術などアピールできる「強み」はいくつも考えられます。

ただし、強みをいくつもアピールするのは避けた方が良いでしょう。自己PRで1つ、長所で1つというように、伝える自分の強みは必ず1つに絞ります。自分をよく見せたいと思っても、複数のアピールをすると他人からは冗長で自慢のようにも見えます。

また、複数のアピールをすることで文章の構成が難しくなります。自己PRも長所も規定の文字数はおよそ300〜500字程度です。複数のアピールは、字数内に収まりきらず、それぞれの強みが薄くなるだけではなく、まとまりのない文章になってしまうため、「何を伝えたいのか分からない」文章になってしまいます。1つのポイントに絞り、わかりやすい簡潔な文章を目指しましょう。

2つのエピソードが重複しないようにする

この2つの質問は、どちらも自分の「強み」を尋ねられている質問です。そのため、内容が重複することは決して問題ではありません。むしろ一貫性が生まれるため「強み」は同じであることが良い場合もあります。ただし、この2つの質問への回答として、同じエピソードの使いまわしは厳禁です。

全く同じエピソードを話してしまうと、採用担当からは「学生時代に頑張ったことがない」「就活に対する準備ができていない」と判断されてしまいます。また、自分の強みの根拠としても弱く、説得力のない文章になってしまいます。

同じ「強み」の根拠となるエピソードとして、例えば片方は部活におけるエピソード、もう一方はアルバイトにおけるエピソードというように複数用意しましょう。自分の経験を隅々まで振り返り、自己分析しておけば強みが発揮できたエピソードは必ず見つかるはずです。

2つに関連性を持たせると説得力が増す

例として、自己PRでは積極性をアピールし、長所では慎重さをアピールしていると、相手に違和感を与える可能性があります。

質問に対する回答に矛盾や齟齬があると、書いてある内容に対する信頼性が失われてしまいます。もしそれぞれの質問に対して別々の強みを回答するならば、必ず関係性を持たせましょう。こうすることで「自己PRの強みが性格から生まれたものである」といった印象を持ってもらえます。

また、この関連性は他の自身の性格に関する質問や志望動機などでも同様です。自分の回答には一貫性を持たせることで、自分は「こういう人間である」ということを企業により知ってもらえるでしょう。

企業が重視しているポイントを考える

伝える「強み」は、応募先の企業に合わせて考えましょう。同じ業界であっても企業ごとに価値観は異なり、その違いは面接やESの質問にも現れます。企業が欲しい人材は「能力があって、会社に適正がある」人物です。企業にとっての就活はそんな人物を探し出すための方法です。

そのため、企業が求める人物像と自分の「強み」が一致すると、企業側も働くイメージがつきやすく、好印象につながります。自分の言いたいように、書きたいようにアピールするのではなく、企業が「何を求めているのか」を考えましょう。

そのためには、書き始める前の業界研究・企業研究が欠かせません。企業が求める人材を理解した上で、自分が企業にとって必要な人物であることをアピールしていきましょう。

自己PRと長所を書き始める前の準備

自己PRや長所を質問されて「私の強みは〇〇です」というのは簡単です。しかし、これだけでは企業が求めている回答とは言えません。その強みを深く掘り下げて、「実際に入社後に活躍できるのか」までを面接官たちは見ています。

企業を納得させられる話につなげていくためには、事前の入念な準備が欠かせません。自己分析や企業研究など、自分と企業を知ることが自己PRと長所を書くための最初のステップです。

まずは徹底的な自己分析から

長所も自己PRもアプローチの違いはあれども、どちらも自分の強みをアピールする質問です。強みとなるものは、これまでに経験した知見や得られた見識、身に付けた技術といったものから、自分の性格や主義主張まで様々です。

しかし、これらを回答として書くためには客観性が重要です。自己申告よりも何かしらの資格がある、他者からの評価を得た経験があるといった方が信頼できるため、まずは「本当にそれが自分の強みなのか」という点から振り返ってみましょう。

その強みが身に付いたのはいつごろか、また、どのような場面で発揮できたかなどこれまでの過去を振り返り、もう一度、就活の中で自分が大切にしたいこと、自分の求めていることなどを明確にしておきましょう。

分からないときは第三者に聞いてみる

一人で「自分とはどういう人間か」を考えていると、どうしても結論が主観的になりがちです。主観的な評価では、自分の思う「自分」と他人から見た「自分」にズレが生じやすくなります。このズレがあると、自分の思っている強みが強みとして認識されないばかりか、エピソードとの関連性も希薄なものになってしまいます。

就職活動においては、初めて自分に出会う人から評価してもらうことになります。そのため「他人から見た自分」が、どういう人物なのかを再認識しなければなりません。自己分析においては、ほかの人の意見を聞くことも大きな手助けになります。

短所も含めて自己分析をする

強みを振り返るときは、自分自身の短所も振り返ると効果的です。例えば「落ち着きがない」というと一般的には欠点でしょう。しかし、その欠点は裏を返せば「好奇心がある」「物怖じしない」という強みとして捉えることもできます。

このように、一見すると自分では欠点だと思っていたことが思わぬ強みとなることも少なくありません。短所は長所を考えるための起点になることも多いため、自分の良いところばかりを探すのではなく、欠点にも目を向けてみましょう。

業界研究・企業研究で企業が求める人材を知る

どれだけ素晴らしい経歴や能力があったとしても、企業の最大の判断基準は「一緒に働きたいか」という点になります。企業が求める能力を持つ人材でなければ、その経歴や能力も評価されません。

どのような能力を重視しているかは、公開されている企業理念や活動などを深く読んでいくと分かります。企業が求める人材であることを伝えるためにも、業界研究や企業研究は欠かせません。

特に、社風や職場の雰囲気などは実際に企業の中に入らないと分からないことも多いため、志望する業界が決まっているのであれば早いうちに積極的にインターンや企業見学などに参加していきましょう。

強みを発揮できたエピソードを用意する

単純に「〇〇ができる」と言うことは簡単です。しかし、それだけでは主観的すぎて、信憑性に欠けます。相手を納得させる自己PRや長所の回答をつくるためには、客観的に相手が判断できる具体的な根拠が必要です。

その根拠となるのがエピソードです。その力が発揮できたエピソードを強み1つに対して必ず1つ用意しましょう。過去の華々しい成功体験でなくてもかまいません。失敗したエピソードや現在でも継続的に続けているエピソードでも大丈夫です。

具体的にどのように発揮したのか、結果としてどのように役に立ったのか、また、そのときの周囲の反応や数値としての変化など、エピソードが具体的であればあるほどに説得力が増します。

自己PRや長所で使える「強み」の具体例【一覧表】

自己PRや長所は自分自身の強みです。そして、その強みは自分自身の性格や嗜好、考え方に由来します。つまり、「強み」を考えるためには今一度、自分は「どういう人間なのか」を考える自己分析が必要となります。

また、単に「優しい」とするよりも、「人の気持ちに寄り添える優しさがある」や「温厚で衝突を生まない優しさを持っている」などと、「どんな」優しさなのかを具体的にすると、企業も就職後の働く姿をイメージしやすくなります。

以下は、自己PRや長所として考えられる強みを一覧にしたものです。自分がどのような人間かが分かれば、それを仕事のなかでどのように活かすのか、また、企業の求める人材と合致しているかが見えてくるはずです。一覧表を参考に、自分の強みを具体的に表してみましょう。

性格や嗜好長所(人となりや働く姿勢)自己PR(仕事につながる強み)
優しい・人に寄り添える
・周囲と衝突しない
・顧客ファーストを実現する
・共感力や傾聴力がある
明るい・人を笑顔にする
・元気にするのが得意
・物事を前向きに捉えられる
・困難も楽しく乗りきれる
積極的・新しいことを知っている
・すぐに仲良くなれる
・困難にも果敢に挑戦できる
・スキルの向上に余念がない
社交的・すぐに他人と打ち解けられる・組織の一員として協調性を持つ
責任感・最後まで責任を持てる
・こだわりが強い
・継続力や諦めない気持ち
・我慢強さや粘り強さ
好奇心・多様な知識やスキル
・能動的に行動できる
・チャレンジ精神
・物怖じしない積極性
独創的・自由な発想を持っている
・形式にとらわれない
・問題解決力
・多角的な思考
観察力・物事を観察して的確に判断する・課題発見能力
・問題解決力
理解力・考えを端的に捉えられる
・考えを簡潔に伝えられる
・論理性や言語化能力に優れる

自己PRと長所の書き方

PREP法の構成
  1. 結論(Point)
  2. 理由(Reason)
  3. 具体例(Example)
  4. 結論(Point)

自己PRや長所に関する回答は、PREP法に基づいて書き進めていきます。PREP法は文章構成の方法の1つであり、結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→再び結論(Point)の順番で文章を進めていきます。文章が端的にまとまるため、ESだけではなくビジネス文書全般で広く使われています。

慣れるまでには難しいPREP法ですが、この構成を意識して書くと要点がまとまり、論理的に物事を伝えられます。また、余計な装飾が入る余地もなくなるため

全体的にすっきりとまとまった印象になります。ここではPREP法に基づいた自己PRと長所の書き方を解説していきます。

最初は結論から書き始める

最初に書く結論は自分の「強み」です。具体的な説明ではなく、ストレートに「私の強みは〇〇です」と言い切ってしまいましょう。最初に結論を置くことで自分が何をアピールしたいのかが伝わり、話のゴールも明確になります。

また、最初に強みを書くことは、相手の時間を短縮する効果もあります。企業の面接官は忙しい業務の合間を縫って、毎日何千枚と届くESを読んでいます。書類審査の段階では、自社の求める人材に合致するかを素早く見極めなければなりません。

最初の結論で自分が企業に必要な人材だとアピールするためにも、まずは端的に自分の強みをアピールしましょう。

自分のアピールポイントを裏付けるエピソードを書く

単に強みをアピールするだけでは、説得力に欠けます。次の理由と具体例の部分では、その強みを裏付けるエピソードを紹介します。ここでは「~を頑張りました」だけではなく、「いつ」「何を」「どのように」頑張ったのかまで詳しく書きましょう。さらに客観的な数値を入れると、より説得力が増します。

この段落で最も重要なのは「その結果どうなったのか」です。自分の成長や変化など、具体的な実例を挙げると企業も採用後の働く姿がイメージしやすくなります。

仕事や会社でどのように活かせるかを書く

最後の締めの結論は、仕事にどのように活用できるかで締めましょう。自己PRでは「採用後は戦力になりうるか」、長所では「職場環境にマッチするか」という観点で企業は判断しています。

そのため自己PRでは、志望している企業の業務内容に関連させて、実際にどのように活かすことができるのかという点で考えてみましょう。企業研究を丁寧に行っているアピールにもつながり、好印象です。

また、長所では業界や企業、その職種の特徴に結論を絡めるとよいでしょう。自己PRと似ていますが、長所は「自分の持つ強みを活かして、どのような姿勢で仕事に取り組んでいくのか」という部分に重点を置くと分かりやすいかもしれません。

自己PRと長所をアピールする例文

課題解決能力をテーマにした例文

自己PR

例文

私は問題の原因を突き止め解決に導く力に自信を持っています。入社後は顧客の問題を適切に解決できるコンサルタントとして活躍したいと考えています。

私は、学習塾で個別指導をしていました。そこには、様々な理由で勉強が続けられず、なかなか成績が上がらない生徒がたくさんいました。そこで、まず私は丁寧に話を聞き取り、成績が上がらない原因を突き止めることから始めました。そして、それぞれの要因に合わせたカリキュラムを作成することで、今年の春は10人の生徒を志望校合格に導きました。

この経験を活かし、入社後もコンサルタントとして、人の悩みに真摯に向き合い、それぞれの個別の問題を解決に導けるよう努力していきます。

問題を解決する力は、どの企業も就活生に求めている力です。なかでも、他者の問題を把握し、解決策を提示できる能力は必須です。

この例文では、その能力を分かりやすく業務に使うことを前面に押し出した文章です。自分の強みと業務内容が密接につながっているだけではなく、すでに実績があることもアピールすることで、その能力に説得力が増しています。

具体的に取り組んだ内容や解決策をもう少し深掘りできると、より説得力のあるその人ならではの自己PRとなるでしょう。

長所

例文

私の強みは、人の悩みや問題などを解決する問題解決力です。私は、大学時代に吹奏楽部のキャプテンを務めており、日々問題解決のために尽力しました。

特に、私の所属する部活は人数が多いため、音楽性の違いや練習への参加などの問題でメンバー同士の対立は毎日のことでした。そのたびにお互いの意見を聞き、橋渡し役となることで、両者や周囲の人間も納得できる落し所を考え解決に導きました。

このようなことを繰り返していると、部活の雰囲気もまとまりはじめ、メンバーの意見のすり合わせもスムーズにいくようになりました。その結果、大会では何度も入賞を経験しました。

チームの和は成果にもつながります。貴社に入社後も対立が起きた場では、お互いの橋渡し役として、意見をまとめていき良好な関係を保てる社員を目指します。

同じ問題解決力をテーマにした文章ですが、長所として書くためには「その能力は働くときにどのように使われるのか」という点を考えてみましょう。企業から見て「業務に役立つ」自己PRとは異なり、長所は「働き方」や「雰囲気」といったものです。

ここでは、チームの和が重要であるとし、その和を保つためにも対立という問題を解決に導くような、いわゆる潤滑油のような役割を果たすことを考えた文章になっています。

継続力をテーマにした例文

自己PR

例文

私の強みは、困難に負けない粘り強さです。

私は10歳の時から今まで書道を続けています。最初は単純に「字が上手になれば良い」と始めさせられた習い事でしたが、初めて教室に行ったときに見た書に感激を受け、「あのような字が書けるようになりたい」と現在でも続けています。書の方は現在でも納得する出来栄えとは言えません。これからも、まだ精進が必要だと思っています。

貴社は、技術や考え方の革新に重きを置いた企業だとうかがっています。現状に甘んじることなく更にその先へ進んでいこうという姿勢は、私の書の道に通じるものがあると思います。

貴社に入社後は持ち前の粘り強さを発揮して、自分のスキルや能力をより高めていくことを考えています。その高めたスキルで貴社の発展に尽くします。

継続力をアピールするならば、できるだけ長年続けてきたことを取り上げましょう。特に、子どものころから長年続けているような物事だと、そこから現在に至るまで価値観が一貫しており、少しの事では揺らがない強い精神性をアピールすることにもつながります。

ただし、同時に「頑固」「融通が利かない」というようなマイナスのイメージにもつながる可能性があることには注意が必要です。

長所

例文

私の長所は、最初に決めたことを最後までやり抜く粘り強さです。私は長年、短距離走を専門としていましたが、なかなか芽が出ず、大学では思い切って長距離に転向しました。

練習方法が短距離とは全く異なるため、当初は練習についていくのも精一杯でした。心の限界を感じる場面も多く、何度も辞めようと考えることもありました。しかし「成果が出なければ辞める」と決めていた私は、そのたびに自分に喝を入れ、練習を続けました。

その毎日の練習の成果が出たのか、昨年の大会では6位入賞、今年は準優勝と確かな成績を残すことができました。貴社に入社後は、持ち前の粘り強さを発揮して、どんなに困難な業務でも投げ出さずに最後までやりきります。

継続力は、様々な言い換えが利く強みです。特に長所で述べることは、企業にとっての安心感につながるでしょう。入った新入社員のうち「3人に1人が辞めていく」と言われる現代の状況で、「長く続けてくれる」可能性のある社員はそれだけで貴重です。

また、困難に対して行動を続ける努力家であるとの印象にもつながります。ただし、単に「努力しました」では企業は評価しません。努力した「成果」こそが評価するポイントになるため、必ず成果となる部分を加えましょう。

自己PRと長所の違いをおさえて書き分けよう!

どちらも自分の強みに関する質問であるため、一見すると同じように見える自己PRと長所ですが、それぞれの質問の意図は全くの別物です。両方を質問する企業も少なくないため、書き分けられるようにするためにも違いをおさえておきましょう。

この違いを正しく認識して回答できれば、面接でもESでも面接官に自分の魅力を最大限に伝えることができます。効果的な自己PRと長所を作成し、就活を有利に進めていきましょう。

自己PRで真面目さを伝えるコツは?書き方と注意点を解説【例文あり】

真面目さは自己PRとしてありきたりなようですが、十分に有効な長所です。ただし、真面目さをアピールする学生は少なくないため、他の学生にはない自分なりの真面目さを掘り下げて伝える必要があります。

この記事では、企業が評価する真面目さとは何かを解説するとともに、オリジナリティのある真面目さエピソードの作り方や、真面目さをPRする時の注意点なども紹介します。

自己PRで企業が評価する真面目さとは

真面目という言葉は一般的には「嘘やいい加減なところがなく誠実である」という意味があり、社会で働く上では必須のスキルです。しかし、企業が評価する真面目さはさまざまで、業務の性質に応じて求められる真面目さが異なります。

ここでは、就活の自己PRで真面目さを伝えるときにアピールするべきポイントを紹介します。

困難な場面でも諦めず最後まで仕事を完遂できる

社会に出て仕事を始めると、思う通りにいかないことはいくらでもあります。困難な場面に直面した時、途中で投げ出さずに最後まで成し遂げる力は、社会ではなくてはならない能力です。

真面目な人は難しい問題にも責任を持って正面から向き合い、目標を達成するために努力を継続することができます。

学生時代に学業やアルバイトなどで困難を乗り越えて成果を出した経験がある人は、ぜひそれを真面目さとしてアピールしましょう。

仕事を計画的に進められる

限られた時間の中で与えられた仕事を終えなければならないシーンは少なくありません。真面目な人は目標から逆算して事前にやるべきタスクを洗い出し、優先順位や効率性を考えた上で計画的に行動できます。最終的に決められた期限や納期を守って仕事を完了できるため、社内外から信頼されやすいのも特徴です。

このような人材は自己管理能力が高いだけでなく、分業が必要なプロジェクトなどでも段取り良くチームの仕事をまとめてくれることが期待できます。計画性はどのような業務であっても重要となる能力であるため、企業から高く評価されやすいでしょう。

地道な努力を続けられる

世の中の仕事は、取り掛かってすぐに成果が出るものだけではありません。営業やマーケティングなど、チャレンジを継続して初めて望んだ結果が得られる仕事もあります。

真面目な人はそうした地道な努力を必要とする仕事であっても、コツコツと粘り強く取り組むことができます。

なかなか結果が出ない時期でも、誰かに管理されなくとも自分が今何をすべきか考え、行動し続けられる人であれば、企業としても安心して仕事を任せられるでしょう。

周囲から信頼されやすく人望が厚い

真面目な人は嘘や誤魔化しを嫌い、曲がったことを良しとしません。そのため仕事で手を抜いたり、いい加減に済ませたりすることなく、何事にも真剣に取り組みます。

「自分に非があれば素直に認めて謝る」、「言動に一貫性がある」、「裏表がなく誰に対しても平等に接する」といった姿勢も真面目な人の強みです。真面目さは誠実さとも言い換えられます。

仕事ぶりが誠実な人は「あの人に任せておけば大丈夫」と社内外から人望を得やすいため、どこの企業でも求められる人材といえます。

自己PRで真面目さを効果的に伝える構成

<真面目さを伝える構成>

①最初に真面目さが強みであることを述べる

②真面目さを発揮したエピソードを紹介

③真面目さがどのような成果・結果につながったか

④真面目さを仕事にどう活かすか

まずは、自分の強みが「真面目さ」であるという結論を述べましょう。結論ファーストで書くことで話の内容が明確になり、読み手にも言いたいことがストレートに伝わります。

また、単に「私の強みは真面目なことです」と書くよりも「私は地道な努力を粘り強く続けることが得意です」など、どのように真面目なのかを具体的に表現した方が読み手に印象づけることができます。

結論を述べたあとは、真面目さが強みであることを裏付ける具体的なエピソードを説明しましょう。例えば、アルバイトで真面目さを発揮した経験について書くのであれば、自分が直面した問題や課題、それに対するアクション、成果・結果をまとめます。

自己PRでは、あなたが自発的に考えて行動したことと、その結果が重要視されます。そこにあなたの人間的な魅力仕事に対する向き合い方が表れるからです。エピソードトークに終始せず、自分の考えや行動を伝えることを意識しましょう。

最後に、この真面目さを仕事にどう活かすのか、企業に貢献できるポイントを絡めてアピールします。採用するメリットを感じてもらい、入社後に活躍してくれそうなイメージを持ってもらえる内容になっているか確認しましょう。

オリジナリティのある真面目さエピソードの作り方

真面目さをアピールする他の学生の中から採用担当者の目に留まる自己PRを作るには、エピソードにオリジナリティが必要です。

ありきたりなエピソードではなく、自分らしい真面目さを見つけるための方法を解説します。

1.自分の真面目エピソードを書き出す

自分らしい真面目さとは何かを見つける上で自己分析が欠かせません。アルバイトや大学のゼミ、部活、インターン、習い事、友人や家族との関係など、どんな場面でも構わないので、真面目さを褒められた経験を思い返してみましょう。

褒められた経験はなくとも、長く続けている部活やアルバイト、習い事などがある人は、それだけで物事を真摯に継続する力が備わっているといえます。

エピソードが上手く思いつかない場合、特別なエピソードが必要だと考えている可能性があります。自己PRは自分の人柄や能力をアピールすることが目的ですので、人より優れていることをアピールする必要はありません。一度友人や家族に尋ねてみると、それまで自分では気づかなかった自分の真面目な一面が見えてくるでしょう。

2.エピソードの共通点を探し深掘りする

真面目エピソードを掘り下げていくつか書き出していくと、自分の行動や考え方に共通点が見えてくるはずです。シチュエーションや相手に関係なく発揮される真面目さ、それが「自分にとっての真面目さ」です。

同じ真面目さのアピールでも、例えば「地道な努力を続けられる真面目さ」や「仕事を計画的に遂行する真面目さ」など、自分なりの真面目さを定義することで、他の学生との差別化ができます。

このステップを踏まえて抽出された真面目さは、過去の複数の経験に基づいている強みであるため、採用担当者に説得力のある自己PRができるでしょう。

3.自分の真面目さをどう発揮するか提案する

自分らしい真面目さの定義づけができたら、どのような場面でその強みが発揮できるのかを企業の求める人材像や志望職種に応じて提案しましょう。

取引先に断られても粘り強く交渉することが求められる営業などの職種であれば、「困難にぶつかっても諦めずに挑戦を継続できます」といった提案が効果的です。採用担当者に入社後のあなたの活躍をイメージさせることができれば成功といえます。

自己PRでは真面目さを言い換えて差別化する

シンプルに「真面目」と表現するよりも、他の方法で言い換えた方がどのように真面目なのかが伝わりやすいものです。他の学生との差別化にもつながります。

真面目の言い換え表現は下記です。

  • 責任感が強い

  • 何事にも真摯に取り組む

  • 几帳面で細部まで手を抜かない

  • 忍耐強い

  • 最後までやり遂げ

  • 計画性がある

  • 誠実で信頼されやすい

  • 成長意欲がある

  • 向上心がある

  • 地道な努力を積み重ねられる

自分の真面目さが何か、深掘りしていくことで適切な言い換えが見つかるはずです。

「真面目さ」のエピソードから、どのように伝えると魅力が最大限に伝わるかを考え、自分に合ったフレーズを用いてみましょう。

【経験別】真面目さの自己PR例文

部活

例文

私は大学時代、サッカー部のキャプテンとして選手一人ひとりと誠実に向き合い、チームの成績向上につなげることができました。私が所属していたチームは過去数年間、全国大会への出場実績がなく、選手の士気も低下している状況にありました。そこで現状を変えるために選手全員にヒアリングを行ったところ、怪我の多さや練習スタイルに問題があることが判明しました。

私は怪我防止策として、疲労の溜まった状態で怪我のリスクが高い練習をしないことを提案し、体力のある前半に試合形式での練習を行い、後半で個別の技術練習や筋力トレーニングを行う体制に変更しました。その結果、選手の怪我が減少して徐々にチーム全体のモチベーションが高まり、公式戦での勝利回数も増えました。さらに3年次には念願の全国大会への出場も果たすことができました。

貴社に就職できた際には上記の経験を活かし、持ち前の誠実さと課題解決能力を武器に、周りから信頼される仕事をしてまいります。(450字以内)

この例文では、チームの現状把握から課題の発見、解決策の提案・実施と、目標を達成するために自分で考えて行動したことが順序立てて説明されている点がポイントです。

実際の業務は個人で完結できるものは少なく、チームで取り組むものが多くあります。個々のメンバーが能力を発揮できる環境を整え、目標を達成したチームマネジメントの経験は、社会に出てからも応用できるでしょう。

アルバイト

例文

私の強みは何事も自責思考で捉え、前向きに取り組むことです。大学時代、居酒屋でアルバイトをしていた際、繁華街という立地もあって来客が多く、マニュアル通りの提供時間が守れずに多数のクレームが発生する事態が発生していました。

クレームへの不満から愚痴をこぼしたり、すぐに退職してしまったりする人が多いなか、私は現状を改善すべく、従来の「注文ベース」から店の一押しメニューを積極的に勧める「提案ベース」での接客を意識することに努めました。

最初は想定通り進まず苦労しましたが、仕込みや在庫管理の状況に合わせて料理やドリンクを提供できるようになったことで、徐々に提供時間が短縮され、クレームが減少しました。また、スタッフの定着率も少しずつ改善していき、それまでの活躍が評価されて3ヶ月後にはアルバイトリーダーに抜擢されました。

このように現状を素直に受け止めて改善策を講じ、成果が出るまで継続する経験は貴社での業務でも生かせると考えております。(450字以内)

アルバイトという立場ながら課題に対して自分なりにできることを模索し、継続することでクレーム減少と責任ある立場への抜擢、社内での品質表彰という3つの成果につなげた理想的なエピソードです。

すぐには成果に結びつかなくても、投げ出さずに仕事に向き合う姿勢から真面目さがうかがえます。

可能であれば、クレーム発生率やスタッフの定着率の変化を具体的な数字とともにアピールできると、より説得力が高まるでしょう。

資格取得

例文

計画的に物事を進め、目標達成のために行動できるのが私の強みだと考えます。私は大学時代、授業と競技ダンス部での活動、将来に向けたIT関連資格の勉強の両立を目指していました。

しかし、授業とハードな練習で1日が終了してしまい、資格の勉強ができるのは通学中の電車内と、授業の休み時間のみでした。そこで限られた時間でも効率的に勉強するために1年間の勉強計画を立て、通学中はインプットの時間に当て、休み時間は友人に出題してもらい、アウトプットする形で毎日勉強しました。

結果的に、競技ダンス部の全国大会の出場メンバーとして活躍していた傍ら、2年次の終わりに資格試験に合格できました。授業と部活に並行して試験に合格する前例がなかったため、校内でも文武両道の活動を表彰されました。

上記の通り、私は時間が限られる中でも計画を立てて目標に向かって継続して取り組むことができます。貴社でも常に計画的に行動して貢献していきたいと考えています。(450字以内)

普段の授業とハードな部活動をしっかりこなしつつ、将来を見据えて資格取得のために計画的に勉強し、合格を果たすというのは、簡単に実現できることではありません。

計画性忍耐力も同時に兼ね備えていることが伝わる理想的な自己PRといえます。

やや全体に占めるエピソードの割合が多いため、もう少し「計画的に物事を進める能力」を応募職種の特性に絡めて書けると良いです。

留学

例文

私は周囲に流されず自身の目標を持って行動することができます。私は大学4年時にフランスの国際大学へ交換留学した経験があります。しかし、英語での授業が中心だったため、フランス語や現地の文化を学ぶためには英語だけに頼らず地元のコミュニティに溶け込むことが必要でした。

留学先には日本人も多く、休日は日本人同士で過ごす学生が多かった一方、私は積極的にフランス人中心のゼミや授業へ参加するなどして現地の言語と文化を学びました。1年間という短期間の留学でしたが、最終的には現地試験の「日常会話に問題ないレベルとされる」B2レベルに合格することができました。また、現地で仲良くなったフランス人の友人の親族内クリスマスイベントに招待されるなど思い出深い経験をすることができました。

このように、自身の目標のために流されずに行動することが私の強みです。社会人になってからも会社の目標を自身の目標に落とし込んで最後まで一貫して取り組んでまいります。(450字以内)

周囲に流されず自分で設定した目標に向かって努力する力も、真面目な性格のアピールには効果的です。語学試験への合格という実用的で目に見える形での成果に加え、現地の人と交流を深め、温かい関係を築くというヒューマンスキルもアピールできています。

ただ、この例文でも自分の強みをどう業務に活かしていくかという内容がやや薄いため、実際の業務での再現性を意識するとベターです。

ゼミ

例文

私の強みは困難な課題に対して真摯に向き合い、望んだ成果を得るために努力を継続できることです。大学院のゼミで「急速なデジタル化の進展に伴う倫理的・法的な問題」について研究していた際にこの強みを発揮しました。

研究では、まだ社会的にそれほど注目されていないデジタル化の弊害を浮き彫りにすることが目的でした。それには膨大な文献を調査してその中から質の高いものを選別し、適切に分析や批評を行う必要がありました。長い時間と根気を要する作業でしたが、教授や研究室の仲間に協力してもらいながらコツコツと情報収集に努め、多角的な視点からの情報を総合的に分析することで、現実の課題を正確に捉え、知識を深めることができました。最終的にはデジタル化が社会にもたらす隠れた倫理的・法的問題を学会で指摘し、解決への第一歩として議論の俎上に載せることができました。

貴社の業務においても、答えのない課題に対して正面から取り組み、よりよい社会の実現に向けて貢献していきたいと考えています。(450字以内)

膨大な文献を読み込み、その品質も精査しながら情報を取捨選択するというハードな研究を途中で投げ出さずにやり遂げたことから、意志の強さや粘り強い性格が伝わってきます。

研究過程のアピールで終わらず、学会での発表という具体的な成果にもつなげられており、堅実な仕事ぶりが期待できそうな自己PRに仕上がっています。

自己PRで真面目さをアピールする際に注意すること

真面目さは長所になり得る一方で、短所とも捉えられる性格です。真面目な性格の魅力を理解してもらうためには、真面目な性格が持つマイナスな側面も押さえておく必要があります。

そこで自己PRで真面目さをアピールする際の注意点を紹介します。

主体性がなく受け身な印象にならないようにする

受けた指示に素直に従う、ルールを守ることも真面目さのひとつですが、場合によっては「言われたことしかやらない」「指示待ち人間」「成長意欲がない」とネガティブに評価されてしまう可能性もあります。

実際のビジネスの場では、与えられた仕事をこなし、時間や期限を守るだけでは十分ではありません。自分で考えて行動すること、自分の意見をきちんと主張することも重要です。

真面目さをアピールする時には、課題に対して自発的に行動したエピソードを伝えるように意識してすることが大切です。

誇張や嘘は避ける

エントリーシートにある自己PRは、誇張や嘘の多い項目として注意して見られています。自己PRに書ける内容がうまく思いつかないと、つい実際の経験を盛って書いてしまうかもしません。

しかし、面接では書かれてある内容を深掘りされることがほとんどです。質問への回答に矛盾があったり、あやふやなところがあったりすると確実に企業に怪しまれます。

また、前章で真面目さは誠実さとも言い換えられると述べましたが、真面目さをアピールする文章で嘘を書くというのは、それ自体が信用を失う行為です。

自己PRでは必ずしも周囲に誇れるような派手なエピソードがなくても構いません。学生時代の経験から「自分なりの真面目さ」を分析して正直に書くことが大切です。

ネガティブに捉えられないように注意する

真面目で正義感の強い性格は、一方で「自分のルールにこだわる」「頑固」「融通が効かない」「柔軟な対応ができない」といったマイナスのイメージを抱かせる可能性もあります。

実際の業務ではイレギュラーな事態が発生することも多く、職種や業種に関係なく臨機応変な対応ができることは業務をスムーズにこなす上で不可欠な能力です。

周囲との協調性を持ち合わせていること、状況に応じた対応もできることを伝える一言を付け足せれば、真面目さをネガティブに捉えられるリスクを回避できるでしょう。

真面目さの伝え方を押さえて効果的な自己PRにしよう

真面目さは多くの企業で効果的なアピールポイントですが、オリジナリティの低い内容や、短所を分析できていないような内容では、かえって低い評価になってしまうおそれがあります。

自己PRで個性を出すためには、エピソードの深堀りが必要不可欠です。この記事を参考にして、これまでの経験を振り返り、より魅力の伝わる自己PRを作成できるようにしましょう。

【例文あり】ガクチカで「アルバイト経験」をアピールする書き方とコツ

ガクチカでアルバイトについて書くのはあり?

ガクチカでアピールする内容としてアルバイトの経験を選ぶのは問題ありません。

ただ漠然と経験談を話すだけでは、他の学生と似通ったガクチカとなってしまい、印象を残すのは難しくなります。

ガクチカにアルバイト経験を書く人は多いため、差別化が大切だとされています。「差別化」や「個性」「オリジナリティ」といった言葉から、特殊なエピソードが必要だと考えがちな人も多いです。

しかしながら、経験してきたことに対する「考え方」は人それぞれなので、自分の考えをクリアにして言語化し、アピールできれば良いのです。

例えばアルバイトをするなかで失敗した時、うまくいった時、課題が見つかった時などに自分は「どう感じたか?」「何を考えたか?」「どんな行動を起こしたか?」といったことを深掘りすると良いでしょう。

ガクチカを通して採用担当者が見るポイントとは

学生の思考力

ガクチカからは、学生の思考力を推し測ることができます。思考する力は社会で働くうえで重要視される力です。

ガクチカとしてアルバイト先の業務をただ書いているだけの人からは思考力を感じることができません。アルバイトをしているなかで経験した成功・失敗体験、課題に直面した経験を通して、自分の感情や起こした行動、その理由背景まで伝えることで思考力をアピールすることができます。

また、自分の経験を客観的かつ端的にまとめ、初めてガクチカを読んだ人でも納得のいく内容に仕上げることで自分の思考力を伝えることもできるのです。

会社と学生との相性

どれだけスキルの高い人であっても、社風や、将来の同僚との相性が良くなさそうな人材であれば、内定は難しくなるでしょう。

ガクチカから滲み出る学生の考え方や人柄を通じて、社風と合いそうか、働いている社員たちとは協働できそうかという側面を見られています。

受かるために自分自身を偽る必要はないですが、企業の求める人物像を分析し、共通点のあるガクチカになれば良いでしょう。

学生が持つポテンシャル

就活の場では、入社してから活躍してくれそうな、ポテンシャルのある学生が求められます。

ガクチカの中で述べられている、壁にぶつかって乗り越えた経験や、目標を達成するために行ってきたことなどから、入社後に活躍しているイメージを浮かべることができるのです。

選ぶべき内容としては、入社後の社会人生活で活かせそうな学びや経験を選ぶようにするのがおすすめです。

たんなる状況の説明で終わらない、自分の魅力が伝わるガクチカを作成して、効果的にアピールしていきましょう。

責任感

責任感のある人には仕事を安心して任せることができます。

例えば自分も関係者である、責任の一旦を担っているといった意識や、ミスが問題が起きた時に自分は無関係だと切り離さない当事者意識を持つことは働くうえでとても大切です。

入社したてでも責任感を持って仕事をしてくれそうな人材だと思ってもらえれば、好印象を残すことができます。

ただし、責任感のアピールはさじ加減を誤ると、マイナスな印象にもなりかねません。「一人で突っ走るタイプなのかな?」「抱え込むタイプなのかな?」といったマイナス面も想定されます。

責任感と共に柔軟性や、周囲との調和も感じられる内容になるとベストです。もしくは、ガクチカ以外のところでこれらのアピールをしても良いでしょう。バランスが大切です。

主体性

主体性は社会人にとって必要な力です。

学生時代と異なり、社会人は自分で課題を見つけたり目標を設定して行動していかなくてはなりません。学生は受ける授業が決まっていたり、課題を課せられたりと先生が決めてくれたことをこなしていくシーンが多いのが特徴です。

社会人と学生の大きな違いは、自ら考えて行動する主体性をいかに発揮できるかどうかという点にあります。そのため主体性はガクチカの有効なアピールポイントとなるでしょう。

粘り強さ

会社では継続的に働いて成果をあげてくれる人や、課題や目標から逃げずに達成できる人が求められます。そこで重視されるのが「粘り強さ」です。

継続できる力と忍耐力のある人は粘り強いと考えられます。

例えば「くじけそうになったけど諦めなかったこと」「苦しい経験から逃げ出さなかったこと」「自分の弱点との向き合い方や克服方法」などをアピールすると粘り強さが伝わるでしょう。

特に長期間同じアルバイトを続けられている人は良いアピール材料になります。長期間アルバイトする中では、辞めたいと思ったことや、大きな失敗、気持ちが沈む経験をすることも多いです。そんななかで続けられた理由はなんなのか、自分の思い価値観を伝えてみると良いでしょう。

柔軟性

会社が進化していくためには、変化がつきものです。会社が常により良い結果を求めていくなかで、環境の変化にも柔軟に対応できる力を持つ学生は高評価を受けられるでしょう。

また、働くにあたって意見の異なる人や、自分と異なる立場の人の意見も、理解しようと努める姿勢が求められます。

ガクチカの中で臨機応変に対応できた経験と共に、自分の考え方をアピールできると良いでしょう。

アルバイト経験のガクチカを書く構成

結論

ガクチカは結論から書き始めるのが基本です。最初に内容のまとめを伝え、どのようなテーマなのかを明確にしておくことで、その後に続くアピールポイントがわかりやすくなることが期待できるためです。

ただし、あくまで導入であるため、長々とは書かず簡潔にまとめるようにしましょう。1~2文程度で内容のポイントを取り上げることで、読みやすさを向上させることができます。

取り組みやエピソード

ここでは、ガクチカの具体的な内容を記載します。アルバイトについてのガクチカであれば、職場での取り組みや成果を挙げるのが一般的でしょう。

内容には具体性を持たせることで、その状況をイメージしやすくなるだけでなく、説得力も増します。特に、成果に関するエピソードでは、数値を記載すると非常に効果的です。

どのような課題に対して、どのような取り組みをして、どんな成果を上げたのかという流れをはっきりと示すことで、自身の能力の高さをアピールすることができます。

得た学びと貢献できること

最後は、その経験から得た学びを述べた上で、それを活かして志望企業へどのように貢献できるかを明確にして締めましょう。

ただ取り組んだだけで振り返りや反省がないのは、企業には好まれない姿勢です。取り組みからどんな学びを得たのかを自分の言葉で表現することで、仕事への適正をアピールできます。

また、その学びを踏まえて、企業にどのように貢献できるかを示すのも重要です。ここでは志望業種に合わせた内容にし、企業が求めていることを理解しているという点も同時にアピールするのがポイントです。

ガクチカでアピールに繋がるアルバイトとは

長期間続けているアルバイト

高校生から続けているアルバイトや、大学入学以来続けている長期間のアルバイト経験はガクチカで使いやすいです。

継続して続けられているという点が良い評価に繋がります。数ヶ月単位の短期間でアルバイトをたくさんしている人よりも、長く続けている人の方が、就職後の短期離職の可能性が低いと思ってもらえるのです。

できる限り戦力として働き続けてほしいのが企業なので、すぐに辞める可能性が低いと思ってもらえることはメリットとなります。

ただし、アルバイト暦よりも自分がその中で考えて行動したことや、アルバイトとの向き合い方といった価値観まで伝えることが重要です。自己分析もしっかりと行いましょう。

応募先企業の業務とリンクするアルバイト

例えば応募先企業がサービス業である場合、接客の業務が含まれているアルバイト経験があるとアピールしやすいです。応募したい職種が営業職であれば、販売スタッフのアルバイト経験なども良いでしょう。

入社後に従事することになる業務の経験が既にあると、採用担当者に安心感を持ってもらえることができます。

自分がアルバイトをしている時に意識していることや、取り組んでいたことを伝えられると、業務に対する姿勢がわかるので入社後に働く姿を想像しやすいです。

応募先企業での業務と同じ業務をアルバイトで経験している時のメリットは大きいので、ガクチカのアピールで活用していきましょう。

成果を残したアルバイト

成果とは良い結果のことを指しているので、なんらかの成果を残せたアルバイト経験はガクチカでのアピールに使うことができます。

分かりやすい成果は売上げなど数値で表せるものから、表彰されたり何かに選ばれた経験、周囲からの評判などが挙げられます。また、マネジメント経験を任された、なども日頃の働きぶりの成果であるとアピールできるでしょう。

自分が行った行動によって、成果をあげたことが伝えられるエピソードを探してみましょう。

長期のインターンシップ

お金をもらって実務経験をさせてもらえるものが多いのが長期のインターンシップです。期間は企業によって異なりますが、2、3日ではなく3ヶ月以上や場合によっては1年近く働く場合もあります。

普通では学生アルバイトの募集をしていない企業でも、長期インターンシップでは実践的な業務に携われるチャンスがあります。実際にインターン先企業で働いている人と同じ実務が経験できるため、長期インターンでの学びは大きな強みになるでしょう。

ガクチカでアルバイトを書く時のポイントとコツ

自分の「考え」を伝える

ガクチカにアルバイトのことを書く際、結果の凄さを伝えないといけないと思ってしまい、自分自身の考えが反映されていない内容になってしまうことがあります。

採用担当者が知りたいのは結果に至るまでの過程であり、経験のなかで学生が何を考え、感じ、どのような行動を行ってきたのか、というところです。

もし、社員を差し置いて全国1位の売り上げ成績を残したり、会社に影響を与えるほどのプロジェクトの立案をした、などといった目を見張る結果を残した場合であれば、結果自体が大きな評価になり得るかもしれません。

結果の凄さを伝えることに注力するよりも、「どうして成し遂げられたのか」「どのように乗り越えてきたのか」「どう考えて行動をとってきたのか」といった自身の考えを的確に伝えられること方が、自分の魅力をアピールすることに繋がります。

エピソードは1つに絞る

例えば、粘り強さをアピールしたいと思った時に、Aの場面、Bの場面、Cの場面のように1つのガクチカに複数のエピソードを盛り込まないようにしましょう。

自身が持つ「柔軟性」や「粘り強さ」といった「アピールポイントが最も伝わるエピソード」を1つ選びます。エピソードを絞るためにも自己分析と企業分析は必須です。

様々なエピソードに焦点が散らばってしまうと、読み手の集中力が切れてしまったり、エピソードの紹介で字数がいっぱいになってしまいます。

大切なのは力を発揮した場面の多さではないので、エピソードの取捨選択をしましょう。

数字があると伝わりやすい

アルバイトで得た経験をガクチカでアピールする際には、数字を用いると読み手がイメージしやすくなるので、おすすめです。

例えば数字が使える場面としては、◯年、◯人、◯円、◯個などを表すときが挙げられます。

数字を入れることにこだわる必要はありませんが、自分の取り組みを効率良くアピールできるので、ガクチカ内で使えそうな数字はないか振り返り、あれば記載するようにしましょう。

【仕事別】アルバイトを用いたガクチカの例文

飲食店のキッチン

例文

キッチンスタッフとして働いているアルバイト先での後輩指導に力を入れました。私が働く店舗には新人が3人おり、その大半がキッチン初心者でした。しかし新人に教える担当や、調理方法の基準が決まっておらず、業務効率が悪いという課題がありました。そこで私は2つの取り組みを行いました。1つ目は調理方法をマニュアル化し共有すること、2つ目は業務外でのコミュニケーションを図ることです。その結果、入って1ヶ月目でも戦力として働けるほど成長することができました。また、コミュニケーションが増えたことで、多忙な時間帯でも会話しやすい雰囲気となり、気になったことはすぐに質問してもらえるのでミスなくスムーズに業務を進めていけるようになりました。社員の方から「あなたが働いてくれて本当に良かった」と言ってもらえた時はとても嬉しかったです。今後も自分なりの工夫をしながら様々なことに挑戦し、成長していきたいです。(400字以内)

「2つの取り組みを行いました。」と、最初に自分が取り組んだことを数字と共に伝えることで、行ったことが複数あっても分かりやすい内容に仕上がります。複数伝えたいことがある時は、最初にいくつ述べるのか伝えると良いでしょう。

また、この例文では同僚とのコミュニケーションを大切にしている学生の価値観が伝わるので、入社後に働く姿を想像しやすいガクチカとなっています。

さらに、社員の方からの言葉といった、他人からの評価が書かれていることで、客観的に学生の人柄や成果を知ることができます。評価された言葉があれば、取り入れてみるのがおすすめです。

スーパー

例文

スーパーのアルバイトでコミュニケーション能力の向上に力を入れました。私には「人と話すことが苦手」という弱点がありましたが、勤務先の店舗ではお客様が通いやすいスーパーづくりを目指していたため、まずは笑顔で接客することを心がけました。最初はマニュアル通りの受け答えと挨拶をこなすだけでしたが、ちょっとした日常会話を積極的に取り入れるようにしたところ、名前を呼んでくれる常連のお客様の数が増えていきました。この経験から、「会話」を通して信頼関係を築くことの大切さを学びました。これから働くうえでも、お客様との信頼関係を築き、笑顔で帰っていただけるような仕事をしていきたいと考えています。(300字以内)

自分の苦手なことを書くと、マイナス評価になるのではないかと心配になりますが、苦手なことを苦手なままにしない姿勢が高評価に繋がります。

また、苦手なことを克服していける力や、ネガティブな物事からも学びを深め新たな価値観を手にできる力は社会人としてとても重要な力なので、ガクチカに取り入れてみましょう。「売上2倍」などの輝かしい成果だけが評価の対象ではないのです。

カフェ

例文

カフェでのアルバイトでお客様満足度の向上に取り組みました。自店舗は常に人手不足ということもあり、接客の質が落ちているという課題を抱えていました。そこで、お客様にとって居心地が良い空間とは何なのかを考え、「特別感のある言葉かけ」とお客様のニーズを先読みし「主体的に行動すること」を心がけました。試飲を勧めるときには「試飲どうそ」ではなく、「今できあがったところなので、ぜひ飲んでみてください」のような+αの言葉を意識する。お客様に呼ばれる前にテーブル状況を把握して声掛けに伺う。この2点を意識することで、お客様とのコミュニケーションが増え、名前を覚えていただくことも多くなりました。結果お客様アンケートの「満足度」が向上し、アルバイトリーダーに任命されました。この経験から、仕事においても問題に対してどう改善するのかを考え、主体的に行動していきます。(400字以内)

課題に対して、どう考え行動を起こしたのかがわかる例文になっています。この経験からアピールしたいポイントは「問題課題解決能力」です。そのため、実際に行った事例をわかりやすく説明するのではなく、「課題」「行動」「結果」がより明確にわかるよう深掘りした内容にまとめられるとより良いでしょう。

今回の例文では、顧客満足度の向上が結果になりますが、数字を用いた結果が出ている場合は、具体的な数字を用いるのがおすすめです。例えば、「店舗の売り上げが12%アップ」「顧客満足度が3.2点→4.0点にアップ」など。数字があることで成果がわかりやすく、採用担当者にイメージしてもらいやすいでしょう。

アパレルショップ

例文

アパレルショップでのアルバイトです。初めての物を売るアルバイトということもあり、当初はお客様からクレームをいただくこともありました。そこで、「また来たい」と思ってもらうことを目標に、2点の改善に取り組みましたました。1つ目は商品知識の質をあげること、2つ目はお客様との会話の中から本音を引き出し、それに見合った接客を心がけることです。この取り組みを始めてから、商品の相談をしてくださるお客様や、指名して購入してくれるお客様が徐々に増えていきました。この経験から、相手の立場に立って物事を考えることの大切さを学びました。貴社においても常に相手の目線に立って業務に取り組んでいきたいです。(300字以内)

目標を定めて行動した経験はガクチカにぴったりのエピソードです。目標と、達成するためにとった行動、結果の達成度合いを伝えるようにしましょう。特に、達成度合いが記されていることで、考えて動けるだけでなく結果を出せる人材だということが伝わるようになります。

また、業務のことに限らず働くこと全体に対する学びの活かし方が書かれていると、得たことをあらゆる面で活かせる力を持っているアピールにも繋がります。

コンビニ

例文

コンビニエンスストアでのアルバイトで「問題解決力」を発揮し、店の売り上げに貢献しました。私が働いていた店舗は来店数が多く、忙しい時間帯に規則性がない店舗でした。そのためお客様の多い時間が続くと、やらなければならない業務が時間内に終わらせられない状況が続いていました。そこで、業務の優先順位を決めることや、作業にかかる時間を計測し、該当する空き時間に進めること、忙しい時間の業務の振り分け方を店長に提案しました。また自分からも他のアルバイトにも働きかけたところ、積極的に協力してくれるようになり、効率的に業務が進むようになりました。結果、時間内に作業が終わるだけではなく発注のミスやロスが減り、月間の売り上げも向上しました。貴社においても、受け身にならず主体的に働いていきたいです。(350字以内)

ガクチカにアルバイトのことを書く場合、業務の効率化を図った経験も有効です。業務を効率化できる力は社会人としても必須になりますが、効率化を目指すなかで自分のどんな力が発揮されたのかまで述べられるのがベストです。

この例文では上司に提案できる力や、周囲に協力を仰げる力が伺えます。

またガクチカを書く際は、なぜ自分が行った取り組みが必要だったのか、という背景理由を述べることで、自分が起こした行動に説得力が増します。

ガクチカに書かない方が良いアルバイト

短期間で辞めたアルバイト

2、3ヶ月など半年に満たない短期間で辞めたアルバイトは書くのを控えた方が良いです。できれば1年以上続けているアルバイトの経験を使ってガクチカのアピールをしていきましょう。

ガクチカで使うアルバイト経験が長期で働くアルバイト経験でなかった場合、「採用したとしても短期間で辞めてしまうのかも」といったマイナスな印象を抱かせてしまいかねません。

文章のなかに勤務期間を書いていなくても、面接のときにどれくらい働いていたのか聞かれる可能性もあるので、できる限り働いている期間の長いアルバイト経験を伝えることをおすすめします。

もしも半年以上1年未満のアルバイト経験で、どうしてもアピールしたいことがあったり、選考において有利になりそうであれば書いてみるのも良いかもしれません。しっかりと自分の学びや強みが伝わるアピールの仕方を考えましょう。

人によって抱く印象が分かれるアルバイト

人によってアルバイト経験に対する印象が分かれるものは記載しないのが無難です。

代表的なものはいわゆる水商売と呼ばれる仕事です。得られるスキルや経験は他の仕事と比べて特別なものもありますが、採用担当者にアルバイト経験を伝えた際、難色を示す人がいる可能性があります。

金融業界などお堅い業界とされている企業へのアピールには使わないことをおすすめします。どうしてもアピールしたい場合は、「飲食店」のようにぼかしてアピールするのが良いでしょう。

他にもパチンコやスロットに力を入れて稼いでいたという場合も、良く無い印象を持たれる可能性が高いので、他のアピールできそうなアルバイト経験を探してみてください。

ガクチカにアルバイトのことを書く際の注意点

会社名は書かない

一般的には働いている店の名前や会社の名前を書く必要はありません。「ファストフード店」「カフェ」「コーヒーショップ」「テーマパーク」「レストラン」などと書くようにしましょう。面接で聞かれた時に答えれば良いのです。

また、コンビニやファミレスといった略称は使わずに、「コンビニエンスストア」「ファミリーレストラン」と正式名称で書くのがマナーとなっています。

専門用語を使わない

アルバイト先の情報が何も無い人でも十分に理解できる内容にするのが基本です。例えば「パートナー」「ハウスルール」「フェイス」「バッシング」といった言葉は、読み手が文脈から推測することはできても、解釈が一致しているかはわかりません。

一般的に使われている表現で伝える必要があります。アルバイトに入って初めて使った言葉かどうか振り返ると、専門用語かそうでないか見分けやすいでしょう。

嘘はつかない

輝かしい成果を語らなければならないと考えてしまい、エピソードを盛ってしまったり、全く違う内容にしてしまうのはやめましょう。

採用担当者に見抜かれる可能性があるうえに、嘘をついていると感じ取られてしまうとマイナス評価に繋がります。

ガクチカの内容は面接の場でも触れられることが多く、選考を通して嘘を突き通すのは難しいでしょう。また、採用担当者は数多くの学生の選考をしているので、態度や口にした言葉を通して容易に見抜かれてしまいます。

嘘はつかず誠実に向き合いましょう。

アルバイトのガクチカは成果をはっきりアピールしよう

アルバイトは仕事の経験として強くアピールできるポイントです。そのため、アルバイトをテーマにしたガクチカは、自分が有用な人材であることを直接的にアピールできるチャンスとなります。

さらに、具体的な成果を記載することで、実際に結果を出すことができる人材だということが企業に伝わり、選考を有利に進めることができるでしょう。

こちらを参考に、自身の経験や強みを効果的に表現できるガクチカを作成しましょう。

IT業界の志望動機の書き方とは?評価につながるポイントを解説【例文あり】

現代社会に欠かせないものの1つに、情報通信技術があります。古くは電話、現代ではメールやSNSに代表される時間と距離と飛び越えた情報のやり取りは、現代文明を大いに発展させました。最早、IT産業なしに現代社会は成り立たないと言っても過言ではありません。

また、社会をより便利にすべく日夜新しい技術が生み出されている、成長著しい業界でもあります。そんな社会にとって欠かせないIT業界を志望する人も多いのではないでしょうか。

この記事では、IT業界への就職を目指す人のために、業界の基本情報を解説するとともに、履歴書などに記載する志望理由を書くときのポイントを解説します。

IT業界の特徴

そもそもITとは「Information Techonology」の頭文字を取った用語であり、狭義にはパソコンやスマートフォンをはじめとした情報の取得、加工、保存、伝達に関する技術全般を指します。

より広義の意味で捉えるならば、これらに端を発するバーチャルリアリティやSNSなどのコミュニケーションツール、そして、AI技術なども網羅した幅広い分野の業界です。そのため、就活生から見ると細かい部分が分かりにくい業界であることは否めません。

自分の目指す位置を確認するためにも、まずはIT業界をさらに深く掘り、分野や職種などを詳しく解説していきます。

IT業界の5つの分野

IT業界は情報通信に関する内容を幅広く網羅しているため、扱う情報の種類や扱い方によって、さらに5つの分野に分かれます。そのため同じ業界でありながら分野が異なると、全く異なる仕事をすることになってしまいます。

志望動機を考えるためにも、自分が目指す仕事や企業がどこに分類されるのか、まずはIT業界の5つの分野を代表的な企業と合わせ紹介します。

WEB・インターネット分野

代表企業:楽天、yahoo!

1つ目は、WEB・インターネット分野です。この分野に属する企業は、インターネット上における天気予報や買物などのサービスの提供をメインに、各種WEBサイトのデザインやSNSの制作などを扱っています。システムを支える技術者だけではなく、WEBサイト作成を担当するデザイナーのようにクリエイティブな面も求められる分野と言えるでしょう。

IT業界の分野としては比較的新しいため、既存の大企業だけではなく現在も多くのベンチャー企業が飛び込んでくる分野です。また、仕事にインターネットが欠かせないため、リモートワークやフレックスタイム制などを取り入れた、柔軟な働き方ができる点も見逃せません。

通信インフラ分野

代表企業:NTT、ソフトバンク、KDDI、NTTdocomo

2つ目は通信分野です。電話に始まり、現代ではメールやインターネットなどのIT産業に必要な電波塔の設置や回線の敷設など、情報通信の根幹を支える分野と言えます。普段我々がインターネットを快適に使えるのも、ネットワークやサーバー、データベースなど、多くの通信インフラに従事するエンジニアの活躍によるものです。

NTTを筆頭に、インターネット普及前から通信インフラを自社で所有している企業はいずれも大企業です。経営基盤が安定しているだけではなく、電話やインターネットは今後も一定の市場規模が続くと予想されているため、安定した収入の見込める分野でもあります。

ハードウェア分野

代表企業:日立製作所、ソニー、パナソニック、東芝

3つ目はハードウェア、つまり、主にパソコンやスマートフォンなどのデバイスの外側を作る分野です。付随してパソコンを動かすために必要なプログラムの設計開発を行う仕事も、この分野の一角を占めます。モノづくりとの関連が強いため、日本を代表する多くの電機メーカーが、ハードウェア分野に属しています。

精密機器を扱うため仕事の専門性が高く、IT技術のなかでも電子工学に関する知識や技術が求められます。ただ、昨今のIT業界は、外側よりも中身のソフトウェアアプリケーションに重きを置いているため、分野としてはやや向かい風と言えます。

ソフトウェア分野

代表企業:Microsoft、apple、任天堂

4つ目は、ソフトウェア分野です。パソコンやスマートフォンを動かすために必要な基幹プログラムであるOSや、パソコンで使用するソフトを開発する仕事をしています。その意味では、任天堂に代表されるゲーム会社もソフトウェア分野に属します。

IT業界におけるソフトウェア分野の伸長は非常に著しく、毎年のように新しいソフトの開発が続けられています。この分野で働くためには、プログラミングスキルやプログラム言語への理解は必須です。

情報処理サービス分野

代表企業:NTTデータ、野村総合研究所

5つ目は、情報処理サービス分野です。聞きなれない分野ですが、クライアントに対してIT技術や集積したビックデータを提供し、問題解決に導くことをメインの業務としています。企業だけではなく、官公庁や自治体など規模の大きい団体をクライアントとして、日々社会発展のためにデータを集め分析する分野です。

問題解決に導くことがメインのため、プログラミングやネットワークに関する専門的な知識よりは、他業界に関する理解や問題解決に導くための統計などの分析能力が求められます。その点では、他の4つの分野とは異なる趣きのある分野です。

IT業界にある職種

IT業界と聞くと、多くの人はコンピュータにおけるプログラミングをイメージするのではないでしょうか。確かに、コンピュータはIT技術の要でもあるため、それに関わるプログラマーはIT業界の代表的な仕事と言えるでしょう。

しかし、前述の通り、IT業界が扱っている分野は幅広いため、プログラマー以外にもさまざまな仕事をしている人がいます。ここからは、IT業界の代表的な職種について解説します。

ビジネス(営業職)

1つ目は、一般企業にも存在する営業職です。IT企業の多くはソフトやハードを売る会社です。どれだけ良いモノを作っても認知され、購入に至らなければ、企業にとって全く意味がありません。そのため、IT企業にもほかの企業と同様に、自社製品を売り込む営業担当がいます。

主な仕事としては、顧客の元へ出向き課題をヒアリングして適切なサービスを提案したり、導入後のアフターフォローなどが挙げられます。内容は他業界の企業と大きく変わりませんが、自社で提供するサービスはITに関する専門性の高い商品やサービスです。営業職にも豊富な知識が求められるため、一般的な営業職と比較すると高い専門性が必要です。

エンジニア・プログラマー

2つ目は、コンピュータのプログラムの設計や作成、保守などを行うシステムエンジニアプログラマーです。IT業界に関連する技術職であり専門分野で、扱うソフトの種類によってセキュリティ、ネットワーク、パソコンシステムと細かく専門化されています。

また、多くの場合、システム開発は顧客からの与件設定に基づき仕様書の作成を行うシステムエンジニアと、その仕様書を受けて実際に作成するプログラマーに分かれています。他にも、ハードウェア分野や通信インフラ分野に関わるならば、電波塔や回線の設置など実体のあるモノに関わるエンジニアも数多く存在します。

プロダクトマネージャー・プロジェクトリーダー

3つ目は、開発するソフトに応じた予算確保やスケジュールなどを決定するプロダクトマネージャープロジェクトリーダーです。1本のソフトを開発するためには、顧客の与件から仕様書を仕上げるエンジニア、それに基づき作り上げるプログラマー、そして、受注や販売を手がける営業と多くの人間が必要となります。彼らの役割は、ソフト開発に必要な進捗管理を行うことです。

一般的には経験を積んだエンジニアが、リーダーを経てプロダクトマネージャーへと昇格します。エンジニア同様にITに関する高い技術は勿論ですが、多くの人間を管理するため、マネジメント能力コミュニケーション能力も試される職種です。

WEBデザイナー・WEBディレクター

4つ目は、WEBサイトの作成を手がけるWEBデザイナーWEBディレクターです。ネットを利用したマーケティングや販路の確保のためにも、企業が自社のホームページを持つことは最早常識と言えるでしょう。そのなかでWEBページ作成の総指揮を取るのがWEBディレクター、実際に作成を手がけるのがWEBデザイナーです。

デザイナーとディレクターも一通りのプログラミングに関する知識は必要です。実際にWEBページを運用するときは、見栄えが何よりも重視されます。そのため、画像や動画などの編集ソフトの技術も求められます。

ITコンサル

5つ目は、ITコンサルです。企業の経営や業務課題などをヒアリングし、ITの活用によって問題解決に導くことが彼らの仕事です。システムエンジニアと似たような仕事ですが、コンサルは顧客の問題解決が、エンジニアは設計や開発がメインとなる点で異なります。また、ITコンサルは設計ではなく「運用」によって解決を図ることもあります。

ITコンサルは、ほかの職種とは異なりIT業界に関する知識だけではなく、クライアントとなる業界や企業に関する深い理解が求められます。また、相手が抱える問題を解決に導かなければならないため、コミュニケーション能力観察力なども必要です。

今後のIT業界の傾向

総務省が発表した「平成30年度 ICTの経済分析に関する調査」では、IT業界の市場規模は、99.8兆円と実に全市場の10%を占めています。また、業界内の多くの企業が自社の成長を感じているなど、依然として成長が止まらない分野であることは間違いないでしょう。

つい先日通信速度が5Gになったばかりですが、すでに次の6Gの開発が進んでいるように技術革新にも目を見張るものがあります。まだ研究段階の技術も多く存在するため、引き続き発展は続くでしょう。大学生にとっても、成長著しい業界であるため就職先として人気の業界です。

反面、業界の成長の速さに対して、法規制が進んでおらず、人手不足が深刻である点には注意が必要です。既に2030年には必要とされる人手に対して、80万人以上足りなくなると予測されています。現時点でも、長時間労働や給与の低さが問題視されており、今後の労務環境が厳しい状況であることは見過ごせません。

ほかにも、デジタルディバイドやAIのシンギュラリティ問題など、依然として課題は山積しており、決して光の面ばかりでないことは理解しておきましょう。

参考:

総務省 情報通信白書令和3年版

総務省 平成30年度ICTの経済分析に関する調査

I日経クロステック IT大手5社、2022年の展望と成長の一手 

日経クロステック 23年卒就活生のIT業界志望が増加、採用は「順調」「異常事態」の二極化

経済産業省 IT人材需給に関する調査

IT業界で求められる人材とは

どんな仕事にも向き・不向きがあることは間違いありません。特にIT業界は幅広い分野をひとまとめにしているため、同じ業界であっても、職種や分野によって求められる人材が異なります。

例えば、プロダクトマネージャーにはリーダーシップが、WEBデザイナーには、デザイン技術が必要です。より専門的な技術に関しては、採用後に指導してくれる企業も多いため、どの分野であっても必ずIT業界ならば求められる要素を持った人材について解説します。

学習意欲が高い人

IT業界は技術に関する理解や知識が求められます。勿論、新卒の段階で知識がないことは、未経験を採用することもあるため、企業もそこまで問題にはしないでしょう。しかし、その後も知識がないままでは、企業も雇った意味を見出せなくなります。特に、専門用語と専門技術の粋でもあるプログラマーなどのエンジニア関係は、知識や技術がなければ仕事が成り立ちません。

また、IT業界は日々新しい技術が生まれています。入社してからも新技術の発表は続くため、常に知識や情報のアップデートが欠かせません。自ら積極的に「自分の知らないこと」を知りに行こうとする学習意欲は、IT業界に就職する上で必須と言えます。さらに言えば、「知っている」だけではなく、その技術を「どのように活かすか」まで考えたアピールをすると、企業に業界に関する理解の深さが伝わります。

論理的思考を持っている人

IT業界の中でも特に、プログラマーやエンジニアには不可欠な能力が論理的思考力です。プログラミングは「Aという命令をすればA」という風に決まった行動を取るようにしか設計できません。この決まった行動の組み合わせを幾つも作ることで複雑な動きを実現しています。この複雑な組み合わせのなかで最適を探し出すためには、プログラムの筋道を捉える論理性が重要です。

また、ITコンサルや営業職も物事を筋道立てて説明する方が相手に伝わりやすくなります。IT業界はコンピュータやITに詳しい人だけを相手にしているわけではありません。むしろ、全く分からない人を相手に伝えることの方が多いと言えます。そのような意味でも論理的思考力は、IT業界を志望する上で必要な能力と言えるでしょう。

コミュニケーション能力がある人

IT業界におけるコミュニケーション能力とは、相手と交渉できる能力を指します。IT業界で生み出される製品やソフト開発過程は、顧客への販売までの過程で多くの人から人へと流れる河のようなものです。そのなかには次の工程を予想した締切が設定されています。予定通りに進まず締切が守れないときには事前に相談するなど、相手ありきでの行動がIT業界では必要です。円滑に開発をするためには多くの人とのコミュニケーションが欠かせません。

また、プレゼンテーションとしてのコミュニケーション能力も重要視されます。IT業界が相手にするのは、その実態をよく知らない業界の外にいる一般人です。彼らに興味を持たれ、かつ理解してもらえるような伝え方ができることは、IT業界へ飛び込むうえで身に付けていかなければならない能力と言えるでしょう。

IT業界を志望するときの志望動機の書き方

志望動機は面接や履歴書において、必ず尋ねられる要素の1つです。この志望動機を通して、企業は求職者の業界への理解や熱意を測っています。曖昧な志望理由では、企業の目に留まりません。

企業の目を引く志望動機を書くためには、事前の準備が重要です。ここからは、IT業界を志望するときの志望動機の書き方について解説します。

まずは業界研究から始めてみよう

IT業界は非常に多くの分野を網羅し、日常生活に溶け込んでいます。乱暴な言い方をすれば「IT技術を使用している会社は全てIT業界」と言うことも可能です。しかし、これではIT業界に向けた志望動機は考えられません。IT業界に対する漠然とした理解しかないため、必然的に書き上げる文章も曖昧なものになってしまいます。

これを防ぐためにも、まずは「IT業界とはどんな世界なのか」を明確に自分の中に作り上げることが重要です。どんな人が働いているのか、どのような企業があるのか、市場規模や今後の展望、年収や待遇など、調べることは数多く存在します。就職サイト各種業界情報誌、インターンなどを通し、IT業界を深く掘って「現実のIT業界」を理解しましょう。

その企業でしかできないことを探る

極端なことを言えば「営業の仕事がしたい」という志望動機では、企業からすると納得できません。営業の仕事であれば、別にIT業界にこだわる必要は全くないからです。このように「どんな会社でもできること」を志望動機に挙げてしまうと、企業からすれば「弊社である必然性が弱い」という印象になります。これでは志望動機としては不十分です。

志望動機を考える上で重要なことは「その企業にしかない強み」を理解することです。IT業界は日常生活と関係性が深いため、世間からのニーズに沿ってトレンドが移行します。そのため、ほかの業界と比較してもIT業界は似たようなサービスが多くなる傾向にあります。そのなかで「何故、弊社を選んだのか」について明確な回答が出せることは、企業に対する理解の深さを示すことにつながります。

自分の強みと企業の人物像をすり合わせる

同じWebサービスを行う会社でも、例えば、Amazonや楽天は通販販売会社、yahoo!やgoogleは検索サイトがメインの会社です。そのため、同じ分野にあっても前者と後者では求められる資格やスキル、人物像まで全く異なります。自分の長所が企業によっては弱点と捉えられることもあるため、企業理念やメインになる業務内容、今後の展望などから企業が求めている人物像を読み解きましょう。

同時に「自分はどういう人間なのか」という自己分析も欠かせません。IT業界も結局は人でできた組織のため、どうしても合う合わないは存在します。入社後のミスマッチを防ぐためにも「本当に自分はIT業界に向いているのか」という問いかけは重要です。また、見つかった強みはエントリーシートや面接で伝えることになります。曖昧な内容では企業に伝わらないため、自分の強みを明確にするためにも自己分析は必要です。

また、各企業で同じ職種でも業務内容は大きく異なります。IT業界において自分が「したい」ことが、企業によっては専門外であることも十分に考えられます。企業研究を行う上で「自分のしたい仕事が実現できる」ためにも、企業の業務内容は十分に確認しておきましょう。

IT業界を志望する志望動機の例文

ここまでの内容を踏まえ、IT業界を志望する志望動機の例文を紹介します。志望動機には必ず「この企業でなくてはならない理由」が必要です。少しでも採用担当に「別に弊社である必要性がない」と思われた瞬間、企業に対して自分の志望にかける熱意が届かなくなります。必ず「その企業ならでは」の要素を織り込みましょう。

【例文1】ITコンサルの志望動機

例文

私は、貴社の掲げる「ITを通じて社会を豊かにする」という企業理念に共感を持ち、志望しました。私は買物にも車で1時間以上かかる田舎の出身です。ちょうど大学入学する時期にネット回線が敷設され、我が家でもインターネットが使えるようになりましたが、時間と空間を飛び越えて、やり取りできるネットの便利さに驚かされました。

ITコンサル企業である貴社は、多くの社会問題をIT技術の導入によって解決に導いた実績がある企業です。そのなかには過疎化の進む地域と都市部をネットで結びつけることで問題を解消した事例があることも知っています。

私の地元が抱えていた買物や通信の問題がネットの導入によって解決できたように、まだ多くの田舎では同じような問題を抱えている場所があるのではと考えています。貴社に入社後は、ITコンサルとして地方の抱える問題の解決に携わりたいと考えています。(400字以内)

基本的に「業界に興味を持った理由」から始め、「企業に興味を持った理由」「その企業でなくてはならない理由」につなぎ、そして「入社後にしたいこと」で結ぶのが志望理由の流れです。

この例文では、それぞれの段で「業界への興味」「企業への興味」「入社後」の3つを分かりやすく示しています。特に、2段目の「企業への興味」については、企業の実績は相当深く企業について調べないと出てきません。企業側も自社への興味を強く感じられる文章となっています。

【例文2】Webデザイナーの志望動機

例文

私は貴社の「誰しもがクリエイター」という社風のもと、Webデザイナーとして活躍したいと考え志望しました。

私は大学時代に所属していたサークルでホームページ作りを任されました。最初は右も左も分からず参考書を片手に悪戦苦闘していました。しかし、出来上がったホームページの影響は大きく、ページを見た人からのサークルへの問い合わせや入会者の増加につながりました。この経験から、私はWebデザインの可能性を感じ、Webデザインを通して企業や商品の価値を、世界に発信できるWebデザイナーを目指しています。

現状、私のWebデザインのスキルは非常に基礎的なものです。入社までにトレンドとなるデザインを勉強するほか、Illustrator、Photoshopなどの作成に必要なソフトの技術を高める予定です。貴社でデザインの製作に取り組み、将来的にはディレクションができる社員へと成長したいと考えています。(400字以内)

基本的に、新卒者はポテンシャル採用であり現時点の技術や経験などは二の次です。しかし、その中にいる基本的な知識がある人材、現時点で入社後に向かった動きを始めている人材を企業が放置するはずがありません。既に何らかのIT技術に関連する知識や技術があるならば、それをアピールしましょう。

また、入社後に向けた動きをアピールすることで、学習意欲の高さも伝わります。IT業界が一定のトレンドで動くのは、Webデザインも例外ではありません。このトレンドを押さえようと動いている意欲の高さは、企業も高く評価するでしょう。

【例文3】プロダクトマネージャーの志望動機

例文

私が貴社を志望する理由は、貴社がゲームメーカーとして第一線を走り続け、常に子どもたちに新しい楽しさを提供していることに魅力を感じているからです。貴社が開発・販売したゲームを私は小さいころからプレイし続けています。特に大人気の「(作品名)」は、ネットを通じて離れた場所にいるプレイヤーとも対戦できるなど、この作品を通して、私も日本中に友人ができました。

私は過去、貴社のゲームによって自分の世界が広がったように、これからの子どもたちにもゲームを通して多くの事を学んでいってほしいと思っています。これまで塾講師として子どもたちに接した経験と持ち前の社交性を活かし、貴社に入社後は、プロダクトマネージャーとして、子どもの世界を広げられるようなゲーム開発に数多く携わりたいと考えています。(350字以内)

 

どんな些細なことであっても「その企業の〇〇が好き」というのは、立派に興味を持った理由です。この例文では、ゲームを通じた自分の経験談を踏まえ、その経験から企業に興味を持った理由、そして、どのような貢献をしたいのかというポイントにスポットを当てています。

一口にゲーム開発と言ってもプログラミングがしたいのか、それともプランニングがしたいかによって話が変わっていきます。開発にどのように関わりたいかを具体的な職種などで示すと、企業にも自分がイメージしている働き方がより伝わりやすくなります。

【例文4】エンジニアの志望動機

例文

私が貴社を志望したのは、貴社が研究を進めているAI開発に自分も携わりたいと考えたからです。自動車や鉄道など多くのインフラは勿論のこと、私も自宅ではAI制御の調理器具や家電を使用しており、非常に重宝しています。AIは今後の社会の発展にかかせないものだと考えています。

貴社は、AI開発について豊富な実績をお持ちであり、特に私は〇〇社と共同で進められているロボットに搭載するAI研究に非常に魅力を感じています。社会をさらに発展させる可能性のある仕事に私も携わりたいと思い、貴社を志望しました。

貴社に入社後は大学で学習した電子工学に関する知識や、プログラミングの技術などを活かし、貴社のAI開発に従事したいと考えています。そして、将来的には私の夢であり、貴社の長期目標でもある「人と遜色のないAI」を開発したいと思います。(400字以内)

 

この例文の最たる特徴は、最後に自身の目標を掲げた点です。IT業界は自ら学習する姿勢のある人材が好まれます。未だ誰も成し遂げたことのない目標を語ることで、そこに至るまで努力し続ける学習意欲の高さをアピールできます。

また、企業の長期目標や進めている研究などは、相当深く企業研究を行わないと書けません。それだけ研究を深く行ったことが分かり、求職者の志望にかける熱意が伝わる志望動機です。

【例文5】ビジネス(営業職)の志望動機

例文

私は通信サービスの提供を通じて、世界中の人をより身近につなげたいと考え、貴社を志望しました。通信サービスを提供する企業のなかでも貴社は、国内だけではなく国外にも通信サービスを提供しており、他にはない巨大なネットワークを持っています。このネットワークを活用することで、より世界が身近に感じられるような世界を実現したいと考えています。

大学時代は感染症の影響もあり外出もできず、自宅で講義を受けるだけの日々でした。しかし、この間、私はWeb会議ツールを活用し、自分自身の英語の練習も兼ねて世界中の人と毎日のように会話していました。本当は遠く離れた場所にいるのに、タイムラグもなくスムーズに会話ができるIT技術の発展は素晴らしいと感じています。

入社後は感染症の間に培った英会話のスキルを活かし、貴社の通信サービスをより広げていきます。まだ、貴社のサービスが浸透していない国へ出向き、その国の実情にあったサービスを開発に伝えることで、より良い通信サービスの開発に貢献したいと考えています。(450字以内)

この例文では、真っ先に「志望動機」から始めています。このような構成にすることで、企業側にも明確に志望動機が伝わり、印象に残りやすくなるでしょう。また、IT業界に興味を持った理由が、そのまま自分の強みへと転化できるため、一連の話の流れにズレがなく、読んでいる側もすんなりと入っていきます。

企業研究が十分であれば、企業の強みも断言できます。最初に企業の強みを断言したことで、企業に対し「企業研究を十分に行っている」アピールにもなります。伝え方によって誤解を生まないためにも、可能な限り企業のホームページなどを参考にするとよいでしょう。

IT業界の志望動機を書くときの注意点

分野と職種にあった自分をアピールする

IT業界は細かく分野や職種が分かれています。それぞれに求められるスキルや資格などが異なるため、志望動機は書き分けなければなりません。極端な例を挙げるならば、WEBデザイナーを志望しているのに、この分野では全く使用しないプログラミング言語が分かることをアピールしても、企業には響きません。

業界研究を行うなかで、分野・職種ごとに求められる人物像は分かっているはずです。企業によっても、重視するポイントは異なります。それらを必ず念頭に置いた上で、志望動機や自己PRを作成しなければなりません。また、これらの文章は企業が求める人物像に沿ったアピールになるように、それぞれ別のことを書かずに一貫させましょう。

経験がないことは素直に書く

IT業界は文系大学出身や全くの知識がない人も募集しています。そもそも、新卒の段階でコンピュータに関する豊富な知識を持っている人は、大学で情報通信について学んだか、専門学校などを卒業した人しかいません。豊富な知識がある新卒に絞って募集しても、人が集まらないことは企業も理解しています。

基本的に新卒の場合は、今後の成長に期待を込めたポテンシャル採用です。現時点で詳しいことを知らなくても、これから学んでいこうとする気概があれば、就職も不可能ではありません。知識や経験がないことを取り繕わず、志望動機には自分自身に経験がないことを素直に書きましょう。その方が採用担当に素直さや誠実さが伝わります。

ただ、IT業界は移り変わりが激しい業界です。その移り変わりに付いていくには、自分で学ぶ姿勢が不可欠です。企業も研修などは実施してくれますが、「教えてくれることを待つ」受け身の姿勢では、学習意欲は伝わりません。必ず自分から積極的に動くことをアピールしましょう。

意味の分からない言葉は使わない

IT業界は日夜新技術が開発されているため、同時に新概念を表す言葉がいくつも生まれています。そして、それらの概念が一般世間に浸透するまでには、少し時間が必要です。自分の業界研究の結果や志望する熱意を見せたくて、業界の専門用語を使うこと自体は悪いことではありません。しかし、新卒者はこれから業界へ飛び込む人、まだ一般世間にいる側の人間です。詳しく知らないことを、企業側もそこまで問題視しないでしょう。

むしろ、意味が分からずに使っている方が大問題です。間違った知識を披露することは、企業に対し「業界に対する理解が不適切」「入社後の教育が面倒」「謙虚さに欠け不誠実」と最悪な印象を与えてしまいます。ある程度の知識は必要ですが、志望動機は自分の知識を披露する場ではないので、理解が甘い言葉は避けるようにしましょう。

徹底した業界研究でIT業界を目指す魅力的な志望動機を書こう!

知らない一般人からすると、インターネットもロボットもパソコンも全てがIT業界です。しかし、これから業界へ飛び込む新卒者がその程度の甘い理解では、企業の目に留まる志望動機は書けません。志望動機はエントリーシートや履歴書のなかでも、その良し悪しで合否が決まるほど重要な部分です。業界への理解が漠然としていては、どれだけ熱意があっても採用されないでしょう。

企業が最も知りたいのは、「何故、弊社を選んだのか」です。IT業界だからこそできることを見つけるためには、広い業界を知らなければなりません。そして、自分が生涯を通じてやりたいことを見つけ出しましょう。それが志望動機を書く第一歩です。

ESは手書きで熱意を伝える!文字の大きさや文字数など最適な書き方を解説

手書きのエントリーシート(以下、ES)は、志望度の高い企業に熱意を伝えるのに最適です。時間と手間がかかるデメリットを受け入れられれば、企業に強くアピールできます。

この記事ではこれから手書きESを作成する人に向け、書き方の手順や綺麗に仕上げるコツ、作成の注意点を説明します。ESは分量が多い分、失敗があると書き直しが大変です。注意点を理解し手順をしっかり踏むことで、円滑に仕上げられるでしょう。

就活生も企業も戦略的に手書きESを活用している

パソコンでESを作成する人が多い中、気持ちを込めた手書きESは目立ちます。手に取ってもらいやすい分、アピール力が高まるのは就活生にとって大きな魅力です。

企業にも手書きESのメリットがあります。応募者が多数に及ぶ場合、手書きを指定することで人数を絞り込めるのです。手書きには時間も手間もかかります。苦労して仕上げる応募者は、志望度が高く努力を惜しまない人材だと判断できるでしょう。熱意ある応募者を絞り込むことで、効率的に選考を進められます。

パソコン主体の中でも、手書きESは時代遅れではありません。手書きが少なくなっている現在だからこそ、就活生にとっても企業にとっても武器になるのです。

ESで手書きを選択するべき企業の特徴

社員の年齢層が高い

20年ほど前までは履歴書や職務経歴書、ESを紙で提出するのは「ごく当たり前」でした。年齢が高い社員ほど、手書きESに馴染みがあります。中には「選考書類は紙でなければならない」と固定観念をもっている人もいるかもしれません。

厚生労働省の統計によると、一般労働者の平均年齢はおよそ44歳です。社員の平均年齢が45歳を超える企業は「年齢層が高い」と言えます。ホームページや企業パンフレットを通し、選考を受ける企業の平均年齢を事前に把握することで、手書きした方が良いかの判断基準となります。

(参照:付2-(1)-9図 一般労働者の平均年齢の推移 | 厚生労働省)

しきたりや伝統を重んじる

しきたりを大切にする社風の企業は、就活生にも昔ながらの作法を求めます。ESも「手書きが当たり前」と判断するかもしれません。理念やビジョンに保守的な雰囲気を感じるなら、手書きを選択しましょう。

注意したいのは、業種で早計に判断しないことです。伝統の技を継承する職人の世界でも、革新的な思想を持つ企業もあります。革新的な事業でも、経営陣の方針によっては保守的な価値観で動くこともあるかもしれません。企業研究をしっかりと行い、社風を的確に把握しましょう。

人間性や性格を重視して採用している

採用にあたり「人物重視」を明確に打ち出している企業も手書きESが効果的です。文字には人柄が現れます。筆圧が強ければエネルギッシュな性格を、止めや払いまでしっかりと書けば几帳面さや真面目さが伝わるでしょう。通常、応募者の人柄はESの中身を読むまで判断できません。手書きESなら、書類の見栄えも一つの判断材料になります。

志願者数が多い

応募者が多数に及ぶ企業は、毎日何通ものESを処理しています。パソコンで作成された書類は、見た目がほぼ同じです。中身で差別化を図らない限り、採用担当者の目に留まることはありません。手書きであれば、見た目に個性が現れます。多数の応募者に埋もれづらく、手に取り精査してもらえる可能性が高まります。

なぜ手書きESが評価される?3つのメリット

熱意や志望度の高さが伝わる

手書きのESからは高い心意気が伝わります。「選考を受ける企業のために苦労して書いた」ことが想像できるからです。エネルギッシュな文字、丁寧な文字であれば尚更です。中身を読まずとも、熱意や志望度の高さが窺えます。採用担当者も「きちんと想いを受け止めよう」と書類を精査するでしょう。

企業が社風への一致を判断しやすくなる

手書きの文字からは人柄が窺い知れます。企業にとって、人柄は社風への適合を判断する大きな材料です。社風に合わないと円滑な人間関係を築けず、早期離職の恐れがあります。慎重を期すため、企業はできるだけ多くの情報から人柄を判断したいと考えるでしょう。手書きESは、判断材料の一つとして歓迎されます。

多数のライバルに埋もれないESをつくれる

志願者数が多い企業ほど、手書きESは目立ちます。タイムパフォーマンス(タイパ)が重視される時代の中で、多くの就活生はパソコンでESを作成するでしょう。手間を惜しまず丁寧に書かれたESは、それだけで目を引く存在になり得ます。ライバルの中で埋もれず、手にとってもらえる確率が高まります。

あらかじめ知っておきたい手書きESのデメリット

パソコンのESに比べ時間と手間がかかる

ESの作成は簡単な作業ではありません。350字前後の回答項目が多く、全てを手書きするのは骨が折れます。タイピングよりも時間がかかる上に、間違えたら一から書き直さなければなりません。時間と手間がかかることを嫌う人にとっては、デメリットが大きく感じられるかもしれません。

手書きESは文字に癖があると読みづらい

手書き文字は個性を伝えるメリットがある反面、読みづらくなる恐れがあります。特に丸文字や角文字は、度が過ぎると個性よりも読みづらさが勝ります。採用担当者が読みづらさを感じたら、それ以上読んでもらえないことを念頭に置かなければなりません。他人に字の癖を指摘されるようなら、パソコンに切り替えた方が無難です。

手書きESの上手な書き方7STEP

手書きES作成の7STEP

①あらかじめパソコンでESの中身を作成する

②コピーしたESに実際に書き、文字数の過不足を確認

③原稿の文字数を調整し内容を確定

④提出する本番のESに鉛筆で薄く罫線を入れる

⑤鉛筆で下書きする

⑥ボールペンで清書する

⑦インクが乾いたら下書きと罫線を消す

ESの手書きには手間がかかります。できる限りミスを減らし、少ない行程で仕上げるには、7つのステップを順に辿ると良いでしょう。手間がかかる作業でも、飛ばさずに行うことでミスが減ります。

①あらかじめパソコンでESの回答を作成する

ESの文章を失敗なく一度で仕上げるのは現実的ではありません。まずは付け足しや削除、文章の変更が簡単にできるパソコンを使うのが賢明です。納得のいく文章が仕上がるまで、何度も校正を重ねながら内容を詰めていきます。

②コピーしたESに記入し過不足を確認

内容が固まったら、コピーしたESに実際に記入しましょう。文字数を調整したつもりでも、手書きにすると過不足が生じがちです。読みやすい文字の大きさで書いたときに、余白を残しすぎず、かつ枠がびっしりにならない量に調整しなければなりません。項目ごとに付け足す文量、削る文量を概算しましょう。

③原稿の文字数を調整し内容を確定させる

概算した結果を踏まえ、パソコンで再度文章を調整します。超過していれば文字量を減らす。余白が目立つようなら、文字数を増やし、内容を推敲します。

注意したいのは、明確な理由なく文字量を増やさないことです。書いた文章は既に推敲を終え、一度は「これ以上増やす余地はない」と判断しているはずです。むやみに増やすと蛇足になる恐れがあります。内容の付け足しではなく、表現の入れ替えで対応すると良いでしょう。

④ESに鉛筆で薄く罫線をいれる

本番用のESの各記入欄に鉛筆で薄く罫線を引いていきます。コピーに記入した文章をもとに行幅を決定し、等間隔に横線を引きましょう。

まっすぐに手書きするのは意外と難しく、無意識に曲がることが少なくありません。罫線がガイドラインになることで、ズレを意識せず記入に集中できます。罫線は清書した後に消すため、薄く引くことを心がけましょう。

⑤鉛筆で下書きする

転記での誤字脱字を防ぐには、鉛筆での下書きが欠かせません。下書きをしないと書き直しの可能性が高まり、かえって時間と手間がかかります。清書後に消すことを考慮し、できるだけ薄く書きましょう。Hや2Hの鉛筆があると便利です。シャープペンシルは筆圧が強くなるため、下書きには向きません。注意しましょう。

⑥ボールペンで清書する

下書きを終えたらボールペンで清書します。0.5〜0.7mmの太さを選びましょう。0.4mm以下の極細タイプは字が弱々しく見え、志望度の高さや熱意を伝えるのに不適切です。インクは字が滲みやすい水性を避け、ゲルインクまたは油性インクの黒色を選択します。下書きを消すときに滲みが出ると台無しになるため、インクの確認は必須です。

⑦インクが乾いたら下書きと罫線を消す

インクが十分に乾くのを待ち、下書きと罫線を消しゴムで消します。消しゴムをかける際にインクが滲む恐れがあるため、完全に乾かしてから作業することを徹底してください。別の紙で実験し、乾燥時間を把握しておくと良いでしょう。消し忘れを防ぐには、全体を一気に消さず、一文字ずつ消すのがポイントです。

手書きESを綺麗に仕上げる工夫

手書きESの文字数は下書き時に調整を

手書き原稿は、パソコンで作成したものよりも文字数を減らすことが多いです。大きめに書かないとはっきりした文字にならず、読みづらい印象を与えてしまうためです。下書き時に「文字を正確に読めるか」「余白が十分にあるか」を確認し、適切な分量に整えましょう。

手書きESの文字の大きさは罫線を目安にする

手書きだと余白があっても窮屈に感じられることがあります。原因の多くは文字の大きさです。行間が詰まると窮屈に感じられ、途端に読みづらくなります。枠に引いた罫線をガイドラインとし、8割程度の高さを目安にしましょう。2割の余白があれば、読みやすくなります。

行頭には縦の罫線も引くとずれない

手書きでは行頭位置が横方向にずれる可能性もあります。ずれて不格好に見えるのは、上下も左右も同じです。長くなるほど失敗の可能性が上がるため、行頭のみ縦の罫線も引くと良いでしょう。位置揃えに留意する必要がなくなります。

止め・跳ね・払いを意識しメリハリをつける

手書き文字は、メリハリがないとぼんやりとした印象を与えます。「止め」「跳ね」「払い」の基本を意識しましょう。文字に抑揚がつき綺麗に見えます。さらに漢字の長い部分、短い部分にきっちり差をつけると、立体感も生まれます。字が活き活きと感じられるようになるでしょう。

手書きで仕上げるESだからこそ意識すべき注意点

間違えたら最初から書き直しが手書きESの鉄則

書き損じが生じた場合、新しいESに一から書き直す必要があります。二重線や修正液(テープ)の使用はNGです。ESは他の書類と比べ文字数が多いため、書き直しには大きな労力がかかります。できるだけ失敗を避けられるよう、罫線の書き入れや下書きを徹底しましょう。

消せるボールペンは水性のため手書きESに不適

消せるボールペンは水性です。滲みやすいだけでなく、温度変化でインクが消える可能性もあります。せっかく書いた文章を台無しにしないためにも、ボールペンはゲルインクまたは油性インクを使用しましょう。消せるボールペンは公的な書類に使うことはできないため、ESも同様に避けましょう。

下書きや罫線の消し忘れには十分注意!

鉛筆で書いた下書きや罫線が残された状態で提出すると、雑な印象を与えてしまいます。文字が二重に見え、読みづらくもなるでしょう。読み手への配慮を欠くことで、「会社に対して失礼」とみなされるかもしれません。一字一字丁寧に消す癖をつけましょう。

文字の装飾はNG

ESを目立たせるため、文字に装飾を加えるのはNGです。装飾のない綺麗な形で企業に渡すのがマナーだと考えましょう。文字を意図的に大きくする、太くするのも不適切です。強調したい部分を見た目で目立たせるのではなく、文章で伝わるよう工夫します。

手書きESはコピーしたら意味がない

手書きESは企業へ志望度の高さを伝える手段です。コピーを使い回したら、手書きにする意味がありません。企業研究をしっかりと行い、選考を受ける会社ごとに異なるESを用意しましょう。選考のたびに書くのが面倒なら、手書きは志望度の高い企業に絞り、他はパソコンを使用するのをおすすめします。

手書きESを企業に提出する方法

普通郵便やレターパックライトで郵送する

手書きESは郵送で送るのが最も簡単です。データに変換する必要がなく、書いた書類をそのまま送付できます。挨拶状とA4サイズの封筒を用意し、切手を貼って普通郵便で送りましょう。確実性を重視するなら、追跡サービスがある「レターパックライト」も便利です。受け取りにサインが必要な簡易書留や「レターパックプラス」は、企業にかかる手間を考えると不適切です。

手書きしたESを変換しメールに添付する

ESをメールで送るよう求められた場合は、スキャナー(またはスマホのスキャン機能)でPDFファイルに変換します。変換したファイルをメールに添付し、指定されたアドレスに送信しましょう。添付ファイルは写真(jpgやpng)ではなくPDF形式にするのがマナーです。スキャン時にファイル形式を「PDF」に指定します。

【リストあり】手書きES提出前のチェックポイント

手書きES提出時のチェックリスト
  • 誤字脱字はないか
  • 文字の大きさは揃っているか
  • 適切に改行を入れているか
  • ESのコピー(スキャン)をとったか
  • 必要書類は全て揃ったか

企業への提出前に、上記5項目を確認しましょう。ESは将来を決定し得る大切な書類です。一つのミスで書類全体が台無しにならないためにも、細部まで注意を払うようにしましょう。

誤字脱字はないか

手書きESはパソコンでの文書作成、紙への転記、下書き、本番と4度の校正の機会があります。そのため、パソコンのみの作成に比べ、誤字脱字が起こりづらい環境です。

しかし転記でのうっかりミスや、同音異義語の勘違いがないとは言えません。自分だけで校正を終わらせず、周囲の人にもお願いしましょう。

文字の大きさは揃っているか

完成した原稿を少し遠くから眺め、文字の大きさを確認しましょう。項目ごとに大きさが異なると、全体の統一感がなくなります。手書きの場合、枠の大きさや文量によって文字サイズが引きずれられがちです。大きさが揃わない場合は、新しい用紙に等間隔で罫線を引き、8割の高さを目安に書き直しましょう。

適切に改行を入れているか

文字がぎゅうぎゅうに詰まった原稿は読みづらく、読み手に配慮していると言えません。内容だけでなく、「読みやすさ」に焦点を当て改行を入れる癖をつけます。最後まで円滑に読んでもらえなければ、選考の土俵に上がれないことを強く意識しましょう。

ESのコピー(スキャン)をとったか

完成したESはコピーやスキャンで保存しましょう。面接に進んだ場合、ESの内容をもとに質問が行われるため、あらかじめ備えておくためにコピーを確認することが有効となります。

また、会社資料や企業研究ノートと一緒に大切に保管(保存)しましょう。郵送の場合、コピーを取り忘れると何も手元に残りません。十分な注意が必要です。

必要書類は全て揃ったか

郵送では挨拶状を忘れずに用意します。ESに限らず、「企業に書類を郵送するときには、必ず挨拶状を付ける」と覚えておきましょう。メールの場合は本文が挨拶の役目を担うため、別途書類を添付する必要はありません。

企業によっては、ESと同時に履歴書の送付も要求されるケースがあります。応募要項を確認し、必要書類の漏れに細心の注意を払いましょう。

手書き以外でESを作成・提出する方法

企業のWebフォームから入力しそのまま送る

企業の採用ページにES提出用のWebフォームが用意されている場合、作成・提出手段は当該フォームのみです。郵送やメールの利用はできません。

Webフォームは入力した内容がそのまま送信されるため、下書きが必須です。質問への回答をテキストやWordファイルで用意し、自分の回答をコピーしながら進めましょう。

パソコンで作成しPDFをメールする

テキストやMicrosoft Wordで作成したデータを、PDFファイルに変換してメールする方法もあります。ESはどのような手段で提出する場合も、テキストやWordで最初に原稿を作成するのが一般的です。「そのまま送れば良い」と考えれば、就活生にとって最も進めやすい手段と言えるでしょう。

ただし「ファイルをPDF化する」「メールソフトに適切に添付する」といった最低限のパソコンスキルは不可欠です。

手書きとパソコンのどちらでESを作成するか悩んだときは?

企業の指定形式に則るのが基本

ESの作成・提出手段に指示がある場合は従わなければなりません。異なる方法で提出しても、受け取ってもらえないでしょう。

提出手段のみ指定された場合は、作成の仕方は自由です。基本はパソコンで作成し、志望度や社風に応じて手書きにする工夫をします。

指定がなければパソコンでの作成・送付が一般的

ESの作成・提出手段に指定がない場合は、パソコンで作成し、メールで送るのが一般的です。作成にも送付にも時間がかかりません。

「ESは手書きが最適」「重要書類は郵送に限る」といった考えを持つ企業は、作成・提出方法に指示を出すはずです。指示がなければ「内容重視」と捉えて差し支えないでしょう。手段にこだわる必要はありません。

志望度の高さや企業の特徴を鑑みて手段を選ぶ

手書きを選ぶポイントは、志望度の高さと企業風土です。志望度の高い企業には、熱意をより強く伝えるために手書きを選択します。しきたりや伝統を重んじる企業にも、手書きで送付すると良いでしょう。

反対に、積極的にパソコンでの作成を選ぶべきケースもあります。ベンチャーやスタートアップなどの平均年齢が若い企業は、効率的な手段を好む傾向にあるため、紙のESを提出するメリットはほぼないでしょう。

ITやクリエイティブ系など高度なパソコンスキルが要求される業種も、パソコン向きです。手書きだと「パソコンが十分に使えないのでは」と誤解を与える恐れがあります。

手書きが評価されない会社があることも、念頭に入れる必要があります。

強く志望する会社にこそ手書きESで想いを伝えよう

手書きのESは高い志望度や真面目な印象を与えられます。強く入社を希望する企業へ送るESは、手書きで作成するのもひとつの手です。

所属する会社を特別に評価され、悪く感じる採用担当者はいません。自社に誇りを持ち仕事をしている人ほど、手書きESに良い印象を持つはずです。

選考を受ける企業の全てに手書きをする必要はありません。「どうしても入社したい」と強く思える会社に出会ったら、心を込めて手書きしましょう。丁寧に仕上げることで、結果を左右する大きな武器になります。

ガクチカがないのは思い込み?学生時代頑張ったことの見つけ方・書き方【例文あり】

ガクチカとは?

「ガクチカ」とは「学生時代に力を入れたこと」の略称で、学生生活の中で頑張ったことをアピールする項目です。

就職活動で聞かれる定番の質問で、就活生の間では「ガクチカ」として定着しています。ガクチカで取り上げる内容に決まりはなく、学外の活動も含め、どんな経験も題材にしてokです。

その中でも、アルバイトやサークル活動、ボランティア、留学経験などを取り上げる割合が高い傾向にあります。

ガクチカがない・見つからないは思い込み?

ガクチカは自分が力を入れたことを自由にアピールできる項目ですが、「ガクチカがない」「ガクチカの内容が薄い」と悩む就活生は少なくありません。

そのように感じる学生の多くが「ガクチカ=すごい経験」と思い込んでいる可能性があります。

「すごい経験」とは、例えば、全国大会優勝、リーダー経験、継続10年、など具体的な実績として評価されやすい経験のことです。

全ての就活生にこのような経験がなくて当然ですが、「自分にはアピールできるガクチカがない」と自信をなくしてしまう人もいるようです。

しかし、企業がガクチカを通じて知りたいのは高い実績や結果そのものではなく、経験のプロセスから伝わる「応募者の人柄」です。

つまり、ガクチカで重要なのは“すごい経験”であるかどうかではなく、ガクチカを通じて自分らしさが伝わるかどうかという点です。

ガクチカがないという人も、見つけ方次第でガクチカは見つかります。ガクチカの見つけ方や書き方を参考に、自分らしいガクチカを書いて書類選考を突破しましょう、

ガクチカで企業が見ているポイントとは?

物事への取り組み方

ガクチカで重視されているのは、経験そのものというより「物事への取り組み方=過程」です。

例えば「目標を達成するためにどのような努力や工夫をしたのか」「どんなことでモチベーションが上がるのか」といった点を採用担当者は見ています。

困難や課題をどのように乗り越えたのか知ることで、入社後も意欲的に仕事に取り組める人物かどうかチェックしているのです。

ガクチカは結果ではなく、結果にいたるまでのプロセスを重視していることを覚えておきましょう。

応募者の人柄や性格

ガクチカを通じて、応募者がどんな人物なのか、採用担当者は知りたいと思っています。履歴書の学歴やスキルを見ただけでは、応募者の性格や雰囲気はなかなか伝わりません。

一方、ガクチカに書かれる内容は、応募者が熱意を持って取り組んだ事柄なので、その人の人柄の特徴が表れやすい項目と言えます。

企業は、ガクチカを通じて応募者の性格や人柄をイメージして「職種への適正があるか」「社風にマッチする人物か」を見ています。

特に新卒採用の場合は人物重視の場合が多いので、人柄の魅力がしっかり伝わるガクチカを準備しましょう。

論理的思考

企業はガクチカの文章から、応募者が論理的な思考ができる人かもチェックしています。

物事を筋道立てて考え、自分の考えや意見を相手にわかりやすく伝える能力は社会人として必須のスキルだからです。

ガクチカの内容がどれだけ素晴らしくても文章が論理的でないと、採用担当者に読み飛ばされてしまう可能性もあります。

ガクチカを書く時は論理的な構成を意識して、伝えたいことが伝わる文章になっているか推敲しましょう。

ガクチカが見つからないときにまずやること

自己分析を徹底する

ガクチカが見つからない原因は、自己分析が不十分だからかもしれません。

自己分析とは、過去の経験から自分の長所・短所、価値観、スキルなどを洗い出し、自分の特徴を客観的に把握するための作業です。

ガクチカを書くためには、自己分析の結果から、長所を発揮した経験や、困難を乗り越えた経験を見つけられるのが理想的です。

しかし、自己分析ができていないと、せっかくアピールできる事柄があっても見落としてしまったり、深掘りができていないと内容の薄いガクチカになってしまいます。

自己分析はガクチカはもちろん、就職活動の土台となる重要な作業なので、じっくり時間をかけて取り組みましょう。

企業が求める人物像を把握する

ガクチカを書き出す前に、企業が求める人材を把握しておくことも重要です。

求める人材と自分の特徴を照らし合わせ、合致するものを探すことでガクチカにすべきエピソードを絞ることができるからです。

例えば、チャレンジ精神を求める企業であれば、チャレンジ精神をアピールできる経験でガクチカを作成すれば効果的なアピールに繋がります。

企業研究をしっかり行い、企業の期待に応えるガクチカを作成しましょう。

ガクチカが見つからないときの探し方

趣味・好きなことから見つける

ガクチカは、必ずしも学校生活と密接な関連がなくてもOKで、個人的な趣味や好きなことを軸にガクチカを作っても問題ありません。

趣味をガクチカにすると他の学生と内容が被りにくく、採用担当者の目に止まりやすいというメリットもあります。

特に、失敗・成功体験があれば、その過程を深掘りすることでガクチカとしてアピールしやすくなります。趣味を始めたきかっけや、続けている年数、上達するために努力したことなどを振り返ってみましょう。

日常の習慣から洗い出す

日常的な習慣やルーティンからガクチカが見つかることもあります。

生活の中で続けていることや工夫していることから、人柄や長所が伝わればガクチカとして十分アピールすることができます。

自分にとっては当たり前のことでも、他の人から見れば頑張っていると評価されることがあるからです。

例えば、朝の散歩や料理、寝る前の筋トレや読書などの習慣も、動機や工夫していることを明確にしていくことでガクチカになり得ます。

朝起きてから寝るまでのスケジュールを具体的に書き出して、努力や工夫をしている事柄がないか探してみましょう。

周りの人に聞いてみる

ガクチカが見つからないときは、家族や友人、キャリアカウンセラーなど信頼できる第三者に聞いてみるのも1つの手です。

周りの意見を聞いてみることで、自分の考えを整理したり、新たな気づきを得られるかもしれません。また、作成したガクチカを読んで、フィードバックをもらうのもおすすめです。

ガクチカが見つからない場合や、作成に行き詰まった場合は、周りの人に相談してみましょう。

新たにガクチカを作るときのポイント

新しいことに挑戦する

ガクチカがどうしても見つからないときは、ガクチカになりそうな経験を新たに作るのも1つの手です。

時間に余裕がある場合は、資格取得、留学、長期インターンシップ、アルバイトを始めるなど、新しいことを始めることもできます。

志望する業界に関連のあるものや、業務に役立ちそうなものに挑戦しておけば、採用担当者に入社への意欲をアピールすることもできます。

期間が短すぎると取ってつけたようなガクチカと捉えられてしまうので、明確な目標を持って計画的に取り組むようにしましょう。

既に取り組んでいることに目標を設定する

ガクチカがないからと言って、無理に新しいことを始める必要はありません。

今現在取り組んでいることがガクチカになるように、ブラッシュアップする方法もあります。

やり方は、何気なく続けているアルバイトや趣味に、目標や課題を設定することです。

例えば、趣味のテニスで大会に出場してみる、飲食店のアルバイトで売上をアップさせる、などの目標を決めることで、自分の努力や成果をアピールすることができます。

目標は自分の長所や強みを活かせそうなものを選び、達成するための取り組みを具体的に説明できるようにしておきましょう。

ガクチカの基本構成

  1. 結論:学生時代、何に力を入れたのか
  2. 理由:なぜ◯◯に取り組んだのか、△△という目標を立てたのか

  3. 行動:目標を達成するためにした具体的な行動
  4. 成果:結果と経験から得た学び・自分の強み・仕事でどう活かしたいか

①結論:学生時代、何に力を入れたのか

履歴書やESで文章を書く時は「結論ファースト」が鉄則です。ガクチカを書く時も、学生時代に力を入れたことは何かを簡潔な一文でまとめましょう。

最初に結論を述べておくことで、大まかな内容をイメージすることができるので、文章を読み進めやすくなります。

一方、結論になかなか辿り着かない文章は、採用担当者に読み飛ばされてしまう可能性もあります。

ガクチカを書く時は必ず最初に「結論」を示しましょう。

②理由:なぜ◯◯に取り組んだのか、△△という目標を立てたのか

結論を述べたら、それを補完するための「理由」を説明します。

ガクチカにおいて「理由」は、「なぜ◯◯に力を入れたのか?」を説明する行動の「動機」に当たります。その事柄に興味を持ったきっかけや、時間を費やした理由を述べましょう。

動機を説明することで結論の説得力を高め、応募者の熱意真剣さが伝わるガクチカに仕上がります。

応募者の価値観や考え方が出る部分なので、しっかりと分析して言語化しておきましょう。

③行動:目標を達成するためにした具体的な行動

次に、目標を達成するためにどのような努力や工夫をしたのかを書きます。◯◯を頑張ったという結果に対し、どのように頑張ったのか補足するための文章です。

具体例を説明するときは、起承転結を意識して書くと伝わりやすくなります。

困難や課題に対してどのようにアプローチしたのか、努力したことや工夫したことを、具体的な行動例で説明しましょう。

④成果:経験から得た学び・仕事でどう活かしたいか

最後に、経験を通して自らが学んだことや入社後の目標を書いて締めくくります。ポイントは、単なる感想で終わらせず、仕事で活かせそうな内容でまとめるのがポイントです。

自分の長所や強みを表すキーワードに触れながら、自己アピールに繋がるガクチカに仕上げましょう。

魅力的なガクチカに仕上げるコツ

エピソードを1つに絞る

ガクチカを書く時は、学生時代に力を入れた事柄を1つに絞るのが原則です。

「サークル活動も、アルバイトも、趣味も頑張りました」とあれこれエピソードを詰め込むと、1つ1つの内容が薄くなってしまい、何をアピールしたいのかがはっきりしません。

企業がガクチカで重視しているのは実績の数や大きさではなく、取り組みの過程や学びであり、応募者の人柄です。

人柄の伝わる経験を1つピックアップし、採用担当者の印象に残るガクチカを作成しましょう。

一文は短く簡潔な文章で書く

ガクチカに限らず、ESや履歴書に書く文章は、ひと目で内容がわかるように書くのがポイントです。

一文が長すぎたり、複数の情報が混ざっていると、意味を理解するのに時間がかかってしまいます。

主語と述語を明確にする、不要な言葉や表現は省く、わかりやすい言葉に置き換えるなど、採用担当者がスムーズに読めるように工夫しましょう。

具体的な数字を入れる

ガクチカの結果を数値化できる場合は、数字を用いて表現しましょう。

抽象的な表現よりも、具体的な数字で表したほうが、ぱっと見て成果や努力が伝わるからです。

例えば、「アルバイトの売上を10%向上させた」、「サークルの活動で部員数を2倍に増やした」、など数字を入れるとことで実績が際立ちます。

自分の経験をより具体的にイメージしてもらえるよう、効果的に数字を織り交ぜましょう。

ガクチカの例文

サークル活動

例文

学生時代に写真サークルの認知度向上に尽力しました。新しく立ち上げられたばかりのサークルで、新規部員の獲得に苦労していたからです。サークルの魅力を広く知ってもらうために、私はSNSを活用した認知度向上に取り組むことを決意しました。部員が撮影した写真をSNS上で毎日欠かさず発信し、サークルの活動内容を積極的にアピールしました。同時に、SNSの運用方法や効果的な投稿方法について勉強し、投稿内容のブラッシュアップを図りました。結果、わずか2ヶ月で部員数が3人から20人に増加し、他大学の写真サークルからも声がかかるようになりました。この経験から、継続することの重要性やターゲットに合わせたアプローチが成果に結びつくことを学びました。今後も仕事においてもコツコツと行動を積み重ね、成果を上げていきたいと考えています。(400字以内)

ガクチカにおいては、まず課題や目標を明確にすることが大切です。このガクチカでは、新しく立ち上げられた写真サークルの認知度向上という明確な課題と、新規部員の獲得という具体的な目標が設定されています。

SNSを活用した認知度向上に継続的に取り組んだ結果、短期間で部員数を増やしたことを、具体的な数字で説明しているところがポイントです。

取り組みや成果から学んだことや、今後どのように活かしていきたいのかを明確に示しているので説得力のあるガクチカと言えるでしょう。

アルバイト

例文

私が大学時代に力を注いだのはイベントスタッフのアルバイトです。派遣の仕事で初対面の人と協力しなければならない中、人見知りを克服しようと積極的に挑戦しました。 具体的には、初対面でも名前を覚えて、できるだけ名前で呼びかけることや、自ら積極的に声をかけて役割分担を明確にするなど工夫しました。

これらの取り組みにより、初対面の人とのコミュニケーションがスムーズになり、トラブルなくイベントを運営でき、最終的にはリーダーの役割も果たせるようになりました。この経験から、仕事を成功に導くためには仲間とのコミュニケーションが不可欠であると実感しています。入社後も積極的なコミュニケーションとチームワークを大切にし、目標達成に向けて努力していきたいです。(350字以内)

目標を「人見知りを克服すること」と述べ、初対面の人とのコミュニケーションが苦手という課題に対して、具体的な取り組みをアピールしているガクチカです。

初対面の人とのコミュニケーションがスムーズになったという成果に加え、リーダーの役割も果たせるようになったことから、成長の様子もアピールできています。

人見知りを克服するという一見抽象的な内容ですが、課題と解決策が明確で、学びや成長が伝わるガクチカです。

ゼミ活動

例文

学生時代に頑張ったことは、ゼミ活動です。日本文学を専攻し、近現代文学を専門に研究していました。近現代文学に興味を持ったきっかけは、大学1年生の時に、近現代文学の授業で、夏目漱石の「こころ」を読んで、人間の心の奥深さや、人と人とのつながりの大切さを学び、近現代文学についてもっと知りたいと考えるようになったからです。

ゼミでは夏目漱石や森鴎外、太宰治などの作品を読み、自分なりに分析・研究を重ねていました。しかし、ゼミ生同士での意見交換会を行う度に、自分とは異なる視点からの解釈や指摘があり、仲間とのコミュニケーションが新たな価値を生むことの面白さを学びました。

この経験から、自らの意見をしっかりと持ちつつも、多様な視点を尊重することを心がけ、周囲と連携して何事にも取り組んでいきたいです。(350字以内)

具体的な作品名を織り交ぜることで、日本文学に対する興味の強さが伝わってきます。

単に「興味がある」で終わらせず、ゼミ生との意見交換のエピソードから「コミュニケーションが新たな視点を生むことを知った」という学びに結びつけています。

このように仕事に役立つ学びや成長を示すことで、仕事への向き合い方や意欲をアピールできているガクチカです。

ボランティア活動

例文

学生時代に力を入れたことは、ボランティア活動を通じて傾聴力を磨いたことです。人の話をじっくり聞くことは、相手の気持ちを理解し、ニーズに応えるための大切なスキルであると考えたからです。高齢者施設を訪問した際に、一人暮らしの高齢者から「孤独を感じている」と相談を受けました。私は、その方の話をよく聞き、趣味や好きなことに関するイベントに誘うなどの支援を行いました。その結果、「久しぶりに楽しい時間を過ごすことができた」と喜んでくださり、私も達成感を味わうことができました。貴社でもお客様の声に耳を傾け、ニーズに合わせた商品やサービスを提供していきたいと考えております。また、社内でも、相手の話を聞くことを大切にし、円滑なコミュニケーションを図っていきたいです。(350字以内)

冒頭で、結果:「傾聴力を磨くこと」に対し、理由:「相手の気持ちを理解し、ニーズに応えるための大切なスキル」と、明確に述べています。

これにより、人の話を聞くことをスキルとして習得したいという熱意が伝わってきます。

身につけた傾聴力を企業でも活かしていきたいと述べることで、企業への志望度や入社後の活躍意欲をアピールできているガクチカです。

一人暮らし(家計管理)

例文

学生時代に頑張ったことは、家計管理を徹底し黒字化に成功したことです。一人暮らしを始めた時は、家計を意識できておらず、アルバイトをしても赤字になる月がありました。そこで家計簿を付け始めたのですが、収入と支出を記録するだけでは、無駄な支出を減らすことができませんでした。そこで、Excelを使ってオリジナルの家計簿を作成し、グラフで家計の状況を視覚的に把握できるようにしました。この見える化により、無駄遣いの傾向を把握し、支出を見直すことで黒字化に成功しました。その結果、海外旅行や資格取得など費用がかかることにも積極的に自己投資できるようになり、お金の大切さや、お金の流れをコントロールすることの重要性を痛感しました。現在は、株や投資信託の仕組みについても興味を持ち、経済や金融のニュースをチェックしたり、セミナーに参加するなど勉強に励んでいます。将来的には貴社の収支の管理や経営の意思決定に貢献し、会社の業績向上に寄与したいです。(450字以内)

一人暮らしをしている人は、色々な切り口からガクチカが見つかるかもしれません。

この例は、「一人暮らし×家計管理」をテーマにし、家計管理を通じて苦戦したことや、学んだことを述べています。

家計簿をつけるようになっても赤字になってしまったという課題から、オリジナルの家計簿を作成して見える化したこと、結果的に黒字化し自己投資できたという、起承転結を意識できています。

将来やってみたいことで締めくくることで、入社意欲の伝わるガクチカと言えるでしょう。

資格取得

例文

学生時代に力を入れたのは、ファイナンシャルプランナーの資格取得です。私は金融業界を志望しており、最低限の専門知識を身につけることで即戦力になりたいと考えました。試験に向けて工夫したのは、スケジュール管理です。試験範囲を細分化し、試験日から逆算して勉強スケジュールを組み立てました。この細かいスケジューリングにより、短時間でも毎日欠かさず勉強を続けることができ、3級に合格することができました。

今年中には2級も取得したいと考えているので、継続して勉強を続けています。この経験から、ゴールから逆算して計画を立てることが目標達成には欠かせないことだと学びました。業務上でも、目標を達成するためにはどのようなプランが最適なのかを常に考え、成果に結びつけたいです。(350字以内)

「試験に合格した」という結果だけを述べるのではなく、そこに辿り着くまでの過程にフォーカスできているガクチカです。

またさらに上級を目標とし努力している姿勢は、向上心チャレンジ精神なども持ち合わせてることをアピールすることができます。

「ゴールから逆算して計画を立てることが目標達成には欠かせない」という、仕事にも役立つ学びも述べられているので、良い例でしょう。資格取得がガクチカとして取り上げやすいテーマの1つですが、他の学生と差別化するための工夫が必要です。

趣味(カフェ巡り)

例文

学生時代に力を注いだことは、趣味のカフェ巡りです。近所や旅先のいろいろなカフェを訪れる中で、店舗ごとのブランディングや集客戦略に興味が湧き、分析することが日常の楽しみとなりました。

カフェのホームページやSNSを調べたり、カフェのスタッフに話を聞いたりして、ターゲット層やコンセプト、プロモーション方法などを具体的に分析しノートにまとめていました。ある時、友人に「その情報、面白いから発信してみたら?」と言われたことがきっかけとなりSNSを始めたところ、現在約5,000人のフォロワーがつくアカウントとなりました。

これらから、マーケティング戦略を練る際にはターゲット層を明確にし、競合他社を分析することが非常に重要だと学びました。入社後は新規事業立ち上げに携わり、徹底した分析力と新しいアイデアで顧客のニーズを満たす的確なマーケティング戦略を打ち出したいです。(400字以内)

カフェ巡りというありふれた趣味に、目標や学びを設定することでガクチカとしてアピールしてる例文です。

カフェのブランディングや集客戦略に興味を持ち、自分なりの分析方法で学びを得ています。またマーケティングやPRに関わる職への希望なので、SNSを使っていることのアピールも良いでしょう。企業によっては、SNSのフォロワー数も評価に繋がる場合があります。

この場合カフェ巡りのエピソードが中心となっていますが、「分析力」「好奇心」「探究心」などを強みとして話す切り口に変えるとより就活向けのエピソードになるでしょう。

ガクチカを書く時の注意点

自己PRと混同しない

ガクチカと自己PRを全く同じ内容で書くのはNGです。ガクチカと自己PRは混同しやすい項目ですが、それぞれアピールするべきポイントが違います。

ガクチカは「経験」を軸に頑張った過程をアピールするのに対し、自己PRはスキルや能力を軸に自分の強みをアピールする設問です。

書き方の違いは、ガクチカが「私が学生時代に力を入れたことは◯◯です。」と書くのに対し、自己PRは「私の強みは◯◯です。」と書きます。

もちろん同じエピソードを用いても問題ありませんが、切り口を変えたほうが採用担当者に興味を持ってもらえます。

ガクチカと自己PRの違いを意識して、多角的に魅力を伝えられるよう工夫しましょう。

就職活動にふさわしいテーマで書く

ガクチカで扱うテーマに決まりはありませんが、内容によっては不適切な事柄もあります。

例えば、競馬パチンコ麻雀など、賭け事に関するテーマを扱うのは、関連する業界でない限り一般的にあまり良い印象を与えません。

他人を蹴落とすような内容や、読み手が不快になりそうな事柄もNGです。

ガクチカは自分自身の人柄のイメージに直結することを念頭に置き、適切なテーマを選択しましょう。

嘘をつかない

履歴書やESを作成する際に最も重要なことは「嘘をつかない」ことです。

「ガクチカがない」、「ガクチカが薄い」と不安になると、嘘の経験や誇張しすぎた実績を書く人もいるかもしれません。

しかし、採用担当者は数多くのESをチェックしてきているので、嘘を付くと簡単に見破られてしまいます。

嘘とわかれば信頼関係を失い、内定を取り消されてもおかしくありません。当然のことながら、盗用も言語道断です。

前述してきた通り、ガクチカは決して特別な経験である必要はありません。

ガクチカを書く時は「自分らしさ」を大切に、等身大の内容で仕上げましょう。

ガクチカの書き方は?テーマの探し方や注意点も解説【例文あり】

ESを作成する際、ガクチカの書き方に悩む方は多くいます。就活において企業から必ずと言ってもいいほど質問されるガクチカは、学生時代に頑張ってきたこと自分の良さを最大限にアピールできる項目です。

本記事では、ガクチカの書き方や構成づくりのポイントを解説します。さらに、記事後半ではテーマ別に具体的なガクチカの例文を紹介しますので、自分の経験や強みに合わせて参考にしてみてください。

就活で「ガクチカ」を問われる3つの理由

ガクチカとは、就活で使われる用語で、「学生時代に力を入れて取り組んだこと」という意味です。ガクチカの書き方や構成づくりのポイントを把握する前に、その意味や就活でなぜ重要な項目であるのかを理解することが大切です。

企業はガクチカを通して、応募者の価値観能力など様々な要素を評価しようとしています。質問の意図を把握し、読み手の心を掴むガクチカを作成することが重要です。

何に挑戦してどんな成果を出したのかを把握するため

就活でガクチカを問われる理由の一つ目は、学生時代に何に挑戦し、どのような成果を出した経験があるのかを把握するためです。ただし、成果の大きさに注目しているわけではありません。

企業はガクチカを通して、その背景にある努力挑戦への意欲などを評価したいと考えています。もちろん、他の学生が経験できないような輝かしい実績がある場合は、大きなアピール材料になります。しかし、自慢する内容ではなく、あくまでも過程を重視した書き方を意識することが大切です。

自社の文化や価値観とマッチするかを確かめるため

二つ目は、自社の文化や価値観との適合性を確認するためです。ガクチカを通して、人柄や価値観、モチベーションの源泉など応募者の内面を読み取りたいと考えています。

企業が求める人物像と応募者の人柄や価値観にミスマッチがある場合、早期退職に繋がる恐れがあります。採用コスト面も考えると、そのような事態は防ぎたいところです。

企業の掲げる理念やビジョンに共感し、環境に適応できるかを評価するためにガクチカを尋ねています。

自社で活かせる学びを得ているかを知るため

三つ目は、採用後に自社で活かせる学びを得ているかを知るためです。

ガクチカのなかでも、留学やサークル活動などテーマが他の就活生と被ることがあります。しかし、テーマが一緒とはいえ、そこから得たスキルや学びは人によって違います。企業側はその経験からどのような学びを得ているか、なおかつ入社後にどう活かせるのかを評価したいと考えています。

つまり、入社後にどのような活躍をしてくれるのか、期待値を判断されていると言えるでしょう。

就活でアピールできるガクチカのテーマの探し方

学生時代を振り返って自己分析をする

「ガクチカがない」と感じている学生でも、自己分析を深めることで新たなアピールポイントを発見できます。学生時代に取り組んだことや経験、興味関心を振り返り、自身の強みや成長点を見つけてみましょう。また、達成感を得た経験や、何かに挑戦した経験もガクチカに相応しいテーマです。

大きな成果や実績を挙げた経験でなくても大丈夫です。自分自身を客観的に見つめ直し、自らの経験特性をより深く理解することで、ガクチカのテーマが見つかります。

周囲の人からフィードバックやアドバイスを受ける

ガクチカがないと感じる場合は、周囲の人からのフィードバックやアドバイスを受けてみましょう。友人や家族、先生、先輩などからの率直な意見は、ガクチカのテーマ探しにおいて貴重な情報源です。

自分にとっては当たり前な行動でも、周囲の人から褒められた経験もガクチカとして十分に効果があります。自分では気付かなかった強みや良さを発見できる機会になります。

他者の視点を取り入れながら、自分自身をより深く理解し、就活での差別化を図りましょう。

企業の求める人物像とマッチする経験・エピソードを選ぶ

自らの経験やエピソードのなかから、企業が求める人物像とマッチするものを選び出すことが重要です。学生時代に参加したプロジェクトやボランティア活動、リーダーシップを発揮した経験など、培ってきたスキルや経験を踏まえて、特に企業が重視する要素に焦点を当てましょう。

企業がどのような要素を重視しているのかを理解するためには、企業・業界研究が必要です。企業や業界への理解を深め、自らの経験をリンクさせることで就活でのアピール力を高めることができます。

ガクチカの書き方6つのステップ

<ガクチカの書き方>

①結論:学生時代何に取り組んでいたのか?

②背景:そのことに注力した理由は?

③目標と課題:どのような目標を掲げ、どのような困難や課題があったのか?

④行動:困難や課題に対して、どのように取り組んだのか?

⑤成果:どのような成果が得られたのか?

⑥学び:経験からどのようなことを学んだのか?

①結論

まずは、学生時代に力を入れて取り組んでいたことを記載します。ガクチカは、結論から書き始めることがポイントです。

例えば、「私が学生時代に力を入れて取り組んだことは、〇〇です。」というように、簡潔に書き始めます。冒頭に結論を書くことで、何に取り組んでいたのかを明確に伝えることができます。

始めたきっかけや背景、エピソードから書き始めると、文章全体が分かりづらくなるため、結論ファーストで書くということを意識しましょう。

②背景

結論に続いて、なぜそのことに力を入れて取り組んだのか、背景や理由を説明します。例えば、留学をテーマにしたガクチカを書く場合は、留学をしようと思ったきっかけや理由を伝えましょう。

ここで大事なことは、簡潔に述べるということです。一般的に、ESでは文字数が指定されていることが多く、ガクチカを書く範囲も決められています。このあとの行動をしっかり伝えられるように、背景や理由は簡単に伝えることを意識しましょう。

③目標と課題

次に、経験のなかで掲げた目標や、直面した困難課題について書きます。例えば、部活での目標であれば、「〇〇リーグで1位を目指して活動していた」というように、具体性を出すことがポイントです。

企業はガクチカで努力の過程を知りたいと考えています。しかし、具体的にどのような困難を経験したのかを伝えないと、取り組んでいた物事の困難度が伝わりません。

採用担当者が同じような経験をしているとは限りませんので、状況がイメージしやすいように分かりやすく書きましょう。

④行動

この部分は、企業がガクチカのなかでも最も注目している内容です。自分が直面した困難や課題に対して、どのように対処したのかを具体的に伝えることが求められます。

「努力しました」「頑張りました」というような抽象的な表現ではなく具体的な行動や取り組み、工夫した点を書きます。同じ困難や課題に遭遇しても、人によって解決の仕方は異なります。

読み手に、困難を克服するためにどのような努力をしたのかを鮮明に伝えることが重要です。

⑤成果

努力や工夫の結果、どのような成果が得られたのかについても触れていきましょう。その際、具体的な数字を盛り込むことで、より努力の過程が伝わりやすくなります。

例えば、アルバイト先で実施した工夫によって、売上がかなり上がったとします。この場合、「かなり」という表現を使うよりも、「売上が前月よりも〇%アップした」「〇〇円売上に貢献できた」というような表現のほうが適切です。

「かなり」「非常に」というような人によって評価の差が生まれる表現ではなく、具体的な数値を使って成果を伝えましょう。また、主観的な評価を避けるために、他者からの評価を交えるとなお良いです。

⑥学び

ガクチカの最後は、ここまで伝えた一連の経験からどのようなことを学んだのか、そして入社後にどう活かしていくのかを書きます。

企業は、大勢の応募者のなかから、より活躍する人材を探しています。経験から得た学びやスキルは、企業に対してどのようなメリットがあるのか、企業が求める人物像とどれほどマッチしているのかをアピールすることが大切です。

今後の展望や成長への意欲も強調し、企業との共通の目標に向けて貢献する意思を示しましょう。

効果的なガクチカを書くポイント

独自性や具体性を重視する

ガクチカは、他の就活生とテーマが被ることもあるため、独自性具体性を重視した内容を書くことがポイントです。

具体的なエピソードや事例を交えることで、読み手に自分の経験をよりリアルに伝えることができます。また、具体的な数値やデータを挙げることで、自身の成果や実績をより明確にアピールすることができます。

オリジナル性や具体性を高めることで、他の就活生と差別化したガクチカが作成でき、志望企業から高く評価されます。

自己PRとは違うことを理解する

ガクチカを作成する際に、自己PRと内容が一緒になってしまうという方も多いでしょう。しかし、ガクチカと自己PRは、それぞれ企業が把握したいポイントが異なります。

ガクチカは、物事に対する努力の過程やモチベーションの源泉を中心にチェックされています。一方、自己PRは自分自身の強みや価値、キャリア目標をアピールする項目です。

自分をアピールするという部分では共通していますが、質問の意図が異なるということを理解しておきましょう。

読み手に価値を伝える

ガクチカをより効果的な内容にするためには、志望企業の興味を引くことが大事です。自分の経験や取り組みから得られる、企業にとっての具体的なメリットを示し、企業に対する貢献度スキルを明確に示します。

また、自身の行動や成果が企業の目標や価値観と一致していることを強調することで、読み手に共感を呼び起こします。

志望企業が求める人物像やビジョンを意識してガクチカを書くことで、自分の独自性志向性をアピールできます。

ポジティブな表現を使用する

ガクチカでは、ポジティブな表現を使用することが効果的です。ポジティブな表現は、自身の経験や取り組みをより魅力的にし、読み手により良い印象を与えます。また、自らの積極性前向きな姿勢をアピールしやすくなります。ただし、誇張や誤解を招くような内容にならないように注意が必要です。

自身の経験や取り組みを正確に伝えることが重要ですが、それをポジティブな視点から描写することで、自信を持ってアピールすることができます。

評価されるガクチカの例文5選

例文1:部活・サークル活動

例文

私が学生時代に力を入れて取り組んだことは、キャプテンを務めていたバスケットボール部での活動です。私たちのチームは負けが続いており、練習の質も低いという課題がありました。そこで私はキャプテンとして、チーム目標のために何が必要か考え、実行しました。具体的には、部員全員に積極的に話しかけ、自分の考えを発信することを心がけました。さらに、各自が得意な分野や強みを活かした指導を実践しました。その結果、徐々にチームのレベルが上がり、全国大会出場を果たしました。この経験から、リーダーシップの重要性を学びました。また、チーム全体の目標に向けて、個々の強みを最大限に活かすことの大切さを理解しました。私は、貴社に入社後も困難な状況に直面した際には、柔軟な発想とリーダーシップを発揮し、チームを前進させることに貢献したいと考えています。(400字以内)

部活動をテーマにしたガクチカでは、活動中に直面した課題や困難、それに対してどのように対処したのかを明確に伝えることで、差別化が図れます。

リーダーシップ力を持つ人材は多くの業界・企業で重宝されます。全体的に具体性があり、志望企業にとっての価値を示す内容となっています。自らの経験やスキル企業の文化やニーズにどのようにマッチするのかを明確に示すことで、より効果的になります。

例文2:学業・ゼミ

例文

私が学生時代に力を入れて取り組んだことは、経営学のゼミ活動です。ゼミに参加することで、理論だけでなく現場での経営課題を知り、解決策を模索する経験を得たいと考えました。ゼミで初めて参加したプロジェクトでは、チームメンバーとの意見の不一致や課題の優先順位の決定において摩擦が発生する出来事がありました。私はこれらの問題を解消するために、話し合いの場を設け、全員の意見を尊重し、議論を深めました。これにより、共通の目標に向けて、意見がまとまり、改善策を発見することができました。私はこの経験から、問題解決能力を向上させることができました。将来は、この経験や能力を活かし、チームの調和と業績向上に貢献したいと考えています。(350字以内)

この例文は、経営学のゼミ活動に焦点を当て、具体的な経験や取り組みを明確に示しています。経験を通じて得た学びや成果を伝えることで、自己成長と専門知識の獲得をアピールできます。

さらに、その経験を将来のキャリアにどのように活かしたいのかを記しており、目標に対する意欲を強調しています。このように、経験の具体性や成果への言及、そして将来への展望を表現することが、良いガクチカを書くポイントになります。

例文3:アルバイト

例文

私が学生時代に力を入れて取り組んだことは、カフェでのアルバイト活動です。私は社会経験を積むために、大学1年次にカフェのアルバイトを始めました。しかし、初めのうちはお客様と会話をする機会が少なかったため、上手く接客をすることができませんでした。そこで、まずは自分が積極的に話しかけることを心がけました。すると次第に、「あなたがいるから大丈夫」という言葉を頂けるようになり、徐々に信頼関係を築くことができました。その結果、常連のお客様も増え、店長から「あなたなら任せられる」と言っていただけるようになりました。このような経験から、コミュニケーション能力を向上させることができました。また、顧客サービスの向上に取り組む喜びを学びました。私はこれらの学びを活かし、組織内での円滑なコミュニケーションや顧客サービスの向上の貢献に努めていきたいと考えています。(400字以内)

アルバイトを通じて得た成長や学びについて明確に示すことが大事です。具体的なエピソードを通じて、初めは苦労したが積極的な努力によって成果を得た経験が描かれています。

また、その経験を通じて得たコミュニケーション能力や顧客サービス向上への意欲が、将来のキャリアにどのように活かされるかが示唆されています。アルバイトをテーマにしたガクチカも十分効果的です。差別化を図るために、オリジナル性を意識して書いてみましょう。

例文4:インターン

例文

私が学生時代に力を入れて取り組んだことは、営業職の長期インターンシップです。私は、ビジネスの実践的なスキルを身につけたいと思い、企業での長期インターンシップに挑戦しました。最初は、新規顧客の獲得や既存顧客との関係構築など、営業活動における様々な課題に直面しました。しかし、それらの課題に真摯に向き合い、粘り強く取り組むことで、成果を挙げることができました。具体的には、新規顧客の開拓に成功し、既存顧客からの信頼を得て、リピート率を向上させました。これらの経験を通じて、営業活動における効果的なコミュニケーションや交渉のスキルを磨くことができました。入社後には、この経験を活かし、営業チームの一員として積極的に市場開拓に取り組み、貴社のさらなる発展に貢献したいと考えています。(350字以内)

長期インターンもガクチカで効果的なテーマの一つです。ここでは、営業職の長期インターンに焦点を当て、具体的な挑戦や成果を明確に示しています。挑戦に対する姿勢や解決策への取り組み方も強調されており、自己成長と貢献意欲が感じられる内容になっています。

営業職を目指す学生はたくさんいます。実践的なスキルを持つ人材は、高い評価を受けられますので、自信を持ってアピールしましょう。

関連記事:長期インターン経験をガクチカで活かすには?

例文5:留学

例文

私は学生時代、アメリカに短期留学をし、語学力向上に努めました。私は大学2年次に短期留学をしましたが、当初は語学力不足で現地の友人を作ることに苦労していました。そこで、現地の学生と積極的に交流することを心がけました。また、授業外でも積極的にコミュニケーションを取り、会話の機会を増やしました。その結果、現地の友人を作ることができ、今でもメールや電話でやり取りをすることができています。また、TOEICの結果も留学前と比べて、150点アップすることができました。私はこのような経験から、語学力はもちろん対人スキルも向上しました。貴社に入社後には、これらのスキルを活かし、国際的なプロジェクトに積極的に参加し、グローバル展開に貢献したいと考えています。(350字以内)

長期や短期というように期間に関わらず、留学も立派なガクチカのテーマです。ただし、留学したこと自体が強みになるのではなく、そこで何を学んだのかが大事なポイントです。

この例文では、留学前後の語学力向上や対人スキルの成長が数字や具体的な例を交えて伝えており、説得力のあるガクチカになっています。また、将来のキャリアの展望を述べており、入社後の活躍がイメージできます。

ガクチカを書くときの5つの注意点

専門用語は使用しない

ガクチカを作成する際は、専門用語を使わずに、自分自身の経験や取り組みを分かりやすく説明しましょう。専門用語は読み手にとって理解が難しい場合があります。誰が読んでも理解できる内容を書くことで、伝えたいことがより効果的にアピールできます。

また、ES全体で一貫した言葉遣いを保ち、できるだけ一般的な言葉簡潔な表現を使用することが大切です。読み手に分かりやすく、魅力的な内容を提供することで、ガクチカの効果を最大限に引き出しましょう。

誤字脱字をチェックする

ガクチカを書き終わったら、もう一度読み返して誤字脱字がないかチェックしましょう。万が一、誤字脱字を発見した場合は、修正液で修正するのではなく書き直しましょう。

ES内に誤字脱字があるまま提出すると、マイナスな印象を与えかねません。書き上げた文章を繰り返しチェックし、誤字脱字を見逃さないようにしましょう。

また、他の人に目を通してもらうことも有効です。誤字脱字がないことで、ガクチカを含めたESのクオリティを向上させることができます。企業からの信頼性を損なわないためにも、丁寧にチェックをするようにしましょう。

世間的に良くないイメージのテーマは避ける

ガクチカはテーマ選びが大事なポイントです。ガクチカを書く際には、世間的に良くないイメージのテーマは避けるようにしましょう。

例えば、趣味をテーマにする場合、パチンコや競馬などのギャンブル系の内容は就活の場に相応しくありません。そのような内容は、読み手に不快感を与える可能性があり、マイナスの評価を受ける恐れがあります。

代わりに、社会的に受け入れられ、ポジティブなイメージを持たれる活動や経験を選びましょう。

嘘や誇張した内容は書かない

ガクチカを通して、自分をアピールすることは大事ですが、そこに嘘や誇張した内容を含めることはいけません。ESや履歴書に虚偽の情報を記載すると、信頼性を失い、信用を損なう恐れがあります。真実を基にした客観的で、正確な情報を提供することが重要です。

自分自身の経験や成果を素直に表現し、読み手に信頼感を与えることがガクチカの重要な要素となります。嘘や誇張はむしろガクチカの評価を落とし、求められる人物像とのミスマッチを招く可能性があるため、避けるべきです。

面接時の深掘り質問に備える

ガクチカを書く際は、面接時に深掘りされる可能性があることを考慮しておくことが大事です。ESに書かれた内容について、面接官から具体的な質問が出されることがよくあります。

そのため、経験や取り組みに関する詳細や背景を把握し、具体的な事例や結果を準備しておく必要があります。また、自らの行動や考え方、得た学びやスキルを説明できるようにしておきましょう。

面接官からの深掘り質問に備えることで、自信を持って的確に回答することができ、より効果的にガクチカを伝えられます。

ガクチカの書き方を理解して自分の経験をアピールしよう!

ガクチカは、結論ファーストでオリジナル性具体性を意識して書くことが大切です。また、抽象的な表現ではなく、誰が読んでもその状況や場面をイメージできる内容かどうかもポイントです。

最後に、一度書いた文章は再度確認し、不明瞭な部分や誤字脱字を修正してから提出しましょう。そうすることで、自分の経験や強みをより鮮明に伝えることができ、印象に強く残るガクチカが完成します。

ガクチカの書き方に悩んでいる方は、今回ご紹介したポイントを踏まえて、構成づくりからスタートしてみましょう。